JP2003170174A - 凝集濾過方法及び凝集濾過装置 - Google Patents

凝集濾過方法及び凝集濾過装置

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JP2003170174A
JP2003170174A JP2001371614A JP2001371614A JP2003170174A JP 2003170174 A JP2003170174 A JP 2003170174A JP 2001371614 A JP2001371614 A JP 2001371614A JP 2001371614 A JP2001371614 A JP 2001371614A JP 2003170174 A JP2003170174 A JP 2003170174A
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coagulation
tank
membrane
organic polymer
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Tadashi Takadoi
忠 高土居
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Kurita Water Industries Ltd
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Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 河川水や地下水、湖水、工業用水、或いは各
種排水等の原水に凝集剤を加えて凝集槽で凝集反応を行
った後凝集処理水をポンプで圧送し、再凝集槽で再凝集
した後膜分離装置で固液分離するに当り、膜のフラック
スを安定化させて、薬品洗浄頻度を低減する。 【解決手段】 原水を凝集槽1で凝集処理し、凝集処理
水を、再凝集槽4にポンプ3で圧送し、有機高分子凝集
剤を添加してポンプ3で破砕されたフロックを再凝集さ
せた後、膜分離装置5で固液分離する。膜分離装置5の
差圧を差圧測定装置8で測定し、逆洗に到る通水工程中
の差圧の上昇値が所定許容範囲となるように、薬注量制
御装置10により、有機高分子凝集剤の添加量を制御し
て適正な再凝集を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川水や地下水、
湖水、工業用水、或いは排水処理としての凝集濾過方法
及び凝集濾過装置に係り、特にこれらの原水に凝集剤を
加えて凝集反応を行ってフロックを生成させた後、凝集
処理水をポンプで膜分離装置に圧送して固液分離する際
に、ポンプによる圧送で破砕されたフロックを再凝集さ
せて膜分離装置に送給することにより、膜分離装置の膜
透過流束(フラックス)を安定化させ、薬品による洗浄
頻度を低減するようにした凝集濾過方法及び凝集濾過装
置において、効率的な再凝集処理を行って、上記フラッ
クスの安定化効果を確実に得る凝集濾過方法及び凝集濾
過装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、河川水や地下水、湖水、工業用
水、或いは各種排水の除濁処理技術として、これらの原
水にPAC(ポリ塩化アルミニウム)、硫酸バンド(A
(SO)、塩化第二鉄(FeCl)等の凝
集剤を添加して凝集反応を行って凝集フロックを生成さ
せ、この凝集フロックを含む凝集処理水をポンプで膜分
離装置に圧送して固液分離する凝集濾過方法が知られて
いる。
【0003】このような凝集濾過方法においては、固液
分離手段としての膜分離装置の膜の目詰りによるフラッ
クスの低下が著しく、フラックスの回復のための薬品洗
浄頻度が高いことから、薬品洗浄コストの高騰、装置稼
動効率の低下などの問題があった。
【0004】この問題を解決し、膜分離装置の膜フラッ
クスを安定化させて、薬品洗浄頻度を低減する凝集濾過
方法として、本出願人は先に、原水に凝集剤を加えて凝
集反応を行ってフロックを生成させた後、該凝集処理水
をポンプで膜分離装置に圧送して固液分離する凝集濾過
方法において、該凝集処理水を、濾材が充填された大気
非開放の濾過槽に上向流で圧送することにより、ポンプ
で破砕されたフロックを再凝集させた後、膜分離装置で
固液分離する凝集濾過方法を提案した(特開2001−
259654)。
【0005】即ち、凝集処理水中の凝集フロックは、原
水と凝集剤とを適当な条件で反応させることにより、十
分に粗大化されるが、この凝集フロックがポンプで膜分
離装置に圧送される際に、ポンプ内で破砕されて膜面の
孔径よりも小さい微細粒子となる。そして、この微細粒
子が膜面内部にまで侵入し、水逆洗では除去し得ない膜
の目詰りとなってフラックスを低下させてゆく。
【0006】特開2001−259654の方法であれ
ば、ポンプで破砕された凝集フロックを、再凝集させて
粗大化させ、この再凝集フロックを膜分離装置に送給す
ることで、このような微細粒子による膜の目詰りを防止
し、フラックスを長期に亘り安定に維持することができ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、特開20
01−259654の方法であれば、膜分離装置の膜フ
ラックスを安定化させて、薬品洗浄頻度を低減すること
ができるが、より一層の膜フラックスの長期安定化が望
まれる。
【0008】本発明は、原水に凝集剤を加えて凝集処理
を行ってフロックを生成させた後、凝集処理水をポンプ
で再凝集槽及び膜分離装置に順次圧送し、ポンプで破砕
されたフロックを再凝集槽にて再凝集処理してから、膜
分離装置で濃縮水と処理水とに分離する凝集濾過処理に
おいて、膜分離装置の膜フラックスをより一層安定化さ
せることができる、凝集濾過方法及び凝集濾過装置を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の凝集濾過方法
は、原水に凝集剤を加えて凝集処理を行ってフロックを
生成させた後、該凝集処理水をポンプで再凝集槽及び膜
分離装置に順次圧送し、該再凝集槽にてポンプで破砕さ
れたフロックを再凝集処理してから、該膜分離装置で濃
縮水と処理水とに分離する通水工程と、該膜分離装置の
透過水側から濃縮水側に水を逆流させる水逆洗工程とを
有する凝集濾過方法において、該再凝集処理は有機高分
子凝集剤を添加して行うと共に、該膜分離装置の透過水
側と濃縮水側との圧力差を計測し、前記通水工程期間
中、該圧力差の上昇値が所定許容範囲になるように、該
有機高分子凝集剤の添加量を制御することを特徴とす
る。
【0010】本発明の凝集濾過装置は、原水に凝集剤を
加えて凝集処理を行ってフロックを生成させた後、該凝
集処理水をポンプで再凝集槽及び膜分離装置に順次圧送
し、該再凝集槽にてポンプで破砕されたフロックを再凝
集処理してから、該膜分離装置で濃縮水と処理水とに分
離する通水工程と、該膜分離装置の透過水側から濃縮水
側に水を逆流させる水逆洗工程とを行う凝集濾過装置に
おいて、該再凝集槽に有機高分子凝集剤を添加する有機
高分子凝集剤添加手段と、該膜分離装置の透過水側と濃
縮水側との圧力差を計測する圧力差計測手段と、通水工
程期間中、該圧力計測手段で計測される圧力差の上昇値
が所定許容範囲になるように、該有機高分子凝集剤の添
加手段の有機高分子凝集剤添加量を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする。
【0011】凝集濾過を行う膜分離装置では、通水(採
水)工程において、膜分離装置の供給水中に正常フロッ
ク以外の微細粒子が含まれていると、この微細粒子が膜
の細孔に入り、膜の目詰まりで供給水(濃縮水)側と透
過水側との圧力差、即ち差圧が上昇する。このため、凝
集濾過を行う膜分離装置においては、所定時間、通常数
分〜数十分の通水工程毎に膜の透過水側から濃縮水側に
水を逆流させる水逆洗が行われている。この水逆洗は、
通水工程において、膜の細孔内に侵入した微細粒子が取
れ易いうちに除去するために行うものであり、一般的に
は、処理水(透過水)を加圧して逆流させる。
【0012】本発明では、再凝集処理において、有機高
分子凝集剤を添加することにより、ポンプで破砕された
凝集フロックを効率的に再凝集して粗大化することがで
き、これにより微細粒子の膜分離装置への流入を防止し
て、微細粒子による差圧の上昇を抑制することができ
る。しかし、この再凝集処理にあっては、有機高分子凝
集剤の添加量が重要であり、この添加量に過不足がある
と再凝集が不完全となり、微細粒子が残留するようにな
る。そして、微細粒子が膜の細孔に入り込むことによ
り、差圧が上昇する。即ち、再凝集処理において、有機
高分子凝集剤が過不足なく添加され、適正な再凝集が行
われていれば微細粒子が残留せず、微細粒子による差圧
の上昇は殆どなく、通水工程における初期(逆洗直後)
と終期(逆洗直前)とで差圧は殆ど差のないものとなる
が、有機高分子凝集剤の添加量に過不足があり、不適正
な再凝集が行われていると、通水初期の差圧に比べて、
通水終期の差圧は著しく大きいものとなる。
【0013】この通水期間中の差圧の上昇値は、膜フラ
ックスと相関し、差圧の上昇値が小さいと、フラックス
の低下は小さく、差圧の上昇値が大きいとフラックスの
低下は小さい。また、通水期間中の差圧の上昇値が小さ
ければ、膜の細孔に捕捉された微細粒子が少なく、従っ
て水逆洗により容易に除去することができるが、差圧の
上昇値が大きい場合には、膜の細孔内に捕捉された微細
粒子量が多く、水逆洗では完全に除去できなくなり、運
転時間の経過に伴い、水逆洗で除去し得ずに残留した微
細粒子が膜内に徐々に蓄積し、フラックスが大きく低下
してゆくことになる。
【0014】本発明では、通水初期の差圧と通水終期の
差圧の差ができるだけ小さくなるように、再凝集処理の
ための有機高分子凝集剤の添加量を制御する。この添加
量は有機高分子凝集剤の適正添加量であり、これにより
有機高分子凝集剤は過不足なく、添加され、再凝集され
ずに膜分離装置に流入する微細粒子による差圧上昇、フ
ラックスの低下は防止される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の凝
集濾過方法及び凝集濾過装置の実施の形態を詳細に説明
する。
【0016】図1は本発明の凝集濾過方法及び凝集濾過
装置の実施の形態を示す系統図である。図1において、
1は凝集槽、2は循環槽、3はポンプ、4は再凝集槽、
5は膜モジュール、6は逆洗用加圧ポット、7は混合
槽、8は差圧測定装置、9は差圧解析装置、10は薬注
量制御装置である。
【0017】図1では、原水を凝集槽1に導入し、混合
槽7の流出液と有機高分子凝集剤を添加して凝集反応さ
せ、凝集槽1の流出液を循環槽2を経てポンプ3により
再凝集槽4に送給する。再凝集槽4の流入部にはポンプ
Pにより有機高分子凝集剤を添加する。再凝集槽4の流
出液は膜モジュール5に送給して膜分離し、透過水を逆
洗用加圧ポット6を経て処理水として系外に排出し、濃
縮水を循環槽2に循環する。また、この循環槽2内の液
を水中ポンプ(図示せず)で混合槽7に送り無機凝集剤
を添加してpH3.5〜5.0に保持した後凝集槽1に
供給する。
【0018】膜モジュール5では透過水側と濃縮水側に
圧力計を設け、差圧測定装置8で検出し、差圧の経時変
化を差圧解析装置9で演算し、薬注量制御装置10を経
由して有機高分子凝集剤の薬注ポンプPの薬注量を制御
する。
【0019】差圧解析装置9では、逆洗から次の逆洗に
到る通水期間中において、差圧上昇値が最小となるよう
な有機高分子凝集剤の薬注量を演算する。
【0020】この差圧解析装置9における演算は例えば
次のようにして実施される。
【0021】即ち、まず、通常の凝集濾過処理で採用さ
れる有機高分子凝集剤添加量の範囲において、適当量の
薬注量を設定し、この薬注量で処理を行ったときの差圧
の上昇値、即ち、差圧測定曲線の勾配を求め、この勾配
が小さくなるように有機高分子凝集剤の薬注量を調整す
る。具体的には、現在の薬注量に対して30〜200%
程度薬注量を増減し、勾配が小さくなる方向へ薬注量を
調整してゆく。
【0022】このように差圧の上昇値に基いて、これが
小さくなるように有機高分子凝集剤の添加量を制御する
ことにより、有機高分子凝集剤の添加量が最適値とな
る。このため、適正な再凝集処理を行うことができ、微
細粒子の残留を防止して、微細粒子の注入による膜モジ
ュールの膜の目詰まりを防止し、フラックスを長期に亘
り安定に維持することができるようになる。
【0023】凝集槽1に添加する凝集剤としては、塩化
アルミニウム(AlCl)、硫酸バンド(Al(S
)、その他、水酸化アルミニウム(Al(O
H))又は酸化アルミニウム(Al)を塩酸
(HCl)又は硫酸(HSO)で溶解したものなど
のアルミニウム塩や、塩化第二鉄(FeCl)、硫酸
第二鉄(Fe(SO)、硫酸第一鉄(FeSO
)等の鉄塩等の1種又は2種以上を用いることがで
き、その使用量は原水に対して2〜7000mg/Lと
することが望ましい。
【0024】原水の凝集処理に当っては、必要に応じて
水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KO
H)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、酸化カル
シウム(CaO)、水酸化アンモニウム(NHOH)
等のアルカリ、又は、塩酸(HCl)、硫酸(HSO
)、硝酸(HNO)等の鉱酸等のpH調整剤を添加
して、pHを6.0〜11程度に調整する。
【0025】凝集処理に用いる有機高分子凝集剤及び再
凝集処理に用いる有機高分子凝集剤としては特に限定す
るものではなく、アニオン系、ノニオン系、カチオン系
の1種又は2種以上用いることができる。
【0026】凝集処理に用いる有機高分子凝集剤と、再
凝集に用いる有機高分子凝集剤とは、同一のものであっ
ても異なるものであっても良いが、薬品管理等の面から
は同一のものを用いることが好ましい。有機高分子凝集
剤は、凝集槽1への添加量が、原水に対して0.1〜3
mg/Lとなるように添加することが好ましい。また、
本発明では、再凝集槽4への添加量は、差圧の測定値に
基いて制御されるが、一般的には再凝集槽4への入口水
に対して0.1〜1mg/Lの範囲とされる。
【0027】再凝集槽4への有機高分子凝集剤の添加方
法は、ポンプ3出口と再凝集槽4入口との間が望ましい
が、フロックと有機高分子凝集剤との混合/撹拌をかね
てポンプ3の入口部に添加しても良い。
【0028】また、循環槽2から混合槽7への槽内液の
返送は、膜モジュール5の濃縮水が原水流量に対して5
0〜300%の割合で凝集槽1に返送されるような割合
とすることが好ましい。
【0029】この循環槽2からは、必要に応じて汚泥が
抜き出される。
【0030】この再凝集槽4としては、濾材を充填した
加圧型密閉式上向流方式の槽を用いることができ、この
場合、槽内に充填する濾材としては、例えば、粒径0.
5〜3.0mm程度の砂が挙げられるが、何らこれに限
定されるものではなく、アンスラサイトやガーネット、
チタニアシリカ、有機質のスポンジや傾斜板等の濁質捕
捉作用や混合作用のあるものであれば良い。
【0031】再凝集槽4は濁質を捕捉して除去するため
ではなく、ポンプ3で圧送された凝集処理水を所定の滞
留時間、槽内に維持してフロックを再凝集させるための
ものであるため、水の流れは上向流とすることが望まし
いが、槽内へのフロック蓄積がなく、差圧上昇の起きな
い構造であれば下向流であっても良い。また、再凝集槽
4の流出水は、ポンプを用いずに膜モジュール5へ直接
供給するものであり、そのため、この再凝集槽4は、膜
操作圧と同等以上の加圧状態を維持できる密閉式耐圧容
器とする。再凝集槽4の大きさは特に限定するものでは
ないが、破砕されたフロックを十分に再凝集させるた
め、濾材充填部分における滞留時間として5秒以上、上
向流速100m/hr以下、特に、滞留時間3〜60
秒、上向流速200〜20m/hrを維持できるような
大きさであることが望ましい。
【0032】上向流式の再凝集槽の場合、槽内で再凝集
され粗大化したフロックは槽上部から順次漏洩させるよ
うにして、後段の膜モジュール5に圧送される。
【0033】膜モジュール5の分離膜としては、MF
(精密濾過)膜又はUF(限外濾過)膜が好適に使用さ
れる。膜の材質や形式には特に制限はなく、設置型式も
縦型であっても横型であっても良いが、縦型で、下向流
通水方式のものが膜面に付着したSSケーキを逆洗時に
完全に排出することができ、これにより膜の目詰まりに
よる閉塞をより一層確実に防止して、フラックスを長期
に亘り安定に維持することができる点で好ましい。な
お、斜め設置の場合、30度以上の勾配とすることが望
ましい。
【0034】また、膜モジュール5は所定時間の濾過処
理の後、透過水(処理水)を逆流させて定期的に逆洗が
行われるが、逆洗は、2〜500分の濾過に対して1回
の頻度で3〜30秒間、逆洗用加圧ポット6内の透過水
をコンプレッサー(図示せず)で1〜3kg/cm
(0.098〜0.29MPa)に加圧して膜モジュ
ール5に逆流させて行うのが好ましい。
【0035】図1においては、混合槽7において、無機
凝集剤を予め濃縮水を含む循環槽2の流出液と混合して
凝集槽1に添加しているが、このように、濃縮水を予め
無機凝集剤と混合して凝集槽1に添加することにより、
凝集処理により形成されるフロックを圧密化して強度を
高めることができ、これにより膜フラックスをより一層
安定化させることができる。この混合槽7では、無機凝
集剤と共に、必要に応じてpH調整剤を添加して、pH
2〜5.5、好ましくは3.5〜4.5に調整した後凝
集槽1に添加する。この調整pHが2よりも低いと核と
なる濃縮水由来のSSが溶解し始め、凝集処理における
圧密化が起こり難くなる。pHが5.5よりも高いと圧
密化への寄与は小さい。ここで、pH調整剤としては、
凝集槽1に添加するpH調整剤として前述したものを用
いることができる。
【0036】このように濃縮水を予め無機凝集剤と混合
すると共にpH調整し、濃縮水中のSSを無機凝集剤に
より酸性下で処理した後、凝集槽1に添加することによ
り、有機高分子凝集剤との併用で、より一層圧密化され
た強固なフロックを形成することができるようになる。
【0037】この処理時間は、混合槽7の滞留時間とし
て10秒〜10分程度が好ましい。
【0038】また、このように、濃縮水と無機凝集剤と
を混合して凝集槽1に添加する場合、濃縮水と無機凝集
剤とを予め混合し、その後pH調整を行うことが、凝集
処理によるフロックの圧密化の効果の面からは、より一
層好ましい。
【0039】このような本発明の方法は、有機性又は無
機性の濁質を含む各種の用水又は排水の凝集濾過処理に
好適であり、定期的な逆洗を行うのみで、長期に亘り薬
品洗浄を行うことなく、膜フラックスを安定に維持する
ことができる。
【0040】なお、図1は本発明の実施の形態の一例で
あって、本発明はその要旨を超えない限り、何ら図示の
ものに限定されるものではない。例えば、図1では、凝
集槽1内の凝集剤の濃度を高く維持するために、循環槽
2内の液を混合槽7を経て凝集槽1に返送しているが、
循環槽2を省略し、或いは循環槽2を省略せずに、膜モ
ジュール5の濃縮水の一部を直接混合槽7に返送しても
良い。また、混合槽7を省略して無機凝集剤と、膜モジ
ュールの濃縮水又は循環槽2の流出液を直接凝集槽1に
添加しても良い。
【0041】また、凝集処理水内の凝集フロックを粗大
化させるための緩速撹拌のための反応槽を更に凝集槽1
と循環槽2との間に設けても良く、循環槽2で緩速撹拌
を行って、フロックを粗大化させても良い。
【0042】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明する。
【0043】実施例1 図1に示す方法に従って、火力発電所一般排水(pH
4.0,SS380mg/L)を原水として凝集濾過処
理を行った。
【0044】原水は凝集槽1(容量:10L)に35L
/hrで導入した。この凝集槽1に混合槽7(容量:
2.0L,滞留時間:44秒)にて、循環槽2(容量:
20L)からのスラリー液130L/hrと液体塩化第
二鉄(38重量%塩化鉄)4000mg/LをpH4.
0〜4.5で反応させた液を導入すると共に、ノニオン
系有機高分子凝集剤(栗田工業(株)製「クリフロック
PN161」:以下「ノニオンポリマーPN161」と
称す。)0.7mg/L添加し、NaOHでpH6.0
〜7.0に調整して200rpmの回転速度で急速撹拌
して凝集処理した。凝集槽1の凝集処理水は循環槽2に
送給し、薬品無添加で50rpmの回転速度で緩速撹拌
した。
【0045】循環槽2の処理水はモノフレックスポンプ
3により60L/hrで抜き出し、配管内にノニオンポ
リマーPN161を初期0.1mg/L添加しつつ、再
凝集槽4の下部から供給すると共に(再凝集槽4の滞留
時間10秒)、再凝集槽4の流出水を膜モジュール5に
通水した。膜モジュール5では30L/hrの処理水と
30L/hrの濃縮水とに分離し、濃縮水は循環槽2に
返送した。また、循環槽2から平均5L/hrの流量で
排泥した。
【0046】なお、再凝集槽4としては、内径26m
m、高さ1500mmのカラムに、平均粒径3.0mm
のチタニアシリカを高さ300mm充填したものを用
い、また、膜モジュール5としては、内径5.5mm、
長さ700mmの3本内蔵されたMF膜1本を用いた。
この膜モジュール5は、2.5分の通水運転毎に2kg
/cm(0.19MPa)に加圧した処理水を5秒間
逆流(1サイクル)させることにより逆洗した。
【0047】再凝集槽4へのノニオンポリマーPN16
1の添加量は、膜原水供給(濃縮水)側圧力と処理水
(透過水)側圧力との1サイクル毎の差圧を差圧測定装
置8で測定し、この差圧値が0.0〜0.05kg/c
となるように、薬注量制御装置10で現添加量の2
0%毎に増減させた。この処理において、ノニオンポリ
マーPN161添加量を薬液槽の液残量から調べたとこ
ろ平均0.32mg/Lであった。
【0048】このような処理において、1サイクル数の
膜原水供給側(濃縮水側)圧力と処理水(透過水)側圧
力との平均差圧を1.0kg/cm(0.098MP
a)、温度25℃(粘性補正)における値に換算して標
準フラックス(m/m・日)として求めると共に、
1サイクル当りの最大フラックスと最小フラックスの差
(フラックス差)を求めた。また、1サイクル(通水工
程)における通水初期(逆洗直後)の差圧と通水終期
(逆洗直前)の差圧の測定値から、差圧上昇値(通水終
期の差圧−通水後期の差圧)を求めた。これらの経時変
化を表1に示した。また、標準フラックスの低下速度を
算出し、結果を表1に併記した。
【0049】比較例1,2 再凝集槽4へのノニオンポリマーPN161の添加量制
御を行わず、0.1mg/L(比較例1)又は0.9m
g/L(比較例2)の一定量添加としたこと以外は実施
例1と同様にして凝集濾過処理を行い、同様に標準フラ
ックス及びフラックス差と、差圧及び差圧上昇値と、標
準フラックスの低下速度を求め、結果を表1に示した。
【0050】
【表1】
【0051】表1より、本発明によれば、膜モジュール
のフラックスの低下を防止して、フラックスを安定に維
持できることが明らかである。
【0052】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の凝集濾過方
法及び凝集濾過装置によれば、原水に凝集剤を加えて凝
集槽で凝集反応を行った後凝集処理水をポンプで圧送
し、再凝集槽で再凝集した後膜分離装置で固液分離する
に当り、適正な再凝集処理を行うことができ、これによ
り膜のフラックスを安定化させて、薬品洗浄頻度を低減
することができる。このため、薬品洗浄のための薬剤コ
ストを低減すると共に、膜の予備個数の低減を図ること
ができる。また、装置稼動効率が向上することで、原水
の貯水槽容量を縮小することができ、設備費が安価とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の凝集濾過方法及び凝集濾過装置の実施
の形態を示す系統図である。
【符号の説明】
1 凝集槽 2 循環槽 3 ポンプ 4 再凝集槽 5 膜モジュール 6 逆洗用加圧ポット 7 混合槽 8 差圧測定装置 9 差圧解析装置 10 薬注量制御装置
フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA06 GA07 HA28 KA01 KA02 KB13 KB30 KC13 KD08 KE06P PB04 PB05 PB08 4D015 BA21 BA22 BA24 BB05 BB08 BB09 BB12 CA14 CA20 DA04 DA06 DA13 DA15 DA16 DB01 DC06 DC07 DC08 EA03 EA15 EA37 FA01 FA02 FA17 FA28

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原水に凝集剤を加えて凝集処理を行って
    フロックを生成させた後、該凝集処理水をポンプで再凝
    集槽及び膜分離装置に順次圧送し、該再凝集槽にてポン
    プで破砕されたフロックを再凝集処理してから、該膜分
    離装置で濃縮水と処理水とに分離する通水工程と、 該膜分離装置の透過水側から濃縮水側に水を逆流させる
    水逆洗工程とを有する凝集濾過方法において、 該再凝集処理は有機高分子凝集剤を添加して行うと共
    に、 該膜分離装置の透過水側と濃縮水側との圧力差を計測
    し、前記通水工程期間中、該圧力差の上昇値が所定許容
    範囲になるように、該有機高分子凝集剤の添加量を制御
    することを特徴とする凝集濾過方法。
  2. 【請求項2】 原水に凝集剤を加えて凝集処理を行って
    フロックを生成させた後、該凝集処理水をポンプで再凝
    集槽及び膜分離装置に順次圧送し、該再凝集槽にてポン
    プで破砕されたフロックを再凝集処理してから、該膜分
    離装置で濃縮水と処理水とに分離する通水工程と、 該膜分離装置の透過水側から濃縮水側に水を逆流させる
    水逆洗工程とを行う凝集濾過装置において、 該再凝集槽に有機高分子凝集剤を添加する有機高分子凝
    集剤添加手段と、 該膜分離装置の透過水側と濃縮水側との圧力差を計測す
    る圧力差計測手段と、 通水工程期間中、該圧力計測手段で計測される圧力差の
    上昇値が所定許容範囲になるように、該有機高分子凝集
    剤添加手段の有機高分子凝集剤添加量を制御する制御手
    段とを備えたことを特徴とする凝集濾過装置。
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