JP7021461B2 - 水処理方法、水処理装置および原水へのケーキ層形成物質の添加の制御方法 - Google Patents

水処理方法、水処理装置および原水へのケーキ層形成物質の添加の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、水処理方法、水処理装置および原水へのケーキ層形成物質の添加の制御方法に関する。
原水を限外ろ過(Ultrafiltration;UF)膜、精密ろ過(Microfiltration;MF)膜などのろ過膜を通過させて、膜ろ過水を得る水処理方法が知られている。膜ろ過を用いた水処理方法では、ろ過膜のファウリング(目詰まり)防止および抑制のため、ろ過工程と一定間隔での洗浄(逆洗などの物理洗浄)を1サイクルとして、複数サイクルを繰り返すこととなる。
膜ろ過において、原水中の汚れ物質によるろ過膜のファウリング防止および抑制のため、凝集剤などのケーキ層形成物質を用いる方法が知られている(特許文献1~3参照)。ケーキ層形成物質はろ過膜に導入され、ろ過膜の表面に付着したケーキ層形成物質由来の物質はケーキ層を形成する。そして、ケーキ層自体がろ過機能を発揮し、原水中の汚れ物質のろ過膜への到達を防止および抑制し、安定したろ過膜の性能を維持する役目を果たす。なお、ケーキ層は、ケーキ層形成物質が凝集剤である場合は凝集剤濃縮層、ケーキ層形成物質が吸着剤である場合は吸着剤濃縮層とも言われる。
原水の膜ろ過を行う前に、ケーキ層形成物質を分散させた分散液(原水とは異なる液)をろ過膜に導入してろ過膜の表面にケーキ層を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、濁質成分を含む原水を分離膜を用いてろ過するろ過方法であって;分離膜の表面に、原水に含まれている濁質成分を捕捉するためのケーキ層を形成するケーキ層形成工程と;分離膜に形成されたケーキ層側から原水を通過させることにより、原水をろ過するろ過工程と;濁質成分を捕捉したケーキ層を分離膜の表面から除去するケーキ層除去工程とを繰り返して、原水をろ過するろ過方法が記載されている。
特許文献1とは異なるケーキ層の形成方法として、ケーキ層形成物質を添加した原水をろ過膜に導入し、ケーキ層を形成する方法が知られている(例えば、特許文献2および3参照)。
特許文献2には、粉末形状の吸着剤および凝集剤を添加、混合した原水をろ過した後の分離膜モジュールの洗浄方法において;ろ過開始時に粉末形状の吸着剤のみを添加、混合した原水をろ過する吸着剤濃縮層形成工程を行い;続いて粉末形状の吸着剤および凝集剤を添加、混合した原水をろ過して、ろ過工程を終了した後;分離膜モジュール内の膜一次側の水を系外に排出し;次いで、逆圧洗浄を実施しながら分離膜モジュール内の逆圧洗浄排水を排出し;次いで、以下の(a)および(b)のいずれかの工程を実施し;その後、分離膜モジュール内の膜一次側の水を系外に排出する、分離膜モジュールの洗浄方法が記載されている。
(a)分離膜モジュール内の膜一次側を水で満たして空気洗浄を行う工程
(b)分離膜モジュール内の膜一次側に水を給水しながら空気洗浄を行う工程
特許文献3には、浄水処理において使用する膜ろ過システムであって;原水に含まれる膜閉塞原因有機物を凝集させるための凝集剤を、過剰に注入する凝集剤注入手段と;膜閉塞原因有機物の凝集に作用していない、凝集剤のうちの過剰な部分を、粗大化させるために必要なマイクロバブルを注入するマイクロバブル注入手段と;マイクロバブルが注入された後の処理対象水を膜ろ過処理する膜ろ過手段と;を有する、膜ろ過システムが記載されている。
特開2014-184374号公報 特開2015-085206号公報 特開2016-159241号公報
特許文献1に記載の膜ろ過を行う前にろ過膜の表面にケーキ層を形成する方法を本発明者らが検討したところ、ケーキ層の形成に時間がかかり、1サイクルの時間が長くなってしまうために、水処理の効率が悪いことがわかった。
特許文献2には、具体的なケーキ層形成方法は示されていなかった。
特許文献3に記載の方法を本発明者らが検討したところ、過剰なケーキ層の蓄積は、膜ろ過における通水抵抗の増大につながり、一定間隔での洗浄によるケーキ層除去の不足を招くため、安定した膜ろ過運転が難しいことがわかった。
本発明が解決しようとする課題は、安定した膜ろ過運転ができ、1サイクルの時間が短い水処理方法を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意検討を行った。
その結果、ろ過工程開始と同時に高濃度の1サイクル分の凝集剤の初期添加工程を開始し、ろ過しながら短時間でケーキ層を形成する方法により、特許文献1に記載の膜ろ過を行う前にろ過膜の表面にケーキ層を形成する方法よりも1サイクルの時間を短くでき、安定した膜ろ過運転ができることがわかった。
また、この方法は、下記(1)および(2)の原水にケーキ層形成物質をある程度連続して添加する方法とは異なる方法で、逆洗で(薬品洗浄せずに)差圧を回復できる(ファウリング抑制効果が高い)ことがわかった。
(1)ろ過膜への原水水質(例えば、濁度)などのオンタイムの値に対して所定の比率にて原水にケーキ層形成物質を添加する方法;
(2)原水に所定量の(低濃度の)ケーキ層形成物質を添加し続ける方法。
上記課題を解決するための具体的な手段である本発明の構成と、本発明の好ましい構成を以下に記載する。
[1] (A)原水をろ過膜に導入して膜ろ過水を得るろ過工程、および、(B)ろ過膜を洗浄する洗浄工程をこの順で含むサイクルを、複数サイクル行う水処理方法であって、
(C)各サイクルあたりのろ過工程に少なくとも必要と予測されるケーキ層形成物質の量を各サイクル開始前までの原水のトレンド状態に基づいて決定する添加量決定工程と、
(D)各サイクルのろ過工程の開始と同時からろ過工程の終了よりも前までに決定した量のケーキ層形成物質を原水に添加する初期添加工程を含む、水処理方法。
[2] ろ過膜が、限外ろ過膜または精密ろ過膜である[1]に記載の水処理方法。
[3] 初期添加工程が終了後に、原水にケーキ層形成物質を添加しないでろ過工程を行う無添加ろ過工程を含む[1]または[2]に記載の水処理方法。
[4] 初期添加工程で決定されたケーキ層形成物質の量が、各サイクルのろ過工程に少なくとも必要と予測される量を超えない[1]~[3]のいずれか一つに記載の水処理方法。
[5] 初期添加工程に用いるケーキ層形成物質の量を、下記式(I)に基づいて算出する[1]~[4]のいずれか一つに記載の水処理方法;
V=(Q/60)× A × (x/x’)・・・式(I)
式(I)中、
Vは初期添加工程に用いるケーキ層形成物質の量を表し、単位はg/分であり;
Qは水運用計画から任意に設定される時間当たりのろ過水量を表し、単位はm3/時であり;
Aは各サイクル開始前までの原水のトレンド状態から設定される原水の水質における、ケーキ層形成物質の添加率を表し、単位はg/m3であり;
xは各サイクルにおけるろ過工程の開始から終了にかかる時間を表し、単位は分であり;
x’は初期添加工程を行う時間を表し、単位は分である。
[6] 各サイクル開始前までの原水のトレンド状態から設定される原水の水質におけるケーキ層形成物質添加率Aを、ケーキ層形成物質の添加制御システムが各サイクル開始前までの原水の水質データから演算して決定する[1]~[5]のいずれか一つに記載の水処理方法;
ケーキ層形成物質の添加制御システムが、各サイクル開始前までのトレンド状態の原水の水質を計測する水質計a、膜ろ過水の水質を計測する水質計b、水質計bにより計測した水質が所定範囲内になるようにケーキ層形成物質の添加率を制御する添加制御装置c、および、ケーキ層形成物質添加装置dを備え;
添加制御装置cが、データ収集手段c1、記憶手段c2、重回帰分析手段c3および添加率演算手段c4を備え;
データ収集手段c1が、水質計aおよび水質計bにより計測した水質データを時系列的に収集し;
記憶手段c2が、データ収集手段c1により収集した水質データ、ならびに、過去の運転データとしての水質データおよびケーキ層形成物質の添加率を記憶し;
重回帰分析手段c3が、記憶手段a2に記憶された過去の運転データのうち、膜ろ過水の水質の計測値が所定範囲内である時のケーキ層形成物質の添加率を目的変数とし、かつ、水質データを説明変数として重回帰分析を行うことにより、ケーキ層形成物質の添加率の演算式の制御パラメータを演算し;
添加率演算手段c4が、重回帰分析手段c3により演算された制御パラメータを含むケーキ層形成物質添加率演算式により、水質計aにより計測した水質データを用いて膜ろ過水の水質が所定範囲内になるようにケーキ層形成物質添加率Aを演算する;
ただし、ケーキ層形成物質添加装置dは、演算されたケーキ層形成物質添加率Aに従わずに任意の添加率でケーキ層形成物質を添加することもできる。
[7] 各サイクル中の原水のオンタイムの状態から計算されるケーキ層形成物質の不足分を、原水に添加する補正添加工程を有する[1]~[6]のいずれか一つに記載の水処理方法。
[8] 前サイクルの洗浄工程の終了と同時に、次サイクルのろ過工程を開始する[1]~[7]のいずれか一つに記載の水処理方法。
[9] ろ過工程を行いながら、ろ過膜の上流側の膜面にケーキ層を形成する[1]~[8]のいずれか一つに記載の水処理方法。
[10] 各サイクルのろ過工程の開始と同時からろ過工程の終了よりも前までに、ケーキ層の形成を完了させる[9]に記載の水処理方法。
[11] 各サイクルのろ過工程の開始から終了にかかる時間の半分の時間までに、ケーキ層の形成を完了させる[9]または[10]に記載の水処理方法。
[12] 洗浄工程が、ケーキ層を除去する工程である[9]~[11]のいずれか一つに記載の水処理方法。
[13] 洗浄工程で除去されたケーキ層を回収して、次サイクル以降のケーキ層形成物質として用いる[12]に記載の水処理方法。
[14] 洗浄工程が、ろ過膜を逆洗する工程である[1]~[13]のいずれか一つに記載の水処理方法。
[15] ケーキ層形成物質が凝集剤、凝集剤以外の無機物質およびセルロース類のうち少なくとも1種類である[1]~[14]のいずれか一つに記載の水処理方法。
[16] 原水槽、ケーキ層形成物質の添加装置、ろ過装置および洗浄装置を含む水処理装置であって、
水処理装置が、
(a)原水槽から原水をろ過装置が備えるろ過膜に導入して膜ろ過水を得るろ過工程、および、(b)洗浄装置がろ過膜を洗浄する洗浄工程をこの順で含むサイクルを、複数サイクル行うことができ、
ケーキ層形成物質の添加装置が、(c)各サイクルあたりのろ過工程に少なくとも必要と予測されるケーキ層形成物質の量を各サイクル開始前までの原水のトレンド状態に基づいて決定し、
ケーキ層形成物質の添加装置が、(d)各サイクルのろ過工程の開始と同時からろ過工程の終了よりも前までに決定した量のケーキ層形成物質を原水に添加する、水処理装置。
[17] さらに原水槽からろ過装置までの間に原水管を有し、
ケーキ層形成物質の添加装置が、原水管へケーキ層形成物質を添加する[16]に記載の水処理装置。
[18] さらに移送ポンプを有し、
移送ポンプが、洗浄装置からケーキ層形成物質を回収して、ケーキ層形成物質の添加装置へ移送する[16]または[17]に記載の水処理装置。
[19] (A)原水をろ過膜に導入して膜ろ過水を得るろ過工程、および、(B)ろ過膜を洗浄する洗浄工程をこの順で含むサイクルを、複数サイクル行う場合に、
(C)各サイクルあたりのろ過工程に少なくとも必要と予測されるケーキ層形成物質の量を各サイクル開始前までの原水のトレンド状態に基づいて決定する添加量決定工程と、
(D)各サイクルのろ過工程の開始と同時からろ過工程の終了よりも前までに決定した量のケーキ層形成物質を原水に添加する初期添加工程を含む、原水へのケーキ層形成物質の添加の制御方法。
本発明によれば、安定した膜ろ過運転ができ、1サイクルの時間が短い水処理方法を提供できる。
図1(A)は、本発明の水処理方法の一例において、運転時間と各工程の関係を示した概略図である。図1(B)は、本発明の水処理方法の一例において、運転時間およびケーキ層形成物質添加率の関係、ならびに、運転時間およびオンタイム原水水質の関係を示した概略図である。 図2(A)は、本発明の水処理方法の一例において、ろ過時間をx時間に固定した場合に、1サイクルに要する時間X1を示した概略図である。図2(B)はケーキ層形成工程を有する水処理方法の一例において、ろ過時間をx時間に固定した場合に、1サイクルに要する時間X2を示した概略図である。 図3(A)は、ケーキ層形成物質をオンタイム原水水質にあわせて添加する水処理方法の一例において、運転時間と各工程の関係を示した概略図である。図3(B)は、ケーキ層形成物質をオンタイム原水水質にあわせて添加する水処理方法の一例において、運転時間およびケーキ層形成物質添加率の関係、ならびに、運転時間およびオンタイム原水水質の関係を示した概略図である。 図4は、本発明の水処理装置の一例の概略図である。 図5は、本発明の水処理装置の他の一例の概略図である。 図6は、本発明の水処理装置の他の一例において、洗浄工程で除去されたケーキ層を回収して、次サイクル以降のケーキ層形成物質として用いる工程の概略図である。 図7(A)は、実施例1の水処理方法において、運転時間と各工程の関係を示した概略図である。図7(B)は、実施例1の水処理方法において、運転時間および膜ろ過水水質の関係を示した概略図である。 図8は、実施例1の水処理方法において、運転時間と膜入口圧の関係を示したグラフである。 図9(A)は、比較例1の水処理方法において、運転時間と各工程の関係を示した概略図である。図9(B)は、比較例1の水処理方法において、運転時間および膜ろ過水水質の関係を示した概略図である。 図10は、比較例1の水処理方法において、運転時間と膜入口圧の関係を示したグラフである。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は「~」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[水処理方法]
本発明の水処理方法は、(A)原水をろ過膜に導入して膜ろ過水を得るろ過工程、および、(B)ろ過膜を洗浄する洗浄工程をこの順で含むサイクルを、複数サイクル行う水処理方法であって、
(C)各サイクルあたりのろ過工程に少なくとも必要と予測されるケーキ層形成物質の量を各サイクル開始前までの原水のトレンド状態に基づいて決定する添加量決定工程と、
(D)各サイクルのろ過工程の開始と同時からろ過工程の終了よりも前までに決定した量のケーキ層形成物質を原水に添加する初期添加工程を含む。
本発明によれば、この構成により安定した膜ろ過運転ができ、1サイクルの時間が短い水処理方法を提供できる。
なお、本発明では、ケーキ層が形成されることにより、膜のファウリング進行を大きく抑制することでき、ランニングコストを抑えられる。また、本発明の水処理方法は、特開2016-159241号公報に記載の過剰添加分の凝集剤をマイクロバブルで粗大化させる方法に比べ、マイクロバブル発生のコストも不要であり、好ましい。
以下、本発明の好ましい態様について説明する。
<水処理方法の運転時間>
まず、本発明の水処理方法の運転時間について、各工程のタイミングとあわせて図面を参照しながら説明する。
図1(A)は、本発明の水処理方法の一例において、運転時間と各工程の関係を示した概略図である。
図1(B)は、本発明の水処理方法の一例において、運転時間およびケーキ層形成物質添加率の関係、ならびに、運転時間およびオンタイム原水水質の関係を示した概略図である。
本発明では、図1(A)および図1(B)に示すように、(C)添加量決定工程3においてケーキ層形成物質の添加量のコントロールを行い、(D)初期添加工程4でトレンドから設定された必要量先行添加時のケーキ層形成物質添加率22trだけ添加する。ケーキ層形成物質添加率は、前工程までのトレンドから推測され、決定される。その結果、必要以上のケーキ層形成物質の消費を避けられる。
各サイクル開始前までのトレンド状態から設定される原水の水質21trは、過去の水処理に基づいて設定することができ、例えば現サイクルの過去1~100サイクルに用いた原水の水質を平均して設定することや、現サイクルの過去1~48時間に用いた原水の水質を平均して設定することができる。
なお、水質としては、例えば濁度、色度、有機物(TOC、COD)、微粒子数、浮遊性物質数(SS)、電気伝導度、酸化還元電位などの値を用いることができる。
ケーキ層形成物質を供給原水へ先行添加し、撹拌機、配管内乱流などで撹拌および均一化することで、供給原水をケーキ層形成物質を形成するための原液として用いられる。
本発明では、ケーキ層形成物質を形成するための原液は、供給原水でもあることから、膜にてろ過を行うことができる。その結果、ろ過膜の表面でのケーキ層形成物質を形成するための原液の濃縮が容易に行われ、ろ過しながら目的のケーキ層を形成することができる。
図2(A)は、本発明の水処理方法の一例において、ろ過時間をx時間に固定した場合に、1サイクルに要する時間X1を示した概略図である。
図2(B)はケーキ層形成工程を有する水処理方法の一例において、ろ過時間をx時間に固定した場合に、1サイクルに要する時間X2を示した概略図である。なお、図2(B)のケーキ層形成工程を有する水処理方法は、ケーキ層形成溶液は、供給原水ではなく、別の水を用いる。
本発明によれば、図2(A)に示すようにケーキ層形成物質添加のタイミングを明確にしつつ、膜ろ過の運転時間を図2(B)に示すケーキ層形成工程を有する水処理方法と同じ時間運転することができる。本発明では、ろ過工程の開始初期に供給原水にケーキ層形成物質の添加を行うため、ケーキ層形成工程が不要となる。その結果、本発明の水処理方法の方がケーキ層を別に形成する図2(B)の場合よりも、ケーキ層を別に形成する時間だけ工程の一部を排除でき、1サイクルに要する時間(運転時間)が短くなる。すなわち、図2(A)の本発明の水処理方法の1サイクルに要する時間X1は、および図2(B)のケーキ層形成工程を含む水処理方法の1サイクルに要する時間X2よりも短くなる。したがって、膜ろ過設備の稼働時間を長くしつつ、膜ろ過の時間は無理に短くしないために膜ろ過流束の不要な上昇も防ぐことができる。
ろ過工程の時間をx時間と固定した場合、本発明の水処理装置の一定時間Tにおける稼働時間(ろ過時間の合計)は、下記式(II)で表される。ろ過工程以外の時間が長いほど、稼働時間は短くなり、稼働率は低下する。
式(II)
Figure 0007021461000001
なお、図3(A)は、ケーキ層形成物質をオンタイム原水水質にあわせて添加する水処理方法の一例において、運転時間と各工程の関係を示した概略図である。図3(B)は、ケーキ層形成物質をオンタイム原水水質にあわせて添加する水処理方法の一例において、運転時間およびケーキ層形成物質添加率の関係、ならびに、運転時間およびオンタイム原水水質の関係を示した概略図である。
なお、オンタイム原水水質は、現サイクルに用いる原水の水質を、原水管、ろ過水管、または、原水管とろ過水管両方などに設置した水質計で測定した値を用いて求めることができる。現サイクルに用いる原水の水質を、原水管、または、原水管とろ過水管両方に設置した水質計で測定した値を用いる方が、ろ過水管における水質計での測定を行った場合よりも、原水側の水質変化が把握できやすく、ケーキ層形成物質の過剰添加の原因となりにくいため、望ましい。現サイクルに用いる原水の水質を、原水管のみに設置した水質計で測定した値を用いる方が、より好ましい。
図3(A)および図3(B)に示すように、ろ過工程1と同時にケーキ層形成物質添加工程を始め、原水水質21(例えば、原水濁度)に対して比例添加やステップ添加を行ってケーキ層形成物質添加率22を変化させる水処理方法がある。この場合、ケーキ層形成物質を低濃度でろ過工程の間に常時添加することで、結果的にケーキ層が蓄積されることになる。図3(A)および図3(B)に示した方法は、ろ過工程とケーキ層形成物質添加工程が同時に開始される点で本発明の水処理方法と同じであるが、本発明の水処理方法ではケーキ層形成工程をろ過工程の初期に集中させる。本発明の水処理方法は、図3(A)のようにケーキ層形成物質を低濃度でろ過工程の間に常時添加する場合とは異なる方法で、逆洗で(薬品洗浄せずに)差圧を回復できる(ファウリング抑制効果が高い)観点で、好ましい。
以下、本発明の水処理方法の各工程の好ましい態様を、各工程が行われる順に説明する。
<(C)添加量決定工程>
本発明の水処理方法は、(C)各サイクルあたりのろ過工程に少なくとも必要と予測されるケーキ層形成物質の量を各サイクル開始前までの原水のトレンド状態に基づいて決定する添加量決定工程を含む。
各サイクルあたりのろ過工程に少なくとも必要と予測されるケーキ層形成物質の量とは、原水のトレンド状態に基づいて必要と予測されるケーキ層形成物質の量に対して過剰な量ではない。したがって、本発明では、初期添加工程で決定されたケーキ層形成物質の量が、各サイクルのろ過工程に少なくとも必要と予測される量を超えないことが好ましい。
(C)添加量決定工程を行うタイミングは特に制限はない。例えば、原水を取得した際に添加量決定工程3を行ってもよく、図1(A)に示すように1回前のサイクルにおける洗浄工程2の途中で添加量決定工程3を行ってもよい。
(C)添加量決定工程では、原水のトレンド状態に基づいてケーキ層形成物質の添加量を自動計算することが好ましい。
本発明では、初期添加工程に用いるケーキ層形成物質の量を、下記式(I)に基づいて算出することがより好ましい。
V=(Q/60)× A × (x/x’)・・・式(I)
式(I)中、
Vは初期添加工程に用いるケーキ層形成物質の量を表し、単位はg/分であり;
Qは水運用計画から任意に設定される時間当たりのろ過水量を表し、単位はm3/時であり;
Aは各サイクル開始前までの原水のトレンド状態から設定される原水の水質における、ケーキ層形成物質の添加率を表し、単位はg/m3であり;
xは各サイクルにおけるろ過工程の開始から終了にかかる時間を表し、単位は分であり;
x’は初期添加工程を行う時間を表し、単位は分である。
本発明では、各サイクル開始前までの原水のトレンド状態から設定される原水の水質におけるケーキ層形成物質添加率Aを、ケーキ層形成物質の添加制御システムが各サイクル開始前までの原水の水質データから演算して決定することが好ましい。
ケーキ層形成物質の添加制御システムが、各サイクル開始前までのトレンド状態の原水の水質を計測する水質計a、膜ろ過水の水質を計測する水質計b、水質計bにより計測した水質が所定範囲内になるようにケーキ層形成物質の添加率を制御する添加制御装置c、および、ケーキ層形成物質添加装置dを備え;
添加制御装置cが、データ収集手段c1、記憶手段c2、重回帰分析手段c3および添加率演算手段c4を備え;
データ収集手段c1が、水質計aおよび水質計bにより計測した水質データを時系列的に収集し;
記憶手段c2が、データ収集手段c1により収集した水質データ、ならびに、過去の運転データとしての水質データおよびケーキ層形成物質の添加率を記憶し;
重回帰分析手段c3が、記憶手段2に記憶された過去の運転データのうち、膜ろ過水の水質の計測値が所定範囲内である時のケーキ層形成物質の添加率を目的変数とし、かつ、水質データを説明変数として重回帰分析を行うことにより、ケーキ層形成物質の添加率の演算式の制御パラメータを演算し;
添加率演算手段c4が、重回帰分析手段c3により演算された制御パラメータを含むケーキ層形成物質添加率演算式により、水質計aにより計測した水質データを用いて膜ろ過水の水質が所定範囲内になるようにケーキ層形成物質添加率Aを演算することが好ましい。
ただし、ケーキ層形成物質添加装置dは、演算されたケーキ層形成物質添加率Aに従わずに任意の添加率でケーキ層形成物質を添加することもできる。
ケーキ層形成物質の添加制御システムとしては、特開2003-200175号公報の[0009]~[0032]および特開2005-329359号公報の[0008]~[0052]に記載のものを用いることができる。これらの明細書の記載は参照して本明細書に組み込まれる。
(原水)
本発明では、原水のトレンド状態としては、原水の水質のトレンド状態を用いる。
原水の水質としては、濁度、色度、有機物(TOC、COD)、微粒子数、浮遊性物質数(SS)、電気伝導度、酸化還元電位を基準とすることができ、濁度を基準とすることが好ましい。
原水の種類としては、特に制限はない。
原水の例としては、例えば、海水;河川水;湖沼水;雨水;下水処理水;水産加工工場排水、畜産排水、金属加工工場排水、コンクリート工場排水、製紙工場排水、食品加工工場排水などを挙げることができる。
(ケーキ層形成物質)
ケーキ層形成物質の種類としては、特に制限はない。
強い薬品洗浄を行わずにはく離が可能なケーキ層形成物質を用いることが、ランニングコストを抑える観点から好ましい。
効率よくケーキ層を形成でき、形成されたケーキ層が容易に剥離することができる形成物質を用いることが好ましい。ろ過膜からのはく離性の高い物質として、物理洗浄にて容易なはく離が確認されている、自己の物理洗浄排水中から回収される物質を用いることができる。
本発明では、ケーキ層形成物質が凝集剤、凝集剤以外の無機物質およびセルロース類のうち少なくとも1種類であることが好ましい。凝集剤、ろ過膜からのはく離性の高い無機物質およびセルロース類にてケーキ層を形成することで、常に安定した、ケーキ層の形成およびケーキ層形成物質のはく離を繰り返すことができる。
凝集剤としては、公知の凝集剤を挙げることができる。例えば、無機凝集剤および有機凝集剤を挙げることができる。無機凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウムなどを挙げることができる。有機凝集剤としては、高分子凝集剤などを挙げることができる。ケーキ層の形成をすることにより、高分子凝集剤に対してもろ過膜が保護され、高分子凝集剤を使用した沈殿処理水に対しても安定したろ過運転が可能となる。
凝集剤以外の無機物質としては、粒子径や粒度分布が把握されている無機物質を挙げることができる。また、凝集剤以外の無機物質としては、ろ過膜からのはく離性の高い(なじみが悪く付着しにくい)無機物質が好ましい。凝集剤以外の無機物質は、膜材質とのはく離性を考慮し選定され、具体例としては、カルシウムスラリー、鉄粉スラリー、珪藻土、カオリン、ベントナイトなどを挙げることができる。
セルロース類としては、パルプ工場の廃液に含まれるセルロース類などを挙げることができる。
ケーキ層形成物質として、凝集剤を用いることが好ましく、ポリ塩化アルミニウムを用いることがより好ましい。
<(D)初期添加工程>
本発明の水処理方法は、(D)各サイクルのろ過工程の開始と同時からろ過工程の終了よりも前までに決定した量のケーキ層形成物質を原水に添加する初期添加工程を含む。
本発明では、原水槽からろ過膜までの間で(D)初期添加工程を行い、ケーキ層形成物質を含む原水を調製することが好ましい。
本発明では、各サイクルのろ過工程の開始と同時からろ過工程の終了よりも前までに、ケーキ層の形成を完了させることが好ましい。各サイクルのろ過工程の開始から終了にかかる時間の半分の時間までに、ケーキ層の形成を完了させることがより好ましい。
図2(A)に示した、初期添加工程に要する時間x’の、ろ過時間xに対する割合x’/xが1未満であり、0.5以下であることが好ましい。
<(A)ろ過工程>
本発明の水処理方法は、(A)原水をろ過膜に導入して膜ろ過水を得るろ過工程を含む。
本発明では、ろ過工程を行いながら、ろ過膜の上流側の膜面にケーキ層を形成することが好ましい。
本発明では、前サイクルの洗浄工程の終了と同時に、次サイクルのろ過工程を開始することが好ましい。
(膜ろ過処理)
本発明では、ろ過膜が限外ろ過膜または精密ろ過膜であることが好ましく、限外ろ過膜であることがより好ましい。
ろ過工程に用いるろ過膜の孔径の下限値は、0.001μm以上であることが一次処理水のイオン(すなわち原水のイオン)を取り除かずに十分にイオンを含む除菌水を製造する観点から好ましく、0.01μm以上であることがより好ましい。
ろ過工程に用いるろ過膜の孔径の上限値は、0.1μm以下であることが好ましく、0.03μm以下であることがより好ましい。
ろ過膜としては、例えばOJI-MEMBRANE(公称孔径0.02μmの限外ろ過膜)などを用いることができる。
ろ過工程では、25℃に換算した場合、安定領域における流束が50L/(m2・hr・0.1MPa)以上であることが好ましく、200L/(m2・hr・0.1MPa)以上であることがより好ましく、500L/(m2・hr・0.1MPa)以上であることが特に好ましい。
<無添加ろ過工程>
本発明の水処理方法では、図1(A)および図1(B)に示すように、初期添加工程4が終了後に、原水にケーキ層形成物質を添加しないでろ過工程を行う無添加ろ過工程5を有することが、必要以上のケーキ層形成物質の消費を避ける観点から好ましい。
<補正添加工程>
本発明の水処理方法は、図1(A)および図1(B)に示すように、各サイクル中の原水のオンタイムの状態から計算されるケーキ層形成物質の不足分を、原水に添加する補正添加工程を有することが好ましい。
具体的には、過去トレンドを大きく超過する水質変動が発生した場合は、不足する分のケーキ層形成物質を充当するために補正添加工程6を行うことが好ましい。図1(A)および図1(B)に示すように、オンタイム原水水質21onが、トレンド状態から設定される原水の水質21trを大きく超過する場合がある。この場合、トレンド原水水質に対するオンタイム原水水質の超過分23にあわせて、補正添加工程6を行うことが好ましい。補正添加工程6では、オンタイム原水水質による不足分補正添加時のケーキ層形成物質添加率22onで、ケーキ層形成物質を適宜添加することができる。
<(B)洗浄工程>
本発明の水処理方法は、(B)ろ過膜を洗浄する洗浄工程を含む。
膜ろ過処理では、ある程度の水準で流束(Fluxとも言う。ここではろ過流束を意味する)が下げ止まり、物理洗浄を行うことでろ過を持続できることが好ましい。すなわち、安定領域で膜ろ過ができることが好ましい。
「安定領域で膜ろ過ができる」とは、一定圧力でろ過を長時間(例えば、10分以上、好ましくは15分以上、より好ましくは30分以上)でき、ろ過水量が落ちてきたら、物理洗浄を行うことにより膜が再生可能という意味である。
ろ過工程の終了と同時に、(B)洗浄工程を開始することが好ましい。
洗浄工程としては特に制限は無く、公知の方法を用いることができる。本発明では、洗浄工程が、物理洗浄工程であることが好ましい。
物理洗浄工程は、好ましくは液体を用いる物理洗浄工程であり、より好ましくは液体を用いる逆洗である。
なお、液体を用いる逆洗に、空気を用いる逆洗を併用してもよい。
洗浄工程が、ケーキ層を除去する工程であることが、設備稼働率およびランニングコストの観点から好ましい。通常、ケーキ層除去には、物理洗浄の他に薬品強化物理洗浄(CEB)や薬品洗浄により行われる。薬品を多量に使用する薬品洗浄を頻繁に行うことは、設備稼働率の低下や薬品の使用によるランニングコストの増大につながる。
なお、物理洗浄工程の数回または数十回に1回程度の薬品洗浄を併用してもよい。
<ケーキ層回収工程>
本発明では、洗浄工程で除去されたケーキ層を回収して、次サイクル以降のケーキ層形成物質として用いることが好ましい。
ケーキ層回収工程では、洗浄排水中に含まれる物質を回収し、それを形成物質として再利用する。
<水処理装置>
本発明の水処理方法に用いられる装置としては、制限はない。本発明の水処理方法には、以下の本発明の水処理装置を用いることが好ましい。
本発明の水処理装置は、原水槽、ケーキ層形成物質の添加装置、ろ過装置および洗浄装置を含む水処理装置であって、
水処理装置が、(a)原水槽から原水をろ過装置が備えるろ過膜に導入して膜ろ過水を得るろ過工程、および、(b)洗浄装置がろ過膜を洗浄する洗浄工程をこの順で含むサイクルを、複数サイクル行うことができ、
ケーキ層形成物質の添加装置が、(c)各サイクルあたりのろ過工程に少なくとも必要と予測されるケーキ層形成物質の量を各サイクル開始前までの原水のトレンド状態に基づいて決定し、
ケーキ層形成物質の添加装置が、(d)各サイクルのろ過工程の開始と同時からろ過工程の終了よりも前までに決定した量のケーキ層形成物質を原水に添加する。
図4~6に、本発明の水処理装置の一例を示した。
図4は、本発明の水処理装置の一例の概略図である。図4に示した本発明の水処理装置の一例を用いる場合の、本発明の水処理方法の一例を説明する。図4では、物質の流れを実線の矢印で示している。
図4に示すように、ケーキ層形成物質貯蔵槽101に貯蔵されたケーキ層形成物質(不図示)を、ケーキ層形成物質添加ポンプ102によってケーキ層形成物質添加管103を通過させ、原水槽111に添加する。
原水槽111において、原水(不図示)およびケーキ層形成物質(不図示)は、任意の撹拌機114によって撹拌され、均一に混合されることが好ましい。
次に、ケーキ層形成物質を含む原水を、原水ポンプ113によって原水管112を通過させ、ろ過膜121を有する分離膜モジュールに導入し、ろ過工程を行うことができる。
ろ過膜121を通過した膜ろ過水(不図示)は、膜ろ過水管122を通過して、処理水槽131に一時的に貯蔵することができる。
図4に示すように、ろ過工程に用いる原水にケーキ層形成物質を先行添加する方法であれば、本発明の水処理装置の構成は、凝集剤添加部を有する一般的な水処理装置の構成と同じものとなり、ケーキ層形成物質の添加のための新たな附帯設備が不要となる。
その後、図4に示した装置では、処理水槽131の膜ろ過水を、逆洗ポンプ132によって、逆洗管133を通過させて分離膜モジュール中のろ過膜121を逆洗し、洗浄工程を行うことができる。逆洗に用いる液体は、膜ろ過水であっても、その他の逆洗用の液体であってもよく、膜ろ過水であることが好ましい。
本発明の水処理装置の1つの態様では、さらに原水槽からろ過装置までの間に原水管を有し、
ケーキ層形成物質の添加装置が、原水管へケーキ層形成物質を添加することが好ましい。
図5は、本発明の水処理装置の他の一例の概略図であり、ケーキ層形成物質を原水管へ入れる方式の水処理装置の概略図である。
原水管へケーキ層形成物質を添加する場合、図5に示すように、ケーキ層形成物質貯蔵槽101に貯蔵されたケーキ層形成物質(不図示)を、ケーキ層形成物質添加ポンプ102によってケーキ層形成物質添加管103を通過させ、原水槽111に添加できる。
原水管へケーキ層形成物質を添加する場合は、原水管112内の乱流や原水ポンプ113によるケーキ層形成物質および原水の撹拌および混合ができるため、原水槽111への撹拌機の設置が不要となる。
本発明の水処理装置の1つの態様では、さらに移送ポンプを有し、
移送ポンプが、洗浄装置からケーキ層形成物質を回収して、ケーキ層形成物質の添加装置へ移送することが好ましい。
図6は、本発明の水処理装置の他の一例において、洗浄工程で除去されたケーキ層を回収して、次サイクル以降のケーキ層形成物質として用いる工程の概略図である。自己の洗浄排水(例えば、逆洗排水)からケーキ層形成物質を取り出す場合、洗浄排水を回収濃縮槽に一時貯留し、洗浄排水中のケーキ層形成物質(Suspended Solids;SSなど)を濃縮させることが好ましい。
図6は、図4に示した水処理装置の一例に対し、回収物質移送管141、回収濃縮槽142、移送ポンプ143および濃縮物質移送管144を配置した例である。この装置を用い、洗浄工程において逆洗ポンプ132によってろ過膜121の表面に形成されていたケーキ層を剥がし、回収濃縮槽142にケーキ層形成物質を回収し、濃縮させることが好ましい。その後、移送ポンプ143によって、濃縮されたケーキ層形成物質(不図示)を濃縮物質移送管144を通過させて、ケーキ層形成物質貯蔵槽101へ移送できることが好ましい。
水処理装置は、その他に公知の装置を備えていてもよい。
例えば、任意の場所にpH調節装置を備えていてもよい。
例えば、任意の場所に温度調節装置を備えていてもよい。
[原水へのケーキ層形成物質の添加の制御方法]
本発明の原水へのケーキ層形成物質の添加の制御方法は、(A)原水をろ過膜に導入して膜ろ過水を得るろ過工程、および、(B)ろ過膜を洗浄する洗浄工程をこの順で含むサイクルを、複数サイクル行う場合に、
(C)各サイクルあたりのろ過工程に少なくとも必要と予測されるケーキ層形成物質の量を各サイクル開始前までの原水のトレンド状態に基づいて決定する添加量決定工程と、
(D)各サイクルのろ過工程の開始と同時からろ過工程の終了よりも前までに決定した量のケーキ層形成物質を原水に添加する初期添加工程を含む。
原水へのケーキ層形成物質の添加の制御方法における各工程の好ましい態様は、本発明の水処理方法の各工程の好ましい態様と同様である。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
図4に示した水処理装置を用い、以下の方法で実施例1の水処理方法を行った。
原水(処理対処水) :工場内排水処理水
ケーキ層形成物質 :ポリ塩化アルミニウム
ろ過膜 :ポリフッ化ビニリデン
膜ろ過流束 :1.0m3/m2/日
初期添加工程に用いるケーキ層形成物質の量V :25g/分
水運用計画から任意に設定される時間当たりのろ過水量Q:2.5m3/時
ケーキ層形成物質添加率A :100g/m3/1サイクル
ろ過時間x :30分
初期添加工程を行う時間x’ :5分
図7(A)は、実施例1の水処理方法において、運転時間と各工程の関係を示した概略図である。
<(C)添加量決定工程>
初期添加工程に用いるケーキ層形成物質の量を、下記式(I)に基づいて算出した。
V=(Q/60)× A × (x/x’)・・・式(I)
式(I)中、
Vは初期添加工程に用いるケーキ層形成物質の量を表し、単位はg/分であり;
Qは水運用計画から任意に設定される時間当たりのろ過水量を表し、単位はm3/時であり;
Aは各サイクル開始前までの原水のトレンド状態から設定される原水の水質における、ケーキ層形成物質の添加率を表し、単位はg/m3であり;
xは各サイクルにおけるろ過工程の開始から終了にかかる時間を表し、単位は分であり;
x’は初期添加工程を行う時間を表し、単位は分である。
各サイクル開始前までの原水のトレンド状態から設定される原水の水質におけるケーキ層形成物質添加率Aを、ケーキ層形成物質の添加制御システムが各サイクル開始前までの原水の水質データから演算して決定した。
なお、各サイクル開始前までの原水のトレンド状態から設定される原水の水質は、現サイクルの過去1~100サイクルに用いた原水の水質を平均して設定した。
用いたケーキ層形成物質の添加制御システムは、ケーキ層形成物質の添加制御システムが、各サイクル開始前までのトレンド状態の原水の水質を計測する水質計a、膜ろ過水の水質を計測する水質計b、水質計bにより計測した水質が所定範囲内になるようにケーキ層形成物質の添加率を制御する添加制御装置c、および、ケーキ層形成物質添加装置dを備え;
添加制御装置cが、データ収集手段c1、記憶手段c2、重回帰分析手段c3および添加率演算手段c4を備え;
データ収集手段c1が、水質計aおよび水質計bにより計測した水質データを時系列的に収集し;
記憶手段c2が、データ収集手段c1により収集した水質データ、ならびに、過去の運転データとしての水質データおよびケーキ層形成物質の添加率を記憶し;
重回帰分析手段c3が、記憶手段2に記憶された過去の運転データのうち、膜ろ過水の水質の計測値が所定範囲内である時のケーキ層形成物質の添加率を目的変数とし、かつ、水質データを説明変数として重回帰分析を行うことにより、ケーキ層形成物質の添加率の演算式の制御パラメータを演算し;
添加率演算手段c4が、重回帰分析手段c3により演算された制御パラメータを含むケーキ層形成物質添加率演算式により、水質計aにより計測した水質データを用いて膜ろ過水の水質が所定範囲内になるようにケーキ層形成物質添加率Aを演算するものであった。
水質計(処理水濁度計も同様)として、レーザー光式精密濁度計(製品名DMT-101、マイクロテック(株)製)を用いた。
供給原水として河川水を用い、ケーキ層形成物質としてポリ塩化アルミニウムを用いた。
<(D)初期添加工程>
上記(C)添加量決定工程で決定した初期添加工程に用いるケーキ層形成物質の量Vを原水に添加を開始し、(D)初期添加工程を行った。
<(A)ろ過工程>
上記(D)初期添加工程の開始と実質的に同時に、(A)ろ過工程を開始した。(A)ろ過工程では、ケーキ層形成物質を含む原水をろ過膜に導入した。
(A)ろ過工程では、限外ろ過膜(公称孔径0.01μm)を用いて連続的にろ過処理した。
<無添加ろ過工程>
上記(C)添加量決定工程で決定した初期添加工程に用いるケーキ層形成物質の量Vだけケーキ層形成物質の添加が完了した時点で、(D)初期添加工程を中断した。(D)初期添加工程を行った時間は、式(I)におけるx’分である。
(D)初期添加工程を中断した後も(A)ろ過工程は続けた。すなわち、原水をろ過膜に導入し続け、無添加ろ過工程を開始した。無添加ろ過工程を行った時間は、各サイクルにおけるろ過工程の開始から終了にかかる時間x分から、初期添加工程を行う時間x’分を引いた時間とした。
<(B)洗浄工程>
その後、(B)洗浄工程として、限外ろ過膜の逆洗を行った。
以上の工程を、この順で含むサイクルを、複数サイクル行った。
(比較例1)
以下の方法で、比較例1の水処理方法を行った。
図9(A)は、比較例1の水処理方法において、運転時間と各工程の関係を示した概略図である。
まず、ケーキ層形成物質を分散させた分散液(原水とは異なる液)をろ過膜に導入してろ過膜の表面にケーキ層を形成した。用いたケーキ層形成物質の量は、実施例1と同様とした。
その後、実施例1と同じ原水を用いて、原水にケーキ層形成物質を添加せずに、膜ろ過を行った。
その後、限外ろ過膜の逆洗を実施例1と同様に行った。
以上の工程を、この順で含むサイクルを、複数サイクル行った。
なお、比較例1では、各サイクルにおけるろ過工程の開始から終了にかかる時間x分は、実施例1と同じ時間とした。
<評価>
実施例1および比較例1の水処理方法で得られた膜ろ過水の水質の比較を行った。
図7(B)は、実施例1の水処理方法において、運転時間および膜ろ過水水質の関係を示した概略図である。図7(B)より、処理水槽流入濁度は、常時0.001未満を継続したことがわかった。また、運用上、全く問題がないことを確認できた。実施例1の水処理方法において、膜入口圧を測定し、図8に実施例1の水処理方法において、運転時間と膜入口圧の関係を示したグラフを示した。
図9(B)は、比較例1の水処理方法において、運転時間および膜ろ過水水質の関係を示した概略図である。図9(B)より、ろ過開始直後から、処理水槽流入濁度は、0.001未満を継続したことがわかった。比較例1の水処理方法において、膜入口圧(ろ過膜の上流側の圧力)を測定し、図10に比較例1の水処理方法において、運転時間と膜入口圧の関係を示したグラフを示した。
図8および図10より、ろ過時間xを同じとしてサイクルを繰り返した場合、実施例1の水処理方法は、比較例1の水処理方法と同程度の膜入口圧で安定した膜ろ過運転ができ、1サイクルの時間が短くできることがわかった。
以上より、本発明によれば、安定した膜ろ過運転ができ、1サイクルの時間が短い水処理方法を提供できることがわかった。
1 ろ過工程
2 洗浄工程
3 添加量決定工程
4 初期添加工程
5 無添加ろ過工程
6 補正添加工程
11 ケーキ層形成工程
21 原水水質
21on オンタイム原水水質
21tr トレンド状態から設定される原水の水質
22 ケーキ層形成物質添加率
22on オンタイム原水水質による不足分補正添加時のケーキ層形成物質添加率
22tr トレンドから設定された必要量先行添加時のケーキ層形成物質添加率
23 トレンド原水水質に対するオンタイム原水水質の超過分
x ろ過時間
x’ 初期添加工程に要する時間
X1 本発明の水処理方法の1サイクルに要する時間
X2 ケーキ層形成工程を含む水処理方法の1サイクルに要する時間
101 ケーキ層形成物質貯蔵槽
102 ケーキ層形成物質添加ポンプ
103 ケーキ層形成物質添加管
111 原水槽
112 原水管
113 原水ポンプ
114 撹拌機
121 ろ過膜
122 膜ろ過水管
131 処理水槽
132 逆洗ポンプ
133 逆洗管
141 回収物質移送管
142 回収濃縮槽
143 移送ポンプ
144 濃縮物質移送管

Claims (15)

  1. (A)原水をろ過膜に導入して膜ろ過水を得るろ過工程、および、(B)前記ろ過膜を洗浄する洗浄工程をこの順で含むサイクルを、複数サイクル行う水処理方法であって、
    (C)各サイクルあたりの前記ろ過工程に少なくとも必要と予測されるケーキ層形成物質の量を各サイクル開始前までの過去100サイクルに用いた前記原水の水質を平均して設定される原水の水質のトレンド状態に基づいて決定する添加量決定工程と、
    (D)各サイクルの前記ろ過工程の開始と同時から前記ろ過工程の終了よりも前までに決定した量の前記ケーキ層形成物質を前記原水に添加する初期添加工程を含み、
    前記ろ過工程を行いながら前記ろ過膜の上流側の膜面にケーキ層を形成し、
    前記初期添加工程において、各サイクルの前記ろ過工程の開始と同時から前記ろ過工程の終了よりも前までにケーキ層の形成を完了させ、その後、前記初期添加工程を中断して前記原水に前記ケーキ層形成物質を添加しないで前記ろ過工程を行う無添加ろ過工程を行い、
    前記ケーキ層形成物質がポリ塩化アルミニウム、有機凝集剤、カルシウムスラリー、珪藻土、カオリン、ントナイトおよびセルロース類のうち少なくとも1種類である、水処理方法。
  2. 前記ろ過膜が、限外ろ過膜または精密ろ過膜である、請求項1に記載の水処理方法。
  3. 前記初期添加工程で決定された前記ケーキ層形成物質の量が、各サイクルのろ過工程に少なくとも必要と予測される量を超えない、請求項1または2に記載の水処理方法。
  4. 前記初期添加工程に用いる前記ケーキ層形成物質の量を、下記式(I)に基づいて算出する、請求項1~のいずれか一項に記載の水処理方法;
    V=(Q/60)× A × (x/x’)・・・式(I)
    前記式(I)中、
    Vは前記初期添加工程に用いる前記ケーキ層形成物質の量を表し、単位はg/分であり;
    Qは水運用計画から任意に設定される時間当たりのろ過水量を表し、単位はm/時であり;
    Aは各サイクル開始前までの過去100サイクルに用いた前記原水の水質を平均して設定される原水の水質のトレンド状態から設定される原水の水質における、ケーキ層形成物質の添加率を表し、単位はg/mであり;
    xは各サイクルにおける前記ろ過工程の開始から終了にかかる時間を表し、単位は分であり;
    x’は前記初期添加工程を行う時間を表し、単位は分である。
  5. 各サイクル開始前までの前記原水のトレンド状態から設定される原水の水質におけるケーキ層形成物質添加率Aを、ケーキ層形成物質の添加制御システムが各サイクル開始前までの前記原水の水質データから演算して決定する、請求項1~のいずれか一項に記載の水処理方法;
    前記ケーキ層形成物質の添加制御システムが、各サイクル開始前までのトレンド状態の原水の水質を計測する水質計a、膜ろ過水の水質を計測する水質計b、前記水質計bにより計測した水質が所定範囲内になるようにケーキ層形成物質の添加率を制御する添加制御装置c、および、ケーキ層形成物質添加装置dを備え;
    前記添加制御装置cが、データ収集手段c1、記憶手段c2、重回帰分析手段c3および添加率演算手段c4を備え;
    データ収集手段c1が、前記水質計aおよび前記水質計bにより計測した水質データを時系列的に収集し;
    前記記憶手段c2が、前記データ収集手段c1により収集した水質データ、ならびに、過去の運転データとしての水質データおよびケーキ層形成物質の添加率を記憶し;
    前記重回帰分析手段c3が、前記記憶手段2に記憶された過去の運転データのうち、膜ろ過水の水質の計測値が所定範囲内である時のケーキ層形成物質の添加率を目的変数とし、かつ、水質データを説明変数として重回帰分析を行うことにより、ケーキ層形成物質の添加率の演算式の制御パラメータを演算し;
    前記添加率演算手段c4が、前記重回帰分析手段c3により演算された制御パラメータを含む前記ケーキ層形成物質添加率演算式により、前記水質計aにより計測した水質データを用いて膜ろ過水の水質が所定範囲内になるようにケーキ層形成物質添加率Aを演算する;
    ただし、前記ケーキ層形成物質添加装置dは、演算されたケーキ層形成物質添加率Aに従わずに任意の添加率でケーキ層形成物質を添加することもできる。
  6. 各サイクル中の前記原水のオンタイムの状態から計算される前記ケーキ層形成物質の不足分を、前記原水に添加する補正添加工程を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の水処理方法。
  7. 前サイクルの前記洗浄工程の終了と同時に、次サイクルの前記ろ過工程を開始する、請求項1~のいずれか一項に記載の水処理方法。
  8. 各サイクルの前記ろ過工程の開始から終了にかかる時間の半分の時間までに、前記ケーキ層の形成を完了させる、請求項1~7のいずれか一項に記載の水処理方法。
  9. 前記洗浄工程が、前記ケーキ層を除去する工程である、請求項1~8のいずれか一項に記載の水処理方法。
  10. 前記洗浄工程で除去された前記ケーキ層を回収して、次サイクル以降のケーキ層形成物質として用いる、請求項に記載の水処理方法。
  11. 前記洗浄工程が、前記ろ過膜を逆洗する工程である、請求項1~10のいずれか一項に記載の水処理方法。
  12. 原水槽、ケーキ層形成物質の添加装置、ろ過装置および洗浄装置を含む水処理装置であって、
    前記水処理装置が、
    (a)前記原水槽から原水を前記ろ過装置が備えるろ過膜に導入して膜ろ過水を得るろ過工程、および、(b)前記洗浄装置が前記ろ過膜を洗浄する洗浄工程をこの順で含むサイクルを、複数サイクル行うことができ、
    前記ケーキ層形成物質の添加装置が、(c)各サイクルあたりの前記ろ過工程に少なくとも必要と予測されるケーキ層形成物質の量を各サイクル開始前までの過去100サイクルに用いた前記原水の水質を平均して設定される原水の水質のトレンド状態に基づいて決定し、
    前記ケーキ層形成物質の添加装置が、(d)各サイクルの前記ろ過工程の開始と同時から前記ろ過工程の終了よりも前までに決定した量の前記ケーキ層形成物質を前記原水に添加する初期添加工程を行い
    前記ろ過工程を行いながら前記ろ過膜の上流側の膜面にケーキ層を形成し、
    前記初期添加工程において、各サイクルの前記ろ過工程の開始と同時から前記ろ過工程の終了よりも前までにケーキ層の形成を完了させ、その後、前記初期添加工程を中断して前記原水に前記ケーキ層形成物質を添加しないで前記ろ過工程を行う無添加ろ過工程を行い、
    前記ケーキ層形成物質がポリ塩化アルミニウム、有機凝集剤、カルシウムスラリー、珪藻土、カオリン、ントナイトおよびセルロース類のうち少なくとも1種類である、水処理装置。
  13. さらに前記原水槽から前記ろ過装置までの間に原水管を有し、
    前記ケーキ層形成物質の添加装置が、前記原水管へ前記ケーキ層形成物質を添加する、請求項12に記載の水処理装置。
  14. さらに移送ポンプを有し、
    前記移送ポンプが、前記洗浄装置から前記ケーキ層形成物質を回収して、前記ケーキ層形成物質の添加装置へ移送する、請求項12または13に記載の水処理装置。
  15. (A)原水をろ過膜に導入して膜ろ過水を得るろ過工程、および、(B)前記ろ過膜を洗浄する洗浄工程をこの順で含むサイクルを、複数サイクル行う場合に、
    (C)各サイクルあたりの前記ろ過工程に少なくとも必要と予測されるケーキ層形成物質の量を各サイクル開始前までの過去100サイクルに用いた前記原水の水質を平均して設定される原水の水質のトレンド状態に基づいて決定する添加量決定工程と、
    (D)各サイクルの前記ろ過工程の開始と同時から前記ろ過工程の終了よりも前までに決定した量の前記ケーキ層形成物質を前記原水に添加する初期添加工程を含み、
    前記ろ過工程を行いながら前記ろ過膜の上流側の膜面にケーキ層を形成し、
    前記初期添加工程において、各サイクルの前記ろ過工程の開始と同時から前記ろ過工程の終了よりも前までにケーキ層の形成を完了させ、その後、前記初期添加工程を中断して前記原水に前記ケーキ層形成物質を添加しないで前記ろ過工程を行う無添加ろ過工程を行い、
    前記ケーキ層形成物質がポリ塩化アルミニウム、有機凝集剤、カルシウムスラリー、珪藻土、カオリン、ントナイトおよびセルロース類のうち少なくとも1種類である、原水へのケーキ層形成物質の添加の制御方法。
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