JP2003170057A - 内燃機関用排気ガス浄化装置 - Google Patents

内燃機関用排気ガス浄化装置

Info

Publication number
JP2003170057A
JP2003170057A JP2001370254A JP2001370254A JP2003170057A JP 2003170057 A JP2003170057 A JP 2003170057A JP 2001370254 A JP2001370254 A JP 2001370254A JP 2001370254 A JP2001370254 A JP 2001370254A JP 2003170057 A JP2003170057 A JP 2003170057A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adsorbent
catalyst
zeolite
exhaust gas
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001370254A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3854134B2 (ja
Inventor
Tetsuo Endo
哲雄 遠藤
Takeshi Motohashi
剛 本橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2001370254A priority Critical patent/JP3854134B2/ja
Priority to US10/309,319 priority patent/US20030129098A1/en
Publication of JP2003170057A publication Critical patent/JP2003170057A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3854134B2 publication Critical patent/JP3854134B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/34Chemical or biological purification of waste gases
    • B01D53/92Chemical or biological purification of waste gases of engine exhaust gases
    • B01D53/94Chemical or biological purification of waste gases of engine exhaust gases by catalytic processes
    • B01D53/9481Catalyst preceded by an adsorption device without catalytic function for temporary storage of contaminants, e.g. during cold start
    • B01D53/9486Catalyst preceded by an adsorption device without catalytic function for temporary storage of contaminants, e.g. during cold start for storing hydrocarbons
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D2253/00Adsorbents used in seperation treatment of gases and vapours
    • B01D2253/10Inorganic adsorbents
    • B01D2253/106Silica or silicates
    • B01D2253/108Zeolites
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D53/00Separation of gases or vapours; Recovering vapours of volatile solvents from gases; Chemical or biological purification of waste gases, e.g. engine exhaust gases, smoke, fumes, flue gases, aerosols
    • B01D53/34Chemical or biological purification of waste gases
    • B01D53/92Chemical or biological purification of waste gases of engine exhaust gases
    • B01D53/94Chemical or biological purification of waste gases of engine exhaust gases by catalytic processes
    • B01D53/944Simultaneously removing carbon monoxide, hydrocarbons or carbon making use of oxidation catalysts

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】内燃機関の始動時に触媒の未活性状態で排気ガ
ス中の未燃成分である炭化水素を吸着剤で吸着し、触媒
の活性化後には吸着剤から脱離したHCを触媒で浄化す
るようにした内燃機関用排気ガス浄化装置において、吸
着剤のHC脱離開始温度を向上させるとともに、高温の
排気ガスに対する充分な耐久性が得られるようにする。 【解決手段】Csを担持させたゼオライトを吸着剤に含
ませる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関用排気ガ
ス浄化装置に関し、特に、内燃機関の始動時に触媒の未
活性状態で排気ガス中の未燃成分である炭化水素(以
下、HCと言う)を吸着剤で吸着し、触媒の活性化後に
は吸着剤から脱離したHCを触媒で浄化するようにした
内燃機関用排気ガス浄化装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関から排出される排気ガスを浄化
するために一般的には触媒が用いられているが、内燃機
関の始動時から触媒が活性化温度(一般的には300℃
前後)に達するまでは触媒が未活性状態にあるので、触
媒による排気ガスの浄化ができない。そこで触媒が活性
化するまでの間は、排気ガス中のHCを吸着剤に吸着さ
せ、触媒が高温となるのに応じて吸着剤から離脱させた
HCを触媒で浄化する試みが、大きく分けて2通りの方
式で従来から実行されている。
【0003】その1つは、たとえば特開平3−1418
16号公報で開示されるように、内燃機関の始動時には
バイパスバルブにより排気ガスを吸着剤側に流通させ、
吸着剤からHCが脱離する前にバイパスバルブを切り換
えて触媒側に排気ガスを流通させるようにし、脱離HC
を吸着剤の下流の触媒で浄化したり、EGRとしてエン
ジンに戻したり、触媒の上流側に戻して浄化するように
したバイパス切換方式である。また他の1つは、たとえ
ば特開平7−213910号公報で開示されるように、
吸着剤および触媒を混合したり、層状に積層して担体に
担持させ、内燃機関の始動時の低温状態で吸着触媒によ
りHCを吸着し、高温となって吸着触媒からHCが脱離
するときには同一担体内の触媒で浄化するようにしたH
C吸着触媒方式である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、現状では、
吸着剤がHCの脱離を開始する脱離開始温度と、触媒の
活性化温度には隔たりがあり、触媒が活性化する前に吸
着剤が大部分のHCを脱離してしまう。このため吸着剤
の脱離開始温度をより高い温度とすることが望まれてい
る。
【0005】ところで、HCを吸着する吸着剤として
は、耐熱性を考慮して、アルミノケイ酸塩およびメタロ
シリケート等のゼオライト類が一般的に用いられる。こ
のゼオライトの吸着には、物理吸着と、化学吸着とがあ
り、物理吸着は分子間引力に支配されるものであるの
で、HCの分子径に適合した細孔径のゼオライトを用い
ると、分子間引力が強く働いて吸着力が強くなるととも
にHCの脱離温度も高くなる。しかるに排気ガス中に含
まれるHC種は200種類以上であり、その形、大きさ
が様々であるので、単一ゼオライト種だけでは全てのH
C種を捉えることは困難である。このためモルデナイト
型、フォージャサイト型およびβ型等のような細孔径の
大きなゼオライト種、MFI型のような細孔径の中くら
いのゼオライト種、ならびにフェリライト型およびジャ
バサイト型のような細孔径の小さなゼオライト種を組み
合わせることにより、様々な分子径のHCの満足し得る
吸着性能を得ようとしているが、HCの分子径に適した
細孔径の吸着剤による物理吸着だけでは、触媒が活性化
する温度まで脱離開始温度を向上させることは困難であ
った。
【0006】一方、化学吸着は、ゼオライト中の酸およ
び金属のイオン交換等による分極と、分極したHCとに
よる極性同士の結合によるものであり、ゼオライトにA
g、Pd、Cu等の金属のイオン交換処理を施すこと
で、HC、特に不飽和炭化水素の脱離開始温度を上げ得
ることが従来より知られており、この化学吸着と上記物
理吸着とを組み合わせることで、脱離開始温度を向上さ
せることが可能となるが、金属のイオン交換処理により
耐熱性が低下し、特に内燃機関の排気ガスのような高温
に曝される環境への適用にあたっては耐熱性が不充分と
なっている。
【0007】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、吸着剤のHC脱離開始温度を向上させるとと
もに、高温の排気ガスに対する充分な耐久性が得られる
ようにした内燃機関用排気ガス浄化装置を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、内燃機関からの排気ガス中
に含まれる炭化水素を吸着する吸着剤と、前記吸着剤か
ら脱離する炭化水素を浄化する触媒とを備える内燃機関
用排気ガス浄化装置において、前記吸着剤が、Csを担
持させたゼオライトを含むことを特徴とする。
【0009】このような請求項1記載の発明の構成によ
れば、Csをゼオライトに担持せしめることにより、吸
着剤の化学吸着効果を高めることができる。しかもゼオ
ライトにCsを担持せしめると、ルイス塩基点の発現に
よって塩基性となり、ゼオライトが疎水性となることに
より高温での水のアタックが減少するので、Csを担持
せしめたゼオライトの耐熱性は、従来のAg、Pd、C
u等の金属を担持させたものに比べて優れており、吸着
剤のHC脱離開始温度を向上させるとともに、高温の排
気ガスに対する充分な耐久性を得ることが可能となる。
【0010】Csを担持させるゼオライトとしては、M
FI構造を持つZSM−5ゼオライトやZSM−11ゼ
オライト、FAU構造を持つY型ゼオライトおよびUS
Y型ゼオライト、MOR構造を持つモルデナイト型ゼオ
ライト、BEA構造を持つβ型ゼオライト、FER構造
を持つフェリライト型ゼオライト等があり、いずれのゼ
オライトを用いても効果があるが、耐熱性に違いがある
ので、内燃機関の排気量や、吸着剤および触媒のレイア
ウト等から定まる要求耐熱温度等に応じて選択すればよ
い。特に要求耐熱温度が高いときには、MFI構造を持
つゼオライトの耐熱温度が高いので有効である。
【0011】また請求項2記載の発明は、上記請求項1
記載の発明の構成に加えて、前記吸着剤および前記触媒
が、相互の接触を回避して配置されることを特徴とし、
かかる構成によれば、Csおよび触媒の接触による高温
下での触媒劣化を回避することができる。
【0012】上記目的を達成するために、請求項3記載
の発明は、内燃機関からの排気ガス中に含まれる炭化水
素を吸着する吸着剤が担体の表面に積層されて成る吸着
剤層と、貴金属を含まない無機物が前記吸着剤層上に積
層されて成る無機物層と、前記吸着剤から脱離する炭化
水素を浄化する触媒が前記無機物層上に積層されて成る
触媒層とから成り、前記吸着剤が、Csを担持させたゼ
オライトを含むことを特徴とする。
【0013】このような請求項3記載の発明の構成によ
れば、HC吸着触媒方式で排気ガス中のHCを浄化する
にあたり、Csを担持させたゼオライトを吸着剤が含む
ことにより、吸着剤の化学吸着効果を高めることができ
る。またゼオライトにCsを担持せしめると、ルイス塩
基点の発現によって塩基性となり、ゼオライトが疎水性
となることにより高温での水のアタックが減少するの
で、Csを担持せしめたゼオライトの耐熱性は、従来の
Ag、Pd、Cu等の金属を担持させたものに比べて優
れており、吸着剤のHC脱離開始温度を向上させるとと
もに、高温の排気ガスに対する充分な耐久性を得ること
が可能となる。しかも吸着剤および触媒相互間に貴金属
を含まない無機物が介在していることで、Csおよび触
媒の接触による高温下での触媒劣化を回避することがで
きる。
【0014】請求項4記載の発明は、上記請求項3記載
の発明の構成に加えて、前記ゼオライトが、MFI型ゼ
オライトであることを特徴とし、耐熱性の高いMFI型
ゼオライトにCsを担持させることで、より高い耐熱性
を確保することができる。
【0015】請求項5記載の発明は、上記請求項4記載
の発明の構成に加えて、前記無機物が、β型ゼオライ
ト、Y型ゼオライトおよびモルデナイト型ゼオライトか
ら選択された少なくとも1つから成ることを特徴とし、
かかる構成によれば、カーボン数4以下のパラフィンお
よびオレフィンならびに大きな分子径を持つイソオクタ
ンやメタキシレン等のHCに対してCsを担持させたM
FI型ゼオライトの吸着力が低いのを、物理吸着能力が
高いβ型ゼオライト、Y型ゼオライトおよびモルデナイ
ト型ゼオライトから選択された少なくとも1つのゼオラ
イトで補うようにし、吸着剤層および無機物層により、
HCの種類によらず、高い吸着率と高温保持力を得るこ
とが可能となる。特にβ型ゼオライトは、2種類の細孔
径を持ち、その細孔径は、内燃機関の排気ガスに含まれ
るHCの分子径に適したものであるので、好適である。
【0016】請求項6記載の発明は、上記請求項5記載
の発明の構成に加えて、前記触媒が、無機酸化物に貴金
属を担持させて成ることを特徴とし、かかる構成によれ
ば、吸着剤から脱離したHCを浄化することができ、H
Cの浄化率を向上することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1において、内燃機関の始動時
の低温状態でHCを吸着するとともに、高温となること
で脱離するHCも浄化する吸着触媒1は、ハニカム状担
体2に担持されて成るものであり、排気ガス中に含まれ
る炭化水素を吸着する吸着剤が担体2の表面に積層され
て成る吸着剤層3と、貴金属を含まない無機物が前記吸
着剤層3上に積層されて成る無機物層4と、前記吸着剤
から脱離する炭化水素を浄化する触媒が前記無機物層4
上に積層されて成る触媒層5とで構成される。
【0018】次に、上記吸着触媒3について実施例およ
び比較例により、以下に詳細に説明する。
【0019】実施例1;MFI型であるZSM−5ゼオ
ライトにイオン交換率95%でCsのイオン交換を行っ
て得たCs−ZSM−5ゼオライトの粉末100重量部
と、シリカゾル50重量部および純水110重量部と
を、ボールミルで12時間粉砕、混合した。それによっ
て得られたスラリーに、直径1インチ、長さ60mm、
300セル、10.5ミルのコージェライトから成るハ
ニカム状の担体を浸漬し、その後で焼成することによ
り、吸着剤を100g/lの量で担体にコートした。
【0020】実施例2;β型ゼオライトにイオン交換率
100%でCsのイオン交換を行って得たCs−β型ゼ
オライトの粉末100重量部と、シリカゾル50重量部
および純水180重量部とを、ボールミルで12時間粉
砕、混合した。それによって得られたスラリーに、直径
1インチ、長さ60mm、300セル、10.5ミルの
コージェライトから成るハニカム状の担体を浸漬し、そ
の後で焼成することにより、吸着剤を100g/lの量
で担体にコートした。
【0021】実施例3;実施例1で得たCs−ZSM−
5ゼオライトの粉末100重量部と、シリカゾル50重
量部および純水110重量部とを、ボールミルで12時
間粉砕、混合した。それによって得られたスラリーに、
直径1インチ、長さ60mm、300セル、10.5ミ
ルのコージェライトから成るハニカム状の担体を浸漬し
た後で焼成することにより、吸着剤を50g/lの量で
担体にコートした。次いで、SiO2 /Al2 3 比1
700のβ型ゼオライトの粉末100重量部と、シリカ
ゾル50重量部および純水180重量部とを、ボールミ
ルで12時間粉砕、混合して得たスラリーに、上記担体
を浸漬した後に焼成することにより、Cs−ZSM−5
ゼオライトを含む上記吸着剤の上層にβ型ゼオライトを
含む吸着剤を50g/lの量でコートし、合計100g
/lの吸着剤を担体上に積層した。さらに触媒として用
いるPd(NO3 2 ・nH2 O(硝酸パラジウム)1
00重量部と、Al2 3 粉末100重量部、シリカゾ
ル50重量部および純水400重量部とをボールミルで
12時間粉砕、混合して得たスラリーに、上記担体を浸
漬した後に焼成することにより、合計100g/lの吸
着剤上に40g/lの触媒を積層した。
【0022】実施例4;実施例1で得たCs−ZSM−
5ゼオライトの粉末100重量部と、シリカゾル50重
量部および純水110重量部とを、ボールミルで12時
間粉砕、混合した。それによって得られたスラリーに、
直径1インチ、長さ60mm、300セル、10.5ミ
ルのコージェライトから成るハニカム状の担体を浸漬し
た後で焼成することにより、吸着剤を80g/lの量で
担体にコートした。次いで、SiO2 /Al2 3 比1
700のβ型ゼオライトの粉末100重量部と、シリカ
ゾル50重量部および純水180重量部とをボールミル
で12時間粉砕、混合して得たスラリーに、上記担体を
浸漬した後に焼成することにより、Cs−ZSM−5ゼ
オライトを含む上記吸着剤の上層にβ型ゼオライトを含
む吸着剤を20g/lの量でコートし、合計100g/
lの吸着剤を担体上に積層した。さらにPd(NO3
2 ・nH2 O100重量部と、Al2 3 粉末100重
量部、シリカゾル50重量部および純水400重量部と
をボールミルで12時間粉砕、混合して得たスラリー
に、上記担体を浸漬した後に焼成することにより、合計
100g/lの吸着剤上に40g/lの触媒を積層し
た。
【0023】実施例5;実施例1で得たCs−ZSM−
5ゼオライトの粉末100重量部と、シリカゾル50重
量部および純水110重量部とを、ボールミルで12時
間粉砕、混合した。それによって得られたスラリーに、
直径1インチ、長さ60mm、300セル、10.5ミ
ルのコージェライトから成るハニカム状の担体を浸漬し
た後で焼成することにより、吸着剤を60g/lの量で
担体にコートした。次いで、SiO2 /Al2 3 比1
700のβ型ゼオライトの粉末100重量部と、シリカ
ゾル50重量部および純水180重量部とをボールミル
で12時間粉砕、混合して得たスラリーに、上記担体を
浸漬した後に焼成することにより、Cs−ZSM−5ゼ
オライトを含む上記吸着剤の上層にβ型ゼオライトを含
む吸着剤を40g/lの量でコートし、合計100g/
lの吸着剤を担体上に積層した。さらにPd(NO3
2 ・nH2 O100重量部と、Al2 3 粉末100重
量部、シリカゾル50重量部および純水400重量部と
をボールミルで12時間粉砕、混合して得たスラリー
に、上記担体を浸漬した後に焼成することにより、合計
100g/lの吸着剤上に40g/lの触媒を積層し
た。
【0024】実施例6;実施例1で得たCs−ZSM−
5ゼオライトの粉末100重量部と、シリカゾル50重
量部および純水110重量部とを、ボールミルで12時
間粉砕、混合した。それによって得られたスラリーに、
直径1インチ、長さ60mm、300セル、10.5ミ
ルのコージェライトから成るハニカム状の担体を浸漬し
た後で焼成することにより、吸着剤を40g/lの量で
担体にコートした。次いで、SiO2 /Al2 3 比1
700のβ型ゼオライトの粉末100重量部と、シリカ
ゾル50重量部および純水180重量部とをボールミル
で12時間粉砕、混合して得たスラリーに、上記担体を
浸漬した後に焼成することにより、Cs−ZSM−5ゼ
オライトを含む上記吸着剤の上層にβ型ゼオライトを含
む吸着剤を60g/lの量でコートし、合計100g/
lの吸着剤を担体上に積層した。さらにPd(NO3
2 ・nH2 O100重量部と、Al2 3 粉末100重
量部、シリカゾル50重量部および純水400重量部と
をボールミルで12時間粉砕、混合して得たスラリー
に、上記担体を浸漬した後に焼成することにより、合計
100g/lの吸着剤上に40g/lの触媒を積層し
た。
【0025】実施例7;実施例1で得たCs−ZSM−
5ゼオライトの粉末100重量部と、シリカゾル50重
量部および純水110重量部とを、ボールミルで12時
間粉砕、混合した。それによって得られたスラリーに、
直径1インチ、長さ60mm、300セル、10.5ミ
ルのコージェライトから成るハニカム状の担体を浸漬し
た後で焼成することにより、吸着剤を20g/lの量で
担体にコートした。次いで、SiO2 /Al2 3 比1
700のβ型ゼオライトの粉末100重量部と、シリカ
ゾル50重量部および純水180重量部とをボールミル
で12時間粉砕、混合して得たスラリーに、上記担体を
浸漬した後に焼成することにより、Cs−ZSM−5ゼ
オライトを含む上記吸着剤の上層にβ型ゼオライトを含
む吸着剤を80g/lの量でコートし、合計100g/
lの吸着剤を担体上に積層した。さらにPd(NO3
2 ・nH2 O100重量部と、Al2 3 粉末100重
量部、シリカゾル50重量部および純水400重量部と
をボールミルで12時間粉砕、混合して得たスラリー
に、上記担体を浸漬した後に焼成することにより、合計
100g/lの吸着剤上に40g/lの触媒を積層し
た。
【0026】比較例1;SiO2 /Al2 3 比170
0のβ型ゼオライトの粉末100重量部と、シリカゾル
50重量部および純水200重量部とをボールミルで1
2時間粉砕、混合して得たスラリーに、直径1インチ、
長さ60mm、300セル、10.5ミルのコージェラ
イトから成るハニカム状の担体を浸漬した後で焼成する
ことにより、吸着剤を100g/lの量で担体にコート
した。
【0027】比較例2;SiO2 /Al2 3 比240
のモルデナイト型ゼオライトの粉末100重量部と、シ
リカゾル50重量部および純水180重量部とをボール
ミルで12時間粉砕、混合して得たスラリーに、直径1
インチ、長さ60mm、300セル、10.5ミルのコ
ージェライトから成るハニカム状の担体を浸漬した後で
焼成することにより、吸着剤を100g/lの量で担体
にコートした。
【0028】比較例3;SiO2 /Al2 3 比750
のZSM−5型ゼオライトの粉末100重量部と、シリ
カゾル50重量部および純水110重量部とをボールミ
ルで12時間粉砕、混合して得たスラリーに、直径1イ
ンチ、長さ60mm、300セル、10.5ミルのコー
ジェライトから成るハニカム状の担体を浸漬した後で焼
成することにより、吸着剤を100g/lの量で担体に
コートした。
【0029】比較例4;SiO2 /Al2 3 比93の
フェリライト型ゼオライトの粉末100重量部と、シリ
カゾル50重量部および純水240重量部とをボールミ
ルで12時間粉砕、混合して得たスラリーに、直径1イ
ンチ、長さ60mm、300セル、10.5ミルのコー
ジェライトから成るハニカム状の担体を浸漬した後で焼
成することにより、吸着剤を100g/lの量で担体に
コートした。
【0030】比較例5;SiO2 /Al2 3 比390
のUSY型ゼオライトの粉末100重量部と、シリカゾ
ル50重量部および純水190重量部とをボールミルで
12時間粉砕、混合して得たスラリーに、直径1イン
チ、長さ60mm、300セル、10.5ミルのコージ
ェライトから成るハニカム状の担体を浸漬した後で焼成
することにより、吸着剤を100g/lの量で担体にコ
ートした。
【0031】比較例6;実施例1で得られたCs−ZS
M−5ゼオライトの粉末50重量部、SiO2 /Al2
3 比1700のβ型ゼオライトの粉末50重量部、シ
リカゾル50重量部および純水145重量部をボールミ
ルで12時間粉砕、混合して得たスラリーに、直径1イ
ンチ、長さ60mm、300セル、10.5ミルのコー
ジェライトから成るハニカム状の担体を浸漬した後で焼
成することにより、Cs−ZSM−5ゼオライトを含む
吸着剤およびβ型ゼオライトを含む吸着剤を50g/l
ずつ合計100g/lの量の吸着剤を担体にコートし
た。さらにPd(NO3 2 ・nH2 O100重量部
と、Al2 3 粉末100重量部、シリカゾル50重量
部および純水400重量部とをボールミルで12時間粉
砕、混合して得たスラリーに、上記担体を浸漬した後に
焼成することにより、合計100g/lの吸着剤上に4
0g/lの触媒を積層した。
【0032】次に各種ゼオライト、ならびに上記実施例
1〜7および比較例1〜6の吸着触媒について、各種評
価試験を行なったので、その結果について以下に説明す
るが、各試験においてエージングは、900℃を20時
間持続するようにして、管状炉を900℃、20時間に
わたってO2 1%、H2 O10%、N2 89%の雰囲気
に保持するようにして行なった。また測定条件は表1の
通りである。
【0033】
【表1】
【0034】上記表1で示した測定条件下において、エ
タン(C2H6 )、プロピレン(C36 )、ブタン(C
4 10)、1−ペンテン(C5 10)、ベンゼン(C6
6)、トルエン(C7 8 )、m−キシレン(C8
10)および2,2,4トリメチルペンタン(C8 18
を含むHCガスを用いて、実施例1および比較例1〜5
について吸着、脱離開始試験を行なった結果を図2で示
す。
【0035】この図2によれば、実施例1のCs−ZS
M−5ゼオライトを除く各ゼオライト、すなわち比較例
1のβ型ゼオライト、比較例2のモルデナイト型ゼオラ
イト、比較例3のMFI型ゼオライト、比較例4のフェ
リライト型ゼオライトおよび比較例5のUSY型ゼオラ
イトが示すように、細孔径の小さなゼオライトは、低分
子HCを吸着し易く、脱離開始温度が高いために低分子
HCの吸着に適しており、細孔径の大きなゼオライト
は、高分子HCを吸着し易く、脱離開始温度が高いため
に高分子HCの吸着に適しており、HCの吸着は、HC
の分子量にほぼ比例することがわかる。しかるに、実施
例1のCs−ZSM−5ゼオライトは、カーボン数5〜
7(C5〜C7)のHCの脱離開始温度が、上記各比較
例のゼオライトを上回るものであり、上記各比較例のゼ
オライトが物理吸着によるものと推定されるのに対し、
Cs−ZSM−5ゼオライトは化学吸着力が働いている
ことが推定される。
【0036】次に、実施例1,2および比較例1,3,
5について、上記表1で示した測定条件下で、実車の排
気ガスの模擬排ガスとして表2で示す組成の8種混合H
Cガスを用いた吸着、脱離試験を行なった結果を図3で
示す。
【0037】
【表2】
【0038】この図3から明らかなように、β型ゼオラ
イト、MFI型ゼオライトおよびUSY型ゼオライトに
比べて、Csを担持せしめたCs−ZSM−5ゼオライ
トおよびCs−β型ゼオライトの脱離開始温度が高い。
【0039】実施例1,3および比較例1,6につい
て、上記表1の測定条件下で触媒のHCの浄化が50%
になったときの温度(ライトオフ温度)を測定した結果
を図4に示す。
【0040】この図4から明らかなように、フレッシュ
状態では、β型ゼオライトに触媒を担持させた吸着触媒
(比較例1)のライトオフ温度が低く、触媒活性が高い
のに対し、Cs−MFIゼオライトを含むタイプ(実施
例1,6、比較例3)は全てライトオフ温度が同程度で
あるが、これはHCの脱離開始温度が高温であることか
ら、ライトオフ温度が見かけ上高温化するためである。
【0041】一方、900℃でエージングすると、触媒
は劣化するが、吸着剤がβ型ゼオライトだけであるもの
(比較例1)と、下層をCs−MFI型ゼオライトと
し、中層をβ型ゼオライトとし、上層を触媒としたもの
(実施例3)とは、ライトオフ温度が242℃程度であ
るのに対し、吸着剤がCs−MFI型ゼオライトだけの
もの(実施例3)と、Cs−MFI型およびβ型ゼオラ
イトを混合した吸着剤を用いるもの(比較例6)とは、
ライトオフ温度が260℃以上であって触媒の劣化が大
きい。このことから、イオン交換でCsを担持させたゼ
オライトは、エージングによりCsが触媒と反応し、触
媒が劣化すると推定することができる。したがってCs
担持ゼオライトを触媒に接触させることは触媒の劣化の
原因となるものであり、Cs担持ゼオライトおよび触媒
を相互に接触しないように離間して配置することが必要
であり、そうすることで触媒の劣化が抑制され、HCの
吸着・脱離浄化機能が損なわれることがなく、そのため
に、吸着剤層3および触媒層5間に、触媒貴金属を有し
ない無機物から成る無機物層4を介在させることが望ま
しい。
【0042】上記無機物としては、Csを含まないゼオ
ライト、セリアおよびアルミナ等の酸化物を選択するこ
とができるが、物理吸着性能の高いゼオライトを選択す
ることで、吸着初期は無機物で高い吸着率を得るととも
に、吸着中期から後期にかけてはCs担持ゼオライトに
よる高温保持力をでHCを保持するようにして、全体と
して高い吸着率および高い吸着保持力を併せ持つ吸着剤
とすることが可能となる。
【0043】ところで、Csを担持せしめるゼオライト
は、耐熱性が要求されるのであるが、一般的には低ケイ
バン比すなわちAl含有率の大きなゼオライトの耐熱性
は低いものである。一方、Csのイオン交換能力を確保
するためにはAl含有率の大きなゼオライトが好ましい
ものであり、その相反する要求からゼオライトを選択す
ると、MFI型ゼオライトであるZSM−5ゼオライト
は低ケイバン比ですなわちAl含有率が大きく、しかも
耐熱性にも優れているという特徴を有する。そこで、C
sを担持させるゼオライトとしてはZSM−5ゼオライ
トを用いることが好ましいが、2,2,4トリメチルペ
ンタンや、M−キシレンのような大きい分子径を持つH
Cは、MFI型ゼオライトの細孔径には適合しない。そ
こでβ型ゼオライトのように、大きな分子径を持つHC
を吸着し得る細孔径のゼオライトで無機物層を形成する
のが好適である。
【0044】実施例1,3および比較例1,6につい
て、上記表1の測定条件下で50℃から450℃の平均
浄化率を測定したときの結果を図5で示す。
【0045】図5で明らかなように、フレッシュ状態で
は、β型ゼオライトに触媒を担持させた吸着触媒(比較
例1)が多くのHC種を吸着可能であり、ライトオフ温
度が低く、触媒活性が高いので、吸着浄化性能が優れて
いる。一方、900℃のエージング後には、吸着剤がC
s−MFI型ゼオライトだけであるもの(実施例1)
と、吸着剤がβ型ゼオライトだけであるもの(比較例
1)と、Cs−MFI型およびβ型ゼオライトを混合し
た吸着剤を用いるもの(比較例6)とは、上述のライト
オフ温度の低下によって平均浄化率が低くなるのに対
し、下層をCs−MFI型ゼオライトとし、中層をβ型
ゼオライトとし、上層を触媒としたもの(実施例3)
は、β型ゼオライトによって多くの種類のHCを吸着し
得ること、Cs−MFI型ゼオライトにより高温脱離性
能が優れること、ならびにCsおよび触媒の接触が回避
されることにより、優れた吸着浄化性能を発揮すること
が可能となる。
【0046】実施例3〜7を用いて、吸着剤層3のCs
−MFI型ゼオライトと、無機物層4のβ型ゼオライト
とのゼオライトの比率の変化に応じた50℃から450
℃の平均浄化率の変化を、表1の測定条件下での測定に
よって得た結果を図6で示す。
【0047】図6から明らかなように、Cs−MFI型
ゼオライトの担持量が多くても、少なくても平均浄化率
は低下する。これはβ型ゼオライトの比率が多いと、初
期の吸着率は高いものの、脱離温度が低いためであり、
またCs−MFI型ゼオライトの担持量が多いと、2,
2,4トリメチルペンタンのような分子径の大きなHC
種が捉えられず、初期の吸着率が低下するためである。
【0048】この結果によれば、ゼオライト中のCs−
MFI型ゼオライトの比率が30〜〜80%であれば、
それぞれ単独のものよりも効果があると言え、50〜7
5%であればさらによい。
【0049】実施例3〜7を用いて、吸着剤層3のCs
−MFI型ゼオライトおよび無機物層4のβ型ゼオライ
トの全体ゼオライト全体の量の変化に応じた50℃から
450℃の平均浄化率の変化を、表1の測定条件下での
測定によって得た結果を図7で示す。
【0050】図7から明らかなように、ゼオライトの担
持量が多くても、少なくても平均浄化率は低下する。こ
れはゼオライトの担持量が少ないと吸着できるHC量が
少なくなり、ゼオライトの担持量が多いと、ゼオライト
の量に対する吸着HC量の割合が少なくなるからであ
り、Cs−MFI型ゼオライトの吸着効率が低下するこ
とによる。この結果によれば、ゼオライトが20〜27
0g/Lであれば、吸着剤がない(0g/L)のものよ
りも効果があると言え、80〜180g/Lであればさ
らによい。
【0051】実施例3〜7を用いて、触媒担持量の変化
に応じた50℃から450℃の平均浄化率の変化を、表
1の測定条件下での測定によって得た結果を図8で示
す。
【0052】図8から明らかなように、触媒の担持量が
多くても、少なくても平均浄化率は低下する。これは、
触媒担持量が少ないと触媒中に占める貴金属の割合が大
きくなるため、エージングによる貴金属のシンタリング
が大きくなることによって触媒性能が低下し、触媒担持
量が多いとヒートマスの増加によって触媒の温度上昇が
遅れるからである。したがって触媒の劣化が抑えられ、
ヒートマスの増加も抑えられる担持量として、触媒担持
量が10〜160g/Lであれば効果があると言え、1
5〜120g/Lであればさらによい。
【0053】実施例3〜7において触媒中の貴金属の量
を変更したときの50℃から450℃の平均浄化率の変
化を表1の測定条件下での測定によって得た結果を図9
の実線曲線で示し、吸着剤なしの触媒だけの場合に貴金
属の量を変更したときの50℃から450℃の平均浄化
率の変化を表1の測定条件下での測定によって得た結果
を図9の破線曲線で示す。
【0054】図9から明らかなように、どちらの場合に
も貴金属量が増加するに従って平均浄化率が大きくなる
が、吸着剤を有するものの場合には、吸着剤を有しない
ものに比べて貴金属の量が1g/L以上で平均浄化率が
向上している。これは吸着剤で吸着したHCを浄化する
ためには触媒の低温活性性能が要求されるのであるが、
貴金属の量が少ないと、その効果を充分に発揮できない
ことによる。したがって触媒中の貴金属の量は1g/L
以上であればよく、多すぎてもコストに対する効果が小
さくなるので、3〜15g/Lであれば効果的である。
【0055】次に図10で示すように、吸着触媒1の上
流側に触媒6を配置した場合(a)と、吸着触媒1の下
流側に触媒6を配置した場合と(b)と、吸着触媒1を
用いずに触媒6,6を直列配置した場合(c)とで、表
3の測定条件下で前述の表2のHCガスを用いて50〜
450℃の平均浄化率を測定したときの結果を図11に
示す。
【0056】
【表3】
【0057】図11から明らかなように、吸着触媒1の
上流側に触媒6を配置した場合の平均浄化率が他の場合
よりも高いことがわかる。これは、触媒6,6だけの場
合に比べて吸着触媒1の浄化活性が吸着剤のヒートマス
により遅れるため、ヒートマスが低い触媒6を前段に配
置することで、前段の触媒6の未活性時に冷却されて比
較的低温となった排気ガス中のHCを後段の吸着触媒1
で効果的に吸着し、前段の触媒6が活性化した後にはそ
の反応によって後段の吸着触媒1に導入される排気ガス
が急激に昇温して吸着触媒1が温められることになるか
らであり、吸着・浄化作用のある吸着触媒1を触媒6の
下流側に配置することで、優れた平均浄化率が得られる
ことになる。
【0058】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行うことが可能である。
【0059】たとえば上記実施例では、内燃機関の始動
時の低温状態で吸着触媒によりHCを吸着し、高温とな
って吸着触媒からHCが脱離するときには同一担体内の
触媒で浄化するようにしたHC吸着触媒方式の排気ガス
浄化装置について説明したが、本発明は、内燃機関の始
動時にはバイパスバルブにより排気ガスを吸着剤側に流
通させ、吸着剤からHCが脱離する前にバイパスバルブ
を切り換えて触媒側に排気ガスを流通させるようにした
バイパス切換方式の排気ガス浄化装置にも適用可能であ
る。
【0060】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、吸着剤のHC脱離開始温度を向上させるととも
に、高温の排気ガスに対する充分な耐久性を得ることが
可能となる。
【0061】また請求項2記載の発明によれば、Csお
よび触媒の接触による高温下での触媒劣化を回避するこ
とができる。
【0062】請求項3記載の発明によれば、吸着剤の化
学吸着効果を高め、排気ガス中のHC脱離開始温度を向
上することができ、高温の排気ガスに対する充分な耐久
性を得ることができ、しかもCsおよび触媒の接触によ
る高温下での触媒劣化を回避することができる。
【0063】請求項4記載の発明によれば、より高い耐
熱性を確保することができる。
【0064】請求項5記載の発明によれば、HCの種類
によらず、高い吸着率と高温保持力を得ることが可能と
なる。
【0065】請求項6記載の発明によれば、HCの浄化
率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】吸着触媒の構成を示す断面図である。
【図2】実施例1および比較例1〜5についての吸着、
脱離開始試験の結果を示す図である。
【図3】実施例1,2および比較例1,3,5について
の吸着、脱離試験の結果を示す図である。
【図4】実施例1,3および比較例1,6についてライ
トオフ温度を測定した結果を示す図である。
【図5】実施例1,3および比較例1,6についての平
均浄化率の測定結果を示す図である。
【図6】Cs−MFI型ゼオライトおよびβ型ゼオライ
トの比率の変化に応じた平均浄化率の変化の測定結果を
示す図である。
【図7】ゼオライトの量の変化に応じた平均浄化率の変
化の測定結果を示す図である。
【図8】触媒担持量の変化に応じた平均浄化率の変化の
測定結果を示す図である。
【図9】触媒中の貴金属の量の変化に応じた平均浄化率
の変化の測定結果を示す図である。
【図10】触媒および吸着触媒の配置の組み合わせ例を
示す図である。
【図11】図11の組み合わせ例での平均浄化率の測定
結果を示す図である。
【符号の説明】
2・・・担体 3・・・吸着剤層 4・・・無機物層 5・・・触媒層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年9月18日(2002.9.1
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】上記無機物としては、Csを含まないゼオ
ライト、セリアおよびアルミナ等の酸化物を選択するこ
とができるが、物理吸着性能の高いゼオライトを選択す
ることで、吸着初期は無機物で高い吸着率を得るととも
に、吸着中期から後期にかけてはCs担持ゼオライトに
よる高温保持力でHCを保持するようにして、全体とし
て高い吸着率および高い吸着保持力を併せ持つ吸着剤と
することが可能となる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年12月9日(2002.12.
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】ところで、HCを吸着する吸着剤として
は、耐熱性を考慮して、アルミノケイ酸塩およびメタロ
シリケート等のゼオライト類が一般的に用いられる。こ
のゼオライトの吸着には、物理吸着と、化学吸着とがあ
り、物理吸着は分子間引力に支配されるものであるの
で、HCの分子径に適合した細孔径のゼオライトを用い
ると、分子間引力が強く働いて吸着力が強くなるととも
にHCの脱離温度も高くなる。しかるに排気ガス中に含
まれるHC種は200種類以上であり、その形、大きさ
が様々であるので、単一ゼオライト種だけでは全てのH
C種を捉えることは困難である。このためモルデナイト
型、フォージャサイト型およびβ型等のような細孔径の
大きなゼオライト種、MFI型のような細孔径の中くら
いのゼオライト種、ならびにフェリライト型および
ャバサイト型のような細孔径の小さなゼオライト種を組
み合わせることにより、様々な分子径のHCの満足し得
る吸着性能を得ようとしているが、HCの分子径に適し
た細孔径の吸着剤による物理吸着だけでは、触媒が活性
化する温度まで脱離開始温度を向上させることは困難で
あった。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】Csを担持させるゼオライトとしては、M
FI構造を持つZSM−5ゼオライトやZSM−11ゼ
オライト、FAU構造を持つY型ゼオライトおよびUS
Y型ゼオライト、MOR構造を持つモルデナイト型ゼオ
ライト、BEA構造を持つβ型ゼオライト、FER構造
を持つフェリライト型ゼオライト等があり、いずれの
ゼオライトを用いても効果があるが、耐熱性に違いがあ
るので、内燃機関の排気量や、吸着剤および触媒のレイ
アウト等から定まる要求耐熱温度等に応じて選択すれば
よい。特に要求耐熱温度が高いときには、MFI構造を
持つゼオライトの耐熱温度が高いので有効である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】次に、上記吸着剤層3について実施例およ
び比較例により、以下に詳細に説明する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】一方、900℃でエージングすると、触媒
は劣化するが、吸着剤がβ型ゼオライトだけであるもの
(比較例1)と、下層をCs−MFI型ゼオライトと
し、中層をβ型ゼオライトとし、上層を触媒としたもの
(実施例3)とは、ライトオフ温度が242℃程度であ
るのに対し、吸着剤がCs−MFI型ゼオライトだけの
もの(実施例)と、Cs−MFI型およびβ型ゼオラ
イトを混合した吸着剤を用いるもの(比較例6)とは、
ライトオフ温度が260℃以上であって触媒の劣化が大
きい。このことから、イオン交換でCsを担持させたゼ
オライトは、エージングによりCsが触媒と反応し、触
媒が劣化すると推定することができる。したがってCs
担持ゼオライトを触媒に接触させることは触媒の劣化の
原因となるものであり、Cs担持ゼオライトおよび触媒
を相互に接触しないように離間して配置することが必要
であり、そうすることで触媒の劣化が抑制され、HCの
吸着・脱離浄化機能が損なわれることがなく、そのため
に、吸着剤層3および触媒層5間に、触媒貴金属を有し
ない無機物から成る無機物層4を介在させることが望ま
しい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/24 B01D 53/36 C Fターム(参考) 3G091 AB01 AB10 BA01 BA07 BA15 GA06 GA09 GB05W GB09Y GB16X 4D048 AA18 AB01 BA11X BA14X BA30Y BA31Y BA32Y BA33Y BA34Y BB02 4G069 AA03 AA08 BA07A BA07B BC06B BC69A BC69B CA03 CA07 CA15 DA06 EA19 FA02 FA03 FB15 ZA11B ZA19B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関からの排気ガス中に含まれる炭
    化水素を吸着する吸着剤と、前記吸着剤から脱離する炭
    化水素を浄化する触媒とを備える内燃機関用排気ガス浄
    化装置において、前記吸着剤が、Csを担持させたゼオ
    ライトを含むことを特徴とする内燃機関用排気ガス浄化
    装置。
  2. 【請求項2】 前記吸着剤および前記触媒が、相互の接
    触を回避して配置されることを特徴とする請求項1記載
    の内燃機関用排気ガス浄化装置。
  3. 【請求項3】 内燃機関からの排気ガス中に含まれる炭
    化水素を吸着する吸着剤が担体(2)の表面に積層され
    て成る吸着剤層(3)と、貴金属を含まない無機物が前
    記吸着剤層(3)上に積層されて成る無機物層(4)
    と、前記吸着剤から脱離する炭化水素を浄化する触媒が
    前記無機物層(4)上に積層されて成る触媒層(5)と
    から成り、前記吸着剤が、Csを担持させたゼオライト
    を含むことを特徴とする内燃機関用排気ガス浄化装置。
  4. 【請求項4】 前記ゼオライトが、MFI型ゼオライト
    であることを特徴とする請求項3記載の内燃機関用排気
    ガス浄化装置。
  5. 【請求項5】 前記無機物が、β型ゼオライト、Y型ゼ
    オライトおよびモルデナイト型ゼオライトから選択され
    た少なくとも1つから成ることを特徴とする請求項4記
    載の内燃機関用排気ガス浄化装置。
  6. 【請求項6】 前記触媒が、無機酸化物に貴金属を担持
    させて成ることを特徴とする請求項5記載の内燃機関用
    排気ガス浄化装置。
JP2001370254A 2001-12-04 2001-12-04 内燃機関用排気ガス浄化装置 Expired - Fee Related JP3854134B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001370254A JP3854134B2 (ja) 2001-12-04 2001-12-04 内燃機関用排気ガス浄化装置
US10/309,319 US20030129098A1 (en) 2001-12-04 2002-12-04 Internal combustion engine exhaust gas purification device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001370254A JP3854134B2 (ja) 2001-12-04 2001-12-04 内燃機関用排気ガス浄化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003170057A true JP2003170057A (ja) 2003-06-17
JP3854134B2 JP3854134B2 (ja) 2006-12-06

Family

ID=19179504

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001370254A Expired - Fee Related JP3854134B2 (ja) 2001-12-04 2001-12-04 内燃機関用排気ガス浄化装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20030129098A1 (ja)
JP (1) JP3854134B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021201018A1 (ja) * 2020-03-31 2021-10-07 東ソー株式会社 炭化水素吸着剤及び炭化水素の吸着方法

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8574408B2 (en) 2007-05-11 2013-11-05 SDCmaterials, Inc. Fluid recirculation system for use in vapor phase particle production system
EA014126B1 (ru) * 2006-06-15 2010-10-29 Экокат Ой Покрытие для фильтра для улавливания частиц
US8575059B1 (en) 2007-10-15 2013-11-05 SDCmaterials, Inc. Method and system for forming plug and play metal compound catalysts
US8557727B2 (en) 2009-12-15 2013-10-15 SDCmaterials, Inc. Method of forming a catalyst with inhibited mobility of nano-active material
US9119309B1 (en) 2009-12-15 2015-08-25 SDCmaterials, Inc. In situ oxide removal, dispersal and drying
US9126191B2 (en) 2009-12-15 2015-09-08 SDCmaterials, Inc. Advanced catalysts for automotive applications
US8652992B2 (en) 2009-12-15 2014-02-18 SDCmaterials, Inc. Pinning and affixing nano-active material
US9149797B2 (en) 2009-12-15 2015-10-06 SDCmaterials, Inc. Catalyst production method and system
US8803025B2 (en) 2009-12-15 2014-08-12 SDCmaterials, Inc. Non-plugging D.C. plasma gun
US8669202B2 (en) 2011-02-23 2014-03-11 SDCmaterials, Inc. Wet chemical and plasma methods of forming stable PtPd catalysts
MX2014001718A (es) 2011-08-19 2014-03-26 Sdcmaterials Inc Sustratos recubiertos para uso en catalisis y convertidores cataliticos y metodos para recubrir sustratos con composiciones de recubrimiento delgado.
US9156025B2 (en) 2012-11-21 2015-10-13 SDCmaterials, Inc. Three-way catalytic converter using nanoparticles
US9511352B2 (en) 2012-11-21 2016-12-06 SDCmaterials, Inc. Three-way catalytic converter using nanoparticles
WO2015013545A1 (en) 2013-07-25 2015-01-29 SDCmaterials, Inc. Washcoats and coated substrates for catalytic converters
MX2016004991A (es) 2013-10-22 2016-08-01 Sdcmaterials Inc Diseño de catalizador para motores de combustion diesel de servicio pesado.
JP2016535664A (ja) 2013-10-22 2016-11-17 エスディーシーマテリアルズ, インコーポレイテッド リーンNOxトラップの組成物
CN106470752A (zh) 2014-03-21 2017-03-01 Sdc材料公司 用于被动nox吸附(pna)系统的组合物

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5125231A (en) * 1990-06-08 1992-06-30 Corning Incorporated Dual converter engine exhaust system for reducing hydrocarbon emissions
US6667018B2 (en) * 1994-07-05 2003-12-23 Ngk Insulators, Ltd. Catalyst-adsorbent for purification of exhaust gases and method for purification of exhaust gases
US6022825A (en) * 1998-01-08 2000-02-08 Johnson Matthey Public Limited Company Thermally durable low H2 S three-way catalysts
US6617276B1 (en) * 2000-07-21 2003-09-09 Johnson Matthey Public Limited Company Hydrocarbon trap/catalyst for reducing cold-start emissions from internal combustion engines

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021201018A1 (ja) * 2020-03-31 2021-10-07 東ソー株式会社 炭化水素吸着剤及び炭化水素の吸着方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3854134B2 (ja) 2006-12-06
US20030129098A1 (en) 2003-07-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003170057A (ja) 内燃機関用排気ガス浄化装置
JP3904802B2 (ja) 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法
JP3816113B2 (ja) 内燃機関のコールドスタートの間の炭化水素放出を減少させるための排ガス浄化装置
JP3417309B2 (ja) 炭化水素吸着材
JPH06198136A (ja) 排気ガスの転化方法および装置
JP2001113173A (ja) 排気ガス浄化用触媒及びその製造方法
JP2800499B2 (ja) 炭化水素吸着材
JPH11179158A (ja) 小細孔多孔体を含む自動車排ガス浄化用の吸着材及び吸着体、これを用いた排ガス浄化システム及び排ガス浄化方法
KR20040090454A (ko) 배기가스 정화용 촉매 및 배기가스 정화방법
JPH115020A (ja) 排ガス浄化システム
JP2003201832A (ja) 排ガス浄化触媒システム
JPH07213910A (ja) 排ガス浄化用吸着触媒
JP3956466B2 (ja) 排気ガス浄化システム
JP2006167540A (ja) 炭化水素吸着燃焼触媒
JP3695394B2 (ja) 排気ガス浄化装置および製造方法
JP2005007260A (ja) 排ガス浄化装置
JP2007330866A (ja) 排ガス用吸着材
JPH0999217A (ja) 排ガス浄化システム
WO2005092482A1 (ja) 排ガス浄化装置
JP3414808B2 (ja) 排気ガス中の炭化水素吸着剤
JP4145019B2 (ja) 排気ガス浄化装置
JP2006102668A (ja) 炭化水素吸着燃焼触媒
JPH09228828A (ja) 排気浄化装置
JP2002346396A (ja) 排気ガス浄化触媒
JP2004008855A (ja) 排気ガス浄化用触媒および排気ガスの浄化方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060531

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060731

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060823

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060907

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100915

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100915

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110915

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees