JP2003168324A - 荷電性粒子およびその製造方法ならびに電子回路基板 - Google Patents
荷電性粒子およびその製造方法ならびに電子回路基板Info
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Abstract
配線パターンと電子部品とを接合するために好適に用い
られる新規な接合材料を提供する。 【解決手段】 接合材料として、250℃以下の融点を
有する金属粒子と、金属粒子を被覆して形成された絶縁
性樹脂層とを含む荷電性粒子であって、機械的表面処理
または表面溶融化処理されて成る荷電性粒子を用いる。
この荷電性粒子は、電子写真法の原理を利用して基板の
配線パターンの所定の箇所に供給でき、その後、荷電性
粒子を介して電子部品を適切に配置した基板を熱処理す
ることにより、配線パターンと電子部品とを電気的およ
び物理的に接合できる。
Description
製するための電子部品実装プロセスにおいて、配線パタ
ーンと電子部品とを接合するため、より詳細には電気的
および物理的(または機械的、以下同様)に接合するた
めの接合材料として使用される新規な材料およびその製
造方法に関する。また、本発明は、このような接合材料
を用いて得られる電子回路基板に関する。
路基板の製造プロセスにおいて、電子部品を基板に実装
するため、より詳細には、電子部品の所定の箇所(例え
ば電極またはリード、端子もしくはターミナル、以下、
単に電極とも言う)と、基板に形成された配線パターン
の所定の箇所(例えばランド、以下、単にランドまたは
ランドパターンとも言う)とを電気的および物理的に接
合するために用いられる方法の1つにリフローはんだ付
けがある。リフローはんだ付けは、概略的には、基板に
形成された配線パターンのランドの上にはんだを含む接
合材料を供給し、その後、電子部品をランド上に適切に
配置し、基板を熱処理することにより電子部品の電極と
配線パターンとをはんだ付けするものである。
来、接合材料としてクリームはんだが用いられており、
接合材料であるクリームはんだを基板上に形成された配
線パターンのランド上に供給するために、通常、スクリ
ーン印刷法が用いられている。このような従来の方法に
ついて以下に説明する。まず、基板上のランドに対応す
るように所定の形状の開口部が所定の箇所に設けられ
た、厚さ80〜150μmのメタルマスク(またはスク
リーン版)を、その開口部が基板上のランドと合わさる
ようにして基板に接触させて配置する。そして、基板上
に配置したメタルマスク上の一方の端部付近にクリーム
はんだ(接合材料)を供給する。次に、スキージを基板
面に対して平行移動させてメタルマスク上にあるクリー
ムはんだをならすことによって、メタルマスクに設けら
れた開口部に該接合材料を充填する。その後、メタルマ
スクを基板から離して、メタルマスクとその上にあるク
リームはんだを基板から除去する。このとき、開口部に
充填されたクリームはんだはメタルマスクを通り抜け
て、即ち「版抜け」して、基板上の配線パターンのラン
ド上に残留し、これにより、クリームはんだが配線パタ
ーンのランド上に供給される。一般に、接合材料が供給
されるべきランドは基板上に複数存在しており、所定の
ランドパターンを構成しているため、接合材料は、ラン
ドパターンに対応した接合パターンとしてランドパター
ン上に供給される。
ームはんだは、通常、スズおよび鉛を主成分とする直径
10〜40μmのはんだ粉末と、ロジン、活性剤および
溶剤から成るフラックスとが混合されて構成される。
携帯用電子機器の小型化および高機能化に対する要求を
受けて、電子回路基板の更なる高集積化を図るべく、基
板に実装される電子部品の小型化ならびに電子部品の電
極間の狭ピッチ化が進行している。これに伴って、電子
部品実装のためのランドの更なる微小化が求められ、電
子部品を接合するための接合材料をより微小なランド上
に供給すること、換言すれば、接合材料から成る接合パ
ターンの更なる微細化が求められている。
リーン印刷法により、このような微小なランドの上に接
合材料であるクリームはんだを供給すると、クリームは
んだが版抜けせずに開口部に残留し、クリームはんだが
配置されていないランドが存在し得るという問題があ
る。この問題を克服するために、例えば、メタルマスク
の厚みをより薄くすることも考えられるが、この場合に
は、接合材料であるクリームはんだから成る接合パター
ンが、ランドパターンからずれた状態で形成され、接合
材料をランド上に正確に供給できないという新たな問題
が生じ得る。このような問題点があることから、接合材
料としてクリームはんだを用い、該クリームはんだをス
クリーン印刷法により基板に供給することは、微細な接
合パターンを形成するのに十分満足できるものではな
い。
般的に用いられるクリームはんだ自身に起因する問題も
ある。クリームはんだには、印刷性を良くするためにチ
キソ剤が通常添加されているが、このチキソ剤の物性が
応力に対して変化し易いため、クリームはんだの流動特
性が変化し易くなる。このため、印刷時におけるクリー
ムはんだの取扱いが難しく、基板への印刷状態の制御が
困難であり、高い再現性が得られないという問題があ
る。
なされたものであり、本発明の目的は、電子部品の実装
において、基板に形成された配線パターンと電子部品と
を接合する、より詳細には電気的および物理的に接合す
る(または導電接続する)ための接合材料として好適に
用いられる新規な材料およびその製造方法を提供するこ
とにある。
の実装プロセスにおいては、上述のように、基板に形成
された配線パターンと電子部品とを接合するための接合
材料をスクリーン印刷法によって基板上に印刷(より詳
細には配線パターンの所定の箇所上、例えばランド上に
供給)しており、このような方法により印刷される接合
材料としてクリームはんだが用いられている。これに対
して、多層積層板の製造プロセスにおいては、回路形成
用材料をグリーンシート上に電子写真法によって印刷す
る方法があり、電子写真法により印刷される回路形成用
材料としては、荷電性粒子から成る粒状材料(または荷
電性粉末)が用いられている。
には、荷電性粉末(荷電性粒子)を、電子写真法によっ
てグリーンシート上に所定のパターンで印刷し、得られ
たグリーンシートを積層して焼成することにより、多層
配線板を作製することが記載されている。この回路形成
用材料として用いられる荷電性粒子は、導電性金属粒
子、熱溶融性樹脂、荷電制御剤および接着強化剤から成
る混合物を熱溶融混練し、これを粉砕および分級するこ
とにより得られ、得られた荷電性粒子は、導電性金属粒
子、荷電制御剤および接着強化剤が熱溶融性樹脂中に分
散された構造を有する。以上のような荷電性粉末は、電
子写真法による印刷技術において用いられる、いわゆる
トナーに相当するものであり、一般的にはトナーと同程
度の粒径を有する。例えば、特開平11−251718
号公報には、荷電性粒子は約3〜20μmの平均粒径を
有し得ることが記載されており、荷電性粒子において熱
溶融性樹脂成分中に分散される導電性金属粒子は、当
然、荷電性粒子の粒径よりも小さい粒径を有する。回路
形成用材料に用いられる導電性金属粒子は、回路材料と
して一般的に用いられる銅などの比較的高融点の金属材
料から成る(以下、回路形成用材料に用いられる導電性
金属粒子を単にCu粒子とも言う)。
ーンと電子部品とを電気的および物理的に接合する接合
材料を基板上に印刷するために、スクリーン印刷法に代
えて電子写真法の原理を利用することについて検討し
た。従来、接合材料として用いられて来たクリームはん
だは、電子写真法により印刷するのに適さない。また、
上述のような荷電性粉末から成る回路形成用材料をその
まま用いたのでは、基板上に形成された配線パターンと
電子部品とを電気的および物理的に接合することができ
ない。このため、電子写真法により印刷可能であり、か
つ、基板上に形成された配線パターンと電子部品とを電
気的および物理的に接合可能な新規な接合材料を開発す
る必要がある。
には、該材料として、トナーのような荷電性粒子から成
る粒状材料を用いることが必要であると考えられる。ま
た、配線パターンと電子部品とを電気的および物理的に
接合するためには、荷電性粒子中に存在する金属粒子と
して、上記のようなCu粒子に代えて、比較的低融点の
はんだ材料から成る粒子(以下、単にはんだ粒子とも言
う)を用いることが好ましいと考えられる。そこで、本
発明者らは、新規な接合材料の実現を試みて、はんだ粒
子を熱溶融性樹脂と共に熱溶融混練し、得られた常温で
固体の混合物を粉砕することにより(以下、本明細書に
おいてこのような方法を混練・粉砕法と言うものとす
る)、新規な荷電性粒子(または粒状材料)を作製し
た。しかし、このようにして得られた荷電性粒子は、電
子写真法により基板上に印刷することは可能ではある
が、微細なパターンで正確に基板上に印刷することは必
ずしも十分ではないことが判明した。これは、はんだ粒
子を用いて得られた荷電性粒子では、はんだ粒子および
樹脂を含む混合物を粉砕する際に、はんだ粒子が樹脂で
完全に覆われずに露出する場合があることに一因がある
と考えられる。
粒子に用いられるCu粒子は、例えば析出法などによ
り、十分に小さい粒径、例えば約1μm以下の平均粒径
を有するように製造することが可能である。よって、金
属粒子としてCu粒子を用いる上述の荷電性粒子(回路
形成用材料)では、Cu粒子が露出せずに樹脂成分によ
り十分に覆われるように、用いるCu粒子の平均粒径
を、上述のような約3〜20μmの範囲にある目的の荷
電性粒子の平均粒径に応じて適切に選択することが可能
である。
んだ材料から成るために析出法により製造できず、一般
的にはアトマイズ法により、溶融状態のはんだ材料を噴
霧し、そのまま凝固させることによって製造される。よ
って、その製法上、Cu粒子と同程度に小さい粒径を有
するようなはんだ粒子を得ることは難しく、市販のはん
だ粒子の粒径は、最小でも約10μmであるのが現状で
ある。このため、金属粒子としてCu粒子の代わりには
んだ粒子を用いて上述のような新規な荷電性粒子を作製
する場合、金属粒子としてCu粒子を用いる場合に比べ
て、利用可能な金属粒子の粒径が限られており、比較的
大きな粒径を有するはんだ粒子を用いざるを得ず、金属
粒子が樹脂で完全に覆われずに露出することが多い。金
属粒子が少なくとも部分的に露出していると、荷電性粒
子を帯電させる際、帯電電荷が露出した金属粒子へと逃
げるので、荷電性粒子を一様に帯電させることができ
ず、このため印刷精度が低下すると考えられ得る。
により得られる荷電性粒子は形状が不揃いで、非常に広
い粒径分布を有するため、印刷に使用するに先立って篩
分けなどにより粒径をある程度揃える必要もある。
のような問題を解決し、スクリーン印刷法を用いること
なく、電子写真法の原理を利用して、基体(例えば基板
などの被印刷体)上に所望のパターンで正確に印刷する
ことが可能な新規な接合材料を実現するに至った。尚、
以下に説明する本発明によって得られる接合材料は、電
子部品を基体(より詳細には基体に形成された配線パタ
ーン)に物理的および電気的に接合すること(換言すれ
ば、導電性接合または導電接続を確保すること)ができ
る材料であればよく、よって、何らかの処理を施すこと
により電子部品を基体に物理的および電気的に接合でき
る限り、接合前(例えば電子写真法による印刷の際)に
必ずしも導電性を示す必要はないことに留意されるべき
である。
された配線パターンと電子部品とを接合するための接合
材料として用いられる粒子であって、約250℃以下の
融点を有する金属材料から成る金属粒子(以下、単に金
属粒子とも言う)と、表面溶融化処理または機械的表面
処理により形成された、該金属粒子を被覆する絶縁性樹
脂層(より詳細には、絶縁性樹脂を含む層)とを有する
粒子が提供される。このように、金属粒子が絶縁性樹脂
層で覆われた粒子は帯電させることができ、よって荷電
性を有するため、本発明においてこのような粒子を荷電
性粒子と呼ぶものとする。本発明の荷電性粒子は、電子
写真法に言うところのトナーに用いられる、いわゆるト
ナー粒子と同程度の帯電特性を有し得る。尚、本明細書
において、「荷電性粒子」とは、1つの荷電性粒子およ
び荷電性粒子の集合物を総称するものとして用いるもの
とする。
たは機械的表面処理されて成る絶縁性樹脂層を有するこ
とを1つの特徴とするものである。表面溶融化処理と
は、一般的に、高温の熱風気流により溶融し得る表面を
有する粒子(または複合体粒子)を該熱風気流に曝して
粒子表面を溶融させ、その後、冷却して一旦溶融した表
面を凝固させる処理を言う。本発明においては、金属粒
子と、絶縁性樹脂を含む粒子とを混合して、例えば静電
気力などにより絶縁性樹脂を含む粒子を金属粒子の表面
に付着させて複合体粒子を形成し、その表面に位置する
絶縁性樹脂を含む粒子を少なくとも部分的に溶融させる
ように複合体粒子を加熱することにより表面溶融化処理
が実施され、これにより、金属粒子が絶縁性樹脂層で被
覆されて成る荷電性粒子が得られる。このような表面溶
融化処理は、例えば、サーフュージングシステム(日本
ニューマチック工業株式会社製)を利用して実施され得
る。
材の異なる粒子(または粉体)に機械的エネルギー(ま
たは剪断応力)を加えることにより、これら物質間にメ
カノケミカル的な反応をもたらして物質表面を改質する
処理を言う。本発明においては、金属粒子と絶縁性樹脂
を含む粒子との間でメカノケミカル的な反応を起こすよ
うに、金属粒子と絶縁性樹脂を含む粒子とを混合しつつ
機械的エネルギーを加えることにより機械的表面処理が
実施され、これにより、金属粒子が絶縁性樹脂層で被覆
されて成る荷電性粒子が得られる。このような機械的表
面処理は、例えば、メカノミル、ハイブリダイゼーショ
ンシステム(株式会社奈良機械製作所製)や、メカノフ
ュージョン(登録商標)システム(ホソカワミクロン株
式会社製)を利用して実施され得る。
のような接合材料に用いられる荷電性粒子の製造方法で
あって、金属粒子と絶縁性樹脂を含む粒子とを含む混合
物を表面溶融化処理または機械的表面処理に付して、該
金属粒子と、該金属粒子を被覆して形成された絶縁性樹
脂層とを含む荷電性粒子を得ることを含む方法もまた提
供される。
約250℃以下の融点、例えば180〜230℃の融点
を有する金属材料から成り、このような融点は、回路形
成用材料に用いられる銅などに比べて極めて低い。尚、
本明細書において「融点」とは、材料が少なくとも部分
的に溶融し始める温度を言うものとする。
ゆるはんだ材料を用いることができる。はんだ材料は鉛
を含んでいても、鉛を含んでいなくてもよいが、環境へ
の影響を考慮すれば、鉛を含まない鉛フリーはんだ材料
が好ましい。鉛を含有するはんだ材料には、例えばSn
−Pb系材料があり、他方、鉛フリーはんだ材料には、
例えばSn−Ag系材料、Sn−Ag−Cu系材料、S
n−Bi系材料、Sn−Cu系材料、Sn−Cu−Ni
系材料、Sn−Ag−Bi系材料、Sn−Ag−Bi−
In系材料、Sn−Ag−Bi−Cu系材料、Sn−Z
n系材料、Sn−Zn−Bi系材料などがある。尚、本
明細書において、「〜系材料」とは、その材料系につい
ての共晶組成およびその近傍の組成を有し、該共晶組成
から大幅にずれない程度に微量の他の成分を含み得る材
料を言うものとする。
下の低い融点を有する金属材料を用いているので、金属
材料をその融点以上に加熱して一旦溶融させた後に冷却
または放冷して凝固させることができ、これにより、凝
固した金属材料を介して電子部品を基板(より詳細には
配線パターン)に電気的および物理的に接合することが
可能となる。
粒径を有し得、例えば約5〜10μmの平均粒径を有す
る。従来の接合材料であるクリームはんだでは、上述し
たように10〜40μmの直径を有するはんだ粒子(粉
末)が用いられている。しかし、本発明の荷電性粒子
(接合材料)を得るために、このようなサイズのはんだ
粒子を金属粒子としてそのまま用いることは好ましくな
い。本発明者らは、種々のサイズの金属粒子を用いてテ
ストした結果、荷電性粒子の製造、印刷精度(または画
質)、および接合部の製造精度の観点から、上記のよう
な平均粒径を有する金属粒子を用いることが好ましいこ
とを見出した。
形、回転楕円体形状および不定形などの任意の形状を有
し得る粒状物を言い、粒径とは、粒子が球形を有すると
の仮定に基づいて得られる粒子の寸法を言い、粒子から
成る粒状材料の平均粒径により代表され得る。粒子の集
合物である粒状材料の粒径分布は、レーザ回折・散乱法
により求めることができ、例えばMicrotrac FRA(日機
装株式会社製)を用いて求めることができる。粒子の平
均粒径は、そのようにして得られる粒状材料の粒径分布
から求められる体積平均の粒径である。
は、絶縁性を有する樹脂であればよく、熱溶融性(また
は熱可塑性)樹脂および熱硬化性樹脂のいずれを用いる
ことも可能であるが、特に表面溶融化処理を実施する場
合には熱溶融性樹脂を用いることが好ましい。絶縁性樹
脂には、例えば、ロジン、ポリスチレン系樹脂、アクリ
ル系樹脂、ポリエチレン系樹脂(スチレン−アクリル共
重合体を含む)、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、
ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂
からなる群から選択される少なくとも1種の絶縁性樹
脂、好ましくはロジンである。尚、本明細書において
「絶縁性」とは、JIS K6911に従って測定され
る体積固有抵抗率が約1×1010Ω・cm以上の性質
を言うものとする。
に帯電容易なものと帯電容易でないものとに大別され、
本発明においていずれを用いても、また、両者を併せて
用いてもよい。ここで「帯電容易」とは、例えば、本発
明の荷電性粒子全体の重量を基準として、ブローオフ法
により10〜30μC/gの帯電量を確保することがで
きる程度の性質を言う。
形成するに際して粒子の形態で、即ち絶縁性樹脂を含む
粒子として用いられる。絶縁性樹脂を含む粒子は、絶縁
性樹脂を含む粒子と金属粒子とを含む混合物において、
金属粒子の表面を取り囲むように存在することが好まし
い。このため、絶縁性樹脂を含む粒子の平均粒径は、金
属粒子の平均粒径に対して好ましくは約1/100〜1
/10倍、より好ましくは約1/50〜1/20倍であ
る。絶縁性樹脂を含む粒子の平均粒径は、例えば約0.
01〜2μm、好ましくは約0.02〜1μmとされ得
る。
縁性樹脂のみから成っていてもよいが、荷電性粒子がト
ナー粒子と同程度の帯電特性を安定して示すように、絶
縁性樹脂層は絶縁性樹脂の他に荷電制御剤を更に含むこ
とが好ましい。本発明において荷電制御剤には、電子写
真法の技術分野において荷電制御剤(CCA:ChargeCo
ntrol Agent)として既知のものを用いることができ、
例えば含金属アゾ化合物、サリチル酸系金属錯体、フェ
ノール系縮合物、第4級アンモニウム塩、樹脂酸変性ア
ジンおよびアジン化合物などを用い得る。
形成するに際して、上記絶縁性樹脂を含む粒子中に含ま
れて、および/または絶縁性樹脂を含む粒子とは別個の
粒子(本明細書において、後者の粒子を単に荷電制御剤
を含む粒子とも言う)として用いられ得る。絶縁性樹脂
を含む粒子とは別個の、荷電制御剤を含む粒子として用
いる場合には、形状は特に限定されないが、該荷電制御
剤を含む粒子の粒径は絶縁性樹脂を含む粒子の粒径と実
質的に同程度とすることが好ましい。換言すれば、荷電
制御剤を含む粒子の平均粒径は、金属粒子の平均粒径に
対して好ましくは約1/100〜1/10倍、より好ま
しくは約1/50〜1/20倍であり、例えば約0.0
1〜2μm、好ましくは約0.02〜1μmとされ得
る。このような荷電制御剤を含む粒子もまた、絶縁性樹
脂を含む粒子と同様にして表面溶融化処理または機械的
表面処理に付され、絶縁性樹脂層の形成に寄与する。
尚、本明細書において、特に断わりのない限り、絶縁性
樹脂層を形成するための原料となる粒子:例えば(i)
絶縁性樹脂を含む粒子(場合により荷電制御剤を更に含
み得る);ならびに(ii)絶縁性樹脂を含む粒子(場合
により荷電制御剤を更に含み得る)および荷電制御剤を
含む粒子、を総称して単に絶縁性樹脂粒子とも言うもの
とする。
のような絶縁性樹脂粒子と混合される金属粒子は、予め
表面処理剤で処理されていることが好ましい。例えば、
アジピン酸および/またはマロン酸などの表面処理剤を
用いれば、金属粒子の表面酸化を防止することができ
る。また、例えば、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、チタン
カップリング剤、シランカップリング剤およびアルミニ
ウムカップリング剤からなる群から選択される少なくと
も1種の表面処理剤を用いれば、得られる絶縁性樹脂層
と金属粒子との間の結合力をより高めることが可能であ
る。
ら成る混合物を表面溶融化処理または機械的表面処理に
付すことにより、金属粒子が絶縁性樹脂層で被覆された
本発明の荷電性粒子が得られ、この絶縁性樹脂層は、絶
縁性樹脂粒子に由来する材料から成り得る。
び/または機械的表面処理を1回実施しても、複数回実
施するようにしてもよい。例えば、絶縁性樹脂を含む粒
子と、金属粒子との混合物を表面溶融化処理および/ま
たは機械的表面処理に付して該処理を1回だけ実施し
て、絶縁性樹脂を含む粒子に由来する絶縁性樹脂層を形
成してもよい。また、例えば、絶縁性樹脂を含む粒子
と、荷電制御剤を含む粒子と、金属粒子との混合物を表
面溶融化処理および/または機械的表面処理に付して該
処理を1回だけ実施して、絶縁性樹脂を含む粒子と荷電
制御剤を含む粒子とに由来する絶縁性樹脂層を形成して
もよい。また、例えば、絶縁性樹脂を含む粒子と金属粒
子との混合物を表面溶融化処理および/または機械的表
面処理に付し、次いで、これにより得られたものに荷電
制御剤を含む粒子を添加し、その混合物を表面溶融化処
理および/または機械的表面処理に付して、これにより
該処理を複数回実施して絶縁性樹脂層を形成してもよ
い。この場合、得られた絶縁性樹脂層は、絶縁性樹脂を
含む粒子に由来する層と、荷電制御剤を含む粒子に由来
する、荷電性粒子表面に位置する層との2層構造とな
る。しかし、本発明はこれに限定されず、当業者であれ
ば、表面溶融化処理および/または機械的表面処理を2
回以上実施する際に用いる材料、および処理回数を適宜
選択することができるであろう。
(より詳細には、金属粒子を構成する金属材料と、絶縁
性樹脂粒子に含まれる絶縁性樹脂との混合割合)は、当
業者であれば絶縁性樹脂層の所望の厚さ等を考慮して容
易に選択することができる。また、絶縁性樹脂粒子が絶
縁性樹脂の他に荷電制御剤を更に含む場合(荷電制御剤
が絶縁性樹脂を含む粒子に含まれているか、絶縁性樹脂
を含む粒子とは別個の粒子であるかを問わない)には、
絶縁性樹脂粒子における絶縁性樹脂と荷電制御剤との混
合割合は、当業者であれば絶縁性樹脂層において所望さ
れる絶縁性樹脂と荷電制御剤との重量割合等を考慮して
容易に選択することができる。最終的に混合される金属
粒子と絶縁性樹脂粒子とにおける、金属材料と絶縁性樹
脂(および場合によっては荷電制御剤)との重量割合
は、得られる荷電性粒子における金属材料と絶縁性樹脂
(および場合によっては荷電制御剤)との重量割合とほ
ぼ同程度となり得る。
脂層は、例えば約0.1〜1.0μm、好ましくは約
0.2〜0.8μmの厚さを有し得る。
構成する金属材料と、絶縁性樹脂層に含まれる絶縁性樹
脂との重量割合は、金属材料を100重量部とすれば絶
縁性樹脂は約1〜10重量部、好ましくは約2〜6重量
部である。金属材料(金属粒子)に対する絶縁性樹脂の
重量割合をこれより小さくすると、金属粒子が露出する
ことがあり、荷電性粒子の絶縁性を確保できないので好
ましくなく、他方、これより大きくすると、配線パター
ンと電子部品との間の接合部の接合抵抗が高くなり得る
ので好ましくない。また、絶縁性樹脂粒子が絶縁性樹脂
と荷電制御剤とを含む場合には、絶縁性樹脂層に含まれ
る絶縁性樹脂と荷電制御剤との重量割合は、絶縁性樹脂
を100重量部とすれば荷電制御剤は約0.5〜5重量
部、好ましくは約1〜3重量部である。
つの金属粒子が絶縁性樹脂層で被覆されて成るので、荷
電性粒子は、金属粒子の粒径に該金属粒子を被覆する絶
縁性樹脂層の厚さを加えた粒径を有し得、例えば約0.
2〜1.1μm、好ましくは約0.3〜0.9μmの平
均粒径を有し得る。
粒子においては、金属粒子を被覆する絶縁性樹脂層の厚
さは約10〜50μmとなり、これ以上薄くすると金属
粒子がより一層露出し易くなるので実際上出来ない。し
かし、本発明の荷電性粒子では、金属粒子を完全に被覆
して荷電性粒子全体としての絶縁性を確保しつつ、絶縁
樹脂層の厚さを上記のように薄くすることができる。後
述するように、このような荷電性粒子を接合材料として
用いて基体に形成された配線パターンと電子部品とを接
合すると、本発明の荷電性粒子に占める絶縁性樹脂の割
合は、混練・粉砕法により得られる粒子に比べて小さい
ので、配線パターンと電子部品との間の接合抵抗をより
低くできる。
般的に、1つの金属粒子が層厚のほぼ均一な絶縁性樹脂
層で被覆されて成る。金属粒子を被覆する絶縁性樹脂層
の厚さをなるべく均一にして印刷性を向上させることが
好ましく、例えば、本発明の荷電性粒子は、約0.7以
上、好ましくは約0.85以上の球状度を有し、電子写
真法による印刷に適する。しかし、本発明はこれに限定
されず、荷電性粒子は、例えば球形、回転楕円形、不定
形などの形状であり得、また、1つの荷電性粒子におい
て、2つまたはそれ以上の金属粒子が連続する絶縁樹脂
層に被覆されていてもよい。また、荷電性粒子に含まれ
る金属粒子の球状度は、特に制限されないが、例えば、
約0.7以上、更には約0.8以上とされ得る。尚、本
明細書において、「球状度」は、粒子の顕微鏡写真から
粒子面積および粒子周長を得、この粒子周長から換算さ
れる粒子直径Dsに対する、粒子面積から換算される粒
子直径Daの比、即ち、Da/Dsとして表される。従
って、粒子が真球の場合に球状度が最大の1となる。
電性粒子は比較的均一な粒径を有することから、これを
分級する必要がない。よって、高い製造効率が得られる
という利点がある。得られる荷電性粒子は、用いる金属
粒子の体積換算粒度分布とほぼ同程度のばらつき度合い
の体積換算粒度分布を有し得る。例えば、金属粒子とし
て、その体積換算粒度分布において約70〜100体積
%の金属粒子が、金属粒子の平均粒径を中心として該平
均粒径の約80%の数値範囲内にあるものを用いる場合
には、得られる荷電性粒子についても、その体積換算粒
度分布において約70〜100体積%の荷電性粒子が、
荷電性粒子の平均粒径を中心として該平均粒径の約80
%の数値範囲内となる。
脂層は、金属粒子を完全に(即ち、金属粒子を露出させ
ることなく)被覆することができ、よって、荷電性粒子
を確実に帯電させることが可能となる。更に、このよう
な絶縁性樹脂層は高い絶縁性を示し、上述のようにトナ
ー粒子と同程度の帯電特性を示すので、電子写真法にお
いて既知の方法により、例えばキャリアを用いたり、他
の部材との摩擦などにより帯電させることができる。こ
の結果、本発明によれば荷電性粒子を均一に帯電させる
ことも可能となる。
は、荷電性粒子の全てについて、金属粒子が絶縁性樹脂
層で完全に被覆されていることが望ましいが、そうであ
る必要は必ずしもなく、大多数の粒子、好ましくは実質
的に全ての荷電性粒子について、金属粒子が絶縁性樹脂
で被覆されていればよく、金属粒子が絶縁性樹脂で完全
に被覆されていない荷電性粒子をごくわずかに含んでい
てもよいことに留意されるべきである。本発明の製造方
法によれば、従来の混練・粉砕法と比較した場合、荷電
性粒子の被覆に関してより向上した結果を得ることがで
きるものとして理解されるべきである。
料として用いられ得、この場合、荷電性粒子から成る接
合材料を基体上に所望の接合パターンとして正確に印刷
することができる。しかし、本発明はこれに限定され
ず、本発明の荷電性粒子はその他のもの、例えば電子写
真法に言うところの外添剤などと共に混合された状態で
も接合材料として用いられ得、この場合、荷電性粒子お
よび外添剤を含む接合材料を基体上に所望の接合パター
ンとして正確に印刷することができる。このような荷電
性粒子から成る、または荷電性粒子を用いた接合材料
は、電子写真法に言うところのトナーに相当するものと
して理解されるであろう。以下、理解を容易にするため
に、本明細書において、「荷電性粒子」との表現を「接
合材料」の意味でも用いるものとするが、本発明の荷電
性粒子を用いて得られる接合材料は荷電性粒子以外の他
のもの、例えば外添剤などを含み得ることに留意される
べきである。
り、場合により外添剤などを含む)は、単独で用いられ
ていわゆる1成分現像方式で印刷されてよく、あるい
は、例えば電子写真法に言うところのキャリアなどと混
合して用いられていわゆる2成分現像方式または1.5
成分現像方式で印刷されてもよい。荷電性粒子をキャリ
アと混合した混合物(但し、1成分現像方式の場合は荷
電性粒子のみから成る)は、電子写真法の分野で言うと
ころの現像剤に相当するものとして理解されよう。
料)を用いれば、電子写真法の原理により荷電性粒子を
均一に帯電させて基体へ印刷して、荷電性粒子を基体上
に、より詳細には配線パターンの所定の箇所上に、所望
のパターンで正確に供給することができる。このような
印刷には、例えば、電子写真法を利用する印刷機構を備
える装置、例えば電子写真法の分野において一般的に使
用されるようなプリンタや、プリンタと同様の原理を利
用した装置等を用いることができる。
の金属粒子を含むので、基体に形成された配線パターン
と電子部品とを接合するための接合材料として用いるこ
とができる。より詳細には、上記のようにして得られた
基体に電子部品を荷電性粒子(接合材料)から成るパタ
ーンと接触するようにして配置し、この基体を、荷電性
粒子の金属粒子を構成する金属材料の融点以上の温度に
加熱して金属材料を溶融させ、その後、基体を放冷また
は冷却して金属材料を凝固させると、凝固した金属材料
により電子部品が基体(より詳細には配線パターン)に
電気的および物理的に接合される。
本発明の荷電性粒子(接合材料)によって電子部品が配
線基板に接合された電子回路基板もまた本発明により提
供される。
面溶融化処理されて成るタイプの荷電性粒子およびその
製造方法に関する。図1は、本実施形態における荷電性
粒子の概略模式図である。
子10は、金属材料から成る金属粒子1と、金属粒子1
を被覆する絶縁樹脂層2とを含んで成る。以下、このよ
うな荷電性粒子10の製造方法の説明を通じて本実施形
態の荷電性粒子について詳述する。
子1と、絶縁性樹脂層2の原料となる絶縁性樹脂粒子と
を準備する。
点、例えば約180〜230℃の融点を有する金属材料
から成る。このような低融点の金属材料としては、上記
に詳述したようなはんだ材料を用い得る。本実施形態に
おいては、金属材料としてSn−Pb系材料(より詳細
には、全体基準で、37重量%のPbおよび残部のSn
の組成を有するもの)を用いた。
粒径が約1〜20μmとなるように選択される。平均粒
径が約1μmより小さい金属粒子を用いて荷電性粒子を
製造すると、得られる荷電性粒子の粒径もそれに応じて
小さくなり、印刷の際に荷電性粒子が容易に飛散するの
で、印刷の質(画質)の低下を招くという問題もある。
他方、金属粒子の平均粒径が20μmより大きい場合、
得られる荷電性粒子の粒径も金属粒子の粒径に応じて大
きくなるが、このように大きな荷電性粒子は電子写真法
による印刷に適さず、印刷の質の低下を招き得る。しか
し、本発明のように金属粒子1の粒径を適切に選択する
ことにより、以上のような問題を回避することができ
る。本実施形態においては、金属粒子1の平均粒径を約
10μmとした。
ず、例えば球形、回転楕円形、不定形などの形状であり
得るが、例えば、約0.7以上、更には約0.8以上の
球状度を有し得る。
ズ法を用いて、所定の金属材料から成る金属インゴット
を、その融点以上に加熱して完全に溶融させ、溶融した
金属材料を噴霧により液滴状に分散し、空気などにより
冷却固化させて粉末状(または粒状物)とし、必要に応
じて分級することにより得られる。しかし、本発明はこ
れに限定されず、金属粒子は他の任意の適切な方法によ
り製造され得る。特に、10μm以下の粒径を有するは
んだ材料から成る金属粒子は、上述したようにアトマイ
ズ法によって製造することは容易ではないが、必ずしも
不可能ではない。一般的に、アトマイズ法により溶融状
態のはんだ材料を噴霧して得られた粒子は、例えば約3
0μmの粒径を中心に分布しており、このような場合に
は10μm以下の粒径を有する粒子も、粒子全体に比し
てわずかの量ではあるが存在する。よって、このように
して得られた粒子を分級することにより、10μm以
下、例えば約5μmの粒径を有する粒子を得ることもで
きる。しかし、これに限らず、他の適切な方法により1
0μm以下の粒径を有するはんだ材料から成る金属粒子
を製造することも可能であろう。
たはマロン酸などの表面処理剤で予め処理しておくこと
が好ましい。このような処理を施すことにより、金属粒
子1の表面の酸化を防止することができる。また、金属
粒子1を、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、チタンカップリ
ング剤、シランカップリング剤およびアルミニウムカッ
プリング剤からなる群から選択される少なくとも1種の
表面処理剤で処理しておくことも好ましい。このような
処理を施すことにより、得られる絶縁性樹脂層2と金属
粒子1との間の結合力をより高めることが可能である。
しかし、本発明においてこれらのような処理は必ずしも
必要でなはいことに留意されるべきである。
樹脂粒子には、本実施形態においては絶縁性樹脂から成
る粒子を用いるが、本発明はこれに限定されず、絶縁性
樹脂粒子は絶縁性樹脂のみならず、任意の他の適切な成
分、例えば荷電制御剤などを併せて含み得る。絶縁性樹
脂粒子を構成する絶縁性樹脂としては、上記に詳述した
ような種々の樹脂を用い得るが、本実施形態においては
熱溶融性樹脂の1種であるロジンを用いるものとする。
いては、その平均粒径が金属粒子1の平均粒径の1/1
00〜1/10倍となるように選択され得る。例えば、
粉砕機 CJ−15型または分級機 TC−15型(い
ずれも日清エンジニアリング株式会社製)を用いること
により、絶縁性樹脂粒子の平均粒径は約0.01〜2μ
mとされ得る。このように絶縁性樹脂粒子の粒径を選択
することにより、金属粒子と絶縁性樹脂粒子との混合物
において、絶縁性樹脂粒子同士が凝集することを効果的
に回避でき、また、摩擦帯電を利用して、1つの金属粒
子1の周囲を複数の絶縁性樹脂粒子で取り囲むことがで
きる。本実施形態においては、絶縁性樹脂粒子の平均粒
径を約0.5μmとした。
ず、例えば球形、回転楕円形、不定形などの形状であり
得るが、本実施形態においては実質的に球形のものを用
いた。
粒子を、金属粒子1(即ち、金属材料)を100重量部
として絶縁性樹脂粒子(即ち、本実施形態においては絶
縁性樹脂)を例えば約4重量部とする混合割合で予備混
合機に供給して予め混合する。予備混合機には、例えば
ハイスピードミキサー LFS−GS−2J型(深江パ
ウテック株式会社製)を用い得る。
る混合の際に、例えば絶縁性樹脂粒子を摩擦混合などに
より帯電させて、金属粒子の表面全体を覆うようにして
絶縁性樹脂粒子を金属粒子に付着する。以下、このよう
に絶縁性粒子で表面が覆われた金属粒子を複合体粒子と
呼ぶものとする。
面溶融化処理に付す。より詳細には、複合体粒子を熱風
気流中に分散供給して通すことにより複合体粒子の少な
くとも表面を絶縁性樹脂粒子の絶縁性樹脂の溶融温度以
上に比較的短時間で加熱し、続いて、例えば冷却用気流
を吹き付けて速やかに冷却する。これにより、複合体粒
子同士が凝集することなく、複合体粒子の金属粒子表面
に付着した絶縁性樹脂粒子の絶縁性樹脂が複合体粒子表
面にて溶融して互いに融合化して、表面張力により金属
粒子表面を被覆する液膜を形成し、その後、液膜が凝固
して絶縁性樹脂層となる。
フュージングシステム SFS−3型(日本ニューマチ
ック工業株式会社製)を用いて、処理流量等にもよる
が、例えば約5〜30分間に亘って実施され得る。
類に応じて適切に選択され得るが、例えば、本実施形態
のように絶縁性樹脂としてロジンを用いる場合には、約
300〜400℃とされ得る。他方、冷却用気流の温度
は、特に限定されないが、例えば常温(周囲雰囲気の温
度)とされ得る。また、熱風気流および冷却用気流とし
ては、例えば、空気および/または窒素ガスなど、好ま
しくは窒素ガスを用い得る。これら気流の流量、気流に
通す複合体粒子の量等は、当業者であれば適切に選択す
ることができるであろう。
1が絶縁性樹脂粒子に由来する絶縁性樹脂層2で被覆さ
れた荷電性粒子10が得られる。本実施形態により得ら
れた荷電性粒子10において、絶縁性樹脂層2の厚さは
約0.5μmであり、金属粒子1(即ち、金属材料)を
100重量部とすれば絶縁性樹脂層2(即ち、本実施形
態においては絶縁性樹脂)は約2〜5重量部であった。
また、得られた荷電性粒子は、約0.7以上の球状度を
有していた。
によれば、絶縁性樹脂層2が金属粒子1を完全に被覆し
て金属粒子1が露出しないので、荷電性粒子10を確実
に帯電させることができ、電子写真法により基体上に印
刷することができる。
電性粒子は、一般的に、1つの金属粒子1が層厚のほぼ
均一な絶縁性樹脂層2で被覆されて成り、得られる荷電
性粒子は比較的均一な粒径を有することから、分級する
必要がなく、高い製造効率が得られる。例えば、金属粒
子1として、その体積換算粒度分布において約70〜1
00体積%の金属粒子が、金属粒子の平均粒径を中心と
して該平均粒径の約80%の数値範囲内にあるものを用
いる場合には、得られる荷電性粒子10についても、そ
の体積換算粒度分布において約70〜100体積%の荷
電性粒子が、荷電性粒子の平均粒径を中心として該平均
粒径の約80%の数値範囲内となる。
層が比較的均一な膜厚を有するので、荷電性粒子を均一
に帯電させることができ、よって、電子写真法により基
体上に印刷する際に高い印刷特性を得ることができ、荷
電性粒子から成る微細な接合パターンを正確に形成する
ことが可能となる。
量割合が適切に選択されているので、電子部品を基体の
配線パターンに電気的および物理的に接合し得るのに好
適に利用され得、配線パターンと電子部品との間の接合
部において十分な接合強度および低い接合抵抗を確保す
ることができる。
脂のみから成る絶縁性樹脂粒子を用いて絶縁性樹脂層を
形成するものとしたが、2種またはそれ以上の絶縁性樹
脂を用いてもよい。この場合、絶縁性樹脂は種類ごとに
別々の粒子の形態を有していても、1つの粒子中に混合
されていてもよい。
材料とを併せて用いてよく、絶縁性樹脂粒子として、例
えば、絶縁性樹脂と荷電制御剤とを含む粒子を用いて
も、あるいは、絶縁性樹脂を含む粒子と荷電制御剤を含
む粒子とを用いてもよい。尚、荷電制御剤を、絶縁性樹
脂を含む粒子と別個の粒子の形態で、荷電制御剤を含む
粒子として用いる場合にも、その平均粒径が金属粒子の
平均粒径の1/100〜1/10倍となるように選択す
ることが好ましく、例えば、粉砕機 CJ−15型また
は分級機 TC−15型(いずれも日清エンジニアリン
グ株式会社製)を用いることにより、荷電制御剤を含む
粒子の平均粒径もまた約0.01〜2μmとされ得る。
絶縁性樹脂と荷電制御剤とを併せて用いる場合には、荷
電制御剤は、表面溶融化処理において必ずしも溶融しな
くてもよく、絶縁性樹脂層中で絶縁性樹脂に分散してい
てもよい。また、このような場合にも、絶縁性樹脂層と
金属粒子との重量割合は本実施形態と同様とされ得る。
理を1回実施することとしたが、本発明はこれに限定さ
れず、複数回実施してもよい。この場合、表面溶融化処
理により粒子の表面に形成する層(またはこの層の原料
となる粒子)は、各回につき同じ材料としてもよく、ま
たは各回で違う材料としてもよい。後者の場合には、金
属粒子が材料の異なる複数の層で順次被覆された荷電性
粒子を得ることができ、帯電効率を向上させる観点から
は、荷電性粒子表面の層が荷電制御剤から成るか、表面
の層に荷電制御剤が分散されていることが好ましい。
して熱溶融性樹脂を用いることとしたが、これに代え
て、あるいは加えて、熱硬化性樹脂を用いることも可能
である。特に、熱硬化性樹脂を単独で用いる場合には、
熱硬化性樹脂が完全に熱硬化しない範囲で樹脂がある程
度軟化するように、例えばB状態となるようにして表面
溶融化処理(この場合、厳密には表面は「溶融」しない
が、本発明においてはこのような場合をも含めて「表面
溶融化処理」と言うものとする)を行うことにより、本
実施形態と同様の構成を有する荷電性粒子を得ることが
できる。
処理されて成るタイプの荷電性粒子およびその製造方法
に関する。本実施形態の荷電性粒子は、実施形態1にて
上述した荷電性粒子と実質的に同様の構成を有するの
で、以下、実施形態1の荷電性粒子の製造方法と異なる
点を中心に詳述するものとする。
の金属粒子と絶縁性樹脂粒子とを準備し、これらを予備
混合機にて予め混合する。本実施形態においては、混合
により絶縁性樹脂粒子が金属粒子の表面全体を覆った複
合体粒子を必ずしも形成していなくてよい。予備混合機
には、例えばメカノフュージョン(登録商標)AMS−
Lab型(ホソカワミクロン株式会社製)に備えられる
ものや、その他任意の適切な混合機を用い得る。
絶縁性樹脂粒子の混合物を、次いでメカノフュージョン
装置に供給して、該混合物に機械的エネルギーを付与す
ることにより機械的表面処理を実施する。例えば、回転
容器内に混合物を入れて遠心力により回転容器の内壁に
押し付けながら、回転容器の内壁と曲率半径の異なる凸
表面を有する部材を該混合物を挟んで回転容器にの内壁
に押し付けて、混合物に圧縮・剪断力を加えることによ
り、混合物に機械的エネルギーが付与される。
り、金属粒子の表面と絶縁性樹脂粒子の表面との間でメ
カノケミカル的な反応が起こり、金属粒子の表面に絶縁
性樹脂粒子の絶縁性樹脂が膜状に複合化される。
ノフュージョン(登録商標)AMS−Lab型(ホソカ
ワミクロン株式会社製)や、ハイブリダイゼーションシ
ステム(株式会社奈良機械製作所製)を用いて実施され
得る。
由来する絶縁性樹脂層で被覆された荷電性粒子が得られ
る。得られた荷電性粒子は、実施形態1にて上述した荷
電性粒子と実質的に同様の構成を有し、同様の効果を奏
し得る。
様の改変がなされ得ることに留意されたい。
および/または2にて説明した荷電性粒子(接合材料)
を用いて電子部品が基板に接合された電子回路基板およ
びその製造方法に関する。本実施形態においては、電子
部品が接合される基体として、配線パターンが形成され
た回路用基板(または配線板、配線基板もしくはプリン
ト基板)を用いる。
性粒子(接合材料)を、電子写真法の原理を利用して、
回路用基板(または配線板もしくは回路用基板)の表面
に所定のパターンで供給する。より詳細には、荷電性粒
子(接合材料)が、回路用基板上に形成された配線パタ
ーンの所定の箇所、例えばランド(またはランドパター
ン)上に印刷により配置されて、荷電性粒子(接合材
料)から成る接合パターンが形成される。
を利用する印刷機構を備える装置、例えば電子写真法の
分野において一般的に使用されるようなプリンタや、プ
リンタと同様の原理を利用した装置等を用いて実施され
得る。本発明の荷電性粒子(接合材料)は、例えば電子
写真法に言うところのキャリアなどと混合して用いてい
わゆる2成分現像方式または1.5成分現像方式で印刷
することが好ましい。このような方式を利用すれば、キ
ャリアの材料を適切に選択することにより荷電性粒子の
帯電量を容易に調節できるという利点がある。しかし、
本発明はこれに限定されず、本発明の荷電性粒子を単独
で用いていわゆる1成分現像方式で印刷することもでき
る。
気的および物理的に接合するための接合材料として用い
られる荷電性粒子から成る接合パターンは、良好な電気
伝導性および十分な接合強度を達成できることが望まし
い。従って、荷電性粒子の接合パターンは、ある程度の
厚さ、例えば30〜100μmの厚さを有することが望
ましい。荷電性粒子の接合パターンにある程度の厚さを
付与するためには、上述のように転写を非接触式とする
ことが好ましい。また例えば、複数の印刷機構に回路用
基板を通すか、1つの印刷機構に回路用基板を複数回通
して、1つの回路用基板上に同じ接合パターンを重ねて
印刷することにより、より厚い接合パターンを形成する
こともできる。
の箇所(例えばランド)上に配置された荷電性粒子(接
合材料)が、電子部品の所定の箇所(例えばリード)と
少なくとも部分的に接触するようにして、電子部品を回
路用基板に配置する。これにより得られた回路用基板を
熱処理に付して、荷電性粒子に含まれる金属粒子の金属
材料の融点以上の温度、例えば約180〜230℃の温
度にて加熱する。このような熱処理には、例えば、一般
的なリフロー装置を用い得る。
縁性樹脂として熱溶融性樹脂を用いる場合には、一般的
に金属材料の融点よりも低い温度で溶融(または軟化)
するため、回路用基板を加熱すると、まず、荷電性粒子
の表面にある絶縁性樹脂層の絶縁性樹脂が溶融(または
軟化)する。例えば、実施形態1および2にて用いた熱
溶融性樹脂の1種であるロジンの融点は約120〜13
5℃であり、金属材料のSn−Pb系材料の融点である
約180〜190℃よりも低い。
上に加熱されて溶融する。このとき、溶融状態の絶縁性
樹脂と金属材料とは相分離し、1箇所(例えば1つのラ
ンド)に配置された複数個の荷電性粒子分の絶縁性樹脂
および金属材料がそれぞれ互いに分離するようにして集
まって、絶縁性樹脂の相と金属材料の相を形成すると考
えられる。絶縁性樹脂および金属材料の比重を考慮すれ
ば、絶縁性樹脂の相が上方に、金属材料の相が下方に位
置すると考えられる。
放冷)されると、溶融状態の絶縁性樹脂および金属材料
がそのままの状態で凝固する。金属材料が集まって凝固
することにより、回路用基板に形成された配線パターン
の所定の箇所(例えばランド)と電子部品の所定の箇所
(例えばリード)とが金属材料で電気的および物理的に
接合される。他方、絶縁性樹脂は、金属材料の表面をコ
ートするようにして凝固すると考えられ、凝固した絶縁
性樹脂は、電子部品を回路用基板に物理的に接合する助
けとなり得、また、本実施形態にて用いる荷電性粒子に
占める絶縁性樹脂の割合は、混練・粉砕法により得られ
る粒子に比べて小さいので、配線パターンと電子部品と
の間の接合抵抗をより低くすることができる。
料)を印刷して荷電性粒子(接合材料)から成る接合パ
ターンを形成した回路用基板に、電子部品を適切に配置
し、この回路用基板を単に熱処理に付すだけで、電子部
品が回路用基板に電気的および物理的に接合された電子
回路基板を作製することができる。尚、上記のような絶
縁性樹脂および金属材料の溶融状態および凝固状態につ
いての説明はあくまで例示であり、本発明の荷電性粒子
(接合材料)によって電子部品が回路用基板に電気的お
よび物理的に接合され得る限り、本発明を限定するもの
ではないことに留意されるべきである。
する絶縁性樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合には、
熱硬化性樹脂は熱処理により溶融しない。熱硬化性樹脂
は、一般的に金属材料の融点よりも低い温度で硬化す
る。例えば、実施形態1および/または2にて用いた金
属材料のSn−Pb系材料の融点が約180〜190℃
であるのに対して、熱硬化性樹脂の1種であるエポキシ
系樹脂の硬化温度は約90〜150℃である。このた
め、回路用基板を熱処理に付すと、まず、熱硬化性樹脂
の硬化温度以上に加熱されて、熱硬化性樹脂が好ましく
は完全に硬化し、例えばB状態にあった熱硬化性樹脂が
C状態となる。このとき、隣接する荷電性粒子の絶縁性
樹脂層の間でも熱硬化性樹脂の硬化が進行する。また、
熱硬化性樹脂は、一般的に熱硬化の際に体積収縮する。
この結果、熱処理によって絶縁性樹脂層全体が収縮して
荷電性粒子の金属粒子同士がより十分に接触した状態で
固定される。従って、この場合にも、本実施形態と同様
に単に熱処理に付すだけで、電子部品が回路用基板に電
気的および物理的に接合された電子回路基板を作製する
ことができる。
路用基板を用いたが、本発明において荷電性粒子(接合
材料)が印刷される「基体」とは、配線パターンが形成
され、該配線パターンと電子部品とを接合するための接
合材料がその上に配置されるべきものを言うものと理解
されるべきである。従って、「基体」は、回路用基板の
ようなシート状形態のものを包含するが、これに限定さ
れるものではなく、配線パターンが形成され、該配線パ
ターンの所定の箇所に電子部品を接合することを要する
ものであれば、いずれの形態(例えば筐体など)であっ
てもよい。例えば、紙フェノール系材料、ガラスエポキ
シ系材料、ポリイミドフィルム系材料、セラミック系材
料、および金属系材料などから成る基体に配線パターン
が形成された回路用基板(または配線板、配線基板もし
くはプリント基板)および多層積層基板(例えばビルド
アップ基板)などを本発明に用いることができる。
ン(ランドを含む)は、例えば銅、金、アルミニウム、
およびはんだなどの材料から成っていてよい。配線パタ
ーンは、任意の適切な幅、例えば約100μmの幅を有
し得る。
ーン(例えばランド)と接合される電子部品は、特に限
定されないが、例えば半導体部品(例えば、いわゆるQ
FP(クアッド・フラット・パッケージ)部品、CSP
(チップ・スケール・パッケージ)部品、およびSOP
(シングル・アウトサイド・パッケージ)部品など)、
チップ部品(例えば、抵抗、コンデンサ、トランジス
タ、インダクタなど)、ならびにコネクタなどであり得
る。
て、基体に形成された配線パターンと電子部品とを接合
するために好適に用いられる新規な接合材料として用い
られる荷電性粒子およびその製造方法が提供される。本
発明の荷電性粒子(接合材料)は、スクリーン印刷法を
用いることなく、電子写真法により基体上に所望のパタ
ーンで供給(または印刷)することができ、荷電性粒子
を用いた接合材料から成るパターンを基体上に形成する
ことができる。
たは表面溶融化処理されて成る絶縁性樹脂層により金属
粒子が被覆されているため、金属粒子が荷電性粒子表面
に露出しない。これにより、荷電性粒子を一様に帯電さ
せることができるので、荷電性粒子を、よって接合材料
を、微細なパターンで正確に基体上に供給することが可
能となる。
脂層は、機械的表面処理または表面溶融化処理されて成
るので、より薄い層厚さで確実に金属粒子を被覆するこ
とができる。よって、荷電性粒子に占める絶縁性樹脂の
重量割合が比較的少なく、本発明の荷電性粒子(または
接合材料)を用いて配線パターンと電子部品とを接合す
れば、配線パターンと電子部品との間の接合抵抗をより
低くできるという利点がある。
れば、機械的表面処理または表面溶融化処理を施した粒
子は比較的均一な粒径を有し、分級する必要がないた
め、高い製造効率が得られるという利点がある。
の概略断面図である。
Claims (22)
- 【請求項1】 基体に形成された配線パターンと電子部
品とを接合するための接合材料に用いられる荷電性粒子
であって、250℃以下の融点を有する金属材料から成
る金属粒子と、表面溶融化処理により形成された、該金
属粒子を被覆する、絶縁性樹脂を含む絶縁性樹脂層とを
有する荷電性粒子。 - 【請求項2】 表面溶融化処理に代えて機械的表面処理
を利用する、請求項1に記載の荷電性粒子。 - 【請求項3】 金属粒子が、Sn−Pb系材料、Sn−
Ag系材料、Sn−Ag−Cu系材料、Sn−Bi系材
料、Sn−Cu系材料、Sn−Cu−Ni系材料、Sn
−Ag−Bi系材料、Sn−Ag−Bi−In系材料、
Sn−Ag−Bi−Cu系材料、Sn−Zn系材料、S
n−Zn−Bi系材料からなる群から選択される金属材
料から成る、請求項1または2に記載の荷電性粒子。 - 【請求項4】 金属粒子が、1〜20μmの平均粒径を
有する、請求項1〜3のいずれかに記載の荷電性粒子。 - 【請求項5】 絶縁性樹脂層が、0.1〜1.0μmの
厚さを有する、請求項1〜4のいずれかに記載の荷電性
粒子。 - 【請求項6】 絶縁性樹脂が、ロジン、ポリスチレン系
樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロ
ピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキ
シ系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の絶
縁性樹脂である、請求項1〜5のいずれかに記載の荷電
性粒子。 - 【請求項7】 絶縁性樹脂層が、荷電制御剤を更に含ん
で成る、請求項1〜6のいずれかに記載の荷電性粒子。 - 【請求項8】 0.7以上の球状度を有する、請求項1
〜7のいずれかに記載の荷電性粒子。 - 【請求項9】 体積換算粒度分布において70〜100
体積%の荷電性粒子が、荷電性粒子の平均粒径を中心と
して該平均粒径の80%の数値範囲内にある、請求項1
〜8のいすれかに記載の荷電性粒子。 - 【請求項10】 基体に形成された配線パターンと電子
部品とを接合するための接合材料に用いられる荷電性粒
子の製造方法であって、250℃以下の融点を有する金
属材料から成る金属粒子と、絶縁性樹脂を含む粒子とを
含む混合物を表面溶融化処理に付して、該絶縁性樹脂を
含む絶縁性樹脂層を表面に有する荷電性粒子を得ること
を特徴とする製造方法。 - 【請求項11】 絶縁性樹脂を含む粒子が、金属粒子の
平均粒径の1/100〜1/10倍の平均粒径を有す
る、請求項10に記載の製造方法。 - 【請求項12】 金属粒子が、Sn−Pb系材料、Sn
−Ag系材料、Sn−Ag−Cu系材料、Sn−Bi系
材料、Sn−Cu系材料、Sn−Cu−Ni系材料、S
n−Ag−Bi系材料、Sn−Ag−Bi−In系材
料、Sn−Ag−Bi−Cu系材料、Sn−Zn系材
料、Sn−Zn−Bi系材料からなる群から選択される
金属材料から成る、請求項10または11のいずれかに
記載の製造方法。 - 【請求項13】 金属粒子が、1〜20μmの平均粒径
を有する、請求項10〜12のいずれかに記載の製造方
法。 - 【請求項14】 絶縁性樹脂層が、0.1〜1.0μm
の厚さを有する、請求項10〜13のいずれかに記載の
製造方法。 - 【請求項15】 絶縁性樹脂が、ロジン、ポリスチレン
系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプ
ロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系
樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポ
キシ系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の
絶縁性樹脂である、請求項10〜14のいずれかに記載
の製造方法。 - 【請求項16】 混合物が荷電制御剤を含む粒子を更に
含み、金属粒子と、絶縁性樹脂を含む粒子と、荷電制御
剤を含む粒子とを含む混合物を表面溶融化処理に付す、
請求項10〜15のいずれかに記載の製造方法。 - 【請求項17】 金属粒子と、絶縁性樹脂を含む粒子と
を含む混合物を表面溶融化処理に付した後、該混合物に
荷電制御剤を含む粒子を加えて更に表面溶融化処理に付
す、請求項10〜15のいずれかに記載の製造方法。 - 【請求項18】 該混合物に荷電制御剤を含む粒子を加
えて更に表面溶融化処理に付すことを複数回実施する、
請求項17に記載の製造方法。 - 【請求項19】 荷電制御剤を含む粒子が、金属粒子の
平均粒径の1/100〜1/10倍の平均粒径を有す
る、請求項16〜18のいずれかに記載の製造方法。 - 【請求項20】 金属粒子が、表面溶融化処理に先立っ
て表面処理剤で予め処理されている、請求項10〜19
のいずれかに記載の製造方法。 - 【請求項21】 表面溶融化処理に代えて機械的表面処
理を利用する、請求項10〜20のいずれかに記載の製
造方法。 - 【請求項22】 請求項1〜9のいずれかに記載の荷電
性粒子または請求項10〜21のいずれかに記載の製造
方法により得られる荷電性粒子を用いた接合材料によっ
て、電子部品が、配線基板に形成された配線パターンに
接合されて成る電子回路基板。
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US8053073B2 (en) | 2003-10-14 | 2011-11-08 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Process for producing resin-coated metal particles, resin-coated metal particles, and toner for forming circuit |
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JP2018028145A (ja) * | 2016-08-10 | 2018-02-22 | Dowaエレクトロニクス株式会社 | 銀合金粉末およびその製造方法 |
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