JP2003178624A - 樹脂被膜金属粒子、接合材料、電子回路基板及びそれらの製造方法 - Google Patents

樹脂被膜金属粒子、接合材料、電子回路基板及びそれらの製造方法

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JP2003178624A
JP2003178624A JP2001378162A JP2001378162A JP2003178624A JP 2003178624 A JP2003178624 A JP 2003178624A JP 2001378162 A JP2001378162 A JP 2001378162A JP 2001378162 A JP2001378162 A JP 2001378162A JP 2003178624 A JP2003178624 A JP 2003178624A
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resin
bonding
metal particles
substrate
coated metal
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JP2001378162A
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English (en)
Inventor
Shigeo Matsuzaki
滋夫 松崎
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 電子部品と、基板に形成された配線パターン
とを接合するのに適した接合材料を提供する。 【解決手段】 250℃以下の融点を有する平均粒径
0.1〜20μmの金属粒子1と、これを被覆する20
0℃における溶融粘度が500Pa・s以下の樹脂層2
からなる樹脂被膜金属粒子10を、回路基板40上に電
子写真法を用いて印刷して接合パターンを形成する。樹
脂被膜金属粒子10に接触させて、電子部品42を回路
基板40に配置する。これを、200〜230℃の温度
まで加熱すると、金属材料1と樹脂2とが溶解し、金属
材料1が互いに融合する。さらに、冷却すると、金属材
料1が固化して、回路基板40に電子部品42が接合さ
れる。樹脂2は溶融粘度が低いため金属粒子1から層分
離しやすく、そのため、金属粒子1が互いに融合しやす
くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子回路基板を作
製するための電子部品実装プロセスにおいて、配線パタ
ーンと電子部品とを接合するために、より詳細には電気
的及び物理的(又は機械的、以下同様)に接合するため
に使用される、新規な接合材料及びその製造方法に関す
る。また、本発明は、そのような接合材料を用いた接合
パターン、その接合パターンにより電子部品を実装した
電子回路基板、及びそのための製造方法と装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器等に用いられている電子
回路基板の製造プロセスにおいて、電子部品を基板に実
装するため、より詳細には、電子部品の所定の箇所(例
えば、電極、リード、端子、ターミナル)と、基板に形
成された配線パターンの所定の箇所(例えば、ランド)
とを電気的及び物理的に接合するために用いる方法とし
てリフローはんだ付けがある。リフローはんだ付けは、
概略的には、基板に形成された配線パターンのランドの
上にはんだを含む接合材料を供給し、その後、電子部品
をランド上に適切に配置し、基板を熱処理することによ
り電子部品の電極と配線パターンとをはんだ付けするも
のである。
【0003】リフローはんだ付けにおいては、従来、接
合材料としてクリームはんだが用いられており、接合材
料であるクリームはんだを基板上に形成された配線パタ
ーンのランド上に供給するために、スクリーン印刷法が
用いられている。スクリーン印刷法においては、開口部
を有する厚さ80〜150μmのメタルマスク(又はス
クリーン版)を、その開口部が基板上のランドと合うよ
うに基板と接触させて配置する。基板上に配置したメタ
ルマスク上の一端部にクリームはんだを供給する。スキ
ージを基板面に対して平行移動させ、メタルマスク上の
クリームはんだをならすことによりメタルマスクの開口
部に充填する。この後、メタルマスク、クリームはんだ
を基板から除去する。そのとき、開口部に充填されたク
リームはんだはメタルマスクを通り抜けて(板抜け)基
板上の配線パターンに設けられたランドに残留する。
【0004】このメタルマスクを用いる従来のスクリー
ン印刷法は、0603部品(0.6mm×0.3mmサ
イズ部品)やさらに0402部品(0.4mm×0.2
mmサイズ部品)等を実装するための微小なランドの上
に接合材料であるクリームはんだを供給して、微細な接
合パターンを形成するには十分満足できるものではな
い。微小なランド上に接合材料を形成するためにはメタ
ルマスクの開口部を小さくする必要があるが、開口部を
小さくすると、クリームはんだが板抜けしにくくなる。
板抜けさせるためには、クリームはんだの粘度を下げ
る、メタルマスクの厚みを薄くする等の対策が必要とな
る。
【0005】しかし、粘度の低いクリームはんだを用い
た場合は、ダレやにじみが発生し、電子部品を物理的に
固定するために必要な厚みを得ることができない。ま
た、メタルマスクを薄くした場合は、スキージにより圧
力をかけて移動させるため、メタルマスクの開口部と微
小なランドパターンとの間にずれが発生する(スキージ
移動方向に引きずられる)。
【0006】さらに、このスクリーン印刷は、同一品種
を大量生産する場合に適しているが、形成すべき接合パ
ターンに合わせて、即ち品種毎にメタルマスクを準備す
る必要があり、また、印刷工程において品種毎にメタル
マスクを切り替えなければならないため、多品種生産に
は適していなかった。
【0007】一方、乾式電子写真システムとして、回路
形成用材料をグリーンシート上に電子写真法によって印
刷する方法が知られていた。例えば、特開昭60−12
7787号公報には、2成分系現像システムでの製造工
程が記載されている。また、特開平4−78191号公
報では、金属粒子に樹脂を静電的に付着させた後、機械
的な衝撃による熱で被覆する方法等が記載されている。
また、特開平11−251718号公報には、荷電性粉
末(樹脂被膜金属粒子)を電子写真法によってグリーン
シート上に所定のパターンを印刷し、その後焼成するこ
とで多層配線基板を作製することが記載されている。こ
の荷電性粉末は、導電性金属粒子、熱溶融性樹脂、荷電
制御剤及び接着強化剤から成る混合物を熱溶融混練し、
粉砕、分級することで得られる。以上のような荷電性粉
末は、電子写真法による印刷技術のトナーに相当するも
のであり、一般的なトナーの平均粒径と同程度の1〜2
0μmを有することが記載されている。回路形成用材料
として用いられる導電性金属粒子は、回路材料として一
般的に用いられる銅等の比較的高融点な金属材料から成
る。
【0008】本発明者は、基板に形成された配線パター
ンと電子部品とを電気的、物理的に接合する接合材料を
基板に印刷するため、スクリーン印刷法に代えて電子写
真法を用いることを検討した。従来から用いられている
クリームはんだは、電子写真法には適さない。また、前
述の回路形成用材料をそのまま用いても接合材料として
の役割は果たさない。
【0009】これらの問題を解決するため、本発明者
は、特願2001−271887において、比較的低融
点のはんだ材料にポリエチレンを被覆した樹脂被膜金属
粒子が、トナーとして優れていることが分かった。この
樹脂被膜金属粒子は、表面に触媒を担持した後にエチレ
ンを直接重合するため、はんだ粒子の表面に均一に樹脂
被覆することが可能となった。この様に均一な被覆層を
形成することで、トナーとしての要求特性である帯電性
能(均一に帯電する、絶縁性を維持する)を十分に満足
することができた。その結果として、電子写真法を用い
て接合材料(樹脂被膜金属粒子)をスクリーン印刷程度
の精度で印刷することが可能となった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、配線パ
ターンが形成された基板に電子写真システムを用いてこ
の接合材料を印刷し、電子部品を実装後、加熱した場
合、230℃まで加熱してもはんだ付けが困難なことが
分かった。これは、ポリエチレンの230℃における溶
融粘度が800Pa・sと非常に高く、溶融時にはんだ
が、溶融したポリエチレン被覆を破ることができず、静
置状態でははんだと電子部品が接触できずに、結果とし
てはんだ付けができないためであることが分かった。こ
の接合材料を用いる場合は、印刷後に超音波はんだごて
を用いるか、超音波や音響といった振動を加えることが
必要となる。この様な製造工程は、印刷された高精細な
接合材料を乱す場合があり好ましくない。
【0011】本発明の目的は、電子部品と、基板に形成
された配線パターンとを接合するのに適した樹脂被膜金
属粒子、接合材料及びそれらの製造方法を提供すること
である。また、本発明の目的は、かかる接合材料を用い
て、基体に接合パターンを形成する接合パターン形成方
法及び装置を提供することである。さらに、かかる接合
材料を用いて電子部品が基体に接合された電子回路基板
及びその製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討を
行なった結果、250℃以下の融点を有する金属材料か
ら成る平均粒径1〜20μmの金属粒子と、金属粒子を
被覆する200℃における溶融粘度が500Pa・s以
下の樹脂からなる樹脂層とを含む樹脂被膜金属粒子を見
出した。この粒子の樹脂層は、200℃の加熱において
溶融粘度が500Pa・s以下と非常に低く、加熱時に
はんだ表面に残らずに基板に広がる。そのため、はんだ
と電子部品及びはんだ同士の接触が可能となり、はんだ
付けが容易となる。従って、この樹脂被膜金属粒子を用
いれば、電子写真法での高精細な画像が得られ、かつ2
50℃までの加熱によりはんだ付けが可能となることを
見出した。
【0013】即ち、本発明の第一の態様によれば、基体
に形成された配線パターンと電子部品とを接合するため
の接合材料に用いられる、250℃以下の融点を有する
金属材料から成る平均粒径0.1〜20μmの金属粒子
と、金属粒子を被覆する200℃における溶融粘度が5
00Pa・s以下の樹脂からなる樹脂層とを含む樹脂被
膜金属粒子が提供される。好ましくは、樹脂層の25℃
での破断歪みは10%以下である。好ましくは、樹脂被
膜金属粒子において、金属粒子が90〜99.5重量%
で、樹脂層が10〜0.5重量%含まれる。好ましく
は、金属粒子は、Sn−Pb材料ならびにSn−Pb材
料にAg元素及びBi元素の少なくとも1種の元素を添
加してなる材料を含むSn−Pb系材料、Sn−Ag材
料ならびにSn−Ag材料にBi元素、Cu元素及びI
n元素の少なくとも1種の元素を添加してなる材料を含
むSn−Ag系材料、Sn−Cu材料ならびにSn−C
u材料にNi元素を添加してなる材料を含むSn−Cu
系材料、Sn−Zn材料ならびにSn−Zn材料にBi
元素を添加してなる材料を含むSn−Zn系材料、Sn
−Bi材料ならびにSn−Bi材料にCu元素及びIn
元素の少なくとも1種の元素を添加してなる材料を含む
Sn−Bi系材料、ならびにSn−In材料を含むSn
−In系材料からなる群から選択される材料からなる。
好ましくは、樹脂はポリスチレン及び/又は、石油樹脂
を含む。好ましくは、樹脂はロジン樹脂を含む。
【0014】本発明の第二の態様によれば、上記の樹脂
被膜金属粒子を含んでなる、基体に形成された配線パタ
ーンと電子部品とを接合するための接合材料が提供され
る。好ましくは、この接合材料は、さらに外添剤を含
む。
【0015】本発明の第三の態様によれば、250℃以
下の融点を有する金属材料から成る平均粒径0.1〜2
0μmの金属粒子の表面に、200℃における溶融粘度
が500Pa・s以下の樹脂からなる樹脂層を、浸漬法
あるいはスプレードライ法により被覆する樹脂被膜金属
粒子の製造方法が提供される。
【0016】本発明の第四の態様によれば、上記の接合
材料を、配線パターンが形成された基体上に、電子写真
法により印刷して、接合材料からなる接合パターンを基
体上に形成することを含む接合パターン形成方法が提供
される。好ましくは、基体から位置データを読み取るこ
とをさらに含み、接合パターンが、読み取られた位置デ
ータに基づき決定される。好ましくは、位置データが、
センサーあるいはカメラの少なくとも一方を用いて読み
取られる。好ましくは、予め設計データが格納されたデ
ータベースから設計データを読み出すことをさらに含
み、接合パターンが、読み出された設計データに基づい
て決定される。
【0017】本発明の第五の態様によれば、上記の接合
材料を、配線パターンが形成された基体上に、電子写真
法により印刷して、接合材料からなる接合パターンを基
体上に形成するための印刷機構を含む接合パターン形成
装置が提供される。好ましくは、基体から位置データを
読み取る読み取り手段をさらに含み、印刷機構が、読み
取り手段によって基体から読み取られた位置データに基
づき、接合材料を基体上に印刷する。好ましくは、読み
取り手段はセンサーあるいはカメラの少なくとも一方を
含む。好ましくは、予め設計データが格納されたデータ
ベースをさらに含み、印刷機構が、データベースから読
み出された設計データに基づいて決定されるパターンに
従って、接合材料を印刷する。
【0018】本発明の第六の態様によれば、融合さらに
固化された上記の接合材料によって、電子部品が、基体
に形成された配線パターンに接合されてなる電子回路基
板が提供される。
【0019】本発明の第七の態様によれば、上記の接合
材料により接合パターンが形成された基体に、電子部品
を接合パターンに接触させて配置し、電子部品が配置さ
れた基体を、接合材料の樹脂被膜金属粒子に含まれる金
属材料及び樹脂の融点以上の温度に加熱し、金属材料及
び樹脂を溶融させて、金属材料を互いに融合させ、その
後、基体を放冷又は冷却して、金属材料を固化させるこ
とにより、電子部品を基体に接合させることを含む電子
回路基板の製造方法が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】(実施形態1) 1.樹脂被膜金属粒子、接合材料及びそれらの製造方法 本実施形態は樹脂被膜金属粒子、接合材料及びそれらの
製造方法に関する。本実施形態において「樹脂被膜金属
粒子」を「接合材料」の意味でも用いるものとし、以下の
実施形態についても同様とする。図1は、本実施形態に
おける樹脂被膜金属粒子の概略模式図である。図1に示
すように、樹脂被膜金属粒子10は、金属粒子1と、金
属粒子1を被覆する樹脂層2を含む。金属粒子1は、2
50℃以下の融点、例えば約180〜230℃の融点を
有する金属材料から成る。 このように比較的低融点の金
属材料を用いているので、樹脂被膜金属粒子を基体に印
刷した後、これを熱処理することで、金属粒子を構成す
る金属材料を溶融し再び凝固させることにより、金属材
料を介して電子部品を基体に電気的及び物理的に接合す
ることができる。このような低融点の金属材料として
は、いわゆるはんだ材料を用いることができる。はんだ
材料は、鉛を含んでいても、鉛を含まなくてもよいが、
環境に対する影響を考慮すれば鉛フリー系のはんだを用
いることが好ましい。
【0021】金属材料の例として、Sn−Pb系材料が
あり、Sn−Pb材料及び、Sn−Pb材料にAg及び
/又はBiを添加した材料を含む。またPbを含まない
材料として、Sn−Ag系材料、Sn−Cu系材料、S
n−Zn系材料、Sn−Bi系材料、Sn−In系材料
がある。これらの材料は、Sn−Ag材料、Sn−Cu
材料、Sn−Zn材料、Sn−Bi材料、Sn−In材
料を含み、さらに、これらにBi、Cu、In、Niを
添加した材料も含む。ここで「〜系材料」とは、その材
料系についての共晶組成及びその近傍の組成を有し、該
共晶組成から大幅にずれない程度に微量の他成分を含む
材料をさし、「〜材料」とは、実質的にその構成元素の
みから成る材料をさすものとする。
【0022】金属粒子1の平均粒径は0.1〜20μ
m、好ましくは3〜15μm、より好ましくは5〜10
μmの範囲から選択される。金属粒子の平均粒径が0.
1μmより小さい場合、樹脂被覆時に凝集しやすくな
り、また後処理工程での粉砕も困難になる。さらに、電
子写真法で印刷する場合にも、十分な現像量が得られな
い、帯電が不均一でかぶりが発生する等の問題がある。
一方、20μmよりも大きい場合、現像剤としての帯電
安定性がなくなるばかりか、印刷時に高精細な画像が得
られなくなる。金属粒子1の形状は球形、楕円形、不定
形等と特に制限はないが、電子写真法での印刷精度、印
刷時の充填効率(嵩密度)から考慮して、球形が好まし
い。
【0023】このような金属粒子1は、例えばアトマイ
ズ法を用い、必要に応じて分級すれば得られる。しか
し、本発明はこの方法に限定されず他の任意の方法によ
って製造され得る。
【0024】樹脂層2は、200℃における溶融粘度が
500Pa・s以下の樹脂から成る。溶融粘度は、キャ
ピログラフ、フローテスター、粘断性測定装置、メルト
インデックス等で測定される。溶融粘度が500Pa・
s以下であると、200℃まで加熱したとき、溶融して
流れやすくなるため、中にある金属粒子1が露出して隣
合う金属粒子1と融合しやすくなる。溶融粘度は、好ま
しくは、200Pa・s以下であり、より好ましくは、
100Pa・s以下、さらに好ましくは50Pa・s以
下である。また、樹脂層2の融点は、好ましくは、金属
材料の融点より低く、200℃以下であり、より好まし
くは、150℃以下である。
【0025】さらに、樹脂層2を形成する樹脂は、25
℃での破断歪みが10%以下であることが好ましい。破
断歪みは、伸長速度5%歪み/minでの条件における
引張り試験により測定される。破断歪みが10%以下で
あることが好ましい理由は以下の通りである。電子写真
法による印刷を行なうためには、樹脂被膜金属粒子10
は、トナーとして求められる帯電性能を満足する必要が
ある。樹脂被膜金属粒子10は後述するように、一般的
な湿式コート法(スプレードライ法、浸漬法等)を用い
て製造することが好ましい。しかし、200℃における
溶融粘度が500Pa・s以下の樹脂であっても粘弾性
が高い場合、コート後の凝集体の粉砕工程あるいは分級
工程で、被膜の剥離が発生してしまう。被膜が剥離し、
金属部分が露出してしまった場合、トナーとして重要な
帯電性能(均一に帯電する、絶縁性を維持する)を維持
することができなくなる。この被膜の剥離を防ぐために
は、十分な脆性が必要となる。つまり、樹脂として25
℃での破断歪みが0.5〜10%以下であることが好ま
しくなる。
【0026】樹脂層2に用いる樹脂は、上記の特性を有
する限り特に限定されないが、例えば、ポリスチレン、
アクリル樹脂、石油樹脂等の樹脂を単独又は混合して用
いてもよい。その他、スチレン系樹脂(スチレン−アク
リル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビ
ニルトルエン等)、テルペン樹脂、クマロンインデン樹
脂、ロジン樹脂等がある。また、これらの共重合体でも
よい。しかし、各樹脂の分子量や、共重合比率等に注意
を要する。例えば、ポリスチレン樹脂でも極端に分子量
が高い場合は、溶融粘度が上昇してしまい、用いること
ができなくなる。また、架橋等の処理を施した場合も、
同様のことが生じるため、注意が必要である。2種以上
の樹脂を混合する場合(分子量の異なる同一樹脂も含
む)、混合の仕方は、特に制限されないが、それぞれが
溶解する有機溶媒が存在することが重要となる。また、
凝集体の粉砕時に、脆さが重要になるが、分子量を下げ
すぎて極端に破断歪み値を下げすぎると、電子写真法で
の印刷時に樹脂被膜がくずれてしまうため、注意を要す
る。
【0027】好ましい樹脂の例として、ポリスチレンと
石油樹脂の組み合わせがある。ポリスチレンは比較的粘
度が高く、石油樹脂は比較的粘度が低く脆いので、これ
ら異なる特性を有する成分を適宜混合して所望の特性を
有する樹脂を得ることができる。また、低分子量ポリス
チレンは石油樹脂と同じく、比較的粘度が低く脆い樹脂
であり、高分子量ポリスチレンは比較的粘度が高く、脆
さにも耐え得る樹脂であるため、これらを適宜混合して
溶融粘度が高くなるのを抑えつつ、印刷工程における、
攪拌にも耐えられる樹脂ができる。ポリスチレンと石油
樹脂の組成は、樹脂全体に対し、ポリスチレンが60〜
100重量%、石油樹脂が40〜0重量%、好ましく
は、ポリスチレンが70〜100重量%、石油樹脂が3
0〜0重量%である。また、ロジン樹脂は、はんだが酸
化されてもはんだを溶けやすくする作用を有するため、
ロジン樹脂を含むことが好ましい。ロジン樹脂の含有量
は、樹脂全体に対し、0〜20重量%、好ましくは、5
〜15重量%である。ただし、ポリスチレンや石油樹脂
では、分子量により、200℃での溶融粘度及び破断歪
みが変化するため、組成だけでは一概には言えない。
【0028】このような樹脂層2を形成する方法は、特
に限定されないが、これら樹脂を溶解する有機溶媒に溶
解した後にこの溶液をスプレードライ法や浸漬法により
金属粒子1にコートする方法や、樹脂粉末を金属粒子1
表面に静電付着させた後に機械的及び熱的に処理を行な
う方法等を用いることができる。特に、スプレードライ
法や浸漬法は、溶解する有機溶媒が存在すれば、それ以
外に樹脂に対する制約がないため、好ましい方法であ
る。
【0029】金属粒子1を構成する金属材料と樹脂層2
を構成する樹脂との重量割合は、印刷特性が得られつ
つ、電子部品と基体上の配線パターンとの接合に支障を
与えない程度に選択される。具体的には、樹脂被膜金属
粒子10において、金属粒子は90〜99.5重量%程
度が好ましく、さらに95〜99重量%がより好まし
い。樹脂の重量割合は、樹脂被膜金属粒子の重量から金
属材料の重量を引いた値となるため、10〜0.5重量
%程度が好ましく、さらに好ましくは5〜1重量%とな
る。樹脂の重量割合が10重量%を超えると、電子部品
と基体上の配線パターンとの接合を絶縁性である樹脂が
妨げ導通が得られなくなる可能性が高くなる。樹脂は金
属材料より低い温度で軟化、溶融し基体上に流れるが、
重量比が多い場合は電子部品の周辺に残留する確率が高
くなり問題となる。また、製造時に、樹脂の溶解に支障
をきたす可能性が高く、さらに、被覆の際、溶液粘度が
高くなりすぎて、凝集、目詰まり等の問題が発生する恐
れがある。この他、現像剤としての流動性が低下する等
の問題もある。また、樹脂の重量割合が0.5重量%を
下回ると、金属材料の被覆が不完全となり露出部分が発
生する。金属材料表面が露出した場合、絶縁性が不十分
となり帯電性能が悪化し印刷時の画像悪化が生じる。
【0030】樹脂被膜金属粒子10の絶縁性は、樹脂層
2の量(厚み)を増やすことによって高めることができ
る。電子写真法によって印刷するには、絶縁性は高い方
が好ましいが、上述したように、樹脂を増やしすぎると
様々な問題が生じる。樹脂被膜金属粒子10の絶縁性
は、例えば、約5cmの電極面積を有し、互いに接続
された一対の電極間に樹脂被膜金属粒子の厚みが0.5
cmとなる粒子層を形成し、電極間に1〜500Vの電
圧を印加した時に流れる電流値を測定することで得られ
る抵抗値で、1×1014Ωcm以上が好ましい。
【0031】以上説明した樹脂被膜金属粒子を、基体に
形成された配線パターンと電子部品を接合するための接
合材料として使用できる。その際、任意の他の成分と混
合してもよい。例えば、接合材料を基体上に電子写真法
を用いて印刷する場合は、通常の電子写真法に用いられ
るような、シリカ粒子、チタニア粒子等の外添剤等と混
合すると、流動性が向上するため、好ましい。また、任
意のキャリアと混合してもよい。このような樹脂被膜金
属粒子又は接合材料は、帯電性能を維持し、電子写真法
により高精細な画像が得られ、かつ250℃までの加熱
によりはんだ付けが可能である。
【0032】(実施形態2) 接合パターン形成方法及びそのための装置 本実施形態は、実施形態1にて説明した接合材料(樹脂
被膜金属粒子)を基体上に電子写真法により印刷して、
接合材料からなる接合パターンを基体上に形成する方法
及びその装置に関する。図2は本実施形態に用いる接合
パターン形成装置の概略模式図である。図2に示すよう
に、本実施形態の接合パターン形成装置20として、電
子写真法において一般的に用いられるシステムを用いる
ことができる。感光体ドラム21の周りに、初期化装置
24、帯電器25、光照射装置26が配置されている。
さらに、トナーとして接合材料27を供給する接合材料
供給装置28が配置されている。基体29の下部には接
合材料27を感光体ドラム21から基体29に転写する
転写装置30が配置されている。これらはそれぞれ制御
装置36に接続されており、全体として印刷機構を形成
している。感光体ドラム21は、矢印31の方向に回転
する。基体29は、転写装置30と感光体ドラム21と
の間で矢印32で示す向きで搬送され、感光体ドラム2
1上の接合材料27が基体29の上に、感光体ドラム2
1と並進しながら転写(印刷)されて、矢印33の方向
に取り出される。
【0033】この接合パターン形成装置20は、実施形
態1の接合材料27とキャリアとを混合して現像剤とす
る2成分現像方式であるが、特にその方式にこだわら
ず、1成分現像方式やジャンピング現像方式等を用いる
ことができる。しかし、接合材料の帯電に有利な2成分
現像方式を選択することが望ましい。2成分現像方式で
用いられるキャリアは特に限定されず、フェライト系、
マグネタイト系、鉄粉系等システムとの組み合わせによ
り選択される。キャリアと接合材料との混合割合は、例
えば5〜400重量%であり、より好ましくは10〜4
0重量%である。この割合は、接合材料に用いられる金
属材料の比重や粒径により最適値が変化するが、キャリ
ア表面にほぼ均一に付着する程度の量が好ましい。
【0034】基体上に形成されたランドに正確に接合材
料を供給するために、カメラ、センサー、スキャナー等
の読み取り機器(図示せず)を用いて位置精度を高める
ことができる。例えば、この機器により光学的にランド
の位置データを得た後、制御装置36に伝え、このデー
タに基づき接合材料供給装置28が正確に印刷する。ま
た、印刷精度を高めるために、制御装置36が、予め設
計データ(濃淡や位置)が格納されたデータベース(図
示せず)から設計データを読み出し、読み出された設計
データにより印刷を行なうこともできる。さらに、上記
の位置データと設計データを組み合わせてもよい。例え
ば、基体29から読み取られた位置データに基づき、設
計データを読み出し、この読み出された設計データに基
づいて印刷してもよい。
【0035】本発明の接合材料(樹脂被膜金属粒子)
は、本実施形態の接合パターン形成方法及び接合パター
ン形成装置に限らず、電子写真方式を利用する他の適切
なシステムに用いることができる。例えば、市販のプリ
ンタやコピー機等に用いてもよい。
【0036】(実施形態3) 電子回路基板及びその製造方法 本実施形態は、実施形態1にて説明した接合材料(樹脂
被膜金属粒子)を用いて電子部品が基板に接合された電
子回路基板及びその製造方法に関する。図3は本実施形
態における電子回路基板の製造方法の概略模式図であ
る。尚、説明の便宜上、図3において、参照番号1は金
属粒子だけでなく金属材料そのものも示し、参照番号2
は被覆樹脂層だけでなく樹脂そのものも示すものとす
る。本実施形態では、電子部品が接合される基体とし
て、配線パターンが形成された回路基板を用いる。ま
ず、実施形態2で説明した接合パターン形成法及び接合
パターン形成装置20により、実施形態1の樹脂被膜金
属粒子(接合材料)10を回路基板40上に電子写真法
を用いて印刷して接合パターンを形成する。
【0037】次いで、図3(a)に示すように、回路基
板40上の配線パターンの所定箇所上に印刷された樹脂
被膜金属粒子10に、電子部品42の所定の箇所(例え
ばリード)が少なくとも部分的に接触するように、電子
部品42を配置する。
【0038】これにより得られた回路基板40を熱処理
する。加熱温度は、樹脂被膜金属粒子10中の金属粒子
1と樹脂層2の融点以上であり、200℃以上が好まし
い。例えば200〜230℃の温度にて加熱する。この
ような熱処理には一般的なリフロー装置を用い得る。樹
脂層2を形成する樹脂2は、一般に金属材料1の融点よ
りも低い温度で溶融する。そのため、回路基板40を加
熱すると、樹脂層2、金属粒子1の順で段階的に溶融す
る。図3(b)に示すように、溶融した金属材料1と樹
脂2は相分離し、1箇所に配置された複数個の樹脂被膜
金属粒子10の金属粒子1が互いに融合する。 本実施形
態で用いる樹脂2は、200℃における溶融粘度が50
0Pa・s以下であるため、流れやすく金属粒子1から
層分離しやすい。しかし、200℃における溶融粘度が
500Pa・sを超える樹脂を用いた場合は、例えば、
ポリエチレン樹脂のように200℃での溶融粘度が80
0Pa・s程度と大きい樹脂を用いた場合は、溶融時に
相分離が進行し難く、接合パターンと電子部品42の接
合が不十分になりやすい。
【0039】熱処理後、回路基板40を冷却(放冷)す
ると、溶融状態の樹脂2及び金属材料1がこのままの状
態で凝固する。溶融時に相分離した樹脂被膜金属粒子1
0は、比重の関係上、配線パターン側(下部)に金属材
料1が、その上に樹脂2が存在し、図3(c)に示すよ
うに、樹脂2は金属材料1を被覆する形となると考えら
れる。この結果、金属材料1により、回路基板40に電
子部品42が接合する。
【0040】尚、本実施形態において基体として回路基
板40を用いたが、基体として、回路が形成され得る基
体であり、電子部品を接合する必要があるいずれの基体
も用いることができる。例えば、紙フェノール系基板、
ガラスエポキシ系基板、ポリイミド系基板、セラミック
系基板、金属系基板等に配線パターンが形成された回路
基板及び多層積層基板等に本発明を用いることができる
上記のような基体に形成される配線パターンは、特に限
定されないが、例えば銅、金、アルミニウム及びはんだ
材料からなってよく、配線パターンは任意の適切な幅、
例えば100μmの幅を有し得る。
【0041】
【実施例】以下に示すように、本発明の実施例1〜5な
らびに比較例1〜5において種々の樹脂被膜金属粒子を
製造し、この樹脂被膜金属粒子を用いて接合材料を得
て、接合材料からなる接合パターンを基体上に形成して
各材料の印刷特性について評価した。
【0042】(実施例1)容量500mlのビーカーに
おいて、トルエン溶媒250mlに、低分子量ポリスチ
レン樹脂(三洋化成社製、ハイマーSB−130)10
g、高分子量ポリスチレン樹脂(出光石油化学社製、H
F10)6g及び石油樹脂(東ソー社製、ペトコール1
00T)4gを加え、十分に攪拌して溶解した。次に、
万能混合攪拌機(ダルトン社製、5DMV−01−r)
に、金属粒子として、Sn−37Pb組成(37wt%
のPb及び63wt%のSnからなる組成)を有するは
んだ材料からなり、融点が183℃である平均粒径10
μmのはんだ粉末OH63 DS10(三井金属鉱業社
製)約1kgを入れ、さらに、先にトルエン溶媒に各樹
脂を溶解したトルエン溶液の全量を加え、温水で加熱攪
拌しながらトルエン溶媒を減圧除去した。処理後の粉末
を万能混合攪拌機から取出し、ハイブリダイザー(奈良
機械社製)を用いて解砕した。解砕後、目開き53μm
の振動篩にかけ、さらに被覆、解砕時に混入した樹脂破
片を除去するため気流分級処理を施し、樹脂被膜金属粒
子Aを得た。得られた樹脂被膜金属粒子Aは、均一に灰
色を呈しており、電子顕微鏡観察により図1に示される
ような金属粒子が薄い樹脂層で被覆形成されていること
が確認された。その後、樹脂被膜金属粒子AをTGA
(熱天秤)により測定し、加熱により樹脂が全て分解、
気化した後の重量をはんだ重量とし、組成比を求めたと
ころ、はんだ材料と樹脂の比率は、約98:2であっ
た。
【0043】(実施例2)実施例1において、金属粒子
を、Sn−3.5Ag組成(即ち、3.5wt%のAg及
び96.5wt%のSnからなる組成)を有する鉛フリ
ーはんだ材料からなり、融点が222℃である平均粒径
10μmの鉛フリーはんだ粉末OH96.5A DS10
(三井金属鉱業社製)に変えた以外は、実施例1と同様
に行ない樹脂被膜金属粒子Bを得た。
【0044】(実施例3)実施例1において、トルエン
溶媒250mlに加える樹脂種を、低分子量ポリスチレ
ン樹脂(三洋化成社製、ハイマーST−95)6g、高
分子量ポリスチレン樹脂(出光石油化学、HF10)1
0g、石油樹脂(東ソー社製、ペトコール100T)2
g及びロジン樹脂(荒川化学工業社製、KE−604)
2gに変えた以外は、実施例1と同様に行ない樹脂被膜
金属粒子Cを得た。
【0045】(実施例4)実施例1において、トルエン
溶媒250mlに加える樹脂種を、低分子量ポリスチレ
ン樹脂(三洋化成社製、ハイマーSB−130)25
g、高分子量ポリスチレン樹脂(出光石油化学、HF1
0)15g及び石油樹脂(東ソー社製、ペトコール10
0T)10gに変えた以外は、実施例1と同様に行ない
樹脂被膜金属粒子Dを得た。
【0046】(実施例5)実施例1において、トルエン
溶媒250mlに加える樹脂種を、低分子量ポリスチレ
ン樹脂(三洋化成社製、ハイマーSB−130)16g
及びロジン樹脂(荒川化学工業社製、KE−604)4
gに変えた以外は、実施例1と同様に行ない樹脂被膜金
属粒子Eを得た。
【0047】(比較例1)アルゴン置換したオートクレ
ーブに、金属粒子として、実施例1と同じOH63 D
S10(三井金属鉱業社製)250gを入れ減圧乾燥し
た。次に、脱水ヘキサン、ジエチルアルミニウムクロリ
ド(有機アルミニウム化合物)及びチタン含有触媒成分
を添加した後、攪拌、懸濁溶液を調製した。その後、9
0℃まで昇温し、エチレンガス及び分子量を制御するた
めの水素とエチレンガスを導入して、重合してポリエチ
レンで被覆されたはんだ粉子を得た。さらに、ハイブリ
ダイザー(奈良機械社製)を用いて解砕、平滑化処理
後、目開き53μmの振動篩にかけ、さらに被覆、解砕
時に混入した樹脂破片を除去するため気流分級処理を施
し、樹脂被膜金属粒子Fを得た。このときのポリエチレ
ン樹脂のGPCによる重量平均分子量は12万であっ
た。
【0048】(比較例2)実施例1において、トルエン
溶媒及びこのトルエン溶媒に加える樹脂種を、アセトン
溶媒250mlとポリカーボネート樹脂(出光石油化学
社製、タフロンA2200)20gに変えた以外は、実
施例1と同様に行ない樹脂被膜金属粒子Gを得た。
【0049】(比較例3)実施例1において、金属粒子
を、実施例1と同様の組成を有するはんだ材料からなる
が、平均粒径が25μmのはんだ粉末(三井金属鉱業社
製)に変えた以外は、実施例1と同様に行ない樹脂被膜
金属粒子Hを得た。
【0050】(比較例4)実施例1において、トルエン
溶媒250mlに加える樹脂種を、ポリスチレン樹脂
(出光石油化学、US300)20gに変えた以外は、
実施例1と同様に行ない樹脂被膜金属粒子Jを得た。
【0051】(比較例5)実施例1において、トルエン
溶媒250mlに加える樹脂種を、低分子量ポリスチレ
ン樹脂(三洋化成社製、ハイマーSB−130)100
g、高分子量ポリスチレン樹脂(出光石油化学、HF1
0)60g及び石油樹脂(東ソー社製、ペトコール10
0T)40gに変えた以外は、実施例1と同様に行なっ
た。しかし、トルエン溶媒250mlに室温では全ての
樹脂が溶解せず、また万能混合攪拌機で被覆中に内壁や
スクリューに過剰な樹脂が析出し大量の樹脂粉が混入し
てしまった。また、万能混合攪拌機処理後に得られた粒
子の粒径は1mm以上と大きく、粉砕も十分には行なえ
ず樹脂被膜金属粒子を得ることができなかった。
【0052】(評価1)上記の実施例1〜5ならびに比
較例1〜4で得られた樹脂被膜金属粒子A〜Jの樹脂層
に相当する樹脂フィルムを、トルエン溶媒にそれぞれの
樹脂を溶解した後、アルミ板の上にキャストすることで
樹脂フィルムA〜Jを調製した。ただし、樹脂フィルム
Fに関しては、エチレンをホモ重合し、得られた樹脂を
熱プレスして樹脂フィルムFを作製した。この樹脂フィ
ルムA〜Jについて、200℃における溶融粘度及び2
5℃での破断歪みを測定した。溶融粘度は、キャピログ
ラフ又はフローテスターにより測定した。破断歪みは、
5%歪み/minの条件で引張り試験により測定した。
この樹脂フィルムA〜Jの溶融粘度と破断歪みの値が、
樹脂被膜金属粒子A〜Jの樹脂層の溶融粘度と破断歪み
の値に相当する。評価結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】(評価2)上記の実施例1〜5ならびに比
較例1〜4で得られた樹脂被膜金属粒子A〜Jの絶縁性
を測定した。約5cmの電極面積を有し、互いに接続
された一対の電極間に、樹脂被膜金属粒子A〜Jの厚み
が0.5cmとなる粒子層を形成し、電極間に1〜50
0Vの電圧を印加し、そのときに流れる電流値を測定し
た。全ての樹脂被膜金属粒子A〜Jの測定で、電流計の
測定限界である1pA以下であった。
【0055】(評価3)上記の実施例1〜5ならびに比
較例1〜4で得られた樹脂被膜金属粒子A〜Jのそれぞ
れに、外添剤を添加して、電子写真法で用いられるとこ
ろのトナーに相当する接合材料A〜Jを調製した。外添
剤には、表面が疎水化処理された粒径が10nm〜40
nmのシリカ粒子を用いた。外添剤は、樹脂被膜金属粒
子100重量部に対して0.7重量部混合した。接合材
料A〜Jを、さらに、キャリアと混合して現像剤A〜J
を得た。キャリアには、表面をアクリル系樹脂で被覆さ
れた粒径が30〜80μmのフェライト系キャリアを用
いた。キャリアは、接合材料20重量部に対して100
重量部混合した。上記方法で得られた現像剤A〜Jを、
市販のプリンタ(FS600、京セラ社製)に、通常の
現像剤を入れ替えてセットし、紙、PETフィルム及び
銅箔に印刷した。
【0056】印刷結果として、紙、PETフィルム及び
銅箔上への印刷について、画像形成可能性を評価した。
さらに、紙上の印刷について、印刷精度(かぶりの有
無、細線再現性)、画像濃度及び定着安定性を評価し
た。画像形成可能性は、線及びベタ部が欠落等無く印刷
されているかを評価した。評価基準は以下の通りであっ
た。 ○:問題なし、△:一部画像不良、×:画像形成不可能 かぶりは、非印刷領域に接合材料が飛散しているかを評
価するもので、具体的には印刷領域と非印刷領域の濃度
を反射濃度計で測定した。かぶり評価は、白紙測定で
0.04に対して、非印字部測定で以下の様に評価し
た。 ○:0.04〜0.09、△:0.10〜0.15、
×:0.15〜 細線再現性は、光学顕微鏡を用い、100μm幅の線を
印刷した場合の断線の有無、ラインエッジの直線性を評
価した。断線評価は、以下の通りであった。 ○:なし、△:1〜3箇所、×:4箇所以上 直線性評価は、以下の通りであった。 ○:ほぼ直線、△:若干の乱れ、×:大きな乱れ 画像濃度はマクベスによる反射率測定の実測値で評価し
た。定着安定性は、接合材料を印刷した後、150℃の
電気炉(真空乾燥機等)に入れ、数分間加熱した後、つ
めで引っ掻いたときのラインの欠落で評価した。評価基
準は以下の通りであった。 ○:全く剥離なし、△:一部剥離、×:大部分が剥離 評価結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】さらに、現像剤A〜Jについて、銅箔上の
画像の溶融性を確認した。 ○:はんだ粉同士の結合あり、△:部分的にはんだ同士
が結合、 ×:加熱前と変化なし 評価結果を表3に示す。
【0059】
【表3】
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、電子部品と、基板に形
成された配線パターンとを接合するのに適した樹脂被膜
金属粒子、接合材料及びそれらの製造方法を提供でき
る。また、本発明によれば、かかる接合材料を用いて、
基体に接合パターンを形成する接合パターン形成方法及
び装置を提供できる。さらに、本発明によれば、かかる
接合材料を用いて電子部品が基体に接合された電子回路
基板及びその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における樹脂被膜金属粒子
の概略模式図である。
【図2】本発明の一実施形態に用いる接合パターン形成
装置の概略模式図である。
【図3】本発明の一実施形態における電子回路基板の製
造方法の概略模式図である。
【符号の説明】
1 金属粒子 2 樹脂層 10 樹脂被膜金属粒子 20 接合パターン形成装置 27 接合材料 29 基体 40 回路基板(基体) 42 電子部品

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体に形成された配線パターンと電子部
    品とを接合するための接合材料に用いられる、250℃
    以下の融点を有する金属材料から成る平均粒径0.1〜
    20μmの金属粒子と、金属粒子を被覆する200℃に
    おける溶融粘度が500Pa・s以下の樹脂からなる樹
    脂層とを含む樹脂被膜金属粒子。
  2. 【請求項2】 前記樹脂層の25℃での破断歪みが10
    %以下である請求項1記載の樹脂被膜金属粒子。
  3. 【請求項3】 前記金属粒子が90〜99.5重量%
    で、前記樹脂層が10〜0.5重量%含まれる請求項1
    又は2記載の樹脂被膜金属粒子。
  4. 【請求項4】 前記金属粒子が、 Sn−Pb材料ならびにSn−Pb材料にAg元素及び
    Bi元素の少なくとも1種の元素を添加してなる材料を
    含むSn−Pb系材料、 Sn−Ag材料ならびにSn−Ag材料にBi元素、C
    u元素及びIn元素の少なくとも1種の元素を添加して
    なる材料を含むSn−Ag系材料、 Sn−Cu材料ならびにSn−Cu材料にNi元素を添
    加してなる材料を含むSn−Cu系材料、 Sn−Zn材料ならびにSn−Zn材料にBi元素を添
    加してなる材料を含むSn−Zn系材料、 Sn−Bi材料ならびにSn−Bi材料にCu元素及び
    In元素の少なくとも1種の元素を添加してなる材料を
    含むSn−Bi系材料、ならびに Sn−In材料を含むSn−In系材料からなる群から
    選択される材料からなる請求項1〜3のいずれか記載の
    樹脂被膜金属粒子。
  5. 【請求項5】 前記樹脂が、ポリスチレン及び/又は、
    石油樹脂を含む請求項1〜4のいずれか記載の樹脂被膜
    金属粒子。
  6. 【請求項6】 前記樹脂が、ロジン樹脂を含む請求項1
    〜5のいずれか記載の樹脂被膜金属粒子。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか記載の樹脂被膜
    金属粒子を含んでなる、基体に形成された配線パターン
    と電子部品とを接合するための接合材料。
  8. 【請求項8】 さらに外添剤を含む請求項7記載の接合
    材料。
  9. 【請求項9】 250℃以下の融点を有する金属材料か
    ら成る平均粒径0.1〜20μmの金属粒子の表面に、
    200℃における溶融粘度が500Pa・s以下の樹脂
    からなる樹脂層を、浸漬法あるいはスプレードライ法に
    より被覆する請求項1〜6のいずれか記載の樹脂被膜金
    属粒子の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項7又は8記載の接合材料を、配
    線パターンが形成された基体上に、電子写真法により印
    刷して、前記接合材料からなる接合パターンを前記基体
    上に形成することを含む接合パターン形成方法。
  11. 【請求項11】 前記基体から位置データを読み取るこ
    とをさらに含み、前記接合パターンが、前記読み取られ
    た位置データに基づき決定される請求項10記載の接合
    パターン形成方法。
  12. 【請求項12】 予め設計データが格納されたデータベ
    ースから設計データを読み出すことをさらに含み、前記
    接合パターンが、前記読み出された設計データに基づい
    て決定される請求項10又は11のいずれか記載の接合
    パターン形成方法。
  13. 【請求項13】 請求項7又は8記載の接合材料を、配
    線パターンが形成された基体上に、電子写真法により印
    刷して、前記接合材料からなる接合パターンを前記基体
    上に形成するための印刷機構を含む接合パターン形成装
    置。
  14. 【請求項14】 前記基体から位置データを読み取る読
    み取り手段をさらに含み、前記印刷機構が、前記読み取
    り手段によって基体から読み取られた位置データに基づ
    き、前記接合材料を前記基体上に印刷する請求項13記
    載の接合パターン形成装置。
  15. 【請求項15】 予め設計データが格納されたデータベ
    ースをさらに含み、前記印刷機構が、前記データベース
    から読み出された設計データに基づいて決定されるパタ
    ーンに従って、前記接合材料を印刷する請求項13又は
    14のいずれか記載の接合パターン形成装置。
  16. 【請求項16】 融合さらに固化された請求項7又は8
    記載の接合材料によって、電子部品が、基体に形成され
    た配線パターンに接合されてなる電子回路基板。
  17. 【請求項17】 請求項7又は8記載の接合材料により
    接合パターンが形成された基体に、電子部品を前記接合
    パターンに接触させて配置し、 前記電子部品が配置された基体を、前記接合材料の樹脂
    被膜金属粒子に含まれる金属材料及び樹脂の融点以上の
    温度に加熱し、 前記金属材料及び樹脂を溶融させて、前記金属材料を互
    いに融合させ、 その後、前記基体を放冷又は冷却して、前記金属材料を
    固化させることにより、前記電子部品を前記基体に接合
    させることを含む電子回路基板の製造方法。
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