JP2003165915A - 水性樹脂組成物 - Google Patents

水性樹脂組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被覆剤として使用した場合に、耐薬品性に優
れ、柔軟性及び屈曲性が良好で、且つ硬度に優れた被膜
を、ブリスタが発生することなく形成することができる
水性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 分子中にカルボキシル基を有する重合体
粒子[X]と感熱ゲル化剤[Y]とカルボキシル基と反
応性を有する架橋剤[Z]とが水性媒体中に分散してな
る水性樹脂組成物であって、該重合体粒子[X]が、少
なくとも、分子中にカルボキシル基を有し、ガラス転移
温度が−50〜−15℃である重合体[A]とガラス転
移温度が30〜150℃である重合体[B]とから構成
されてなることを特徴とする水性樹脂組成物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子中にカルボキ
シル基を有する重合体粒子と感熱ゲル化剤とカルボキシ
ル基に対して反応性を有する架橋剤とが水性媒体中に分
散してなる水性樹脂組成物に関し、耐薬品性に優れ、柔
軟性や屈曲性を有し、且つ硬度の高い被膜を形成する被
覆剤として有用な水性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種エチレン性不飽和単量体を重
合して得られる水性樹脂組成物は、エマルジョンバイン
ダーとして塗料、接着剤、繊維加工等の広範囲の用途に
利用されている。これらのエマルジョンバインダーとし
て使用されるポリマーエマルジョンは、通常、重合体粒
子として存在し、被膜形成時に重合体粒子相互間の融着
による造膜過程を経て被膜化する。このため比較的硬度
を有する被膜を得ようとした場合、重合体粒子自体が硬
質なため、被膜形成時の重合体粒子相互間の融着が十分
ではなく、硬くて脆い被膜しか形成しないという欠点が
生じ、また柔軟性を必要とする用途、特に、屈曲性が要
求される用途においては、被膜に亀裂が入り使用できな
いという欠点が生じる。また、耐薬品性が要求される用
途においては、薬品が被膜の亀裂に滲入して被膜が著し
く劣化するという欠点も有している。
【0003】一方、重合体粒子を軟質なものとして、重
合体粒子相互間の融着を容易にした場合は、得られる被
膜の硬度が不十分なものとなり、使用上問題であった。
【0004】これらの欠点を改良するために、硬質な
重合体粒子に重合体を可塑化させる可塑剤(「造膜助
剤」と云う)を添加して、重合体粒子相互間の融着性を
向上させる方法や、重合体粒子の粒子形態を硬質な重
合体と軟質な重合体とから構成される「多層構造粒子」
とすることにより重合体粒子相互間の融着性を向上させ
る方法などが提案されている。
【0005】しかしながら、方法においては、重合体
粒子相互間の融着性は改善されるが、被膜化の直後には
重合体自体が可塑化されているために硬度を発現し難
く、また、経時的に可塑剤が流出するため、被膜の硬度
が経時的に変化するという欠点を有している。更に、被
膜に可塑剤が存在している間は耐薬品性も低下するとい
う欠点もある。
【0006】また、方法の場合は、例えば、特開平7
−70215号公報において耐水白化性、被膜形成特
性、および柔軟性が要求される用途に適した特性を有す
る多段重合ラテックスが開示されているが、被膜の耐薬
品性や硬度がまだ不十分であり、実用上問題であった。
一方、水性樹脂組成物に架橋剤を添加して、重合体粒子
間を架橋させることにより耐薬品性を向上させる方法
は、例えば、特開平11−256006号公報に開示さ
れているが、この方法で得られる被膜の耐薬品性や柔軟
性、屈曲性は未だ不十分である。
【0007】また、特開平10−110135号公報に
は、コア/シェル構造(即ち、多層構造)を有するカル
ボキシル基含有樹脂を付加重合性オキサゾリンを含む出
発物質から得られる樹脂で架橋させるオーバープリント
ワニス組成物が開示されているが、被膜の耐薬品性が不
十分であり、柔軟性や屈曲性に優れた皮膜を得られな
い。
【0008】これらのエマルジョンは、各種塗工及び含
浸加工に用いられるが、特にカーペットバッキング等の
膜厚の厚い被膜を形成させるコーティング用途において
は、一般的に被膜形成時にブリスタ(被膜のふくれ)が
発生し、加工品の品位や物性を落とすという欠点を有し
ている。
【0009】該ブリスタの発生は、一般的には水系コー
ティング剤を熱風により乾燥させる際に熱風が直接接触
する表面付近の乾燥が先に進行し、その部位が先に被膜
化するために被膜内部に残留する水分が後から蒸発し表
面被膜を内部から膨らませることにより発生するものと
考えられる。
【0010】特に膜厚が厚い場合、乾燥温度が高い場
合、あるいは風量が強い場合に発生しやすくなることが
知られている。該ブリスタを抑制する方法として特公平
5−6593号公報に充填剤を添加する方法、特公平6
−4935号公報にシリコーン油系感熱ゲル化剤を添加
する方法が提案されている。前者の充填剤を添加する方
法では、ブリスタを抑制するには多量の充填剤が必要で
あり、被膜の造膜性が低下し被膜強度等の諸物性が悪化
するという欠点がある。また後者のシリコーン油系感熱
ゲル化剤を添加する方法においてもブリスタの発生を抑
制するにはまだ不十分であった。
【0011】以上のような理由から、耐薬品性、柔軟
性、屈曲性を有し、且つ、硬度に優れる皮膜を、ブリス
タが発生することなく得ることが出来る被覆剤用水性樹
脂組成物の開発が切望されていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、特に被覆剤(即ち、表面コーティング剤)として使
用した場合に、耐薬品性に優れ、柔軟性や屈曲性が良好
で、且つ、硬度に優れた被膜を、ブリスタが発生するこ
となく形成することができる水性樹脂組成物を提供する
ことである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、カルボキ
シル基を含有する特定の重合体粒子と感熱ゲル化剤とカ
ルボキシル基に対して反応性を有する架橋剤とが水性媒
体中に分散する水性樹脂組成物を用いることにより、前
記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0014】すなわち、本発明は、分子中にカルボキシ
ル基を有する重合体粒子[X]と感熱ゲル化剤[Y]と
カルボキシル基と反応性を有する架橋剤[Z]とが水性
媒体中に分散してなる水性樹脂組成物であって、該重合
体粒子[X]が、少なくとも、分子中にカルボキシル基
を有し、ガラス転移温度が−50〜−15℃である重合
体[A]とガラス転移温度が30〜150℃である重合
体[B]とから構成されてなることを特徴とする水性樹
脂組成物を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明をさらに詳細に説明す
る。まず本発明に使用する分子中にカルボキシル基を有
する重合体粒子[X]について説明する。カルボキシル
基を有する重合体粒子[X](以下重合体粒子[X]と
いう)は、少なくとも、分子中にカルボキシル基を有
し、ガラス転移温度が−50〜−15℃である重合体
[A]とガラス転移温度が30〜150℃である重合体
[B]とから構成される。
【0016】分子中にカルボキシル基を有し、ガラス転
移温度が−50〜−15℃である重合体[A](以下重
合体[A]という)としては、特に限定されるものでは
ないが、例えばカルボキシル基を有するアクリル系重合
体、ブタジエン系重合体等のエチレン性不飽和単量体の
ラジカル重合体(以下エチレン性重合体という)、尿素
並びにウレタン結合を有する重合体を含むウレタン重合
体、ポリエステル重合体等が挙げられる。またこれら種
々の重合体の混合物、例えばアクリル重合体/ウレタン
重合体の混合物や、種々の重合体のグラフト化(ブロッ
ク化)物、例えば、不飽和ポリエステル重合体或いはア
ルキッド樹脂にアクリル重合体をグラフト化したもの等
も挙げられる。
【0017】重合体[A]は、上記重合体のうち、酸
価、分子量の調整やカルボキシル基以外の反応性官能基
の導入等を考慮して設計する場合、設計が容易で後記す
る方法により簡単に製造することができるという点か
ら、エチレン性重合体であることが好ましい。
【0018】これらの重合体にカルボキシル基を導入す
るには、分子中にカルボキシル基を有する単量体を使用
することにより、達成される。例えばエチレン性重合体
の場合は、エチレン性不飽和単量体を用い、ラジカル重
合反応させることにより得ることができる。重合体
[A]が有するカルボキシル基は、重合体粒子[X]が
水性媒体中で安定的に分散するように作用すると共に、
後記する架橋剤[Z]との架橋性反応基として作用し、
更に、重合体[B]中の官能基との架橋性反応基として
も作用する。
【0019】本発明に使用する重合体[A]は、カルボ
キシル基の他、更に後述する重合体[B]中の反応性官
能基と反応性を有する基を含有していることが特に好ま
しい。この場合、重合体[A]と重合体[B]とが該反
応性官能基によって相互に結合するので、常温での被膜
の硬度や耐薬品性が向上する。
【0020】重合体[A]に導入し得るカルボキシル基
以外の反応性官能基としては、具体的には、例えば、グ
リシジル基、水酸基、アミノ基、メチロールアミド基、
加水分解性シリル基もしくはシラノール基、アジリジニ
ル基、イソシアナート基、ブロックイソシアナート基、
オキサゾリン基、アミド基、カルボニル基、アセトアセ
チル基、アリル基、シクロペンテニル基等が挙げられ
る。
【0021】重合体[A]は、常温(25℃)での硬度
を保持するという点から、ガラス転移温度(以下Tgと
いう)は−50℃以上であることが必要であり、−40
℃以上であることが好ましい。また重合体[A]は、被
膜の柔軟性や屈曲性の点から、Tgが−15℃以下であ
ることが必要であり、−20℃以下であることが好まし
い。本発明におけるTgの数値は、JIS K7122
(プラスチック転移熱測定方法)に従い示差走査型熱量
計を用いて測定した値に基づくものである。
【0022】Tgが30〜150℃である重合体[B]
(以下重合体[B]という)の重合体の種類としては、
特に制限されないが、上記の重合体[A]として掲げた
重合体を用いることができる。
【0023】重合体[B]は、Tgが高く剛直な物性を
有するため、重合体粒子の被膜の柔軟性や屈曲性を維持
しつつ常温での硬度を向上させるためには、重合体粒子
[X]の内部に存在することが好ましい。
【0024】重合体[B]のTgを30℃以上とする
と、重合体粒子[X]から形成される被膜の硬度に優れ
た被膜が得られる。また、被膜の25℃での柔軟性や屈
曲性を維持するためには、重合体[B]のTgが150
℃以下であることが必要である。
【0025】本発明に使用する重合体[B]は、重合体
[A]のカルボキシル基やその他の反応性官能基と反応
性を有する基を含有していると、重合体[A]と重合体
[B]とが該反応性基により結合し、被膜の硬度や耐薬
品性が向上するため好ましい。特に、被膜の耐薬品性を
向上させるという点から、重合体[B]にカルボキシル
基と反応性を有する官能基を含有することが好ましい。
【0026】カルボキシル基と反応性を有する官能基と
しては、例えば、グリシジル基、メチロールアミド基、
アジリジニル基、イソシアナート基、ブロックイソシア
ナート基、オキサゾリン基等が挙げられるが、特に、被
膜の耐薬品性の点からグリシジル基が好ましい。
【0027】また、重合体[B]には、重合体[A]の
カルボキシル基とは反応性を持たない反応性官能基(以
下、カルボキシル基と非反応性の官能基という)を導入
してもよい。カルボキシル基と非反応性の官能基として
は、具体的には、例えば、水酸基、アミノ基、アミド
基、カルボニル基、加水分解性シリル基もしくはシラノ
ール基、アセトアセチル基、アリル基、シクロペンテニ
ル基等が挙げられる。
【0028】本発明に使用する重合体粒子[X]は、少
なくとも、重合体[A]および重合体[B]から構成さ
れているが、重合体[A]、重合体[B]以外の重合体
を含むこともできる。また重合体粒子[X]の構造は特
に限定されない。
【0029】重合体粒子[X]の構造としては、例えば
重合体[A]をマトリックスとして重合体[B]が該マ
トリックスの重合体[A]内に1つの塊状となって、或
いは多数に分散して存在するものである。更に、具体的
には、重合体[B]をコア、重合体[A]をシェルとす
る「コア−シェル構造」、或いは、重合体[B]が重合
体[A]中に多数に分散し、重合体[A]が重合体
[B]を完全に或いは不完全にカプセル化している構
造、或いは、重合体[A]と重合体[B]が多数の不連
続なドメインを形成する相互貫入網目構造などの不均質
な構造、或いは、重合体[A]が水性媒体中に溶解ない
しは非粒子状態で分散しており、重合体[B]が重合体
[A]をマトリックスとして粒子状に分散している構造
等が挙げられる。
【0030】これらの構造において、上記のとおり、被
膜の柔軟性や屈曲性の点で、重合体[B]が重合体
[A]の内部に存在し、重合体[A]が重合体[X]の
最外殻部に存在する粒子形態が好ましい。
【0031】さらに、上記の構造のうち、重合体[A]
と重合体[B]がそれぞれ同芯状に層構造を有する、い
わゆる「コア−シェル構造」、あるいは、重合体[B]
が重合体[A]中に多数に分散し、重合体[A]が重合
体[B]をカプセル化し、かつ重合体[A]が粒子の最
外殻部に存在する構造が、低温特性に優れ、且つ、常温
での硬度にも優れるためより好ましい。
【0032】この形態学的な粒子構造は、当該分野で知
られている種々の方法で観察することができるが、染色
法を用いた走査透過型電子顕微鏡による観察が、各重合
体間の違いを強調するために適している。また、クライ
オミクロトームを用いて作成した粒子の断面を、原子間
力顕微鏡(AFM)を用いて観察する方法においても、
粒子構造を確認することができる。
【0033】上述した重合体[A]中の反応性官能基と
重合体[B]中の反応性官能基は、水性樹脂組成物の製
造時に反応して重合体粒子[X]内で架橋していてもよ
いが、被膜の造膜性や硬度の点から、造膜前の重合体粒
子においては未架橋のまま残存していることが好まし
い。その後被膜を形成する時、或いは被膜を形成した後
に反応性官能基を反応させ、架橋被膜を形成させる方
が、被膜の諸物性を著しく向上させることができる。こ
の様な重合体[A]および重合体[B]に存在する反応
性官能基との組み合わせとしては、例えば、以下に挙げ
る組み合わせがそれら相互の反応性に優れる点から好ま
しい。
【0034】即ち、重合体[A]中のカルボキシル基
と、重合体[B]中のグリシジル基、メチロールアミド
基、アジリジニル基、イソシアナート基、ブロックイソ
シアナート基、オキサゾリン基との組み合わせ;重合体
[A]中のグリシジル基と、重合体[B]中のアミノ
基、メチロールアミド基、アセトアセチル基、加水分解
性シリル基もしくはシラノール基との組み合わせ;重合
体[A]中の水酸基と、重合体[B]中のメチロールア
ミド基、イソシアナート基、ブロックイソシアナート
基、加水分解性シリル基もしくはシラノール基との組み
合わせ;
【0035】重合体[A]中のアミノ基と、重合体
[B]中のグリシジル基、アセトアセチル基との組み合
わせ;重合体[A]中のメチロールアミド基と、重合体
[B]中のメチロールアミド基、水酸基、グリシジル
基、イソシアナート基、ブロックイソシアナート基、ア
ミド基、アセトアセチル基、加水分解性シリル基もしく
はシラノール基との組み合わせ;重合体[A]中の加水
分解性シリル基もしくはシラノール基と、重合体[B]
中の水酸基、メチロールアミド基、グリシジル基、加水
分解性シリル基もしくはシラノール基との組み合わせ;
【0036】重合体[A]中のイソシアナート基と、重
合体[B]中の水酸基、メチロールアミド基、グリシジ
ル基、アセトアセチル基との組み合わせ;重合体[A]
中のアミド基と、重合体[B]中のメチロールアミド
基、アセトアセチル基との組み合わせ;重合体[A]中
のアセトアセチル基と、重合体[B]中のアミノ基、メ
チロールアミド基、グリシジル基、イソシアナート基と
の組み合わせ;重合体[A]中のシクロペンテニル基
と、重合体[B]中のシクロペンテニル基との組み合わ
せ;重合体[A]中のアリル基と、重合体[B]中のア
リル基との組み合わせ;或いは更に、これら2種以上の
組み合わせ等が使用できる。
【0037】上記の組み合わせの中でも、重合体[A]
中のカルボキシル基と、重合体[B]中のグリシジル
基、メチロールアミド基、アジリジニル基、イソシアナ
ート基、ブロックイソシアナート基、オキサゾリン基と
の組み合わせ、及び、重合体[A]中の加水分解性シリ
ル基もしくはシラノール基と、重合体[B]中の水酸
基、メチロールアミド基、グリシジル基、加水分解性シ
リル基もしくはシラノール基との組み合わせが、得られ
る被膜の常温での硬度や耐水性等の諸物性が著しく向上
するため好ましい。
【0038】本発明の水性樹脂組成物を構成する重合体
粒子[X]の平均粒子径(50%メジアン径)は、25
0〜1500nmであることが、被膜形成時の乾燥性に
優れることから好ましい。
【0039】また、水性樹脂組成物の固形分は55重量
%以上であることが、被膜形成時の乾燥性に優れること
から好ましい。
【0040】次ぎに本発明の水性樹脂組成物に使用する
感熱ゲル化剤[Y]としては、ポリエーテル変性シリコ
ーン、アルキルフェノール−ホルマリン縮合物のアルキ
レンオキサイド付加物、亜鉛アンモニウム塩、ノニオン
系界面活性剤、無機金属塩、ポリプロピレングリコー
ル、ポリビニルメチルエーテル等が挙げられる。これら
のうち、耐水性の点でポリエーテル変性シリコーン、ア
ルキルフェノール−ホルマリン縮合物のアルキレンオキ
サイド付加物、ノニオン系界面活性剤、ポリビニルメチ
ルエーテルが好ましく、さらにブリスタ抑制効果の点で
ポリエーテル変性シリコーンが好ましい。またポリエー
テル変性シリコーンの1重量%水溶液の曇点は、ブリス
タ抑制効果の点で30〜55℃であることが好ましい。
【0041】ここで、感熱ゲル化剤[Y]の曇点とは、
透明なポリエーテル変性シリコーンの1重量%水溶液を
室温より徐々に加熱していき、目視観察により該水溶液
に濁りを生ずる温度をいい、本発明における曇点は、後
記の実施例に示す方法で測定した数値に基づくものであ
る。
【0042】ポリエーテル変性シリコーンは、さらに具
体的には、構造式[1]又は構造式[2]で表される。
構造式[1]及び構造式[2]の中でポリオキシアルキ
レングリコール単位としては、エチレンオキサイド及び
エチレンオキサイド以外のアルキレンオキサイド等が挙
げられる。
【0043】
【化1】
【化2】
【0044】上記構造式[1]及び[2]中、R1は任
意のアルキル基、R2は任意のアルキレン基、R3、R4
は何れか一方がエチレン残基で、他方が炭素原子数が3
〜8のアルキレン残基であり、R5はアルキル基、アセ
チル基もしくは水素を示し、a及びbは各々1以上の整
数を示し、m及びnは各々任意の整数を示す。
【0045】これらの感熱ゲル化剤[Y]の量は、特に
制限されるものではないが、重合体水性分散液の長期保
存性の面から、重合体粒子[X]100重量部に対し
て、通常、0.05〜30重量部の範囲で使用すること
が好ましい。
【0046】重合体粒子[X]のカルボキシル基と反応
性を有する架橋剤[Z](以下架橋剤[Z]という)と
しては、カルボキシル基と反応性を有する架橋剤であれ
ば、特に制限を受けるものではない。架橋剤[Z]の態
様は、水溶性、或いは水希釈性または水分散性等が挙げ
られる。
【0047】架橋剤[Z]としては、具体的には、例え
ば、多官能性メラミン化合物、多官能性ポリエチレンイ
ミン化合物、多官能性(ブロック)イソシアネート化合
物、多官能性アジリジン化合物、多官能性グリシジル化
合物、多官能性カルボジイミド化合物、多官能性オキサ
ゾリン化合物等が挙げられる。
【0048】これらの中でも特に、架橋剤[Z]が、多
官能性グリシジル化合物、多官能性カルボジイミド化合
物又は多官能性オキサゾリン化合物が、得られる被膜の
架橋密度を向上させることができ、被膜の耐薬品性や硬
度が向上するため好ましい。
【0049】多官能性グリシジル化合物の具体例として
は、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピ
レングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサメチレン
グリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジオ
ールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジル
エーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエー
テル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル
等の脂肪族多価アルコールのグリシジルエーテル類;ポ
リエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロ
ピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメ
チレングリコールジグリシジルエーテル等のポリアルキ
レングリコールのグリシジルエーテル類;多価アルコー
ル[エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、ヘキサメチレングリコール、ビス(ヒ
ドロキシメチル)ベンゼン等]と多価カルボン酸[蓚
酸、アジピン酸、ブタントリカルボン酸、マレイン酸、
フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ベンゼントリ
カルボン酸等]とのポリエステルのポリグリシジル化
物、ポリカプロラクトンのポリグリシジル化物等のポリ
エステルのポリグリシジル化物;多価アミン[エチレン
ジアミン、ジエチレントリアミン、1,4−シクロヘキ
サンジアミン、イソホロンジアミン、トリレンジアミン
等]と多価カルボン酸[蓚酸、アジピン酸、ブタントリ
カルボン酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、ベンゼントリカルボン酸等]とのポリアミ
ドのポリグリシジル化物;ビスフェノールAとエピクロ
ルヒドリンの縮合物、ビスフェノールAとエピクロルヒ
ドリンの縮合物のエチレンオキシド付加物、ビスフェノ
ールAとエピクロルヒドリンの縮合物のプロピレンオキ
シド付加物等のビスフェノールA系エポキシ樹脂;フェ
ノールノボラック樹脂、フェノールノボラック樹脂のエ
チレンオキシド付加物、フェノールノボラック樹脂のプ
ロピレンオキシド付加物等のフェノールノボラック系エ
ポキシ樹脂;エポキシ樹脂をウレタン変性したエポキシ
ウレタン樹脂;側鎖にエポキシ基を有する各種ビニル系
(共)重合体;グリシジル変性シリコーンオイル;γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシジ
ル基含有アルコキシシランの部分加水分解物;グリシジ
ル基含有アクリル樹脂等の1分子中にグリシジル基を2
個以上有する化合物が挙げられる。この様なグリシジル
基含有化合物の中でも、エチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエー
テル類、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、
ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、グ
リセロールポリグリシジルエーテル類、ジグリセロルポ
リグリシジルエーテル類、ポリグリセロールポリグリシ
ジルエーテル類、ソルビトールポリグリシジルエーテル
類等の水溶性グリシジル基含有化合物、または、「デナ
コールEM−125」[ナガセ化成工業(株)製]、
「ディックファインEM−100」[大日本インキ化学
工業(株)製]、「アデカレジンEPE−0410、E
PES−0425W」[旭電化工業(株)製]等の自己
分散性のグリシジル基含有化合物をエマルジョン化した
もの、或いは水不溶性のグリシジル基含有化合物(液
状、固型状)を乳化剤でエマルジョン化したものが、重
合体粒子[X]との相溶性や硬化性の点から好ましい。
【0050】また、多官能性グリシジル化合物として
は、1分子中にグリシジル基と、グリシジル基以外の反
応性官能基(ここで反応性官能基とは、重合体粒子
[X]中の反応基と反応し得る反応性官能基、もしくは
該反応基同士で反応し得る反応性官能基をいう)を有し
ていることが好ましく、この様な化合物としては、具体
的には、1分子中にグリシジル基と、加水分解性シリル
基もしくはシラノール基を含有するグリシジル基含有シ
ラン化合物が挙げられる。
【0051】このグリシジル基含有シラン化合物を用い
た場合、被膜の耐水性や耐薬品性等の諸物性、特に耐薬
品性が著しく向上し、更に、架橋性が良好であり、例え
ば常温乾燥のみで所望とする性能の架橋被膜が得られる
ため好ましい。
【0052】グリシジル基含有シラン化合物としては、
これらの両種の反応性基を併有するエチレン性重合体
や、グリシジル基を有するシランカップリング剤、ある
いはグリシジル基を有するシリコーン樹脂などが特に代
表的なものとして挙げられる。
【0053】ここにおいて、かかる加水分解性シリル基
とは、たとえば、アルコキシ基、置換アルコキシ基、フ
ェノキシ基、ハロゲン原子、イソプロペニルオキシ基、
アシロキシ基またはイミノオキシなどが結合した珪素原
子を含む原子団であって、容易に加水分解されて、シラ
ノール基を生成するものを指称するが、それらのうちで
も特に代表的なものとして、例えば、アルコキシシリル
基、フェノキシシリル基、ハロシリル基、イソプロペニ
ルオキシシリル基、アシロキシシリル基またはイミノオ
キシシリル基などが挙げられる。
【0054】上記したグリシジル基と加水分解性シリル
基もしくはシラノール基を併有するエチレン性重合体を
調製するには、公知の各種の方法がいずれも適用でき
る。これらのうち、推奨し得る方法としては、各種の
加水分解性シリル基含有重合性単量体類と、各種のグリ
シジル基含有重合性単量体類とをラジカル共重合する方
法、上記の如く、加水分解性シリル基含有重合性単量
体類と、各種のグリシジル基含有重合性単量体類と、こ
れらと共重合可能なるその他の重合性単量体とをラジカ
ル共重合する方法、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランま
たはγ−メルカプトプロピルトリイソプロペニルオキシ
シランの如き、加水分解性シリル基を含有する各種の連
鎖移動剤の存在下に、前述した各種のグリシジル基含有
重合性単量体類を必須の単量体成分とする単量体混合物
をラジカル(共)重合せしめるか、あるいは、上記
もしくはの方法と上記の方法を組み合わせた方法等
の種々の方法が挙げられる。
【0055】また、上記したグリシジル基含有シランカ
ップリング剤として、特に代表的なものとしては、例え
ば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4
−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルメチルジエトキシシランもしくはγ−グリ
シドキシプロピルトリイソプロぺニルオキシシランの如
き、各種のグリシジル基含有シラン化合物;γ−イソシ
アネ−トプロピルトリイソプロぺニルオキシシランもし
くはγ−イソシアネ−トプロピルトリメトキシシランの
如き、各種のイソシアネートシラン化合物と、グリシド
−ルとの付加物;またはγ−アミノプロピルトリメトキ
シシランの如き、各種のアミノシラン化合物と、ジグリ
シジル化合物との付加物;あるいは、上掲の如き各種の
グリシジル基含有シラン化合物を部分加水分解縮合せし
めて得られる、一分子中に2個以上のグリシジル基と加
水分解性シリル基とを併有する化合物等が挙げられる。
【0056】更に、架橋剤[Z]として、多官能性グリ
シジル化合物を使用する場合は、硬化触媒を併用するこ
とが、被膜の架橋性をより一層向上することができる点
から好ましい。
【0057】斯かる硬化触媒として特に代表的なものと
しては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水
酸カリウム、ナトリウム・メチラート等の各種の塩基性
化合物類;テトライソプロピルチタネート、テトラ−n
−ブチルチタネート、オクチル酸錫、オクチル酸鉛、オ
クチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸カルシ
ウム、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ジ−n−
ブチル錫ジアセテート、ジ−n−ブチル錫ジオクトエー
ト、ジ−n−ブチル錫ジラウレート、ジ−n−ブチル錫
マレエート等の各種の含金属化合物類;p−トルエンス
ルホン酸、トリクロル酢酸、燐酸、モノアルキル燐酸、
ジアルキル燐酸、モノアルキル亜燐酸、ジアルキル亜燐
酸等の各種の酸性化合物などが挙げられる。
【0058】次に、架橋剤[Z]として、多官能性カル
ボジイミド化合物としては、2個以上のカルボジイミド
基を含有する化合物であり、例えば、有機ジイソシアネ
ートの脱二酸化炭素を伴う縮合反応によりイソシアネー
ト末端多価カルボジイミドを合成することにより製造で
きる。
【0059】2個以上のカルボジイミド基を含有する化
合物を合成する際の原料である有機ジイソシアネートと
しては、脂肪族、脂環式或いは芳香族のジイソシアネー
トを、単独或いは二種以上の混合物として使用すること
ができる。具体的には、1,5−ナフチレンジイソシア
ネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、
4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−
ジフェニルメチルメタンジイソシアネート、1,4−ト
リレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシア
ネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,
4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシ
アネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等
が挙げられる。
【0060】上記した有機イソシアネートとともにモノ
イソシアネート等の末端イソシアネート基と反応する化
合物を用いて、分子を適当な重合度に制御することもで
きる。
【0061】上記した有機ジイソシアネートの脱二酸化
炭素を伴う縮合反応は、カルボジイミド化触媒の存在下
に進行する。このカルボジイミド化触媒としては、例え
ば、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3
−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル
−2−ホスホレン−1−オキシドや、これらの3−ホス
ホレン異性体等のホスホレンオキシド等を使用すること
ができる。
【0062】また、多官能性カルボジイミド化合物は、
水溶性、或いは水希釈性または水分散性であることが、
重合体粒子[X]との相溶性の点から好ましい。
【0063】この場合、適当な乳化剤や分散安定剤を用
いて水に分散させたり、或いは多官能性カルボジイミド
化合物の分子構造内に親水性のセグメントを付加するこ
とにより自己乳化或いは水溶液の形態にすることができ
る。
【0064】上記親水性セグメントとしては、ジアルキ
ルアミノアルコールの四級アンミニウム塩(例えば2−
ジメチルアミノエタノールの四級塩等)、ジアルキルア
ミノアルキルアミンの四級塩(例えば3−ジメチルアミ
ノ−n−プロピルアミンの四級塩等)、反応性ヒドロキ
シル基を少なくとも1個以上有するアルキルスルホン酸
塩(例えばヒドロキシプロパンスルホン酸塩等)、アル
コキシ基で末端封鎖されたポリエチレンオキサイドまた
はポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイド
との混合物(例えばメトキシ基またはエトキシ基で末端
封鎖されたポリエチレンオキサイド等)等が挙げられ
る。
【0065】多官能性カルボジイミド化合物としては、
製品として、例えば、カルボジライトV−01、V−0
2、V−03、V−04、V−05、V−06[日清紡
(株)製]、UCARLINK XL−29SE、XL
−29MP[ユニオンカーバイド(株)製]を挙げるこ
とができる。
【0066】次に、多官能性オキサゾリン化合物として
は、2個以上のオキサゾリン基を含有する化合物であ
り、2個以上のオキサゾリン基を含有する低分子量化合
物であっても、オキサゾリン基含有重合体であってもよ
いが、一分子内に少なくとも2個以上のオキサゾリン基
を含有するオキサゾリン基含有重合体であることが、被
膜の耐薬品性等の点から、より好ましい。
【0067】上記多官能性オキサゾリン化合物の低分子
量化合物としては、例えば、2,2’−ビス−(2−オ
キサゾリン)、2,2’−メチレン−ビス−(2−オキ
サゾリン)、2,2’−エチレン−ビス−(2−オキサ
ゾリン)、2,2’−トリメチレン−ビス−(2−オキ
サゾリン)、2,2’−テトラメチレン−ビス−(2−
オキサゾリン)、2,2’−ヘキサメチレン−ビス−
(2−オキサゾリン)、2,2’−オクタメチレン−ビ
ス−(2−オキサゾリン)、2,2’−エチレン−ビス
−(4,4’−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,
2’−p−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリン)、
2,2’−m−フェニレン−ビス−(2−オキサゾリ
ン)、2,2’−m−フェニレン−ビス−(4,4’−
ジメチル−2−オキサゾリン)、ビス−(2−オキサゾ
リニルシクロヘキサン)スルフィド、ビス−(2−オキ
サゾリニルノルボルナン)スルフィド等を挙げることが
できる。
【0068】多官能性オキサゾリン化合物の重合体とし
ては、下記一般式[1](一般式[1]中、R1、R2
3、R4はそれぞれ独立に水素、ハロゲン原子、アルキ
ル基、アラルキル基、アリール基または置換アリール基
であり、R5は付加重合性不飽和結合を有する非環状有
機基である)で表される付加重合性オキサゾリンと、共
重合可能な単量体を含むモノマー成分を重合したオキサ
ゾリン基含有重合体が挙げられる。
【化3】
【0069】上記付加重合性オキサゾリンとしては、例
えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4
−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル
−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサ
ゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサ
ゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサ
ゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサ
ゾリン等を挙げることができ、これらの中から選ばれる
1種または2種以上の混合物を使用することができる。
これらのうち、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン
が、工業的に入手し易いため、好ましい。
【0070】付加重合性オキサゾリンの使用量は、特に
制限を受けるものではないが、単量体成分中の5重量%
以上含有することが好ましく、更に好ましくは、30〜
60重量%の範囲である。
【0071】付加重合性オキサゾリンの使用量がかかる
範囲であれば、得られる被膜に優れた耐薬品性、耐水性
などを付与することができる。
【0072】付加重合性オキサゾリンの使用量が5重量
%未満では、重合体粒子[X]のカルボキシル基との架
橋反応の程度が不十分となり、得られる被膜の耐薬品性
等が低下してしまう。
【0073】付加重合性オキサゾリンの使用量が60重
量%を越えた場合は、多官能性オキサゾリン化合物自体
の親水性が強くなり、得られる被膜の耐水性が低下して
しまう。
【0074】更に、本発明に使用できる付加重合性オキ
サゾリンと共重合可能な単量体としては、例えば、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メ
タ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘキシル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メ
タ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ス
テアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)
アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレー
ト、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコ
ール、(メタ)アクリル酸とポリエチレングリコールと
のモノエステル化合物等の(メタ)アクリル酸エステル
類;2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレ
ート、2,2,3,3−ペンタフルオロプロピル(メ
タ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、2,2,3,3,−テトラフルオロ
プロピル(メタ)アクリレート、β−(パーフルオロオ
クチル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素含有エ
チレン性不飽和単量体;(メタ)アクリルアミド、N−
メチロール(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロ
キシエチル)(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド
類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルブチラー
ト、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;メチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビ
ニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アミルビニルエ
ーテル、ヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル
類;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有エチ
レン性不飽和単量体;スチレン、α−メチルスチレン、
ビニルトルエン、ビニルアニソール、α−ハロスチレ
ン、ビニルナフタリン、ジビニルスチレン等の芳香族環
を有するビニル化合物;イソプレン、クロロプレン、ブ
タジエン、エチレン、テトラフルオロエチレン、フッ化
ビニリデン、N−ビニルピロリドン等が挙げられ、これ
らの1種または2種以上の混合物を使用することができ
る。
【0075】また、多官能性オキサゾリン化合物は、水
溶性、或いは水希釈性または水分散性であることが、重
合体粒子[X]との相溶性の点から好ましい。
【0076】上記の多官能性オキサゾリン化合物のう
ち、特に、多官能性オキサゾリン化合物の重合体が、被
膜の架橋密度を向上することができ、耐薬品性に優れる
ため、好ましい。
【0077】多官能性オキサゾリン化合物の重合体は、
上記単量体成分を、従来公知の溶液重合法や乳化重合法
等の方法で製造することができる。
【0078】多官能性オキサゾリン化合物の重合体とし
ては、例えば、市販品としてはエポクロスK−1010
E、K−1020E、K−1030E、K−2010
E、K−2020E、K−2030E[(株)日本触媒
製:エマルジョンタイプ]、エポクロスWS−500、
WS−700[(株)日本触媒製:水溶性タイプ]を使用
することができる。
【0079】特に、多官能性オキサゾリン化合物とし
て、水溶性のエポクロスWS−500、WS−700を
使用することが、前述の如く被膜の架橋密度を向上する
ことができ、耐薬品性に優れるため、好ましい。
【0080】上記の架橋剤[Z]の中でも、特に、多官
能性オキサゾリン化合物を使用することが、本発明によ
り得られる被膜の耐薬品性が特に優れるため、好まし
い。
【0081】これらの架橋剤[Z]の量は、特に制限さ
れるものではないが、重合体水性分散液の架橋性、架橋
被膜の性能と、重合体水性分散液の貯蔵安定性の面か
ら、重合体粒子[X]中に含まれるカルボキシル基1モ
ルに対して、通常、0.1〜2.0モルの範囲で使用す
ることが好ましい。
【0082】本発明の水性樹脂組成物は、それ自体、常
温もしくは加熱乾燥により、耐薬品性に優れ、柔軟性や
屈曲性に優れ、且つ硬度に優れた被膜を形成するもので
あるが、本発明の奏する効果を損なわない範囲におい
て、架橋剤[Z]以外の架橋剤を使用することができ
る。この架橋剤としては、例えば、多官能性ポリアミン
化合物、多官能性ポリエチレンイミン化合物金属塩化合
物等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物
として使用することができる。
【0083】次ぎに本発明の水性樹脂組成物の製造方法
について説明する。すなわち、製造方法としては、例え
ば(1)重合体[A]と重合体[B]とを別々に製造
し、これらを一旦混合した後に水性媒体中に分散させて
重合体粒子[X]の水性分散液を得、その後、感熱ゲル
化剤(Y)及び架橋剤[Z]を添加する方法、(2)重
合体[A]を製造し、これを水性媒体中に溶解、或いは
分散させた後、該水性媒体中で重合体[B]を製造して
重合体粒子[X]の水性分散液を得、その後、感熱ゲル
化剤(Y)及び架橋剤[Z]を添加する方法、(3)重
合体[B]を製造し、これを水性媒体中に溶解、或いは
分散させた後、該水性媒体中で重合体[A]を製造して
重合体粒子[X]の水性分散液を得、その後、感熱ゲル
化剤(Y)及び架橋剤[Z]を添加する方法、などが挙
げられる。
【0084】本発明の水性樹脂組成物の製造方法は、こ
れらの製造方法の中で、上記方法(2)が、重合体
(B)が重合体(A)に取り込まれ易くなり、1つの粒
子中に重合体(A)と重合体(B)を含有する粒子構造
となり易く、且つ、粒子の最外殻部に重合体[A]が存
在し易くなるため、好ましい。
【0085】以下上記方法(2)について説明する。ま
ず重合体[A]の製造方法としては、特に制限されるも
のではないが、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単
量体を必須成分とする単量体成分を、例えば懸濁重合、
乳化重合、塊状重合、溶液重合などの方法により得るこ
とができる。これらのうち、重合体[A]を水性媒体中
に分散させる工程を省略でき、重合体[A]の製造工程
と重合体[B]の製造工程とを連続して行え、製造工程
を簡略化できる点から、水性媒体中で乳化重合を行う方
法が好ましい。
【0086】重合体[A]を水性媒体中で乳化重合によ
り製造する方法としては、水、カルボキシル基含有エチ
レン性不飽和単量体を必須の成分とする重合性単量体混
合物、重合開始剤、(必要に応じて乳化剤及び分散安定
剤)を一括混合して重合する方法や、水、重合性単量
体、乳化剤を予め混合したものを滴下するいわゆるプレ
エマルジョン法や、モノマー滴下法等の方法により製造
することができる。これらの中でも、特に、モノマー滴
下法、またはプレエマルジョン法で製造することが、重
合時の安定性の点から好ましい。
【0087】重合体[A]を乳化重合する場合の必須の
単量体であるカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量
体としては、分子内にカルボキシル基とエチレン性不飽
和基を有するものであれば特に限定されない。例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、β−カルボキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルプロピオ
ン酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸ハーフエステル、マレイン酸ハーフエス
テル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、β−(メタ)
アクリロイルオキシエチルハイドロゲンサクシネート、
β−(メタ)ヒドロキシエチルハイドロゲンフタレート
およびこれらの塩等が挙げられ、これらの1種または2
種以上の混合物を使用することができる。これらの中で
も、特に、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体
として、メタクリル酸を用いると、単量体成分重合時の
安定性に優れるため、好ましい。
【0088】本発明で使用する単量体成分としては、上
記のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体の他、
その他のエチレン性不飽和単量体を併用して重合させる
ことができる。このその他のエチレン性不飽和単量体と
の併用により、重合体のTg(−50〜−15℃)を前
述の好ましい範囲に調整した重合体[A]を得ることが
できる。
【0089】上記の、その他のエチレン性不飽和単量体
としては、エチレン性不飽和単量体と共重合性のあるも
のであれば特に限定されず、例えば、メチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレー
ト、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル
(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、
ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)ア
クリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシ
クロペンタニル(メタ)アクリレート、フェニル(メ
タ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の
(メタ)アクリル酸エステル類;2,2,2−トリフル
オロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−ペ
ンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフル
オロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,
3,3,−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレー
ト、β−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アク
リレート等のフッ素含有エチレン性不飽和単量体;酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルブチラート、バー
サチック酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニル
エーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエー
テル、ブチルビニルエーテル、アミルビニルエーテル、
ヘキシルビニルエーテル等のビニルエーテル類;(メ
タ)アクリロニトリル等のニトリル基含有エチレン性不
飽和単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、ビニルアニソール、α−ハロスチレン、ビニル
ナフタリン、ジビニルスチレン等の芳香族環を有するビ
ニル化合物;イソプレン、クロロプレン、ブタジエン、
エチレン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデ
ン、N−ビニルピロリドン等が挙げられ、これらの1種
または2種以上の混合物を使用することができる。
【0090】所望のTg(−50〜−15℃の範囲)の
重合体[A]を得るためには、アルキル基の炭素原子数
が4〜12の長鎖アルキル基を含有する(メタ)アクリ
ル酸エステル類を使用することが好ましい。
【0091】また、その他のエチレン性不飽和単量体と
して、上述した単量体と共に、カルボキシル基以外の反
応性官能基を有するエチレン性不飽和単量体を併用して
重合することができる。このエチレン性不飽和単量体の
併用は、後述する重合体[B]中の反応性官能基と結合
して、耐薬品性等の諸物性が向上するため、好ましい。
【0092】カルボキシル基以外の反応性官能基を有す
るエチレン性不飽和単量体としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有重
合性単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリ
セロールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有重合
性単量体;アミノエチル(メタ)アクリレート、N−モ
ノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、N,
N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等
のアミノ基含有重合性単量体;N−メチロール(メタ)
アクリルアミド、N−イソプロポキシメチル(メタ)ア
クリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルア
ミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド
等のメチロールアミド基またはそのアルコキシ化物含有
重合性単量体;ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
ス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリイソプロポ
キシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びその
塩酸塩等のシリル基含有重合性単量体;2−アジリジニ
ルエチル(メタ)アクリレート等のアジリジニル基含有
重合性単量体;(メタ)アクリロイルイソシアナート、
(メタ)アクリロイルイソシアナートエチルのフェノー
ル或いはメチルエチルケトオキシム付加物等のイソシア
ナート基及び/またはブロック化イソシアナート基含有
重合性単量体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリ
ン、2−ビニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基
含有重合性単量体;(メタ)アクリルアミド、N−モノ
アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル
(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有重合性単量
体;ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等のシク
ロペンテニル基含有重合性単量体;アリル(メタ)アク
リレート等のアリル基含有重合性単量体;アクロレイ
ン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のカルボニル
基含有重合性単量体;アセトアセトキシエチル(メタ)
アクリレート等のアセトアセチル基含有重合性単量体等
が挙げられる。上述した単量体の1種または2種以上の
混合物として使用することができる。
【0093】上記のカルボキシル基以外の反応性官能基
を有するエチレン性不飽和単量体のうち、後述する重合
体[B]中の反応性官能基との反応性に優れ、被膜の耐
久性および耐水性がより向上する点から、特にグリシジ
ル基含有重合性単量体、水酸基含有重合性単量体、メチ
ロールアミド基含有重合性単量体、シリル基含有重合性
単量体、アセトアセチル基含有重合性単量体を使用する
ことが好ましく、その中でも、シリル基含有重合性単量
体を使用すると、エマルジョン被膜の耐水性等の諸物性
が著しく向上するため、より好ましい。
【0094】カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量
体と、その他のエチレン性不飽和単量体との使用割合
は、前記の如く重合体[A]のTgが−50〜―15℃
となるような割合で、カルボキシル基含有エチレン性不
飽和単量体を使用する必要があり、且つ、後述する重合
体[B]の単量体成分及び該重合体[B]との相溶性を
考慮して、その種類と量を選択することが好ましい。
【0095】重合体[A]を乳化重合により製造する際
の乳化剤としては、陰イオン性乳化剤、非イオン性乳化
剤の公知のものが使用できる。
【0096】また、上記乳化剤以外にその他の分散安定
剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、繊維素エ
ーテル、澱粉、マレイン化ポリブタジエン、マレイン化
アルキッド樹脂、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル
アミド、水性アクリル樹脂、水性ポリエステル樹脂、水
性ポリアミド樹脂、水性ポリウレタン樹脂等の合成或い
は天然の水溶性高分子物質が挙げられ、これらの1種ま
たは2種以上の混合物を使用することができる。
【0097】重合体[A]の重合の際に用いる重合開始
剤としては、ラジカル重合開始剤が用いられ、例えば、
過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウ
ム等の過硫酸塩類、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパー
オキサイド、デカノイルパーオキサイド等のジアシルパ
ーオキサイド類、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ
クミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド
類、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパー
オキシベンゾエート等のパーオキシエステル類、クメン
ハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオ
キサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイ
ドロパーオキサイド類等の有機過酸化物類、過酸化水素
等があり、これら過酸化物のみを用いてラジカル重合す
るか、或いは前記過酸化物と、アスコルビン酸及びその
塩、エリソルビン酸及びその塩、酒石酸及びその塩、ク
エン酸及びその塩、ホルムアルデヒドスルホキシラート
の金属塩、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、
塩化第二鉄等のような還元剤とを併用したレドックス重
合開始剤系によっても重合でき、また、4,4’−アゾ
ビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−
アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ系開始剤を使用す
ることも可能であり、これらの1種又は2種以上の混合
物が使用できる。
【0098】本発明において、重合体[A]の分子量を
調整する必要がある場合は、重合体[A]を合成する際
に分子量調整剤として連鎖移動能を有する化合物を添加
してもよい。分子量調整剤としては、例えば、ラウリル
メルカプタン、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカ
プタン、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸
オクチル、3−メルカプトプロピオン酸、チオグリセリ
ン等のメルカプタン類、またはα−メチルスチレン・ダ
イマー等を挙げることができる。
【0099】重合体[A]のカルボキシル基は、必要に
応じて塩基性物質により中和することができる。中和剤
として使用する塩基性物質としては、通常のものが使用
でき、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の
アルカリ金属化合物;水酸化カルシウム、炭酸カルシウ
ム等のアルカリ土類金属化合物;アンモニア;モノメチ
ルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエ
チルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ
プロピルアミン、ジメチルプロピルアミン、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等の水溶
性有機アミン類等が挙げられ、これらの1種または2種
以上の混合物を使用することができる。特に、得られる
被膜の耐水性をより向上させたい場合は、常温或いは加
熱により飛散するアンモニアを使用することが好まし
い。
【0100】次ぎに上記で得られる重合体[A]の水性
分散体に、重合体[B]を製造するための単量体成分を
添加し、乳化重合を行うことにより、重合体[X]を製
造することができる。重合体[B]を製造するための単
量体成分としては、重合体[B]のTgが30〜150
℃となるエチレン性不飽和単量体であれば特に制限され
ず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、
i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレー
ト、ノニル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)ア
クリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボ
ルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メ
タ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベ
ンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エ
ステル類;2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)ア
クリレート、2,2,3,3−ペンタフルオロプロピル
(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル
(メタ)アクリレート、2,2,3,3,−テトラフル
オロプロピル(メタ)アクリレート、β−(パーフルオ
ロオクチル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素含
有エチレン性不飽和単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、ビニルブチラート、バーサチック酸ビニル等の
ビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニ
ルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエ
ーテル、アミルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテ
ル等のビニルエーテル類;(メタ)アクリロニトリル等
のニトリル基含有エチレン性不飽和単量体;スチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルアニソー
ル、α−ハロスチレン、ビニルナフタリン、ジビニルス
チレン等の芳香族環を有するビニル化合物;イソプレ
ン、クロロプレン、ブタジエン、エチレン、テトラフル
オロエチレン、フッ化ビニリデン、N−ビニルピロリド
ン等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物
を使用することができる。これらのなかでも特に重合が
容易であり、重合体のTgの調整が容易である点から
(メタ)アクリル酸エステル類が好ましい。
【0101】更に具体的に、所望のTg(30〜150
℃)の重合体[B]を得るためには、単量体の単独重合
時に得られる重合体のTgが、30℃以上のエチレン性
不飽和単量体を使用することが必須であり、例えば、メ
チルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−
ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、ジシクロペンタニルメタクリレート、イソボルニル
メタクリレート等のメタクリル酸エステル類、シクロヘ
キシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレー
ト、イソボルニルアクリレート等のアクリル酸エステル
類、スチレン、α−メチルスチレン等が挙げられ、これ
らの1種または2種以上を混合して使用することができ
る。
【0102】また、上記の単量体の単独重合時に得られ
る重合体のTgが30℃以上の前記単量体と、アルキル
基の炭素原子数が1〜3のアルキル基を有するアクリル
酸アルキルエステル類、または炭素原子数が4〜12の
長鎖アルキル基を含有する(メタ)アクリル酸エステル
類を併用して、重合体[B]のTgを30℃〜150℃
に調整することもできる。
【0103】また、本発明においては、重合体[B]を
製造するための単量体中に、上述した単量体と共に、重
合体[A]中の反応性官能基と反応性を有する官能基を
含有するエチレン性不飽和単量体を併用して重合するこ
とにより、得られる重合体[B]が、重合体[A]と結
合し、耐水性等の諸物性が向上するため、好ましい。
【0104】上述のような重合体[A]中の反応性官能
基と反応性を有する官能基を含有するエチレン性不飽和
単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有
重合性単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グ
リセロールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基含有重
合性単量体;アミノエチル(メタ)アクリレート、N−
モノアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、
N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレー
ト等のアミノ基含有重合性単量体;N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、N−イソプロポキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アク
リルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリル
アミド等のメチロールアミド基またはそのアルコキシ化
物含有重合性単量体;ビニルトリクロロシラン、ビニル
トリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニ
ルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキ
シシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリイソ
プロポキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及
びその塩酸塩等のシリル基含有重合性単量体;2−アジ
リジニルエチル(メタ)アクリレート等のアジリジニル
基含有重合性単量体;(メタ)アクリロイルイソシアナ
ート、(メタ)アクリロイルイソシアナートエチルのフ
ェノール或いはメチルエチルケトオキシム付加物等のイ
ソシアナート基及び/またはブロック化イソシアナート
基含有重合性単量体;2−イソプロペニル−2−オキサ
ゾリン、2−ビニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリ
ン基含有重合性単量体;(メタ)アクリルアミド、N−
モノアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアル
キル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有重合性単
量体;ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等のシ
クロペンテニル基含有重合性単量体;アリルメタクリレ
ート等のアリル基含有重合性単量体;アクロレイン、ジ
アセトン(メタ)アクリルアミド等のカルボニル基含有
重合性単量体;アセトアセトキシエチル(メタ)アクリ
レート等のアセトアセチル基含有重合性単量体等が挙げ
られ、これら単量体の1種または2種以上の混合物とし
て使用することができる。
【0105】これらの中でも特に、重合体[A]中の反
応性官能基と反応性を有する官能基を含有するエチレン
性不飽和単量体として、カルボキシル基と反応性を有す
る官能基を含有するエチレン性不飽和単量体を使用する
と、得られる重合体[B]が重合体[A]に親水性を付
与しているカルボキシル基と反応して架橋構造を形成す
ることにより、被膜の耐水性が著しく向上するため、好
ましい。
【0106】更に、必要に応じてその他のエチレン性不
飽和単量体として、エチレン性不飽和基を2つ以上持つ
多官能性エチレン性不飽和単量体を併用することも可能
である。
【0107】本発明における重合体[B]を製造する際
に用いる重合開始剤としては、上記重合体[A]を製造
するとき使用するラジカル重合開始剤を用いることがで
きる。また重合体[B]の分子量を調整する必要がある
場合は、重合体[A]を製造する際使用した分子量調整
剤を用いることができる。以上のようにして本発明に使
用する重合体粒子[X]が得られる。
【0108】本発明の水性樹脂組成物は、上記重合体粒
子[X]に、感熱ゲル化剤[Y]及び架橋剤[Z]を添
加することにより得ることができる。
【0109】本発明の水性樹脂組成物は、被膜形成時の
ブリスタの発生を防止するという点で、さらに無機充填
剤[W]を併用することが好ましい。この無機充填剤
[W]としては、特に限定されるものでないが、例え
ば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウ
ム、水酸化アルミニウム、タルク、珪藻土、マイカ、カ
オリン、酸化チタン、アルミナ、シリカ、ケイ酸カルシ
ウム、カーボンブラック、アタパルジャイト、シラスバ
ルーン、パーライト等が挙げられ、これらは単独又は2
種以上を混合使用してもよい。
【0110】本発明において、上記の無機充填剤[W]
の含有量は、重合体粒子[X]100重量部に対して5
〜50重量部の範囲であることが好ましい。無機充填剤
[W]の含有量がかかる範囲であれば被膜の強度に優れ
る。
【0111】また、無機充填剤[W]の平均粒子径は、
特に制限されるものではないが、好ましくは0.1〜1
00μmの範囲である。
【0112】無機充填剤[W]の分散安定剤として、水
溶性高分子物質を使用することができる。この水溶性高
分子物質としては、例えば、ポリビニルアルコール、繊
維素エーテル、澱粉、マレイン化ポリブタジエン、マレ
イン化アルキッド樹脂、ポリアクリル酸(塩)、ポリア
クリルアミド、水溶性アクリル樹脂等の合成或いは天然
の水溶性高分子物質が挙げられ、これらの1種又は2種
以上の混合物を使用することができる。
【0113】上記分散安定剤は、無機充填剤[W]の混
和安定性及び貯蔵安定性を向上させる目的で使用するこ
とができるが、被膜の耐水性等の面からその使用量を極
力少なくすることが好ましい。分散安定剤の使用量は、
重合体粒子[X]100重量部に対して2重量部以下と
することが好ましい。
【0114】本発明の水性樹脂組成物は、さらに増粘剤
[V]を併用することが好ましい。増粘剤[V]は、従
来公知の増粘剤を用いることができる。従来公知の増粘
剤としては、例えばカルボキシルメチルセルロース(C
MC)水溶液、ヒドロキシルエチルセルロース水溶液、
デンプン、ポリビニルアルコール、親水性基含有合成樹
脂の水分散体等が挙げられるが、ブリスタの発生を防止
する点で、親水性基含有合成樹脂の水分散体が好まし
く、カルボキシル基含有アクリル系共重合体の水分散体
であることが特に好ましい。
【0115】カルボキシル基含有アクリル系共重合体の
水分散体を製造する方法としては、上記重合体[A]を
水性媒体中で乳化重合により製造する方法と同様の方法
を用いることができる。増粘剤としてのカルボキシル基
含有アクリル系共重合体の水分散体は、アンモニア水溶
液や水酸化ナトリウム水溶液を添加したときのアルカリ
増粘性の点で、カルボキシル基含有単量体を15〜60
重量%用いるのが好ましい。
【0116】本発明で使用するカルボキシル基含有アク
リル系共重合体の分子量を調整する必要がある場合は、
分子量調整剤として連鎖移動能を有する化合物を添加し
てもよい。
【0117】また、本発明で使用するカルボキシル基含
有アクリル系共重合体の水分散体のカルボキシル基は必
要に応じて、塩基性物質等の中和剤で中和させることが
できる。
【0118】本発明において、上記の増粘剤[V]の含
有量は、特に制限されるものではないが、重合体粒子
[X]100重量部に対して5重量部以下の範囲である
ことが好ましい。増粘剤[V]の含有量がかかる範囲で
あれば水性樹脂組成物の粘度の経時安定性に優れる。
【0119】本発明の水性樹脂組成物により形成された
被膜の測定温度25℃での引張試験での破断点伸度は、
特に制限されないが、塗膜の屈曲性に優れる点で、10
0%以上であることが好ましい。この測定温度25℃で
の引張試験での破断点伸度は、温度25℃でクロスヘッ
ドスピード200mm/分の条件で引張試験機を用いて
測定した数値に基づくものである。
【0120】本発明の水性樹脂組成物には、更に必要に
応じて、水溶性或いは水分散性の熱硬化性樹脂、例え
ば、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、或いは
熱可塑性樹脂、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂等を混和して使
用することもできる。更に、必要に応じて、本発明の所
望の効果を阻害しない範囲で、顔料、pH調整剤、被膜
形成助剤、レベリング剤、撥水剤、消泡剤、酸化防止
剤、耐光安定剤等公知のものを適宜添加して使用するこ
とができる。
【0121】また、必要に応じて本発明の所望の効果を
阻害しない範囲で、充填剤、顔料、pH調整剤、皮膜形
成助剤、レベリング剤、増粘剤、撥水剤、消泡剤等公知
のものを適宜添加して使用することができる。
【0122】本発明の水性樹脂組成物は、優れた低温特
性を有し、且つ、常温での硬度に優れ、耐水性の良好な
被膜を与えるものであり、その用途は多岐にわたる。特
に、耐薬品性と柔軟性や屈曲性を有し、且つ硬度の要求
される分野において有用なものであり、例えば塗料、プ
ライマー処理剤、接着剤、フィルムコーティング剤、繊
維加工用樹脂(織編物や不織布用バインダー・被覆剤、
植毛加工用バインダー等)、紙加工(含浸、塗工)用樹
脂、ガラス繊維加工用樹脂(ガラス繊維集束剤、ガラス
ペーパー用バインダー、ガラス繊維被覆剤等)、モルタ
ル改質用樹脂等として利用できる。特に、塗料、イン
キ、ニス、フィルムコーティング、接着、繊維加工用樹
脂、紙加工用樹脂等の応用分野で利用される場合、既述
の通り極めて優れた効果を発現する。
【0123】尚、本発明の態様は、上述したように、分
子中にカルボキシル基を有する重合体粒子[X]と感熱
ゲル化剤[Y]とカルボキシル基と反応性を有する架橋
剤[Z]とが水性媒体中に分散してなる水性樹脂組成物
であって、該重合体粒子[X]が、少なくとも、分子中
にカルボキシル基を有し、ガラス転移温度が−50〜−
15℃である重合体[A]とガラス転移温度が30〜1
50℃である重合体[B]とから構成されてなることを
特徴とする水性樹脂組成物にかかるものである。
【0124】本発明の他の態様の一つとしては、前記分
子中にカルボキシル基を有し、ガラス転移温度が−50
〜−15℃である重合体[A]が、前記重合体粒子
[X]の最外殻部に存在する上記の水性樹脂組成物にか
かるものである。本発明の他の態様の一つとしては、前
記重合体粒子[X]の平均粒子径が250〜2000n
mである上記の水性樹脂組成物にかかるものである。本
発明の他の態様の一つとしては、前記感熱ゲル化剤
[Y]が、ポリエーテル変性シリコーンである上記の水
性樹脂組成物にかかるものである。本発明の他の態様の
一つとしては、前記ポリエーテル変性シリコーンの1重
量%水溶液の曇点が30〜55℃である上記の水性樹脂
組成物にかかるものである。
【0125】本発明の他の態様の一つとしては、前記カ
ルボキシル基と反応性を有する架橋剤[Z]が、多官能
オキサゾリン化合物である上記の水性樹脂組成物にかか
るものである。本発明の他の態様の一つとしては、さら
に無機充填剤[W]を含有する上記の水性樹脂組成物に
かかるものである。本発明の他の態様の一つとしては、
さらに増粘剤[V]を含有する上記の水性樹脂組成物に
かかるものである。
【0126】本発明の他の態様の一つとしては、前記水
性樹脂組成物中の固形分が55重量%以上である上記の
水性樹脂組成物にかかるものである。本発明の他の態様
の一つとしては、前記水性樹脂組成物により形成される
被膜の測定温度25℃での引張試験における破断点伸度
が100%以上である上記の水性樹脂組成物にかかるも
のである。
【0127】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により、一
層、具体的に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例
に限定されるものではない。以下において、特に断らな
い限り、「%」は重量%、「部」は重量部をそれぞれ示
すものとする。
【0128】まず本発明で用いた評価方法について以下
に述べる。
【0129】[平均粒子径の測定方法]平均粒子径は、
動的光散乱法により、日機装(株)製マイクロトラックU
PA型粒度分布測定装置にて測定した平均粒子径(50
%メジアン径)の値を求めた。
【0130】[測定温度25℃での引張試験での破断点
伸度の測定方法]実施例で得られた本発明の水性樹脂組
成物を乾燥後の膜厚が0.5mmとなるようにガラス板
に塗工し、40℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥
離し、更に140℃で5分間乾燥したものを2号ダンベ
ルで打ち抜き、これを試料とした。この試料を用いて、
オリエンテック社製テンシロンRTM−100型引張試
験機にて、25℃の雰囲気下で、クロスヘッドスピード
200mm/分で引張試験を実施した時の破断点伸度を
測定した。
【0131】[Tgの測定方法]実施例で得られた本発
明の水性樹脂組成物を乾燥後の膜厚が0.5mmとなる
ようにガラス板に塗工し、40℃で8時間乾燥した後、
ガラス板から剥離し、更に140℃で5分間乾燥したも
のを試料とした。次いで、この試料を、直径5mm、深
さ2mmのアルミニウム製円筒型セルに試料約10mg
を秤取し、TAインスツルメント社製のDSC−292
0モジュレイテッド型示差走査型熱量計を用い、−50
℃から昇温速度20℃/分で150℃まで昇温した時の
吸熱曲線から測定した。
【0132】[曇点の測定方法]実施例で使用した感熱
ゲル化剤の1重量%水溶液を室温より徐々に攪拌しなが
ら加熱し、目視観察で該水溶液が濁った時点の温度を曇
点とした。
【0133】[ブリスタ(被膜のふくれ)の評価方法]
実施例で得られた本発明の水性樹脂組成物を内径14m
m、高さ30mm、厚さ1mmのガラス製容器に充填剤
未添加品の場合は0.7g、充填剤添加品の場合は1.
5g入れ、90℃に設定したタバイ社製熱風乾燥機に6
分間入れた後、すぐに150℃に設定したタバイ社製熱
風乾燥機に3分間入れてブリスタの有無を目視で観察
し、以下の基準に従い判定した。 ○:変化無し ×:ブリスタ発生
【0134】[耐酸性試験の測定方法]実施例で得られ
た本発明の水性樹脂組成物を乾燥後の膜厚が0.5mm
となるようにガラス板に塗工し、40℃で8時間乾燥し
た後、ガラス板から剥離し、更に140℃で5分間乾燥
したものを2号ダンベルで打ち抜き試料とした。この試
料を、濃度0.1重量%の硫酸水溶液に50℃で7日間
浸漬した。硫酸水溶液に浸漬前の試料について、測定温
度25℃での引張試験における破断点応力(S1)を前
述の如く測定し、次に、硫酸水溶液に浸漬後の試料につ
いて、試料表面の硫酸水溶液を拭き取った後、同様にし
て破断点応力(S2)を測定し、硫酸水溶液浸漬前後の
破断点応力の保持率を以下の式に従って求めた。 破断点応力の保持率(%)=S2/S1×100
【0135】[耐アルカリ性試験の測定方法]実施例で
得られた本発明の水性樹脂組成物を乾燥後の膜厚が0.
5mmとなるようにガラス板に塗工し、40℃で8時間
乾燥した後、ガラス板から剥離し、更に140℃で5分
間乾燥したものを2号ダンベルで打ち抜き試料とした。
この試料を、濃度0.1重量%の水酸化ナトリウム水溶
液に50℃で7日間浸漬した。水酸化ナトリウム水溶液
に浸漬前の試料について、測定温度25℃での引張試験
における破断点応力(S3)を前述の如く測定し、次
に、水酸化ナトリウム水溶液に浸漬後の試料について、
試料表面の水酸化ナトリウム水溶液を拭き取った後、同
様にして破断点応力(S4)を測定し、水酸化ナトリウ
ム水溶液浸漬前後の破断点応力の保持率を以下の式に従
って求めた。 破断点応力の保持率(%)=S4/S3×100
【0136】[測定温度−10℃での屈曲性の測定方
法]実施例で得られた本発明の水性樹脂組成物を乾燥後
の膜厚が1.0mmとなるようにガラス板に塗工し、4
0℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離し、更に1
40℃で5分間乾燥したものを20mm×100mmに
切り出したものを試料とし、−10℃の雰囲気下で、一
端を固定して90度折り曲げ、試料の外観変化を観察し
て評価を行った。評価結果は、以下の基準にしたがって
判定した。 ×:破断もしくは亀裂が発生 △:応力白化や皺等の欠点が発生 ○:上記欠点が発生しない
【0137】《参考例1》(増粘剤[V]の合成) 撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を
備えた反応容器に脱イオン水690部とノイゲンET−
170[第一工業製薬(株)製]24部を入れ、窒素を吹
き込みながら75℃まで昇温した。撹拌下、10%過硫
酸アンモニウム水溶液10部とエチルアクリレート20
3部、メタクリル酸87部からなる単量体混合物に、脱
イオン水100部とノイゲンET−170[第一工業製
薬(株)製]3部を加えて乳化させたモノマープレエマル
ジョン(前記単量体混合物と乳化剤と水でモノマーを乳
化状態にしたものを云う)をそれぞれ滴下漏斗を使用し
て、反応容器内温度を75℃に保ちながら120分間か
けて滴下して重合せしめた。
【0138】《実施例1》 本発明に使用する重合体[A]の製造 撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を
備えた反応容器に脱イオン水73部を入れ、窒素を吹き
込みながら75℃まで昇温した。撹拌下、過硫酸カリウ
ム0.02部を添加し、続いてn−ブチルアクリレート
168部、メチルメタクリレート20部、メタクリル酸
12部からなる単量体混合物に、ラテムルE−118B
(乳化剤、花王(株)製:有効成分25%)16部と脱イ
オン水60部を加えて乳化させたモノマープレエマルジ
ョン(前記単量体混合物と乳化剤と水でモノマーを乳化
状態にしたものを云う)の一部(3部)を添加し、反応
容器内温度を75℃に保ちながら60分間で重合させ
た。引き続き、反応容器内温度を75℃に保ちながら、
残りのモノマープレエマルジョン(273部)と、t−
ブチルハイドロパーオキサイドの水溶液(有効成分1
%)30部、アスコルビン酸水溶液(有効成分0.5
%)30部を、各々別の滴下漏斗を使用して、反応容器
内温度を75℃に保ちながら180分間かけて滴下して
重合せしめた。
【0139】滴下終了後、同温度にて120分間撹拌
し、反応容器内温度を75℃に保ちながら、アンモニア
水(有効成分10%)15部を30分間かけて滴下し、
重合体中のカルボキシル基を中和した。
【0140】本発明に使用する重合体[X]の製造 上記カルボキシル基を中和した後、反応容器内温度を7
5℃に保ちながら、n−ブチルアクリレート60部、メ
チルメタクレート132部、グリシジルメタクリレート
8部からなる単量体混合物と、t−ブチルハイドロパー
オキサイドの水溶液(有効成分1%)30部、アスコル
ビン酸水溶液(有効成分0.5%)30部を、各々別の
滴下漏斗を使用して、反応容器内温度を75℃に保ちな
がら180分間かけて滴下して重合せしめた。滴下終了
後、同温度にて120分間撹拌し、内容物を冷却し、p
Hが7.8になるようにアンモニア水(有効成分10
%)で調整した。ここで得られた重合体粒子の水性分散
液の粒子径(50%メジアン径)は、350nmであっ
た。
【0141】本発明の水性樹脂組成物の製造 上記の重合体粒子の水性分散液に、感熱ゲル化剤として
FZ−2164(日本ユニカー(株)製オルガノポリシ
ロキサンポリオキシアルキレングリコール:有効成分1
00重量%)10部を添加し、架橋剤としてエポクロス
WS−500((株)日本触媒製オキサゾリン基含有水
溶性架橋剤:有効成分40重量%)20部を添加して、
固形分濃度が55.0%になるように脱イオン水で調整
した後、100メッシュ金網で濾過し、本発明の水性樹
脂組成物を得た。
【0142】この本発明の水性樹脂組成物を用いて得た
被膜の評価結果を第1表に示したが、測定温度25℃で
の引張試験での破断点伸度は270%であり、測定温度
25℃での引張試験での破断点応力は13MPaであ
り、また、Tgは−21℃と45℃であった。また、こ
の水性樹脂組成物から得られた被膜の耐酸性試験での破
断応力の保持率は100%であり、耐アルカリ性試験で
の破断応力の保持率は100%であった。また、この水
性樹脂組成物から得られた被膜の測定温度−10℃での
屈曲性は、破断や亀裂の発生が無く良好であった。
【0143】《実施例2〜5》単量体混合物及び感熱ゲ
ル化剤、架橋剤、増粘剤として第1表に示したものを用
いた以外は、実施例1と全く同様にして本発明の水性樹
脂組成物を得た。この水性樹脂組成物の粒子径(50%
メジアン径)、固形分濃度は第1表に記載した通りであ
った。また、この水性樹脂組成物から得られた被膜の測
定温度25℃での引張試験での破断点伸度、および測定
温度25℃での引張試験での破断点応力、Tg、耐酸
性、耐アルカリ性、測定温度−10℃での屈曲性、測定
温度25℃での硬度は第1表に記載した通りであった。
【0144】《比較例1〜2》単量体混合物として第2
表に示したものを用いた以外は、実施例1と全く同様に
して水性樹脂組成物を得た。この水性樹脂組成物の粒子
径、固形分濃度は第2表に記載した通りであった。ま
た、この水性樹脂組成物から得られた被膜の測定温度2
5℃での引張試験での破断点伸度、被膜の測定温度25
℃での引張試験での破断点応力、Tg、耐酸性、耐アル
カリ性、測定温度−10℃での屈曲性は第2表に記載し
た通りであった。
【0145】《比較例3》攪拌機、環流冷却管、窒素導
入管、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に脱イオン水
73部を入れ、窒素を吹き込みながら75℃まで昇温し
た。撹拌下、過硫酸カリウム0.02部を添加し、続い
てn−ブチルアクリレート224部、メチルメタクリレ
ート152部、メタクリル酸12部、グリシジルメタク
リレート8部からなる単量体混合物に、ラテムルE−1
18B[乳化剤、花王(株)製:有効成分25%]16
部と脱イオン水60部を加えて乳化させたモノマープレ
エマルジョン(前記単量体混合物と乳化剤と水でモノマ
ーを乳化状態にしたものをいう)の一部(3部)を添加
し、反応容器内温度を75℃に保ちながら60分間で重
合させた。引き続き、反応容器内温度を75℃に保ちな
がら、残りのモノマープレエマルジョン(393部)
と、t−ブチルハイドロパーオキサイドの水溶液(有効
成分1%)30部、アスコルビン酸水溶液(有効成分
0.5%)30部を、各々別の滴下漏斗を使用して、反
応容器内温度を75℃に保ちながら180分間かけて滴
下して重合せしめた。滴下終了後、同温度にて120分
間撹拌し、内容物を冷却し、pHが7.8になるように
アンモニア水(有効成分10%)で調整した。ここで得
られた重合体粒子の水性分散液の粒子径(50%メジア
ン径)は320nmであった。
【0146】
【表1】
【0147】
【表2】
【0148】第1、2表中の略号の正式名称を下記に示
す。 n−BA ;n−ブチルアクリレート MMA ;メチルメタクリレート MAA ;メタクリル酸 AA ;アクリル酸 GMA ;グリシジルメタクリレート MAPTMS;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン L−SH ;ラウリルメルカプタン 2−EHA ;2−エチルヘキシルアクリレート CHMA ;シクロヘキシルメタクリレート NUC SILWET FZ−2164;日本ユニカー(株)製:
シリコーン型感熱ゲル化剤 有効成分100% NUC SILWET FZ−2101;日本ユニカー(株)製:
シリコーン型感熱ゲル化剤 有効成分100% NUC SILWET FZ−2163;日本ユニカー(株)製:
シリコーン型感熱ゲル化剤 有効成分100% エポクロス WS−500;(株)日本触媒製:オキサ
ゾリン基含有架橋剤 有効成分40% UCARLINK XL−29SE;ユニオンカーバイ
ド(株)製:カルボジイミド基含有架橋剤 有効成分5
0%
【0149】
【発明の効果】本発明の水性樹脂組成物は、被覆剤(表
面コーティング剤)として使用した場合に、耐薬品性に
優れ、柔軟性や屈曲性を有し、且つ、硬度の高い被膜を
形成する。特に、低温特性と常温での高硬度の要求され
る分野において有用なものであり、塗料、インキ、ニ
ス、フィルムコーティング、接着、繊維加工用樹脂、紙
加工用樹脂等の分野で、極めて優れた効果を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AB033 AB043 BE023 BF04W BG01W BG013 BG07W BH02W CC05X CH02X CP18X DA037 DE137 DE147 DE237 DG047 DJ007 DJ017 DJ037 DJ047 DJ057 EU216 FD017 FD146 FD333 GH01 GJ01 HA06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中にカルボキシル基を有する重合体
    粒子[X]と感熱ゲル化剤[Y]とカルボキシル基と反
    応性を有する架橋剤[Z]とが水性媒体中に分散してな
    る水性樹脂組成物であって、該重合体粒子[X]が、少
    なくとも、分子中にカルボキシル基を有し、ガラス転移
    温度が−50〜−15℃である重合体[A]とガラス転
    移温度が30〜150℃である重合体[B]とから構成
    されてなることを特徴とする水性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記分子中にカルボキシル基を有し、ガ
    ラス転移温度が−50〜−15℃である重合体[A]
    が、前記重合体粒子[X]の最外殻部に存在する請求項
    1記載の水性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記重合体粒子[X]の平均粒子径が2
    50〜2000nmである請求項1に記載の水性樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 前記感熱ゲル化剤[Y]が、ポリエーテ
    ル変性シリコーンである請求項1記載の水性樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 前記ポリエーテル変性シリコーンの1重
    量%水溶液の曇点が30〜55℃である請求項4記載の
    水性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記カルボキシル基と反応性を有する架
    橋剤[Z]が、多官能オキサゾリン化合物である請求項
    1記載の水性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 さらに無機充填剤[W]を含有する請求
    項1記載の水性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 さらに増粘剤[V]を含有する請求項1
    記載の水性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 前記水性樹脂組成物中の固形分が55重
    量%以上である請求項1記載の水性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 前記水性樹脂組成物により形成される
    被膜の測定温度25℃での引張試験における破断点伸度
    が100%以上である請求項1〜9のいずれか1項に記
    載の水性樹脂組成物。
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