JP2003165176A - 誘導加熱対応型シート材並びにシート材張着構造及び方法 - Google Patents

誘導加熱対応型シート材並びにシート材張着構造及び方法

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JP2003165176A
JP2003165176A JP2002233195A JP2002233195A JP2003165176A JP 2003165176 A JP2003165176 A JP 2003165176A JP 2002233195 A JP2002233195 A JP 2002233195A JP 2002233195 A JP2002233195 A JP 2002233195A JP 2003165176 A JP2003165176 A JP 2003165176A
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河合  誠
Keisuke Hatori
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Tsuneo Tajima
常雄 田島
Yoshinori Takahashi
芳徳 高橋
Hajime Yamazaki
山崎  肇
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下張材からシート材を剥がし取ったときに該
下張材にステープルなどの異物を残存させないようにし
て、下張材の再生利用を容易ならしめる。 【解決手段】 誘導加熱対応型シート材9は、シート材
(アスファルトルーフィング5)と、その裏面側に取り
付けられた誘導加熱部材(アルミテープ8C)とを備え
ている。アルミテープ8Cは導電材層(アルミ箔8a)
を含むとともに裏面側に熱可塑性接着材4からなる層を
備える。アスファルトルーフィング5は改質アスファル
トコンパウンドなどの瀝青物質層を含んで防水性を発揮
し、また裏面側に仕切材層を備えている。そして、下張
材(野地合板2)の表面側に誘導加熱対応型シート材9
を敷き広げた後、その表面側からアルミ箔8aを電磁誘
導加熱して熱可塑性接着材4を溶融することにより、誘
導加熱対応型シート材9と野地合板2とを接着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の屋根、壁、
床、天井等において下張材の表面側に張着される防水紙
等の誘導加熱シート材に関し、また、下張材の表面側に
シート材を張着したシート材張着構造及び下張材の表面
側にシート材を張着するシート材張着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、木造屋根の防水施工では、図
12(a)に示すように、垂木1に下張材(野地合板
2)が釘3で留め付けられ、さらに野地合板2の表面に
アスファルトルーフィング5などの防水紙がステープル
7,7,…で留め付けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】(1)しかしながら、
このように野地合板2に対してアスファルトルーフィン
グ5がステープル7で留め付けられていると、建物の解
体時に野地合板2からアスファルトルーフィング5を剥
がし取ったときに、図12(b)に示すように、ステー
プル7が野地合板2に付着したまま残ってしまう。そし
て、ステープル7は数が多く、一つ一つが小さいため、
全てのステープル7,7,…を取り除いた状態で野地合
板2を回収することは、コストや手間の観点から極めて
困難である。つまり、全てのステープル7を取り除いて
野地合板2を分別回収することができないため、野地合
板2をパーティクルボードなどの材料として再生利用
(リサイクル)することができず、資源の無駄や廃棄物
の増加に伴う環境破壊を引き起こす。なお、このような
問題は、屋根面への防水紙の張着に限らず、壁や床など
建物のあらゆる部位において、下張材にシート材をステ
ープルで留め付ける場合に共通する。
【0004】(2)アスファルトコンパウンドのような
瀝青物質は、通常使用環境温度においてある程度の流動
性を有し、ステープル7や釘等が貫通してもその流動性
により欠損部分を修復してしまうという自己治癒性(釘
孔シール性)を有するため、これを含むアスファルトル
ーフィング5は極めて高い防水性能を発揮する。しか
し、その反面、瀝青物質を含むアスファルトルーフィン
グ5は粘着性も発現し、経年後に下張材(野地合板2)
との接触部分が付着一体化してしまう。そして、コスト
や手間の観点から、付着一体化した瀝青物質を全て取り
除いて野地合板2を分別回収しパーティクルボードなど
の材料として再生利用することは不可能であるため、や
はり資源の無駄や廃棄物の増加に伴う環境破壊を引き起
こすことになる。なお、このような問題は、屋根面への
防水紙の張着に限らず、壁や床など建物のあらゆる部位
において、瀝青物質を含むシート材を下張材に張着する
場合に共通する。
【0005】そこで、本発明は、下張材からシート材を
剥がし取ったときに該下張材にステープルなどの異物を
残存させず、また、特にシート材が瀝青物質を含むもの
である場合には、瀝青物質の下張材への経年付着を防止
することによって、下張材の再生利用を容易ならしめる
ようにした、誘導加熱対応型シート材並びにシート材張
着構造及びシート材張着方法を提案することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
シート材と、このシート材の裏面側に取り付けられた誘
導加熱部材と、を備え、前記誘導加熱部材が、導電材層
を含むとともに裏面側に熱可塑性接着材層を備える、こ
とを特徴とする誘導加熱対応型シート材である。
【0007】かかる誘導加熱対応型シート材は、シート
材の裏面側に誘導加熱部材を一体に備えたものである。
誘導加熱部材は導電材層を含んでいる。また、誘導加熱
部材は裏面側に熱可塑性接着材層を含んでいる。ここで
「裏面」とは、下張材に対向する側の面を指す。なお、
本明細書において、ある部材の「裏面」とは、ここで定
義したシート材の裏面と同方向の面を指し、該部材の
「表面」は裏面の反対側の面を意味するものとする。た
とえば、図2(a)の場合、アスファルトルーフィング
5の裏面、表面はそれぞれ図中の下面、上面であり、同
様に、野地合板2の裏面、表面はそれぞれ図中の下面、
上面である。また「導電材層」とは、誘導加熱器を用い
た電磁誘導によって発熱する層であって、具体的にはア
ルミ等の金属箔や、導電性のポリマーシート、フィルム
等からなる。また「熱可塑性接着材層」とは、一定温度
以上に加熱されると軟化・溶融するとともに、それ以下
の温度に冷却されると再び固化する性質をもった酢酸ビ
ニル系(溶液型、エマルション型)、ポリビニルアルコ
ール(水溶液)、アクリル(溶液型、エマルション
型)、アスファルト系(溶液型、エマルション型)等の
接着材からなる層であり、具体的には、酢酸ビニル樹
脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリスチレン樹脂等か
らなる層である。なお、この熱可塑性接着材は、誘導加
熱対応型シート材を剥がし取ったときに下張材の表面に
付着したまま残る可能性があるため、合板用接着剤とし
て用いられる素材等、下張材のリサイクル時に支障のな
い素材(たとえばゴム、プラスチック)からなるもので
あることが望ましい。
【0008】そして、この誘導加熱対応型シート材を下
張材の表面側に敷き広げておき、誘導加熱対応型シート
材の表面側から誘導加熱器を用いて誘導加熱部材の導電
材層を加熱すれば、熱可塑性接着材層が溶融されてこれ
が下張材の表面に付着し、その後、この熱可塑性接着材
層が熱を失って固化することにより、誘導加熱対応型シ
ート材と下張材とが接着されることになる。このよう
に、この誘導加熱対応型シート材は、ステープルを用い
ずに下張材に張着できるものであるので、解体時には、
誘導加熱対応型シート材を下張材から剥がし取ることに
より、ステープルなどの異物が残存していない再生利用
可能な状態で下張材を分別回収できる。また、ステープ
ルで孔を空けずに下張材に張着できるので、特にこの誘
導加熱対応型シート材が防水性能を付与されたものであ
る場合には、その防水性能を減じることがない。なお、
かかる誘導加熱対応型シート材を、電磁誘導加熱方式に
よって下張材に張着する場合には、別途の誘導加熱部材
を配置する手間が不要であり、また下張材を建物に固着
している固着具の位置や材質とは無関係に、誘導加熱部
材の位置において下張材に接着することができる。
【0009】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
誘導加熱対応型シート材において、シート材の裏面側の
全面に誘導加熱部材が取り付けられていることを特徴と
する。
【0010】かかる誘導加熱対応型シート材は、誘導加
熱部材が特にシート材の裏面全面に一体に取り付けられ
ているものであるので、電磁誘導加熱方式によってこれ
を張着する場合に、任意の位置において下張材に接着で
き、施工が容易である。
【0011】請求項3に係る発明は、請求項1又は請求
項2に記載の誘導加熱対応型シート材において、シート
材が、瀝青物質層を含んで防水性を発揮するものである
ことを特徴とする。
【0012】かかる誘導加熱対応型シート材は、シート
材にアスファルトコンパウンド等の瀝青物質層を含んで
いる。「瀝青物質」としては、ストレートアスファル
ト、ブローンアスファルト、改質アスファルト等を用い
ることができるが、釘孔シール性、耐水性、耐久性等の
観点からは改質アスファルトが望ましい。なお、改質ア
スファルトとは、アスファルト類に天然ゴム、SBR、
IIR等の合成ゴムあるいは再生ゴムや、PE、PP等
の合成樹脂を混合し、必要に応じて加硫したり、プロセ
スオイル、フィラー等を添加したものである。したがっ
て、この誘導加熱対応型シート材は、防水紙などの防水
性を発揮するシート材となっているので、様々なシート
材のなかでも特に、ステープルで孔を空けずに下張材に
張着でき、その防水性能を減じることがないという、電
磁誘導加熱方式によるメリットを最大限に発揮できるも
のとなっている。
【0013】請求項4に係る発明は、請求項3に記載の
誘導加熱対応型シート材において、シート材が、裏面側
に仕切材層を備えるものであることを特徴とする。
【0014】かかる誘導加熱対応型シート材は、シート
材の裏面側が仕切材層となっているので、シート材に含
まれている瀝青物質が、電磁誘導加熱や経年によって下
張材に付着一体化してしまうことを阻止できる。したが
って、解体時にこの誘導加熱対応型シート材を下張材か
ら剥がし取っても下張材に瀝青物質が残存せず、下張材
の確実なリサイクルを実現できる。なお「仕切材層」
は、シート材に含まれている瀝青物質が環境温度下で、
また電磁誘導加熱によって軟化し、下張材の表面に付着
しないように遮断できる層であればよく、具体的には
紙、合成樹脂フィルム、合成繊維不織布(目付20g/
2以上、好ましくは40g/m2以上)等からなるもの
である。
【0015】請求項5に係る発明は、下張材と、この下
張材を建物に固着する導電性固着具と、この導電性固着
具のうちの前記下張材の表面側に露出している部分に設
けられた熱可塑性接着材と、前記下張材の表面側に敷き
広げられたシート材と、を備え、前記導電性固着具と前
記シート材とが、前記導電性固着具が電磁誘導加熱され
ることによって溶融した前記熱可塑性接着材を介して接
着されてなる、ことを特徴とするシート材張着構造であ
る。
【0016】かかるシート材張着構造は、建物(本明細
書では「下張材が固着される対象となる建物部分」とい
う意味で用いる。)に下張材を固着している釘、ボル
ト、ビス等の導電性を有する固着具を利用して、電磁誘
導加熱方式によって下張材にシート材を張着したもので
ある。つまり、導電性固着具のうちの下張材の表面側に
露出している部分(釘、ボルト、ビス等の頭部)に設け
られた熱可塑性接着材が、導電性固着具の電磁誘導加熱
によって溶融し、導電性固着具とシート材とが接着され
ている。熱可塑性接着材は、導電性固着具の所定位置に
予め設けられていてもよいし、下張材を固着した後の導
電性固着具の所定位置に事後的に設けられたものであっ
てもよい。このように、ステープルを用いずに下張材に
シート材が張着されているので、解体時には、シート材
を下張材から剥がし取って、下張材から固着具を抜き取
ることにより、ステープルなどの異物が全く残存してい
ない再生利用可能な状態で下張材を分別回収できる。ま
た、ステープルで孔を空けずにシート材が下張材に張着
されているので、特にシート材が防水紙である場合に
は、その防水性能を減じることがない。また、建物に下
張材を固着している導電性固着具の導電性を利用してこ
れを電磁誘導加熱し、熱可塑性接着材を溶融したもので
あるので、別途の誘導加熱部材を配置する手間は不要で
ある。
【0017】請求項6に係る発明は、下張材と、この下
張材の表面側に配置された誘導加熱部材と、この誘導加
熱部材を前記下張材に留め付けるとともに該下張材を建
物に固着する固着具と、前記下張材の表面側に敷き広げ
られたシート材と、を備え、前記誘導加熱部材が、導電
材層を含むとともに表面側に熱可塑性接着材層を備え、
前記誘導加熱部材と前記シート材とが、前記導電材層が
電磁誘導加熱されることによって溶融した前記熱可塑性
接着材層を介して接着されてなる、ことを特徴とするシ
ート材張着構造である。
【0018】かかるシート材張着構造も、建物に下張材
を固着している固着具を利用して、電磁誘導加熱方式に
よって下張材にシート材を張着したものである。つま
り、下張材を建物に固着している固着具は、同時に誘導
加熱部材を下張材に留め付けたものでもある。誘導加熱
部材は、導電材層を含み、また表面側に熱可塑性接着材
層を備えるものである。そして、誘導加熱部材の表面側
の熱可塑性接着材層が、導電材層の電磁誘導加熱によっ
て溶融し、誘導加熱部材とシート材とが接着されてい
る。誘導加熱部材は、固着具一個一個に対応する小片形
状のものであってもよいし、固着具一列ごとに対応する
帯形状のものであってもよく、シート材全面に対応する
シート形状のものであってもよい。このように、ステー
プルを用いずに下張材にシート材が張着されているの
で、解体時には、シート材を下張材から剥がし取って、
下張材から固着具を抜き取ることにより、ステープルな
どの異物が全く残存していない再生利用可能な状態で下
張材を分別回収できる。また、ステープルで孔を空けず
にシート材が下張材に張着されているので、特にシート
材が防水紙である場合には、その防水性能を減じること
がない。また、建物に下張材を固着している固着具を利
用して誘導加熱部材が下張材に留め付けられているの
で、誘導加熱部材を下張材に留め付けるための別途の留
付具は不要である。さらに、固着具の導電性を利用しな
いので、固着具として非導電性のものを用いることも可
能である。
【0019】請求項7に係る発明は、下張材と、この下
張材の表面側に配置された誘導加熱部材と、前記下張材
の表面側に敷き広げられたシート材と、を備え、前記誘
導加熱部材が、導電材層を含むとともに表面側及び裏面
側に熱可塑性接着材層を備え、前記誘導加熱部材と前記
シート材とが、前記導電材層が電磁誘導加熱されること
によって溶融した前記表面側の熱可塑性接着材層を介し
て接着され、前記誘導加熱部材と前記下張材とが、前記
導電材層が電磁誘導加熱されることによって溶融した前
記裏面側の熱可塑性接着材層を介して接着されてなる、
ことを特徴とするシート材張着構造である。
【0020】かかるシート材張着構造は、建物に下張材
を固着している固着具とは無関係に、電磁誘導加熱方式
によって下張材にシート材を張着したものである。つま
り、誘導加熱部材は、導電材層を含むとともに、表面側
と裏面側の双方の面に熱可塑性接着材層を有している。
そして、誘導加熱部材の表面側の熱可塑性接着材層が導
電材層の電磁誘導加熱によって溶融し、誘導加熱部材と
シート材とが接着されているとともに、誘導加熱部材の
裏面側の熱可塑性接着材層が導電材層の電磁誘導加熱に
よって溶融し、誘導加熱部材と下張材とが接着されてい
る。このシート材張着構造は、建物に下張材を固着して
いる固着具を全く利用していないので、誘導加熱部材の
形状を小片状、帯状、シート状など任意に定めることが
でき、また誘導加熱部材の位置も任意に定めることがで
きる。このように、ステープルを用いずに下張材にシー
ト材が張着されているので、解体時には、シート材を下
張材から剥がし取って、ステープルなどの異物が残存し
ていない再生利用可能な状態で下張材を分別回収でき
る。また、ステープルで孔を空けずにシート材が下張材
に張着されているので、特にシート材が防水紙である場
合には、その防水性能を減じることがない。また、固着
具の導電性を利用しないので、固着具として非導電性の
ものを用いることも可能である。なお、解体後に、誘導
加熱部材の裏面側の熱可塑性接着材層が下張材に付着し
た状態で残ってしまうこともあるので、この熱可塑性接
着材は、合板用接着剤として用いられる素材等、下張材
のリサイクル時に支障のない素材からなるものであるこ
とが望ましい。
【0021】請求項8に係る発明は、請求項5乃至請求
項7のいずれか一項に記載のシート材張着構造におい
て、シート材が、瀝青物質層を含んで防水性を発揮する
ものであることを特徴とする。
【0022】かかるシート材張着構造は、シート材が防
水性を発揮する防水紙であるので、特に、ステープルで
孔を空けずに下張材にシート材を張着でき、その防水性
能を減じることがない、という電磁誘導加熱方式による
メリットを最大限に発揮できるものとなっている。
【0023】請求項9に係る発明は、請求項8に記載の
シート材張着構造において、シート材が、裏面側に仕切
材層を備えるものであることを特徴とする。
【0024】かかるシート材張着構造は、シート材の裏
面側が仕切材層となっているので、シート材に含まれて
いる瀝青物質が電磁誘導加熱や経年によって下張材に付
着一体化してしまうことを有効に阻止できる。したがっ
て、解体時にシート材を下張材から剥がし取っても下張
材に瀝青物質が残存せず、下張材の確実なリサイクルを
実現できる。
【0025】請求項10に係る発明は、下張材と、この
下張材の表面側に敷き広げられた請求項1乃至請求項4
のいずれか一項に記載の誘導加熱対応型シート材と、を
備え、前記誘導加熱対応型シート材と前記下張材とが、
前記導電材層が電磁誘導加熱されることによって溶融し
た前記熱可塑性接着材層を介して接着されてなる、こと
を特徴とするシート材張着構造である。
【0026】かかるシート材張着構造は、建物に下張材
を固着している固着具とは無関係に、電磁誘導加熱方式
によって下張材に誘導加熱対応型シート材を張着したも
のである。誘導加熱対応型シート材はシート材の裏面側
に誘導加熱部材を取り付けたものである。誘導加熱部材
は、導電材層を含むとともに、少なくとも裏面側に熱可
塑性接着材層を有している。そして、熱可塑性接着材層
が導電材層の電磁誘導加熱によって溶融し、誘導加熱対
応型シート材と下張材とが接着されている。このよう
に、ステープルを用いずに下張材に誘導加熱対応型シー
ト材が張着されているので、解体時には、誘導加熱対応
型シート材を下張材から剥がし取って、ステープルなど
の異物が残存していない再生利用可能な状態で下張材を
分別回収できる。また、ステープルで孔を空けずに誘導
加熱対応型シート材が下張材に張着されているので、特
に誘導加熱対応型シート材が防水紙として使用される場
合には、その防水性能を減じることがない。また、固着
具の導電性を利用しないので、固着具として非導電性の
ものを用いることも可能である。なお、解体後に、誘導
加熱部材の裏面側の熱可塑性接着材層が下張材に付着し
た状態で残ってしまうこともあるので、この熱可塑性接
着材は、合板用接着剤として用いられる素材等、下張材
のリサイクル時に支障のない素材からなるものであるこ
とが望ましい。また、誘導加熱対応型シート材は誘導加
熱部材を含むものであるので、別途の誘導加熱部材を下
張材に仮留めする手間も不要である。
【0027】請求項11に係る発明は、下張材を建物に
固着する導電性固着具のうちの前記下張材の表面に露出
している部分に熱可塑性接着材を設け、前記下張材の表
面側にシート材を敷き広げた後、前記シート材の表面側
から前記導電性固着具を電磁誘導加熱して前記熱可塑性
接着材を溶融することにより、前記シート材と前記導電
性固着具とを接着する、ことを特徴とするシート材張着
方法である。
【0028】かかるシート材張着方法は、建物に下張材
を固着している釘、ボルト、ビス等の導電性を有する固
着具を利用して、電磁誘導加熱方式によって下張材にシ
ート材を張着する方法である。つまり、導電性固着具の
うちの下張材の表面側に露出している部分(釘、ボル
ト、ビス等の頭部)に熱可塑性接着材を設け、これをシ
ート材の表面側からの導電性固着具の電磁誘導加熱によ
って溶融することにより、導電性固着具とシート材とを
接着する。熱可塑性接着材は、導電性固着具の所定位置
に予め設けておいてもよいし、下張材を固着した後の導
電性固着具の所定位置に事後的に設けてもよい。このよ
うに、ステープルを用いずに下張材にシート材を張着す
るので、解体時には、シート材を下張材から剥がし取っ
て、下張材から固着具を抜き取ることにより、ステープ
ルなどの異物が全く残存していない再生利用可能な状態
で下張材を分別回収できる。また、ステープルで孔を空
けずにシート材を下張材に張着するので、特にシート材
が防水紙である場合には、その防水性能を減じることが
ない。また、建物に下張材を固着している導電性固着具
の導電性を利用してこれを電磁誘導加熱し、熱可塑性接
着材を溶融するので、別途の誘導加熱部材を配置する手
間は不要である。
【0029】請求項12に係る発明は、導電材層を含む
とともに表面側に熱可塑性接着材層を備える誘導加熱部
材を下張材の表面側に配置して、前記下張材を前記誘導
加熱部材とともに固着具で建物に固着し、前記下張材の
表面側にシート材を敷き広げた後、前記シート材の表面
側から前記導電材層を電磁誘導加熱して前記熱可塑性接
着材層を溶融することにより、前記シート材と前記誘導
加熱部材とを接着する、ことを特徴とするシート材張着
方法である。
【0030】かかるシート材張着方法も、建物に下張材
を固着している固着具を利用して、電磁誘導加熱方式に
よって下張材にシート材を張着するものである。つま
り、下張材を固着具で建物に固着するときに、同時に誘
導加熱部材を固着具で下張材に留め付ける。誘導加熱部
材は、導電材層を含み、また表面側に熱可塑性接着材層
を備えるものである。そして、誘導加熱部材の表面側の
熱可塑性接着材層を、シート材の表面側からの導電材層
の電磁誘導加熱によって溶融し、誘導加熱部材とシート
材とを接着する。誘導加熱部材は、固着具一個一個に対
応する小片形状のものであってもよいし、固着具一列ご
とに対応する帯形状のものであってもよく、シート材全
面に対応するシート形状のものであってもよい。このよ
うに、ステープルを用いずに下張材にシート材を張着す
るので、解体時には、シート材を下張材から剥がし取っ
て、下張材から固着具を抜き取ることにより、ステープ
ルなどの異物が全く残存していない再生利用可能な状態
で下張材を分別回収できる。また、ステープルで孔を空
けずにシート材を下張材に張着するので、特にシート材
が防水紙である場合には、その防水性能を減じることが
ない。また、建物に下張材を固着する固着具を利用して
誘導加熱部材を下張材に留め付けるので、誘導加熱部材
を下張材に留め付けるための別途の留付具は不要であ
る。さらに、固着具の導電性を利用しないので、固着具
として非導電性のものを用いることも可能である。
【0031】請求項13に係る発明は、導電材層を含む
とともに表面側及び裏面側に熱可塑性接着材層を備える
誘導加熱部材を下張材の表面側に配置し、前記下張材の
表面側にシート材を敷き広げた後、前記シート材の表面
側から前記導電材層を電磁誘導加熱して前記両熱可塑性
接着材層を溶融することにより、前記シート材と前記誘
導加熱部材とを接着するとともに前記誘導加熱部材と前
記下張材とを接着する、ことを特徴とするシート材張着
方法である。
【0032】かかるシート材張着方法は、建物に下張材
を固着している固着具とは無関係に、電磁誘導加熱方式
によって下張材にシート材を張着するものである。つま
り、導電材層を含むとともに表面側と裏面側の双方の面
に熱可塑性接着材層を有している誘導加熱部材を下張材
の表面側に配置(仮留めしてもしなくてもよい。)し、
シート材の表面側からの導電材層の電磁誘導加熱により
両熱可塑性接着材層を溶融し、シート材と誘導加熱部材
とを接着するとともに、誘導加熱部材と下張材とを接着
する。このシート材張着方法は、建物に下張材を固着し
ている固着具を全く利用しないので、誘導加熱部材の形
状を小片状、帯状、シート状など任意に定めることがで
き、また誘導加熱部材の位置も任意に定めることができ
る。このように、ステープルを用いずに下張材にシート
材を張着するので、解体時には、シート材を下張材から
剥がし取って、ステープルなどの異物が残存していない
再生利用可能な状態で下張材を分別回収できる。また、
ステープルで孔を空けずにシート材を下張材に張着する
ので、特にシート材が防水紙である場合には、その防水
性能を減じることがない。また、固着具の導電性を利用
しないので、固着具として非導電性のものを用いること
も可能である。なお、解体後に、誘導加熱部材の裏面側
の熱可塑性接着材層が下張材に付着した状態で残ってし
まうこともあるので、この熱可塑性接着材は、合板用接
着剤として用いられる素材等、下張材のリサイクル時に
支障のない素材からなるものであることが望ましい。
【0033】請求項14に係る発明は、請求項11乃至
請求項13のいずれか一項に記載のシート材張着方法に
おいて、シート材が、瀝青物質層を含んで防水性を発揮
するものであることを特徴とする。
【0034】かかるシート材張着方法は、シート材が防
水性を発揮する防水紙であるので、特に、ステープルで
孔を空けずに下張材にシート材を張着でき、その防水性
能を減じることがない、という電磁誘導加熱方式による
メリットを最大限に発揮できるものとなっている。
【0035】請求項15に係る発明は、請求項14に記
載のシート材張着方法において、シート材が、裏面側に
仕切材層を備えるものであることを特徴とする。
【0036】かかるシート材張着方法は、シート材の裏
面側が仕切材層となっているので、シート材に含まれて
いる瀝青物質が電磁誘導加熱や経年によって下張材に付
着一体化してしまうことを有効に阻止できる。したがっ
て、解体時にシート材を下張材から剥がし取っても下張
材に瀝青物質が残存せず、下張材の確実なリサイクルを
実現できる。
【0037】請求項16に係る発明は、下張材の表面側
に請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の誘導加
熱対応型シート材を敷き広げた後、前記誘導加熱対応型
シート材の表面側から前記導電材層を電磁誘導加熱して
前記熱可塑性接着材層を溶融することにより、前記誘導
加熱対応型シート材と前記下張材とを接着する、ことを
特徴とするシート材張着方法である。
【0038】かかるシート材張着方法は、建物に下張材
を固着する固着具とは無関係に、電磁誘導加熱方式によ
って下張材に誘導加熱対応型シート材を張着するもので
ある。誘導加熱対応型シート材はシート材の裏面側に誘
導加熱部材を取り付けたものである。誘導加熱部材は、
導電材層を含むとともに、少なくとも裏面側に熱可塑性
接着材層を有している。そして、熱可塑性接着材層を導
電材層の電磁誘導加熱によって溶融し、誘導加熱対応型
シート材と下張材とを接着する。このように、ステープ
ルを用いずに下張材に誘導加熱対応型シート材を張着す
るので、解体時には、誘導加熱対応型シート材を下張材
から剥がし取って、ステープルなどの異物が残存してい
ない再生利用可能な状態で下張材を分別回収できる。ま
た、ステープルで孔を空けずに誘導加熱対応型シート材
を下張材に張着するので、特にシート材が防水紙である
場合には、その防水性能を減じることがない。また、固
着具の導電性を利用しないので、固着具として非導電性
のものを用いることも可能である。なお、解体後に、誘
導加熱部材の裏面側の熱可塑性接着材層が下張材に付着
した状態で残ってしまうこともあるので、この熱可塑性
接着材は、合板用接着剤として用いられる素材等、下張
材のリサイクル時に支障のない素材からなるものである
ことが望ましい。また、誘導加熱対応型シート材は誘導
加熱部材を含むものであるので、別途の誘導加熱部材を
下張材に仮留めする手間も不要である。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の実施の形態を詳細に説明する。なお、説明におい
て、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略
する。
【0040】<第一実施形態>図1は、本発明に係るシ
ート材張着構造及びシート材張着方法の第一実施形態を
説明するための断面図である。
【0041】図1(a)は、建物の木造屋根の垂木1
に、下張材たる野地合板2が導電性固着具たる釘3で留
め付けられている状態を示している。釘3は、その頭部
3aが野地合板2の表面側に露出した状態で野地合板2
及び垂木1に打ち込まれている。そして、釘3の頭部3
aには、熱可塑性接着材4が塗布されている。この熱可
塑性接着材4は、一定温度以上に加熱されると軟化・溶
融するとともに、それ以下の温度に冷却されると再び固
化する性質をもった酢酸ビニル系(溶液型、エマルショ
ン型)、ポリビニルアルコール(水溶液)、アクリル
(溶液型、エマルション型)、アスファルト系(溶液
型、エマルション型)等の接着剤であり、具体的には、
酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリスチ
レン樹脂等からなるものである。なお、熱可塑性接着材
4は、現場で釘3を打ち込んだ後に釘3の頭部3aに塗
布するようにしてもよいし、現場搬入前に予め釘3の頭
部3aに塗布しておいてもよい。
【0042】次に、図1(b)に示すように、野地合板
2の表面側にシート材たるアスファルトルーフィング5
を敷き広げる。ここで必要に応じて、アスファルトルー
フィング5を野地合板2に対して仮留めすることが望ま
しいが、このときアスファルトルーフィング5を破損し
て防水性能を減じないように注意すべきである。なお、
アスファルトルーフィング5の層構成については後述す
る。
【0043】最後に、図1(c)に示すように、誘導加
熱器6(たとえば特開2000−220288公報参
照)を用いてアスファルトルーフィング5の裏面側にあ
る釘3の頭部3aを電磁誘導加熱により発熱させ、釘3
の頭部3aに塗布されている熱可塑性接着材4を加熱溶
融する。具体的には、アスファルトルーフィング5の表
面側から誘導加熱器6の渦巻状の加熱コイル6aをアス
ファルトルーフィング5の表面に近接させ、この状態で
加熱コイル6aに高周波電流を供給し、加熱コイル6a
に交流磁界を発生させる。すると、磁力線Mがアスファ
ルトルーフィング5を通過して、電磁誘導の法則により
導電体である釘3の頭部3aに渦電流Dが発生し、この
渦電流Dによるジュール熱で釘3の頭部3aが発熱し
て、熱可塑性接着材4が溶融する。
【0044】そして、このまま時間が経過すれば、アス
ファルトルーフィング5の裏面に密着したまま溶融した
熱可塑性接着材4が再び固化するので、アスファルトル
ーフィング5と釘3,3,…とが接着され、アスファル
トルーフィング5が野地合板2の表面側に張着されるこ
とになる。その後、必要に応じて、アスファルトルーフ
ィング5の表面に仕上を施せばよい。
【0045】なお、アスファルトルーフィング5,5の
重ね合わせ部は、図2(a)に示す層構成の帯形状のア
ルミテープ8A(誘導加熱部材)を用いて処理する。こ
のアルミテープ8Aは、導電材層としてのアルミ箔8a
の表裏両面側に熱可塑性接着材4a,4bがそれぞれ層
状に設けられたものである。導電材層は、誘導加熱器を
用いた電磁誘導加熱によって発熱する層であればよく、
したがってアルミ以外の金属や、導電性のポリマーシー
ト、フィルム等からなるものとしてもよい。
【0046】そして、図2(b)に示すように、一方の
アスファルトルーフィング5Aの端辺部に沿ってその表
面側にアルミテープ8Aを配置(仮留めしてもよいし、
しなくてもよい。)しておき、他方のアスファルトルー
フィング5Bの端辺部の裏面側を重ね合わせて配置(仮
留めしてもよいし、しなくてもよい。)する。この状態
でアスファルトルーフィング5Bの表面側から誘導加熱
器6を用いてアルミテープ8Aのアルミ箔8aを電磁誘
導加熱すると、アルミ箔8aの裏面側の熱可塑性接着材
4bが溶融してアスファルトルーフィング5Aとアルミ
テープ8Aとが接着されるとともに、アルミ箔8aの表
面側の熱可塑性接着材4aが溶融してアスファルトルー
フィング5Bとアルミテープ8Aとが接着される。
【0047】このように、ステープルを用いずにアスフ
ァルトルーフィング5を野地合板2の表面側に張着して
あるので、屋根を解体するときにアスファルトルーフィ
ング5を野地合板2から剥がし取れば、図3(a)に示
すように、野地合板2には釘3しか残らなくなる。そし
て、図3(b)に示すように、野地合板2を垂木1から
取り外すときに釘3も抜き取られるため、結果的に異物
が一切残らない状態で野地合板2を分別回収でき、野地
合板2を破砕してパーティクルボードなどに容易に再生
利用することができる。
【0048】また、ステープルを用いずにアスファルト
ルーフィング5を野地合板2の表面側に張着してあるの
で、アスファルトルーフィング5に孔が空いて防水性能
が減じられるおそれもない。さらに、野地合板2を垂木
1に固着するための釘3の導電性を利用してこれを電磁
誘導加熱し、熱可塑性接着材4を溶融するので、導電性
を有する別途の誘導加熱部材などを用意したり配置する
手間が不要である。
【0049】ここで、シート材たるアスファルトルーフ
ィング5の層構成について説明する。アスファルトルー
フィング5は、図4に示すように、基材層5aの表面側
に瀝青物質層5b、鉱物質粉粒層5cを順に重ねるとと
もに、基材層5aの裏面側に瀝青物質層5d、仕切材層
5eを順に重ねた、全体として五層構成のシート形状と
なっている。
【0050】基材層5aは、アスファルトルーフィング
5に寸法安定性や形態保持性を付与する機能を果たすも
のであり、具体的には、厚手の紙(原紙)、織布、合成
繊維のような有機繊維、不織布、ガラス繊維マットのよ
うな鉱物繊維不織布等からなるものである。基材層5a
は、パラフィン、重質油あるいは瀝青物質で前処理して
防水性を高めたものであることが望ましい。なお、基材
層5aは、通常、製品加工のために必要であるが、これ
がなくても瀝青物質層5b,5d等を含むアスファルト
ルーフィング5をシート材として形成できるのであれ
ば、なくてもよい。
【0051】瀝青物質層5b,5dは、アスファルトル
ーフィング5に防水性を付与する機能を果たすものであ
る。具体的には、ストレートアスファルト、ブローンア
スファルト、改質アスファルト等からなる層であるが、
釘孔シール性、耐水性、耐久性の観点からは改質アスフ
ァルトからなる層であることが望ましい。なお、本発明
における瀝青物質層はシート材中に層として存在すれば
足り、その位置や層数は任意に定めうる。また、シート
材が防水性の不要なものである場合等においては、瀝青
物質層を含まなくてもよい。
【0052】鉱物質粉粒層5cは、アスファルトルーフ
ィング5において最も表面側に位置する層であり、その
裏面側の各層(特に瀝青物質層5b,5d)を保護する
とともに、施工時の防滑性を付与する機能を果たす。な
お、鉱物質粉粒層5cをなくすこともできる。
【0053】仕切材層5eは、瀝青物質層5b,5dが
環境温度下で、また電磁誘導加熱によって軟化し、下張
材(野地合板2)の表面に付着しないように遮断する層
であって、具体的には紙、合成樹脂フィルム、合成繊維
不織布(目付20g/m2以上、好ましくは40g/m2
以上)等からなるものである。したがって、シート材に
瀝青物質層が含まれていない場合には、仕切材層をなく
すこともできる。
【0054】<第二実施形態>図5は、本発明に係るシ
ート材張着構造及びシート材張着方法の第二実施形態を
説明するための断面図である。
【0055】図5(a),(b)は、垂木1に、野地合
板2及び誘導加熱部材たるアルミテープ8Bを釘3で留
め付ける様子を示している。つまり、アルミテープ8B
を野地合板2の表面側に配置(仮留めしても、しなくて
もよい。)しておき、このアルミテープ8Bを介して釘
3を野地合板2及び垂木1に打ち込む。したがって、釘
3は、野地合板2を垂木1に留め付ける役割とアルミテ
ープ8Bを野地合板2に留め付ける役割を兼ねている。
アルミテープ8Bは、アルミ箔8aの少なくとも表面側
に熱可塑性接着材4が層状に設けられたものである。ア
ルミテープ8Bは、釘3の一本一本に対応する小片形状
のものであってもよいし、釘3,3,…の一列ごとに対
応する帯形状のものであってもよく、アスファルトルー
フィング5の全面に対応するシート形状のものであって
もよい。
【0056】次に、図5(c)に示すように、野地合板
2の表面側にシート材たるアスファルトルーフィング5
を敷き広げる。ここで必要に応じて、アスファルトルー
フィング5を野地合板2に対して仮留めすることが望ま
しいが、このときアスファルトルーフィング5を破損し
て防水性能を減じないように注意すべきである。
【0057】そして、誘導加熱器6を用いてアスファル
トルーフィング5の裏面側にあるアルミテープ8Bのア
ルミ箔8aを電磁誘導加熱により発熱させ、アルミテー
プ8Bの表面側の熱可塑性接着材4を加熱溶融する。具
体的には、アスファルトルーフィング5の表面側から誘
導加熱器6の渦巻状の加熱コイル6aをアスファルトル
ーフィング5の表面に近接させ、この状態で加熱コイル
6aに高周波電流を供給し、加熱コイル6aに交流磁界
を発生させる。すると、磁力線Mがアスファルトルーフ
ィング5を通過して、電磁誘導の法則により導電体であ
るアルミテープ8Bのアルミ箔8aに渦電流Dが発生
し、この渦電流Dによるジュール熱でアルミ箔8aが発
熱して、熱可塑性接着材4が溶融する。
【0058】そして、このまま時間が経過すれば、アス
ファルトルーフィング5の裏面に密着したまま溶融した
熱可塑性接着材4が再び固化するので、アスファルトル
ーフィング5とアルミテープ8Bとが接着され、アスフ
ァルトルーフィング5が野地合板2の表面側に張着され
ることになる。その後、必要に応じて、アスファルトル
ーフィング5の表面に仕上を施せばよい。
【0059】なお、アスファルトルーフィング5,5の
重ね合わせ部は、第一実施形態と同様のやり方で処理す
る。
【0060】このように、ステープルを用いずにアスフ
ァルトルーフィング5を野地合板2の表面側に張着して
あるので、屋根を解体するときにアスファルトルーフィ
ング5を野地合板2から剥がし取れば、図6(a)に示
すように、野地合板2には釘3と、釘3の頭部3aと野
地合板2との間に挟まれたアルミテープ8Bの小片しか
残らなくなる。そして、図6(b)に示すように、野地
合板2を垂木1から取り外すときに釘3も抜き取られる
ため、結果的に異物が一切残らない状態で野地合板2を
分別回収でき、野地合板2を破砕してパーティクルボー
ドなどに容易に再生利用することができる。
【0061】また、ステープルを用いずにアスファルト
ルーフィング5を野地合板2の表面側に張着してあるの
で、アスファルトルーフィング5に孔が空いて防水性能
が減じられるおそれもない。さらに、垂木1に野地合板
2を固着する釘3を利用してアルミテープ8Bが野地合
板2に留め付けられるので、アルミテープ8Bを野地合
板2に留め付けるための別途の留付具は不要である。さ
らに、釘3の導電性を利用しないので、固着具として非
導電性のものを用いることも可能である。
【0062】<第三実施形態>図7は、本発明に係るシ
ート材張着構造及びシート材張着方法の第三実施形態を
説明するための断面図である。
【0063】図7(a)は、野地合板2の表面側に誘導
加熱部材たるアルミテープ8Aを配置した状態を示して
いる。アルミテープ8Aは、図2(a)に示したよう
に、アルミ箔8aの表裏両面側に熱可塑性接着材4を層
状に備えている。アルミテープ8Aは、野地合板2を垂
木1に留め付ける釘3の位置とは無関係に配置すればよ
く、野地合板2に仮留めしてもよいし、しなくてもよ
い。また、アルミテープ8Aの形状も小片形状、帯形
状、シート形状など、任意に定めうる。
【0064】次に、図7(b)に示すように、野地合板
2の表面側にシート材たるアスファルトルーフィング5
を敷き広げる。ここで必要に応じて、アスファルトルー
フィング5を野地合板2に対して仮留めすることが望ま
しいが、このときアスファルトルーフィング5を破損し
て防水性能を減じないように注意すべきである。
【0065】最後に、図7(c)に示すように、誘導加
熱器6を用いてアスファルトルーフィング5の裏面側に
あるアルミテープ8Aのアルミ箔8aを電磁誘導加熱に
より発熱させ、アルミテープ8Aの表裏両面側の熱可塑
性接着材4a,4bを加熱溶融する。具体的には、アス
ファルトルーフィング5の表面側から誘導加熱器6の渦
巻状の加熱コイル6aをアスファルトルーフィング5の
表面に近接させ、この状態で加熱コイル6aに高周波電
流を供給し、加熱コイル6aに交流磁界を発生させる。
すると、磁力線Mがアスファルトルーフィング5を通過
して、電磁誘導の法則により導電体であるアルミテープ
8Aのアルミ箔8aに渦電流Dが発生し、この渦電流D
によるジュール熱でアルミ箔8aが発熱して、熱可塑性
接着材4a,4bが溶融する。
【0066】そして、このまま時間が経過すれば、アス
ファルトルーフィング5の裏面に密着したまま溶融した
アルミテープ8Aの表裏両面側の熱可塑性接着材4a,
4bが再び固化するので、アスファルトルーフィング5
とアルミテープ8Aとが接着されるとともに、アルミテ
ープ8Aと野地合板2とが接着され、アスファルトルー
フィング5が野地合板2の表面側に張着されることにな
る。その後、必要に応じて、アスファルトルーフィング
5の表面に仕上を施せばよい。
【0067】なお、アスファルトルーフィング5,5の
重ね合わせ部は、第一実施形態と同様のやり方で処理す
る。
【0068】このように、ステープルを用いずにアスフ
ァルトルーフィング5を野地合板2の表面側に張着して
あるので、屋根を解体するときにアスファルトルーフィ
ング5を野地合板2から剥がし取れば、図8(a)に示
すように、野地合板2には釘3しか残らなくなる。な
お、このときアルミテープ8Aの裏面側の熱可塑性接着
材4が野地合板2に残ってしまうこともあるため、アル
ミテープ8Aの裏面側の熱可塑性接着材4は、合板用接
着剤として用いられる素材等、下張材のリサイクル時に
支障のない素材(たとえばゴム、プラスチック)からな
るものであることが望ましい。そして、図8(b)に示
すように、野地合板2を垂木1から取り外すときに釘3
も抜き取られるため、結果的に異物が一切残らない状態
で野地合板2を分別回収でき、野地合板2を破砕してパ
ーティクルボードなどに容易に再生利用することができ
る。
【0069】また、ステープルを用いずにアスファルト
ルーフィング5を野地合板2の表面側に張着してあるの
で、アスファルトルーフィング5に孔が空いて防水性能
が減じられるおそれもない。さらに、釘3の導電性を利
用しないので、固着具として非導電性のものを用いるこ
とも可能である。
【0070】<第四実施形態>図9(a)は本発明に係
る誘導加熱対応型シート材の一実施形態の層構成を表す
断面図であり、図9(b)〜(d)はいずれも図9
(a)の誘導加熱対応型シート材における誘導加熱部材
の配置例を表す裏面側斜視図である。また、図10は、
図9に示した誘導加熱対応型シート材を使用した、本発
明に係るシート材張着構造及びシート材張着方法の第四
実施形態を説明するための断面図である。
【0071】図9(a)に示すように、誘導加熱対応型
シート材9は、シート材たるアスファルトルーフィング
5の裏面側に、誘導加熱部材たるアルミテープ8Cを一
体に取り付けたものである。アルミテープ8Cは、アル
ミ箔8aの少なくとも裏面側に熱可塑性接着材4を層状
に設けたものである。アルミテープ8Cのアスファルト
ルーフィング5の裏面側への取り付け方は特に限定され
るものではなく、たとえば接着剤等で接着してもよい
し、アスファルトルーフィング5の製造時にアルミテー
プ8Cを一体に組み込むようにしてもよい。ここで、ア
スファルトルーフィング5の裏面側におけるアルミテー
プ8Cの位置、形状等は任意に定めることができる。た
とえば、図9(b)は、アスファルトルーフィング5の
裏面側に小片形状のアルミテープ8C,8C,…を配置
した誘導加熱対応型シート材の一例であり、図9(c)
は、アスファルトルーフィング5の裏面側に帯形状のア
ルミテープ8C,8C,…を列状に配置した誘導加熱対
応型シート材の一例である。さらに、図9(d)は、ア
スファルトルーフィング5の裏面の全面にシート形状の
アルミテープ8Cを配置した誘導加熱対応型シート材の
一例である。
【0072】そして、図10(a)に示すように、野地
合板2の表面側に誘導加熱対応型シート材9を敷き広げ
る。このとき、誘導加熱対応型シート材9の裏面側のア
ルミテープ8Cの位置は、野地合板2を垂木1に留め付
ける釘3の位置とは無関係に配置すればよい。また、必
要に応じて、誘導加熱対応型シート材9を野地合板2に
対して仮留めすることが望ましいが、このときアスファ
ルトルーフィング5を破損して防水性能を減じないよう
に注意すべきである。
【0073】次に、図10(b)に示すように、誘導加
熱器6を用いて誘導加熱対応型シート材9の裏面側のア
ルミテープ8Cのアルミ箔8aを電磁誘導加熱により発
熱させ、アルミテープ8Cの裏面側の熱可塑性接着材4
を加熱溶融する。具体的には、誘導加熱対応型シート材
9の表面側から誘導加熱器6の渦巻状の加熱コイル6a
を誘導加熱対応型シート材9の表面に近接させ、この状
態で加熱コイル6aに高周波電流を供給し、加熱コイル
6aに交流磁界を発生させる。すると、磁力線Mが誘導
加熱対応型シート材9のアスファルトルーフィング5を
通過して、電磁誘導の法則により導電体であるアルミテ
ープ8Cのアルミ箔8aに渦電流Dが発生し、この渦電
流Dによるジュール熱でアルミ箔8aが発熱して、熱可
塑性接着材4が溶融する。
【0074】そして、このまま時間が経過すれば、野地
合板2の表面に密着したまま溶融したアルミテープ8C
の裏面側の熱可塑性接着材4が再び固化するので、誘導
加熱対応型シート材9と野地合板2とが接着される。そ
の後、必要に応じて、誘導加熱対応型シート材9の表面
に仕上を施せばよい。
【0075】なお、誘導加熱対応型シート材9,9の重
ね合わせ部は、第一実施形態と同様のやり方で処理す
る。
【0076】このように、ステープルを用いずに誘導加
熱対応型シート材9を野地合板2の表面側に張着してあ
るので、屋根を解体するときに誘導加熱対応型シート材
9を野地合板2から剥がし取れば、図11(a)に示す
ように、野地合板2には釘3しか残らなくなる。なお、
このときアルミテープ8Cの裏面側の熱可塑性接着材4
が野地合板2に残ってしまうこともあるため、この熱可
塑性接着材4は、合板用接着剤として用いられる素材
等、下張材のリサイクル時に支障のない素材(たとえば
ゴム、プラスチック)からなるものであることが望まし
い。そして、図11(b)に示すように、野地合板2を
垂木1から取り外すときに釘3も抜き取られるため、結
果的に異物が一切残らない状態で野地合板2を分別回収
でき、野地合板2を破砕してパーティクルボードなどに
容易に再生利用することができる。
【0077】また、ステープルを用いずにアスファルト
ルーフィング5を野地合板2の表面側に張着してあるの
で、アスファルトルーフィング5に孔が空いて防水性能
が減じられるおそれもない。さらに、釘3の導電性を利
用しないので、固着具として非導電性のものを用いるこ
とも可能である。また、誘導加熱対応型シート材9は誘
導加熱部材たるアルミテープ8Cを含むものであるの
で、別途の誘導加熱部材を野地合板2に仮留めする手間
も不要である。
【0078】以上、本発明の実施形態について説明して
きたが、本発明はこれらに限定されるわけではなく、適
宜の変更を加えて実施されるべきものである。たとえ
ば、シート材の施工部位は屋根に限らず、壁や床、天井
等であってもよい。シート材はアスファルトルーフィン
グに限らず、アスファルトフェルト、ターポリン紙、タ
ールフェルト等の他の防水紙であってもよいし、ビニー
ルクロス、CFシート等の防水紙以外のシート材であっ
てもよい。また、下張材は合板に限らず、プラスターボ
ードや構造用合板、パーティクルボード等のあらゆる非
導電性の板材を用いることができる。なお、下張材は板
形状のものである必要はなく、角材等とすることも可能
である。さらに導電性固着具は釘に限らず、ラグスクリ
ューやボルト、ビス等、種々のものを用いることができ
る。
【0079】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、解体時
に、シート材を下張材から剥がし取ることにより、ステ
ープルなどの異物が残存していない再生利用可能な状態
で下張材を回収できるので、分別回収の手間がかから
ず、資源の有効利用を図ることができる。また、ステー
プルで孔を空けたりせずにシート材を下張材に張着でき
るので、特にシート材が防水紙である場合には、その防
水性能の低下を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシート材張着構造及びシート材張
着方法の第一実施形態を説明するための断面図である。
【図2】(a)は誘導加熱部材の層構成の一例を説明す
るための断面図であり、(b)は(a)の誘導加熱部材
を使用してアスファルトルーフィングの重ね合わせ部分
を処理する方法を説明するための断面図である。
【図3】図1に示したシート材張着構造の解体時の様子
を説明するための断面図である。
【図4】図1のアスファルトルーフィングの層構成を表
す断面図である。
【図5】本発明に係るシート材張着構造及びシート材張
着方法の第二実施形態を説明するための断面図である。
【図6】図5に示したシート材張着構造の解体時の様子
を説明するための断面図である。
【図7】本発明に係るシート材張着構造及びシート材張
着方法の第三実施形態を説明するための断面図である。
【図8】図7に示したシート材張着構造の解体時の様子
を表す断面図である。
【図9】(a)は本発明に係る誘導加熱対応型シート材
の一実施形態の層構成を表す断面図であり、(b)〜
(d)はいずれも、(a)の誘導加熱対応型シート材に
おける誘導加熱部材の配置例を表す裏面側斜視図であ
る。
【図10】本発明に係るシート材張着構造及びシート材
張着方法の第四実施形態を説明するための断面図であ
る。
【図11】図10に示したシート材張着構造の解体時の
様子を表す断面図である。
【図12】(a)は従来の木造屋根の野地合板へのアス
ファルトルーフィングの張着状態を表す断面図であり、
(b)は(a)のアスファルトルーフィングを剥がし取
った状態を表す断面図である。
【符号の説明】
1 … 垂木 2 … 野地合板 3 … 釘 3a … 頭部 4 … 熱可塑性接着材 5 … アスファルトルーフィング 5a … 基材層 5b,5d … 瀝青物質層 5c … 鉱物質粉粒層 5e … 仕切材層 6 … 誘導加熱器 6a … 加熱コイル 7 … ステープル 8 … アルミテープ 8a … アルミ箔 9 … 誘導加熱対応型シート材 D … 渦電流 M … 磁力線
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29L 9:00 B29L 9:00 (72)発明者 羽鳥 圭介 東京都千代田区五番町6−2 ホーマット ホライゾンビル5階 三井ホーム株式会社 内 (72)発明者 田島 常雄 東京都足立区小台1丁目3番1号 田島ル ーフィング株式会社内 (72)発明者 高橋 芳徳 東京都足立区小台1丁目3番1号 田島ル ーフィング株式会社内 (72)発明者 山崎 肇 東京都足立区小台1丁目3番1号 田島ル ーフィング株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AC00A AJ20A AK01C AR00B AT00A BA03 BA07 BA10A BA10C CB00C GB07 JB16C JD05A JG01B JL12C JL16 4F211 AC03 AD08 AE03 AE04 AG03 AH46 TC01 TH30 TN16 TN43

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート材と、このシート材の裏面側に取
    り付けられた誘導加熱部材と、を備え、 前記誘導加熱部材が、導電材層を含むとともに裏面側に
    熱可塑性接着材層を備える、ことを特徴とする誘導加熱
    対応型シート材。
  2. 【請求項2】 前記シート材の裏面側の全面に前記誘導
    加熱部材が取り付けられていることを特徴とする請求項
    1に記載の誘導加熱対応型シート材。
  3. 【請求項3】 前記シート材が、瀝青物質層を含んで防
    水性を発揮するものであることを特徴とする請求項1又
    は請求項2に記載の誘導加熱対応型シート材。
  4. 【請求項4】 前記シート材が、裏面側に仕切材層を備
    えるものであることを特徴とする請求項3に記載の誘導
    加熱対応型シート材。
  5. 【請求項5】 下張材と、この下張材を建物に固着する
    導電性固着具と、この導電性固着具のうちの前記下張材
    の表面側に露出している部分に設けられた熱可塑性接着
    材と、前記下張材の表面側に敷き広げられたシート材
    と、を備え、 前記導電性固着具と前記シート材とが、前記導電性固着
    具が電磁誘導加熱されることによって溶融した前記熱可
    塑性接着材を介して接着されてなる、ことを特徴とする
    シート材張着構造。
  6. 【請求項6】 下張材と、この下張材の表面側に配置さ
    れた誘導加熱部材と、この誘導加熱部材を前記下張材に
    留め付けるとともに該下張材を建物に固着する固着具
    と、前記下張材の表面側に敷き広げられたシート材と、
    を備え、 前記誘導加熱部材が、導電材層を含むとともに表面側に
    熱可塑性接着材層を備え、 前記誘導加熱部材と前記シート材とが、前記導電材層が
    電磁誘導加熱されることによって溶融した前記熱可塑性
    接着材層を介して接着されてなる、ことを特徴とするシ
    ート材張着構造。
  7. 【請求項7】 下張材と、この下張材の表面側に配置さ
    れた誘導加熱部材と、前記下張材の表面側に敷き広げら
    れたシート材と、を備え、 前記誘導加熱部材が、導電材層を含むとともに表面側及
    び裏面側に熱可塑性接着材層を備え、 前記誘導加熱部材と前記シート材とが、前記導電材層が
    電磁誘導加熱されることによって溶融した前記表面側の
    熱可塑性接着材層を介して接着され、 前記誘導加熱部材と前記下張材とが、前記導電材層が電
    磁誘導加熱されることによって溶融した前記裏面側の熱
    可塑性接着材層を介して接着されてなる、ことを特徴と
    するシート材張着構造。
  8. 【請求項8】 前記シート材が、瀝青物質層を含んで防
    水性を発揮するものであることを特徴とする請求項5乃
    至請求項7のいずれか一項に記載のシート材張着構造。
  9. 【請求項9】 前記シート材が、裏面側に仕切材層を備
    えるものであることを特徴とする請求項8に記載のシー
    ト材張着構造。
  10. 【請求項10】 下張材と、この下張材の表面側に敷き
    広げられた請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載
    の誘導加熱対応型シート材と、を備え、 前記誘導加熱対応型シート材と前記下張材とが、前記導
    電材層が電磁誘導加熱されることによって溶融した前記
    熱可塑性接着材層を介して接着されてなる、ことを特徴
    とするシート材張着構造。
  11. 【請求項11】 下張材を建物に固着する導電性固着具
    のうちの前記下張材の表面に露出している部分に熱可塑
    性接着材を設け、前記下張材の表面側にシート材を敷き
    広げた後、前記シート材の表面側から前記導電性固着具
    を電磁誘導加熱して前記熱可塑性接着材を溶融すること
    により、前記シート材と前記導電性固着具とを接着す
    る、ことを特徴とするシート材張着方法。
  12. 【請求項12】 導電材層を含むとともに表面側に熱可
    塑性接着材層を備える誘導加熱部材を下張材の表面側に
    配置して、前記下張材を前記誘導加熱部材とともに固着
    具で建物に固着し、前記下張材の表面側にシート材を敷
    き広げた後、前記シート材の表面側から前記導電材層を
    電磁誘導加熱して前記熱可塑性接着材層を溶融すること
    により、前記シート材と前記誘導加熱部材とを接着す
    る、ことを特徴とするシート材張着方法。
  13. 【請求項13】 導電材層を含むとともに表面側及び裏
    面側に熱可塑性接着材層を備える誘導加熱部材を下張材
    の表面側に配置し、前記下張材の表面側にシート材を敷
    き広げた後、前記シート材の表面側から前記導電材層を
    電磁誘導加熱して前記両熱可塑性接着材層を溶融するこ
    とにより、前記シート材と前記誘導加熱部材とを接着す
    るとともに前記誘導加熱部材と前記下張材とを接着す
    る、ことを特徴とするシート材張着方法。
  14. 【請求項14】 前記シート材が、瀝青物質層を含んで
    防水性を発揮するものであることを特徴とする請求項1
    1乃至請求項13のいずれか一項に記載のシート材張着
    方法。
  15. 【請求項15】 前記シート材が、裏面側に仕切材層を
    備えるものであることを特徴とする請求項14に記載の
    シート材張着方法。
  16. 【請求項16】 下張材の表面側に請求項1乃至請求項
    4のいずれか一項に記載の誘導加熱対応型シート材を敷
    き広げた後、前記誘導加熱対応型シート材の表面側から
    前記導電材層を電磁誘導加熱して前記熱可塑性接着材層
    を溶融することにより、前記誘導加熱対応型シート材と
    前記下張材とを接着する、ことを特徴とするシート材張
    着方法。
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