JP2003163504A - 可変型バンドパスフィルタ及びそれを用いたデュプレクサ - Google Patents

可変型バンドパスフィルタ及びそれを用いたデュプレクサ

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JP2003163504A
JP2003163504A JP2001362386A JP2001362386A JP2003163504A JP 2003163504 A JP2003163504 A JP 2003163504A JP 2001362386 A JP2001362386 A JP 2001362386A JP 2001362386 A JP2001362386 A JP 2001362386A JP 2003163504 A JP2003163504 A JP 2003163504A
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circuit
bandpass filter
capacitance
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Sotaro Kukida
壮太郎 久木田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はフィルタ特性で選択性が高く、無負
荷Qの高い可変型バンドパスフィルタを提供することに
ある。 【解決手段】本発明は、一端が短絡端、他端が開放端と
なるストリップ線路SL1、SL2に、コンデンサCi
nと制御電圧の印加により容量成分が変動するチューナ
ブルコンデンサCtとが直列接続した容量回路を並列に
接続して成る共振回路を、結合用コンデンサC2を介し
て互いに結合するとともに、前記コンデンサと前記チュ
ーナブルコンデンサCtとの接続部分に制御電圧端子C
ONTを配した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部の制御電圧の
制御により通過帯域特性を含む周波数特性を変化させる
ようにした可変型バンドパスフィルタおよびそれを用い
たデュプレクサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、共振回路単体は、多層回路基板へ
の形成が容易なためストリップ線路を中心に形成されて
いた。そして、このような共振回路において、共振周波
数を任意に制御できる可変型共振回路は、図11に示さ
れるように、ストリップ線路Reに、コンデンサC、可
変容量ダイオードDとを直列接続した容量回路を並列に
接続していた。そして、可変容量ダイオードDのカソー
ドに、制御電圧端子CONTから制御電圧を印加できる
制御電圧制御回路(インダクタンス成分Lc、容量成分
Ccとから構成)RFCCを接続していた。この制御電
圧制御回路RFCCを介して所望の共振周波数が得られ
るような制御電圧を供給していた。これにより、ストリ
ップ線路Reで発生する等価的な容量成分に、コンデン
サC及び可変容量ダイオードDで構成される容量回路の
容量成分が合成され、その結果、共振周波数を変化させ
ることができる。
【0003】そして、このような共振回路を、例えば2
つの合成されることによりバンドパスフィルタを構成で
きる。そのバンドフィルタの回路図を図12に示す。
【0004】図12において、Re1は第1の共振回路
部A(共振回路と制御電圧制御回路RFCCと1つと見
なして)側の共振素子であるストリップ線路であり、R
e2は第2の共振回路部B(共振回路と外部電圧制御回
路RFCCと1つと見なして)側の共振素子であるスト
リップ線路であり、C10は例えば入力信号の結合用コ
ンデンサであり、C11は、2つの共振回路部A、Bの
結合容量を構成するコンデンサであり、C12は例えば
出力信号の結合用コンデンサである。即ち、ストリップ
線路Re1の開放端側はコンデンサC10を介して信号
入力端子に接続されるとともに、同時に共振回路部Aの
ストリップ線路Re1の開放端は、結合用コンデンサC
11を介して共振回路部Bのストリップ線路Re2の開
放端に接続されている。また、ストリップ線路Re2の
開放端側はコンデンサC12を介して信号出力端子に接
続される。
【0005】このようなバンドパスフィルタにおいて
は、制御電圧制御回路RFCCを介して可変容量ダイオ
ードDに供給される制御電圧により、通過帯域周波数を
選択させる(シフト)させることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の通過帯
域を可変させることができる上述のバンドパスフィルタ
においては、その選択急峻性(肩特性)が非常に悪いと
いう問題があった。このため、周波数のシフトができた
としても、その結果、通過させる周波数を厳密に制御す
ることが困難であった。
【0007】通過帯域の中心周波数をf1から、f2、
f3にシフトさせたフィルタ特性をみたとき、コンデン
サCと可変容量ダイオードDは、例えば2GHz付近の
Qの周波数特性が10〜20と非常に悪いため、そのフ
ィルタ波形のすそ野が広がってしまい、急峻性(肩特
性)が低下してしまう。これは、ストリップ線路Re自
身のQ値が良好であっても、通過帯域の周波数をシフト
させるために可変容量ダイオードDと接続した時点で、
上述のコンデンサCと可変容量ダイオードDのQ値の影
響を受けてしまうためである。
【0008】それゆえ、共振回路を組み合わせて入出力
線路を設けたフィルタでも高い無負荷Qを有することが
できないことになる。その結果、近年要求されている通
過域と阻止域が近接したフィルタを設計する場合に、急
峻さの不足から設計が非常に困難となっていた。
【0009】本発明は上述の目的に鑑みて案出されても
のであり、その目的は選択性が急峻な特性を有する無負
荷Q値の高いフィルタ及び前記フィルタを用いたデュプ
レクサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、一端が短絡
端、他端が開放端となるストリップ線路に、コンデンサ
と制御電圧の印加により容量成分が変動するチューナブ
ルコンデンサとが直列接続した容量回路を並列に接続し
て成る共振回路を、結合用コンデンサを介して互いに結
合するとともに、前記コンデンサと前記チューナブルコ
ンデンサとの接続部分に制御電圧端子を配した可変型バ
ンドパスフィルタである。
【0011】また、アンテナ端子、受信端子、送信端子
を有するとともに、アンテナ端と受信端子との間及びア
ンテナ端子と送信端子との間に、上述の可変型バンドパ
スフィルタを配置したデュプレクサである。
【作用】本発明ではフィルタを構成する共振回路に、共
振周波数を可変させるための手段として、ストリップ線
路に並列に電圧制御可能なチューナブルコンデンサから
なる容量回路を配置した。特に、チューナブルコンデン
サは、無負荷Q値が高いため、チューナブルコンデンサ
を用いても高いQ値により、全体の選択性が安定かつ良
好(特性が急峻)し、充分な減衰量が得られる。その結
果、この共振回路を組み合わせたフィルタにおいては通
過帯域特性が急峻化して、選択性の非常に良好な可変型
フィルタとなる。また、チューナブルコンデンサの印加
電圧−容量特性のリニアリティーが良好なため、制御電
圧に対する通過帯域の変化にリニアリティーもたせるこ
とが可能であり、フィルタの周波数特性を共振器のQを
下げることなくシフトさせることが出来る。
【0012】尚、コンデンサは、並列共振回路の容量成
分の一部を構成し、直流の制御電圧が安定してチューナ
ブルコンデンサに印加されるようにするためのものであ
る。
【0013】また、本発明は前記フィルタによって送信
フィルタと受信フィルタを設けて、デュプレクサを構成
できる。このような構成では、フィルタの周波数特性の
選択性が良好となるため、受信信号の受信周波数と送信
信号のとの送受信周波数を共振器のQを下げることなく
シフトさせることができる。
【0014】さらに、本発明は前記共振器、前記フィル
タまたは前記デュプレクサを設けて通信装置を構成す
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の可変型バンドパス
フィルタ及びデュプレクサについて説明する。
【0016】図1は本発明の可変型バンドパスフィルタ
の回路図であり、図2は可変型バンドパスフィルタを構
成する共振回路の回路図であり、図5は可変型バンドパ
スフィルタの平面図であり、図6は可変型バンドパスフ
ィルタの分解斜視図である。
【0017】図1に示す可変型バンドパスフィルタは、
図2に示す2以上の可変共振回路が結合用コンデンサに
より接合して構成される。その共振回路を図2に基づい
て用いて説明する。
【0018】図2において、共振回路の中心を成す共振
素子としてストリップ線路SLが用いられている。共振
素子とては種々考えられるが、特にストリップ線路SL
は多層回路基板に通常の配線パターン及びグランド導体
膜と同一工程で且つ近似した構造で形成することができ
ることから望ましい。
【0019】このストリップ線路SLの一端は信号側端
(開放端)となり、他端はグランド電位に接続する短絡端
側となる。そして、このストリップ線路SLに並列に、
即ち、開放端と短絡端を結ぶように、コンデンサCi
n、チューナブルコンデンサCtとが直列接続した容量
回路Yが接続されている。また、この共振回路には制御
電圧制御回路RFCCを具備している。尚、制御電圧制
御回路RFCCは、インダクタンス成分(コイル)L
c、容量成分(コンデンサ)Ccとから構成され、チュ
ーナブルコンデンサCtに印加する電圧が供給される制
御電圧端子CONTを有している。この制御電圧制御回
路RFCCは、高周波遮断回路として動作して、例えば
ストリップ線路SLの開放端側に流れる高周波成分が制
御電圧端子CONTやグランド電位に流れることがない
ようにしている。具体的には、インダクタンス成分Lc
により高周波信号の遮断を行い、また、容量成分Ccに
よって、グランド電位に制御信号をグランド電位に落ち
ないようにしている。
【0020】そして、この制御電圧端子CONTに制御
電圧を供給することにより、制御電圧が制御電圧制御回
路RFCCを介してチューナブルコンデンサCtに印加
される。これにより、チューナブルコンデンサCtの端
子間に直流電圧が印加されて、チューナブルコンデンサ
Ctが安定した直線性でその容量成分の変化が達成でき
る。その結果、この可変されたチューナブルコンデンサ
Ctの容量成分とコンデンサCinの容量成分が(直列
容量回路Y)により直列的に合成され、この合成容量成
分が、ストリップ線路SLで構成される共振回路部の容
量成分と並列合成される。即ち、LC共振回路の容量成
分部分の一部がチューナブルコンデンサCtの容量成分
の可変により共振周波数を可変させることができる。
【0021】そして、可変型バンドパスフィルタは、図
1に示すように、このような構造の共振回路が共振回路
Aと共振回路Bとして用いられる。即ち、共振回路Aと
共振回路Bとは結合用コンデンサC2によって互いに容
量結合される。具体的には各共振回路A、Bのストリッ
プ線路SLの開放端側を結合用コンデンサC2が接続さ
れている。これにより両共振回路A、Bの共振特性が合
成され、所定通過帯域を有するフィルタ特性が得られ
る。
【0022】尚、図1中、コンデンサC1及びC3は入
出力容量コンデンサであり、この可変型パンドパスフィ
ルタと接続する外部回路との高周波信号のマッチングを
とるものである。
【0023】図3は、本発明のバンドパスフィルタにお
ける周波数シフトさせた時(中心周波数をf1からf
2、f3とシフトさせた)のフィルタ特性を示す概略特
性図である。本発明に用いるチューナブルコンデンサC
tを有する本発明では、従来の技術例の可変容量ダイオ
ードDVを用いた場合に比較して、非常に急峻な波形が
得られる。これは無負荷Qが極めて高いものチューナブ
ルコンデンサCtを用いたためであり、特に過帯域特性
(波形)でも特に急峻さが得られ、通過帯域近傍でも周
波数選択性が向上することになる。
【0024】しかも、このチューナブルコンデンサCt
は図4に示すように、可変容量ダイオードDVに比較し
て制御電圧に対する容量成分の変化において、非常安定
したリニアリティーを有している。これにより、制御電
圧の値と所望の周波数(通過帯域周波数)の制御におい
て非常に簡単にあり、また、制御電圧を広い範囲で変化
させても安定したリニアリティーが得られることにな
る。
【0025】このような可変型バンドパススィルタは、
複数の誘電体層を積層した積層基板に形成される。そし
て、この積層基板に例えば2つ共振回路A、Bが形成さ
れる。例えば、図5に示すように積層基板41の表面
に、夫々の制御電圧制御回路RFCCを構成するインダ
クタンス成分Lc、コンデンサCc及び容量回路Yを構
成するチューナブルコンデンサCtがチップ部品として
実装されている。尚、図では便宜上、符号は回路図と同
一にする。また、積層基板41の表面は、容量回路Yを
構成するコンデンサCinを形成する容量電極42a、
42b、制御電圧制御回路RFCCを構成する配線パタ
ーン43a、43bが形成され、この容量電極42a、
42b及び配線パターン43a、43bを取り巻くよう
に表面グランド導体膜53が形成されている。また、図
6の分解斜視図において、誘電体層41a〜41fから
なる積層基板41の端面は、グランド導体膜44以外
に、2つの入出力端子電極45a、45b、2つの制御
電圧端子電極46a、46bが形成されている。また、
誘電体層41aと誘電体層41bとの間には、上述の容
量電極42a、42bに対向してコンデンサCinを形
成する容量電極を兼ねたストリップ線路SLの一部とな
る導体膜47a、47bが形成されている。
【0026】また、誘電体層41bと誘電体層41cと
の間には、共振素子を構成するストリップ線路SLとな
る導体膜48a、48bが形成されている。そして、上
述のストリップ線路SLの一部となる導体膜47a、4
7bとストリップ線路SLとなる導体膜48a、48b
が誘電体層41bに形成されたビアホール導体49a、
49bを介して接続されてストリップ線路SLを構成す
る。尚、このビアホール導体49a、49bは、ストリ
ップ線路SLとなる導体膜48a、48bの一端寄り
(開放端側)で接続されている。また、導体膜48a、
48bの他端は、誘電体層1bと1cとの間より、積層
体基板41の端面に延出し、グランド導体膜44の一部
に接続している。
【0027】また、誘電体層41cと誘電体層41dと
の間には、導体膜48a、48bの一端寄り部分に対向
するように入出力容量電極パターン50a、50bが形
成されている。この容量電極パターン50a、50bの
一部は上述の導体膜48a、48bの一部に対向すると
ともに、積層基板41の端面にまで延出され、入出力端
子電極45a、45bに接続されている。即ち、誘電体
層41cを介して入出力容量電極パターン50aと導体
膜48aとが対向して、例えば、入力容量コンデンサC
1を構成し、同時に、誘電体層41cを介して入出力容
量電極パターン50bと導体膜48bとが対向して例え
ば、出力容量コンデンサC3を構成する。尚、このフィ
ルタにおてい入力側の共振回路、出力側の共振回路が対
象となっているため、入力、出力を区別せず単に入出力
容量や入出力端子電極などという場合もある。
【0028】また、誘電体層41dと誘電体層41eと
の間には、隣接しあう2つの導体膜48a、48bの一
端寄り部分に対向するように形成された結合用コンデン
サC2を形成する容量電極51が形成されている。ここ
で、容量電極51は、導体膜48a及び48bに跨がっ
て対向するように形成される。そして、上述の入出力容
量電極50a、50bと物理的に回避させるなどして、
導体膜48a及び48bとの間で安定して結合用コンデ
ンサC2を構成できるように、容量電極51、入出力容
量電極パターン50a、50bとが配置されている。
【0029】尚、誘電体層41fは、その裏面側、即
ち、積層基板41の裏面にグランド導体膜52が形成さ
れており、例えばこのグランド導体膜52を誘電体層4
1eの裏面に形成すれば誘電体層41fは不要となる。
【0030】このような積層基板41では、ストリップ
線路SLとなる導体膜48a、48b(47a、47
b)が、積層基板41の表面及びまたは裏面に形成され
たグランド導体膜53、52と対向し、その対向部分で
容量成分が発生する。導体膜48a、48b(47a、
47b)の開放端側から短絡端まで距離に対応してイン
ダクタンス成分が発生する。この容量成分とインダクタ
ンス成分とで、ストリップ線路SLが共振素子としてL
C共振回路を構成する。
【0031】そして、上述の結合用の容量電極51によ
って、導体膜48a、48bとの間で発生する容量成分
(コンデンサC2)で互いに結合されて、バンドフィル
タを構成する。即ち、入力端子電極45aに供給された
高周波信号は、入力電極パターン50a、ストリップ線
路SLの導体膜48を中心に形成された共振回路Aにな
がれ、共振回路Aに結合した共振回路Bから出力電極パ
ターン50b、出力端子電極45bに伝送されることに
なる。
【0032】次に、制御電圧制御回路RFCCの接続を
説明する。一方、例えは共振回路Aにおいて、電圧制御
回路RFCCを構成する配線パターン43aは制御電圧
端子電極46aに接続し、積層基板41の表面に形成さ
れた容量電極42aの近傍にまで延びている。そして、
配線パターン43aと容量電極42aとは、チップコイ
ルであるインダクタンス成分Lcを介して接続されてい
る。また、積層基板41の表面において、配線パターン
43aと近傍の表面のグランド導体膜53とは、チップ
コンデンサであるコンデンサCcによって接続されてい
る。
【0033】また、容量電極パターン42aと近傍の表
面グランド導体膜53とは、トリマブルコンデンサCt
によって接続されている。即ち、制御電圧端子電極46
aから供給された制御電圧は、配線電極パターン43a
を介して供給され、グランド電位との間の電位差がチュ
ーナブルコンデンサCtの容量成分を調整することがで
きる。即ち、ストリップ線路SLの一部である導体膜4
7aからグランド電位をみたときに、ストリップ線路S
Lの他端である導体膜48の他端がグランドに接続する
とともに、容量電極42aとの間で形成されるコンデン
サCin、チューナブルコンデンサCtを介してグラン
ドに接続されることになる。即ち、容量電極42aとの
間で形成されるコンデンサCin、チューナブルコンデ
ンサCtが上述の容量回路Yが形成され、この容量回路
Yとストリップ線路SLとが互いに並列接続される。
【0034】ここで、上述のチューナブルコンデンサC
t2の構造を説明する。
【0035】次に、チューナブルコンデンサCtについ
て説明する。チューナブルコンデンサCtは、図7
(a)(b)に示すように、支持基板61、下部電極層
62、電圧印加により誘電率が変化する高誘電体層63
及び上部電極層64、保護膜65が順次被着して形成さ
れている。支持基板61はセラミック、サファイア基板
などからなる。その表面には、(111)面に配向した
Pt、Auまたはそれらの固溶体からなる下部電極層6
2が形成されている。そして、この下部電極62の一部
上には、少なくともBa、Sr、Tiを含有するペロブ
スカイト型酸化物結晶粒子からなる高誘電体層63が被
着形成されている。この高誘電体層63は、ペロブスカ
イト型酸化物において(BaxSr1-x)TiO 3におけ
るxの範囲が0.4から0.6となっている。また、高
誘電体層63の膜厚が1μm以下であるとともに、前記
誘電体層を構成する誘電体結晶粒子が等軸晶であり、該
結晶粒子の平均粒径が0.5μm以下である。
【0036】また、高誘電体層63は、組成(Ba、S
r)Tix3におけるxの範囲が0.7〜0.9として
もよい。
【0037】そして、このような高誘電体層63上に、
上部電極層64を配置する。この上部電極層64はP
t、Auなどの薄膜導体膜から構成される。そして、高
誘電体層63を避けるように下部電極層62、上部電極
層64には、半田バンプなどの端子電極66、66が形
成され、支持基板61上に、端子電極66、66のみが
露出するように樹脂や無機物金属などから絶縁保護65
が被覆されている。そして、このような構造のチューナ
ブルコンデンサCtは、積層基板41の容量電極パター
ン42aとグランド電位の導体膜53に夫々一方の端子
電極66が被着するように接合されている。
【0038】このような可変型バンドパスでは、一方の
共振回路Aで説明したが、他方の共振回路B側も同様の
構成となっている。
【0039】このようなバンドパスフィルタにおいて、
一方側の共振回路Aに供給する制御電圧を選択的に所定
値の電圧を印加することにより、共振回路Aの共振波形
によって構成されるフィルタ特性の一部を周波数のシフ
トが可能となる。同様に、他方の共振回路Bに供給する
制御電圧を選択的に所定値の電圧を印加することによ
り、共振回路Bの共振波形によって構成されるフィルタ
特性の一部を周波数のシフトが可能となる。こられによ
り、フィルタの通過帯域特性を制御電圧によって周波数
シフトすることができ、しかも、仮に、容量回路Yをス
トリップ線路SLに並列的に接続したとしても、ストリ
ップ線路SLを有するQ値を劣化させることがなく、非
常に高い急峻性の高い(肩特性に優れた)、即ち選択性
の高いフィルタ特性を任意に可変させることができる。
【0040】次に、このような可変型バンドパスを用い
たデュプレクサについて説明する。このような可変型バ
ンドパスフィルタを、通信機器などのアンテナと受信回
路及び送信回路に選択するスイッチ回路として用いるこ
とが有用である。図8は、形態電話のアンテナ回路周辺
の高周波回路の概要を示すブロック図である。図におい
て、ANTはアンテナであり、TXは送信回路であり、
RXは受信回路である。送信回路TXは、ミキサーMI
Xa、バンドパスフィルタBPF、アンプAMPa、デ
ュプレクサDPXを介してアンテナANTに接続されて
いる。また、アンテナANTは、デュプレクサDPX、
バンドパスフィルタBPFb、アンプAMPb、ミキサ
ーMIXbを介して受信回路RXに接続されている。
尚、そのほかに、ミキサーMIXa、MIXbには、発
信源OSCから分周回路DIV、バンドパスフィルタB
PFcを介して基準周波数が供給される。
【0041】このような通信機器のアンテナスイッチ回
路において、上述の各バンドパスフィルタBPFa〜B
PFcに適用できる。さらに、本発明ではデュプレクサ
DPXに上述の可変型バンドパスフィルタを適用するこ
とが重要となる。
【0042】即ち、制御電圧により、選択性の高い通過
帯域が得られるため、例えば受信信号の周波数帯域から
実際に通信に使用する通話周波数をデュプレクサDPX
の可変型バンドパスフィルタで制御できる。また、例え
ば、送信信号の周波数帯域から実際に通信に使用する周
波数についても同様である。
【0043】このようなデュプレクサDPXは、図9に
示す回路図ように構成されている。図において、図1で
示した可変型バンドパスフィルタを送信回路側のバンド
パスフィルタに用い、さらに、ストリップ線路SL3、
ストリップ線路SL4を中心とする受信回路側の可変型
バンドパスフィルタBPFを付加している。送信回路側
の可変型バンドパスフィルタは、コンデンサC3を介し
てアンテナ端子ANTに接続するとともに、コンデンサ
C1を介して送信側端子Txが形成されている。この送
信側端子Txは、送信側処理回路の図8のアンプAMP
aに接続されている。また、ストリップ線路SL3、ス
トリップ線路SL4を中心とする可変型バンドパスフィ
ルタBPFは、受信回路側の可変型バンドパスフィルタ
であり、コンデンサC4を介してアンテナ端子ANTに
接続するとともに、コンデンサC6を介して受信側端子
Rxが形成されている。この受信側端子Rxは、受信側
処理回路の図8のバンドパスフィルタBPFbに接続さ
れている。
【0044】即ち、ストリップ線路SL1、ストリップ
線路SL2を中心とする可変型バンドパスフィルタBP
Fは、非常に狭い通過帯域を有し、しかも、送信信号の
周波数の範囲で可変できるようにする。即ち、送信に使
用する周波数に応じて、その周波数帯のみをこの可変型
バンドパスフィルタから通過するように、チューナブル
コンデンサCt1、Ct2に供給される制御電圧を制御
する。
【0045】また、ストリップ線路SL3、ストリップ
線路SL4を中心とする可変型バンドパスフィルタBP
Fは、非常に狭い通過帯域を有し、しかも、受信信号の
周波数の範囲で可変できるようにする。即ち、受信に使
用する周波数に応じて、その周波数帯のみをこの可変型
バンドパスフィルタから通過するように、チューナブル
コンデンサCt3、Ct4に供給される制御電圧を制御
する。
【0046】このように設定すれば、デュプレクサDP
Xを構成する2つの可変型バンドパスフィルタ(送信側
のバンドパスフィルタと受信側のバンドパスフィルタ)
とを夫々独立に制御でき、しかも、実際に送受信が行な
われている信号のみをこのフィルタで通過させることが
でき、送信信号が受信信号に、また送信信号が受信信号
に悪影響(ノイズ)を与えることがなく、また、実際に
使用している周波数帯の信号のみを簡単に選択すること
ができる。これは、上述したようにバンドパスフィルタ
の選択性(肩特性)が良好であるため、このように、使
用周波数のみを簡単に抽出し、隣接するチャンネル周波
数を減衰できることができる本発明ではじめて達成でき
るものである。
【0047】図10は、このデュプレクサDPXの分解
斜視図である。基本的には、図5の可変型バンドパスフ
ィルタの分解斜視図に比較して、積層基板に2つの可変
型フィルタが形成されていること、積層基板には、アン
テナ端子電極、送信側端子電極、受信側端子電極が形成
されているが相違する。
【0048】積層基板100の1つの端面(紙面の奥行
き面)には、例えば、アンテナ端子電極101、4つの
制御端子電極102a〜102d、各端子電極101、
102a〜102dを分断するように形成された6つの
グランド導体膜103を有している。
【0049】また、積層基板100を構成する誘電体層
100aと誘電体層100bとの間には、送信側の可変
型バンドパスフィルタを構成する2つのストリップ線路
SL1、SL2の一部となる導体膜47a、47b及び
受信側の可変型バンドパスフィルタを構成する2つのス
トリップ線路SL3、SL4の一部となる導体膜47
c、47dが形成されている。
【0050】また、誘電体層100bと誘電体層100
cとの間には、送信側の可変型バンドパスフィルタを構
成する2つのストリップ線路SL1、SL2となる導体
膜48a、48b及び受信側の可変型バンドパスフィル
タを構成する2つのストリップ線路SL3、SL4とな
る導体膜48c、48dが形成されている。
【0051】また、誘電体層100cと誘電体層100
dとの間には、送信側の可変型バンドパスフィルタと送
信端子Txである端子電極145aとを接続する配線電
極パターン150a、送信側の可変型バンドパスフィル
タ及び受信側の可変型バンドパスフィルタとアンテナ端
子電極101とを接続する配線電極パターン150b、
受信側の可変型バンドパスフィルタと受信端子Rxであ
る端子電極145bに接続する配線電極パターン150
cが形成されている。また、誘電体層100dと誘電体
層100eとの間には、送信側の可変型バンドパスフィ
ルタのストリップ線路SL1、ストリップ線路SL2と
を接合する結合用容量電極151a、受信側の可変型バ
ンドパスフィルタのストリップ線路SL3、ストリップ
線路SL4とを接合する結合用容量電極151bが形成
されている。
【0052】図5と制御端子電極の形成位置はことなる
ものの、夫々のストリップ線路SL1〜ストリップ線路
SL4及びそれに接続する容量回路Y1〜Y4を夫々単
独に制御できることになる。尚、図5及び図10におい
て、積層基板41、100を構成する各誘電体層は、誘
電体セラミック材料と低温焼成化を可能とする酸化物や
低融点ガラス材料から構成されるものであり、積層基板
41、101内に形成するストリップ線路SL1〜スト
リップ線路SL4となる導体膜やビアホール導体や各種
容量電極、電極配線は、高周波信号の導損を考慮して、
銅を主成分とする導体材料や比較的取り扱いが容易な銀
を主成分とする導体材料が用いられる。また、積層基板
41、100の表面に形成する各種端子電極、グランド
導体膜は、銅を主成分とする導体材料や比較的取り扱い
が容易な銀を主成分とする導体材料からなり、さらに、
半田付け性を考慮して、表面に金メッキなどが施され
る。また、図1中または図9に示す積層基板内に形成す
るコンデンサ(入出力コンデンサや結合用コンデンサ)
は、容量電極と導体膜の対向する面積を制御して、ま
た、その間に存在する誘電体層の厚みを制御することに
より、その容量値をより幅広く設定することが出来る。
【0053】また、上述の実施例では、可変型バンドパ
スフィルタは2つの共振回路を結合用コンデンサによっ
て結合して構成しているが、共振回路を2つ以上に用い
て、その間に結合用コンデンサで結合して構成しても構
わない。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、可変型バンドパスフィ
ルタは、ストリップ線路とチューナブルコンデンサを含
む容量回路とが並列的に接続した共振回路を複数接合し
て形成されている。そして、このチューナブルコンデン
サに供給する制御電圧により、フィルタを変化させてい
る。特に、チューナブルコンデンサは、容量成分変特性
のリニアリティーを良好であるため、その制御が非常に
簡単となり、広い周波数領域で変化させることができ
る。しかも、チューナブルコンデンサは、共振回路のQ
値を劣化させることがないため、フィルタの通過帯域の
選択性(肩特性)を良好することができる。
【0055】また、このようなフィルタを組み合わせた
デュプレクサでは、送受信される周波数帯域の中で、実
際の通話に必要な送信信号の周波数帯のみを、また、受
信信号の周波数帯のみを選択性高く抽出・通過させるこ
とができる。このため、デュプレクサが1個で済み、そ
の周波数制御(シフト制御)が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可変型バンドパスフィルタの回路図で
ある。
【図2】本発明の可変型バンドパスフィルタを構成する
共振回路の回路図である。
【図3】図2に示す共振回路の特性変化を示す特性図で
ある。
【図4】本発明に用いるチューナブルコンデンサのリニ
アリティーを示す特性図である。
【図5】本発明の可変型バンドパスフィルタの透視した
状態の平面図である。
【図6】本発明の可変型バンドパスフィルタの分解斜視
図である。
【図7】(a)は本発明に用いるチューナブルコンデン
サの断面図であり、(b)はその実装面側の平面図であ
る。
【図8】デュプレクサを用いた通信機器のアンテナスイ
ッチ回路の概要図である。
【図9】本発明のデュプレクサの回路図である。
【図10】本発明のデュプレクサの分解斜視図である。
【図11】従来の可変型バンドパスフィルタを構成する
共振回路の回路図である。
【図12】従来の可変型バンドパスフィルタの回路図で
ある。
【図13】図11に示す共振回路の特性を示す特性図で
ある。
【符号の説明】
SL1〜SL4 ストリップライン ct、ct1〜ct4 チューナブルコンデンサ DPX デュプレクサ 41、100 積層基板 47a、47b ストリップ線路の一部となる導体膜 48a、48b ストリップ線路の導体膜 42a、42b 容量電極パターン 43a、43b 配線パターン Cin、Cin1〜Cin4 コンデンサ RFCC 制御電制御回路 Lc コイル Cc コンデンサ CONT:制御端子 ANT:アンテナ端子 Tx 送信端子 Rx 受信端子 BPF(BPFa〜BPFc) バンドパスフィルタ MIX(MIXa、MIXb) ミキサー OSC オシレータ DIV 分配器 AMP(AMPa、AMPb) アンプ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H03H 7/12 H03H 7/12 7/46 7/46 A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一端が短絡端、他端が開放端となるストリ
    ップ線路に、コンデンサと制御電圧の印加により容量成
    分が変動するチューナブルコンデンサとが直列接続した
    容量回路を並列に接続して成る複数の共振回路を、結合
    用コンデンサを介して互いに結合するとともに、前記コ
    ンデンサと前記チューナブルコンデンサとの接続部分に
    制御電圧端子を配したことを特徴とする可変型バンドパ
    スフィルタ。
  2. 【請求項2】アンテナ端子、受信端子、送信端子を有す
    るとともに、アンテナ端と受信端子との間及びアンテナ
    端子と送信端子との間に、それぞれ請求項1記載の可変
    型バンドパスフィルタを配置したことを特徴とするデュ
    プレクサ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008507235A (ja) * 2004-07-22 2008-03-06 ノースロップ グルムマン スペース アンド ミッション システムズ コーポレイション スイッチフィルタバンクおよびスイッチフィルタバンクを作成する方法
JP4855407B2 (ja) * 2005-09-14 2012-01-18 京セラ株式会社 可変共振回路、フィルタ装置、通信装置および可変共振回路の温度特性調整方法

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JP2008507235A (ja) * 2004-07-22 2008-03-06 ノースロップ グルムマン スペース アンド ミッション システムズ コーポレイション スイッチフィルタバンクおよびスイッチフィルタバンクを作成する方法
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