JP4855407B2 - 可変共振回路、フィルタ装置、通信装置および可変共振回路の温度特性調整方法 - Google Patents

可変共振回路、フィルタ装置、通信装置および可変共振回路の温度特性調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、携帯電話等の通信機器およびフィルタまたは発振器等の高周波部品に使用される共振回路として、印加電圧によって比誘電率が変化する誘電体層を有し、容量が変化することにより共振周波数を可変とすることができる可変容量コンデンサを用いた可変共振回路に関し、特に、共振周波数および共振周波数可変率の温度変化による特性変化を抑制した、即ち温度特性の優れた可変共振回路に関する。さらに本発明は、該可変共振回路を用いたフィルタ装置、通信装置、および可変共振回路の温度特性調整方法に関する。
従来から、インダクタまたは伝送線路等のインダクタ成分を含むインピーダンス素子と可変容量コンデンサとを組み合わせた可変共振回路が知られており、このような可変共振回路は電圧制御発振器や電圧制御可変フィルタまたは不要な高調波成分およびノイズ成分を除去するためのノッチ回路等の共振回路として用いられている。
例えば、特開2003−110321号公報には、チタン酸ストロンチウムやチタン酸ストロンチウムバリウム等のペロブスカイト構造の強誘電体酸化物薄膜を誘電体層に用いて、これを挟持する上部電極層と下部電極層との間に所定の制御電圧を印加することによって、誘電体層の比誘電率を変化させて容量を変化させることで共振周波数を変化させることのできる可変容量コンデンサを用いた可変共振回路が提案されている。
しかしながら、特開2003−110321号公報に提案された可変容量コンデンサの比誘電率は温度変化によっても変化してしまう。また、可変容量コンデンサの容量可変率は、一般に比誘電率が大きい方が大きくなることが知られている。このことから、比誘電率の温度依存性によって容量値および容量可変率に温度特性が生じる。このため、このような可変容量コンデンサを用いた可変共振回路の共振周波数および共振周波数の変化率は周囲の温度に応じて異なるものとなり、所望の共振特性を安定して得ることができないという問題点があった。例えば、この可変共振回路をフィルタに利用した場合には、周波数選択性、通過特性および減衰特性等が周囲の温度に応じて変化するという問題点がある。
本発明は以上のような従来の技術における問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、周囲の温度変化による共振周波数および共振周波数変化率等の共振特性の変化を抑制できるという、温度特性の優れた可変共振回路を提供するとともに、該可変共振回路を用いたフィルタ装置、通信装置および可変共振回路の温度特性調整方法を提供することである。
本発明は、温度に対する比誘電率の変化が温度係数Xである第1の誘電体を用いた可変容量コンデンサと、制御電圧の印加によって比誘電率が変化し、温度に対する比誘電率の変化が前記温度係数Xと極性が逆である温度係数Yである第2の誘電体に接地導体および線路導体を形成してなる伝送線路とを含むことを特徴とする可変共振回路である。記第1の誘電体は、制御電圧の印加によって比誘電率が変化するものである。すなわち、本発明に係る可変共振回路は、制御電圧の印加によって比誘電率が変化し、温度に対する比誘電率の変化が温度係数Xである第1の誘電体を用いた可変容量コンデンサと、制御電圧の印加によって比誘電率が変化し、温度に対する比誘電率の変化が前記温度係数Xと極性が逆である温度係数Yである第2の誘電体に接地導体および線路導体を形成してなる伝送線路とを含む。また、前記可変容量コンデンサの容量値と前記温度係数Xの絶対値(以下、|X|とする)との積と、前記伝送線路の等価容量値と前記温度係数Yの絶対値(以下、|Y|とする)との積と実質的に等しい。
また、本発明において、前記伝送線路の前記線路導体は、少なくとも一部が前記第2の誘電体の表層に形成され、かつ複数の切断可能な分岐部を有していることを特徴とする。
また、本発明において、前記伝送線路は、λg/4(λg:前記伝送線路を伝搬する高周波信号の実効波長)の奇数倍の長さを有しており一端が高周波接地用容量を介して接地され、他端が前記可変容量コンデンサとともに信号入力端子に接続され、前記一端と前記高周波接地用容量との間に制御電圧が印加されることを特徴とする。
また、本発明において、前記可変容量コンデンサおよび前記伝送線路のうちの少なくともいずれか一方に接続される直流制限容量素子をさらに含むことを特徴とする。
また、本発明において、前記可変容量コンデンサと前記伝送線路とは並列に接続されることを特徴とする。
また、本発明において、前記可変容量コンデンサと前記伝送線路とは直列に接続されることを特徴とする。
また、本発明において、前記第1の誘電体および前記第2の誘電体は、チタン酸バリウムストロンチウムからなることを特徴とする。
また、本発明は、入力端子と出力端子とグランド端子とを有し、前記入力端子と前記出力端子とをつなぐ入出力ライン上、または前記入出力ラインとグランド端子との間に、上記可変共振回路を設けたことを特徴とするフィルタ装置である。
また、本発明の通信装置は、上記フィルタ装置を有する、受信回路および送信回路の少なくとも一方を備えることを特徴とする通信装置である。
また、本発明は、制御電圧によって比誘電率が変化し、温度に対する比誘電率の変化が温度係数Xである第1の誘電体を用いた可変容量コンデンサと、制御電圧によって比誘電率が変化し、温度に対する比誘電率の変化が前記温度係数Xと極性が逆である温度係数Yである第2の誘電体に接地導体および線路導体を形成してなる伝送線路とを含む可変共振回路の温度特性調整方法であって、前記可変容量コンデンサの容量値と前記温度係数Xの絶対値との積と、前記伝送線路の等価容量値と前記温度係数Yの絶対値との積が実質的に等しくなるように、前記可変容量コンデンサの容量値、前記温度係数X、前記伝送線路の等価容量値、前記温度係数Yのいずれかを調整することを特徴とする可変共振回路の温度特性調整方法である。
また、本発明において、前記伝送線路の前記線路導体を、少なくとも一部が前記第2の誘電体の表層に、複数の切断可能な分岐部を有するように形成し、前記分岐部を切断して前記伝送線路の等価容量値を調整することを特徴とするものである。
本発明の目的、特色、および利点は、下記の詳細な説明と図面とからより明確になるであろう。
本発明の一実施形態の可変共振回路の実施の形態を示す等価回路図である。 本発明の複数の切断可能な分岐部を有する可変伝送線路の線路導体の一例を示す部分拡大平面図である。 本発明の他の実施形態の可変共振回路を示す等価回路図である。 本発明のさらに他の実施形態の可変共振回路を示す等価回路図である。 本発明の一実施形態のフィルタ装置を示す等価回路図である。 本発明の他の実施形態のフィルタ装置を示す等価回路図である。 本発明の一実施形態の通信装置を示すブロック図である。 本発明の複数の切断可能な分岐部を有する可変伝送線路の線路導体の他の例を示す部分拡大平面図である。 図9A〜図9Cは、それぞれ本発明の伝送線路の例を示す断面図である。 図10A〜図10Cは、それぞれ図4に示す可変共振回路の平面図および断面図である。
以下、本発明の可変共振回路について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態の可変共振回路を示す等価回路図である。
ここで、図1において、可変容量コンデンサとして、第1の誘電体としての薄膜誘電体層を有するものを用い、インダクタとして、第2の誘電体としての誘電体層に接地導体および線路導体を形成してなる伝送線路を用いたものを例に説明する。
図1に示す等価回路図において、符号Ctは可変容量コンデンサであり、Ttは伝送線路としてのλg/4可変伝送線路、Ccは高周波接地用容量を形成する高周波接地用コンデンサ、L1,L2は制御電圧を供給するためのRF阻止インダクタ成分を含むチョークコイルであり、Sは信号入力端子、V1,V2は制御電圧を印加するための電圧制御端子、Cdは電圧制御端子V1,V2を分離するとともに信号入力端子Sへの直流成分を制限するための直流制限容量素子である。ここで、λgは信号入力端子Sから入力される高周波信号がλg/4可変伝送線路Ttを伝搬する際の実効波長である。
図1において、信号入力端子Sと接地電位との間に、直流制限容量素子Cdと可変容量コンデンサCtとが直列に接続された回路を、直流制限容量素子Cdとλg/4可変伝送線路Ttと高周波接地用コンデンサCcとが直列に接続された回路に並列に接続している。さらに、直流制限容量素子Cdと可変容量コンデンサCtとの間にチョークコイルL1を介して電圧制御端子V1が接続され、直流制限容量素子Cdとλg/4可変伝送線路Ttとの間にチョークコイルL2を介して電圧制御端子V2が接続されている。
直流制限容量素子Cdは、図1に示す例では可変容量素子Ct側の回路およびλg/4可変伝送線路Tt側の回路にそれぞれ1つずつ設けたが、信号入力端子Sに可変容量素子Ct側の回路およびλg/4可変伝送線路Tt側の回路が並列に接続される部位から信号入力端子S側に直流制限容量素子Cdを1つ設けた場合には、可変容量素子Ct側の回路またはλg/4可変伝送線路Tt側の回路のうちの一方に設ければ良い。
電圧制御端子V1から制御電圧が供給されると、制御電圧は、電圧制御端子V1からRF阻止チョークコイルL1を介して、可変容量コンデンサCtに印加される。
また、電圧制御端子V2から制御電圧が供給されると、電流は、電圧制御端子V2からRF阻止チョークコイルL2を介して、λg/4可変伝送線路Ttの線路導体を通り、高周波接地用コンデンサCcを通りグランド(接地電位)に流れるため、λg/4可変伝送線路Ttの線路導体と接地導体との間に制御電圧が印加される。
また、直流制限容量素子Cdは、直流成分が信号入力端子S側に漏れることを阻止するとともに、制御電圧V1,V2間に電位差を持たせることができるため、制御電圧V1,V2を分離することができる。このため、制御電圧V1,V2は、各々独立して制御することが可能となる。
RF阻止チョークコイルL1,L2は、信号入力端子Sから高周波信号が直接制御電圧端子V1,V2に流れないよう遮断するためのものである。
可変容量コンデンサCtは、制御電圧によって比誘電率が変化し、温度に対する比誘電率の変化が温度係数Xである薄膜誘電体層を挟持する上部電極層および下部電極層からなる。このような構成の可変容量コンデンサCtを用いることによって、薄膜誘電体層は印加される制御電圧に応じた所定の誘電率となるため、可変容量コンデンサCtの容量値を所望の値に制御することができる。薄膜誘電体層には電圧の印加によってその比誘電率が変化する高誘電体層であれば何を用いても良い。また、上部電極層および下部電極層には導電性を有する層であれば何を用いても良い。例えば、可変容量コンデンサCtを形成する支持基板にサファイアのR基板を用い、この基板上に下部電極層にPt,薄膜誘電体層に(BaSr1−x)Ti(0≦x≦1,0<y≦1),上部電極層にPt/Au(下層/上層を示す。以下、同様である。)を用いた構成の可変容量コンデンサCtを形成すれば、Q値が高く高周波回路に適した素子とすることができる。なお、薄膜誘電体層の比誘電率の温度係数Xは、薄膜誘電体層の組成比,膜厚,成膜温度等を変えることにより変えることができる。また、各電極層をGAP構成にすることで下部電極層が不要となるので、作製,集積化等が容易な素子にすることができる。
λg/4可変伝送線路Ttは、図9A〜図9Cに示すように、誘電体層11に接地導体12および線路導体10を形成して構成されるマイクロストリップ線路(図9A)、コプレナー線路(図9B)、ストリップ線路(図9C)等である。図9Aにおいて、誘電体層11の一方主面に線路導体10が形成されており、誘電体層11の他方主面の全面に接地導体12が形成されている。図9Bにおいて、誘電体層11の一方主面に線路導体10が形成され、該一方主面に、線路導体10を挟むように間隔をあけて配置された2つの接地導体12が形成されている。図9Cにおいて、誘電体層11の両主面全面に接地導体12が形成され、誘電体層11の内部に線路導体10が形成されている。このように、線路導体10と接地導体12との間に生じる電界の間に誘電体層11が存在する構成としたことで、λg/4可変伝送線路Ttを形成することができる。このような構成のλg/4可変伝送線路Ttを用いることによって、誘電体層は印加される制御電圧に応じた所定の誘電率となるため、λg/4可変伝送線路Ttの等価容量値を所望の値に制御することができる。接地導体および線路導体には導電性を有する材料を用い、誘電体層には、温度に対する比誘電率の変化が温度係数Xと極性が逆である温度係数Yであり、制御電圧の印加によってその比誘電率が変化する材料を用いた構成とする。例えば、接地導体にPt,誘電体層に(BaSr1−x)Ti(0≦x≦1,0<y≦1)を用い、線路導体にPt/Auを用いた構成とすればよく、誘電体層の比誘電率の温度係数Yは誘電体層の組成比、成膜温度等を変えることにより調整することができる。また、誘電体層を異なった組成または材料を用いた複数の層で構成しても構わない。
具体的には、組成比をBaリッチ、例えば(Ba0.85Sr0.15)Ti0.85とすれば温度係数は正となり、組成比をSrリッチ、例えば(Ba0.2Sr0.8)Ti0.85とすれば温度係数は負となる。
また、可変容量コンデンサCtの薄膜誘電体層及びλg/4可変伝送線路Ttの誘電体層に応力等により歪みを加えることで温度係数を制御することが出来る。つまり、キュリー点を使用温度範囲未満にすると温度係数は負に、キュリー点を使用温度範囲を超えるようにすると温度係数は正となる。
また、誘電体層および薄膜誘電体層は、上述のチタン酸バリウムストロンチウムに加え、Bi−Zr−Nb系酸化物(BZN)、Sr−Bi−Ta系酸化物(SBT)、Pb−La−Ti系酸化物(PLT)を用いることができる。
図1の等価回路図において、高周波領域では可変伝送線路Ttはλg/4先端短絡型の伝送線路と見ることができ、共振周波数付近ではLC並列共振回路と等価となる。ここで可変伝送線路Ttの等価インダクタをL,等価容量をCとする。
温度Tでの可変伝送線路Ttの等価容量Cの初期値をC1,可変容量コンデンサCtの容量値の初期値をCt1とすると、共振周波数f1は、f1=1/(2π(L・(C1+Ct1))1/2)となる。また、電圧制御端子V1から制御電圧(印加電圧)Vaを印加したときの可変容量コンデンサCtの容量値をCt2、電圧制御端子V2から制御電圧Vbを印加したときの可変伝送線路Ttの等価容量Cの容量値をC2とすると、共振周波数f2は、f2=1/(2π(L・(C2+Ct2))1/2)となる。つまり、印加電圧によって可変容量コンデンサCtの容量値および可変伝送線路Ttの等価容量Cの容量値を調整することで、可変共振回路の共振周波数を任意の値に変化させることが出来る。
このような可変容量コンデンサCtおよび可変伝送線路Ttの容量および等価容量は周囲の温度によっても変化する。
ここで、可変容量コンデンサCtの比誘電率の温度係数をXとし、X=(εrc’−εrc)/((T’−T)・εrc)(εrc:温度Tによる薄膜誘電体層の比誘電率,εrc’:温度T’による薄膜誘電体層の比誘電率)とすると、容量値は比誘電率に比例するため、可変容量コンデンサCtの温度Tによる容量値Ct1は、温度T’では容量値Ct1’=Ct1+Ct1・X・(T’−T)となる。
同様に、可変伝送線路Ttの比誘電率の温度係数をYとし、Y=(εrt’−εrt)/((T’−T)・εrt)(εrt:温度Tによる誘電体層の比誘電率,εrt’:温度T’による誘電体層の比誘電率)とすると、温度Tによる容量値C1は、温度T’では容量値C1’=C1+C1・Y・(T’−T)となる。
このため、温度T’での共振周波数f1’は、f1’=1/(2π(L・(C1’+Ct1’))1/2)=1/(2π(L・(C1+C1・Y・(T’−T)+Ct1+Ct1・X・(T’−T)))1/2)となる。ここで、温度係数X,Yは互いに極性(符号)が逆であるため、本発明の可変共振回路によれば、温度変化に対する可変容量コンデンサCtの容量値の変化を、可変伝送線路Ttの等価容量値の変化が緩和するように働くため、温度変化による可変共振回路の共振周波数の変化を少なくすることができる。
また、制御電圧を同じ範囲で変化させても、温度が異なると容量変化率も異なる。容量は比誘電率に比例するが、この比誘電率は温度の関数であるためである。一般にこの比誘電率が大きくなる程容量変化率も大きくなることが知られている。例えば、温度T’によって、可変容量コンデンサCtの比誘電率が温度係数Xにより小さくなる場合には、Ctの容量変化率ΔCt’/Ct’=|Ct1’−Ct2’|/Ct1’(Ct1’:温度T’での初期容量値,Ct2’:温度T’での制御電圧印加時の容量値,Ct1’−Ct2’:容量の変化量)も小さくなるが、可変伝送線路Ttの比誘電率は極性が逆の温度係数Yのために大きくなるので、等価容量Cの容量変化率は大きくなる。したがって、温度変化に対する可変容量コンデンサの比誘電率の変化によって容量変化率が減少する場合でも、伝送線路の比誘電率の変化による等価容量変化率が増加するため、温度変化による共振回路全体での共振周波数変化率の減少を少なくすることができる。
また、可変容量コンデンサCtの容量値と温度係数Xの絶対値|X|との積と、伝送線路Ttの等価容量値と温度係数Yの絶対値|Y|との積とを実質的に等しくすることで、温度T’での共振周波数f1’=1/(2π(L・(C1+C1・Y・(T’−T)+Ct1+Ct1・X・(T’−T)))1/2)において、Ct1・X+C1・Y=0となるため、f1’=1/(2π(L・(C1+Ct1))1/2)となり、温度Tでの共振周波数f1と等しくなる。したがって、温度変化による可変共振回路の共振周波数の変化を更に少なくすることができる。
Ct1・X+C1・Y=0とするためには、可変容量コンデンサCtの初期容量値Ct1,温度係数X,可変伝送線路Ttの初期等価容量値C1,温度係数Yの少なくとも1つを調整する。
ここで、図1に示す例では、可変容量コンデンサCtとλg/4可変伝送線路Ttとを並列に接続した例について説明したが、直列に接続してもよい。両者を並列に接続すれば、共振周波数でインピーダンスが大きくなるため、信号に対してシャントとして用いると、共振周波数の近傍の信号のみ通過させることができる。また、両者を直列に接続すれば、共振周波数でインピーダンスが小さくなるため、信号に対してシャントとして用いると、共振周波数の近傍の信号のみ減衰させることができる。
ここで、可変伝送線路Ttを構成する線路導体は、少なくとも一部が誘電体層の表層に形成されているとともに、複数の切断可能な分岐部を有するものであることが好ましい。
ここで、可変容量コンデンサとしてはチップコンデンサタイプを用いてもよいし、薄膜形成法で薄膜誘電体層とそれを挟む1対の電極を積層して形成してもよい。また、インダクタとしてはチップコイルを用いてもよい。
図2は、本発明の可変共振回路を構成する、複数の切断可能な分岐部を有する可変伝送線路の線路導体の一例を示す部分拡大平面図である。図2において、線路導体10は、幹部10aと幹部10aから張り出す環状部10bとからなり、環状部10bを区切り細分化するように架橋部B,Cを有する。ここで、幹部10aと環状部10bとが重なる部位の一部A,架橋部B,Cを分岐部とする。なお、分岐部Aは、これを除去すると環状部10bを開口させることができるものである。図2では、分岐部A〜Cを分かり易くするために、他の線路導体10とは異なるハッチングを付している。
線路導体10において、初期状態では幹部10aに流れる高周波信号は最短距離であるA部を通ることになる。ここで、線路導体10のA部をレーザー等を用いて除去することで、高周波信号は幹部10aから環状部10bに入りB部を通り幹部10aに戻ることになる。したがってA部を通る場合に比べ線路導体10の線路長が長くなるため、初期状態の共振周波数より共振周波数を低く調整することが出来る。また、A部に加えてB部を除去すると高周波信号は幹部10aから環状部10bに入りC部を通り幹部10aに戻ることになるためB部を通る場合に比べ線路長が長くなるため、共振周波数を更に低く調整することが出来る。さらに、A部、B部に加えてC部を除去すると高周波信号は幹部10aから環状部10bを通り幹部10aに戻るため、線路長は最も長くなり、共振周波数を更に低く調整することが出来る。つまり、分岐部を切断することで共振周波数の調整が可能となる。
この線路導体10は、例えば可変共振回路を実装した状態でも外部からレーザ等で除去しやすくするために、少なくとも一部が誘電体層の表層に形成されていることが望ましい。
このような分岐部A〜Cを有する線路導体10を用いることで、広い周波数範囲で共振周波数を調整することができる。例えば、可変容量コンデンサCtおよび可変伝送線路Ttに比誘電率が最大となる制御電圧を印加した状態で、所望の共振周波数可変範囲のうち最大となる値を得るように、初期状態での共振周波数を可変伝送線路Ttの線路導体10の長さを調整することで設定すれば、印加電圧による可変容量コンデンサCtの容量値および伝送線路Ttの等価容量値の容量可変率を最大限まで広げることができる。このような容量可変率を最大限まで広げた可変容量コンデンサCtおよび可変伝送線路Ttを用いて所望の周波数で共振させることができるので、広い周波数範囲で共振周波数を調整することができる。
また、初期状態において上述のように可変伝送線路Ttの長さを変えることで、可変容量コンデンサCtおよび伝送線路Ttに制御電圧を印加しない状態(0V)で所望の共振周波数を得ることができるように調整すれば、所望の共振周波数を得るために必要な制御電圧を少なくすることができ、可変共振回路の消費電力を低くすることができる。
さらに、可変伝送線路Ttの長さを変えることで、可変伝送線路Ttの等価容量値を調整することができるので、温度変化による共振周波数変化をより少なくすることができる。また、可変共振回路を形成後に伝送線路Ttの等価容量値を調整することができるので、容易に温度変化による共振周波数の変化を少なくすることができる。
次に、本発明の他の実施形態の可変共振回路について説明する。図3は本発明の他の実施形態の可変共振回路を示す等価回路図である。なお、図1と同様の個所には同じ符号を付してあり、それらについては重複する説明は省略する。
図3において、信号入力端子Sと接地電位部との間に、可変容量コンデンサCtが、可変伝送線路Ttと高周波接地用コンデンサCcとが直列に接続された回路に並列接続されており、可変伝送線路Ttと高周波接地用コンデンサCcとの間に電圧制御端子V3が接続されている。電圧制御端子V3に印加される直流電圧は、可変伝送線路Ttおよび可変容量コンデンサCtに印加される。また、高周波領域では可変伝送線路Ttはλg/4先端短絡型の伝送線路と見ることができるため、十分に高いインピーダンスになっており、高周波信号が信号入力端子Sから電圧制御端子V3側へ漏れることはない。したがって、制御電圧V3を供給するためのRF阻止インダクタ成分を含むチョークコイル等の電圧供給回路が不要となり、可変共振回路の小型化が図れるとともに、可変共振回路として取り扱いが容易となる。
次に、本発明のさらに他の実施形態の可変共振回路について説明する。図4は本発明のさらに他の実施形態の可変共振回路を示す等価回路図である。なお、図1と同様の個所には同じ符号を付してあり、それらについては重複する説明は省略する。
図4において、L4,L5は、制御電圧を供給するためのRF阻止インダクタ成分を含むチョークコイルであり、V4,V5は制御電圧を印加するための電圧制御端子である。
図4において、信号入力端子Sに、直流制限容量素子Cd,可変容量コンデンサCt,λg/4可変伝送線路Ttが直列に接続されている。さらに、可変容量コンデンサCtとλg/4可変伝送線路Ttとの間にチョークコイルL4を介して電圧制御端子V4が接続され、直流制限容量素子Cdと可変容量コンデンサCtとの間にチョークコイルL5を介して電圧制御端子V5が接続されている。なお、図4においては、λg/4可変伝送線路Ttは先端開放型となっている。
図4に示す回路図を具体化した例を図10Aに示す。
なお、図9A〜図9Cに示す図面と同様の箇所には同様の符号を付す。
λg/4可変伝送線路Ttはコプレーナ線路となっており、第2の誘電体である誘電体層11上に、線路導体10と、それを両側から挟むように配置された接地導体12とが形成されている。この誘電体層11上に、線路導体10の延長線上に導体部13a,13bが形成されている。線路導体10と導体部13bとの間には可変容量コンデンサCtとしてのチップコンデンサが接合される。導体部13bと導体部13aとの間には直流制限容量素子Cdとしてのチップコンデンサが接合される。そして導体部13aが信号入力端子Sとしての機能を有する。これによって、直流制限容量素子Cd,可変容量コンデンサCt,λg/4可変伝送線路Ttが直列に接続されたものとなる。また、導体部13bと接地導体12との間にチョークコイルL5が接合される。これによって、接地導体12が電圧制御端子V5としての機能を有するものとなる。さらに、誘電体層11上には、線路導体10および接地導体12と離間して配置された導体部13cが形成されている。この導体部13cと線路導体10とがチョークコイルL4により接続されている。そして導体部13cが電圧制御端子V4としての機能を有するものとなる。このような構成とすることで、図4に示す共振回路を具体化することができる。
図10Bは図10Aの変形例を示す平面図であり、図10Cは図10BのA−A線断面図である。
図10Aと図10Bおよび図10Cとは、可変容量コンデンサCt及び直流制限容量素子Cdとして用いたチップコンデンサに代えて、誘電体層11上に薄膜形成方法で作りこんだ点で異なる。具体的には、線路導体10の延長線上に導体部13dを形成し、線路導体10と導体部13dの一端側とのそれぞれ一部を共に覆う薄膜誘電体層14を形成し、この薄膜誘電体層14の上に電極層15を形成する。これにより、線路導体10と電極層15とで薄膜誘電体層14を挟む構成により可変容量コンデンサCtを形成する。また、電極層15と導体部13dとで薄膜誘電体層14を挟む構成により直流制限容量素子Cdを形成する。ここで、導体部13dの他端側を信号入力端子Sとすると、直流制限容量素子Cd,可変容量コンデンサCt,λg/4可変伝送線路Ttが直列に接続されたものとなる。さらに、電極層15と接地導体12との間にチョークコイルL5が、線路導体10と導体部13cとの間にチョークコイルL4がそれぞれ接続される。このような構成とすることで、図4に示す共振回路を具体化することができる。
電圧制御端子V4から制御電圧が供給されると、制御電圧は、電圧制御端子V4からチョークコイルL4を介して、λg/4可変伝送線路Ttの線路導体と接地導体と間に印加される。また、同時に制御電圧は、電圧制御端子V4,V5からチョークコイルL4,L5を介して、可変容量コンデンサCtに印加される。可変容量コンデンサCtには、電圧制御端子V4,V5の電位の差分の電圧が印加されることになる。図4において、制御電圧端子V5は接地しているため、制御電圧端子V4に供給される電圧の値に等しい制御電圧が可変容量コンデンサCtに印加されることになる。
ここで図4に示すように、可変容量コンデンサCtとλg/4可変伝送線路Ttとを直列に接続すれば、共振周波数でインピーダンスを小さくすることができるため、信号に対してシャントとして用いると、共振周波数の近傍の信号のみ減衰させることができる。
次に、本発明の可変共振回路を用いてフィルタを形成した例について説明する。
図5は、本発明の一実施形態のフィルタ装置を示す等価回路図である。
図5において、入力端子Inと出力端子Outとをつなぐ入出力ラインに、図1に示す可変共振回路の信号入力端子Sが接続されている。図1に示す可変共振回路は接地電位に接続されている。このため、図5に示すフィルタ装置は、入出力ラインとグランド端子との間に可変共振回路が接続されている。このように、可変容量コンデンサCtとλg/4可変伝送線路Ttとを並列に接続し、信号に対して、シャントとして用いると、共振周波数でインピーダンスを大きくすることができるため、共振周波数の近傍の信号のみを通過させることができるバンドパスフィルタとすることができる。
図6は、本発明の他の実施形態のフィルタ装置を示す等価回路図である。
図6において、入力端子Inと出力端子Outとをつなぐ入出力ラインに、図4に示す可変共振回路の信号入力端子Sが接続されている。図4に示す可変共振回路は、λg/4可変伝送線路Ttの接地電極は、接地電位に接続されている。このため、図6に示すフィルタ装置は、入出力ラインとグランド端子との間に可変共振回路が接続されている。このように、可変容量コンデンサCtとλg/4可変伝送線路Ttとを直列に接続し、信号に対して、シャントとして用いると、共振周波数でインピーダンスを小さくすることができるため、共振周波数の近傍の信号のみを減衰させることが出来るバンド阻止フィルタとすることができる。
図5および図6では、入出力ラインとグランド端子との間に可変共振回路を接続した例について説明したが、入出力ライン上に共振回路を設けてバンドパスフィルタやバンド阻止フィルタを形成してもよい。例えば、入出力ライン上に図6に示す可変共振回路を設けてもよい。この場合には、信号入力端子Sに加えて、λg/4可変伝送線路Ttの線路導体を信号出力端子として入出力ラインに接続すればよい。
次に、本発明のフィルタ装置を用いて通信装置を形成した例について説明する。
図7は、本発明の一実施形態の通信装置を示すブロック図である。
図7において、アンテナ140に送信回路Txと受信回路Rxが分波器150を介して接続されている。送信される高周波信号は、フィルタ210によりその不要信号が除去され、パワーアンプ220で増幅された後、アイソレータ230と分波器150を通り、アンテナ140から放射される。また、アンテナ140で受信された高周波信号は、分波器150を通りローノイズアンプ160で増幅されフィルタ170でその不要信号を除去された後、アンプ180で再増幅されミキサ190で低周波信号に変換される。
図7において、分波器150、フィルタ170およびフィルタ210のいずれかに、本発明のフィルタ装置を用いれば、温度変化によるフィルタ特性の変動が少ないため、信頼性の高い通信装置とすることができる。
なお、図7では送信回路Txと受信回路Rxとを有する通信装置について説明したが、送信回路Txまたは受信回路Rxのいずれか一方を有する通信装置としてもよい。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることは何ら差し支えない。例えば、図8に示すように幹部10aから複数の環状部10b1,10b2・・・が張り出すように形成された可変伝送線路の線路導体としても構わない。また、λg/4先端短絡型の伝送線路の代わりにλg/2先端開放型の伝送線路を用いても構わない。また、λg/4先端開放型の伝送線路の代わりにλg/2先端短絡型の伝送線路を用いても構わない。さらに、図10A〜図10Cでは第2の誘電体を基板として用いた例について説明したが、基板上に、伝送線路、可変容量コンデンサ等を薄膜形成プロセスにより形成してもよい。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形態で実施できる。したがって、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、本発明の範囲は特許請求の範囲に示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲に属する変形や変更は全て本発明の範囲内のものである。
本発明によれば、温度変化による可変容量コンデンサの容量値の変化に対して、誘電体に接地導体および線路導体を形成してなる伝送線路の等価容量値の変化が可変共振回路全体での容量値の変化を抑制するように働くため、温度変化による共振周波数の変化を少なくすることができる。
また、同様に、温度変化による可変容量コンデンサの容量変化率の変化に対して伝送線路の等価容量変化率の変化が可変共振回路全体での変化を抑制するように働くため、温度変化による可変共振回路の共振周波数変化率の変化を少なくすることができる。
また、温度変化による可変容量コンデンサの容量値の変化に対して、伝送線路の等価容量値の変化が可変共振回路全体での容量値の変化を抑制するように働くため、温度変化による共振周波数の変化を少なくすることができる。
また、温度変化による可変容量コンデンサの容量値の変化を、伝送線路の等価容量値の変化が打ち消すように働くため、温度変化による可変共振回路の共振周波数の変化を更に少なくすることができる。
また、同様に温度変化による可変容量コンデンサの容量変化率の変化に対して伝送線路の等価容量変化率の変化が可変共振回路全体での変化を打ち消すように働くため、温度変化による可変共振回路の共振周波数変化率の変化を更に少なくすることができる。
本発明によれば、伝送線路の一部(分岐部)を切断して線路導体の線路長を変えることで伝送線路のインピーダンスを調整することができるので、可変共振回路の共振周波数の調整をすることができる。
また、初期状態において上述のように可変伝送線路の長さを変えることで、可変容量コンデンサおよび伝送線路に制御電圧を印加しない状態(0V)で所望の共振周波数を得ることができるように調整できるので、所望の共振周波数を得るために必要な制御電圧を少なくすることができ、可変共振回路の消費電力を低くすることができる。
本発明によれば、高周波的にはλg/4の奇数倍の長さの先端短絡線路とみることができ、信号入力端子から見た高周波帯でのインピーダンスが充分に高くなるため、制御電圧を供給するためのRF阻止インダクタ成分を含むチョークコイル等の電圧供給回路が不要となり、可変共振回路の小型化が図れるとともに、可変共振回路として取り扱いが容易となる。
本発明によれば、直流制限容量素子によって、可変容量コンデンサおよび伝送線路に制御電圧を印加するための端子を分離するとともに、信号入力端子への直流成分を制限することができる。
本発明によれば、可変容量コンデンサと伝送線路とを並列に接続することによって、共振周波数でインピーダンスが大きくなるため、信号に対してシャントとして用いると、共振周波数の近傍の信号のみ通過させることができる。
本発明によれば、可変容量コンデンサと伝送線路とを直列に接続することによって、共振周波数でインピーダンスが小さくなるため、信号に対してシャントとして用いると、共振周波数の近傍の信号のみ減衰させることができる。
本発明によれば、第1の誘電体および第2の誘電体は、誘電損失が少なく、容量変化率が高いものとなる。このため、広い周波数範囲に適応可能な可変共振回路とすることができる。また、組成を調整することにより、温度係数を調整することができるので、同一材料系で第1の誘電体および第2の誘電体を形成することができる。
本発明によれば、温度変化による特性変化の少ないフィルタ装置とすることができる。
本発明によれば、温度変化によるフィルタ特性変化の少ない通信装置とすることができる。
本発明によれば、本発明の可変共振回路の温度特性調整方法によって、温度変化による共振周波数の変化を少なくすることができる。
本発明によれば、可変共振回路を形成後に伝送線路の等価容量値を調整することができるので、容易に温度変化による共振周波数の変化を少なくすることができる。
以上により、本発明によれば、共振周波数および共振周波数可変率の温度特性に優れた可変共振回路を提供することができる。また、電圧供給回路を簡略化できるため、小型で取り扱いが容易な可変共振回路を提供することができる。

Claims (11)

  1. 温度に対する比誘電率の変化が温度係数Xである第1の誘電体を用いた可変容量コンデンサと、制御電圧の印加によって比誘電率が変化し、温度に対する比誘電率の変化が前記温度係数Xと極性が逆である温度係数Yである第2の誘電体に接地導体および線路導体を形成してなる伝送線路とを含み、
    前記第1の誘電体は、制御電圧の印加によって比誘電率が変化するものであり、
    前記可変容量コンデンサの容量値と前記温度係数Xの絶対値との積と、前記伝送線路の等価容量値と前記温度係数Yの絶対値との積とが実質的に等しいことを特徴とする可変共振回路。
  2. 前記伝送線路の前記線路導体は、少なくとも一部が前記第2の誘電体の表層に形成され、かつ複数の切断可能な分岐部を有していることを特徴とする請求項記載の可変共振回路。
  3. 前記伝送線路は、λg/4(λg:前記伝送線路を伝搬する高周波信号の実効波長)の奇数倍の長さを有しており一端が高周波接地用容量を介して接地され、他端が前記可変容量コンデンサとともに信号入力端子に接続され、前記一端と前記高周波接地用容量との間に制御電圧が印加されることを特徴とする請求項1または2に記載の可変共振回路。
  4. 前記可変容量コンデンサおよび前記伝送線路のうちの少なくともいずれか一方に接続される直流制限容量素子をさらに含むことを特徴とする請求項のいずれか1つに記載の可変共振回路。
  5. 前記可変容量コンデンサと前記伝送線路とは並列に接続されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の可変共振回路。
  6. 前記可変容量コンデンサと前記伝送線路とは直列に接続されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の可変共振回路。
  7. 前記第1の誘電体および前記第2の誘電体は、チタン酸バリウムストロンチウムからなることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の可変共振回路。
  8. 入力端子と出力端子とグランド端子とを有し、前記入力端子と前記出力端子とをつなぐ入出力ライン上、または前記入出力ラインとグランド端子との間に、請求項1〜のいずれか1つに記載の可変共振回路を設けたことを特徴とするフィルタ装置。
  9. 請求項に記載のフィルタ装置を有する、受信回路および送信回路の少なくとも一方を備えることを特徴とする通信装置。
  10. 制御電圧によって比誘電率が変化し、温度に対する比誘電率の変化が温度係数Xである第1の誘電体を用いた可変容量コンデンサと、
    制御電圧によって比誘電率が変化し、温度に対する比誘電率の変化が前記温度係数Xと極性が逆である温度係数Yである第2の誘電体に接地導体および線路導体を形成してなる伝送線路とを含む可変共振回路の温度特性調整方法であって、
    前記可変容量コンデンサの容量値と前記温度係数Xの絶対値との積と、前記伝送線路の等価容量値と前記温度係数Yの絶対値との積が実質的に等しくなるように、前記可変容量コンデンサの容量値、前記温度係数X、前記伝送線路の等価容量値、前記温度係数Yのいずれかを調整することを特徴とする可変共振回路の温度特性調整方法。
  11. 前記伝送線路の前記線路導体を、少なくとも一部が前記第2の誘電体の表層に、複数の切断可能な分岐部を有するように形成し、前記分岐部を切断して前記伝送線路の等価容量値を調整することを特徴とする請求項10記載の可変共振回路の温度特性調整方法。
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