JP2003160824A - 砒素等の稀少元素回収方法及び装置 - Google Patents

砒素等の稀少元素回収方法及び装置

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JP2003160824A JP2001359896A JP2001359896A JP2003160824A JP 2003160824 A JP2003160824 A JP 2003160824A JP 2001359896 A JP2001359896 A JP 2001359896A JP 2001359896 A JP2001359896 A JP 2001359896A JP 2003160824 A JP2003160824 A JP 2003160824A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 GaAs半導体廃棄物などの廃棄物から砒素
などの稀少元素を高純度で回収することができ、また、
廃棄物投入の度に廃棄物に還元剤を混合する作業を不要
にした廃棄物からの砒素などの稀少元素回収方法および
装置を提供する。 【解決手段】 GaAs半導体廃棄物などの廃棄物を真
空中で加熱3して蒸発させ、この廃棄物蒸気を所定範囲
の適温に保持された還元層11に導入して還元を行うス
テップと、還元層の温度を制御することにより、前記廃
棄物蒸気中のGa酸化物を還元して生成されるガリウム
を還元層表面にトラップしながら、前記廃棄物蒸気中の
砒素酸化物を還元して生成される砒素蒸気のみを還元層
から選択的に通過させて、回収部12で回収させるよう
にした、ことを特徴とするGaAs半導体廃棄物などの
廃棄物から砒素などの稀少元素を高純度で回収する方法
および装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、GaAs半導体廃
棄物などのGaAs廃棄物から砒素を回収するための方
法及び装置、並びに、砒素・ガリウム・インジウム等の
稀少元素を含む廃棄物から前記稀少元素を回収するため
の方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】多種の金属から成る廃棄物から特定の金
属を回収する方法として、従来より真空蒸発法が行われ
ている。この真空蒸発法では、加熱により蒸発した金属
蒸気を回収部で冷却・凝縮させることで回収を行ってい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記の真空蒸発法で
は、加熱温度を適当に制御することで、目的の金属を選
択的に蒸発させて回収することができる。しかし、蒸気
圧が比較的近い複数の物質が含まれる場合、目的以外の
物質も蒸発して回収物に混入するため、高品位・高精度
の分離・回収が困難であった。
【0004】例えば、GaAs廃棄物から真空蒸発法に
より砒素を回収しようとする場合、砒素の蒸気圧に比較
的近い値を持つGa酸化物(Ga2O)が回収しようと
する砒素に混入してしまうという問題があった。すなわ
ち、GaAs廃棄物から真空蒸発法で砒素を回収する場
合、廃棄物中に多結晶GaAsが多く含まれているた
め、廃棄物を前記多結晶GaAsが分解できる温度(例
えば、400℃以上)まで加熱する必要があるが、廃棄
物をこの温度まで加熱すると、砒素だけでなくGa酸化
物(Ga2O)も蒸発してしまい、砒素だけを選択的に
回収することが難しいという問題があった。
【0005】また、還元方法に着目すると、従来の方法
では、GaAs廃棄物と還元剤との接触面積を大きくす
るため、粉末状の還元剤の量を計算して廃棄物と混合し
てから投入し、処理をはじめる必要があった。しかしな
がら、この混合作業は、取扱い対象がGaAs廃棄物の
ような有害物質である場合は、危険が伴うため、好まし
くなかった。さらに、従来の方法では、未反応の還元剤
は残渣中に残り、この還元剤を分離することは非常に難
しく、還元剤を過剰に加えると廃棄物処理後の残渣を増
加させてしまうという欠点があった。
【0006】本発明は前記のような従来技術の問題点に
着目してなされたものであって、真空蒸発法を採用しな
がら、GaAs廃棄物から砒素やガリウムを有効に回収
する方法及び装置、並びに、砒素・ガリウム・インジウ
ム等の稀少元素を含む廃棄物から前記稀少元素を有効に
回収するための方法及び装置を提供することを目的とす
る。
【0007】また、本発明は、廃棄物投入の度に廃棄物
に還元剤を混合する作業を不要にして、廃棄物のみを投
入すればよいようにし、処理後は廃棄物の残渣のみが排
出されるようにした、GaAs廃棄物から砒素やガリウ
ムを回収する方法及び装置、並びに、砒素・ガリウム・
インジウム等の稀少元素を含む廃棄物から前記稀少元素
を回収するための方法及び装置を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明者は、GaAs廃棄物の蒸気中のGa酸化物
(Ga2O)を還元してガリウム(Ga)にすることで
砒素(As)との蒸気圧差を大きくし、温度制御による
分離を容易にする手段を開発した。すなわち、本発明に
おいては、GaAs廃棄物の蒸気から、砒素酸化物を還
元して金属砒素として取り出すようにすると共に、Ga
酸化物(Ga2O)を還元してガリウムに変化させてガ
リウムを蒸気から液体にして還元層に付着させることに
より、ガリウムを砒素蒸気中から除去するようにした。
【0009】また、本発明者は、廃棄物投入時に還元剤
と混合する必要がなく、処理後は廃棄物の残渣のみが排
出されるようにするため、還元層と坩堝を互いに独立し
た構成にした。すなわち、本発明では、廃棄物を加熱し
蒸発させるための坩堝と、還元剤を保持しながら、坩堝
とは別系統で加熱・制御される還元層とを備え、前記坩
堝と還元層とを直列に接続し、坩堝からの廃棄物蒸気が
前記還元層に導入されてこれを通過する途中で還元され
るようにしたものである。
【0010】本発明では、還元剤は炭素質材料で形成さ
れ、還元反応に有効な表面積を得るために、粒状にし
た。これを廃棄物蒸気が通過できるような穴を形成した
還元層容器に入れ、加熱する。還元剤は、加熱すること
が可能で、還元の効果を得られるのであればどのような
形状・材質のものであってもかまわない。
【0011】本発明において、還元層を坩堝とを別系統
で加熱制御するとは、廃棄物を蒸気に変えるための坩堝
の加熱と、その蒸気から選択的に目的元素を通過させる
ための還元層の加熱とを、それぞれ独立して制御すると
いうことである。
【0012】例えば、GaAs廃棄物を蒸発させるため
には多結晶GaAsを分解する必要があるが、このため
に廃棄物蒸発用の坩堝は約400℃以上(又は約390
℃以上)に加熱される必要がある。このとき発生する蒸
気は砒素、砒素酸化物、及びGa酸化物(Ga2O)の
混合物になっているが、この蒸気がそのまま還元層に導
かれる。このとき、還元層を例えば約900℃以下(又
は約890℃以下)に保持することで、砒素酸化物およ
びGa酸化物をそれぞれ砒素とガリウムに還元させる。
そして、この還元されて得られた砒素は400℃以上
(約390℃以上)では蒸気になるため、還元層を通過
することができる。他方、前記の還元されて得られたガ
リウムは約900℃以下(又は約890℃以下)では液
体であるため、還元剤表面に付着し、還元層を通過でき
ない。その後、前記ガリウムは還元層を約1000〜1
300℃に加熱することで、気化・蒸発させて回収する
ことが可能である。
【0013】本発明では、以上のように、還元層の温度
を制御することで、還元の効果とは別に、蒸発物質のフ
ィルターとしての効果を得ている。つまり、本発明で
は、還元層の温度を、「目的物質の沸点よりも高いが、
他の混合物質の沸点よりは低い温度」に制御・設定する
ことで、他の混合物質を液体として還元層で捕らえ、目
的物質だけを分離・回収することができる。そして、そ
の後、前記の還元層で捕らえた他の混合物質は、その蒸
発温度以上に還元層を加熱することで、蒸発させ還元層
を通過させて、回収することができる。
【0014】GaAs廃棄物の場合は、砒素を蒸発させ
て還元層を通過させ、ガリウムを液体状態で還元層に付
着させる。砒素の回収後、再度還元層を加熱してガリウ
ムを蒸発させ、回収することができる。
【0015】以上を踏まえて、本発明の具体的な構成を
述べると、次のとおりである。本発明のGaAs廃棄物
からの砒素回収方法は、真空又は真空に近い状態(1パ
スカル以下の減圧雰囲気)にした空間内で、前記GaA
s廃棄物を、坩堝を使用して、「前記GaAs廃棄物に
含まれる多結晶GaAsを分解するために必要な温度」
(例えば、約390〜400℃以上の温度)まで加熱す
ることにより、前記GaAs廃棄物を、砒素、砒素酸化
物、及びGa酸化物の混合物を含む蒸気にするステップ
と、真空又は真空に近い状態(1パスカル以下の減圧雰
囲気)にした空間内で、前記の砒素、砒素酸化物、及び
Ga酸化物の混合物を含む蒸気を、「前記蒸気中の砒素
酸化物及びGa酸化物をそれぞれ砒素とGaに還元する
ことができ、前記蒸気中の砒素及び前記砒素酸化物を還
元して得られた砒素を気化させることができ、前記Ga
酸化物を還元して得られたガリウムを気化させないで液
体の状態にしておけるような温度」(例えば、約890
〜900℃以上の温度)に加熱された還元層の中に導入
することにより、前記蒸気中の砒素酸化物とGa酸化物
をそれぞれ砒素とガリウムに還元させ、前記蒸気中の砒
素及び前記砒素酸化物を還元して得られた砒素は蒸気と
して前記還元層を通過させ、前記Ga酸化物から還元し
て得られたガリウムは液体として前記還元層に保持する
ステップと、真空又は真空に近い状態(1パスカル以下
の減圧雰囲気)にした空間内で、前記還元層を通過した
砒素を回収するステップと、を含むことを特徴とするも
のである。
【0016】また、本発明のGaAs廃棄物からの砒素
回収方法においては、さらに、真空又は真空に近い状態
(1パスカル以下の減圧雰囲気)にした空間内で、前記
ガリウムを保持した還元層を、「前記ガリウムが気化す
る温度」(例えば、約1000〜1300℃)に加熱す
ることにより、前記ガリウムを気化させて前記還元層を
通過させるステップと、真空又は真空に近い状態(1パ
スカル以下の減圧雰囲気)にした空間内で、前記還元層
を通過したガリウムを回収するステップと、を含むもの
である。
【0017】また、本発明のGaAs廃棄物からの砒素
回収方法においては、前記坩堝をカーボンにより形成し
ておき、前記の砒素、砒素酸化物、及びGa酸化物の混
合物を含む蒸気を、「前記蒸気中の砒素酸化物及びGa
酸化物をそれぞれ砒素とガリウムに還元することがで
き、前記蒸気中の砒素及び前記の砒素酸化物を還元して
得られた砒素を気化させることができ、前記のGa酸化
物を還元して得られたガリウムを気化させないで液体の
状態にしておけるような温度」に加熱された還元層の中
に導入して前記蒸気中の砒素酸化物とGa酸化物をそれ
ぞれ砒素とガリウムに還元させるとき、前記坩堝も前記
還元層とほぼ同じ温度に加熱して、前記還元層から前記
坩堝の方に戻ってきた分子を前記坩堝内で還元するよう
にすることが望ましい。
【0018】また、本発明のGaAs廃棄物から砒素を
回収するための砒素回収装置は、GaAs廃棄物を、
「前記GaAs廃棄物に含まれる多結晶GaAsを分解
するために必要な温度」(例えば、約390〜400℃
以上の温度)に加熱することにより、前記GaAs廃棄
物を、砒素、砒素酸化物、及びGa酸化物の混合物を含
む蒸気にするための坩堝と、「前記蒸気中の砒素酸化物
及びGa酸化物をそれぞれ砒素とGaに還元することが
でき、前記蒸気中の砒素及び前記砒素酸化物を還元して
得られた砒素を気化させることができ、前記Ga酸化物
を還元して得られたガリウムを気化させないで液体の状
態にしておけるような温度」(例えば、約890〜90
0℃以下の温度)に加熱された還元層であって、前記坩
堝からの砒素、砒素酸化物、及びGa酸化物の混合物を
含む蒸気が導入されたとき、前記蒸気中の砒素酸化物と
Ga酸化物をそれぞれ砒素とガリウムに還元させ、前記
砒素及び前記砒素酸化物を還元して得られた砒素は蒸気
として通過させ、前記Ga酸化物を還元して得られたガ
リウムは液体として自らが保持するための還元層と、前
記還元層を通過した砒素を回収するための回収部と、前
記の坩堝、還元層、及び回収部を真空又は真空に近い状
態(1パスカル以下の減圧雰囲気)に保持するための真
空ポンプと、を含むものである。
【0019】また、本発明のGaAs廃棄物からの砒素
回収装置においては、前記還元層には、前記坩堝の上方
の開口部を覆うための底部を有する還元層容器が備えら
れており、前記還元層容器の底部には、前記坩堝からの
蒸気を還元層内に通過させるための複数の穴が設けられ
ており、前記還元層容器の上蓋部には、前記還元層から
の蒸気を回収部に移動させるための複数の穴が設けられ
ており、前記坩堝と前記還元層には、それぞれ、互いに
独立に制御される加熱手段が備えられている、ことを特
徴とするものである。
【0020】また、本発明による第1及び第2の稀少元
素を含む廃棄物から第1の稀少元素を回収するための稀
少元素回収方法は、真空又は真空に近い状態(1パスカ
ル以下の減圧雰囲気)にした空間内で、前記廃棄物を、
坩堝を使用して加熱することにより、前記廃棄物を、前
記第1の稀少元素の酸化物と前記第2の稀少元素の酸化
物との混合物を含む蒸気にするステップと、真空又は真
空に近い状態(1パスカル以下の減圧雰囲気)にした空
間内で、前記の蒸気を、「前記蒸気中の前記第1の稀少
元素の酸化物及び前記第2の稀少元素の酸化物をそれぞ
れ第1の稀少元素及び第2の稀少元素に還元することが
でき、前記第1の稀少元素を気化させることができ、前
記第2の稀少元素を気化させないで液体の状態にしてお
けるような温度」に加熱された還元層の中に導入するこ
とにより、前記蒸気中の前記第1の稀少元素の酸化物と
前記第2の稀少元素の酸化物をそれぞれ第1の稀少元素
と第2の稀少元素に還元し、前記第1の稀少元素は蒸気
として前記還元層を通過させ、前記第2の稀少元素は液
体として前記還元層に保持するステップと、真空又は真
空に近い状態(1パスカル以下の減圧雰囲気)にした空
間内で、前記還元層を通過した前記第1の稀少元素を回
収するステップと、を含むことを特徴とするものであ
る。
【0021】また、本発明の廃棄物からの稀少元素回収
方法においては、さらに、真空又は真空に近い状態(1
パスカル以下の減圧雰囲気)にした空間内で、前記第2
の稀少元素を保持した還元層を、「前記第2の稀少元素
を気化させるために必要な温度」以上に加熱することに
より、前記第2の稀少元素を気化させて前記還元層を通
過させるステップと、真空又は真空に近い状態(1パス
カル以下の減圧雰囲気)にした空間内で、前記還元層を
通過した前記第2の稀少元素を回収するステップと、を
含むことが望ましい。
【0022】また、本発明の廃棄物からの稀少元素回収
方法においては、前記坩堝をカーボンにより形成してお
き、前記の廃棄物蒸気を「前記蒸気中の前記第1の稀少
元素の酸化物及び前記第2の稀少元素の酸化物をそれぞ
れ第1の稀少元素及び第2の稀少元素に還元することが
でき、前記の還元して得られた第1の稀少元素を気化さ
せることができ、前記の還元して得られた第2の稀少元
素を気化させないで液体の状態にしておけるような温
度」に加熱された還元層の中に導入して前記蒸気中の前
記第1の稀少元素の酸化物と前記第2の稀少元素の酸化
物をそれぞれ第1の稀少元素と第2の稀少元素に還元す
るとき、前記坩堝を前記の還元層とほぼ同じ温度に加熱
して、前記還元層から前記坩堝の方に戻ってきた分子を
前記坩堝内で還元するようにすることが望ましい。
【0023】また、本発明の廃棄物からの稀少元素回収
装置は、前記廃棄物を加熱することにより、前記廃棄物
を、前記第1の稀少元素の酸化物と前記第2の稀少元素
の酸化物との混合物を含む蒸気にするための坩堝と、前
記坩堝からの蒸気を、「前記蒸気中の前記第1の稀少元
素の酸化物及び前記第2の稀少元素の酸化物をそれぞれ
第1の稀少元素及び第2の稀少元素に還元することがで
き、前記第1の稀少元素を気化させることができ、前記
第2の稀少元素を気化させないで液体の状態にしておけ
るような温度」に加熱された還元層の中に導入すること
により、前記蒸気中の前記第1の稀少元素の酸化物と前
記第2の稀少元素の酸化物をそれぞれ前記第1の稀少元
素と前記第2の稀少元素に還元し、前記第1の稀少元素
は蒸気として前記還元層を通過させ、前記第2の稀少元
素は液体として前記還元層に保持するための還元層と、
前記還元層を通過した前記第1の稀少元素を回収するた
めの回収部と、前記の坩堝、還元層、及び回収部を真空
又は真空に近い状態(1パスカル以下の減圧雰囲気)に
保持するための真空ポンプと、を含むことを特徴とする
ものである。
【0024】さらに、本発明の稀少元素回収装置におい
ては、前記還元層には、前記坩堝の上方の開口部を覆う
ための底部を含む還元層容器が備えられており、前記還
元層容器の底部には、前記坩堝からの蒸気を還元層内に
通過させるための複数の穴が設けられており、前記還元
層容器の上蓋部には、前記還元層からの蒸気を回収部に
移動させるための複数の穴が設けられており、前記坩堝
と前記還元層には、それぞれ、互いに独立に制御される
加熱手段が備えられているものである。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。図1は本実施形態によるGaAs半導体廃棄物から
砒素を回収するための砒素回収装置の全体構成を示す概
略図、図2は図1の還元層の構成を説明するための図で
ある。
【0026】図1において、1は図示しない真空排気設
備(真空ポンプなどにより構成される)により内部を真
空又は真空に近い状態(1パスカル以下の減圧雰囲気)
に保持されている砒素回収装置の容器(密閉された容
器)、2はGaAs半導体廃棄物蒸発用の坩堝、3は廃
棄物加熱用(坩堝加熱用)の加熱源、4は前記坩堝2の
上方に備えられた還元層容器、5は還元層加熱用の加熱
源、6は還元層容器4の蓋、7は前記坩堝2の加熱用の
熱源3の周囲に備えられた断熱材としてのリフレクタ
ー、8は前記還元層加熱用の熱源えの周囲に備えられた
断熱材としてのリフレクター、11は前記還元層容器4
の中に収容される還元剤、12は前記還元層を蒸気の状
態で通過した砒素などを冷却して回収するための回収部
である。
【0027】また、図2において、11は前記還元層容
器4内に収容される炭素質材料などで構成された粒状の
還元剤、4aは前記還元層容器4の底部(前記坩堝2の
上方の開口部を覆う形状のもの)、10はこの底部4a
に多数形成された微小な穴(前記還元剤11が脱落しな
い程度の大きさの穴)である。なお、図示していない
が、前記還元層容器4の上側の蓋6にも、前記10と同
様の微小な穴が多数形成されている。
【0028】本実施形態において、前記の坩堝2、還元
層容器4、及び回収部12は、いずれも、図示しない真
空ポンプを含む真空排気設備により前記真空又はそれに
近い状態(1パスカル以下の減圧雰囲気)に保持された
容器1の内部に、収容されている。
【0029】本実施形態では、前記の廃棄物蒸発用の坩
堝2と還元層4とを直列に接続するようにし、これによ
り、廃棄物蒸気が、還元層に向かうまでの間に、凝縮し
て損なわれてしまうことがないようにしている。廃棄物
の蒸発手段と、還元層までの経路について特に制限はな
いが、本実施形態では、ほとんど全ての廃棄物蒸気が還
元層に到達できるように配置している。
【0030】前記坩堝2はカーボン製で、円筒状の容器
として構成されている。前記坩堝2は、廃棄物を投入さ
れた後は、前記の還元層容器4の底部4aにより覆われ
るようになっている(すなわち、前記の還元層容器4の
底部4aは、前記坩堝2の上蓋の役割をも有してい
る)。
【0031】本実施形態において、前記坩堝2を前述の
ようにカーボン製としているのは、カーボンが還元作用
を有していることを主な理由としている(その他の理由
としては、カーボンが耐熱性・耐久性・耐腐食性を有し
ていることなど)。すなわち、本実施形態では、前記還
元層9と前記坩堝2との双方が還元作用を奏しうるよう
に構成している。これにより、前記坩堝2から還元層9
に送られた廃棄物蒸気の一部が還元剤11などに当たっ
て坩堝2の方に戻ってきても、その戻ってきた一部の分
子を、前記坩堝2内で還元させることが可能になる。
【0032】また、前記加熱源3は前記坩堝2を加熱す
る手段であり、廃棄物を蒸発させるためのものである。
加熱源3の加熱方法は、抵抗加熱でも高周波加熱でもそ
の他の方法でも良い。本実施形態では、前記加熱源3は
前記坩堝2の外周を覆う形状となっている。
【0033】還元層容器4は、図2に示すように、底部
4aに還元剤11が脱落しない程度の穴10が無数に開
けられたカーボン製の容器である。この還元層容器4の
中に粒状の炭素質の還元剤11を詰めて、蓋6で前記還
元剤11を上方から保持して、還元剤11の飛散を防止
している。また、前記蓋6には、蒸気が通過できるよう
に、微小な穴が無数に開けられている。
【0034】なお、本明細書では、前記の還元層容器
4、前記蓋6、前記底部4a、前記還元剤11を纏め
て、還元層9と呼ぶことにする。
【0035】また、本実施形態において、前記加熱源5
は、還元層9を加熱して酸化物の還元反応を行うための
温度を得られるようにするためのもので、前記坩堝2用
の加熱源3とは別系統で制御されている。この加熱源5
の加熱方法も、抵抗加熱、高周波加熱又はその他の方法
を用いて良い。
【0036】また、本実施形態において、前記リフレク
ター7,8は坩堝2や還元層9の加熱効率を高めるため
及び断熱のために設置されている。前記の加熱源5とリ
フレクター8と還元層容器4は、ともに装置の容器1の
上部から吊るされており、装置の容器1の開放時は、前
記坩堝2から取り外され、坩堝2の上方が開口するよう
に構成されている。
【0037】また、還元層9は、還元剤11を交換する
ことで還元効果を維持できるようにしている。還元剤1
1の形状は、図2に示す例のような粒状以外の様様な形
状で構わないが、廃棄物蒸気の還元を効率よく行える形
状であることが望ましい。
【0038】次に、本実施形態による廃棄物処理の手順
を説明する。まず、GaAs半導体廃棄物を坩堝2に投
入し、加熱源3により坩堝2を約400℃以上に加熱し
て、前記GaAs半導体廃棄物を蒸発させる(GaAs
半導体廃棄物は、砒素と砒素酸化物とGa酸化物の混合
物から成る蒸気となる)。なお、ここで、前記坩堝2を
約400℃以上に加熱するのは、前記GaAs半導体廃
棄物に含まれる多結晶GaAsを分解するためである。
【0039】次に、前記坩堝2で発生した廃棄物蒸気
(砒素、砒素酸化物、及び、Ga酸化物の混合物)は、
真空排気に引かれて、予め約390(又は400)〜9
00(又は890)℃の温度範囲に加熱しておいた還元
層9に導入される。なお、ここで、前記還元層9を予め
約390(又は400)〜900(又は890)℃の温
度範囲に加熱しておくのは、前記廃棄物蒸気に含まれる
砒素酸化物とGa酸化物を還元し、前記廃棄物蒸気に含
まれている砒素及び前記の砒素酸化物から還元された砒
素を気化し、前記Ga酸化物から還元されたガリウムを
気化させないで液体の状態にしておくためである(本発
明者の実験では、砒素(As)の真空又はこれに近い環
境下での沸点は、約390〜400℃であった。また、
本発明者の実験では、ガリウム(Ga)の真空中又はこ
れに近い環境下での沸点は、約890〜900℃であっ
た)。
【0040】還元層9では以下のような機構で、砒素蒸
気の分離が行われる。(1)前記廃棄物蒸気中の砒素
は、約390(又は400)℃以上では蒸気の状態のま
まなので、約390〜400℃以上に加熱された還元層
9に付着することなく還元層9を通過する。また、
(2)前記廃棄物蒸気中の砒素酸化物蒸気は、約390
(又は400)℃以上に加熱された還元剤11の表面で
還元されて砒素蒸気になり、還元層9を通過する。ま
た、(3)廃棄物蒸気中のGa酸化物蒸気は、高温の還
元剤11の表面で還元されてガリウムになるが、約39
0(又は400)〜890(又は900)℃の温度範囲
に加熱された還元層9の中ではほとんど蒸発せずに液体
の状態となって、還元剤11の表面に付着する。以上に
より、前述のような約390(又は400)〜890
(又は900)℃の温度範囲に加温された還元層9に送
られた廃棄物蒸気からは、砒素のみが、蒸気として還元
層9を通過する。
【0041】この還元層9を通過した砒素蒸気は、前記
の容器1中の通路を介して、回収部12に移動し、そこ
で冷却・凝固させられて回収される。以上により、本実
施形態によるGaAs半導体廃棄物からの砒素の回収が
終了する。
【0042】なお、本実施形態では、前記の約390
(又は400)〜900(又は890)℃の温度範囲に
加熱された還元層9で還元が行われている間、前記坩堝
2も前記還元層9とほぼ同じ約390(又は400)〜
900(又は890)℃の温度範囲に加熱し、坩堝2で
も還元作用を発揮できるようにしている。これにより、
前記の坩堝2から還元層9に導入された廃棄物蒸気の一
部が前記還元剤11などに当たってはね返って坩堝2の
方に戻ってきても、その戻ってきた分子を、前記坩堝2
内で還元させることができるようになっている。
【0043】次に、本実施形態では、前述のGaAs半
導体廃棄物の廃棄物蒸気からの砒素の回収が終了した
後、さらに、前記廃棄物蒸気からガリウムを回収するよ
うにしているので、その動作を説明する。前述のよう
に、砒素を回収する工程では、還元層9を約390(又
は400℃)〜890(又は900)℃の温度範囲に加
温していたため、Ga酸化物蒸気から還元されたガリウ
ムは、液体として還元剤11の表面に付着していた。本
実施形態では、この液体としてのガリウムが付着した還
元剤11を、その後、前記加熱源8により約890(又
は900℃)〜1300℃の温度範囲(より望ましく
は、約1000〜1300℃の温度範囲)に加熱するこ
とにより、還元剤11の表面に付着したガリウムを蒸発
させて還元層9を通過させ、回収部12で回収するよう
にしている。
【0044】なお、本発明においては、前述のGaAs
半導体廃棄物の廃棄物蒸気からの砒素の回収が終了した
後、前記の廃棄物蒸気からガリウムを回収する工程を行
わなくてもよい。この場合は、砒素回収後の液体として
のガリウムが付着した還元剤11は還元効果が低下して
いるため、還元剤11を交換するのが望ましい。
【0045】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のGaA
s廃棄物からの砒素回収方法及び装置においては、砒
素、砒素酸化物、及びGa酸化物を含むGaAs廃棄物
蒸気を、所定温度に制御された還元層に導入することに
より、還元層で、前記廃棄物蒸気中の砒素及び前記砒素
酸化物を還元して生成された砒素を蒸気として通過さ
せ、前記Ga酸化物を還元して生成されたガリウムは液
体として還元層を通過させないようにしている。すなわ
ち、本発明においては、前記還元層の温度を制御するこ
とにより、前記還元層に、廃棄物蒸気から目的とする砒
素だけを選択的に通過させるためのフィルターの役割を
も果たさせるようにしている。よって、本発明によれ
ば、GaAs廃棄物から砒素だけを高純度で回収するこ
とができる。
【0046】また、本発明のGaAs廃棄物からの砒素
回収方法及び装置においては、前記砒素を回収した後の
還元層(液体としてのガリウムを保持した還元層)を所
定温度に加熱することにより、ガリウムを気化させて還
元層を通過させるようにしている。よって、本発明によ
れば、GaAs廃棄物から、砒素を選択的に回収した後
に、ガリウムをも選択的に回収することができる。
【0047】また、本発明のGaAs廃棄物からの砒素
回収方法及び装置においては、前記坩堝をカーボンによ
り形成しておき、前記の所定の温度範囲に加熱された還
元層で還元が行われているとき、前記坩堝も前記還元層
とほぼ同じ温度範囲に加熱しておくようにしているの
で、前記の坩堝から還元層に導入されたGaAs廃棄物
蒸気の一部が前記還元剤などに当たってはね返って坩堝
の方に戻ってきても、その戻ってきた分子を前記坩堝内
で還元させることができるようになる。
【0048】また、本発明のGaAs廃棄物からの砒素
回収装置においては、坩堝と還元層とを互いに独立に構
成し且つ両者を直列に接続するようにしているので、従
来の装置におけるような廃棄物投入の度に廃棄物に還元
剤を混合するという危険な作業を不要にすることができ
(本発明では、坩堝に廃棄物のみを投入すればよいの
で、廃棄物と還元剤を混合する必要がない)、また、処
理後は廃棄物の残渣のみが排出されるようにすることが
できる。
【0049】また、本発明の第1の稀少元素及び第2の
稀少元素を含む廃棄物からの稀少元素回収方法及び装置
においては、第1の稀少元素の酸化物及び第2の稀少元
素の酸化物を含む廃棄物蒸気を、所定温度に制御された
還元層に導入することにより、還元層で、前記第1の稀
少元素の酸化物を還元して生成された第1の稀少元素を
蒸気として通過させ、前記第2の稀少元素の酸化物を還
元して生成された第2の稀少元素は液体として還元層を
通過させないようにしている。すなわち、本発明におい
ては、前記還元層の温度を制御することにより、前記還
元層に、廃棄物蒸気から目的とする第1の稀少元素だけ
を選択的に通過させるためのフィルターの役割をも果た
させるようにしている。よって、本発明によれば、前記
廃棄物から第1の稀少元素だけを高純度で回収すること
ができる。
【0050】また、本発明の第1の稀少元素及び第2の
稀少元素を含む廃棄物からの稀少元素回収方法及び装置
においては、前記第1の稀少元素を回収した後の還元層
(前記第2の稀少元素を液体のまま保持した還元層)を
所定温度に加熱することにより、前記第2の稀少元素を
気化させて還元層を通過させるようにしている。よっ
て、本発明によれば、前記廃棄物から、第1の稀少元素
を選択的に回収した後に、第2の稀少元素をも選択的に
回収することができる。
【0051】また、本発明の第1の稀少元素及び第2の
稀少元素を含む廃棄物からの稀少元素回収方法及び装置
においては、前記坩堝をカーボンにより形成しておき、
前記の所定の温度範囲に加熱された還元層で還元が行わ
れているとき、前記坩堝も前記還元層とほぼ同じ温度範
囲に加熱しておくようにしているので、前記の坩堝から
還元層に導入された廃棄物蒸気の一部が前記還元剤など
に当たってはね返って坩堝の方に戻ってきても、その戻
ってきた分子を前記坩堝内で還元させることができるよ
うになる。
【0052】また、本発明の廃棄物からの稀少元素回収
装置においては、坩堝と還元層とを互いに独立した構成
とし且つ両者を直接に接続するようにしているので、従
来の装置におけるような廃棄物投入の度に廃棄物に還元
剤を混合するという危険な作業を不要にすることができ
(本発明では、坩堝に廃棄物のみを投入すればよいの
で、廃棄物と還元剤を混合する必要がない)、また、処
理後は廃棄物の残渣のみが排出されるようにすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態による砒素回収装置を示す
図。
【図2】 図1の還元層9の構成を説明するための図。
【符号の説明】
1 砒素回収装置の容器 2 坩堝 3,5 加熱源 4 還元層容器 4a 還元層容器の底部 6 還元層容器の蓋 7,8 リフレクター 9 還元層 10 穴 11 還元剤 12 回収部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22B 58/00 B09B 3/00 303Z (72)発明者 佐々木 謙一 山口県厚狭郡山陽町大字山野井字新山野井 3740 長州産業株式会社内 (72)発明者 藤田 昌雄 山口県厚狭郡山陽町大字山野井字新山野井 3740 長州産業株式会社内 (72)発明者 山本 修次 山口県厚狭郡山陽町大字山野井字新山野井 3740 長州産業株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA24 AB03 BA05 CA27 CA37 CA50 CB04 CB50 4K001 AA03 AA11 AA15 BA22 EA02 EA04 GB12 HA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaAs廃棄物から砒素を回収するため
    の砒素回収方法であって、 真空又は真空に近い状態にした空間内で、前記GaAs
    廃棄物を、坩堝を使用して、「前記GaAs廃棄物に含
    まれる多結晶GaAsを分解し気化させるために必要な
    温度」まで加熱することにより、前記GaAs廃棄物
    を、砒素、砒素酸化物、及びGa酸化物の混合物を含む
    蒸気にするステップと、 真空又は真空に近い状態にした空間内で、前記の砒素、
    砒素酸化物、及びGa酸化物の混合物を含む蒸気を、
    「前記蒸気中の砒素酸化物及びGa酸化物をそれぞれ砒
    素とガリウムに還元することができ、前記蒸気中の砒素
    及び前記の砒素酸化物を還元して得られた砒素を気化さ
    せることができ、前記のGa酸化物を還元して得られた
    ガリウムを気化させないで液体の状態にしておけるよう
    な温度」に加熱された還元層の中に導入することによ
    り、前記蒸気中の砒素酸化物とGa酸化物をそれぞれ砒
    素とガリウムに還元させ、前記蒸気中の砒素及び前記の
    砒素酸化物を還元して得られた砒素は蒸気として前記還
    元層を通過させ、前記Ga酸化物を還元して得られたガ
    リウムは液体として前記還元層に保持するステップと、 真空又は真空に近い状態にした空間内で、前記還元層を
    通過した砒素を回収するステップと、を含むことを特徴
    とするGaAs廃棄物から砒素を回収する方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、さらに、 真空又は真空に近い状態にした空間内で、前記ガリウム
    を保持した還元層を、「前記ガリウムが気化する温度」
    以上に加熱することにより、前記ガリウムを気化させて
    前記還元層を通過させるステップと、 真空又は真空に近い状態にした空間内で、前記還元層を
    通過したガリウムを回収するステップと、を含むことを
    特徴とするGaAs廃棄物から砒素を回収する方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記坩堝をカーボンにより形成しておき、 前記の砒素、砒素酸化物、及びGa酸化物の混合物を含
    む蒸気を、「前記蒸気中の砒素酸化物及びGa酸化物を
    それぞれ砒素とガリウムに還元することができ、前記蒸
    気中の砒素及び前記の砒素酸化物を還元して得られた砒
    素を気化させることができ、前記のGa酸化物を還元し
    て得られたガリウムを気化させないで液体の状態にして
    おけるような温度」に加熱された還元層の中に導入して
    前記蒸気中の砒素酸化物とGa酸化物をそれぞれ砒素と
    ガリウムに還元させるとき、前記坩堝も前記還元層とほ
    ぼ同じ温度に加熱して、前記還元層から前記坩堝の方に
    戻ってきた分子を前記坩堝内で還元するようにした、こ
    とを特徴とするGaAs廃棄物から砒素を回収する方
    法。
  4. 【請求項4】 GaAs廃棄物から砒素を回収するため
    の砒素回収装置であって、 GaAs廃棄物を、「前記GaAs廃棄物に含まれる多
    結晶GaAsを分解して気化させるために必要な温度」
    に加熱することにより、前記GaAs廃棄物を、砒素、
    砒素酸化物、及びGa酸化物の混合物を含む蒸気にする
    ための坩堝と、 「前記蒸気中の砒素酸化物及びGa酸化物をそれぞれ砒
    素とガリウムに還元することができ、前記蒸気中の砒素
    及び前記の砒素酸化物を還元して得られた砒素を気化さ
    せることができ、前記Ga酸化物を還元して得られたガ
    リウムを気化させないで液体の状態にしておけるような
    温度」に加熱された還元層であって、前記坩堝からの砒
    素、砒素酸化物、及びGa酸化物の混合物を含む蒸気が
    導入されたとき、前記蒸気中の砒素酸化物とGa酸化物
    をそれぞれ砒素とガリウムに還元し、前記蒸気中の砒素
    及び前記の砒素酸化物を還元して得られた砒素は蒸気と
    して通過させ、前記Ga酸化物を還元して得られたガリ
    ウムは液体として自らが保持するための還元層と、 前記還元層を通過した砒素を回収するための回収部と、 前記の坩堝、還元層、及び回収部を真空又は真空に近い
    状態に保持するための真空ポンプと、を含むことを特徴
    とするGaAs廃棄物から砒素を回収するための砒素回
    収装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 前記還元層には、前記坩堝の上方の開口部を覆うための
    底部を含む還元層容器が備えられており、 前記還元層容器の底部には、前記坩堝からの蒸気を還元
    層内に通過させるための複数の穴が設けられており、 前記還元層容器の上蓋部には、前記還元層からの蒸気を
    回収部に移動させるための複数の穴が設けられており、 前記坩堝と前記還元層には、それぞれ、互いに独立に制
    御される加熱手段が備えられている、ことを特徴とする
    GaAs廃棄物から砒素を回収するための砒素回収装
    置。
  6. 【請求項6】 第1及び第2の稀少元素を含む廃棄物か
    ら第1の稀少元素を回収するための稀少元素回収方法で
    あって、 真空又は真空に近い状態にした空間内で、前記廃棄物
    を、坩堝を使用して加熱することにより、前記廃棄物
    を、前記第1の稀少元素の酸化物と前記第2の稀少元素
    の酸化物との混合物を含む蒸気にするステップと、 真空又は真空に近い状態にした空間内で、前記の蒸気
    を、「前記蒸気中の前記第1の稀少元素の酸化物及び前
    記第2の稀少元素の酸化物をそれぞれ第1の稀少元素及
    び第2の稀少元素に還元することができ、前記の還元し
    て得られた第1の稀少元素を気化させることができ、前
    記の還元して得られた第2の稀少元素を気化させないで
    液体の状態にしておけるような温度」に加熱された還元
    層の中に導入することにより、前記蒸気中の前記第1の
    稀少元素の酸化物と前記第2の稀少元素の酸化物をそれ
    ぞれ第1の稀少元素と第2の稀少元素に還元し、前記の
    還元して得られた第1の稀少元素は蒸気として前記還元
    層を通過させ、前記の還元して得られた第2の稀少元素
    は液体として前記還元層に保持するステップと、 真空又は真空に近い状態にした空間内で、前記還元層を
    通過した前記第1の稀少元素を回収するステップと、を
    含むことを特徴とする廃棄物から稀少元素を回収する方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、さらに、 真空又は真空に近い状態にした空間内で、前記第2の稀
    少元素を保持した還元層を、「前記第2の稀少元素を気
    化させるために必要な温度」以上に加熱することによ
    り、前記第2の稀少元素を気化させて前記還元層を通過
    させるステップと、 真空又は真空に近い状態にした空間内で、前記還元層を
    通過した前記第2の稀少元素を回収するステップと、を
    含むことを特徴とする廃棄物から稀少元素を回収する方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項6において、 前記坩堝をカーボンにより形成しておき、 前記の廃棄物蒸気を「前記蒸気中の前記第1の稀少元素
    の酸化物及び前記第2の稀少元素の酸化物をそれぞれ第
    1の稀少元素及び第2の稀少元素に還元することがで
    き、前記の還元して得られた第1の稀少元素を気化させ
    ることができ、前記の還元して得られた第2の稀少元素
    を気化させないで液体の状態にしておけるような温度」
    に加熱された還元層の中に導入して前記蒸気中の前記第
    1の稀少元素の酸化物と前記第2の稀少元素の酸化物を
    それぞれ第1の稀少元素と第2の稀少元素に還元すると
    き、前記坩堝を前記の還元層とほぼ同じ温度に加熱し
    て、前記還元層から前記坩堝の方に戻ってきた分子を前
    記坩堝内で還元するようにした、ことを特徴とする廃棄
    物から稀少元素を回収する方法。
  9. 【請求項9】 廃棄物から稀少元素を回収するための稀
    少元素回収装置であって、 前記廃棄物を加熱することにより、前記廃棄物を、前記
    第1の稀少元素の酸化物と前記第2の稀少元素の酸化物
    との混合物を含む蒸気にするための坩堝と、 前記坩堝からの蒸気を、「前記蒸気中の前記第1の稀少
    元素の酸化物及び前記第2の稀少元素の酸化物をそれぞ
    れ第1の稀少元素及び第2の稀少元素に還元することが
    でき、前記の還元して得られた第1の稀少元素を気化さ
    せることができ、前記の還元して得られた第2の稀少元
    素を気化させないで液体の状態にしておけるような温
    度」に加熱した還元層の中に導入することにより、前記
    蒸気中の前記第1の稀少元素の酸化物と前記第2の稀少
    元素の酸化物をそれぞれ前記第1の稀少元素と前記第2
    の稀少元素に還元させ、前記の還元して得られた第1の
    稀少元素は蒸気として前記還元層を通過させ、前記の還
    元して得られた第2の稀少元素は液体として前記還元層
    に保持するための還元層と、 前記還元層を通過した前記第1の稀少元素を回収するた
    めの回収部と、 前記の坩堝、還元層、及び回収部を真空又は真空に近い
    状態に保持するための真空ポンプと、を含むことを特徴
    とする廃棄物から稀少元素を回収するための稀少元素回
    収装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 前記還元層には、前記坩堝の上方の開口部を覆うための
    底部を含む還元層容器が備えられており、 前記還元層容器の底部には、前記坩堝からの蒸気を還元
    層内に通過させるための複数の穴が設けられており、 前記還元層容器の上蓋部には、前記還元層からの蒸気を
    回収部に移動させるための複数の穴が設けられており、 前記坩堝と前記還元層には、それぞれ、互いに独立に制
    御される加熱手段が備えられている、ことを特徴とする
    廃棄物から稀少元素を回収するための稀少元素回収装
    置。
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