JP2928014B2 - 電池処理方法 - Google Patents
電池処理方法Info
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- heat treatment
- stage heat
- cadmium
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/84—Recycling of batteries or fuel cells
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、廃ニッケルカドミウム
電池から高純度のカドミウムを効率よく回収する電池処
理方法に関するもので、特に、廃電池の一括回収の際、
プラスチックの電池ケースごと加熱処理し、プラスチッ
クとカドミウムなど金属とを一括して回収するシステム
であり、近年の民生用廃電池のゴミ問題を有効に解決す
るよう工夫したものである。
電池から高純度のカドミウムを効率よく回収する電池処
理方法に関するもので、特に、廃電池の一括回収の際、
プラスチックの電池ケースごと加熱処理し、プラスチッ
クとカドミウムなど金属とを一括して回収するシステム
であり、近年の民生用廃電池のゴミ問題を有効に解決す
るよう工夫したものである。
【0002】
【従来の技術】ニッケルカドミウム電池(以下、Ni−
Cd電池とも表記する)は、優れた二次電池として近年
その伸びは大きい。このようなNi−Cd電池は例えば
数年使用すると寿命となるが、この使用済(廃)電池の
うち産業用等の大型のものは、正極部分(Ni)と負極
部分(Cd)に解体され、湿式又は乾式法によりそれぞ
れからNi,Cdが回収されている。
Cd電池とも表記する)は、優れた二次電池として近年
その伸びは大きい。このようなNi−Cd電池は例えば
数年使用すると寿命となるが、この使用済(廃)電池の
うち産業用等の大型のものは、正極部分(Ni)と負極
部分(Cd)に解体され、湿式又は乾式法によりそれぞ
れからNi,Cdが回収されている。
【0003】一方、特に民生用の比較的小型のものは,
機器に組み込まれたまま又は電池の部分のみを取り外し
て、埋立て等の廃棄処理されているのが現状である。こ
の状況は環境汚染及び資源の有効活用の点から望ましく
なく、今後特に小型のNi−Cd電池等の廃電池のリサ
イクル処理が重要となる。
機器に組み込まれたまま又は電池の部分のみを取り外し
て、埋立て等の廃棄処理されているのが現状である。こ
の状況は環境汚染及び資源の有効活用の点から望ましく
なく、今後特に小型のNi−Cd電池等の廃電池のリサ
イクル処理が重要となる。
【0004】そこで、このようなNi−Cd電池のリサ
イクル処理に対応する方法として、廃ニッケルカドミウ
ム電池の外殻の少なくとも一部に開口した後、非酸化性
雰囲気で700〜1000℃の温度で熱処理し、カドミ
ウムを揮発させて捕収するというカドミウムの回収方法
が提案されている(特開昭55−152138号公報参
照)。
イクル処理に対応する方法として、廃ニッケルカドミウ
ム電池の外殻の少なくとも一部に開口した後、非酸化性
雰囲気で700〜1000℃の温度で熱処理し、カドミ
ウムを揮発させて捕収するというカドミウムの回収方法
が提案されている(特開昭55−152138号公報参
照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、現在用いら
れている、民生用のNi−Cd電池としては、単一型
(320φ×49mm)、及びこれらに準ずる大きさの
裸電池、又はこれら裸電池複数個を樹脂ケースへ組込ん
だ樹脂包装電池(55×70×30mm〜135×65
×20mm)が使用されている。このような小形の廃N
i−Cd電池から前述した方法によりカドミウムを回収
しようとすると、それぞれ寸法が異なる小型の電池の外
殻の一部にそれぞれ開口を形成しなければならない。し
たがって、実際に前述した方法を使用する場合、前処理
工程に時間及び手間がかかりすぎて実用化が困難であ
る。
れている、民生用のNi−Cd電池としては、単一型
(320φ×49mm)、及びこれらに準ずる大きさの
裸電池、又はこれら裸電池複数個を樹脂ケースへ組込ん
だ樹脂包装電池(55×70×30mm〜135×65
×20mm)が使用されている。このような小形の廃N
i−Cd電池から前述した方法によりカドミウムを回収
しようとすると、それぞれ寸法が異なる小型の電池の外
殻の一部にそれぞれ開口を形成しなければならない。し
たがって、実際に前述した方法を使用する場合、前処理
工程に時間及び手間がかかりすぎて実用化が困難であ
る。
【0006】また、前記方法によると、カドミウムを揮
発させる際に電池の内部構成材料又は外殻、特に樹脂包
装ケースを構成する材料に含有される成分がカドミウム
と一緒に回収されてしまい、回収カドミウムの純度が低
下してしまうという問題もある。因みに、不純物として
Feを含むカドミウムをNi−Cd電池の負極に用いる
と、充電サイクルの進行に伴って溶出したFeイオンが
陽極へ移行して陽極容量の低下を招き、さらには自己放
電が大きくなるという問題が生ずる。このため回収カド
ミウムの純度の高い回収方法が望まれている。
発させる際に電池の内部構成材料又は外殻、特に樹脂包
装ケースを構成する材料に含有される成分がカドミウム
と一緒に回収されてしまい、回収カドミウムの純度が低
下してしまうという問題もある。因みに、不純物として
Feを含むカドミウムをNi−Cd電池の負極に用いる
と、充電サイクルの進行に伴って溶出したFeイオンが
陽極へ移行して陽極容量の低下を招き、さらには自己放
電が大きくなるという問題が生ずる。このため回収カド
ミウムの純度の高い回収方法が望まれている。
【0007】本発明は以上述べた事情に鑑み、寸法が異
なる大量の小型廃電池から効率よく、且つ高純度でカド
ミウムを回収する電池処理方法を提供することを目的と
する。
なる大量の小型廃電池から効率よく、且つ高純度でカド
ミウムを回収する電池処理方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明に係る電池処理方法は、廃ニッケルカドミウム電池か
らカドミウムを回収する電池処理方法において、ニッケ
ルカドミウム裸電池及び/又は裸電池を複数個樹脂ケー
スに組込んだ樹脂包装電池を、非酸化性雰囲気下、40
0〜600℃で第一段加熱処理し、この第一段加熱処理
の際に発生する揮発成分の除去を揮発状態で除去しなが
ら加熱溶融状態でも除去し、次いで、これを非酸化性雰
囲気下、800〜1000℃で第二段加熱処理すること
によりカドミウムを揮発させて回収することを特徴とす
る。また、上記処理方法において、第一段加熱処理時
に、揮発成分の除去を一部トラップしつつ除去するよう
にしてもよい。さらに、上記処理方法において、第一段
加熱処理時に、揮発成分を一部トラップしつつ除去しな
がら加熱溶融状態でも除去するようにしてもよい。
明に係る電池処理方法は、廃ニッケルカドミウム電池か
らカドミウムを回収する電池処理方法において、ニッケ
ルカドミウム裸電池及び/又は裸電池を複数個樹脂ケー
スに組込んだ樹脂包装電池を、非酸化性雰囲気下、40
0〜600℃で第一段加熱処理し、この第一段加熱処理
の際に発生する揮発成分の除去を揮発状態で除去しなが
ら加熱溶融状態でも除去し、次いで、これを非酸化性雰
囲気下、800〜1000℃で第二段加熱処理すること
によりカドミウムを揮発させて回収することを特徴とす
る。また、上記処理方法において、第一段加熱処理時
に、揮発成分の除去を一部トラップしつつ除去するよう
にしてもよい。さらに、上記処理方法において、第一段
加熱処理時に、揮発成分を一部トラップしつつ除去しな
がら加熱溶融状態でも除去するようにしてもよい。
【0009】以下、本発明に係る電池処理方法を行って
カドミウムを回収する方法について詳述する。ここで、
本発明において出発原料となる廃ニッケルカドミウム電
池は、単一〜単三型等の裸電池及び/又は該裸電池を複
数個樹脂ケースに組込んだ樹脂包装電池であり、これら
を種々混合してそのまま用いればよい。
カドミウムを回収する方法について詳述する。ここで、
本発明において出発原料となる廃ニッケルカドミウム電
池は、単一〜単三型等の裸電池及び/又は該裸電池を複
数個樹脂ケースに組込んだ樹脂包装電池であり、これら
を種々混合してそのまま用いればよい。
【0010】これらの廃Ni−Cd電池は非酸化性雰囲
気下、400〜600℃で第一段加熱処理されると、該
電池を密封している封止部分が溶け出してCdの抜け道
ができる。すなわち、この点からすると、第一段加熱処
理は従来の方法における開口処理の代わりになる。した
がって、本発明では、第一段加熱処理により、廃Ni−
Cd電池の外皮、樹脂ケース、電解質成分の化合物など
からの400〜600℃での揮発成分を除去している。
かかる揮発成分は、主に沸点600℃以下の物質である
が、その他に他の成分の蒸気圧との関係で揮発する成分
もある。どちらにしてもこの揮発成分はCdの不純物と
なるのでこの段階で除去しておくのがよい。
気下、400〜600℃で第一段加熱処理されると、該
電池を密封している封止部分が溶け出してCdの抜け道
ができる。すなわち、この点からすると、第一段加熱処
理は従来の方法における開口処理の代わりになる。した
がって、本発明では、第一段加熱処理により、廃Ni−
Cd電池の外皮、樹脂ケース、電解質成分の化合物など
からの400〜600℃での揮発成分を除去している。
かかる揮発成分は、主に沸点600℃以下の物質である
が、その他に他の成分の蒸気圧との関係で揮発する成分
もある。どちらにしてもこの揮発成分はCdの不純物と
なるのでこの段階で除去しておくのがよい。
【0011】本発明においてはこの第一段加熱処理の
際、以下〜の処理方法を必要に応じて適宜組合せる
ようにしている。 400〜600℃の加熱溶融成分を揮発状態まで加
熱する以前に該溶融状態で液体のまま系外へ取り出すと
共に、すでに揮発している揮発成分も同時に除去する方
法。 400〜600℃での揮発成分を除去する際に、そ
の一部をトラップしつつ除去する方法。 ととの組合せで、400〜600℃の加熱溶融
成分を液状の状態で系外へ取り出すと共に、揮発成分の
一部をトラップしつつ除去する方法。
際、以下〜の処理方法を必要に応じて適宜組合せる
ようにしている。 400〜600℃の加熱溶融成分を揮発状態まで加
熱する以前に該溶融状態で液体のまま系外へ取り出すと
共に、すでに揮発している揮発成分も同時に除去する方
法。 400〜600℃での揮発成分を除去する際に、そ
の一部をトラップしつつ除去する方法。 ととの組合せで、400〜600℃の加熱溶融
成分を液状の状態で系外へ取り出すと共に、揮発成分の
一部をトラップしつつ除去する方法。
【0012】上記の除去方法は、溶融状態のまま系外
へ取り出すことにより、液体成分が揮発するまでの加熱
を省略することができ、第一段加熱処理時間の短縮を図
ることができる。即ち、樹脂成分を揮発可能成分までC
−C結合を分解することなく、レジンまたは液状のまま
除去する方法である。抜き出す方法としては、例えば自
然落下、振動力及び遠心力等の力を利用すればよい。
尚、振動及び遠心力をかけるのは液体を通り易くするた
めである。一方、の方法は、揮発成分の一部をトラッ
プして液体として回収することにより、当該液体をアフ
ターバーニング炉の燃料として用いることで、アフター
バーナーの消費燃料の軽減を図ることができる。なお、
このような観点から、第一段加熱処理は、、の方
法によっても異なるが、2〜4時間程度行うのが好まし
い。
へ取り出すことにより、液体成分が揮発するまでの加熱
を省略することができ、第一段加熱処理時間の短縮を図
ることができる。即ち、樹脂成分を揮発可能成分までC
−C結合を分解することなく、レジンまたは液状のまま
除去する方法である。抜き出す方法としては、例えば自
然落下、振動力及び遠心力等の力を利用すればよい。
尚、振動及び遠心力をかけるのは液体を通り易くするた
めである。一方、の方法は、揮発成分の一部をトラッ
プして液体として回収することにより、当該液体をアフ
ターバーニング炉の燃料として用いることで、アフター
バーナーの消費燃料の軽減を図ることができる。なお、
このような観点から、第一段加熱処理は、、の方
法によっても異なるが、2〜4時間程度行うのが好まし
い。
【0013】ここで、第一段加熱処理により除去される
揮発成分には、S,Cの化合物やFe,Niの塩化物等
が含まれていると考えられるので、そのまま排気するの
は好ましくなく、燃焼処理等した後に排気するのがよ
い。
揮発成分には、S,Cの化合物やFe,Niの塩化物等
が含まれていると考えられるので、そのまま排気するの
は好ましくなく、燃焼処理等した後に排気するのがよ
い。
【0014】なお、第一段加熱の処理温度は400〜6
00℃が好ましい。これは第一段加熱処理を400℃未
満の温度で行うと不純物除去が不充分となり、一方、6
00℃を超える温度で行うとCdの揮発ロスが大きくな
り、共に好ましくないからである。
00℃が好ましい。これは第一段加熱処理を400℃未
満の温度で行うと不純物除去が不充分となり、一方、6
00℃を超える温度で行うとCdの揮発ロスが大きくな
り、共に好ましくないからである。
【0015】また、本発明において400〜600℃で
の第一段加熱処理は非酸化性雰囲気下、好ましくはO2
濃度2%以下で行うのが好ましい。これは、第一段加熱
処理を空気中において加熱(400〜600℃)する場
合、電池を包む樹脂又はその分解生成物が高温雰囲気下
となっているため着火し、急激に反応が生じて爆発する
ことがあるからである。よって本発明においては非酸化
性雰囲気下、特にO2 濃度2%以下とすることで、長期
に亙って安定して電池処理ができることとなる。
の第一段加熱処理は非酸化性雰囲気下、好ましくはO2
濃度2%以下で行うのが好ましい。これは、第一段加熱
処理を空気中において加熱(400〜600℃)する場
合、電池を包む樹脂又はその分解生成物が高温雰囲気下
となっているため着火し、急激に反応が生じて爆発する
ことがあるからである。よって本発明においては非酸化
性雰囲気下、特にO2 濃度2%以下とすることで、長期
に亙って安定して電池処理ができることとなる。
【0016】本発明では、このような第一段加熱処理し
たものを、さらに第二段加熱処理する。第二段加熱処理
は、第一段加熱処理に続いて行ってもよいし、別工程で
行ってもよい。
たものを、さらに第二段加熱処理する。第二段加熱処理
は、第一段加熱処理に続いて行ってもよいし、別工程で
行ってもよい。
【0017】かかる第二段加熱処理は、N2 ガス雰囲気
などの非酸化性雰囲気下で行えばよい。一般に、Cd極
板単味の処理の場合、還元剤を添加して還元性雰囲気に
保ってCdを発揮させるが、本発明の場合、Cd極の放
電反応生成物H2 ガス及び電極材料のバインダー等に使
用されている有機物の分解ガス(C,Hなど)による還
元作用があるためか、特に還元剤の添加は必要はない。
勿論、例えばCOガス雰囲気下としてもよいが、回収C
dの純度においては大差がないので、簡易なN 2 雰囲気
下とすれば十分である。
などの非酸化性雰囲気下で行えばよい。一般に、Cd極
板単味の処理の場合、還元剤を添加して還元性雰囲気に
保ってCdを発揮させるが、本発明の場合、Cd極の放
電反応生成物H2 ガス及び電極材料のバインダー等に使
用されている有機物の分解ガス(C,Hなど)による還
元作用があるためか、特に還元剤の添加は必要はない。
勿論、例えばCOガス雰囲気下としてもよいが、回収C
dの純度においては大差がないので、簡易なN 2 雰囲気
下とすれば十分である。
【0018】また、第二段加熱処理は800〜1000
℃、好ましくは900〜1000℃で3〜5時間行う。
なお、処理温度を800℃未満とすると、Cdの揮発が
不充分であり、一方、1000℃を越えた温度とする
と、Cdの揮発率の向上には効果がなく、しかも他の高
沸点化合物の揮発・混入があり、共に好ましくない。
℃、好ましくは900〜1000℃で3〜5時間行う。
なお、処理温度を800℃未満とすると、Cdの揮発が
不充分であり、一方、1000℃を越えた温度とする
と、Cdの揮発率の向上には効果がなく、しかも他の高
沸点化合物の揮発・混入があり、共に好ましくない。
【0019】ここで、Cd揮発率と蒸留温度との関係を
図2に示す。同図は、Cdの揮発率は900℃を越えた
ところでほぼ100%に近くなり、1000℃近くで完
全に飽和されることを示している。なお、第二段加熱処
理で揮発したCdは、凝縮して金属Cdとして回収すれ
ばよいが、その揮発ガスは燃焼処理した後排気するのが
好ましい。
図2に示す。同図は、Cdの揮発率は900℃を越えた
ところでほぼ100%に近くなり、1000℃近くで完
全に飽和されることを示している。なお、第二段加熱処
理で揮発したCdは、凝縮して金属Cdとして回収すれ
ばよいが、その揮発ガスは燃焼処理した後排気するのが
好ましい。
【0020】このような構成にすることにより、Fe,
Ni等の高沸点不純物も除去できるが、その理由はF
e,Niが塩化物の形で低沸点化合物として存在してい
るためではないかと考えられる。この結果、本発明によ
れば上記Fe,Ni等の高沸点不純物が低沸点の塩化物
等の化合物として存在している場合、第一段加熱処理に
よって除去でき、第二段加熱処理では、高純度のCdを
回収することができることとなる。
Ni等の高沸点不純物も除去できるが、その理由はF
e,Niが塩化物の形で低沸点化合物として存在してい
るためではないかと考えられる。この結果、本発明によ
れば上記Fe,Ni等の高沸点不純物が低沸点の塩化物
等の化合物として存在している場合、第一段加熱処理に
よって除去でき、第二段加熱処理では、高純度のCdを
回収することができることとなる。
【0021】次に、本発明を図1に基づいて説明する。
図1には本発明を実施するためのCd回収設備の概略を
示す。同図中、1は廃Ni−Cd電池、2はこれを加熱
処理する揮発炉であり、揮発炉2には発熱体3及びキャ
リアガス導入口4が設けられている。揮発炉2に連通さ
れる排気管5は二股に分岐され、その一方は第一バルブ
6を介してアフターバーニング炉7に連通し、また他方
は第二バルブ8を介してCd凝縮炉9に連通している。
また、Cd凝縮炉9に設けられている排気管10は上記
アフターバーニング炉7に連通している。なお、アフタ
ーバーニング炉7にはバーナ11及び燃焼ガス排出管1
2が設けられている。また、上記揮発炉2の下端側に
は、第三バルブ14を介して液体16を貯溜する抜き出
し槽15が設けられている。さらに、揮発炉2からの揮
発成分を除去する排気管5に設けられた第一バルブ6に
連通するダクト17には冷却トラップ18が設けられて
おり、揮発成分の一部を液体19として回収している。
ここで液体16、19は一部固体を含みつつ回収させる
こともある。
図1には本発明を実施するためのCd回収設備の概略を
示す。同図中、1は廃Ni−Cd電池、2はこれを加熱
処理する揮発炉であり、揮発炉2には発熱体3及びキャ
リアガス導入口4が設けられている。揮発炉2に連通さ
れる排気管5は二股に分岐され、その一方は第一バルブ
6を介してアフターバーニング炉7に連通し、また他方
は第二バルブ8を介してCd凝縮炉9に連通している。
また、Cd凝縮炉9に設けられている排気管10は上記
アフターバーニング炉7に連通している。なお、アフタ
ーバーニング炉7にはバーナ11及び燃焼ガス排出管1
2が設けられている。また、上記揮発炉2の下端側に
は、第三バルブ14を介して液体16を貯溜する抜き出
し槽15が設けられている。さらに、揮発炉2からの揮
発成分を除去する排気管5に設けられた第一バルブ6に
連通するダクト17には冷却トラップ18が設けられて
おり、揮発成分の一部を液体19として回収している。
ここで液体16、19は一部固体を含みつつ回収させる
こともある。
【0022】このような設備でCdの回収を行うには、
まず、出発原料である廃Ni−Cd電池1を揮発炉2に
装入し、第一バルブ6を開、第二バルブ8を閉にする。
そして、アフターバーニング炉7に設けられているバー
ナ11にLPGガス及び空気を導入してアフターバーニ
ング炉7内に火災を吹き込んだ状態で、揮発炉2の温度
を400〜600℃まで昇温させる。
まず、出発原料である廃Ni−Cd電池1を揮発炉2に
装入し、第一バルブ6を開、第二バルブ8を閉にする。
そして、アフターバーニング炉7に設けられているバー
ナ11にLPGガス及び空気を導入してアフターバーニ
ング炉7内に火災を吹き込んだ状態で、揮発炉2の温度
を400〜600℃まで昇温させる。
【0023】この際、の処理方法の場合には揮発炉2
において、揮発成分を蒸発させながら、溶融状態で存在
する液状物を直接液体16のまま取り出し、抜き出し槽
15へ送って除去している。
において、揮発成分を蒸発させながら、溶融状態で存在
する液状物を直接液体16のまま取り出し、抜き出し槽
15へ送って除去している。
【0024】また一方、の処理方法の場合には、揮発
炉2より揮発した揮発成分の一部をダクト17の一部に
介装した冷却トラップ18を用いてトラップし、液体1
9として回収している。この回収された液体19はパイ
プ20によってアフターバーニング炉7に送られ、バー
ナ11の燃料として使用する。
炉2より揮発した揮発成分の一部をダクト17の一部に
介装した冷却トラップ18を用いてトラップし、液体1
9として回収している。この回収された液体19はパイ
プ20によってアフターバーニング炉7に送られ、バー
ナ11の燃料として使用する。
【0025】さらにの処理方法の場合には揮発成分を
蒸発させながらその一部を冷却トラップ18でトラップ
すると共に、揮発炉2内に溶融状態で存在するものを抜
き出し槽15に抜き出し除去している。尚、冷却トラッ
プ18で回収された液体19はアフターバーニング炉7
のバーナ11の燃料として使用すればよい。
蒸発させながらその一部を冷却トラップ18でトラップ
すると共に、揮発炉2内に溶融状態で存在するものを抜
き出し槽15に抜き出し除去している。尚、冷却トラッ
プ18で回収された液体19はアフターバーニング炉7
のバーナ11の燃料として使用すればよい。
【0026】これにより、廃Ni−Cd電池1の封止部
分の溶融物は液状のまま除去されると共に、揮発成分は
アフターバーニング炉7内で燃焼処理されて燃焼ガスと
して燃焼ガス排気管12から大気中へ排気される。
分の溶融物は液状のまま除去されると共に、揮発成分は
アフターバーニング炉7内で燃焼処理されて燃焼ガスと
して燃焼ガス排気管12から大気中へ排気される。
【0027】次に、第二バルブ8開とすると共に第一バ
ルブ6を閉とすると共に、キャリアガス導入口4から例
えばN2 を導入しつつ、揮発炉2の温度を800〜10
00℃に昇温する。これにより、Cdが揮発されてCd
凝縮炉9に導入され、このCd凝縮炉9内に金属Cd1
3として凝縮される。また、Cd凝縮炉9から出た排ガ
スは、アフターバーニング炉7で燃焼処理されて燃焼ガ
スとして燃焼ガス排気管12から大気中へ排気される。
ルブ6を閉とすると共に、キャリアガス導入口4から例
えばN2 を導入しつつ、揮発炉2の温度を800〜10
00℃に昇温する。これにより、Cdが揮発されてCd
凝縮炉9に導入され、このCd凝縮炉9内に金属Cd1
3として凝縮される。また、Cd凝縮炉9から出た排ガ
スは、アフターバーニング炉7で燃焼処理されて燃焼ガ
スとして燃焼ガス排気管12から大気中へ排気される。
【0028】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を説明する。前
述した図1に示す装置により、廃Ni−Cd電池1とし
て樹脂包装廃電池10個を用い、「表1」及び下記に示
す条件にて第一段加熱処理をO2 2%以下の雰囲気下で
行った。第一段加熱処理後の第二段加熱処理は、N2 雰
囲気下、900℃で4時間行った。
述した図1に示す装置により、廃Ni−Cd電池1とし
て樹脂包装廃電池10個を用い、「表1」及び下記に示
す条件にて第一段加熱処理をO2 2%以下の雰囲気下で
行った。第一段加熱処理後の第二段加熱処理は、N2 雰
囲気下、900℃で4時間行った。
【0029】(条件) 実施例1〜3は第一段加熱処理の加熱温度を450
℃、500℃、550℃と変化させる。 実施例4、5は溶融状態で揮発炉2から抜き出し槽1
5へ液体16のまま抜き出した場合と、揮発成分の一部
を冷却トラップ18でトラップする。 実施例6〜8は揮発性成分の処理方法を組み合わせて
行う。
℃、500℃、550℃と変化させる。 実施例4、5は溶融状態で揮発炉2から抜き出し槽1
5へ液体16のまま抜き出した場合と、揮発成分の一部
を冷却トラップ18でトラップする。 実施例6〜8は揮発性成分の処理方法を組み合わせて
行う。
【0030】この結果を「表1」、「表2」に示す。
尚、表1は第一段加熱処理時間の比を示し、表2はその
回収Cdの品位の結果を示す。
尚、表1は第一段加熱処理時間の比を示し、表2はその
回収Cdの品位の結果を示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表1の結果より、第一段加熱処理の処理時
間の大幅な短縮化を図ることができた。また、表2の結
果より、第一段加熱処理としていずれの処理を用いても
高純度なCdを回収することができた。実施例5〜8は
アフターバーニング炉7のバーナ11の燃料として、冷
却トラップ18でトラップしたものを用いたので、バー
ニング炉の消費燃料の軽減を図ることができた。
間の大幅な短縮化を図ることができた。また、表2の結
果より、第一段加熱処理としていずれの処理を用いても
高純度なCdを回収することができた。実施例5〜8は
アフターバーニング炉7のバーナ11の燃料として、冷
却トラップ18でトラップしたものを用いたので、バー
ニング炉の消費燃料の軽減を図ることができた。
【0034】
【発明の効果】以上実施例と共に説明したように、本発
明に係る電池処理方法によると、400〜600℃での
第一段加熱処理の際に、揮発炉内で加熱溶融した溶融物
を液状のまま抜き出すことにより、液体成分が揮発する
までの加熱を省略することができ、熱処理時間の短縮を
図ることができる。また、揮発成分の除去の際、その一
部を冷却トラップでトラップして液体として回収するこ
とにより、当該液体をアフターバーナーの燃料として有
効に使用でき、バーナ用の消費燃料の軽減を図ることが
できる。この結果Cdの回収を効率良く高純度に行い得
ることができる。
明に係る電池処理方法によると、400〜600℃での
第一段加熱処理の際に、揮発炉内で加熱溶融した溶融物
を液状のまま抜き出すことにより、液体成分が揮発する
までの加熱を省略することができ、熱処理時間の短縮を
図ることができる。また、揮発成分の除去の際、その一
部を冷却トラップでトラップして液体として回収するこ
とにより、当該液体をアフターバーナーの燃料として有
効に使用でき、バーナ用の消費燃料の軽減を図ることが
できる。この結果Cdの回収を効率良く高純度に行い得
ることができる。
【図1】本発明方法を実施するためのCd回収設備の一
例を示す概略図である。
例を示す概略図である。
【図2】Cd揮発率と蒸留温度との関係を示すグラフで
ある。
ある。
1 廃Ni−Cd電池 2 揮発炉 3 発熱体 4 キャリアガス導入口 6 第一バルブ 7 アフターバーニング炉 8 第二バルブ 9 凝縮炉 11 バーナ 12 燃焼ガス排気管 13 金属Cd 14 バルブ 15 抜き出し槽 16 液体 17 ダクト 18 冷却トラップ 19 液体 20 パイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22B 17/02 C22B 7/00 H01M 10/54
Claims (5)
- 【請求項1】 廃ニッケルカドミウム電池からカドミウ
ムを回収する電池処理方法において、ニッケルカドミウ
ム裸電池及び/又は裸電池を複数個樹脂ケースに組込ん
だ樹脂包装電池を、非酸化性雰囲気下、400〜600
℃で第一段加熱処理し、この第一段加熱処理の際に発生
する揮発成分の除去を揮発状態で除去しながら加熱溶融
状態でも除去し、次いで、これを非酸化性雰囲気下、8
00〜1000℃で第二段加熱処理することによりカド
ミウムを揮発させて回収することを特徴とする電池処理
方法。 - 【請求項2】 廃ニッケルカドミウム電池からカドミウ
ムを回収する電池処理方法において、ニッケルカドミウ
ム裸電池及び/又は裸電池を複数個樹脂ケースに組込ん
だ樹脂包装電池を、非酸化性雰囲気下、400〜600
℃で第一段加熱処理し、この第一段加熱処理の際に発生
する揮発成分の除去を当該揮発成分を一部トラップしつ
つ除去し、次いで、これを非酸化性雰囲気下、800〜
1000℃で第二段加熱処理することによりカドミウム
を揮発させて回収することを特徴とする電池処理方法。 - 【請求項3】 請求項1の電池処理方法において、 第一段加熱処理の際に発生する揮発成分の除去を、揮発
状態で当該揮発成分の一部をトラップしつつ除去しなが
ら加熱溶解状態でも除去することを特徴とする電池処理
方法。 - 【請求項4】 請求項2又は3の電池処理方法におい
て、 揮発成分の除去で一部をトラップした抽出物をアフター
バーニング炉の燃料とすることを特徴とする電池処理方
法。 - 【請求項5】 請求項1〜4に記載の電池処理方法にお
いて、 第一段加熱処理の非酸化性雰囲気下が酸素濃度2%以下
であることを特徴とする電池処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4934392A JP2928014B2 (ja) | 1992-03-06 | 1992-03-06 | 電池処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4934392A JP2928014B2 (ja) | 1992-03-06 | 1992-03-06 | 電池処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05247553A JPH05247553A (ja) | 1993-09-24 |
JP2928014B2 true JP2928014B2 (ja) | 1999-07-28 |
Family
ID=12828362
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4934392A Expired - Fee Related JP2928014B2 (ja) | 1992-03-06 | 1992-03-06 | 電池処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2928014B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU210575U1 (ru) * | 2022-01-10 | 2022-04-21 | Общество С Ограниченной Ответственностью "Унихим" | Устройство для выделения кадмия из никель-кадмиевого скрапа |
-
1992
- 1992-03-06 JP JP4934392A patent/JP2928014B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05247553A (ja) | 1993-09-24 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19990427 |
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