JP3552118B2 - 廃電池の処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、各種の使用済み電池の無害化処理及びその他の金属含有スクラップ材の処理に適用することができる廃電池の処理方法に関する。特に、本発明は、各種の廃電池を予め破砕処理せずに加熱処理して金属、非金属などの有価物を回収し、廃棄可能な無害残渣に転化することのできる廃電池の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電池消費量の著しい伸びにともなって、公害発生源となる虞のある各種使用済み電池の投棄が社会問題化しており、その回収と無公害化処理技術の開発が待望されてきている。特に、廃棄対象となっている一次電池の場合はその種類が極めて多岐にわたるためにそれらに等しく適用できる処理技術が必要であるが、そのような処理技術は未だ開発されていない。
【0003】
現在、実際に有価物の回収を兼ねて無害化処理が行われているのは水銀電池のみであり、また、その処理方法も使用済みの各種廃電池の中から水銀電池だけを分別集収し、機械的に破砕処理したのち加熱して水銀の回収を行い、無害な金属や無機質のみの残渣に転化するものである。しかし、このような処理方法では多種類の廃電池の中からの水銀電池の選別や予備処理段階での機械的な破壊処理に多大の費用を要するため、商業的な処理方法とはなっていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来、回収のための処理が施されている水銀電池のみならず、処理されることなくそのまま廃棄されている他の一次電池類に加えて、その他の金属含有スクラップ材の処理にも適用できるものであり、これらの電池等から安価に有用な金属、非金属類を回収して無害で廃棄可能な無機質残渣に転化できる使用済み電池の処理方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
特に本発明は、各種の電池類が混在している集収廃電池類を分別することなく、しかも破砕する必要もなくそのまま加熱処理して有用な金属、非金属類を回収し、廃棄可能な無害無機質残渣に転化することのできる商業的に価値の高い廃電池処理方法を提供することを目的とするものである。
さらに本発明は、処理工程内における熱の有効利用を図ることによりエネルギーコストを低減せしめた廃電池の処理方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記したそれぞれの目的を達成するための本発明は、基本的には真空下に密閉加熱炉内で廃電池を加熱して段階的に温度を上昇せしめ、電池の密閉構造を構成している金属類や非金属類からなる被覆構造を蒸発破壊するとともに、炉内に発生する金属、非金属類の蒸気及びガスを各温度段階毎に段階的に真空吸引して分別捕集することからなる廃電池の処理方法に関するものである。
【0007】
より詳細には、本発明は、加熱手段、排気手段、非酸化性ガス供給手段、高温非酸化性ガス貯蔵手段、発生した金属蒸気の凝縮捕集手段、非金属成分の吸着捕集手段及び該両捕集手段を介して炉内から金属蒸気、非金属ガス等を吸引する真空ポンプから主として構成される単一の密閉加熱処理炉に廃電池を導入し、該加熱炉内を排気した後、必要に応じて高温の非酸化性ガスを供給して予熱し、再び炉内を真空排気した後、加熱手段により炉内の廃電池の温度を段階的に上昇させて、各温度段階毎に発生する金属蒸気及び非金属ガスを凝縮器及びガス吸着器で分別捕集し、最終的に非酸化性ガスを炉内に供給して処理済み廃電池を冷却するとともに、必要に応じて高温状態で取り出される非酸化性ガスを予熱用のガスとして利用することからなる廃電池の処理方法に関するものである。
【0008】
さらに本発明は、真空ポンプに接続され、必要に応じて高温非酸化性ガス貯蔵槽にも接続されている予熱室、該予熱室に気密に直列に連結されており、それぞれが凝縮器及びガス吸着器を順次介して真空ポンプに接続されていて、予熱室に直接連結されている加熱蒸発室から順に段階的に高温に炉内温度が設定されている複数の気密に連結された加熱蒸発室を有し、該加熱蒸発室群の最後の加熱蒸発室には、冷却用の非酸化性ガス供給装置と、必要に応じてさらに高温の非酸化性ガス貯蔵槽が接続されている冷却室が連結されて構成されている、気密に連結された複数の処理室内を処理すべき廃電池を順次移送して加熱処理することからなり、廃電池を予熱室に導入して加熱しながら室内を吸引排気して真空状態とした後、該予熱室に気密に連結されていて真空状態にある加熱蒸発室に移送して所定の温度で加熱処理を行い、該温度で発生する金属蒸気及び非金属ガスを真空ポンプで吸引して凝縮器及び吸着器で捕集し、引き続いてより高温度での処理を行う後続する他の蒸発室に順次送って同様に加熱処理を行い、各蒸発室毎に金属成分及び非金属成分の捕集を行った後、冷却室に送って非酸化性ガスにより処理済み廃電池残渣を冷却し、該残渣を炉外に排出し、必要に応じて高温状態となった非酸化性ガスを炉外の貯蔵槽に貯蔵し、新しい廃電池の予備加熱に使用する、という一連の処理操作を行うことを基本工程とする廃電池の処理方法に関するものである。
【0009】
上記した複数の蒸発室を使用する方法の場合、該複数の加熱蒸発室の最後の加熱蒸発室に還元性ガス供給装置を連結し、最終蒸発室の加熱処理が終了した後、該蒸発室に還元性ガスを供給して処理済み廃電池の還元処理を行うこともできる。
このような還元処理を付加した場合には、廃電池残渣中の金属化合物が還元されて回収容易な状態となることから、予熱室に供給される新たな廃電池群に混入して再処理することも可能である。
【0010】
【作用】
上記した本発明の廃電池の処理方法によれば、装置に導入される廃電池は、予熱室での排気、予熱用のガスの加圧供給及び排気等による圧力変化と加熱とによってその密閉構造を構成している金属やプラスチックなどの被覆体が部分破壊又は蒸発され、廃電池の内部まで短時間に加熱昇温することができる。また、引き続き廃電池を真空条件下に段階的に高められる温度で加熱処理することにより、比較的に低い温度で各段階の温度に応じて発生して来る有価成分を分別捕集することができる。
【0011】
さらに、蒸発完了時に処理済み廃電池を冷却するために使用された高温の非酸化性ガスを貯蔵槽中に貯蔵し、新たに炉内に供給される廃電池の予備加熱に使用することからプロセス系内における熱を有効に利用することを可能ならしめる処理方法でもある。
加えて、最終加熱処理を終えた廃電池残渣を還元処理し、被処理原料として再処理することにより追加量の有価金属を回収することができる。
【0012】
【実施例】
以下に、本発明の廃電池の処理方法の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例の方法に限定されるものではない。
図1は、本発明の廃電池の処理方法を実施することのできる単一の加熱処理装置の一例を示す概略図である。
【0013】
図中、符号1は密閉容器からなる加熱処理炉を示し、2は処理すべき廃電池を収容したトレー及び治具を表し、3は被処理廃電池を処理するための空間部、4は空間部3内に配置された加熱手段、5は扉、6は凝縮器、7はガス吸着器、8は予熱用
非酸化性ガス貯蔵槽、9は炉内ガス撹拌用ファン、10は非酸化性ガス供給源、11は還元性ガス供給源、12は真空ポンプ、13、14は送風ポンプ、15、16、17、18、19、20はバルブ、21、23、24はパイプ、22はヒータ加熱されたパイプ、25はガス放出路をそれぞれ示している。
【0014】
各種使用済み電池が混合した廃電池群2は、廃電池用のトレー及び治具2に載せられて加熱処理炉1の扉5を開けて空間部3に搬入される。扉5が閉じられて密閉された加熱処理炉1の空間部3は加熱手段4により約50〜100℃に加熱された状態で真空ポンプ12の作動によって排気される。
ついで、高温非酸化性ガス貯蔵槽8からパイプ24、バルブ16を通って予熱用の高温の非酸化性ガスが加圧導入され、さらに廃電池の加熱が行われる。この予備加熱期間中ファン9により空間部3内の加熱ガスの撹拌が続けられ、この予熱用ガスを用いた加熱操作によって廃電池群は短時間で均一に、各金属を酸化しない温度である約100℃〜160℃の温度に加熱される。
【0015】
真空加熱や予熱用の非酸化性ガス加圧下における予備加熱は、廃電池中の回収しようとする有価成分の僅かな蒸発が生起する程度で止められる。廃電池群の温度が200℃〜500℃程度となると、廃電池の表面の紙、プラスチックなどの有機物の融解、蒸発、炭化が生起し同時に低沸点金属類の部分蒸発が生起するので、その前段階の温度への加熱にとどめられる。
【0016】
廃電池の予備加熱が終了すると、バルブ16が閉じられ、バルブ18が開けられてヒーター加熱されているパイプ22を介して処理炉内空間部3が真空ポンプ12に接続され、該ポンプが作動して処理炉内空間部の予熱ガスは僅かに蒸発した成分を凝縮器6及びガス吸着器7で捕集された後、放出路25から放出され、該空間部3内は減圧空間(3×10−3Torr程度)となる。
【0017】
引き続き加熱が続けられて温度が約250℃に固定される。同温度、同圧力での加熱が続行され、真空ポンプ12による吸引が続けられると廃電池の一部に含まれている低温蒸発成分、たとえばカドミウム(Cd)等の蒸発が活発となり、凝縮器でCd等が回収される。
【0018】
Cd等の低温蒸発成分の蒸発の発生が止まったら加熱手段により温度はさらに上昇され、約350℃(3×10−3Torr)で中程度の温度での蒸発成分である、たとえば亜鉛(Zn)等の蒸発が始まり、凝縮器6によるZn等の回収が行われる。
【0019】
Zn等の中程度の温度での蒸発成分の蒸発が止まったら廃電池群の温度はさらに加熱によって上昇され、約680℃(3×10−3Torr)に達すると比較的に高温域で蒸発され成分、たとえば鉛(Pb)等の蒸発が始まり、凝縮器でのPb等の回収が行われる。
【0020】
Pb等の比較的に高温域で蒸発する成分の蒸発が止まり、それらの回収が終了した後も、加熱は続けられ、廃電池群の温度は約900℃に上昇され、マンガン(Mn)等の回収が行われる。
温度はさらに上昇され、約1150℃まで温度が上昇するとZnOのような酸化物の回収が可能であり、さらにこの温度を越え、1200℃程度となると銅(Cu)やスズ(Sn)の回収も可能である。通常、この温度段階での蒸発成分の回収が終了すると廃電池に残存する成分は安定な酸化物や炭であり、そのまま投棄しても環境汚染源となることはない。
【0021】
以上の実施例では、廃電池に含まれる各金属成分を真空状態の加熱処理炉内温度を段階的に上昇させることによって分別回収する方法を説明した。
しかし、廃電池の主たる処理目的が無害化にあり、該処理時には有価成分は回収するとしても、分別回収することまでは必ずしも必要でない場合には、処理炉内温度を急速に1000℃〜1150℃、場合によっては1200℃程度まで上昇せしめて短時間で金属、非金属成分の蒸発を完了させることもできる。
【0022】
また、前記分別回収方法において、酸化マンガン、ZnOなどの安定な化合物を金属単体の状態で回収したい場合には、段階的に金属成分を回収したのちの残渣に、700℃〜1200℃程度の温度で、バルブ20を開けて還元性ガス供給源11から水素ガスなどの還元性ガスをパイプ21を通して吹き付けて還元処理を行った後に真空ポンプによる吸引を再開することにより、追加量の金属成分を回収することができる。還元剤としては、他にコークスなどを予め廃電池に混合して使用することもできる。
【0023】
以上の有価成分の回収処理が施された後、バルブ19を開けて非酸化性ガス供給源10から窒素ガスのような非酸化性ガスが吹き付けられ、冷却が行われた後、高温に暖められた非酸化性ガスは予熱ガス貯蔵槽8に送られて貯蔵され、冷却された残渣は処理炉1から取り出される。
取り出された残渣は、有害成分を含まず、そのまま投棄することができるものである。
【0024】
つぎに、本発明の別の実施例を図2に従って説明する。
図2は、本発明の方法を連続的に実施することのできる装置の概略を示しており、廃電池101は、高温非酸化性ガス貯蔵槽107にパイプで接続されている予熱室102、該予熱室に直列に、気密に連結されていて凝縮器110〜112及びガス吸着装置113〜115、バルブ125〜127を介して真空ポンプ117〜119にパイプで接続されている気密に連結されている複数の真空加熱蒸発室103〜105、該真空加熱蒸発室に連結され、かつ冷却用の非酸化性ガス供給源及び高温非酸化性ガス貯槽槽のそれぞれにパイプで接続されている冷却室106からなる複数の気密に連結されている処理室を使用して処理される。
【0025】
廃電池101は、トレーに収容され、加圧プッシャー又は自走ローラーに乗せられて予熱室102から一連の処理室よりなる装置内に入り、順次各処理室を移動し、最終冷却室106を経て処理装置外へ排出される。
廃電池101を収容したトレーが予熱室102に入り、入口側の扉が閉鎖され予熱室が密閉されると、真空ポンプ116が作動して加熱されている予熱室102内は減圧排気され、廃電池周囲が非酸化性状態となり、廃電池はたとえば約50℃〜100℃の温度に予熱される。
【0026】
廃電池の導入量が多く、全体を短時間で均一に予熱することが困難な場合には、予熱用の非酸化性ガスが貯蔵槽107からポンプによって圧送され、予熱室内は非酸化性ガスによる加圧状態で撹拌ファンによる撹拌を行いながら予熱され、予熱処理が完了すると真空ポンプ116が作動し、予熱室内の非酸化性ガスは排出され、真空状態とされる。
【0027】
ついでトレーは、予熱室側の出口からでて、予熱室と気密に接続されていてすでに高温、真空状態(250℃、3×10−3Torr)にある第一真空加熱処理室103に入り、第一真空加熱処理室の入口扉を閉鎖して加熱が続行され、真空ポンプ117が作動して第一真空加熱処理室内に発生した蒸気やガスが凝縮器110、ガス吸着器113及びバルブ125を通って吸引される。通常、第一真空加熱処理室から凝縮器に至るパイプは、以後の各真空加熱処理室から凝縮器に至るパイプと同様にヒーター加熱されている。
【0028】
第一真空加熱処理室の蒸発発生が完了すると、トレーは第一真空加熱処理室と気密に接続されている高温、真空状態にある第二真空加熱処理室104に送られる。第二真空加熱処理室が密閉され、加熱により廃電池の温度が設定温度となると、バルブ126が開き、真空ポンプ118が作動して第二真空加熱処理室で発生した蒸気やガスを凝縮器111及びガス吸着器114で捕集する。
【0029】
第二真空加熱処理室での蒸発発生が完了すると、トレーは第二真空加熱処理室と気密状態に接続されている高温、真空状態にある第三真空加熱処理室105に送られる。第三真空加熱処理室が密閉され、加熱により廃電池の温度が設定温度となると、バルブ127が開き、真空ポンプ119が作動して第三真空加熱処理室で発生した蒸発やガスを凝縮器112及びガス吸着器115で捕集する。
【0030】
該第三真空加熱処理室での蒸発成分の捕集は、必要ならば、還元ガス源109から供給される水素ガス等の還元性ガスによる加熱還元処理後にさらに真空加熱して蒸発成分の捕集を行うこともできる。前記したように、このような還元処理を採用すると、蒸発温度の高い金属化合物、たとえば酸化物などが蒸発温度の低い金属単体に還元されて蒸発回収される。
また、該還元処理物は、新たに処理されるべく予備加熱室に送られる廃電池群に混入して再処理を行ってもよい。
【0031】
第三真空加熱処理室105を出たトレーは、最後に該処理室に気密に連結されている冷却室106に送られる。この冷却室に送られる処理済み廃電池は、非酸化性ガス供給源108からの窒素ガス等によって冷却され、装置外へ排出され、ついで室内はポンプ121で真空にされる。排出された処理済み廃電池は早環境汚染源となるような成分は含まないし、さらに回収するに値するような有価成分を含んではいないか、含んでいても僅かである。
冷却に使用された非酸化性ガスは、その熱を新たに装置に搬入されてくる廃電池の予熱用に利用するために貯蔵槽107に送られ、貯蔵される。
【0032】
上記した第二の実施例の場合にも、各真空加熱処理室で蒸発捕集される金属、非金属成分の内容は、各処理室の真空加熱温度において蒸発する成分である。各真空加熱処理室の温度及び真空の度合いは、回収目的金属成分の種類に応じて任意に設定される。また、処理室の数も必要に応じて増やすことは可能であり、その場合にも、増加した処理室の温度設定等は分別回収しようとする目的金属成分等に応じて適宜設定されるものである。
【0033】
なお、上記した各実施例では、廃電池の予熱温度を50℃〜100℃に設定したが、廃電池に水銀電池が含まれていて、水銀回収をも目的とする場合には、予熱条件は約30℃〜40℃(3×10−3Torr)であり、したがって引き続く蒸発温度条件も該予熱条件より僅かに高い温度に設定し、最初に水銀の回収を行ってしまうのが好ましい。
【0034】
また、上記の第二の実施例の場合、予備加熱室と第一真空加熱処理室の間、及び各真空加熱室の間は、先行する処理室の出口と後続する処理室の入口の間に両室の温度差を吸収する緩衝室を設け、各処理室の出入口の真空シール性を高めて連結される。そして、該緩衝室では高温状態の廃電池から溶出する金属成分の回収を行うことが好ましい。
【0035】
以上、本発明の廃電池処理方法を説明したが、上記の本発明の廃電池処理方法は、廃電池の処理に限定された方法ではない。種々の産業廃棄物のうち、特に高価な金属成分を多量に含みながら、その安価な回収手段がなく廃棄されていた、たとえば銅(Cu)を多量に含有する電子機器の配線基盤からの銅の回収方法として適用することも可能である。なお、この場合は、本発明の方法を実施するための前記装置を用い、有機物成分は凝縮器等で捕集し、蒸発温度の高い銅を、トレー及び治具の下方に溶融物受け皿等を配置して溶融物として回収してもよい。また、酸化亜鉛中の塩化物等の不純物を蒸発回収して酸化亜鉛の純度を向上させる方法等にも利用できる。
【0036】
【発明の効果】
以上に説明したところから明らかなように、本発明の処理方法に従えば、従来、処理困難な産業廃棄物であり、環境汚染源となることから投棄に多大の費用を要していた使用済み電池やその他の有用金属成分を含有する廃棄物等を基本的には真空加熱という単純な操作のみで、しかも廃電池等を機械的に予備破砕処理することや、被処理物を種類毎に分別する等の労力を必要とすることなく無害化処理できるばかりでなく、電池等を構成する有用金属、たとえば地球全体で埋蔵量が100万トン弱ともいわれているにも拘らず、年間使用量が2万トンにも上り、そのリサイクルが重要な課題となっているカドミウムのような金属、や非金属を回収することができる画期的な処理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に使用される単一の真空加熱処理炉の概略図を示す。
【図2】本発明の方法に使用される複数の処理室を有する真空加熱処理装置の概略図を示す。
【符号の説明】
1:真空加熱処理炉、2:電池収容トレー及び治具、3:炉内空間部、4:加熱手段、5:扉、6:凝縮器、7:ガス吸着器、8:予熱用ガス貯蔵槽、9:ファン、10:非酸化性ガス供給源、11:還元性ガス供給源、12:真空ポンプ、13、14:送風ポンプ、15、16、17、18、19、20:バルブ、21、23、24:パイプ、22:ヒータ加熱パイプ、25:排気ガス放出路、101:廃電池、102:予熱室及び空気置換室、103、104、105:真空加熱蒸発室、106:冷却室及び空気置換室、107:予熱ガス貯蔵槽、108:非酸化性ガス供給源、109:還元性ガス供給源、110、111、112:凝縮器、113、114、115:ガス吸着器、116、117、118、119:真空ポンプ、121:真空ポンプ、120、122、123:送風ポンプ、124、125、126、127、128、129、130、131、132:バルブ。

Claims (5)

  1. 廃電池を密閉加熱炉内に導入し、加熱しながら吸引排気して非酸化性状態となした後、該加熱炉内に非酸化性がスを加圧供給して炉内を撹拌しながら廃電池を急速かつ均一に所定温度に加熱し、ついで該ガスを吸引排気することによって予備加熱を行い、引き続き真空状態の該炉内で加熱して廃電池の温度を均一かつ段階的に上昇させ、各温度段階毎に炉内に発生する蒸気を、凝縮器及びガス吸着器に通して真空吸引し、金属成分の蒸気を凝縮器で凝縮捕集し、非金属成分は吸着器で捕集し、全温度段階での金属成分及び非金属成分の捕集が終了した後、炉内に冷却用の非酸化性ガスを供給して処理済み廃電池残渣を冷却し、冷却廃電池残渣を炉外に排出することを特徴とする廃電池の処理方法。
  2. 最終温度段階での蒸気発生が終了した段階で、炉内に還元性ガスを導入して高温状態の廃電池残渣を還元した後に、さらに段階的な加熱と真空吸引を繰り返して追加の蒸発金属成分を凝縮回収することを特徴とする請求項1記載の廃電池の処理方法。
  3. 全温度段階での金属成分及び非金属成分の捕集が終了した後、炉内に冷却用の非酸化性ガスを供給して処理済み廃電池残渣を冷却し、得られる高温の非酸化性ガスを廃電池の予備加熱用ガスとして使用することを特徴とする請求項1又は2に記載の廃電池の処理方法。
  4. 廃電池の処理を、加熱手段、排気手段、非酸化性ガス供給手段、高温非酸化性ガス貯蔵手段、発生した金属蒸気の凝縮手段及び非金属成分の吸着手段を介して炉内から金属蒸気及び非金属ガスを吸引する真空ポンプを備えた単一の加熱処理炉を使用して行うことを特徴とする請求項1〜のいずれか1に記載の廃電池の処理方法。
  5. 真空ポンプと高温非酸化性ガス貯蔵槽とに接続されている予熱室、該予熱室に気密に直列に連結されており、それぞれが順次凝縮器及びガス吸着器を介して真空ポンプに接続されていて、予熱室に直接連結されている加熱蒸発室から順次段階的に高温度に炉内温度が設定されている複数の気密に連結された加熱蒸発室とを備え、該複数の加熱蒸発室の最後の加熱蒸発室は還元性ガス供給手段を備え、該最後の加熱蒸発装置には、冷却用の非酸化性ガス供給装置及び高温の非酸化性ガス貯蔵槽のそれぞれに接続されている冷却室が気密に連結されて構成されている、気密に連結された複数の処理室に廃電池を順次通過させて加熱処理を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の廃電池の処理方法。
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