JP2003160562A - 2−または4−モノ置換ピリジンの製造方法並びに4−モノ置換ピリジンまたはその塩の選択的製造方法および分離方法 - Google Patents
2−または4−モノ置換ピリジンの製造方法並びに4−モノ置換ピリジンまたはその塩の選択的製造方法および分離方法Info
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Abstract
好適な製造方法、4−モノ置換ピリジンまたはその塩
の選択的分離方法。 【解決手段】 :1,4−又は1,2−ジ置換ジヒド
ロピリジンを(1)二酸化マンガン(MnO2;但し、(1)
の時の反応温度は70〜200℃である)、(2)MnO2
とトリメチルシリルクロライド、(3)MnO2と塩酸、
(4)臭素、及び(5)遷移金属塩と過酸化水素からなる群よ
り選ばれる1つと反応させる、 :で得られる2−モノ置換ピリジンと4−モノ置換
ピリジンとの混合物を酸と反応させることにより、選択
的に4−モノ置換ピリジンの塩を析出させることを含
む。 【化1】
Description
ジン及び4−モノ置換ピリジンの製造方法、並びに4−
モノ置換ピリジンまたはその塩の選択的製造方法および
分離方法に関する。
ピリジンは、医薬品、例えば、向精神薬、抗血栓薬など
の中間体として有用である。2−モノ置換ピリジン及び
4−モノ置換ピリジンは、次のような方法により製造す
ることができる:(1)ハロピリジンとアルキルもしく
はアリールマグネシウムハライド(Grignard試
薬)との反応、(2)遷移金属触媒の存在下におけるハ
ロピリジンとアルキルもしくはアリールホウ素化合物と
のクロスカップリング反応、(3)ピリジンとクロロ炭
酸エステルと、アルキルもしくはアリールマグネシウム
ハライド(Grignard試薬)またはアルキルもし
くはアリールチタン化合物との縮合によって得られる縮
合体を脱水素反応および脱アルコキシカルボニル反応に
同時に付す方法。
方法は、原料として必ずしも安価ではないハロピリジン
を用いており、特に4−ハロピリジンは高価である。こ
のため、これらの方法は工業的には不向きであるといえ
る。上記(3)の方法における脱水素化および脱アルコ
キシカルボニル化は従来硫黄またはクロラニルを用いて
行うが、硫黄を用いる場合には有毒な硫化水素の生成を
伴うことなどの問題があり、また、クロラニルを用いる
場合にもクロラニルが高価であるという問題がある。こ
のようにいずれの方法も工業的に適した方法であるとは
いえない。
ベントナイト/マイクロウェーブ照射条件下、4−(ア
ルキルまたはアリール)置換−1,4−ジヒドロピリジ
ンを脱水素反応に付す方法が知られている。この方法で
は、マイクロウェーブ照射を行っており、工業規模での
実施は困難である。以上のことから、2−または4−モ
ノ置換ピリジンの工業的に好適な製造方法の開発が望ま
れている。
問題(原料および試薬が高価であること、有毒ガスが発
生すること、マイクロウェーブ照射を行うことなど)を
解決した2−モノ置換ピリジン及び4−モノ置換ピリジ
ンの工業的に好適な製造方法を提供することである。他
の目的は、4−モノ置換ピリジンの選択的製造方法を提
供することである。他の目的は、2−モノ置換ピリジン
と4−モノ置換ピリジンとの混合物から4−モノ置換ピ
リジンを分離する方法を提供することである。
を解決した2−モノ置換ピリジン及び4−モノ置換ピリ
ジンの工業的に好適な製造方法を鋭意研究した結果、下
式の1,2−ジ置換ジヒドロピリジンまたは1,4−ジ
置換ジヒドロピリジンを、(1)二酸化マンガン(但
し、(1)のときの反応温度は70℃〜200℃であ
る)、(2)二酸化マンガンとトリメチルシリルクロラ
イド、(3)二酸化マンガンと塩酸、(4)臭素、およ
び(5)遷移金属塩と過酸化水素からなる群より選ばれ
る1つと反応させることにより、後式の2−モノ置換ピ
リジンまたは4−モノ置換ピリジンに変換することがで
き、かつ当該方法が工業的に好適であることを見出し、
本発明を完成するに至った。
ピリジンと4−モノ置換ピリジンとの混合物を酸と反応
させることにより、選択的に4−モノ置換ピリジンの塩
を析出させ、4−モノ置換ピリジンを分離することがで
き、これを用いれば4−モノ置換ピリジンを選択的に得
られることを見出し、本発明を完成するに至った。
って、それぞれ、置換されていてもよいアルキル基、置
換されていてもよいアリール基、置換されていてもよい
シクロアルキル基または置換されていてもよいヘテロ環
残基を示す)で表される1,4−ジ置換ジヒドロピリジ
ン(以下、1,4−ジ置換ジヒドロピリジンと略する)
または式
る)で表される1,2−ジ置換ジヒドロピリジン(以
下、1,2−ジ置換ジヒドロピリジンと略する)を、
(1)二酸化マンガン(但し、(1)のときの反応温度
は70℃〜200℃である)、(2)二酸化マンガンと
トリメチルシリルクロライド、(3)二酸化マンガンと
塩酸、(4)臭素、および(5)遷移金属塩と過酸化水
素からなる群より選ばれる1つと反応させることを特徴
とする、式
る4−モノ置換ピリジン(以下、4−モノ置換ピリジン
と略する)または式
る2−モノ置換ピリジン(以下、2−モノ置換ピリジン
と略する)の製造方法。 [2] 二酸化マンガンとトリメチルシリルクロライドを
用いることを特徴とする上記[1]の製造方法。 [3] 二酸化マンガンと塩酸を用いることを特徴とする
上記[1]の製造方法。 [4] 1,4−ジ置換ジヒドロピリジンと1,2−ジ置
換ジヒドロピリジンとの混合物を、(1)二酸化マンガ
ン(但し、(1)のときの反応温度は70℃〜200℃
である)、(2)二酸化マンガンとトリメチルシリルク
ロライド、(3)二酸化マンガンと塩酸、(4)臭素、
および(5)遷移金属塩と過酸化水素からなる群より選
ばれる1つと反応させ、4−モノ置換ピリジンと2−モ
ノ置換ピリジンとの混合物を得、当該混合物を酸と反応
させることにより、選択的に4−モノ置換ピリジンの塩
を析出させることを特徴とする、4−モノ置換ピリジン
またはその塩の製造方法。 [5] 1,4−ジ置換ジヒドロピリジンと1,2−ジ置
換ジヒドロピリジンとの混合物を、(1)二酸化マンガ
ン(但し、(1)のときの反応温度は70℃〜200℃
である)、(2)二酸化マンガンとトリメチルシリルク
ロライド、(3)二酸化マンガンと塩酸、(4)臭素、
および(5)遷移金属塩と過酸化水素からなる群より選
ばれる1つと反応させ、4−モノ置換ピリジンと2−モ
ノ置換ピリジンとの混合物を得、当該混合物を酸と反応
させることにより、選択的に4−モノ置換ピリジンの塩
を析出させることを特徴とする、4−モノ置換ピリジン
またはその塩の分離方法。
明する。本発明における「置換されていてもよいアルキ
ル基」とは、下記置換基で1または2以上置換されてい
てもよい、炭素数が好ましくは1〜10、より好ましく
は2〜7である、直鎖状または分枝鎖状のアルキル基で
あり、「アルキル基」の具体例としては、例えばメチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペン
チル、t−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n
−ヘプチルなどが挙げられる。中でもメチル、エチル、
t−ブチルが好ましく、特にエチルが好ましい。置換基
としては、例えばアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜
6の直鎖状または分岐鎖状のアルコキシ基であり、例え
ばメトキシ、エトキシ、1−プロポキシ、2−プロポキ
シ、1−ヘキシルオキシなど)などが挙げられる。
クロアルキル基」とは、下記置換基で1または2以上置
換されていてもよい、炭素数が好ましくは3〜10、よ
り好ましくは3〜7であるシクロアルキル基であり、
「シクロアルキル基」の具体例としては、例えばシクロ
プロピル、シクロペンチル、シクロへキシルなどが挙げ
られる。置換基としては、例えばアルコキシ基(上記と
同義)などが挙げられる。
リール基」とは、下記置換基で1または2以上置換され
ていてもよい、炭素数が好ましくは6〜14、より好ま
しくは6〜10であるアリール基であり、「アリール
基」の具体例としては、例えばフェニル基、ナフチル
基、アセナフチル基などが挙げられ、中でもフェニル基
が好ましい。置換基としては、例えばアルキル基(好ま
しくは炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状のアルキ
ル基であり、その例としては上記「置換されていてもよ
いアルキル基」の「アルキル基」と同様な例が挙げられ
る)、アラルキル基(アリール部が炭素数6〜10であ
り、アルキル部が直鎖状または分岐鎖状の炭素数1〜4
のアルキル基であるアラルキル基であり、例えばベンジ
ル、フェネチル、3−フェニルプロピル、4−フェニル
ブチルなど)などが挙げられる。
テロ環残基」とは、下記置換基で1または2以上置換さ
れていてもよい、窒素原子、酸素原子および硫黄原子か
らなる少なくとも1つ(好ましくは1〜3つ)のヘテロ
原子を含み、炭素数が好ましくは3〜14、より好まし
くは3〜10であるヘテロ環残基であり、「ヘテロ環残
基」の具体例としては、例えばチエニル基、オキサゾリ
ル基、チアゾリル基、ピリジル基などが挙げられる。置
換基としては、例えばアルキル基(上記と同義)、アラ
ルキル基(上記と同義)などが挙げられる。
ピリジンの製造方法 本発明において、2−モノ置換ピリジンおよび4−モノ
置換ピリジンは、例えば、1,2−ジ置換ジヒドロピリ
ジンまたは1,4−ジ置換ジヒドロピリジンを、(1)
二酸化マンガン(但し、(1)のときの反応温度は70
℃〜200℃である)、(2)二酸化マンガンとトリメ
チルシリルクロライド、(3)二酸化マンガンと塩酸、
(4)臭素、および(5)遷移金属塩と過酸化水素から
なる群より選ばれる1つと反応させることにより得るこ
とができる。
ジ置換ジヒドロピリジンか1,4−ジ置換ジヒドロピリ
ジンのどちらか一方を少なくとも用いていればよく、も
ちろん、両方(即ち、これらの混合物)用いる場合も包
含する。原料の選択は、所望の化合物によって適宜選択
すればよいが、実際には1,2−ジ置換ジヒドロピリジ
ンや1,4−ジ置換ジヒドロピリジンを従来法で製造す
ると、殆どの場合これらの混合物が得られるため、これ
らの混合物を原料として用いるのが一般的である。原料
としてこれらの混合物を用いると2−モノ置換ピリジン
と4−モノ置換ピリジンとの混合物が得られるが、後述
の「4−モノ置換ピリジンの選択的製造方法」に当該混
合物を付せば、4−モノ置換ピリジンを簡便に単離する
ことができる。本発明の「2−モノ置換ピリジンまたは
4−モノ置換ピリジンの製造方法」においては、1,2
−ジ置換ジヒドロピリジンからは2−モノ置換ピリジン
が、1,4−ジ置換ジヒドロピリジンからは4−モノ置
換ピリジンが得られる。
1,2−ジ置換ジヒドロピリジン」の具体例としては、
例えば1−エトキシカルボニル−1,4−ジヒドロ−4
−(4−トリル)ピリジン、1−エトキシカルボニル−
1,2−ジヒドロ−2−(4−トリル)ピリジン)、1
−エトキシカルボニル−1,4−ジヒドロ−4−(3−
トリル)ピリジン、1−エトキシカルボニル−1,2−
ジヒドロ−2−(3−トリル)ピリジン、1−エトキシ
カルボニル−1,4−ジヒドロ−4−(2−トリル)ピ
リジン、1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロ−
2−(2−トリル)ピリジン、1−メトキシカルボニル
−1,4−ジヒドロ−4−(4−トリル)ピリジン、1
−メトキシカルボニル−1,2−ジヒドロ−2−(4−
トリル)ピリジン、1−メトキシカルボニル−1,4−
ジヒドロ−4−(3−トリル)ピリジン、1−メトキシ
カルボニル−1,2−ジヒドロ−2−(3−トリル)ピ
リジン、1−メトキシカルボニル−1,4−ジヒドロ−
4−(2−トリル)ピリジン、1−メトキシカルボニル
−1,2−ジヒドロ−2−(2−トリル)ピリジン、1
−フェノキシカルボニル−1,4−ジヒドロ−4−(4
−トリル)ピリジン、1−フェノキシカルボニル−1,
2−ジヒドロ−2−(4−トリル)ピリジン、1−フェ
ノキシカルボニル−1,4−ジヒドロ−4−(3−トリ
ル)ピリジン、1−フェノキシカルボニル−1,2−ジ
ヒドロ−2−(3−トリル)ピリジン、1−フェノキシ
カルボニル−1,4−ジヒドロ−4−(2−トリル)ピ
リジン、1−フェノキシカルボニル−1,2−ジヒドロ
−2−(2−トリル)ピリジン、1−t−ブトキシカル
ボニル−1,4−ジヒドロ−4−(4−トリル)ピリジ
ン、1−t−ブトキシカルボニル−1,2−ジヒドロ−
2−(4−トリル)ピリジン、1−t−ブトキシカルボ
ニル−1,4−ジヒドロ−4−(3−トリル)ピリジ
ン、1−t−ブトキシカルボニル−1,2−ジヒドロ−
2−(3−トリル)ピリジン、1−t−ブトキシカルボ
ニル−1,4−ジヒドロ−4−(2−トリル)ピリジ
ン、1−t−ブトキシカルボニル−1,2−ジヒドロ−
2−(2−トリル)ピリジンなどが挙げられ、1−エト
キシカルボニル−1,4−ジヒドロ−4−(4−トリ
ル)ピリジン、1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒ
ドロ−2−(4−トリル)ピリジンが特に好ましい。
て順に説明する。 方法(1) 具体的には、例えば、溶媒中、1,4−ジ置換ジヒドロ
ピリジンおよび/または1,2−ジ置換ジヒドロピリジ
ン、および二酸化マンガンを70℃〜200℃に加熱、
撹拌する。二酸化マンガンはこれまで1,4−ジ置換ジ
ヒドロピリジンおよび1,2−ジ置換ジヒドロピリジン
の酸化には用いられておらず、本発明者らは反応温度を
70℃〜200℃に設定することにより、初めて二酸化
マンガンが1,4−ジ置換ジヒドロピリジンおよび1,
2−ジ置換ジヒドロピリジンを酸化できることを見出し
た。温度が70℃未満である場合、酸化反応がほとんど
進行せず、200℃を超える場合、原料および生成物の
分解が無視できない程生じ、収率が低下する。
ば、炭化水素系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、クメン、シメン、テトラリン、デカリンな
ど)、ハロゲン化炭化水素系溶媒(例えば、モノクロロ
ベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロエタンなど)な
どが挙げられ、これらは1または2以上併用してもよ
く、好ましくはトルエン、キシレンである。
1,4−ジ置換ジヒドロピリジンまたは1,2−ジ置換
ジヒドロピリジン(混合物を用いる場合にはその総和)
1重量部に対して、好ましくは2重量部〜20重量部、
より好ましくは2重量部〜5重量部である。
用いることができる。二酸化マンガンの使用量は、1,
4−ジ置換ジヒドロピリジンまたは1,2−ジ置換ジヒ
ドロピリジン(混合物を用いる場合にはその総和)1モ
ル量に対して、好ましくは1モル量〜15モル量、より
好ましくは5モル量〜10モル量である。
範囲内で行うことが必須であり、好ましくは100℃〜
150℃、より好ましくは100℃〜200℃、さらに
好ましくは100℃〜150℃で、通常30分〜5時
間、好ましくは30分〜2時間で終了する。
および/または1,2−ジ置換ジヒドロピリジンの溶媒
の溶液に、二酸化マンガンとトリメチルシリルクロライ
ドを同時に加え、加熱、撹拌する。方法(2)は、方法
(1)と比べて、二酸化マンガンの使用量を顕著に削減
できることを本発明者らは見出した。方法(2)を行う
際、二酸化マンガンとトリメチルシリルクロライドとは
同時に1,4−ジ置換ジヒドロピリジンおよび/または
1,2−ジ置換ジヒドロピリジンに作用させることが重
要である。同時に作用させない場合、酸化反応は起こら
ない。
ば、エーテル系溶媒(例えば、テトラヒドロフラン(T
HF)、ジメトキシエタン、ジオキサン、ジグライムな
ど)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニトリル、プロ
ピオニトリルなど)、エステル系溶媒(例えば、酢酸エ
チル、酢酸ブチルなど)などが挙げられ、これらは1ま
たは2以上併用してもよく、好ましくはTHF、酢酸エ
チルである。
1,4−ジ置換ジヒドロピリジンまたは1,2−ジ置換
ジヒドロピリジン(混合物を用いる場合にはその総和)
1重量部に対して、好ましくは3重量部〜20重量部、
より好ましくは3重量部〜10重量部である。
量は、1,4−ジ置換ジヒドロピリジンまたは1,2−
ジ置換ジヒドロピリジン(混合物を用いる場合にはその
総和)1モル量に対して、好ましくは1モル量〜3モル
量、より好ましくは1.05モル量〜1.5モル量であ
る。
種類や量などに依存するが、通常0℃〜100℃の範囲
内で行い、収率よく、高純度の生成物を得るためには1
5℃〜60℃の範囲内で行うのが好ましい。方法(2)
の反応は、用いる溶媒や試薬の種類や量などに依存する
が、上記温度範囲内で、通常30分〜5時間、好ましく
は30分〜3時間で終了する。
および/または1,2−ジ置換ジヒドロピリジンの溶媒
に、二酸化マンガンと塩酸を同時に添加し、加熱、撹拌
する。方法(3)は、方法(1)と比べて、二酸化マン
ガンの使用量を顕著に削減できることを本発明者らは見
出した。方法(3)を行う際、二酸化マンガンと塩酸と
は同時に1,4−ジ置換ジヒドロピリジンおよび/また
は1,2−ジ置換ジヒドロピリジンに作用させることが
重要である。同時に作用させない場合、酸化反応は起こ
らない。
ば、エーテル系溶媒(例えば、THF、ジメトキシエタ
ン、ジオキサン、ジグライムなど)、炭化水素系溶媒
(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、シ
メン、テトラリン、デカリンなど)、ハロゲン化炭化水
素系溶媒(例えば、モノクロロベンゼン、ジクロロベン
ゼン、ジクロロエタンなど)、アルコール類(例えば、
エタノール、メタノール、1−プロパノール、1−ブタ
ノール、2−プロパノール、t−ブタノール、t−アミ
ルアルコールなど)、ニトリル系溶媒(例えば、アセト
ニトリル、プロピオニトリルなど)、エステル系溶媒
(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、水などが挙
げられ、これらは1または2以上併用してもよく、好ま
しくはトルエンと水との混合液、THFと水との混合液
である。
1,4−ジ置換ジヒドロピリジンまたは1,2−ジ置換
ジヒドロピリジン(混合物を用いる場合にはその総和)
1重量部に対して、好ましくは4重量部〜10重量部、
より好ましくは4重量部〜7重量部である。尚、塩酸中
に含まれる水分量も当該「方法(3)で用いる溶媒の総
使用量」に包含すべきである。
量は、1,4−ジ置換ジヒドロピリジンまたは1,2−
ジ置換ジヒドロピリジン(混合物を用いる場合にはその
総和)1モル量に対して、好ましくは1モル量〜5モル
量、より好ましくは1.05モル量〜1.2モル量であ
る。
4−ジ置換ジヒドロピリジンまたは1,2−ジ置換ジヒ
ドロピリジン(混合物を用いる場合にはその総和)1モ
ル量に対して、好ましくは4モル量〜20モル量、より
好ましくは5モル量〜7モル量である。塩酸の濃度は、
5%〜35%の範囲内であり、反応の容積効率を高める
ためには10%〜35%の範囲内であるのが好ましい。
種類や量などに依存するが、通常0℃〜100℃で行
い、速やかに、かつ収率よく高純度の精製物を得るため
には15℃〜60℃で行うのが好ましい。方法(3)の
反応は、用いる溶媒や試薬の種類や量などに依存する
が、上記温度範囲内で、通常30分〜5時間、好ましく
は30分〜2時間で終了する。
および/または1,2−ジ置換ジヒドロピリジンの溶液
に臭素を添加し、加熱、撹拌する。
ば、炭化水素系溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、クメン、シメン、テトラリン、デカリンな
ど)、ハロゲン化炭化水素系溶媒(例えば、モノクロロ
ベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロエタンなど)な
どが挙げられ、これらは1または2以上併用してもよ
く、好ましくはモノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン
である。
1,4−ジ置換ジヒドロピリジンまたは1,2−ジ置換
ジヒドロピリジン(混合物を用いる場合にはその総和)
1重量部に対して、好ましくは2重量部〜10重量部、
より好ましくは3重量部〜5重量部である。
4−ジ置換ジヒドロピリジンまたは1,2−ジ置換ジヒ
ドロピリジン(混合物を用いる場合にはその総和)1モ
ル量に対して、好ましくは2.5モル量〜5モル量、よ
り好ましくは3モル量〜4モル量である。
溶媒の沸点、好ましくは70℃〜140℃で行い、用い
る溶媒や試薬の種類や量などに依存するが、上記温度範
囲内で、通常30分〜5時間、好ましくは30分〜2時
間で終了する。
および/または1,2−ジ置換ジヒドロピリジンの溶液
に、遷移金属塩および過酸化水素を添加し、加熱、撹拌
する。過酸化水素は一括添加よりは分割添加するのが好
ましく、また取り扱い易く、安全性が高いなどの点から
過酸化水素水として用いるのが好ましい。過酸化水素水
の水分量は下記「方法(5)で用いる溶媒の総使用量」
に包含される。
ば、エーテル系溶媒(例えば、THF、ジメトキシエタ
ン、ジオキサン、ジグライムなど)、アルコール類(エ
タノール、メタノール、1−プロパノール、1−ブタノ
ール、2−プロパノール、t−ブタノール、t−アミル
アルコールなど)、ニトリル系溶媒(例えば、アセトニ
トリル、プロピオニトリルなど)、酢酸、ギ酸、水など
が挙げられ、これらは1または2以上を併用してもよ
く、好ましくはメタノール水溶液、酢酸水溶液である。
1,4−ジ置換ジヒドロピリジンまたは1,2−ジ置換
ジヒドロピリジン(混合物を用いる場合にはその総和)
1重量部に対して、好ましくは2重量部〜10重量部、
より好ましくは2重量部〜9重量部である。
は、1,4−ジ置換ジヒドロピリジンまたは1,2−ジ
置換ジヒドロピリジン(混合物を用いる場合にはその総
和)1モル量に対して、好ましくは1モル量〜10モル
量、より好ましくは1.1モル量〜4モル量である。
例えば、鉄塩(例えば、臭化第一鉄、硫酸第一鉄、塩化
第一鉄、塩化第二鉄など)、銅塩(例えば、塩化第一
銅、臭化第一銅、硫酸銅、硫化銅、アセチルアセトナー
ト銅など)、コバルト塩(例えば、酢酸コバルト、塩化
コバルトなど)などが挙げられ、これらは1または2以
上を併用してもよく、好ましくは塩化第一鉄、臭化第一
銅、酢酸コバルト、アセチルアセトナート銅である。
は、1,4−ジ置換ジヒドロピリジンまたは1,2−ジ
置換ジヒドロピリジン(混合物を用いる場合にはその総
和)1モル量に対して、好ましくは0.001モル量〜
0.1モル量、より好ましくは0.005モル量〜0.
05モル量である。
種類や量にも依存するが、通常0℃〜50℃で行い、速
やかに反応を進行させ、過酸化水素を効率的に使用する
ためには0℃〜40℃で行うのが好ましい。方法(5)
の反応は、用いる溶媒や試薬の種類や量にも依存する
が、上記温度範囲内で、通常1時間〜100時間、好ま
しくは3時間〜80時間で終了する。
換ピリジン及び2−モノ置換ピリジンは、反応液中に不
溶物がある場合には不溶物を濾去し、濾液に酸性水溶液
(好ましくは塩酸)を加えて抽出し、得られた水層のp
Hをアルカリ(好ましくは10〜11)にすることによ
り、単離することができる。単離後、常法(例えば、洗
浄、再結晶など)により精製することができる。
−ジ置換ジヒドロピリジンと1,4−ジ置換ジヒドロピ
リジンとの混合物である場合、上記単離方法で2−モノ
置換ピリジンと4−モノ置換ピリジンとの混合物を溶液
から分離することができるが、4−モノ置換ピリジンが
所望である場合には、例えば、分離した混合物を更に、
下記「4−モノ置換ピリジンの選択的製造方法」に付せ
ばよい。
etrahedron Lett.,24巻、2807
〜2810頁(1983年)、Tetrahedron
43巻、895〜904頁(1987年)、Tetr
ahedron 48巻、5647〜5656頁(19
92年)、J.Org.Chem.,47巻、4315
〜4319頁(1982年)などに開示の方法により製
造することができる。
物を酸と反応させると、選択的に4−モノ置換ピリジン
の塩が析出する。具体的には、例えば、溶媒、4−モノ
置換ピリジンと2−モノ置換ピリジンとの混合物および
酸を加熱、撹拌する。析出した結晶は、例えば濾取する
ことにより取り出す。得られた4−モノ置換ピリジンの
塩は常法によりフリー体にすることができる。
ジンとの混合物はどのような方法で製造してもよいが、
例えば1,4−ジ置換ジヒドロピリジンと1,2−ジ置
換ジヒドロピリジンとの混合物を上記(1)〜(5)の
いずれかの方法に付すことにより得ることができる。
る溶媒としては、例えば、エステル系溶媒(例えば、酢
酸エチル、酢酸ブチルなど)、ニトリル系溶媒(例え
ば、アセトニトリル、プロピオニトリルなど)、アルコ
ール類(例えば、メタノール、2−プロパノールな
ど)、ハロゲン化炭化水素系溶媒(例えば、モノクロロ
ベンゼン、ジクロロエタンなど)などが挙げられ、好ま
しくはメタノール、2−プロパノール、酢酸エチルであ
る。
ンと2−モノ置換ピリジンとの混合物の総重量に対し
て、通常3倍重量〜20倍重量、好ましくは4倍重量〜
15倍重量である。上記方法(1)〜(5)で得られた
当該混合物を溶液から単離することなくそのまま4−モ
ノ置換ピリジンの選択的製造方法に付した場合、その時
の溶媒の使用量は、1,4−ジ置換ジヒドロピリジンと
1,2−ジ置換ジヒドロピリジンとの混合物から化学量
論的に得られる4−モノ置換ピリジンと2−モノ置換ピ
リジンとの混合物の総重量に対して、通常3倍重量〜2
0倍重量、好ましくは4倍重量〜15倍重量である。
る酸としては、有機酸(例えば、パラトルエンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、シュウ酸、クエン酸など)、
無機酸(例えば、塩酸、硫酸、ヨウ化水素酸、過塩素酸
など)などが挙げられ、パラトルエンスルホン酸、シュ
ウ酸が好ましい。
と2−モノ置換ピリジンとの混合物の総モル量に対し
て、通常0.8倍モル量〜1.8倍モル量、好ましくは
0.9倍モル量〜1.6倍モル量である。上記方法
(1)〜(5)で得られた4−モノ置換ピリジンと2−
モノ置換ピリジンとの混合物を溶液から単離することな
くそのまま4−モノ置換ピリジンの選択的製造方法に付
した場合の酸の使用量は、方法(1)〜(5)で用いた
1,4−ジ置換ジヒドロピリジンと1,2−ジ置換ジヒ
ドロピリジンとの混合物の総モル量に対して、通常0.
8倍モル量〜1.8倍モル量、好ましくは0.9倍モル
量〜1.6倍モル量である。
いる溶媒や試薬の種類や量に依存するが、通常40℃〜
150℃、好ましくは65℃〜100℃で、通常1時間
〜5時間、好ましくは1時間〜2時間で終了する。
とにより、4−モノ置換ピリジンの塩を単離することが
できる。当該塩としては、例えば4−モノ置換ピリジン
と上記酸との塩が挙げられる。塩を単離後、常法(例え
ば、洗浄、再結晶など)により精製することができる。
フリー体への変換は常法(例えば、塩基による中和な
ど)により行うことができる。
−置換ピリジンは、例えば、WO9731910等に記
載の方法に従って、医薬品化合物へと変換することがで
きる。
発明はこれらによって限定されるものではない。 参考例1 ピリジン(45.17g、0.571mol)、臭化第
一銅(4.0g、0.0279mol)をTHF(24
4g)に懸濁させ、クロロ炭酸エチル(62.0g、
0.571mol)と4−トリルマグネシウムクロリド
のTHF溶液(281.5g、0.571mol)を−
5℃〜0℃で同時に3.5時間かけて滴下した。−5℃
〜0℃で35分攪拌後、水(379g)、35%塩酸
(11.9g)、塩化アンモニウム(23.5g)の混
合物を加え、有機層を分離した。有機層を水(185
g)、塩化アンモニウム(18.5g)、28%アンモ
ニア水(1g)の混合物で洗浄後、溶媒を留去し、1−
エトキシカルボニル−1,4−ジヒドロ−4−(4−ト
リル)ピリジン(112g、収率81.0%)と1−エ
トキシカルボニル−1,2−ジヒドロー2−(4−トリ
ル)ピリジン(13.2g、収率9.6%)の混合物を
黄色油状物(総収率:90.6%、モル比89.4:1
0.6)として得た。主生成物である1−エトキシカル
ボニル−1,4−ジヒドロー4−(4−トリル)ピリジ
ンの1H−NMRスペクトルを以下に示した。
H, t, J=7Hz), 2.33 (3H, s), 4.13 (1H, m), 4.27 (2
H, q, J=7Hz), 4.90 (1H, d、J=7 Hz), 4.97 (1H, d, J=
7 Hz),6.83 (1H, d, J=7Hz), 6.94 (1H, d, J=7Hz), 7.
15 (4H, s).
ml)に溶解し、クロロ炭酸エチル(6ml、62.8
mmol)と4−トリルマグネシウムクロリドのTHF
溶液(20ml、60mmol)を−20℃で同時に1
5分かけて滴下した。室温で1時間攪拌後、水(20m
l)を加え、有機層を分離した。有機層を3mol/L
塩酸水(20ml)、水(20ml)、飽和重曹水(2
0ml)で洗浄後、溶媒を留去した。残渣(LC分析に
より、1,2−ジ置換ジヒドロピリジン:1,4ジ置換
体=88:12)をカラムクロマトグラフィーで精製
し、1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロ−2−
(4−トリル)ピリジン(7.6g、52%)を無色油
状物として得た。1−エトキシカルボニル−1,2−ジ
ヒドロ−2−(4−トリル)ピリジンの 1H−NMRス
ペクトルを以下に示した。1 H-NMR(400MHz, CDCl3) δ(ppm)=1.22-1.32 (3H, m),
2.32 (3H, s), 4.16-4.26(2H, m), 5.23-5.29 (1H, m),
5.64-5.68 (1H, m), 5.85-6.04 (2H, m), 6.73-6.93
(1H, m), 7.11-7.36 (5H, m).
−トリル)ピリジンと1−エトキシカルボニル−1,2
−ジヒドロ−2−(4−トリル)ピリジンとの混合物
(147g、0.6mol、モル比=84:16)、二
酸化マンガン(380g、4.4mol)およびトルエ
ン(440ml)を1時間加熱還流した。不溶物を濾去
し、濾液を3mol/L塩酸で抽出した。抽出した水層
を20%苛性ソーダ水でpH11とすることにより、4
−(4−トリル)ピリジンと2−(4−トリル)ピリジ
ンとの混合物(モル比=84:16)を無色固体として
72.7g得た(混合物中の4−(4−トリル)ピリジ
ンの含量:61.6g、1−エトキシカルボニル−1,
4−ジヒドロ−4−(4−トリル)ピリジンからの収
率:72%)。
R:1 H-NMR (400MHz, CDCl3): δ (ppm)=2.41 (3H.s), 7.30
(2H, d, J=8.0Hz), 7.50 (2H, dd, J=1.6, 4.4Hz), 7.
55 (2H, d, J=8.0Hz), 8.63 (2H, dd, J=1.6, 4.4Hz).
R:1 H-NMR (400MHz, CDCl3):δ (ppm)=2.38 (3H, s), 7.12
-7.17 (1H, m), 7.26 (2H, d, J=8Hz), 7.65-7.66 (2H,
m), 7.89 (2H, d, J=8Hz), 8.65 (1H, d, J=6Hz).
−トリル)ピリジンと1−エトキシカルボニル−1,2
−ジヒドロ−2−(4−トリル)ピリジンとの混合物
(1.36g、5.6mmol、モル比=84:16)
のモノクロロベンゼン(6ml)溶液を80℃〜90℃
に加熱し、これに臭素(1.0g、19mmol)を5
分かけて滴下した。1.5時間加熱(80℃〜90℃)
後、冷却し、反応液を水で抽出した。水層を20%苛性
ソーダ水でpH10とし、酢酸エチルで抽出した。有機
層に内部標準としてナフタレンを加え、LC分析した結
果、4−(4−トリル)ピリジンの収量は0.18g
(1−エトキシカルボニル−1,4−ジヒドロ−4−
(4−トリル)ピリジンからの収率:24%)、2−
(4−トリル)ピリジンの収量は0.004g(1−エ
トキシカルボニル−1,2−ジヒドロ−2−(4−トリ
ル)ピリジンからの収率:2.7%)であった。
−トリル)ピリジンと1−エトキシカルボニル−1,2
−ジヒドロ−2−(4−トリル)ピリジンとの混合物
(5.06g、20.8mmol、モル比=84:1
6)のモノクロロベンゼン(20ml)溶液を加熱還流
し、これに臭素(3.5g、67.8mmol)を10
分かけて滴下した。30分加熱還流後、冷却し、反応液
を水で抽出した。水層を20%苛性ソーダ水でpH10
とし、酢酸エチルで抽出した。有機層に内部標準として
ナフタレンを加え、LC分析した結果、4−(4−トリ
ル)ピリジンの収量は0.69g(1−エトキシカルボ
ニル−1,4−ジヒドロ−4−(4−トリル)ピリジン
からの収率:27%)、2−(4−トリル)ピリジンの
収量は0.038g(1−エトキシカルボニル−1,2
−ジヒドロ−2−(4−トリル)ピリジンからの収率:
6.7%)であった。
−トリル)ピリジンと1−エトキシカルボニル−1,2
−ジヒドロ−2−(4−トリル)ピリジンとの混合物
(5.0g、20.6mmol、モル比=84:16)
のトルエン(20ml)溶液に二酸化マンガン(1.9
g、21.9mmol)を加え、20〜30℃で35%
塩酸(10ml、120mmol)を20分かけて加え
た。反応混合物を40℃〜50℃で45分間撹拌した。
水層を分離した後、LC分析した結果、4−(4−トリ
ル)ピリジンの収量は2.64g(1−エトキシカルボ
ニル−1,4−ジヒドロ−4−(4−トリル)ピリジン
からの収率:90%)、2−(4−トリル)ピリジンの
収量は0.029g(1−エトキシカルボニル−1,2
−ジヒドロ−2−(4−トリル)ピリジンからの収率:
5.2%)であった。
−トリル)ピリジンと1−エトキシカルボニル−1,2
−ジヒドロ−2−(4−トリル)ピリジンとの混合物
(5.0g、20.6mmol、モル比=84:16)
のTHF(30ml)溶液に二酸化マンガン(2.55
g、29.3mmol)を加え、40℃〜50℃でトリ
メチルシリルクロライド(15ml、118mmol)
を1時間かけて加えた。さらに、40℃で1時間撹拌
後、3mol/L塩酸を加え、水層を分離した。水層を
LC分析した結果、4−(4−トリル)ピリジンの収量
は2.66g(1−エトキシカルボニル−1,4−ジヒ
ドロ−4−(4−トリル)ピリジンからの収率:91
%)、2−(4−トリル)ピリジンの収量は0.067
g(1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロ−2−
(4−トリル)ピリジンからの収率:12%)であっ
た。
−トリル)ピリジンと1−エトキシカルボニル−1,2
−ジヒドロ−2−(4−トリル)ピリジンとの混合物
(1.0g、4.1mmol、モル比=84:16)の
メタノール(6ml)溶液に塩化第一鉄(5mg、0.
039mmol)を加え、10%過酸化水素水(1.5
ml)を10分で加えた。室温で1.5時間撹拌後、さ
らに、10%過酸化水素水(1.5ml)を滴下し、室
温で14時間撹拌した。反応液にトルエンおよび3mo
l/L塩酸を加え、水層を分離した。水層をLC分析し
た結果、4−(4−トリル)ピリジンの収量は0.52
g(1−エトキシカルボニル−1,4−ジヒドロ−4−
(4−トリル)ピリジンからの収率:89%)、2−
(4−トリル)ピリジンの収量は0.013g(1−エ
トキシカルボニル−1,2−ジヒドロ−2−(4−トリ
ル)ピリジンからの収率:11.7%)であった。
−トリル)ピリジンと1−エトキシカルボニル−1,2
−ジヒドロ−2−(4−トリル)ピリジンとの混合物
(1.0g、4.1mmol、モル比=84:16)の
メタノール(6ml)溶液に臭化第一銅(7mg、0.
049mmol)を加え、10%過酸化水素水(1.5
ml)を10分で加えた。室温で72時間撹拌後、反応
液をLC分析した結果、4−(4−トリル)ピリジンの
収量は0.33g(1−エトキシカルボニル−1,4−
ジヒドロ−4−(4−トリル)ピリジンからの収率:5
6%)、2−(4−トリル)ピリジンの収量は0.00
7g(1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロ−2
−(4−トリル)ピリジンからの収率:6.3%)であ
った。
−トリル)ピリジンと1−エトキシカルボニル−1,2
−ジヒドロ−2−(4−トリル)ピリジンとの混合物
(1.0g、4.1mmol、モル比=84:16)の
メタノール(6ml)溶液に酢酸コバルト(7mg、
0.04mmol)を加え、10%過酸化水素水(1.
5ml)を10分で加えた。室温で72時間撹拌後、反
応液をLC分析した結果、4−(4−トリル)ピリジン
の収量は0.30g(1−エトキシカルボニル−1,4
−ジヒドロ−4−(4−トリル)ピリジンからの収率:
51%)、2−(4−トリル)ピリジンの収量は0.0
05g(1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロ−
2−(4−トリル)ピリジンからの収率:4.5%)で
あった。
ンと1,2−ジ置換ジヒドロピリジンとの混合物から、
純度の高い4−モノ置換ピリジンの塩を製造する例) 1−エトキシカルボニル−1,4−ジヒドロ−4−(4
−トリル)ピリジン(152.8g、0.628mo
l)と1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロ−2
−(4−トリル)ピリジン(13.0g、0.0534
mol)との混合物(165.8g、モル比=92:
8)をメタノール(852g)に溶解した。これにアセ
チルアセトナート銅(1.7g、6.49mmol)を
加え、35%過酸化水素水(151.3g、1.56m
ol)を39℃〜42℃で16時間かけて滴下し、さら
に同温度で2時間撹拌した。さらに、35%過酸化水素
水(12.43g、0.128mol)を40℃〜43
℃で2時間かけて滴下し、同温度で2時間撹拌した。こ
れに、亜硫酸水素ナトリウム(21g)を加えた後、溶
媒を減圧留去した。酢酸エチル(752g)を加えた
後、アンモニア水(38.2g)と水(191g)の混
合物、濃塩酸(36.8g)と水(93.2g)の混合
物を加えた後、不溶物を濾去した。濾液を分液後、有機
層を常圧で濃縮した。残渣に酢酸エチル(1.3L)を
加え、さらにパラトルエンスルホン酸(187.5g、
0.986mol)を加えて2時間加熱還流した。0℃
に冷却後、結晶を濾取し、無色固体(197.9g)を
得た。LC分析の結果、この固体は4−(4−トリル)
ピリジンのパラトルエンスルホン酸塩と2−(4−トリ
ル)ピリジンのパラトルエンスルホン酸塩との混合物
(モル比99.91:0.09)であった。出発原料で
ある1−エトキシカルボニル−1,4−ジヒドロ−4−
(4−トリル)ピリジンからの4−(4−トリル)ピリ
ジンのパラトルエンスルホン酸塩の収率は、92.2%
であった。
塩と2−(4−トリル)ピリジンのパラトルエンスルホ
ン酸塩との混合物(10.01g、モル比=99.6:
0.4)を、2−プロパノール(60ml)中、1時間
加熱還流後、5℃以下で1時間撹拌し、生じた結晶を濾
取したところ、4−(4−トリル)ピリジンのパラトル
エンスルホン酸塩と2−(4−トリル)ピリジンのパラ
トルエンスルホン酸塩との混合物(9.4g、99.9
3:0.07)が得られた。4−(4−トリル)ピリジ
ンのパラトルエンスルホン酸塩の回収率は94%であっ
た。
ピリジンの工業的に好適な製造方法並びに4−モノ置換
ピリジンまたはその塩の選択的製造方法および分離方法
を提供することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 式 【化1】 (式中、RおよびR’は、同一または異なって、それぞ
れ、置換されていてもよいアルキル基、置換されていて
もよいアリール基、置換されていてもよいシクロアルキ
ル基または置換されていてもよいヘテロ環残基を示す)
で表される1,4−ジ置換ジヒドロピリジンまたは式 【化2】 (式中、RおよびR’は前記と同義である)で表される
1,2−ジ置換ジヒドロピリジンを、(1)二酸化マン
ガン(但し、(1)のときの反応温度は70℃〜200
℃である)(2)二酸化マンガンとトリメチルシリルク
ロライド、(3)二酸化マンガンと塩酸、(4)臭素、
および(5)遷移金属塩と過酸化水素からなる群より選
ばれる1つと反応させることを特徴とする、式 【化3】 (式中、Rは前記と同義である)で表される4−モノ置
換ピリジンまたは式 【化4】 (式中、Rは前記と同義である)で表される2−モノ置
換ピリジンの製造方法。 - 【請求項2】 二酸化マンガンとトリメチルシリルクロ
ライドを用いることを特徴とする請求項1記載の製造方
法。 - 【請求項3】 二酸化マンガンと塩酸を用いることを特
徴とする請求項1記載の製造方法。 - 【請求項4】 式 【化5】 (式中、RおよびR’は、同一または異なって、それぞ
れ、置換されていてもよいアルキル基、置換されていて
もよいアリール基、置換されていてもよいシクロアルキ
ル基または置換されていてもよいヘテロ環残基を示す)
で表される1,4−ジ置換ジヒドロピリジンと式 【化6】 (式中、RおよびR’は前記と同義である)で表される
1,2−ジ置換ジヒドロピリジンとの混合物を、(1)
二酸化マンガン(但し、(1)のときの反応温度は70
℃〜200℃である)、(2)二酸化マンガンとトリメ
チルシリルクロライド、(3)二酸化マンガンと塩酸、
(4)臭素、および(5)遷移金属塩と過酸化水素から
なる群より選ばれる1つと反応させ、式 【化7】 (式中、Rは前記と同義である)で表される4−モノ置
換ピリジンと式 【化8】 (式中、Rは前記と同義である)で表される2−モノ置
換ピリジンとの混合物を得、当該混合物を酸と反応させ
ることにより、選択的に4−モノ置換ピリジンの塩を析
出させることを特徴とする、4−モノ置換ピリジンまた
はその塩の製造方法。 - 【請求項5】 式 【化9】 (式中、RおよびR’は、同一または異なって、それぞ
れ、置換されていてもよいアルキル基、置換されていて
もよいアリール基、置換されていてもよいシクロアルキ
ル基または置換されていてもよいヘテロ環残基を示す)
で表される1,4−ジ置換ジヒドロピリジンと式 【化10】 (式中、RおよびR’は前記と同義である)で表される
1,2−ジ置換ジヒドロピリジンとの混合物を、(1)
二酸化マンガン(但し、(1)のときの反応温度は70
℃〜200℃である)、(2)二酸化マンガンとトリメ
チルシリルクロライド、(3)二酸化マンガンと塩酸、
(4)臭素、および(5)遷移金属塩と過酸化水素から
なる群より選ばれる1つと反応させ、式 【化11】 (式中、Rは前記と同義である)で表される4−モノ置
換ピリジンと式 【化12】 (式中、Rは前記と同義である)で表される2−モノ置
換ピリジンとの混合物を得、当該混合物を酸と反応させ
ることにより、選択的に4−モノ置換ピリジンの塩を析
出させることを特徴とする、4−モノ置換ピリジンまた
はその塩の分離方法。
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---|---|---|---|
JP2001361404A JP4287083B2 (ja) | 2001-11-27 | 2001-11-27 | 2−または4−モノ置換ピリジンの製造方法並びに4−モノ置換ピリジンまたはその塩の選択的製造方法および分離方法 |
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