JP2003159554A - 管内スプレー装置 - Google Patents

管内スプレー装置

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JP2003159554A
JP2003159554A JP2001360673A JP2001360673A JP2003159554A JP 2003159554 A JP2003159554 A JP 2003159554A JP 2001360673 A JP2001360673 A JP 2001360673A JP 2001360673 A JP2001360673 A JP 2001360673A JP 2003159554 A JP2003159554 A JP 2003159554A
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JP
Japan
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pipe
lining
block body
sliding body
spraying device
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JP2001360673A
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English (en)
Inventor
Shuichi Yagi
秀一 八木
Seita Shimizu
精太 清水
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Tokyo Gas Co Ltd
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Tokyo Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズルを管内の中心に保持するセンタリング
機構の自動調整、曲管挿通性の確保、重層ライニングへ
の対応、管内障害物に対する移動性の確保等が可能にな
り、実用性の高い管内スプレー装置を提供する。 【解決手段】 2液混合硬化性樹脂をライニング剤とす
る管内スプレー装置1であって、移動ブロック体10を
分割ブロック体10A,10B,10Cに分割して、そ
れぞれに湾曲した弾性板よりなる滑走体12を装備させ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管内全周に向けて
ライニング剤を噴射するノズルを備え、管軸方向に移動
しながら管内面にライニング膜を形成する管内スプレー
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】既設の水道管、ガス配管等の管内面をラ
イニングする工法として、管内面に硬化性樹脂による1
次ライニング処理(プライマー処理)を施した後、この
処理によって形成された1次ライニング層の上に高速硬
化反応型樹脂による2次ライニング層を形成する工法が
提案されている(特開2001−87706号公報)。
この工法によると、1次ライニング層(プライマー層)
の接着作用によってライニング層が管内面に強固に接着
される利点があると共に、2次ライニング層を2液混合
硬化性の高速硬化反応型樹脂により形成するので、施工
後の養生期間が不要になって作業性が向上するという利
点がある。
【0003】この2液混合硬化性の高速硬化反応型樹脂
によって管内面にライニング層を形成するには、高速硬
化性であるが故に、従来一般に用いられているライニン
グピグによる層形成は不可能である。そこで、2液混合
硬化性樹脂の塗膜を形成する際の一般技術であるスプレ
ーガン装置を用いることが考えられている。これは、イ
ソシアネート化合物とアミン化合物、或いはイソシアネ
ート化合物とポリオール化合物といった2液(A液とB
液)を混合室で混合させながら噴出する衝突混合ガンを
用いるもので、高圧液状のA液とB液をこの衝突混合ガ
ンで衝突させながら霧状に噴射させて、管内面に塗膜を
形成するというものである。前述の特開2001−87
706号公報には、この衝突混合ガンノズルを走行装置
に搭載し、配管の一方から他方に向けて牽引しながら、
ライニング剤を管内全周に向けて噴出させてライニング
層を形成する管内スプレー装置の構想が開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな高速硬化反応型樹脂を管内面にスプレーする管内ス
プレー装置は、未だ実用化に至っていないのが現状であ
る。このような管内スプレー装置を実用化するためには
以下に示す課題を解決する必要がある。
【0005】第1には、噴出装置(ノズル)を管内の中
心に保持するセンタリング技術の向上が必要である。特
に、前述のような高速硬化反応型樹脂をライニング剤と
して用い、管軸方向に移動しながら、このライニング剤
をノズルから管内全周に向けて噴出させ、一工程で管内
面に均一なライニング膜を形成するためには、ノズルの
中心が概ね管の中心軸付近を移動するように、ノズルを
管内で保持する必要がある。これに大きな偏りが生じる
と、管内面に近づいた側で形成された膜が厚くなり、逆
側で膜が薄くなるという不具合が生じる。
【0006】また、水道管,ガス配管といった既設管で
は、連続した管路であっても必ずしも均一な内径を有し
ているとはいえず、ある程度の内径誤差(±5〜7mm
程度)が存在する。更には、古い管になると部分的に偏
心した箇所が存在するものもある。このような管に前述
のノズルを用いて均一なランニング膜を形成するには、
管の内径誤差や偏心に対して移動中に追従して、内径変
化が生じてもノズルを概ね管の中心付近に保持するセン
タリング手段が必要となる。
【0007】第2には、曲管に対する挿通性を確保する
必要がある。前述のような衝突混合スプレーガン機構を
有する管内スプレー装置を実現しようとすると、200
mm以下の内径を有する管に対して挿入可能な装置外径
を有し、しかも遠隔操作によってノズルからの噴出を制
御する駆動手段を装備する必要がある。そうした場合、
必然的に、装置の管内挿入部分は縦長の構造に成らざる
を得えず、これが、屈折部を有する曲管に対する挿通性
の妨げになっている。
【0008】第3には、1次,2次或いはそれ以上に重
ねてライニング層を形成する重層ライニングに対応する
適正が必要である。つまり、重層ライニングの場合に
は、管内面に形成されたライニング層の上に新たなライ
ニング層を形成するものであるから、前述の従来技術に
おける走行装置は既に形成されたライニング膜の上を走
行することになる。この走行装置が既に形成されている
ライニング膜を傷つける危険性があり、これを解消する
走行手段の開発が不可欠となる。
【0009】また、1次,2次とライニングを繰り返す
たびに、ライニング層の厚さ分だけ管の内径は実質的に
小さくなるが、前述のセンタリング手段を考えると、各
ライニング処理毎にセンタリング手段を変更又は調整す
る必要があり、このような変更や調整が重層ライニング
処理の作業性を悪化させる原因になる。
【0010】更に言及すると、既設配管の内面には、各
種原因による突起が存在しており、これが前述の走行装
置を管軸方向に移動させる際の障害になっていた。
【0011】本発明は、このような事情に対処するため
に提案されたものであって、前述した諸問題を解消し、
実用性の高い管内スプレー装置を提供することを目的と
するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の各請求項に係る管内スプレー装置は、以下
の特徴を具備するものである。
【0013】請求項1に係る発明は、管内全周に向けて
ライニング剤を噴射するノズルを備え、管軸方向に移動
しながら管内面にライニング膜を形成する管内スプレー
装置において、前記ノズルを先端の中心部に設けた移動
ブロック体と、前記管内に当接して前記移動ブロック体
を管内中心に保持しながら前記管内面を滑走する滑走体
とを備え、該滑走体は、管軸方向に延びる長尺の湾曲し
た弾性板からなり、前記管内面の垂直方向に弾性変位可
能であって、前記移動ブロック体の管軸回りに等間隔で
少なくとも3箇所設けられることを特徴とする。
【0014】請求項2に係る発明は、請求項1の管内ス
プレー装置を前提として、前記移動ブロック体は、2液
混合硬化性樹脂を混合しながら噴射するスプレーガン機
構を構成する複数の分割ブロック体で形成され、各分割
ブロック体が被混合樹脂及びエアを供給する可撓ホース
で接続されることを特徴とする。
【0015】請求項3に係る発明は、請求項1又は2の
管内スプレー装置を前提として、前記滑走体は、少なく
とも進行方向端部に反り上がり湾曲部を有すると共に、
前記移動ブロック体が接続される中央部分に浮き上がり
湾曲部を有することを特徴とする。
【0016】請求項4に係る発明は、請求項1〜3の管
内スプレー装置を前提として、前記滑走体は、前記管内
面への当接箇所に車輪が設けられることを特徴とする。
【0017】前述の各請求項に係る発明によると、以下
の作用を呈する。
【0018】請求項1の管内スプレー装置では、ノズル
を先端の中心部に設けた移動ブロック体を管内の中心軸
に沿って移動させながら、ノズルからライニング剤を管
内全周に向けて噴出させるもので、均一なライニング膜
を一工程で管内面に形成することができる。
【0019】そして、移動ブロック体にはその管軸回り
に少なくとも3つの滑走体が等間隔で設置されており、
この滑走体は管内面の垂直方向に弾性変位可能であるか
ら、移動ブロック体の移動中に内径誤差によって管の内
径が変化したり、管に偏心箇所があったとしても、滑走
体の弾性変位がこれを吸収して、常に移動ブロック体の
センタリング、つまり移動体の中心部の設けたノズルの
センタリングが可能になる。この滑走体の弾性変位を弾
性板の湾曲形状によって得る場合には、バネ部材等を別
に設ける必要がないので、装置の構成の簡略化,低コス
ト化が可能である。
【0020】また、異なる内径の管内を移動させる場合
や、重層ライニング処理によって各処理毎にライニング
層の厚さ分だけ管の内径が変わる場合にも、滑走体の弾
性変位によって内径の変化分を自動調整するので、滑走
体によるセンタリング機構を変更又は調整する必要が無
く、良好な作業性を確保できる。
【0021】更には、滑走体を管軸方向に延びる長尺の
弾性板で構成しているので、この長尺の弾性板によって
移動ブロック体を管内中心に安定して保持することが可
能になり、移動中の傾きや軸ずれを回避することができ
る。
【0022】また、滑走体を湾曲した板状体としている
ので、既に管内面に形成されたライニング層の上に重層
を形成する場合にも、このライニング層の表面に接する
滑走体の底面を湾曲によって減少させることができ、ラ
イニング層の損傷を回避することができる。そして、板
状滑走体の底面にライニング層表面との摩擦抵抗を低減
させる処理又はコーティングを施すことにより、移動時
の滑性を更に向上させることができ、既に形成されたラ
イニング層の損傷回避及び挿通性の確保において更に効
果を上げることができる。また、滑走体を湾曲形状の板
状体とすることで、管内の突起を滑走体が容易に乗り越
えることができ、障害物の多い管内においても良好な挿
通性を確保することができる。
【0023】請求項2の管内スプレー装置によると、前
述の作用と併せて、2液混合硬化性樹脂を混合しながら
噴出するスプレーガン機構を有し、移動ブロック体のノ
ズルから噴出された高速硬化型の樹脂により管内全周に
ライニング膜を形成するものである。
【0024】この管内スプレー装置は、移動ブロック体
を複数の分割ブロック体で形成して、各分割ブロック体
を可撓ホースで接続しているので、衝突混合スプレーガ
ン機構を組み込んだ管内スプレー装置であっても、各分
割ブロック体を管軸方向に短く形成でき、これによっ
て、90°ベント等の曲管に対しても充分な挿通性を確
保することができる。また、各分割ブロック体を接続す
る可撓ホースを鋼製メッシュホース等の高強度ホースに
することによって、この可撓ホースにより管内スプレー
装置の牽引強度を負担させることができる。
【0025】請求項3の管内スプレー装置は、前述の作
用を有する管内スプレー装置の滑走体に、少なくとも進
行方向端部に反り上がり部を設けると共に、移動ブロッ
ク体が接続される中央部分に浮き上がり湾曲部を設けた
ものであり、これによって滑走体を波状に湾曲された弾
性板にしている。これによると、進行方向端部の反り上
がり湾曲部によって、移動の障害となる管内の突起を容
易に乗り越えることが可能になって良好な挿通性が確保
できると共に、中央部分の浮き上がり湾曲部によって、
弾性板自身を管内面の垂直方向に向けて弾性変位させる
ことが可能になり、他のバネ部材を用いることなく、移
動ブロック体に対するセンタリングの自動調整が可能に
なる。また、滑走体が波状になっているので、既に形成
されたライニング層上を滑走する際の表面接触部を減少
させることにもなり、ライニング層の損傷回避が可能と
なる。
【0026】請求項4の管内スプレー装置は、前述の作
用を有する管内スプレー装置の滑走体において、管内面
への当接箇所に車輪を設けることで、移動時の摩擦抵抗
を更に低減させて挿通性を向上させたものである。これ
によると、既に形成されたライニング層の上を滑走する
際に、ライニング層の損傷を確実に回避することができ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る管
内スプレー装置の概要を示す説明図(側面図)であり、
図2は図1におけるA−A断面図である。
【0028】これらの図において、管内スプレー装置1
は、管2内に挿通され、矢印方向に牽引されることで管
内を移動しながら管内面又は既に形成されているライニ
ング層3の表面に新たなライニング膜4を形成する装置
である。この管内スプレー装置1によるライニングは、
管内スプレー装置1を対象とする管2に挿入して一方の
端まで搬送した後、これを他端に向けて牽引しながらラ
イニング剤を管内全周に向けて噴出させるものであり、
全体のシステム構成としては、牽引基には牽引機,ライ
ニング剤加圧供給手段,駆動用又はクリーニング用エア
の加圧供給手段が配備されている(図示省略)。
【0029】この管内スプレー装置1の管内挿入部は、
移動ブロック体10、ノズル11、滑走体12を主要な
構成要素としている。移動ブロック体10には、2液混
合硬化性樹脂を混合しながら噴出させる衝突混合スプレ
ーガン機構が装備されており、分割された3つの分割ブ
ロック体10A,10B,10Cにそれぞれ異なる機能
部分を分散させて配備して、これらを可撓ホース14A
〜14Bで接続している。この可撓ホース14A,14
Cは原液(A液及びB液)を供給するホースであり、1
4B,14Cは駆動用又はクリーニング用エアを供給す
るホースである。
【0030】これらの可撓ホース14A〜14Dは可撓
性を有する鋼製メッシュホースであって、所望の引張強
度を有して管内スプレー装置1を牽引する牽引強度の一
部を担っている。また、分割ブロック体10A,10
B,10Cは相互に連結線15で連結されており、分割
ブロック体10Cには牽引線16が連結されている。な
お、15Aは連結線15を連結するための連結具、17
は必要に応じて設けられる保護ケーブルカバーである。
【0031】前述した各分割ブロック体の機能を説明す
ると、分割ブロック体10Aは、その先端の中央部にノ
ズル11を備え、接続された可撓ホース14A,14C
から加圧供給される原液(A液及びB液)を内部に設け
たエアシリンダのスライド動作によって混合室内で混合
させ、これをノズル11から管内全周に向けて噴出させ
るものである。
【0032】分割ブロック体10Bには、原液A(イソ
シアネート化合物)に対する不純物除去フィルタが装備
されると共に、分割ブロック体10A内のエアシリンダ
駆動用、混合室及びノズル11のクリーニング用エアを
分割ブロック体10Aに供給するための制御用エアバル
ブが装備されている。また、分割ブロック10Cには、
エア及び原液供給ラインの遮断用バルブが設けられ、こ
の遮断用バルブを分割ブロック体10Cの外郭が覆うよ
うにすることで、良好な挿通性を確保している。
【0033】前述した移動ブロック体10を構成する分
割ブロック体10A,10B,10Cの各々には、管軸
回りに等間隔(120°間隔)で3箇所に滑走体12が
設けられている。この滑走体12は分割ブロック体10
A,10B,10Cのそれぞれの側面に支持部材13を
介して接続されており、3箇所の滑走体12が管内面に
当接した状態で各分割ブロック体10A,10B,10
Cの中心が管内の中心に位置するように設定されてい
る。
【0034】図3は、滑走体12の実施形態を説明する
説明図である。同図(a)が側面図、同図(b)がB−
B断面図を示している。図において、支持部材13はね
じ部13aを有しており、このねじ部13aによって移
動ブロック体10(分割ブロック体10A〜10C)の
側面に取り付けられており、この支持部材13の先端面
にねじ13bによって滑走体12が取り付けられてい
る。
【0035】この滑走体12は、波状に湾曲した長尺の
弾性板(バネ鋼製)よって形成され、その長手方向が管
軸方向に沿うように配設されている。そして、その両端
部(少なくとも進行方向端部)に反り上がり湾曲部12
a,12cを設け、支持部材13が取り付けられる中央
部分に浮き上がり湾曲部12bを設けている。
【0036】また、この滑走体12は、弾性板自体が管
内面2aの垂直方向に弾性変位を生じるものである。す
なわち、浮き上がり湾曲部12bが管内面からの側圧に
応じて破線で示すように弾性変形し、これによって滑走
体2と支持部材13との接続位置が矢印方向に弾性変位
する。更に、同図(b)に示すように、滑走体12の両
端にはエッジ部12d,12eが形成されている。
【0037】この滑走体12の機能について説明する。
【0038】(1)センタリング自動調整機能;滑走体
12は、支持部材13によって移動ブロック体10(分
割ブロック体10A〜10C)と接続することで、3点
支持で管内の中心に移動ブロック体10の中心を保持す
るものである。そして、滑走体12は管内面2aからの
側圧に応じてそれ自体が弾性変形して管内面の垂直方向
に弾性変位可能であるから、管の内径変化に対して自動
的に移動ブロック体10の位置をセンタリング調整する
ことができる。したがって、内径誤差や異径管接続等に
よって、管内スプレー装置1の移動中に管の内径が変化
しても、移動ブロック体10のセンタリングは保持さ
れ、引き続き均一なライニング膜を形成することができ
る。また、重層ライニングによって各ライニング工程毎
にライニング層厚分の実質的な管内径変化が生じる場合
にも、滑走体12を調整又は変更することなく連続して
作業を進めることができる。
【0039】(2)傾斜安定機能;滑走体12は管軸方
向に延びる長尺の板状部材であるから、移動中の安定性
が高く、移動ブロック体10を常に管軸に沿って移動さ
せることができる。したがって、移動中にノズル10の
先端が傾斜して膜厚を乱すことがなく、移動しながら均
一なライニング膜を形成することができる。
【0040】(3)障害物回避機能;滑走体12の進行
方向端部には反り上がり湾曲部12a(12c)が形成
されており、また滑走体12自体が弾性変形可能なもの
であるから、管内に存在する突起等の障害物が乗り越え
可能な大きさであれば、これを容易に乗り越えて滑走す
ることができる。また、大きな突起等の障害物に対して
は先端のエッジ12d(12e)によってこの障害物を
避けて滑走することが可能である。
【0041】(4)ライニング層保護機能;滑走体12
は、反り上がり湾曲部12a,12cと浮き上がり湾曲
部12bを有することで、底面の接地面積を少なくして
いる。したがって、ライニング層3の表面を滑走する際
にも、接触抵抗が少なくて済み、ライニング層3の損傷
を回避することできる。また、滑走体の底面にライニン
グ層3の表面との摩擦抵抗を低減させる処理又はコーテ
ィングを施すことにより、ライニング層の損傷回避性能
を更に向上させることができる。
【0042】(5)挿通性能;前述の障害物回避機能及
び傾斜安定機能によって、管内への移動ブロック体10
の挿通を円滑に行うことができる。また、前述したよう
に滑走体の底面にライニング層3の表面との摩擦抵抗を
低減させる処理又はコーティングを施すことにより、重
層ライニングにおいても更に円滑な挿通性を確保でき
る。そして、滑走体12自体が弾性変形可能な板体であ
るから、管の屈曲部においても滑走体12がその曲がり
に追従して通過できるので、曲管の挿通性においても問
題がない。
【0043】図4は、滑走体12の他の実施形態を示す
説明図である。同図(a)は側面図、同図(b)はC−
C断面図を示している。この実施形態は、弾性板自体は
図3の形態と同様であり、波状に湾曲して、両端に反り
上がり湾曲部12a,12c、中央部分に浮き上がり湾
曲部12bを有している。この実施形態によると、更に
弾性板における管内面への当接箇所の前後2箇所に、車
輪12Aが設けられている。
【0044】これによると、前述の機能に加えて、移動
時の摩擦抵抗を更に低減させて挿通性を向上させること
ができる。そして、既に形成されたライニング層の上を
滑走する際には、表面上を転走していくので、ライニン
グ層の損傷を確実に回避することができる。
【0045】また、この実施形態では、支持部材13を
滑走体12の取り付け面に嵌合した皿ねじ部材13A,
ワッシャ13B,コイルバネ13Cで構成して、この支
持部材13にサスペンション機能を付加している。これ
によると、弾性板による弾性変位に支持部材13のコイ
ルバネ13Cによる弾性変位が加わるので、更に大きな
変位が可能となり、大きな内径変化や障害突起の乗り越
え等に対応することができる。
【0046】次に、管内スプレー装置1のスプレーガン
機構について概要を説明する。図5は、そのスプレーガ
ン機構の概要を示す説明図である。本実施形態における
管内スプレー装置1の特徴は、スプレーガン機構を3つ
の分割ブロック体10A,10B,10Cに分散配備し
た点にある。分割ブロック体10Aには主にノズル1
1,ミキシングユニット20,エアシリンダ21が配備
される。分割ブロック体10Bにはエアバルブユニット
22,原液用フィルタ23が配備される。また、分割ブ
ロック体10Cには各ラインの遮断バルブ24が配備さ
れる。
【0047】各供給ラインについて説明すると、A液供
給ラインLは、分割ブロック体10C内の遮断バルブ
24を経由して、分割ブロック体10B内の原液用フィ
ルタ23によって不純物の除去がなされて、分割ブロッ
ク体10A内のミキシングユニット20におけるA液供
給口20aに繋がる。B液供給ラインLは、分割ブロ
ック体10C内の遮断バルブ24を経由して、分割ブロ
ック体10Bを通過し、分割ブロック体10Aのミキシ
ングユニット20におけるB液供給口20bに繋がる。
【0048】エア供給ラインは、駆動用ラインG1とク
リーニング用ラインG2が設けられ、それぞれ遮断バル
ブ24を経由しては、分割ブロック体10B内のエアバ
ルブユニット22に接続される。このエアバルブユニッ
トの切換制御によって、エアシリンダ21駆動用又はク
リーニングへのエア供給用のラインが切り換えられる。
【0049】この機構の動作を概略説明すると、エアバ
ルブユニットの切換制御によって、エアシリンダ21が
ON状態になると、ミキシングユニット20内の混合室
20d内にA液供給口20a及びB液供給口20bから
加圧された各原液が流入し、2つの原液が混合してライ
ニング剤となりノズル11から噴出する。また、エアバ
ルブユニットの切換制御によって、エアシリンダ21が
OFF状態になると各原液の混合室20d内への流入が
遮断され、同時にクリーニング孔20cに接続するエア
ラインが開放され、混合室20d内に加圧エアが流入し
て混合室20d及びノズル11の洗浄を行う。ここで用
いられる2液混合硬化性樹脂としては、イソシアネート
化合物とアミン化合物を混合させるポリウレア樹脂や、
イソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させ
るポリウレタン樹脂等が適する。
【0050】このような管内スプレー装置1の使用形態
としては、管内に1次ライニング(プライマー処理)又
は2次、3次ライニングを施した後に、既に形成されて
いるライニング層の表面に新たなライニング膜を形成す
る重層ライニングが特に適するが、管内面に直接ライニ
ング膜を形成する際にも本実施形態の管内スプレー装置
1は有効に活用できる。
【0051】そして、本実施形態による管内スプレー装
置1は、移動ブロック体10を複数の分割ブロック体1
0A,10B,10Cで形成して、各分割ブロック体を
可撓ホース14A〜14Cで接続しているので、スプレ
ーガン機構を組み込んだ装置であっても、各分割ブロッ
ク体10A,10B,10Cを管軸方向に短く形成し
て、曲管挿通性を確保できる。これによって、90°ベ
ント等の曲管に対しても有効に活用することができる。
【0052】
【発明の効果】本発明はこのように構成されるので、こ
れまで実用化の障害となっていた諸問題を解決して、ノ
ズルを管内の中心に保持するセンタリング機構の自動調
整、曲管挿通性の確保、重層ライニングへの対応、管内
障害物に対する移動性の確保等が可能になり、実用性の
高い管内スプレー装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る管内スプレー装置の
概要を示す説明図である。
【図2】図1におけるA−A断面図である。
【図3】本発明の管内スプレー装置における滑走体の実
施形態を説明する説明図である。同図(a)が側面図、
同図(b)がB−B断面図を示している。
【図4】本発明の管内スプレー装置における滑走体の他
の実施形態を説明する説明図である。同図(a)が側面
図、同図(b)がC−C断面図を示している。
【図5】スプレーガン機構の概要を示す説明図である。
【符号の説明】
1 管内スプレー装置 2 管 3 ライニング層 4 ライニング膜 10 移動ブロック体 10A,10B,10C 分割ブロック体 11 ノズル 12 滑走体 12a,12c 反り上がり湾曲部 12b 浮き上がり湾曲部 12A 車輪 13 支持部材 14A〜14D 可撓ホース 15 連結線 16 牽引線
フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AG01 AG12 AG23 CA33 CA48 DA14 DA15 DA19 DB02 DC05 EA07 EA27 EB38 4F035 AA03 CA04 CD03 CE01 CE05 4F042 AA25 AA26 EA03 EA10 EA18 EA28 EA29 EA30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管内全周に向けてライニング剤を噴射す
    るノズルを備え、管軸方向に移動しながら管内面にライ
    ニング膜を形成する管内スプレー装置において、 前記ノズルを先端の中心部に設けた移動ブロック体と、
    前記管内に当接して前記移動ブロック体を管内中心に保
    持しながら前記管内面を滑走する滑走体とを備え、 該滑走体は、管軸方向に延びる長尺の湾曲した弾性板か
    らなり、前記管内面の垂直方向に弾性変位可能であっ
    て、前記移動ブロック体の管軸回りに等間隔で少なくと
    も3箇所設けられることを特徴とする管内スプレー装
    置。
  2. 【請求項2】 前記移動ブロック体は、2液混合硬化性
    樹脂を混合しながら噴射するスプレーガン機構を構成す
    る複数の分割ブロック体で形成され、各分割ブロック体
    が被混合樹脂及びエアを供給する可撓ホースで接続され
    ることを特徴とする請求項1記載の管内スプレー装置。
  3. 【請求項3】 前記滑走体は、少なくとも進行方向端部
    に反り上がり湾曲部を有すると共に、前記移動ブロック
    体が接続される中央部分に浮き上がり湾曲部を有するこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の管内スプレー装
    置。
  4. 【請求項4】 前記滑走体は、前記管内面への当接箇所
    に車輪が設けられることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の管内スプレー装置。
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