JP2003159032A - 加熱収縮を防止したエビ - Google Patents

加熱収縮を防止したエビ

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信久 川野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加熱によるエビの収縮を解消し、更に高級感と
共に食感や旨味も保持し、冷凍耐性をも保有するエビの
新規加工技術を完成し、提供すること。 【解決手段】加熱収縮防止のために生エビの腹筋部に切
れ目を入れ、並びに/或いは腹筋部にグルコマンナンの
水和糊及び/又はグルコマンナン以外の多糖類を水に溶
いたものを注入したことを特徴とする加熱収縮を防止し
たエビ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エビが加熱によっ
て収縮することを防止解消するエビの収縮防止方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】日本において、エビは年間約40万トン
に達するほど好食されている。また、エビはこれまで久
しく、鯛と同様にめでたい魚介類として扱われてきた。
エビに関する食物としての特徴は、例えば水分が75〜
80%で、畜肉や魚肉と比べやや多いということが挙げ
られる。また、エビは脂質が畜肉や魚肉に比べて少な
く、カロリーは低い。エビのなかでは、イセエビは比較
的脂質が多い。エビ肉の蛋白質含有量は可食部あたりで
20%前後を占め、高蛋白の食品である。また、エビの
コレステロール含有量は魚肉と比べ多く、特に内臓も一
緒に食用するエビでは更に多くなる。
【0003】エビ肉は畜肉や魚肉にはない独特の風味が
あり、これが好まれている。クルマエビや大正エビの大
型のものは主にフライに利用され、外食や加工食品に消
費されることが多くなり、1985年以降これらのエビ
の輸入国及び輸入量は中国、中南米、東南アジア諸国、
インド等と拡大、増加した。大正エビやクルマエビと同
じように輸入エビに、ブラックタイガーが知られてい
る。
【0004】特にイセエビは死ぬと内臓の酵素によって
自己消化が進み鮮度が落ちるため漁獲直後に煮熟して急
速冷凍することが多い。しかしながら、エビの肉は冷凍
保存すると冷凍変性を起こす。例えば、毎年4〜6月に
かけてオーストラリヤやニュージーランドからロブスタ
ーの冷凍品も輸入されているが、冷凍変性のためエビの
肉質は劣化する。冷凍変性による肉質劣化を防止するた
め、エビを水槽で活かすことも行われるが身が痩せてお
いしくなくなる。
【0005】エビの流通形態には、これを活かした状態
でのものもあるが、生のまままたは煮熟した後に、冷凍
処理した冷凍品の形態が主である。
【0006】ところで、エビ身は煮熟すると腹部側に縮
み、円形に縮小して特有のエビ形状を失うという欠点が
存在するため、例えば、クルマエビのフライでは、エビ
肉が見えないほど小麦粉の衣をつけて揚げる。これはエ
ビ身の縮小を補う見掛けのテクニックとして常用されて
いるが、食用者にはこのような調理方法がエビの高級感
を損なうとして敬遠されがちである。また、このような
ことではエビの市場における価値評価も低下する一方
で、特に問題視されるのは、エビの頭部を除去した市販
品が主流になっている点である。これは、エビと同様に
めでたい魚介類として愛好されてきた鯛が頭を無用とし
て切り除かれて市販されるのと同様である。鯛の場合
は、専門の調理師が調理食用方法を確立しており問題な
い。然しながら、エビの場合は、生食を除き、保存や食
用方法は改善されることなく、限られた従来方法のまま
今日に至っており、食糧資源の有効活用の観点から、エ
ビの食用方法の改善や新規調理方法の望まれるところ大
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】日本では、エビがイセ
エビ、ロブスターやクルマエビに代表されるように、め
でたい魚介類として用いられ、高級感のもとで愛用され
た。ところが、特にクルマエビや大正エビでは冷凍物を
副食材に用いるようになり、加熱によりエビ肉が縮小し
て見かけを損なうことから、フライ等で、エビが見えな
いほど小麦粉の衣を絡めて油揚げする。そのため、エビ
の高級感が失われ、更に食用方法の改善もない今日に於
いて、加熱によるエビの収縮を解消し、更に高級感と共
に食感や旨味も保持し、冷凍耐性をも保有するエビの新
規加工技術を完成し、提供することが本発明が解決しよ
うとする課題である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前項記載の
目的を達成すべく鋭意研究を続けた結果、生エビは、
(a)その腹筋部に切れ目を入れるか、または(b)同
じ腹筋部にグルコマンナンの水和糊及び/又はグルコマ
ンナン以外の多糖類を水に溶いたものを注入するか、あ
るいは(c)(a)および(b)を併用することにより
加熱時の収縮が容易に防止できることを見出し、このよ
うな知見に基いて本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、加熱収縮防止のため
に生エビの腹筋部に切れ目を入れ、並びに/或いは腹筋
部にグルコマンナンの水和糊及び/又はグルコマンナン
以外の多糖類を水に溶いたものを注入したことを特徴と
する加熱収縮を防止したエビに関する。本発明は、ま
た、このような処理をした生エビを加熱処理した加熱処
理エビに関する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】先ず、生エビの腹筋部に切れ目を入れてそ
の加熱収縮を防止する方法について説明する。
【0012】エビには、背節殻皮部分と腹節殻皮部分に
挟まれて、殻皮下の腹部と背部に平行して走る2本の腹
筋を含む腹筋部が存在する。もっとも、この2本の腹筋
は視認では明確に区別できるとは限らない。
【0013】加熱収縮を防止するために、本発明によれ
ば、生エビの腹筋部に腹筋の走る方向に直角に切れ目を
入れるのである。切れ目の数や深さは加熱収縮を防止す
るのに適当な程度である。例えば、切れ目の数は2〜3
個所とすることができる。切れ目の深さは、深すぎると
エビ体は、特に加熱時に、複数個に分断されることにも
なりかねない。殻付きのエビの場合は、腹部側から切れ
目を入れることもできる。冷凍エビの場合は、解凍して
から切れ目を入れることができる。
【0014】このような切れ目を入れた生エビは、その
ままチルド流通に置くこともできるし、冷凍して冷凍エ
ビとして流通に置くこともできる。また、加熱して加熱
処理エビとして、またはこれを冷凍して加熱冷凍処理エ
ビとして流通に置くこともできる。
【0015】本発明によるエビの加熱収縮防止方法に
は、先に説明したように(a)エビの腹筋部に切れ目を
入れること、の他に(b)同じ腹筋部にグルコマンナン
の水和糊及び/又はグルコマンナン以外の多糖類を水に
溶いたものを注入すること、並びに(c)生エビの腹筋
部に、切れ目を入れかつグルコマンナンの水和糊及び/
又はグルコマンナン以外の多糖類を水に溶いたものを注
入することも含まれる。以下、これらについて説明す
る。
【0016】そこで、次に、生エビの腹筋部にグルコマ
ンナンの水和糊及び/又はグルコマンナン以外の多糖類
を水に溶いたものを注入することによりその加熱収縮を
防止する方法について説明する。
【0017】先ず、エビの腹筋部に注入するグルコマン
ナンについて説明する。
【0018】サトイモ科の畑作植物である蒟蒻芋は、そ
の球茎中に多糖類の高分子グルコマンナンを凡そ10%
含有しており、これを特殊な工法により精度の高い粒子
形状で採取したのが、精粉と呼ばれる市販こんにゃくの
粉体原料である。この原料を平均40倍量の水中に撹拌
し(40〜60分程度)、次いで凡そ2時間静置して膨
潤を図り、次に凝固剤例えば水酸化カルシウムの乳白液
を添加混練した後、所定の成型を施して加熱し、不可逆
ゲルの市販のこんにゃく製品を取得する。当該製品は特
有の嫌忌臭をともなう高アルカリ食品で、アク抜きや水
洗いが必須の食前処理である所から欧米化する食生活の
簡便化には適合できず、健康志向の低カロリー食品であ
るにも係わらず、年毎にその食用が減少低迷する時代不
適切の食品となった。その主な原因は、原料であるマン
ナン粒子が、水に膨潤する長時間の工程(同工程が必須
である限り、食用不適格である嫌忌臭が存在する)を必
要とし、次いで凝固剤を添加する工程を必要とし、さら
には食用不適切の高アルカリ域と特有の嫌忌臭の存在で
ある。
【0019】これまでグルコマンナンは、市販のこんに
ゃく製品の専用原料として使用されてきた。その他、加
工食品の副原料として様々に試用されたが、後に言及す
る、本発明者によるもの以外は、特有の嫌忌臭が存在す
るため全て中断された。以後、今日に至るまで食材への
有効活用は皆無である。ただ、グルコマンナンの低カロ
リーを売名利用するものは出回るが、これ等は嫌忌臭の
発生原因である凝固剤不使用のため、エグミやネトを伴
い食用には耐え得ない。結局、マンナン使用の有無や、
その判定にも値しない単なる売名商品である。
【0020】かかる嫌忌臭は、加熱による不可逆的凝固
の完成に不可欠の必須条件である凝固剤にマンナン水和
物が接触した瞬間から発生し、以後高粘度の糊状物の内
部に包着されて消失することなく存在する。そのために
マンナンの食材への利用が阻まれる。さらに、こんにゃ
く原料である「精粉」をこんにゃく以外の食材に使用す
る場合は、(1)マンナン水和物の作成に長時間の工程
を要すること、(2)必須の凝固剤添加工程に於て嫌忌
臭の発生に留意し、その解消に配慮すること、等の対処
が不可欠である。
【0021】然して今日食品副食材として、精粉使用に
よる物性改善や新規食品は本発明者によるものを除いて
は、何一つ実現していない。本発明者によるものとして
は、例えば「縮れこんにゃく」(特許第1946558
号)、「食物繊維パン」(特許第3014040号)、
「食物繊維包着米」(特許第3182547号)等を挙
げることができる。
【0022】なお、本発明者はマンナンの特性活用に関
する研究に於て、特有の嫌忌臭を解消する方法を発明完
成した。即ち、「即溶解性グルコマンナン組成物」(特
許第2619743号、これは製品記号「MM−22」
として上市されている)、および「微粉グルコマンナン
組成物」(特許第3023837号)である。
【0023】エビの腹筋部に注入すべきグルコマンナン
の水和糊は、グルコマンナン、水およびグルコマンナン
の凝固剤を使用して作成するが、これらの使用割合、特
にグルコマンナンと水の使用割合は、市販のこんにゃく
製品を作成する場合はグルコマンナン1重量部に対し水
37〜42重量部程度であるのに対し、これより水の割
合が少ないグルコマンナン1重量部に対し水15〜30
重量部、好ましくは18〜28重量部程度とする。グル
コマンナンに対する凝固剤の割合は、市販のこんにゃく
製品を作成する場合と同じでよく、例えばグルコマンナ
ン1重量部に対し水酸化カルシウム2.8〜3.5%程
度とすることができる。
【0024】グルコマンナン以外の多糖類は、これを水
に溶いてエビの腹筋部に注入するが、これらの多糖類は
凝固剤は不要で、単に加熱するだけで不可逆的に凝固す
る。このような多糖類としては、「アビセル」(旭化
成)、カードラン(武田薬品)、サイリウム、グアーガ
ム(ソマール(株))、κ−カラギーナン(三井物
産)、アラビアガム等を挙げることができる。これらを
溶くべき水の量は、多糖類によって異なり、例えばカー
ドランの場合、その1重量部当り10〜20重量部程度
の水で溶くことができる。
【0025】グルコマンナンの水和糊及びグルコマンナ
ン以外の多糖類を水に溶いたものを併用する場合は、両
者を別個に作成してエビの腹筋部に別個に注入すること
もできるが、両者の粉体原料を粉体混合し、これに水を
加えてその場で(in situ)両者の混合物として作成す
ることもできる(後掲実施例1参照)。
【0026】グルコマンナンの水和糊及びグルコマンナ
ン以外の多糖類を水で溶いたものの、エビの腹筋部への
注入量及び注入個所数は、エビの大小にもよるが、本発
明の効果の奏される量であれば特別の制限はない。例え
ば、エビの腹筋部に適宜の間隔で適当個所に適当量注入
する。当業者であれば、所与の場合に後掲実施例をも参
照して若干の予備試験によりこれを決定することは容易
である。注入は、腹部側から、例えば、注射筒の先端部
から行なう。冷凍エビの場合は、解凍してから注入す
る。
【0027】このようにして、グルコマンナンの水和糊
及び/又はグルコマンナン以外の多糖類を水に溶いたも
のを注入したエビの流通形態は、先に説明した腹筋部に
切れ目を入れただけのエビと同様である。
【0028】なお、この際に注意すべき点は、輸入エビ
は殆ど冷凍品であるため、市販用へ処理する(頭部を除
去)、又は解凍する等から、エビ肉が余剰な水分を抱え
る。その余剰水分を遠心分離などにより予め除去すると
マンナン使用による本発明の効果は更に有効となる。
【0029】さらに付言すると、エビ肉は加熱により縮
小するが、エビの腹筋部に注入したマンナンの水和糊は
加熱により膨張し、不可逆的にゲル化する。そのためエ
ビの腹筋部縮小とマンナンの膨張が相互の結着を強め、
エビ肉本来の食感を損なうことなく安定する。更にエビ
の腹筋部に注入したマンナンの水和糊は冷凍耐性を保有
すると共に、その加熱による凝固物の食感はエビの食感
に遜色ない物性である。
【0030】最後に、生エビの腹筋部に切れ目を入れる
ことに加えて同じ腹筋部にグルコマンナンの水和糊及び
/又はグルコマンナン以外の多糖類を水に溶いたものを
注入してその加熱収縮を防止する方法について説明す
る。
【0031】これは、既に説明した生エビの腹筋部に切
れ目を入れることと同じく既に説明した同じ腹筋部にグ
ルコマンナンの水和糊及び/又はグルコマンナン以外の
多糖類を水に溶いたものを注入することを考慮すれば、
当業者であれば、これ以上の説明を要することなく極め
て容易に行うことができる。また、このようにして加熱
収縮を防止したエビの流通形態は、先に説明したところ
と同様である。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する。
【0033】実施例1:切れ目なし、グルコマンナンお
よびその他の多糖類使用 微粉グルコマンナン組成物「MM−22」を使用して、
加熱によるエビの収縮を防止した。
【0034】(1)使用した「MM−22」の組成は、
微粉マンナン18g、および食物繊維の多糖類「ファイ
バーゾル2H」(松谷化学(株))2gの合計20gに
凝固剤としてCa(OH)を微粉マンナンの3%、すな
わち0.54gの総計20.54gを粉体混合した組成
を有する。この「MM−22」20.54gに、グアー
ガム6gを粉体混合した合計26.54gを、その約2
0倍量の水500gに(泡立て具で掻き混ぜながら)少
しずつ注入し(ママコの生成を防止)、次いでハンドミ
キサー300rpmにより撹拌した。撹拌開始約30秒
のうちに、マンナン特有の嫌忌臭が発生し、これが全て
気化消失した。当該撹拌は2分で終了し、所定の糊状物
を生成した。
【0035】(2)自然解凍した市販のクルマエビ(1
尾の重量50g、体長18cm)4尾の腹部側に、30
mlの注射筒により、(1)の糊状物を各エビに4箇所
へ各2mlを注入した。クルマエビ1尾当りの糊状物注
入量は8mlで、加熱収縮を防止処理したエビ1尾の重
量は約58gに増加した。
【0036】(3)次に、(2)の処理をしたエビは、
これに衣をつけず、油温170℃でエビの赤色が鮮明に
なるのを目安に揚げた。
【0037】このものは、エビ特有の赤い縞模様を呈
し、加熱前のエビ形状を維持し、エビ体の収縮を解消し
て、本発明の有用性を証するものである。
【0038】実施例2:(煮付け調理) 実施例1の(1)及び(2)の処理により、加熱による
収縮を防止処理したエビを、おでん材料とした。すなわ
ち、これを市販のおでんセットの材料(ダイコン、ちく
わ、コンニャク、はんぺん、がんもどき、ゆで卵)に追
加して添付の調味料で約30分煮た。
【0039】このものは、加熱前のエビ形状を維持し、
エビ特有の赤い縞模様を呈し、食時にはエビ殻を取り除
くが、エビ特有の旨味と風味を添え、おでん材料に高級
感をもたらした。
【0040】実施例3:切れ目を入れかつグルコマンナ
ンおよびその他の多糖類使用(エビめし) 市販の頭なしムキエビ(1尾の重量約6g、体長4.5
〜5cm)の16尾を編目袋に入れて遠心分離機で20
秒間脱水し、次に腹筋部の3箇所に横目の切れ目を入れ
た後、実施例1の(1)におけると同じようにして「M
M−22」を使用して得た糊状物を、同実施例の(3)
と同じ方法で3〜4箇所へ各1ml、1尾当り3〜4m
lを注入した。次いで、水洗いした白米300gを約3
0分水漬けした後、水切りして象印の自動電気炊飯器に
入れ、所定の目盛りまで水を注入し、これに前記の、加
熱収縮防止処理をしたムキエビ16尾を入れ、食塩5g
を加えてならしスイッチオンした。約50分後、炊飯終
了した。該炊飯物を軽くかき混ぜエビを均質に散らし
た。
【0041】このものは、白米の炊飯物にエビの赤模様
が映えた、食味良好なエビめしとして完成した。然も、
従来の加熱後のエビ形状(腹部側に円形に縮小)が改善
され、高級感を呈した。
【0042】実施例4:切れ目を入れただけで、多糖類
不使用 実施例3におけると同じムキエビ5尾の腹筋部2〜3箇
所に、適宜に横目の切れ目を入れた後、醤油20gと共
に100gの熱水中で10分間煮て、加熱調理後のムキ
エビを得た。
【0043】このものは、加熱後の円形に縮小するエビ
形状を解消した。但し、エビ体は全体的に縮小した。
【0044】比較のために、同じムキエビ5尾を、切れ
目を入れずに醤油20gと共に100gの熱水中で10
分間煮た。その結果、従来どおり腹部側へ円形縮小し
た。
【0045】実施例5:切れ目を入れかつグルコマンナ
ン以外の多糖類使用 実施例1の(2)におけると同じクルマエビ4尾の腹筋
部3箇所に適宜に横目の切れ目を入れた後、水50gに
「カードラン」(武田薬品)4gを気泡導入を避けてゆ
っくりかき回して溶き、これを注射筒でエビの腹筋部3
箇所に各5mlを注入し、次いで醤油20gと共に12
0gの熱水中で10分間煮た。その結果、実施例4にお
けると同様に、円形に縮小するエビ形状を解消した。
【0046】比較のために、同じクルマエビ4尾を、そ
のまま醤油20gと共に120gの熱水中で10分間煮
た。その結果、従来どおり腹部側へ円形縮小した。
【0047】
【発明の効果】本発明により、加熱によるエビ体の収縮
を防止解消した結果、日本で特に好食愛用されている各
種のエビ調理に係る食用利用への方法が新しく拡大さ
れ、食糧資源の有効利用へも進展するに至った。すなわ
ち、各種のエビは、加熱により腹部側に縮み円形に縮小
して特有のエビ形状を失うため、さすがの高級感を放棄
して、既に頭部を除去する等の欠陥品が常套手段となっ
ているところ、本発明によれば、先ず、エビ形状が、頭
部の類例ない高級感とともに、扇形の尾部まで緩やかな
形状のまま、(クルマエビなどは)加熱により赤い縞模
様を発生し、食用時には殻部分が簡単に剥ぎ取れるな
ど、食用の簡便性にも至った。
【0048】また、魚肉と比較して、内臓も一緒に食べ
るエビのコレステロール値は多いが、本発明によるマン
ナン活用では、カロリーともに低下する点は、食物繊維
の食用摂取率向上ともなり、健康志向にも応える新時代
の食品として新たな価値を確定した。
【0049】さらには、海鮮高級品として市場提供の資
材価値が新規に開発されることになり、関連する経済価
値は大きい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱収縮防止のために生エビの腹筋部に切
    れ目を入れ、並びに/或いは腹筋部にグルコマンナンの
    水和糊及び/又はグルコマンナン以外の多糖類を水に溶
    いたものを注入したことを特徴とする加熱収縮を防止し
    たエビ。
  2. 【請求項2】請求項1記載のエビを加熱したことを特徴
    とする加熱収縮を防止した加熱処理エビ。
JP2001359873A 2001-11-26 2001-11-26 加熱収縮を防止したエビ Pending JP2003159032A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005341895A (ja) * 2004-06-04 2005-12-15 Japan Tobacco Inc 食感に優れた加熱処理された甲殻類
JP2011223972A (ja) * 2010-04-21 2011-11-10 Shiizu Komu Kk エビフライ用のエビ
JP2017209042A (ja) * 2016-05-25 2017-11-30 株式会社ホクビー 加熱食肉製品

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