JP2003156510A - 半導体加速度センサの製造方法 - Google Patents

半導体加速度センサの製造方法

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JP2003156510A
JP2003156510A JP2001357825A JP2001357825A JP2003156510A JP 2003156510 A JP2003156510 A JP 2003156510A JP 2001357825 A JP2001357825 A JP 2001357825A JP 2001357825 A JP2001357825 A JP 2001357825A JP 2003156510 A JP2003156510 A JP 2003156510A
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Japan
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etching
acceleration sensor
frame
weight portion
semiconductor acceleration
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JP2001357825A
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Hiroshi Saito
宏 齊藤
Takuo Ishida
拓郎 石田
Hironori Kami
浩則 上
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撓み部の耐衝撃性を向上させる面取り部を容
易に形成できる半導体加速度センサの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 撓み部1cの両端部において重り部1a
の側面およびフレーム部1bの内側面とそれぞれ滑らか
に連続する面取り部1pを形成するp形拡散層1kを設
ける。その後、アルカリのシリコン異方性エッチング液
を用いたエッチングによってスリット1dを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加速度を電気信号
に変換する半導体加速度センサの製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から、加速度を電気信号に変換する
半導体加速度センサが自動車、航空機及び家電製品等に
用いられている。
【0003】従来の半導体加速度センサの1つの例につ
いて、図9乃至図11を用いて説明する。図10及び図
11は、この半導体加速度センサの製造工程における断
面である。この半導体加速度センサは、図13に示すよ
うに矩形枠状のフレーム部1bと、フレーム部1bに一
端が連結されフレーム部1bよりも薄肉に形成され歪み
ゲージ1eが設けられた撓み部1cと、スリット1dを
挟んでフレーム部1bに囲まれ撓み部1cに支持された
矩形板状の重り部1aとが形成されたセンシングエレメ
ント1を備える。また、センシングエレメント1には図
15に示すように空気ギャップ4dを挟んで重り部1a
の表裏をそれぞれ覆うガラス製の上キャップ4a及び下
キャップ4bが接合されている。
【0004】この半導体加速度センサの動作を説明す
る。半導体加速度センサが加速度を受けると、重り部1
aがフレーム部1bに対して相対的に変位することによ
り撓み部1cが撓み、このとき撓み部1cに生じた機械
的な歪みが歪みゲージ1eによって検出される。上キャ
ップ4a及び下キャップ4bは、半導体加速度センサに
過度の加速度が加わった際に撓み部1cが多く撓んで破
壊されることを防止し、空気ギャップ4dによりエアダ
ンピング効果を得て撓み部1cに加わる衝撃を吸収する
ために設けられていて、それぞれセンシングエレメント
1の表裏の面においてフレーム部1bに設けられたアル
ミ薄膜5を介して陽極接合されている。
【0005】なお、半導体加速度センサの形状として
は、上に述べた半導体加速度センサのように重り部の片
側に撓み部を形成する片持ち梁方式の他に、重り部の両
側に撓み部を形成する両持ち梁方式が提案されている。
【0006】また、センシングエレメント1の図11に
おける上面には絶縁膜(図示せず)が設けられていて、
フレーム部1bにおいて絶縁膜上には外部回路に接続さ
れる端子であるワイヤボンディングパッド2が設けられ
ている。そして、歪みゲージ1eは、P型不純物の拡散
によって形成された拡散層配線1fと、絶縁膜に設けら
れたコンタクト窓1gにおいて拡散層配線1fと接続さ
れたアルミ配線3とを介してワイヤボンディングパッド
2と電気的に接続されている。
【0007】ここで、センシングエレメント1はシリコ
ンからなる支持層1iと、支持層1iの一方の面の上に
形成された中間酸化膜1jと、シリコンからなり中間酸
化膜1jの上に形成され撓み部1cに対応した厚さに形
成された活性層1hとを備えるいわゆるSOI基板から
形成される。
【0008】この種の半導体加速度センサを製造するに
あたっては、まずp形不純物拡散によって平板状のSO
I基板の活性層1h側の面(以下、上面)に歪みゲージ
1eを形成し、次いでSOI基板の両面に酸化膜を形成
し、その上に窒化膜を形成する。次に、SOI基板の支
持層1i側の面(以下、下面)の酸化膜及び窒化膜に対
してレジストパターニング及びエッチングを行い、これ
をマスクに用いてSOI基板の下面からKOHによるエ
ッチングを行って、SOI基板の撓み部1cとスリット
1dとに相当する部位を薄くする。ただし、後の電極形
成工程における振動及び衝撃に耐え得る程度の機械的強
度を確保できる厚み(例えば20μm程度)は残す。こ
のとき、スリット1dに相当する部位において支持層1
iには活性層1hよりも厚いシリコン層が残存する。そ
の後、コンタクト窓1gを開け、ワイヤボンディングパ
ッド2及びアルミ薄膜5を形成する。次いで、レジスト
パターニング及びエッチングによってスリット1dにお
ける絶縁膜に窓開けをし、この絶縁膜をマスクとしてT
MAHを用いたSOI基板の両面からのエッチングを行
うことにより撓み部1cの下部の支持層1iとスリット
1dとに対応する部位のシリコンを除去する除去処理を
行い、センシングエレメント1を形成する。このとき、
撓み部1cの下方からのエッチングが中間酸化膜1jで
阻止されることにより、撓み部1cの厚みは確保され
る。次に図10に示すように上キャップ4aを、図11
に示すように下キャップ4bをそれぞれアルミ薄膜5を
介してセンシングエレメント1に接合する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ここで、センシングエ
レメント1は製造工程において撓み部1cが形成された
後にも、スピンナによるレジスト塗布、マスクアライナ
ーを用いたフォトリソ工程、レジストのベークや現像お
よび乾燥、アルミのスパッタ、液体による洗浄及びエッ
チング、センシングエレメント1をカセット等へ収納す
るハンドリング、センシングエレメント1の搬送等の際
の吸着や搬送などによって衝撃や振動、遠心力などを受
ける。一方、半導体加速度センサの感度を向上するに
は、撓み部1cの撓み量が大きくなるように撓み部1c
の更なる薄型化若しくは重り部1aの重量増加が必要と
なるが、この方法によって半導体加速度センサの感度の
向上を試みた場合、上述した工程において撓み部1cが
破損されやすくなることにより、収率の著しい低下や、
破片による製造装置の汚染等の問題が発生するおそれが
あった。さらに、製品となった後も、例えば車載用の加
速度センサでは数千G以上の加速度が加わる場合があっ
た。
【0010】撓み部1cが破損する原因の1つとして、
撓み部1cと重り部1aとの連結部及び撓み部1cとフ
レーム部1bとの連結部が略直角に形成されているため
に、応力が集中してクラックが入ることが挙げられる。
そこで、撓み部1cの耐衝撃性を向上させる方法の1つ
として、重り部1aの側面及びフレーム部1bの側面に
滑らかに連続する曲面状または面取り形状の面取り部を
撓み部1cの両側面に形成することが提案されている。
しかし、上記の製造工程においては、面取り部が形成さ
れるようにマスキングの形状を設定していても、撓み部
1cと重り部1aとの連結部及び撓み部1cとフレーム
部1bとの連結部が略直角に形成されてしまう。これ
は、スリット1dのシリコンを除去する際に、支持層1
iが活性層1hよりもエッチングされる厚さが厚いの
で、活性層1hのシリコンが中間酸化膜1jまで除去さ
れた後、更に支持層1iを中間酸化膜1jまで除去する
ためにエッチングを続ける必要があり、この間に活性層
1hではアンダーカットが進行し、またエッチングには
KOH、TMAH等、アルカリ性の異方性エッチング液
を用いるので、上述したアンダーカットの方向による速
度差によって撓み部1cの両端は直角状に形成されてし
まうためである。したがって、面取り部を設けて半導体
加速度センサの対衝撃性を向上させることが困難であっ
た。
【0011】本発明は、上記事由に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、撓み部の耐衝撃性の向上を可能と
する面取り部を容易に形成することのできる半導体加速
度センサの製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、枠状
のフレーム部、スリットを挟んで前記フレーム部に囲ま
れた板状の重り部、および各一端がそれぞれ前記フレー
ム部の内側面及び前記重り部の側面に一体に連結され他
の部位よりも薄肉に形成され前記重り部を支持する撓み
部が形成され、前記重り部が力を受けて前記フレーム部
に対して変位するときに前記撓み部に生じる機械的歪み
を検出する歪みゲージが前記撓み部に設けられたセンシ
ングエレメントを備え、前記重り部の側面及び前記フレ
ーム部の内側面に滑らかに連続した面取り部が前記撓み
部の側面の一端部及び他端部にそれぞれ形成された半導
体加速度センサの製造方法であって、後工程で用いるエ
ッチング液によるエッチングを阻止するエッチングスト
ップ層を前記面取り部をなす形状に前記半導体基板に形
成した後に、前記エッチング液を用いて前記半導体基板
に前記スリットを形成することを特徴とする。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記半導体基板はシリコンからなり、前記エッチン
グストップ層はボロンを高濃度に拡散したp形拡散層で
あり、前記エッチングはアルカリのシリコン異方性エッ
チング液を用いたエッチングであることを特徴とする。
【0014】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記半導体基板において前記撓み部の両側部に対応
する部位にそれぞれ撓み部の全長に亘るトレンチを設け
た後、前記トレンチの内側に絶縁層を形成し、前記絶縁
層のうち前記撓み部の側面となる部分を前記エッチング
ストップ層とすることを特徴とする。
【0015】請求項4の発明は、枠状のフレーム部、ス
リットを挟んで前記フレーム部に囲まれた板状の重り
部、および各一端がそれぞれ前記フレーム部の内側面及
び前記重り部の側面に一体に連結され他の部位よりも薄
肉に形成され前記重り部を支持する撓み部が形成され、
前記重り部が力を受けて前記フレーム部に対して変位す
るときに前記撓み部に生じる機械的歪みを検出する歪み
ゲージが前記撓み部に設けられたセンシングエレメント
を備え、前記重り部の側面及び前記フレーム部の内側面
に滑らかに連続した面取り部が前記撓み部の側面の一端
部及び他端部にそれぞれ形成された半導体加速度センサ
の製造方法であって、前記スリットに相当する部位に不
純物を高濃度に拡散することによって高濃度拡散層を形
成した後、フッ酸と硝酸と酢酸とを含む混合液をエッチ
ング液とするエッチングによって前記高濃度拡散層を除
去することにより前記面取り部を形成することを特徴と
する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0017】(実施形態1)本実施形態において製造方
法を説明する半導体加速度センサは、図1に示すよう
に、矩形枠状のフレーム部1bと、それぞれフレーム部
1bの内側の一側面に一体に連結され歪みゲージ1eが
設けられた2本の撓み部1cと、各撓み部1cの他端に
一体に連結されて支持された矩形板状の重り部1aとを
有するセンシングエレメント1を備える。重り部1aと
フレーム部1bとの間にはスリット1dが形成される。
撓み部1cはセンシングエレメント1の他の部位よりも
薄肉に形成され、撓み部1cが撓むことによって重り部
1aは図3における上下に可動である。ここで、撓み部
1cの両側面は図2に示すようにフレーム部1bの内側
の側面及び重り部1aの側面とそれぞれ面取り部1pを
介して滑らかに連続する。
【0018】ここで、センシングエレメント1は図3に
示すように、それぞれシリコンからなる活性層1hと支
持層1iとの間に酸化シリコンからなる中間酸化膜1j
が形成された半導体基板としてのSOI基板から形成さ
れ、センシングエレメント1の表裏の面にはそれぞれ例
えばパイレックス(R)のようなガラスからなる上キャ
ップ4aと下キャップ4bとが接合される。
【0019】歪みゲージ1eはピエゾ抵抗であって、各
撓み部1cに図2に示すように一方がセンシングエレメ
ント1の長手方向に沿って延び、他方がセンシングエレ
メント1の短手方向に沿って延びた2つずつが設けられ
る。センシングエレメント1の活性層1hの側の面(以
下、上面)において長手方向の一端部には外部回路に接
続される端子となるワイヤボンディングパッド2が設け
られ、各歪みゲージ1eとワイヤボンディングパッド2
とはp形不純物が高濃度に拡散された拡散層配線1fと
アルミ薄膜からなるアルミ配線3とを介してブリッジ回
路状に配線される。ここで、センシングエレメント1の
上面には酸化膜の上に窒化膜が形成された絶縁膜(図示
せず)が設けられ、拡散層配線1fとアルミ配線3とは
絶縁膜に設けられたコンタクト窓1gにおいて接続され
る。
【0020】上キャップ4a及び下キャップ4bはそれ
ぞれセンシングエレメント1の上面及び下面に形成され
たアルミ薄膜5を介してセンシングエレメント1に陽極
接合される。上キャップ4aと下キャップ4bとには重
り部1cとの間に空気ギャップ4dを形成して重り部1
aの可動範囲を確保するための凹部が設けられ、凹部の
内側には、空気ギャップ4dによるエアダンピング効果
を維持しつつ重り部1cの可動範囲を制限して重り部1
cの周波数特性を調整するためのストッパー突起4cが
設けられる。ここで、センシングエレメント1の上面の
アルミ薄膜5はフレーム部1bの長手方向に沿った両側
部に形成され、上キャップ4aの図3における左右方向
両端は開放される。
【0021】半導体加速度センサを実装面に実装するに
は、図3に示すように下キャップ4bを実装面Gに接着
剤等で固定し、ワイヤボンディングパッド2と外部回路
とをボンディングワイヤ6を介して電気的に接続し、ボ
ンディングワイヤ6をワイヤ保護樹脂7で保護する。
【0022】この半導体加速度センサを製造するにあた
っては、スリット1dのシリコンを除去する前に、図2
及び図4に示すように撓み部1cの面取り部1pを含む
両側面をなす形状のp形拡散層1kを設ける。p形拡散
層1kは、ボロンをイオン注入または熱拡散によって導
入した後にドライブインを行うことで例えば1020個/
cm3程度の濃度に形成する。p形拡散層1kの厚さす
なわちボロンの拡散深さは、例えば活性層1hの厚さが
8μmの場合、約5〜8μm程度あればよく、ドライブイ
ンは例えば約1100℃で約1時間行う。その後、エッ
チングによってスリット1dを形成する。
【0023】ここで、アルカリ性のシリコン異方性エッ
チング液であるKOH、TMAH(テトラメチルアンモ
ニウムハイドロオキサイド)、EDP(エチレンジアミ
ンピロカテコール)等をエッチングに用いると、p形拡
散層1kにおけるエッチング速度が活性層1hの他の部
位におけるエッチング速度よりも約2桁のオーダーで著
しく低下する。このエッチング速度の差のため、撓み部
1cの両側部は確実にp形拡散層1kに沿った形状に形
成される。すなわち、面取り部1pを容易に形成するこ
とができる。また、面取り部1pが形成されることによ
る効果として、撓み部1cとフレーム部1b及び重り部
1aとの連結部位にかかる応力が分散され、したがって
従来例に比してクラックが発生しにくいので、耐衝撃性
を向上させることが可能になる。
【0024】本実施形態において、エッチングストップ
層としてボロンを高濃度に拡散させたp形拡散層1kを
用い、エッチング液としてアルカリのシリコン異方性エ
ッチング液を用いたが、スリット1dを形成する際に用
いられるエッチング液によるエッチングを阻止する効果
がエッチングストップ層にあればよく、エッチングスト
ップ層はp形拡散層に限定されず、エッチング液はアル
カリのシリコン異方性エッチング液に限定されない。ま
た、エッチングストップ層は面取り部1pをなす形状に
設けられていれば良く、必ずしも本実施形態のように撓
み部1cの両側部全体にわたって設けられなくてもよ
い。
【0025】因みに、耐衝撃性が1000Gレベルであ
った従来の半導体加速度センサと同サイズの加速度セン
サに本発明を活用して面取り部を設けたところ、平均5
000Gの耐衝撃性が得られた。
【0026】(実施形態2)本実施形態において製造の
対象となる半導体加速度センサは実施形態1における半
導体加速度センサと同様である。
【0027】本実施形態における半導体加速度センサの
製造工程において、スリット1dのシリコンを除去する
前に、アルカリ性のエッチング液を用いたエッチング又
はCF 4等を用いたドライエッチングにより図6(a)に
示すようにSOI基板の活性層1hにおいて両撓み部1
cに相当する部位を挟んだ3箇所にそれぞれ撓み部1c
の全長に亘るトレンチ1mを形成する。ここで各トレン
チはそれぞれ中間酸化膜1jを底面とし、また面取り部
1pを含めた各撓み部1cの各側面はそれぞれいずれか
のトレンチ1mの内側面に含まれるようにする。このと
き、アルカリ性のエッチング液を用いた異方性エッチン
グの場合でも、従来例と異なりトレンチ1mの角部にお
いてエッチングが進行する前にエッチングを止めること
ができるので、面取り部1pとなるトレンチ1mの角部
をなだらかに形成することができる。次に、図6(b)
に示すように、SOI基板の上面を酸化膜で覆い、この
酸化膜の上に窒化膜を形成することにより絶縁層1lを
形成する。次に、図6(c)に示すように活性層1hに
おいてスリット1dに相当する部位のシリコンをドライ
エッチングで除去する。このとき、撓み部1cの面取り
部1pを含む両側面と上面とに対応する部位には絶縁層
1lが残存する。次に、図6(d)に示すように支持層
1iにおいてスリット1d及び撓み部1cの下部のシリ
コンを異方性エッチング等で除去する。このとき活性層
1hのシリコンも除去されるが、面取り部1pは絶縁層
1lで保護されている。すなわち絶縁層1lをエッチン
グストップ層としている。次に図6(e)で示すように
フッ酸とフッ化アンモニウムとエチレングリコールと純
水とから成るフッ酸混合液を用いてスリット1d及び撓
み部1cの下部の中間酸化膜1jを除去する。トレンチ
1mを面取り部1pを含む形状に形成したことから図5
に示すように撓み部1cの側面には面取り部1pが形成
される。
【0028】本実施形態によれば、実施形態1と同様の
効果に加えて次の効果がある。すなわち、スリット1d
のシリコンを除去するエッチングの際に撓み部1cの上
面及び両側面となる面が絶縁層1lで保護されているこ
とにより、エッチング条件が多少ばらついても撓み部1
cの形状が確保され設計通りの形状とすることができ
る。
【0029】(実施形態3)本実施形態において製造の
対象となる半導体加速度センサは実施形態1の半導体加
速度センサと同様である。
【0030】本実施形態の半導体加速度センサの製造工
程においてスリット1dを形成するにあたっては、SO
I基板の活性層1hにおいて図7に示すようにスリット
1dに相当する部位に例えばボロンまたはリンを高濃度
に拡散することによりP型またはN型の高濃度拡散層1
nを形成した後、フッ酸と硝酸と酢酸との混合液をエッ
チング液とするエッチングによって高濃度拡散層1nの
シリコンを取り除き、図8に示すようにスリット1dと
撓み部1cとを形成する。
【0031】本実施形態によれば、高濃度拡散層1nは
拡散によって形成されるために撓み部1cの両端部付近
などの角部において丸みを帯びた形状に形成されるか
ら、高濃度拡散層1nを除去した後の撓み部1cの両側
面には緩やかな曲面状の面取り部1pが容易に形成され
る。いうまでもなく、面取り部1pが形成されることに
より撓み部1cの両端にかかる応力が分散され、半導体
加速度センサの耐衝撃性の向上が可能になる。
【0032】また、フッ酸と硝酸と酢酸との混合液とし
て、例えばフッ酸:硝酸:酢酸=1:3:8とした混合
液を用いてエッチングした場合、高濃度拡散層1nにお
ける濃度が1020個/cm3程度である部位に対するエ
ッチングレートは、濃度が1017個/cm3である部位
に対するエッチングレートの約150倍になる。このよ
うにエッチングレートに大きな差があることから、高濃
度拡散層1nが選択的に取り除かれることにより、面取
り部1pを容易に形成することができる。
【0033】ここで、本実施形態では半導体基板として
SOI基板を用いたが、シリコン基板であれば構造は問
わない。
【0034】
【発明の効果】本発明によって製造される半導体加速度
センサは、重り部の側面及びフレーム部の側面のうち撓
み部が連結された側面にそれぞれ滑らかに連続した面取
り部が撓み部の側面の両端部に形成されることにより、
撓み部の両端部にかかる応力が分散され、耐衝撃性が向
上する。また、耐衝撃性の向上により製造工程において
も破損しにくくなるので、半導体加速度センサの品質を
向上させながらも収率の向上を図ることができる。
【0035】さらに、各請求項によって以下の効果が得
られる。
【0036】請求項1の発明によれば、後工程で用いる
エッチング液によるエッチングを阻止するエッチングス
トップ層を面取り部をなす形状に半導体基板に形成した
後に、前記エッチング液を用いて半導体基板にスリット
を形成するので、撓み部の両側面は確実にエッチングス
トップ層に沿った形状に形成される。すなわち、面取り
部を容易に形成することができる。
【0037】請求項2の発明によれば、半導体基板はシ
リコンからなり、エッチングストップ層はボロンを高濃
度に拡散したp形拡散層であり、エッチングはアルカリ
のシリコン異方性エッチング液を用いたエッチングであ
ることので、エッチングストップ層においてエッチング
速度が著しく低下するために面取り部を容易に形成する
ことができる。
【0038】請求項3の発明によれば、請求項1の発明
において半導体基板において撓み部の両側部に対応する
部位にそれぞれ撓み部の全長に亘るトレンチを設けた
後、トレンチの内側に絶縁層を形成し、絶縁層のうち撓
み部の側面となる部分をエッチングストップ層とするの
で、エッチング条件が多少ばらついても撓み部の形状が
確保される。
【0039】請求項4の発明によれば、高濃度拡散層は
半導体基板においてスリットに相当する部位に不純物を
高濃度に拡散させることにより形成されるために、高濃
度拡散層の外周は丸みを帯びた形状に形成され、高濃度
拡散層を除去した後の撓み部の両端部には緩やかな曲面
状の面取り部が形成される。すなわち面取り部が容易に
形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1において用いられるセンシ
ングエレメントを示す平面図である。
【図2】本発明の実施形態1の要部を示す斜視図であ
る。
【図3】同上の断面図である。
【図4】同上の要部断面を含む斜視図である。
【図5】本発明の実施形態2の要部断面を含む斜視図で
ある。
【図6】本発明の実施形態2におけるセンシングエレメ
ントの製造工程を示す要部断面図である。
【図7】本発明の実施形態3におけるセンシングエレメ
ントの一製造工程を示す平面図である。
【図8】同上の要部断面を含む斜視図である。
【図9】従来例に用いられるセンシングエレメントを示
す平面図である。
【図10】従来例における一製造工程を示す断面図であ
る。
【図11】従来例における別の製造工程を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 センシングエレメント 1a 重り部 1b フレーム部 1c 撓み部 1d スリット 1e 歪みゲージ 1k p形拡散層 1l 絶縁層 1m トレンチ 1n 高濃度拡散層 1p 面取り部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上 浩則 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4M112 AA02 BA01 CA21 CA24 CA28 DA03 DA04 DA10 DA12 DA13 DA18 EA01 EA03 EA06 EA07 EA10 EA11 EA13 FA07 5F043 AA02 BB02 DD30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 枠状のフレーム部、スリットを挟んで前
    記フレーム部に囲まれた板状の重り部、および各一端が
    それぞれ前記フレーム部の内側面及び前記重り部の側面
    に一体に連結され他の部位よりも薄肉に形成され前記重
    り部を支持する撓み部が形成され、前記重り部が力を受
    けて前記フレーム部に対して変位するときに前記撓み部
    に生じる機械的歪みを検出する歪みゲージが前記撓み部
    に設けられたセンシングエレメントを備え、前記重り部
    の側面及び前記フレーム部の内側面に滑らかに連続した
    面取り部が前記撓み部の側面の一端部及び他端部にそれ
    ぞれ形成された半導体加速度センサの製造方法であっ
    て、後工程で用いるエッチング液によるエッチングを阻
    止するエッチングストップ層を前記面取り部をなす形状
    に前記半導体基板に形成した後に、前記エッチング液を
    用いて前記半導体基板に前記スリットを形成することを
    特徴とする半導体加速度センサの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記半導体基板はシリコンからなり、前
    記エッチングストップ層はボロンを高濃度に拡散したp
    形拡散層であり、前記エッチングはアルカリのシリコン
    異方性エッチング液を用いたエッチングであることを特
    徴とする請求項1記載の半導体加速度センサの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記半導体基板において前記撓み部の両
    側部に対応する部位にそれぞれ撓み部の全長に亘るトレ
    ンチを設けた後、前記トレンチの内側に絶縁層を形成
    し、前記絶縁層のうち前記撓み部の側面となる部分を前
    記エッチングストップ層とすることを特徴とする請求項
    1記載の半導体加速度センサの製造方法。
  4. 【請求項4】 枠状のフレーム部、スリットを挟んで前
    記フレーム部に囲まれた板状の重り部、および各一端が
    それぞれ前記フレーム部の内側面及び前記重り部の側面
    に一体に連結され他の部位よりも薄肉に形成され前記重
    り部を支持する撓み部が形成され、前記重り部が力を受
    けて前記フレーム部に対して変位するときに前記撓み部
    に生じる機械的歪みを検出する歪みゲージが前記撓み部
    に設けられたセンシングエレメントを備え、前記重り部
    の側面及び前記フレーム部の内側面に滑らかに連続した
    面取り部が前記撓み部の側面の一端部及び他端部にそれ
    ぞれ形成された半導体加速度センサの製造方法であっ
    て、前記スリットに相当する部位に不純物を高濃度に拡
    散することによって高濃度拡散層を形成した後、フッ酸
    と硝酸と酢酸とを含む混合液をエッチング液とするエッ
    チングによって前記高濃度拡散層を除去することにより
    前記面取り部を形成することを特徴とする半導体加速度
    センサの製造方法。
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