JP2003155984A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

スクロール型圧縮機

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JP2003155984A JP2001356407A JP2001356407A JP2003155984A JP 2003155984 A JP2003155984 A JP 2003155984A JP 2001356407 A JP2001356407 A JP 2001356407A JP 2001356407 A JP2001356407 A JP 2001356407A JP 2003155984 A JP2003155984 A JP 2003155984A
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保徳 大石
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千賀子 笹川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分離ゾーンの旋回側端板外周部が固定側歯先
に乗り上げることなくスムーズに戻ることができ、結果
として摩耗や焼付きの発生を防止することができるスク
ロール型圧縮機を提供する。 【解決手段】 旋回スクロールの一旋回中に、固定スク
ロール101の渦巻状ラップ外周部に位置する固定側歯
先109aから旋回スクロールの旋回側端板外周部11
4aが離れる分離ゾーンを有しているスクロール型圧縮
機に対し、固定側歯先109aの腹側部109b及び該
固定側歯先109aの腹側部109bと対向する旋回側
端板外周部114aのいずれか一方または両方に、分離
ゾーンに属する部分をゆるやかに傾斜させてなる傾斜面
109c,114cを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和機の冷媒
圧縮等に用いられるスクロール型圧縮機の構造に係り、
特に、渦巻状スクロール部材の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】スクロール型圧縮機は、たとえば車両用
及び家庭用の空気調和機等において、冷媒等のガス流体
を圧縮する圧縮機として従来より広く使用されている。
このスクロール型圧縮機は、固定スクロールに対して旋
回スクロールが自転を阻止されながら公転旋回運動を行
うように構成されており、回転軸を水平方向とした横
型、回転軸を鉛直方向とした縦型、及び駆動源となる電
動機をハウジング内に収容した密閉型などが用途に応じ
て使い分けられている。
【0003】ここで、従来のスクロール型圧縮機の一例
を図面に基づいて簡単に説明する。なお、図6は運転中
における固定スクロールと旋回スクロールとの相対位置
関係を示す説明図、図7(a)は運転中における固定ス
クロールの渦巻状ラップの歯先と旋回スクロールの端板
の外周部との相対位置関係図、図7(b)は固定スクロ
ールの渦巻状ラップの歯先と旋回スクロールの端板の外
周部との接触状態図である。
【0004】図6、図7(a)及び(b)において、図
中の符号1は固定スクロール、2は旋回スクロール、9
は固定スクロール1の渦巻状ラップ、14は旋回スクロ
ール2の端板である。旋回スクロール2は、スクロール
型圧縮機の運転に伴い、自転阻止機構であるオルダムリ
ンクによって自転を阻止されながら、固定スクロール1
に対して公転旋回半径の円軌道上を矢印30(図6参
照)の方向へ公転旋回運動する。この旋回運動により、
旋回スクロール2の一旋回中においては、端板14の外
周部(旋回側端板外周部)14aが、固定スクロール1
に立設されている渦巻状ラップ9の歯先(固定側歯先)
9aに対して、矢印30a(図7参照)で示す方向に微
少隙間を保って往復動することになる。
【0005】そして、上述した往復動期間中において
は、旋回側端板外周部14aが固定側歯先9aから離れ
てしまう、すなわち、旋回スクロール2の端板14にお
ける外周部14aが固定スクロール1の渦巻状ラップ9
における歯先9aから離れてしまう分離ゾーン31を有
する構造のスクロール圧縮機が多い。すなわち、分離ゾ
ーン31に属する渦巻状ラップ9の歯先9aは、旋回ス
クロール2が1回公転旋回運動する過程において、端板
14よりも外側に位置する状況が存在している構造のス
クロール圧縮機が多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来構造のスクロール型圧縮機のように、旋回スクロール
2の端板14における外周部14a(旋回側端板外周
部)が、固定スクロール1における渦巻状ラップ9の歯
先9a(固定側歯先)から離れてしまう分離ゾーン31
を有している場合には、以下に説明するような問題が懸
念される。
【0007】すなわち、スクロール型圧縮機の運転によ
るガス流体の圧縮行程中、旋回スクロール2に圧縮され
たガスの反力によるモーメントが作用して、旋回スクロ
ール2の端板14にその軸の垂直方向面の倒れが発生す
ると、旋回スクロール2の公転旋回運動中に、いったん
離れた旋回スクロール2の端板14の外周部14aが再
度固定スクロール1の渦巻状ラップ9の歯先9aに重な
る時、図7(b)に示すように、歯先9aへの乗り上げ
が起こる。この結果、渦巻状ラップ9側の歯先9a及び
旋回スクロール2側の端板14における外周部14a
は、そのいずれか一方または両方が摩耗して焼付きを生
じる問題があった。
【0008】このような背景から、圧縮ガスによる反力
の影響を受けた旋回スクロール2側の端板外周側におい
て、固定スクロール1の歯先9a側へ向かうような倒れ
が発生しても、固定スクロール1側の渦巻状ラップ9の
歯先9aから外周側へ離れて分離した分離ゾーンの旋回
側端板外周部が、固定側歯先に乗り上げることなくスム
ーズに戻ることが望まれる。本発明は、上記の事情に鑑
みてなされたもので、分離ゾーンの旋回側端板外周部が
固定側歯先に乗り上げることなくスムーズに戻ることが
でき、結果として摩耗や焼付きの発生を防止することが
できるスクロール型圧縮機の提供を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、以下の手段を採用した。請求項1に記載の
スクロール型圧縮機は、旋回スクロールの一旋回中に、
固定スクロールの渦巻状ラップ外周部に位置する固定側
歯先から前記旋回スクロールの旋回側端板外周部が離れ
る分離ゾーンを有しているスクロール型圧縮機におい
て、前記固定側歯先の腹側及び該固定側歯先の腹側と対
向する前記旋回側端板外周部のいずれか一方または両方
に、前記分離ゾーンに属する部分をゆるやかに傾斜させ
てなる傾斜面を備えていることを特徴とするものであ
る。
【0010】このようなスクロール型圧縮機によれば、
前記固定側歯先の腹側及び該固定側歯先の腹側と対向す
る前記旋回側端板外周部のいずれか一方または両方に、
前記分離ゾーンに属する部分をゆるやかに傾斜させてな
る傾斜面を備えているので、この傾斜面が逃げとなり、
いったん離れた旋回側端板外周部は、固定側歯先へ乗り
上げることなく傾斜面に沿ってスムーズに戻ることがで
きる。
【0011】請求項2に記載のスクロール型圧縮機は、
旋回スクロールの一旋回中に、固定スクロールの渦巻状
ラップ外周部に位置する固定側歯先から前記旋回スクロ
ールの旋回側端板外周部が離れる分離ゾーンを有してい
るスクロール型圧縮機において、前記固定スクロールの
渦巻状ラップが前記分離ゾーンに属する部分の歯丈を低
く設定したことを特徴とするものである。
【0012】このようなスクロール型圧縮機によれば、
前記固定スクロールの渦巻状ラップが前記分離ゾーンに
属する部分の歯丈を低く設定してあるので、歯丈の低い
部分が逃げとなり、いったん離れた旋回側端板外周部
は、固定側歯先へ乗り上げることなくスムーズに戻るこ
とができる。
【0013】また、上述した請求項2記載のスクロール
型圧縮機においては、前記旋回側端板外周部が、前記分
離ゾーンに属している部分をゆるやかに傾斜させてなる
傾斜面を備えていることが好ましく、これにより、歯丈
の低い部分及び傾斜面が逃げとなり、いったん離れた旋
回側端板外周部は、固定側歯先へ乗り上げることなく傾
斜面に沿ってスムーズに戻ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るスクロール型
圧縮機の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図4に示す横型のスクロール圧縮機は、フロントハウジ
ング4及びリアハウジング5で構成される密閉されたハ
ウジングHの内部に、スクロール型圧縮機構Cが収納設
置されている。そして、フロントハウジング4の先端外
形部には、本スクロール圧縮機の駆動動力を断続する電
磁クラッチMが設置され、該電磁クラッチMとスクロー
ル型圧縮機構Cとの間は、回転軸6を介して互いに連動
するよう直結されている。なお、図4に示したスクロー
ル圧縮機は、たとえば車両用の空気調和機に使用される
ものであり、図示省略のベルトを介して車両走行用エン
ジン等から駆動動力を得るようになっている。
【0015】スクロール型圧縮機構Cは、固定スクロー
ル1、旋回スクロール2、旋回スクロール2の公転旋回
運動を許容するがその自転を阻止するオルダムリンク
3、回転軸6を軸承するメインベアリング7等から構成
される。なお、固定スクロール1はリアハウジング5に
締結されている。固定スクロール1は、端板8とその内
面に立設された渦巻状ラップ9とを備え、端板8の中央
には吐出ポート11が設けられている。吐出ポート11
が開口する端板8の外面8aには、吐出ポート11を開
閉する吐出弁12及び吐出弁12の可動範囲を限定する
ためのリテーナ13が設置されている。
【0016】旋回スクロール2は、端板14とその内面
に立設された渦巻状ラップ15とを備えている。端板1
4の外面に立設されたボス16内には、偏心ブッシュ1
7が旋回軸受18を介して回転自在に嵌合されている。
スクロール型圧縮機構Cにおいては、上述した固定スク
ロール1と旋回スクロール2とを相互に所定距離だけ偏
心させ、かつ180度だけ角度をずらして噛み合わせる
ことによって、複数個の密閉空間20が形成されてい
る。フロントハウジング4はリアハウジング5と一体に
固定されており、このフロントハウジング4の内側端面
に形成されたスラスト面21と旋回スクロール2の背面
とが摺接して旋回スクロール2を支持している。
【0017】さて、接続状態とした電磁クラッチMから
動力が回転軸6に伝達されると、本回転軸6、偏心ピン
19、偏心ブッシュ17、ボス16等からなる公転旋回
機構を介して、旋回スクロール2はオルダムリンク3に
よって自転を阻止されながら公転旋回半径の円軌道上を
公転旋回運動する。スクロール型圧縮機の駆動に伴い、
冷媒ガス等の被圧縮流体は吸入ポート10から密閉ハウ
ジングH内に入り、ガス通路(図示省略)を通って密閉
空間20内に吸入される。そして、旋回スクロール2の
公転旋回運動により密閉空間20の容積が減少するのに
伴って圧縮されながら中央部に至り、固定スクロール1
の端板8に設けられた吐出ポート11より吐出弁12を
押し開いて吐出される。
【0018】このように構成されたスクロール圧縮機に
おいて、本発明では以下に説明する傾斜面(第1の実施
形態)や固定スクロール側の渦巻状ラップに歯丈の低い
部分(第2の実施形態)を設けて、旋回側端板外周部が
固定側歯先へ乗り上げることを防止している。なお、各
実施形態に関する以下の説明では、上述したスクロール
圧縮機の要部のみを図示して詳細に説明する。
【0019】<第1の実施形態>図1は本発明に係わる
固定スクロールと旋回スクロールとの運転中の相対位置
説明図、図2は図1のA−A線に沿う断面図である。図
1及び2において、図中の符号101は固定スクロー
ル、102は旋回スクロール、109は固定スクロール
101の渦巻状ラップ、109aは渦巻状ラップ109
の歯先(固定側歯先)、109bは渦巻状ラップ109
の腹側部、114は旋回スクロール102の端板、11
4aは端板114の外周部(旋回側端板外周部)、13
1は分離ゾーンである。
【0020】この実施形態では、運転中に旋回スクロー
ル102の端板114が固定スクロール101の渦巻状
ラップ109の歯先109aから離れる分離ゾーン13
1に対し、具体的には図1に示す固定スクロール101
の渦巻状ラップ109のP1点からP2点に至る範囲に
対し、渦巻状ラップ109の歯先109aの腹側部10
9bに位置している角部を切り欠いて形成されたなだら
かな傾斜面109cが設けられている。
【0021】この傾斜面109cは、図2に示す渦巻状
ラップ109の断面形状において、腹側部109bの歯
丈Lbが背側部109dの歯丈Ldよりも小さく(Lb
<Ld)なるように設けられている。換言すれば、運転
中において白抜矢印103aの方向に往復移動する旋回
スクロール102の端板114が、いったん離れて戻っ
てくる方向を向いて位置している腹側部109bを背側
部109dより低くした傾斜面109cとしてある。ま
た、上述した傾斜面109cは、渦巻状ラップ109の
歯幅方向において、腹側となる歯先109aの一部に設
けておけばよい。なお、歯先109aの腹側部109b
とは、固体スクロール101から立設された渦巻状ラッ
プ109の内周(中心)側壁面を指している。
【0022】また、運転中において固定スクロール10
1の渦巻状ラップ109の歯先109aと離れ及び重な
りを繰返す往復運動、すなわち図2に示す矢印130a
の方向に往復運動をする旋回スクロール102の端板1
14の外周部114aに対して、固定スクロール101
と対向する側にの面に角部を切り欠いたなだらかな傾斜
面114cが設けられている。この傾斜面114cは、
上述した固定スクロール101側の歯先109aに設け
た傾斜面109cと同様に、分離ゾーン131に対して
設けられている。また、この傾斜面114cは、外周部
114aの板厚tが中心側の板厚Tより小さく(t<
T)なるように設けられている。
【0023】このような構成とすれば、運転中において
離れ及び重なりを繰返す分離ゾーン131に位置してい
る固定側歯先109a及び旋回側端板外周部114aの
両方に傾斜面109c,114cを設けたので、旋回ス
クロール102が矢印30の方向へ移動(符号102a
→102)することにより、旋回側端板外周部114a
が重なるよう戻ってくる場合には、傾斜面109c,1
14cに導かれて乗り上げることなくスムーズに重なる
ことができる。このため、乗り上げを原因とする歯先1
09a等の摩耗や焼付きを防止し、スクロール圧縮機の
耐久性や信頼性を向上させることができる。
【0024】換言すれば、スクロール型圧縮機の運転に
よるガス流体の圧縮行程において、旋回スクロール10
2に圧縮ガスによる反力によるモーメントが作用して旋
回スクロール102の端板114に倒れが発生する場合
においても、運転中にいったん離れた旋回スクロール1
02における端板114の外周部114aが、再度固定
スクロール101における渦巻状ラップ109の歯先1
09aに重なる際、上述したなだらかな傾斜面109
c,114cが互いに協働して、旋回スクロール102
の端板114に生じる倒れの逃げとなる。従って、旋回
側端板外周部114aが固定側歯先109aへ乗り上げ
ることを防止し、旋回スクロール102における端板1
14の外周部114a及び固定スクロール101の渦巻
状ラップ109の歯先109aの摩耗及び焼付きを防ぐ
ことができる。
【0025】上述した実施形態の説明では、分離ゾーン
131に位置している固定側歯先109a及び旋回側端
板外周部114aの両方に傾斜面109c,114cを
設けてあるが、いずれか一方にのみ傾斜面を設ける構成
としてもよい。すなわち、固定側歯先109aにのみ傾
斜面109cを設けた構成や、旋回側端板外周部114
aにのみ傾斜面114cを設けた構成としても、逃げの
余裕度は小さくなるものの、傾斜面109cまたは傾斜
面114cのいずれか一方が逃げして機能する。このた
め、両方に傾斜面109c,114cを設けたものと同
様にして、旋回側端板外周部114aが固定側歯先10
9aへ乗り上げることを防止し、旋回スクロール102
における端板114の外周部114a及び固定スクロー
ル101の渦巻状ラップ109の歯先109aの摩耗及
び焼付きを防ぐことができる。
【0026】<第2の実施形態>続いて、本発明の第2
の実施形態を図1及び図3に基づいて説明する。なお、
図3は固定スクロール101に立設される渦巻状ラップ
109の展開形状図であり、紙面の上部が歯先109a
となっている。この実施形態では、運転中において、旋
回側端板外周部114aが固定側歯先109aから離れ
る分離ゾーン131、すなわち、固定スクロール102
における渦巻状ラップ109の点P1から点P2に至る
範囲に属する部分の歯丈Lを低く設定してある。具体的
に説明すると、渦巻状ラップ109の歯先109aから
旋回側端板外周部114aが離反しない部分、たとえば
渦巻状ラップ109上の点P3の歯丈Loより高さhだ
け低く(L=Lo−h)設定されている。なお、具体的
なhの寸法は、10μm〜50μm程度と小さなもので
よい。
【0027】このような構成とすれば、分離ゾーン13
1に属する部分の歯丈Lを高さhだけ低く設定してある
ので、運転中において圧縮ガスによる反力のモーメント
が作用して旋回スクロール102の端板114に倒れが
発生する場合、固定スクロール101の渦巻状ラップ1
09における分離ゾーン131の歯丈低減分hが倒れの
逃げとなる。このため、旋回スクロール102における
端板109の外周部109aと固定スクロール101に
おける渦巻状ラップ109の歯先109aとの干渉を防
止でき、旋回側端板外周部114a及び固定側歯先10
9aの摩耗及び焼付きを防ぐことができる。
【0028】また、上述したように固定歯先109aの
歯丈Lを高さhだけ低くする構成については、第1の実
施形態で説明した旋回側端板外周部114aに設けた傾
斜面114cとの組合せが可能である。すなわち、旋回
スクロール102における端板114の外周部114a
には、固定スクロール101と対向する側の面になだら
かな傾斜面114cを設ける。このようにすれば、固定
スクロール101側で高さhだけ歯丈を低くしたことに
加えて、旋回スクロール102側では外周部114aに
なだらかな傾斜面114cを設けてあるので、歯丈hだ
けの場合と比較して端板114の倒れに対する逃げの余
裕度が増加し、旋回側端板外周部114a及び固定側歯
先109aの摩耗及び焼付きをより確実に防ぐことがで
きる。
【0029】さらに、上述した本発明の各実施形態で
は、図4に示した横型のスクロール圧縮機に適用するも
のとして説明してきたが、本発明は横型のスクロール圧
縮機に限定されることはなく、たとえば図5に示す密閉
・縦型のスクロール圧縮機についても適用可能である。
ここで、図5に基づいて密閉・縦型のスクロール圧縮機
の構成を簡単に説明しておく。なお、図5において、図
中の符号Hはハウジング、Cはスクロール型圧縮機構、
EMは電動モータ、1は固定スクロール、2は旋回スク
ロール、3はオルダムリンク、6は回転軸、9は固定ス
クロール1の渦巻状ラップ、14は旋回スクロール2の
端板、15は端板14に立設された渦巻状ラップであ
る。
【0030】このスクロール圧縮機は、ハウジングH内
にスクロール型圧縮機構C及び電動モータEMが一体的
に収納されている。スクロール型圧縮機構Cを構成する
旋回スクロール2は、回転軸6で連結されている電動モ
ータEMを駆動源として固定スクロール1に対する公転
旋回運動を行い、スクロール型圧縮機構Cに吸入した流
体ガスを圧縮するように構成されている。なお、スクロ
ール型圧縮機構Cの構成は、上述した横型と基本的に同
じである。
【0031】なお、本発明の構成は上述した実施形態に
限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範
囲内において適宜変更することができる。
【0032】
【発明の効果】上述した本発明のスクロール型圧縮機に
よれば、固定側歯先の腹側及び該固定側歯先の腹側と対
向する旋回側端板外周部のいずれか一方または両方に、
分離ゾーンに属する部分をゆるやかに傾斜させてなる傾
斜面を備えているので、この傾斜面は、旋回側端板外周
部が固定側歯先へ乗り上げるのを防止する逃げとして機
能する。このため、いったん離れた旋回側端板外周部
は、固定側歯先へ乗り上げることなく傾斜面に沿ってス
ムーズに戻ることができるので、互いに摩耗したり焼付
きを生じたりすることが防止され、信頼性や耐久性の向
上に大きな効果を奏する。
【0033】また、固定スクロールの渦巻状ラップが分
離ゾーンに属する部分の歯丈を低く設定した構成とする
ことにより、歯丈の低い部分が逃げとして機能するの
で、いったん離れた旋回側端板外周部は、固定側歯先へ
乗り上げることなくスムーズに戻ることができる。従っ
て、互いに摩耗したり焼付きを生じたりすることが防止
され、信頼性や耐久性の向上に大きな効果を奏する。
【0034】そして、上述したように固定スクロール側
で歯丈を低くすることと、旋回側端板外周部が分離ゾー
ンに属している部分に傾斜面を設けることとを組み合わ
せた構成とすれば、歯丈の低い部分及び傾斜面が協働し
て余裕度の高い逃げを形成するので、いったん離れた旋
回側端板外周部は、固定側歯先へ乗り上げることなく傾
斜面に沿ってよりスムーズに戻ることができるようにな
る。従って、互いに摩耗したり焼付きを生じたりするこ
とが防止され、信頼性や耐久性をより一層向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るスクロール型圧縮機の第1の実
施形態を示す図で、スクロール圧縮機の運転中における
固定スクロールと旋回スクロールとの相対位置を示す図
である。
【図2】 図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】 本発明に係るスクロール型圧縮機の第2の実
施形態を示す図で、固定スクロールに立設される渦巻状
ラップの展開形状図である。
【図4】 横型のスクロール型圧縮機構造例を示す断面
図である。
【図5】 密閉・縦型のスクロール型圧縮機構造例を示
す断面図である。
【図6】 スクロール圧縮機の従来例を示す図で、運転
中における固定スクロールと旋回スクロールとの相対位
置を示す図である。
【図7】 図6に示した固定側歯先と旋回側端板外周部
との位置関係を示す要部拡大図であり、(a)は相対位
置関係図、(b)は接触状態図である。
【符号の説明】
101 固定スクロール 102 旋回スクロール 109 渦巻状ラップ 109a 歯先(固定側歯先) 109b 腹側部 109c 傾斜面 114 端板 114a 外周部(旋回側端板外周部) 114c 傾斜面 131 分離ゾーン Lo,L 歯丈
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹川 千賀子 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内 (72)発明者 丸岩 保治 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内 Fターム(参考) 3H039 AA12 BB03 BB04 CC04 CC07 CC08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 旋回スクロールの一旋回中に、固定ス
    クロールの渦巻状ラップ外周部に位置する固定側歯先か
    ら前記旋回スクロールの旋回側端板外周部が離れる分離
    ゾーンを有しているスクロール型圧縮機において、 前記固定側歯先の腹側及び該固定側歯先の腹側と対向す
    る前記旋回側端板外周部のいずれか一方または両方に、
    前記分離ゾーンに属する部分をゆるやかに傾斜させてな
    る傾斜面を備えていることを特徴とするスクロール型圧
    縮機。
  2. 【請求項2】 旋回スクロールの一旋回中に、固定ス
    クロールの渦巻状ラップ外周部に位置する固定側歯先か
    ら前記旋回スクロールの旋回側端板外周部が離れる分離
    ゾーンを有しているスクロール型圧縮機において、 前記固定スクロールの渦巻状ラップが前記分離ゾーンに
    属する部分の歯丈を低く設定したことを特徴とするスク
    ロール型圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記旋回側端板外周部が、前記分離ゾ
    ーンに属している部分をゆるやかに傾斜させてなる傾斜
    面を備えていることを特徴とする請求項2記載のスクロ
    ール型圧縮機。
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