JP4402237B2 - スクロール型流体機械 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば冷凍装置や空気調和装置に使用されるスクロール型圧縮機等のスクロール型流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、スクロール型圧縮機などのスクロール型流体機械においては、固定スクロール、旋回スクロール及び自転阻止機構を具備することでスクロール型圧縮機構を構成している。
このスクロール型圧縮機構において、一方の固定スクロールは、吸入管及び吐出管を接続したハウジング内に固定支持された不動のスクロールである。他方の旋回スクロールは、固定スクロールと上下または左右方向に噛み合わされた状態で配置され、自転阻止機構により自転を阻止されると共に、電動モータなどの駆動源と連結されて、固定スクロールに対し公転旋回運動を行うものである。この旋回スクロールは、固定スクロールと複数の接触点で接触して三日月状の圧縮室を形成し、同圧縮室が外周側より容積を減少させながら内側へ移動することにより、吸入・圧縮・吐出を同時に行うことができる。
【0003】
また、上述した固定スクロール及び旋回スクロールにおいては、それぞれの端板に突設された渦巻体の先端面にチップシールと呼ばれるシール部材が嵌装されている。このチップシールは、相対的旋回運動を行う固定スクロール及び旋回スクロールの渦巻体先端面において、それぞれが相手側スクロールの端板接触面に密接して低圧側と高圧側との間をシールする機能を有している。
図7に従来の固定スクロールを示して簡単に説明する。図7の固定スクロールは渦巻体側から見た平面図であり、図中の符号9は固定スクロール、9bは固定側渦巻体、13はチップシール、14は吐出ポートである。固定側端板9aから突設された固定側渦巻体9bの先端面9dには、シール溝を設けて渦巻き状のチップシール13が嵌装されている。このチップシール13は全長にわたって矩形の断面形状を有しており、図8に示すように、シール溝9e内の空間部SPに導入した圧縮流体の圧力を受けて、相手側(旋回スクロール側)の接触面(旋回側端板11a)に対しシール面を密着させて摺動部のシールをするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のスクロール型流体機械においては、固定スクロール9側に嵌装されているチップシール13の外周側巻き終わり(以下外周側端部と呼ぶ)位置に関して、以下に説明するような問題を有している。
すなわち、図9(a)に示すように、チップシール13の外周側端部13aが旋回スクロール11の旋回中において旋回側端板11aから外れる位置(実線表示部参照)にあると、換言すれば、外周側端部13aが旋回側端板11aの公転旋回運動によって描かれる旋回軌跡の外側に位置していると、流体圧力を受けてシール溝9eから押し出される部分を密着させて支えてもらう接触面がないため、図9(b)に示すように、外周側端部13aが折れ曲がって破損する恐れがあった。
この対策として、図10に示す他の従来例のように、固定スクロール9側に嵌装されるチップシール13の外周側端部13aを旋回側端板11aが描く旋回軌跡より内側に配置することも可能であるが、チップシール13が短くなったことによりシール性能が低下するため、その分圧縮性能面で不利になるという新たな問題が生じてくる。
【0005】
そこで、本発明は、固定スクロールに嵌装されるチップシール、特に外周側端部における破損防止と良好な圧縮性能とを両立できるスクロール型流体機械の提供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため以下の手段を採用した。
請求項1に記載のチップシールは、閉空間を形成し吸入管及び吐出管を接続したハウジングと、該ハウジング内に固定支持された固定スクロールと、該固定スクロールと噛み合わされ、同固定スクロールに対し自転を阻止されて公転旋回運動を行う旋回スクロールと、前記固定スクロール及び前記旋回スクロールの端板に突設された渦巻体の先端面に嵌装されそれぞれが相手側スクロールの接触面に密接して低圧側と高圧側との間をシールするチップシールと、前記旋回スクロールの駆動手段とを具備し、前記固定スクロールと前記旋回スクロールとが複数の接触点で接触して三日月状の圧縮室を形成し、該圧縮室が外周側より容積を減少させながら内側へ移動して吸入・圧縮・吐出を同時に行い、さらに前記固定スクロールの端板外径が前記旋回スクロールの端板外径より大なるスクロール型流体機械であって、前記固定スクロールの端板外形より小径となる前記旋回スクロールの端板が前記公転旋回運動を行い、軸方向から見て、前記公転旋回運動時に前記旋回スクロールの端板と前記固定スクロールの端板とが前記固定スクロールの端板外形の内側で、常に重複する領域の外周端を旋回軌跡とし、前記固定スクロール側のチップシールを、その外周側端部が前記旋回軌跡の外側で、かつ、前記旋回軌跡の近傍に位置するよう取り付けたことを特徴とするものである。
【0007】
このようなスクロール型流体機械によれば、チップシールの外周側端部が浮き上がらない範囲で最大限までシール可能領域を長く伸ばすことができるので、チップシールの破損を防止して圧縮性能を向上させることができる。
この場合、前記チップシールの外周側端部は、渦巻き形状を形成している内周線の終端点が、少なくとも前記旋回軌跡の線を中心に前記チップシール幅で規定される帯状領域の範囲内にあることが好ましく、これにより、外周側端部の浮き上がりを防止する相手側接触面のない外周側端部の長さは、旋回軌跡から短いものとなって浮き上がりにくくなる。
また、前記チップシールの外周側端部は、前記旋回軌跡より大きいほぼ相似の曲面形状部を備えていることが好ましく、これにより、浮き上がりを防止する相手側接触面のない外周側端部の長さは、旋回軌跡からほぼ一定の短いものとなって浮き上がりにくくなる。
【0008】
請求項4に記載のスクロール型流体機械は、空間を形成し吸入管及び吐出管を接続したハウジングと、該ハウジング内に固定支持された固定スクロールと、該固定スクロールと噛み合わされ、同固定スクロールに対し自転を阻止されて公転旋回運動を行う旋回スクロールと、前記固定スクロール及び前記旋回スクロールの端板に突設された渦巻体の先端面に嵌装されそれぞれが相手側スクロールの接触面に密接して低圧側と高圧側との間をシールするチップシールと、前記旋回スクロールの駆動手段とを具備し、前記固定スクロールと前記旋回スクロールとが複数の接触点で接触して三日月状の圧縮室を形成し、該圧縮室が外周側より容積を減少させながら内側へ移動して吸入・圧縮・吐出を同時に行うスクロール型流体機械であって、前記固定スクロール側のチップシールが、その外周側端部のシール面に自然状態で相手側接触面から遠のくように成形された傾斜部を備えていることを特徴とするものである。
【0009】
このようなスクロール型流体機械によれば、流体圧力を受けた傾斜部が浮き上がって内周側端部から外周側端部までほぼ同一のシール面を形成するので、チップシールの全長にわたって破損の恐れがなく、しかも、シール長さを延長できる分だけシール性を向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るスクロール型流体機械の一実施形態として、図5にスクロール型圧縮機を示して説明する。
図示のスクロール型圧縮機1は密閉型と呼ばれているものである。このスクロール圧縮機1は、有底筒形状のハウジング2と、該ハウジング2内部の上部にフレーム3で支持されたスクロール型圧縮機構4と、該スクロール型圧縮機構4の下方、すなわちハウジング2内部の下部にフレーム3で支持して配設された駆動手段のモータ5とを備え、該モータ5の回転シャフト6が、スクロール型圧縮機構4の下部に連結されている。
【0011】
前記ハウジング2は、筒部2aの下端及び上端が底部2b及び蓋部2cでそれぞれ閉塞状態とされ、筒部2aには吸入管7が内部と貫通状態に接続されるとともに、蓋部2cには吐出管8が内部に突出状態に接続された閉空間を形成している。
前記スクロール型圧縮機構4は、フレーム3に固定された固定スクロール9と、フレーム3と固定スクロール9との間にスラスト軸受10を介して公転旋回運動が可能に支持された旋回スクロール11と、該旋回スクロール11の外面に設けられ旋回スクロール11の公転旋回運動を許容しながらその自転を阻止する周知のオルダムリンク等よりなる自転阻止機構12とを備えている。
【0012】
前記固定スクロール9は、固定側端板9aと、該固定側端板9aの内面に立設された渦巻き状の固定側渦巻体9bと、固定側端板9aの周縁部に形成された円筒状の周壁部9cとを備え、該固定側渦巻体9bの先端面9dには、弾性を有するチップシール13が嵌装されている。このチップシール13にはカーボンを含む耐熱耐摩耗性樹脂の成型品が好適であり、たとえばポリフェニレンサルファイト樹脂などを採用している。
前記固定側端板9aには、その中央部に吐出ポート14が上下に貫通状態に形成されるとともに、その上面には吐出ポート14を開閉する吐出弁15が設けられている。
【0013】
また、前記周壁部9cの上端には、キャビティ蓋部16が機密状態に固定されて、内部に吐出キャビティ17が形成されている。
キャビティ蓋部16には、吐出管8の開口端が貫通状態に固定され、吐出管8と吐出キャビティ17とが接続されている。
また、周壁部9cには、固定側端板9a内面側とハウジング2側とを連通する吸入通路18が形成され、該吸入通路18は、固定スクロール9と旋回スクロール11との間に形成される吸入室19に接続される。
【0014】
前記旋回スクロール11は、前記固定側端板9aに対向状態に配された旋回側端板11aと、該旋回側端板11aの内面に立設された固定側渦巻体9bと噛み合わされた渦巻き状の旋回側渦巻体11bとを備え、該旋回側渦巻体11bの先端面にはPPS製などのチップシール13が嵌装されている。
前記旋回側端板11aには、その外面に円筒形状のボス20が軸線を同じくして立設され、該ボス20の内部には、ブッシュ21が旋回軸受22を介して回転可能に嵌装されている。
また、該ブッシュ21には、その内部に軸線から偏心した貫通孔21aが形成されている。
【0015】
固定スクロール9と旋回スクロール11とは、互いに所定の距離だけ偏心した状態で、固定側渦巻体9bと旋回側渦巻体11bとの互いの側面が複数個所で線接触するように180度の位相差をもって噛み合わされている。また、この状態で、固定側渦巻体9b及び旋回側渦巻体11bのチップシール13がそれぞれ旋回側端板11a及び固定側端板9aの内面に密接して、図6に示すように、固定側渦巻体9bと旋回側渦巻体11bの中心に対して点対称の位置関係となる複数個所に密閉空間となる圧縮室Pが形成される。
なお、旋回スクロール11は、周知のオルダムリンク23を備えた自転阻止機構12によって、フレーム3及び同フレーム3に固定された固定スクロール9に対して、自転が阻止された状態で公転旋回運動可能に配されている。
【0016】
前記モータ5の回転シャフト6は、フレーム3の内周面に配された上部軸受24及び下部軸受25に軸支され、軸線から所定量偏心された偏心ピン26が上端に突出状態に設けられている。
偏心ピン26は、ブッシュ21の貫通孔21aに挿入され、ブッシュ21を回転可能に支持している。さらに、偏心ピン26の下部には、旋回スクロール11及びフレーム3との間に形成された室27内にバランスウエイト28が固定されている。
【0017】
偏心ピン26及び回転シャフト6には、これらを上下に貫通する油通路29が形成されるとともに、回転シャフト6の下端には潤滑油ポンプ30が設けられており、油通路29の下端に接続されている。
また、ハウジング2の底部2bには、潤滑油31が貯留されており、該潤滑油31内に回転シャフト6の下端が配されている。
さらに、フレーム3には、室27とフレーム3下部とを連通する排油孔3bと、フレーム3外周部に配されフレーム3上部と下部とを連通する通路3cとが形成されている。
【0018】
次に、上記構成のスクロール圧縮機1におけるガス(流体)の圧縮方法について説明する。
モータ5を駆動することにより、回転シャフト6の回転が偏心ピン26、ブッシュ21、旋回軸受22及びボス20を介して旋回スクロール11に伝達されるとともに、旋回スクロール11が自転阻止機構12によって自転が阻止された状態で固定スクロール9に対して公転旋回運動を行う。
このとき、ガスは、吸入管7からハウジング2内に供給されるとともにモータ5を冷却し、さらに通路3c、吸入通路18及び吸入室19を経て圧縮室Pへと供給される。
【0019】
そして、圧縮室P内のガスは、旋回スクロール11の上記公転旋回運動による圧縮室Pの容積縮小に伴い、圧縮されながら中央部に移送される。このようにして、さらに圧縮されたガスは、吐出ポート14から吐出弁15を押し開けて吐出キャビティ17内に排出され、該吐出キャビティ17から吐出管8によって外部へと排出される。
【0020】
また、底部2bに貯留された潤滑油31は、潤滑油ポンプ30によって吸い上げられるとともに油通路29内を通って偏心ピン26先端から出され、偏心ピン26、ブッシュ21、旋回軸受22、スラスト軸受10、下部軸受25及び自転阻止機構12等を潤滑する。この後、潤滑油31は、室27から排油孔3bを介してハウジング2の底部2bに戻されて貯留される。
【0021】
上述した構成のスクロール型圧縮機1に対して、本発明では、固定スクロール9側のチップシール13を、その外周側端部が旋回スクロール11の端板外周端により形成される旋回軌跡の外側に位置するように取り付けてある。
これを図1に示す第1の実施形態に基づいて詳細に説明すると、固定側渦巻体9bの先端面9dに取り付けられたチップシール13は、その外周側端部13aが旋回スクロール11の旋回側端板11aより外側にあり、しかも同旋回側端板11aに比較的近い位置となるよう取り付けられている。換言すれば、固定スクロール9に取り付けられるチップシール13の外周側端部13aは、固定スクロール9に対して旋回運動する旋回側端板11aの外周端により形成される旋回軌跡の外側でしかもその近傍に位置するよう取り付けられている。
なお、チップシール13の外周側端部13aとは、吐出ポート14に近い内側端部を始点とする渦巻き形状の外側終点付近のことである。
【0022】
上述したような構成とすれば、固定スクロール9側のチップシール13が圧縮流体により旋回側端板11aの接触面方向に押されても、接触面となる旋回側端板11aが存在しない外周側端部13a(図1における実線表示部分)が短くなるため、チップシール13自体の剛性によりほとんど浮き上がらなくてすむようになる。このため、運転中にチップシール13の外周側端部13aが浮き上がって折れ曲がるといった不具合を解消できる。また、チップシール13の外周側端部13aが旋回側端板11aの旋回軌跡より内側に位置している従来例(図10参照)と比較した場合、外周側端部13aが旋回軌跡の外側近傍まで伸びた分だけシール可能領域を延長することができる。なお、外周端板13aの飛び出し長さLは、設計にもよるが、チップシール幅H程度以内であれば折れ曲がりは防止できる。
この結果、チップシール13の折曲破損を防止してシール性能を向上させることができるので、スクロール型圧縮機の圧縮性能、耐久性及び信頼性を向上させることができる。
【0023】
ところで、上述した固定スクロール9側のチップシール13において、外周側端部13aを旋回軌跡より外側へ伸ばすほどシール可能領域は延長され、シール性を向上させる面では有利になる。しかし、旋回軌跡の外側へ長くしすぎると、こんどは外周側端部13aの浮き上がりによる折曲破損が問題になる。
そこで、本発明では、図2に示すように、チップシール13の渦巻き形状を形成している内周線IRの終端点Peが、少なくとも旋回側端板11aの旋回軌跡線を中心に、チップシール幅H程度の幅で規定される帯状領域Aの範囲内に位置するようにしてある。このようにすれば、旋回軌跡より外側の長さが短くてすみ、しかも、内周線IRにおいては終端点Peまで旋回側端板11aの接触面に密着するので、チップシール13の軸線C方向で全く接触面が存在しないフリー長さLは極めて短いものとなる。また、チップシール13の内周線IR及び外周線ORに沿う両側面はシール溝内の壁面に密接しているので、浮き上がりは軸線Cの方向で生じやすく、従って、フリー長さLが短いことは浮き上がりの防止に有利である。そして、チップシール13のシール機能は内周線IRの終端点Peまで有効になるので、シール可能領域も長くとれる。
なお、内周線IRの終端点Peが旋回軌跡より内側(図1参照)に位置するようにすれば、フリー長さLはさらに短くなるか全くなくなる方向に変化するため、浮き上がりを防止するという点では有利になるが、有効なシール長さを得るという点ではやや不利になる。
【0024】
図3は上述した第1の実施形態の変形例を示しており、この場合のチップシール13は、外周側端部13aが旋回側端板11aの旋回軌跡とほぼ相似の曲面形状部13bを備えている。すなわち、曲面形状部13bは旋回側端板11aの描く旋回軌跡より大きい相似形Sの一部と一致またはほぼ一致している。このようにすれば、旋回軌跡より外側のシール最大長さL1は、ほぼ一定でしかも短いものとなるので、さらに浮き上がりが生じにくくなる。
なお、内周線IRの終端点Peは、図示のように旋回軌跡上であってもよいし、あるいは、旋回軌跡を中心としてチップシール幅H程度で規定される帯状領域A内にあってもよい。
【0025】
続いて、本発明の第2の実施形態を図4に示して説明する。この実施形態においては、固定スクロール9側のチップシール40が、その外周側端部41のシール面42に、自然状態で相手側接触面から遠のくように成形された傾斜部43を備えている。
なお、(a)はチップシール40の外周側端部41を示す側面図、(b)は運転時の状態を示す要部断面図、(c)は(b)のA−A断面図であり、図中の符号9bは固定側渦巻体、9dは先端面、9eはシール溝、11aは旋回側端板、SPは空間部を示している。
【0026】
この傾斜部43は、旋回側端板11aの旋回軌跡から外側の領域に設けられ、シール溝9e内に作用する流体圧力(白抜矢印参照)を背面44に受けて想像線で示すように変形する。この結果、スクロール型圧縮機の運転中は、傾斜部43が変形してシール面42とほぼ同一平面を形成するようになるので、旋回軌跡の外側に長く設けても必要以上に折れ曲がって破損するのを防止できる。
すなわち、チップシール40の外周側端部41については、流体圧力による変形を予め予測した形状に成形しておき、圧力を受けた状態でシール面42以上に折曲して破損するのを防止している。このような構成としても、チップシール40の折曲破損を防止してシール性能を向上させることができる。
【0027】
なお、上述した本発明は、実施形態として図面に基づいて説明した密閉縦型のスクロール型圧縮機の他にも、開放型や横型のスクロール型圧縮機及びスクロール型流体機械にも適用可能である。
【0028】
【発明の効果】
上述した本発明のスクロール型流体機械によれば、固定スクロール側のチップシールにおいて、コストをほとんど増加することなく外周側端部の折曲破損を防止しかつシール性能を向上させることができるので、スクロール型流体機械における圧縮性能、耐久性及び信頼性の向上に大きな効果を奏する。また、圧縮性能の向上は消費動力の低減にも貢献するため、省エネルギの面でも有利になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るスクロール型流体機械の一実施形態を示す図で、第1実施形態の要部を旋回スクロールの端板側から見て示す図である。
【図2】 図1における好適な実施例を示す要部拡大図である。
【図3】 第1の実施形態の変形例を示す要部拡大図である。
【図4】 本発明の第2実施形態を示す図で、(a)はチップシールの外周側端部を示す側面図、(b)は(a)に示したチップシールの運転時における状態を示す要部断面図、(c)は(b)のA−A断面図である。
【図5】 スクロール型流体機械の一例としてスクロール型圧縮機の構成を示す断面図である。
【図6】 固定側渦巻体及び旋回側渦巻体の関係を示す説明図である。
【図7】 従来例として固定スクロールを渦巻体側から見て示す平面図である。
【図8】 固定スクロールに取り付けられたチップシールが旋回スクロール側の端板と接触している状況を示す要部断面図である。
【図9】 従来例として、固定スクロールに取り付けられたチップシールの外周側端部を旋回スクロール側の端板側から見て示す図である。
【図10】 他の従来例を示す図である。
【符号の説明】
1 スクロール型圧縮機
2 ハウジング
3 フレーム
4 スクロール型圧縮機構
5 モータ(駆動手段)
6 回転シャフト
7 吸入管
8 吐出管
9 固定スクロール
9a 固定側端板
9b 固定側渦巻体
9d 先端面
9e シール溝
11 旋回スクロール
11a 旋回側端板
11b 旋回側渦巻体
12 自転阻止機構
13,40 チップシール
13a,41 外周側端部
42 シール面
43 傾斜部
44 背面

Claims (4)

  1. 閉空間を形成し吸入管及び吐出管を接続したハウジングと、該ハウジング内に固定支持された固定スクロールと、該固定スクロールと噛み合わされ、同固定スクロールに対し自転を阻止されて公転旋回運動を行う旋回スクロールと、前記固定スクロール及び前記旋回スクロールの端板に突設された渦巻体の先端面に嵌装されそれぞれが相手側スクロールの接触面に密接して低圧側と高圧側との間をシールするチップシールと、前記旋回スクロールの駆動手段とを具備し、前記固定スクロールと前記旋回スクロールとが複数の接触点で接触して三日月状の圧縮室を形成し、該圧縮室が外周側より容積を減少させながら内側へ移動して吸入・圧縮・吐出を同時に行い、さらに前記固定スクロールの端板外径が前記旋回スクロールの端板外径より大なるスクロール型流体機械であって、
    前記固定スクロールの端板外形より小径となる前記旋回スクロールの端板が前記公転旋回運動を行い、軸方向から見て、前記公転旋回運動時に前記旋回スクロールの端板と前記固定スクロールの端板とが前記固定スクロールの端板外形の内側で、常に重複する領域の外周端を旋回軌跡とし、
    前記固定スクロール側のチップシールを、その外周側端部が前記旋回軌跡の外側で、かつ、前記旋回軌跡の近傍に位置するよう取り付けたことを特徴とするスクロール型流体機械。
  2. 前記チップシールの外周側端部は、渦巻き形状を形成している内周線の終端点が、少なくとも前記旋回軌跡の線を中心に前記チップシール幅で規定される帯状領域の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械。
  3. 前記チップシールの外周側端部は、前記旋回軌跡より大きいほぼ相似の曲面形状部を備えていることを特徴とする請求項1または2記載のスクロール型流体機械。
  4. 空間を形成し吸入管及び吐出管を接続したハウジングと、該ハウジング内に固定支持された固定スクロールと、該固定スクロールと噛み合わされ、同固定スクロールに対し自転を阻止されて公転旋回運動を行う旋回スクロールと、前記固定スクロール及び前記旋回スクロールの端板に突設された渦巻体の先端面に嵌装されそれぞれが相手側スクロールの接触面に密接して低圧側と高圧側との間をシールするチップシールと、前記旋回スクロールの駆動手段とを具備し、前記固定スクロールと前記旋回スクロールとが複数の接触点で接触して三日月状の圧縮室を形成し、該圧縮室が外周側より容積を減少させながら内側へ移動して吸入・圧縮・吐出を同時に行うスクロール型流体機械であって、
    前記固定スクロール側のチップシールが、その外周側端部のシール面に自然状態で相手側接触面から遠のくように成形された傾斜部を備えていることを特徴とするスクロール型流体機械。
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