JP2003155525A - 製鉄用原料の造粒処理方法 - Google Patents

製鉄用原料の造粒処理方法

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JP2003155525A JP2002047098A JP2002047098A JP2003155525A JP 2003155525 A JP2003155525 A JP 2003155525A JP 2002047098 A JP2002047098 A JP 2002047098A JP 2002047098 A JP2002047098 A JP 2002047098A JP 2003155525 A JP2003155525 A JP 2003155525A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で、製鉄用原料を造粒処理し擬似粒化ま
たはペレット化するのに好適に用いられる製鉄用原料の
造粒処理方法を提供する。 【解決手段】 上記製鉄用原料(焼結原料またはペレッ
ト原料)を含む造粒処理用組成物を所定の割合で水に分
散させたときに、所定時間経過後、水中に浮遊している
微粒子の量が、用いた造粒処理用組成物の固形分の2重
量%以上となるように上記造粒処理用組成物を配合して
該造粒処理用組成物の造粒処理(擬似粒化またはペレッ
ト化)を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製鉄用原料となる
焼結鉱の製造方法またはペレットの製造方法に関わり、
製鉄用原料を造粒処理する際、特に製鉄用原料の水分を
調節して造粒し擬似粒化またはペレット化するのに好適
に用いられる製鉄用原料の造粒処理方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】焼結鉱の製造においては、先ず焼結原料
となる鉄鉱石、副原料、燃料等を混合し、ドラムミキサ
ー、ペレタイザー、アイリッヒミキサー等の造粒機で水
分を調節しながら造粒して擬似粒子を造る。擬似粒子と
は、一般的に、0.5mm以下の微粒子が1〜3mmの
核粒子に付着している粒子である。この際、造粒に求め
られる作用は、微粉粒子が核粒子の周りに付着する擬似
粒化性を向上すること、擬似粒子が焼結過程における湿
潤帯、乾燥帯等で崩壊し難いこと等である。焼結原料を
このように擬似粒子とすることで、焼結機上での焼結原
料充填層(焼結ベッド)中の通気性を向上し、焼結機の
生産性向上を図ることができる。
【0003】焼結原料を焼結する焼結機は下方吸引式を
採用しており、焼結原料の下側から吸引することによっ
て焼結に必要な空気を流通させると共に、焼結原料の上
側から下側へ向かって燃料を燃焼させることにより、焼
結原料を焼結するようになっている。このため、焼結原
料が微粉を多く含んでいると、目詰まりを起こす等して
通気性が低下し、燃料であるコークスの燃焼速度が遅く
なるので焼結機の生産効率が低下する。そこで、通気性
を改善すべく、焼結原料を造粒(擬似粒化)する等の事
前処理が必要である。該事前処理としては、例えば、焼
結原料に少量の水を添加して攪拌する等の造粒操作が行
われている。しかし、水だけを用いた造粒操作では、擬
似粒化性を向上させる効果が乏しいため、焼結原料に含
まれる微粉の量をあまり低減することができない。
【0004】このために、従来から擬似粒化性を向上さ
せる対策として、焼結原料に粘結剤として種々の造粒添
加剤を添加する方法が提案されている。造粒添加剤とし
て用いられるものは、数多く知られている。例えば、ベ
ントナイト、リグニン亜硫酸塩(パルプ廃液)、澱粉、
砂糖、糖蜜、水ガラス、セメント、ゼラチン、コーンス
ターチ等が結合剤或いは増粘剤として、その使用が検討
されている。
【0005】また、特開昭59−50129号公報に
は、特定濃度の分散剤および/または特定濃度の界面活
性剤を含有する水を用いた焼結原料の前処理方法が記載
されており、分散剤としては、平均分子量2000〜2
0000のアクリル酸系重合体、マレイン酸系重合体、
スチレンスルホン酸系重合体等が記載されている。
【0006】また、特開昭61−61630号公報に
は、平均分子量500〜300000のマレイン酸重合
体等の水溶性高分子化合物を含む焼結鉱製造用粘結剤が
記載されている。
【0007】しかしながら、これらは何れも、焼結鉱の
製造において、擬似粒化性が不十分であるという問題点
を有しており、焼結原料に含まれる微粒子の量を低減す
ることはできるものの、低減される量が不充分であるこ
とに加え、輸送時や焼結ベッドでの水分凝縮帯等での擬
似粒子の崩壊は避けられないため、その添加量が比較的
多くて高コストとなることや、使用する量の確保が困難
である等の問題があり、工業的には使用されていない。
【0008】この他にも、特開昭52−117820号
公報や特開平3−183729号公報には、鉄鉱石や炭
酸カルシウム等の微粉を添加することを特徴とするもの
の記載があるが、やはり擬似粒化性が不充分である等の
問題があり、工業的には使用されていない。
【0009】現在実用化されている造粒添加剤として
は、例えば、製鉄研究第288号(1976)9頁に開
示されている生石灰が広く使われている。これによる
と、生石灰の効果は、次のように示されている。第一
に、ミキサー内での擬似粒化の促進を図ることができ
る。第二に、擬似粒子よりなる焼結原料を特定の高さに
充填し、焼結ベッドを形成した後に表層に点火した後の
焼結過程において、乾燥、加熱する過程で擬似粒子が崩
壊することを防止し、焼結層中の均一な風の流れを保つ
ことができるとされている。
【0010】一方、ペレットの製造においては、原料と
なる鉄鉱石、ダスト、炭材等を混合した後、ペレタイザ
ー等の造粒機で水分を調節しながら造粒する。ペレット
とは、一般的に、1.0mm以下の粒子が固まって6.
0〜50mmの球状になった粒子を指す。この際、造粒
に求められる作用は、乾燥する前の生ペレットの状態で
の強度が高いこと、乾燥工程中や輸送工程中に破壊され
て粉化しないこと等である。そして、従来からペレット
の強度を向上させるために、微粉状の原料に造粒添加剤
としてベントナイトを1重量%以上加えて混練し、適量
の水を散布しながら造粒操作を行い、ペレットを製造す
る方法が提案されている。尚、ここで述べるペレットと
は、高炉原料、焼結原料、転炉原料等になるものであ
り、その製造方法等は、特に限定されるものではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、焼結鉱
の製造においては、生石灰や糖蜜等のバインダーの使用
は、一般に高価であるために製造コストの上昇を招く。
また、生石灰を用いた造粒方法は実用化されてはいるも
のの、生石灰は吸湿し易く、このとき発熱するため、取
り扱いに注意を要するという問題点を有している。ま
た、現在使用されている生石灰は、使用量を比較的多く
しないと充分な効果が得られないため、コストが高くな
る。よって、その使用量を極力減少させて操業している
のが現状である。そして、生石灰を2重量%以上添加し
ても、その擬似粒化性の向上効果は頭打ちとなる傾向に
ある。さらに、最近では、優良塊鉱の枯渇化と共に、粉
鉱石の劣質化も激しく、焼結原料の造粒性が以前よりも
悪化している問題がある。このために、生石灰添加によ
る造粒を実施しても、その効果が以前よりも小さくなっ
ている。さらに、生石灰以外のバインダーは、焼結原料
に含まれる微粉の量を低減させる効果が不充分であり、
焼結ベッドの通気性を向上させて焼結時間を短縮する効
果が小さく、かつ、得られる焼結鉱の焼結鉱強度が弱
い。焼結鉱強度が弱い焼結鉱は、例えば焼結後の破砕時
に微粉が発生し易くなるので、返鉱が多くなり成品歩留
が低下し、その生産効率が低下する。このため、生石灰
以外のバインダーを用いた造粒方法は実用化されていな
い。
【0012】また、生石灰を使用した場合でも焼結原料
に含まれる微粉の量を低減させる効果はまだ充分とは言
えない状態である。これに対し、生石灰以外のバインダ
ーと生石灰とを併用するという考え方があるが、生石灰
以外の公知のバインダーには、生石灰と併用しても、焼
結原料に含まれる微粉の量を低減させる効果の高いもの
は知られていない。
【0013】それゆえ、擬似粒化性を向上させる効果に
優れ、焼結機の生産効率を向上させることができる安価
な造粒方法が求められている。
【0014】一方、ペレットの製造において、ベントナ
イトを使用すると、膨潤性が大きいために造粒時に多量
の水分を添加する必要がある。このため、生ペレットは
柔らかいために変形し易く、乾燥工程時にガスの通気性
が悪化し、充分な乾燥を行うのに長時間を要したり、強
度が低下する問題がある。さらに、ベントナイト中には
シリコン等の不純物成分が多く含まれており、溶銑、溶
鋼中のスラグの増大を招く等の問題がある。
【0015】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、安価で、製鉄用原料を造粒
処理し擬似粒化またはペレット化するのに好適に用いら
れる製鉄用原料の造粒処理方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記目
的を達成すべく鋭意検討した結果、製鉄用原料を造粒処
理するに際し、造粒時に存在する水の中、例えば添加水
および原料の持ち込み水分中に、微粒子を一定量以上、
安定して分散せしめることにより、擬似粒化性を著しく
向上させ、擬似粒子の強度を上げ、焼結ベッドの通気性
を向上させ、焼結機の生産性を向上させることができる
ことを見出して本発明を完成させるに至った。
【0017】すなわち、本発明の製鉄用原料の造粒処理
方法は、上記の課題を解決するために、製鉄用原料を造
粒処理する方法において、上記製鉄用原料を含む造粒処
理用組成物を所定の割合で水に分散させたときに、所定
時間経過後、水中に浮遊している微粒子の量が、用いた
造粒処理用組成物の固形分の2重量%以上となるように
上記造粒処理用組成物を配合して該造粒処理用組成物の
造粒処理を行うことを特徴としている。
【0018】また、本発明の製鉄用原料の造粒処理方法
は、上記の課題を解決するために、製鉄用原料を造粒処
理する方法において、上記製鉄用原料を含む造粒処理用
組成物を所定の割合で水に分散させたときに、所定時間
経過後、水中に浮遊している微粒子の量が、用いた造粒
処理用組成物の固形分の2重量%以上となるように上記
製鉄用原料に分散剤を添加して得られた造粒処理用組成
物の造粒処理を行うことを特徴としている。
【0019】さらに、本発明の製鉄用原料の造粒処理方
法は、上記の課題を解決するために、製鉄用原料を造粒
処理する方法において、上記製鉄用原料を含む造粒処理
用組成物を所定の割合で水に分散させたときに、所定時
間経過後、水中に浮遊している微粒子の量が、用いた造
粒処理用組成物の固形分の2重量%以上となるように上
記製鉄用原料に平均粒径が200μm以下の微粒子を添
加して得られた造粒処理用組成物の造粒処理を行うこと
を特徴としている。
【0020】また、本発明の製鉄用原料の造粒処理方法
は、上記の課題を解決するために、製鉄用原料を造粒処
理する方法において、上記製鉄用原料を含む造粒処理用
組成物を所定の割合で水に分散させたときに、所定時間
経過後、水中に浮遊している微粒子の量が、用いた造粒
処理用組成物の固形分の2重量%以上となるように上記
製鉄用原料に平均粒径が200μm以下の微粒子と分散
剤とを添加して得られた造粒処理用組成物の造粒処理を
行うことを特徴としている。
【0021】本発明の製鉄用原料の造粒処理方法は、上
記の課題を解決するために、上記分散剤が酸基および/
またはその塩を有する高分子化合物であることを特徴と
している。
【0022】本発明の製鉄用原料の造粒処理方法は、上
記の課題を解決するために、上記微粒子が、鉄鉱石、鉄
鋼用副原料、石灰石、カオリンクレー、ベントナイト、
製鉄所内で発生するダスト、フライアッシュ、シリカヒ
ューム、無水石膏からなる群より選ばれる少なくとも1
種の微粒子であることを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明にかかる製鉄用原料の造粒
処理方法は、製鉄用原料(焼結原料またはペレット原
料)を混合、調湿等して造粒処理(擬似粒化またはペレ
ット化)する方法において、上記製鉄用原料を含む造粒
処理用組成物を所定の割合で水に分散させたときに、所
定時間経過後、水中に浮遊している微粒子の量が、用い
た造粒処理用組成物の固形分の2重量%以上となるよう
に上記造粒処理用組成物を配合して該造粒処理用組成物
の造粒処理を行う方法である。つまり、上記造粒処理用
組成物とは、造粒剤等を含む最終配合の製鉄用原料であ
り、造粒処理がなされる、造粒処理用の最終の組成物
(以下、造粒処理用最終組成物と記す)を示す。また、
本発明にかかる製鉄用原料の造粒処理方法は、製鉄用原
料(焼結原料またはペレット原料)を混合、調湿等して
造粒処理(擬似粒化またはペレット化)する方法におい
て、上記製鉄用原料を含む造粒処理用組成物を所定の割
合で水に分散させたときに、所定時間経過後、水中に浮
遊している微粒子の量が、用いた造粒処理用組成物の固
形分の2重量%以上となるように上記製鉄用原料に分散
剤を添加(配合)して得られた造粒処理用組成物の造粒
処理を行う方法である。さらに、本発明にかかる製鉄用
原料の造粒処理方法は、製鉄用原料(焼結原料またはペ
レット原料)を混合、調湿等して造粒処理(擬似粒化ま
たはペレット化)する方法において、上記製鉄用原料を
含む造粒処理用組成物を所定の割合で水に分散させたと
きに、所定時間経過後、水中に浮遊している微粒子の量
が、用いた造粒処理用組成物の固形分の2重量%以上と
なるように上記製鉄用原料に平均粒径が200μm以下
の微粒子を添加(配合)して得られた造粒処理用組成物
の造粒処理を行う方法である。また、本発明にかかる製
鉄用原料の造粒処理方法は、製鉄用原料(焼結原料また
はペレット原料)を混合、調湿等して造粒処理(擬似粒
化またはペレット化)する方法において、上記製鉄用原
料を含む造粒処理用組成物を所定の割合で水に分散させ
たときに、所定時間経過後、水中に浮遊している微粒子
の量が、用いた造粒処理用組成物の固形分の2重量%以
上となるように上記製鉄用原料に平均粒径が200μm
以下の微粒子と分散剤とを添加(配合)して得られた造
粒処理用組成物の造粒処理を行う方法である。
【0024】本発明にかかる製鉄用原料の造粒処理にお
いて、微粒子の役割は、該微粒子が分散された水の凝集
力を高めることにある。上記微粒子を造粒時に存在する
水、例えば造粒に使用する添加水および原料の持ち込み
水分に分散させることにより、該微粒子が分散された水
の凝集力が高まり、擬似粒化性が向上されると共に、造
粒後の擬似粒子の強度や焼結時における焼結ベッド内で
の擬似粒子の崩壊が軽減され、焼結後の成品歩留等を向
上させることができる。
【0025】このため、擬似粒化性は、造粒に使用する
水の中に分散する微粒子量によって大きな影響を受ける
ものと考えられる。本願発明者らが鋭意検討した結果、
製鉄用原料を含む造粒処理用最終組成物を所定の割合で
水に分散させたときに、所定時間経過後、水中に浮遊
(分散)している微粒子の量(分散微粒子量と記す)
が、用いた造粒処理用最終組成物の固形分の2重量%以
上となる造粒処理用最終組成物を造粒処理すると、良好
な擬似粒化性を示すことを見出した。上記分散微粒子量
は、2.5重量%以上であることがより好ましく、3.
0重量%以上であることがより一層好ましく、3.5重
量%以上であることが特に好ましい。
【0026】擬似粒化性を良好とならしめる上記分散微
粒子量は、最終配合の製鉄用原料である上記造粒処理用
最終組成物の分散性試験で測定することができる。すな
わち、本発明にかかる製鉄用原料の造粒方法は、最終配
合の製鉄用原料の分散性試験で分散微粒子量が2重量%
以上となる上記最終配合の製鉄用原料を造粒する方法で
ある。
【0027】上記分散性試験は、最終的に配合された製
鉄用原料(造粒処理用最終組成物)を所定の割合で水に
分散させ、所定時間経過後、水中に浮遊(分散)してい
る微粒子の量(分散微粒子量)を測定する方法であり、
このときの分散微粒子量が、水に分散させた上記造粒処
理用最終組成物、つまり、上記分散性試験に用いた造粒
処理用最終組成物の2重量%以上となる時に、擬似粒化
性が良好であると判断できる。
【0028】上記分散性試験は、具体的には、以下の方
法により実施される。先ず、最終的に配合された製鉄用
原料(造粒処理用最終組成物)を100mlのメスシリ
ンダーに固形分で10gとなるように採取し、これに全
量で100mlとなるようにイオン交換水を加え、よく
撹拌する。これを約10秒間程度撹拌した後、得られた
分散液を10分間放置する。この時に粒径の大きな粒子
や分散安定化していない粒子が沈降する。10分間放置
後、分散液を全て抜き取り、この残りの沈降体積した粒
子を110℃の乾燥機を用いて蒸発乾固させ、その乾燥
重量を測定し、減量分を計算することで、上記分散液中
に浮遊(分散)していた微粒子の重量を測定する。そし
て、採取した造粒処理用最終組成物の固形分の重量に対
する上記分散微粒子の乾燥重量の比率(分散微粒子量)
を求める。
【0029】本発明においては、擬似粒化性を良好とな
らしめるために、上記比率、すなわち、分散微粒子量が
2重量%以上となるように上記造粒処理用最終組成物を
配合して該造粒処理用最終組成物の造粒処理を行う。
【0030】このため、本発明にかかる製鉄用原料の造
粒方法は、例えば、上記分散性試験により分散微粒子量
を測定する工程を含んでいる。また、本発明にかかる製
鉄用原料の造粒方法は、さらに、上記分散微粒子量が2
重量%以上となるように上記造粒処理用最終組成物の組
成を調整する工程を含んでいる。
【0031】上記分散微粒子量を2重量%以上とする方
法としては、例えば、(1)上記製鉄用原料に微粒子を添
加するか若しくは微粒子量が多い製鉄用原料を使用(配
合)する等して上記造粒処理用最終組成物中に含まれる
微粒子自体の量(絶対量)を多くし、これにより製鉄用
原料に対する微粒子の比率を大きくして水に浮遊(分
散)する微粒子量を大きくする方法、(2)例えば分散剤
の種類や使用量を適切に設定する等して上記製鉄用原料
に上記分散微粒子量が2重量%以上となるように分散剤
を添加する方法、並びにこれら(1)および(2)の方法の組
み合わせ等が挙げられる。
【0032】上記分散性試験は、造粒処理の度に行い、
その都度、造粒処理用最終組成物の組成を調整してもよ
いが、造粒処理に要する時間を短縮するため、(i)上記
分散微粒子量が2重量%以上となる配合条件を予め決定
し、この配合条件に基づいて造粒処理用最終組成物の配
合を行うか、若しくは、(ii)造粒処理用最終組成物中に
含まれる微粒子の絶対量、つまり、製鉄用原料に対する
微粒子の比率を大きくすることで、分散微粒子量を増や
すこともできる。これにより、上記分散性試験を省くこ
ともできる。
【0033】造粒処理用最終組成物中に含まれる微粒子
の絶対量、つまり、製鉄用原料に対する微粒子の比率を
大きくする場合、(a)使用する製鉄用原料中に含まれる
微粒子の分散微粒子量を測定し、上記分散微粒子量が2
重量%以上となるように微粒子を添加してもよいし、
(b)製鉄用原料に対し、上記分散微粒子量が2重量%以
上となる一定量以上の微粒子を添加してもよい。製鉄用
原料に微粒子を添加する方法としては、製鉄用原料に、
水に分散する200μm以下の微粒子を単独で、つま
り、製鉄用原料とは別に添加する方法が、造粒処理用最
終組成物中に含まれる微粒子量、つまり、製鉄用原料に
対する微粒子の比率を容易に調整することができること
から好ましい。
【0034】しかしながら、微粒子を多く含む配合原料
を添加(配合)することにより、造粒処理用最終組成物
中に含まれる微粒子量を調整することも可能である。上
記配合原料として製鉄用原料を配合するに際しては、通
常、複数種の製鉄用原料を組み合わせて用いられる。さ
らに、製鉄用原料の造粒に際しては、配合原料として、
製鉄所内で発生するダスト、例えば高炉・焼結・転炉等
で発生したダストが用いられる場合もある。そこで、微
粒子を多く含む配合原料の割合を多くすることで、造粒
処理用最終組成物中に含まれる微粒子量を増やし、水に
分散する微粒子の割合、つまり、分散微粒子量を増加さ
せることもできる。この場合、微粒子と共に分散剤を添
加することで、分散微粒子量を増加させることができ
る。
【0035】上記分散微粒子量が2重量%以上となる構
成としては、例えば、以下の構成、 元々の配合原料中に含まれる微粒子(微粉)が水だけ
で、つまり、分散剤を使用することなく、2重量%以上
分散する場合、 元々の配合原料中に含まれる微粒子(微粉)が分散剤
を使用することにより2重量%以上分散する場合、 元々の配合原料中に含まれる微粒子(微粉)にさらに
微粒子を加え、水だけで2重量%以上分散する場合、 元々の配合原料中に含まれる微粒子(微粉)にさらに
微粒子を加え、分散剤を使用することにより2重量%以
上分散する場合、 が考えられる。
【0036】通常、製鉄用原料中には、元々製鉄用原料
に付着、混入している微粒子が含まれている。例えば、
製鉄用原料として配合される鉄鉱石には、鉄鉱石の微粒
子やカオリンクレー等の粘土が付着している。また、石
灰石には、石灰石(炭酸カルシウム)の微粒子等が含ま
れている。さらに、上記したように製鉄用原料の造粒に
際しては、配合原料として、製鉄所内で発生するダス
ト、例えば高炉・焼結・転炉等で発生したダストが用い
られる場合もある。
【0037】しかしながら、これらの微粒子は通常、水
への自己分散能が低く、製鉄用原料の造粒に際し、例え
ば上記またはに示すように、これらの微粒子と同種
または異種の微粒子を上記製鉄用原料にさらに添加する
ことで添加水中に微粒子を多量に存在させるかまたは
に示すように分散剤を使用しなければ、添加水中にお
ける分散微粒子の濃度を上げることができず、そのまま
では擬似粒化性を著しく向上させることはできない。
【0038】鉄鉱石の造粒は水でもある程度なされる
が、これは、鉄鉱石の表面に付着している200μm以
下の微粒子や配合原料の石灰石中に含まれる200μm
以下の微粒子が水に分散し、この微粒子分散水の凝集力
によって200μmよりも大きな鉄鉱石をバインディン
グし、擬似粒子をなしていることによる。
【0039】しかしながら、元々製鉄用原料中に含まれ
ている水に分散し得る微粒子量は少なく、微粒子自体も
凝集体を作っていることが多いため、水がこの凝集体中
に捕えられる等して、結果的に、この微粒子分散水の量
が少なくなるため、水だけの造粒では添加水量を増やさ
なければ充分に擬似粒化させることはできない。
【0040】そこで、本発明においては、例えば上記
に示すように、上記した条件を満たすように分散剤を上
記製鉄用原料(製鉄用原料組成物)に添加するかもしく
はに示すように、鉄鉱石と鉄鉱石の微粒子とを結合さ
せるバインダーとなり得る、平均粒径が200μm以下
の微粒子を補充すると共に、分散剤を上記製鉄用原料
(製鉄用原料組成物)に添加している。
【0041】上記分散剤の役割は、配合原料が元々僅か
に持っている200μm以下の微粒子の凝集体および/
または、配合原料(製鉄用原料)に後から添加した平均
粒径が200μm以下の範囲内の微粒子の凝集体をほぐ
し、微粒子を水に分散させることによって、凝集体に捕
らわれる水を解放すると共に、水に分散される粒子量を
増加させることにある。これにより、上記分散剤には、
擬似粒子化に働くバインダーを増加させ、バインダー自
体の凝集力をも向上させる働きがある。
【0042】したがって、上記の方法によれば、上記し
たように分散剤を使用、好適には、平均粒径が200μ
m以下の微粒子を補充すると共に分散剤を使用すること
で、微粒子の凝集を防ぎ、添加水を増やすことなく、バ
インダーとなる微粒子分散水を充分な量確保することが
できる。上記の方法によれば、擬似粒化性を向上させる
ことができるので、微粒子を添加しているにも拘らず、
造粒後の微粉量は飛躍的に減少する。
【0043】また、上記の方法によれば、微粒子分散
水中の微粒子量も増加しているため、造粒後の擬似粒子
の強度が増加し、焼結時における焼結ベッド内での擬似
粒子の崩壊が軽減する。その結果、焼結ベッドの通気性
が向上し、焼結機の生産性を上げることができる。ま
た、焼結後の焼結鉱の強度、成品歩留等も向上し、焼結
機の生産率を飛躍的に向上させることができる。
【0044】つまり、上記製鉄用原料中に含まれる、平
均粒径が200μm以下の範囲内の微粒子としては、上
記したように、製鉄用原料として用いられる鉄鉱石に付
着している鉄鉱石の微粒子やカオリンクレー、石灰石中
に含まれる石灰石(炭酸カルシウム)の微粒子、各種ダ
スト等が挙げられるが、擬似粒化に作用する微粒子量が
少ない場合、これら製鉄用原料中に含まれる微粒子と同
種のまたは別種の微粒子をさらに添加することもでき
る。これにより、擬似粒子化に作用する微粒子量を増加
させることができる。
【0045】なお、上記またはに示すように上記製
鉄用原料に微粒子を添加するに際し、微粒子を多く含む
製鉄用原料を添加したり、上記に示すように微粒子を
多く含む製鉄用原料を配合することで、造粒処理用最終
組成物中、さらには微粒子分散水中に微粒子を多量に存
在させることもできるが、上記平均粒径を有する、上記
製鉄用原料中に含まれる微粒子と同種のまたは別種の微
粒子を上記製鉄用原料とは別に上記製鉄用原料にさらに
添加する方が、上記造粒処理用最終組成物中の微粒子量
の調整が容易であることに加えて、より効果の高い種類
の粒子、より効果の高い粒度分布の粒子を選択的にコン
トロールすることができることから好ましい。
【0046】別途添加する微粒子としては、鉄鉱石の微
粒子やカオリンクレー、石灰石(炭酸カルシウム)の微
粒子、各種ダスト等、製鉄用原料に含まれている微粒子
と同種の微粒子でもよいが、コロイダルシリカ、フライ
アッシュ、シリカヒューム、無水石膏等、製鉄用原料に
含まれている微粒子とは異なる微粒子でもよい。
【0047】別途添加する微粒子としては、上記した平
均粒径を有する微粒子であれば特に限定されるものでは
ないが、鉄鉱石、鉄鋼用副原料、石灰石(炭酸カルシウ
ム)、カオリンクレー、ベントナイト、製鉄所内で発生
するダスト、シリカヒューム、フライアッシュ、無水石
膏、コロイダルシリカ等の無機物の微粒子が、焼結時並
びに焼結後の強度が向上するため好ましく、そのなかで
も、炭酸カルシウム、カオリンクレー、コロイダルシリ
カが、焼結機の生産性がさらに向上するので特に好まし
い。
【0048】すなわち、上記造粒処理用最終組成物に含
まれる微粒子としては、配合原料(製鉄用原料) に混入
されている微粒子の他に、後から別途添加する微粒子が
含まれ、これら微粒子としては上記した種々の微粒子が
挙げられるが、該微粒子としては、上記鉄鉱石、鉄鋼用
副原料、石灰石(炭酸カルシウム)、カオリンクレー、
ベントナイト、上記製鉄用原料のダスト、シリカヒュー
ム、フライアッシュ、無水石膏、コロイダルシリカから
なる群より選ばれる少なくとも1種であることが好まし
い。
【0049】また、上記微粒子の平均粒径は、200μ
m以下の範囲内であればよいが、造粒性の向上効果に優
れていることから、より好ましくは0.01μm以上、
150μm以下の範囲内であり、さらに好ましくは、
0.02μm以上、100μm以下の範囲内である。上
記平均粒径が0.01μm未満であれば、微粒子が凝集
し易い傾向にある。一方、上記平均粒径が200μmを
越えると、バインダーとしての能力が低下する傾向にあ
り、高い擬似粒化性を得ることができないため好ましく
ない。上記微粒子が凝集し難く、分散安定性が良い場
合、粒径は小さいほど造粒性がよい。しかしながら、製
鉄用原料によって分散安定化に適した粒径は異なるた
め、上記微粒子の平均粒径は、用いる製鉄用原料の種類
によって、上記した範囲内において適宜設定することが
好ましい。
【0050】また、上記製鉄用原料組成物、さらには造
粒処理用最終組成物中における上記微粒子の鉄鉱石に対
する添加量(比率)は、0.01重量%以上、30重量
%の範囲内であることが好ましく、0.1重量%以上、
20重量%の範囲内であることがより好ましい。上記添
加量が0.01重量%未満である場合は、焼結ベット中
での擬似粒子の崩壊を防止する効果が得られ難く、擬似
粒子化の促進効果も小さく、微粉はあまり減少しない。
また、30重量%よりも多い場合は、多量のスラグ等の
廃棄物が増えたり、微粒子分が逆に増加し、通気性が低
下するため、焼結機の生産性が低下する虞れがある。
【0051】また、上記およびの方法において用い
られる上記分散剤としては、上記の微粒子を水に分散す
る能力を有するものであれば、無機化合物、有機化合
物、低分子化合物あるいは高分子化合物に限らず、特に
限定されるものではない。上記分散剤としては、例え
ば、酸基および/またはその塩を有する高分子化合物が
好適に用いられる。
【0052】より具体的には、上記分散剤としては、例
えば、リン酸三ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウ
ム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウ
ム等の無機の分散剤;ナトリウムドデシルサルフェー
ト、カリウムドデシルサルフェート、アンモニウムアル
キルサルフェート等のアルキルサルフェート塩;ナトリ
ウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート;ナ
トリウムスルホリシノエート;スルホン化パラフィン
塩、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、アルカ
リフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サルフ
ェート、等のアルキルスルホネート;長鎖アルキルナフ
タレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸とホルムア
ルデヒドとの縮合物;ラウリル酸ナトリウム、オレイン
酸トリエタノールアミン、アビエチン酸トリエタノール
アミン等の不飽和脂肪酸塩;ポリオキシアルキルエーテ
ル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンカルボン酸エス
テル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンフェニルエー
テル硫酸エステル塩;コハク酸ジアルキルエステルスル
ホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフ
ェート塩等の、不飽和基を有する反応性アニオン乳化
剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテル;ソルビタン脂肪族
エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステ
ル;グリセリンのモノラウレート等の、脂肪族モノグリ
セライド;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン
共重合体;エチレンオキシドと、脂肪族アミン、アミド
または酸との縮合物;ヒドロキシエチルセルロース、メ
チルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニル
アルコールおよびその変性物、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート系水溶性高分子、ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート系水溶性高分子、ポリビニルピロ
リドン等の水溶性ノニオン系高分子化合物;カルボキシ
エチルセルロース、リグニンスルホン酸ナトリウム等酸
基またはその塩を有する半合成高分子化合物;β−ナフ
タレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、メラミンスルホ
ン酸塩ホルマリン縮合物、芳香族アミノスルホン酸ポリ
マー等酸基またはその塩を有する縮合系高分子化合物;
等が挙げられる。
【0053】また、上記分散剤としては、その他の酸基
またはその塩を含有する高分子化合物が挙げられる。具
体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、
無水マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸等のカルボキ
シル基含有単量体;ビニルスルホン酸、スチレンスルホ
ン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート等のスルホ基
含有単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルア
シッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ
プロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロ
イルオキシ−3−クロロプロピルアシッドホスフェー
ト、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルホ
スフェート等の酸性リン酸エステル基含有単量体;ビニ
ルフェノール等の石炭酸系単量体;等の酸基含有単量
体、およびその塩からなる群より選ばれる少なくとも一
種の単量体を重合成分(単量体成分)の一つとして重合
(共重合)させることにより、酸基またはその塩が導入
された高分子化合物が挙げられる。
【0054】また、上記単量体として酸基含有単量体の
塩を使用する場合、その中和塩基としては、特に限定さ
れるものではないが、カリウムイオン、ナトリウムイオ
ン等のアルカリ金属イオン;カルシウムイオン等のアル
カリ土類金属イオン;アンモニウム、1級〜4級アミン
等の窒素含有塩基;等が挙げられる。
【0055】上記例示の単量体由来の酸基は、一種類の
みが含まれていてもよく、また、二種類以上が含まれて
いてもよい。これら単量体由来の酸基のうち、カルボキ
シル基および/またはその塩が好ましく、(メタ)アク
リル酸、マレイン酸、およびそれらの塩からなる群より
選ばれる少なくとも一種の単量体を重合成分の一つとし
て重合(共重合)させることによって導入されるものが
さらに好ましい。
【0056】また、上記の酸基含有単量体にポリアルキ
レングリコール鎖を含有する単量体を重合成分の一つと
して共重合させてもよい。ポリアルキレングリコール鎖
を含有する単量体としては、具体的には、例えば、ポリ
エチレングリコールモノメタアクリル酸エステル、メト
キシポリエチレングリコールモノメタクリル酸エステ
ル、メトキシポリエチレングリコールモノアクリル酸エ
ステル等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリル
酸エステル;3−メチル−3−ブテン−1−オールにエ
チレンオキサイドを付加してなるポリアルキレングリコ
ールモノアルケニルエーテル単量体;アリルアルコール
にエチレンオキサイドを付加してなるポリエチレングリ
コールモノエテニルエーテル単量体;無水マレイン酸に
ポリエチレングリコールを付加させたマレイン酸ポリエ
チレングリコールハーフエステル;等を挙げることがで
きるが、特に限定されるものではない。これらポリアル
キレングリコール鎖含有単量体は、一種類または二種類
以上使用することができる。
【0057】上記ポリアルキレングリコール鎖含有単量
体のなかでも、エチレンオキサイド換算で5mol以
上、100mol以下、好適には10mol以上、10
0mol以下の鎖長のポリアルキレングリコール鎖を含
有する単量体が、入手が容易であり、また、擬似粒化性
の向上させる上で好ましく、また、重合性の面から良好
である。
【0058】また、必要に応じて、上記単量体に、さら
に、共重合可能なその他の単量体を共重合させてもよ
い。すなわち、上記分散剤として用いられる高分子化合
物は、上記酸基およびポリアルキレングリコール鎖を構
成する上記の単量体の他に、必要に応じて、上記の単量
体と共重合可能な他の単量体(以下、共重合性単量体と
記す)に由来する構造単位を含んでいてもよい。該共重
合性単量体としては、具体的には、例えば、(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸ブチル等の、(メタ)アクリル酸と炭素数1
〜18の一価アルコールとのエステル化物である(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸シクロアルキ
ルエステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリル酸とポリプロピレングリコールとのモ
ノエステル化物、等のヒドロキシル基含有(メタ)アク
リル酸エステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチ
ルスチレン、エチルビニルベンゼン、クロロメチルスチ
レン、等のスチレンおよびその誘導体;(メタ)アクリ
ルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エ
チル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メ
タ)アクリルアミド、等の(メタ)アクリルアミドおよ
びその誘導体;酢酸ビニル;(メタ)アクリロニトリ
ル;N−ビニル−2−ピロリドン;ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)
アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール
等の塩基含有単量体;N−メチロール(メタ)アクリル
アミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等
の、架橋性を有する(メタ)アクリルアミド系単量体;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、
アリルトリエトキシシラン等の、加水分解性を有する基
がケイ素原子に直結しているシラン系単量体;グリシジ
ル(メタ)アクリレート、グリシジルエーテル(メタ)
アクリレート等のエポキシ基含有単量体;2−イソプロ
ペニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾ
リン等のオキサゾリン基含有単量体;2−アジリジニル
エチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルア
ジリジン等のアジリジン基含有単量体;フッ化ビニル、
フッ化ビニリデン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハ
ロゲン基含有単量体;(メタ)アクリル酸と、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル等の多価アルコールとのエステル化物等の、分子内に
不飽和基を複数有する多官能(メタ)アクリル酸エステ
ル;メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の、分子内
に不飽和基を複数有する多官能(メタ)アクリルアミ
ド;ジアリルフタレート、ジアリルマレエート、ジアリ
ルフマレート等の、分子内に不飽和基を複数有する多官
能アリル化合物;アリル(メタ)アクリレート;ジビニ
ルベンゼン;等が挙げられるが、特に限定されるもので
はない。これら単量体は、必要に応じて、一種類を用い
てもよく、また、二種類以上を用いてもよい。
【0059】さらに、これら単量体の他に、分子量の調
節を目的として、連鎖移動剤を用いることもできる。該
連鎖移動剤としては、具体的には、例えば、メルカプト
エタノール、メルカプトプロピオン酸、t−ドデシルメ
ルカプタン等のメルカプト基含有化合物;四塩化炭素;
イソプロピルアルコール;トルエン;等の連鎖移動係数
の高い化合物が挙げられる。これら連鎖移動剤もまた、
必要に応じて、一種類を用いてもよく、また、二種類以
上を用いてもよい。これら連鎖移動剤の使用量は特に限
定されないが、前記単量体、すなわち、酸基含有単量体
および該酸基含有単量体と共重合可能な単量体1mol
に対し、0.005〜0.15molの範囲内が適当で
ある。
【0060】上記酸基またはその塩を有する高分子化合
物に占める酸基の割合は、特に限定されるものではない
が、下限値が好ましくは5モル%以上であり、さらに好
ましくは10モル%以上である。
【0061】酸基またはその塩を有する高分子化合物の
製造方法、つまり、上記単量体成分の重合方法は、特に
限定されるものではなく、従来公知の種々の重合法、例
えば、水中油型乳化重合法、油中水型乳化重合法、懸濁
重合法、分散重合法、沈澱重合法、溶液重合法、水溶液
重合法、塊状重合法等を採用することができる。上記例
示の重合方法のなかでも、重合コスト(生産コスト)の
低減並びに安全性等の観点から、水溶液重合法が好まし
い。
【0062】上記の重合法に用いられる重合開始剤は、
熱または酸化還元反応によって分解し、ラジカル分子を
発生させる化合物であればよい。また、水溶液重合法を
採用する場合においては、水溶性を備えた重合開始剤が
好ましい。該重合開始剤としては、具体的には、例え
ば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウム等の過硫酸塩類;2,2’−アゾビス−(2−ア
ミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス−(4
−シアノペンタン酸)等の水溶性アゾ化合物;過酸化水
素等の熱分解性開始剤;過酸化水素およびアスコルビン
酸、t−ブチルハイドロパーオキサイドおよびロンガリ
ット、過硫酸カリウムおよび金属塩、過硫酸アンモニウ
ムおよび亜硫酸水素ナトリウム、等の組み合わせからな
るレドックス系重合開始剤;等が挙げられるが、特に限
定されるものではない。これら重合開始剤は、一種類の
みを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよ
い。尚、重合開始剤の使用量は、単量体成分の組成や重
合条件等に応じて適宜設定すればよい。
【0063】反応温度や反応時間等の重合条件は、単量
体成分、つまり単量体組成物の組成や、重合開始剤の種
類等に応じて適宜設定すればよいが、反応温度は0〜1
00℃の範囲内であることがより好ましく、40〜95
℃の範囲内であることがさらに好ましい。また、反応時
間は3〜15時間程度が好適である。水溶液重合法を採
用する場合における単量体成分の反応系への供給方法と
しては、例えば、一括添加法、分割添加法、成分滴下
法、パワーフィード法、多段滴下法等を行うことができ
るが、特に限定されるものではない。
【0064】酸基またはその塩を有する上記高分子化合
物の重量平均分子量は、1000以上、50万以下であ
ることが好ましい。上限値(重量平均分子量)は、10
万であることがより好ましい。上記重量平均分子量が、
1000未満の場合、擬似粒化性が低下する傾向にあ
り、50万を超える場合、粘度が高くなりすぎ、高分子
化合物が鉄鉱石に充分に廻らなくなり、擬似粒化性が低
下するおそれがある。
【0065】これら分散剤は、一種類のみを用いてもよ
く、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。これら分
散剤の中でも、酸基またはその塩を有する高分子化合物
が、前述の微粒子の分散力が高く良好である。その中で
も、重量平均分子量が1000以上、10万以下のポリ
アクリル酸ナトリウムまたはポリアクリル酸アンモニウ
ムが微粒子の分散性が高く、価格的にも安価なため、最
も好適に使用できる。
【0066】本発明において、分散剤の使用量は、用い
る分散剤の種類並びに使用する製鉄用原料の種類や組み
合わせに応じて、前記した分散微粒子量が得られるよう
に適宜設定すればよく、特に限定されるものではない
が、製鉄用原料に対し、0.001重量%以上、1重量
%以下の範囲内が好ましく、0.005重量%以上、
0.5重量%以下の範囲内がより好ましい。上記分散剤
の使用量が0.001重量%よりも少ない場合は分散剤
の効果が出ず、擬似粒化性が向上しない。また、分散剤
を1重量%以上使用すると、全体がべとべとした状態に
なり、結果的に造粒がうまく行かないことがあるため好
ましくない。
【0067】よって、粉鉄鉱石を含む製鉄用原料組成物
(製鉄用配合原料)に微粒子として平均粒径が200μ
m以下のカオリンクレーか炭酸カルシウムを添加し、さ
らに重量平均分子量が1000以上、10万以下のポリ
アクリル酸ナトリウムを分散剤として添加したものが、
造粒効果が高く好ましい。
【0068】上記の説明においては、微粒子の分散に、
微粒子を造粒用の水の中に一定量以上、安定して分散さ
せるために分散剤を用いる方法について説明した。しか
しながら、微粒子として、分散剤を用いなくても前記分
散性試験で20重量%以上、水に分散する、自己分散型
の微粒子を上記製鉄用原料に添加する場合は、分散剤を
添加しなくても分散微粒子量を増加させることができ、
擬似粒化性が向上させることができる。このため、上記
製鉄用原料に微粒子を添加するに際し、該微粒子として
自己分散型の微粒子を用いることは、前記に示したよ
うに、分散剤を必ずしも使用しなくてもよいので好まし
い。
【0069】上記自己分散型の微粒子としては、具体的
には、例えば、コロイダルシリカ、ソープフリーエマル
ション等が挙げられるが、特に限定されるものではな
い。これら自己分散性を有する微粒子は、一種類のみを
添加してもよく、二種類以上を併用してもよい。
【0070】上記〜の方法において、上記した各微
粒子や分散剤を配合原料(製鉄用原料)に添加する方法
は、特に限定するものではないが、微粒子の添加方法と
しては、例えば、配合原料に予め配合しておく方法;ミ
キサー等による原料混合時に添加する方法;添加水を散
布し、造粒を行っているときに添加する方法;添加水に
分散させて散布する方法等が挙げられる。
【0071】また、分散剤の添加方法としては、例え
ば、原料混合前、または原料混合後に散布する方法;原
料混合時に散布する方法;造粒時に添加水と別系列で散
布する方法;添加水に混合して散布する方法;等が挙げ
られる。また、この他にも、微粒子と分散剤とを併用す
る場合には、分散剤を使用して微粒子を添加水に分散し
たものを散布し、造粒する方法等が挙げられる。
【0072】さらに、上記配合原料(製鉄用原料)に
は、鉄鉱石の微粒子を含む製鉄用原料の造粒に用いた場
合における擬似粒化性の向上効果を阻害しない範囲内
で、あるいはさらに擬似粒化性を向上するために、必要
に応じて、他の成分、例えば生石灰、増粘剤等の従来公
知の他の造粒添加剤等を添加してもよい。すなわち、上
記〜の方法においては、上記した各微粒子や分散剤
に、必要に応じて、他の成分、例えば生石灰、増粘剤等
の従来公知の他の造粒添加剤等を併用してもよい。
【0073】本発明にかかる造粒処理方法は、以上のよ
うに、微粒子および分散剤を製鉄用原料に添加するか、
造粒用の組成物の組成を調整することにより、分散微粒
子量を増加させ、擬似粒化性を向上させる方法であり、
これにより、微粉の鉄鉱石を含む製鉄用原料(焼結原料
またはペレット原料)を造粒処理(擬似粒化またはペレ
ット化)するのに好適な造粒処理方法を提供することが
できる。
【0074】上記の方法によれば、製鉄用原料の水分を
調節して造粒処理し、擬似粒化またはペレット化するに
際し、造粒用の水の中、例えば添加水中に、微粒子を一
定量以上、安定して分散せしめることができ、擬似粒化
性を著しく向上させ、擬似粒子の強度を上げ、焼結時の
通気性を向上させ、焼結機の生産性(生産率)を向上さ
せることができる。
【0075】また、本発明によれば、造粒後の鉄鉱石
(擬似粒子)のGI指数が76%以上、好適には84%
以上という、非常に高いGI指数を得ることができる。
なお、造粒された擬似粒子のGI指数とは、核粒子の周
りに付着する微粉粒子の割合を示す値であり、この値が
大きいものほど造粒性が良好で、焼結ベッドの通気性が
向上し、焼結機の生産効率が高くなる。
【0076】また、本発明によれば、副原料や燃料等を
含む製鉄用原料の各銘柄の粒度分布、造粒性、組成等に
応じて、製鉄用原料の一部を混合・混練・造粒した後、
これを残りの製鉄用原料に混合して造粒する処理方法に
ついても、本発明にかかる造粒処理方法を用いて、上記
した平均粒径を有する微粒子および分散剤を上記製鉄用
原料に添加することにより、擬似粒化することができ
る。例えば、製鉄用原料の一部が難造粒性を示す場合に
は、この難造粒性の製鉄用原料に上記した平均粒径を有
する微粒子および分散剤を添加することにより、擬似粒
化性を向上させることができる。
【0077】本発明によれば、製鉄用原料や造粒機、各
成分、つまり、例えば上記した平均粒径を有する微粒子
および分散剤を添加するタイミングや場所等の組み合わ
せを自由に選択することができ、従ってその組み合わせ
は、特に限定されるものではない。つまり、複数の処理
工程を有し、各処理方法と、上記した平均粒径を有する
微粒子および分散剤の各添加方法を組み合わせる造粒処
理方法についても、本発明にかかる造粒処理方法を適用
して上記上記した平均粒径を有する微粒子および分散剤
を製鉄用原料に添加することにより、擬似粒化すること
ができる。勿論、公知の擬似粒化方法(手段)に対して
も有効である。
【0078】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。実施例および比較例における擬
似粒子の平均粒径およびGI指数、製鉄用原料に対する
微粒子量、焼結鉱強度、生産率、成品歩留は、下記方法
により測定した。尚、実施例および比較例に記載の
「部」は「重量部」を示し、「%」は「重量%」を示
す。
【0079】(擬似粒子の平均粒径、GI指数)造粒操
作を行って得られた擬似粒子を80℃で1時間乾燥後、
ふるいを用いて分級することにより、その粒度(擬似粒
度)並びに平均粒径を求めた。造粒された擬似粒子のG
I指数とは、製鉄研究第288号(1976)9頁に開
示されている評価方法の一つであり、核粒子の周りに付
着する微粉粒子の割合を示す。なお、GI指数の測定
は、製鉄研究第288号(1976)9頁に記載の方法
に準じて行った。以下の各実施例および比較例の測定に
おいては、何れも、造粒後の粒径が0.25mm以下の
擬似粒子のGI指数を求めた。
【0080】また、0.25mm以下の擬似粒子のGI
指数(擬似粒化指数)は以下の式により計算した。 GI指数=(造粒前の0.25mm以下の原料の比率−
造粒後の0.25mm以下の原料の比率)/(造粒前の
0.25mm以下の原料の比率)×100 以下に記載の実施例および比較例における焼結原料並び
にペレット原料は、全て、絶乾状態のものを使用した。
また、ポリマー水溶液中のポリマーの重量平均分子量測
定には、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー)によるポリエチレングリコール換算を用いた。
【0081】(成品歩留、焼結鉱強度、生産率)成品歩
留は、焼結鍋試験において、焼結後の焼結鉱(シンター
ケーキ)50kgを2mの高さから鉄板上に5回落下さ
せたときの、粒径5mm以上の粒度を有する粒子の割合
を測定することにより評価した。
【0082】焼結鉱強度は、以下の強度測定方法(S
I:シャッターインデックス)により測定した。焼結鉱
強度は、上記成品歩留評価後の焼結鉱(粒径5mm以上
の粒子)を粒度分布が変わらないように10kg採取
し、2mの高さからさらに4回鉄板上に落下させたとき
の、粒径5〜10mmの粒度を有する粒子の割合を測定
することにより評価した。
【0083】生産率は、以下の式 生産率(t/day/m2)=成品歩留評価後の粒径5
mm以上の粒度を有する粒子の総重量(t)/焼結時間
(day)/焼結機(鍋)の表面積(m2) により算出した。
【0084】〔実施例1〕表1に示す組成を有する焼結
原料(製鉄用原料)を調製した。
【0085】
【表1】
【0086】上記の焼結原料70000部に微粒子とし
て平均粒径2μmの重質炭酸カルシウム1400部を加
え、ドラムミキサーに投入し、回転速度24min-1
1分間、予備撹拌することにより、上記焼結原料を含む
造粒処理用の組成物を得た。その後、該組成物を同回転
速度で撹拌しながら、該組成物(焼結原料)に、分散剤
として、予め不揮発分0.4%に調製した重量平均分子
量6000のポリアクリル酸ナトリウム水溶液5250
部を霧吹きを用いて約1.5分間かけて噴霧(添加)し
た。焼結原料に対するポリアクリル酸ナトリウムの割合
は0.03%であった。噴霧後、分散剤が添加された上
記の組成物(造粒処理用最終組成物)をさらに同回転速
度で3分間撹拌することにより、造粒処理(擬似粒化)
を行った。上記微粒子および分散剤の配合条件を表2に
示す。
【0087】また、得られた擬似粒子に含まれる水分を
測定すると共に、該擬似粒子を乾燥後、ふるいを用いて
分級することにより、擬似粒子の平均粒径およびGI指
数を求めた。また、前記分散性試験により分散微粒子量
を求めた。これらの結果をまとめて表3に示す。
【0088】〔実施例2〕実施例1において、平均粒径
2μmの重質炭酸カルシウムに代えて、微粒子として平
均粒径0.15μmの軽質炭酸カルシウム1400部を
用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って造粒処理
を行った。用いた微粒子および分散剤の配合条件を表2
に示す。
【0089】得られた擬似粒子に含まれる水分を測定す
ると共に、該擬似粒子を乾燥後、ふるいを用いて分級す
ることにより、擬似粒子の平均粒径およびGI指数を求
めた。また、前記分散性試験により分散微粒子量を求め
た。これらの結果をまとめて表3に示す。
【0090】〔実施例3〕実施例1において、平均粒径
2μmの重質炭酸カルシウムに代えて、微粒子として平
均粒径20μmの重質炭酸カルシウム1400部を用い
た以外は、実施例1と同様の操作を行って造粒処理を行
った。用いた微粒子および分散剤の配合条件を表2に示
す。
【0091】得られた擬似粒子に含まれる水分を測定す
ると共に、該擬似粒子を乾燥後、ふるいを用いて分級す
ることにより、擬似粒子の平均粒径およびGI指数を求
めた。また、前記分散性試験により分散微粒子量を求め
た。これらの結果をまとめて表3に示す。
【0092】〔実施例4〕実施例1において、平均粒径
2μmの重質炭酸カルシウムに代えて、微粒子として平
均粒径3μmの軽質炭酸カルシウム350部を用いた以
外は、実施例1と同様の操作を行って造粒処理を行っ
た。用いた微粒子および分散剤の配合条件を表2に示
す。
【0093】得られた擬似粒子に含まれる水分を測定す
ると共に、該擬似粒子を乾燥後、ふるいを用いて分級す
ることにより、擬似粒子の平均粒径およびGI指数を求
めた。また、前記分散性試験により分散微粒子量を求め
た。これらの結果をまとめて表3に示す。
【0094】〔実施例5〕実施例1において、平均粒径
2μmの重質炭酸カルシウムに代えて、微粒子として平
均粒径2μmの「JIS試験用粉体I 11種」(商品
名;関東ローム粉、超微粉、日本粉体工業技術協会販
売)1400部を用いた以外は、実施例1と同様の操作
を行って造粒処理を行った。用いた微粒子および分散剤
の配合条件を表2に示す。
【0095】得られた擬似粒子に含まれる水分を測定す
ると共に、該擬似粒子を乾燥後、ふるいを用いて分級す
ることにより、擬似粒子の平均粒径およびGI指数を求
めた。また、前記分散性試験により分散微粒子量を求め
た。これらの結果をまとめて表3に示す。
【0096】〔実施例6〕実施例1において、平均粒径
2μmの重質炭酸カルシウムに代えて、微粒子として平
均粒子径200μmの転炉湿ダスト1400部を用いた
以外は、実施例1と同様の操作を行って造粒処理を行っ
た。用いた微粒子および分散剤の配合条件を表2に示
す。
【0097】得られた擬似粒子に含まれる水分を測定す
ると共に、該擬似粒子を乾燥後、ふるいを用いて分級す
ることにより、擬似粒子の平均粒径およびGI指数を求
めた。また、前記分散性試験により分散微粒子量を求め
た。これらの結果をまとめて表3に示す。
【0098】〔実施例7〕実施例1において、平均粒径
2μmの重質炭酸カルシウムに代えて、微粒子として平
均粒子径1.5μmのカオリンクレー(商品名「KAO
FINE」、Thiele Kaolin Company 製)1400部を
用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って造粒処理
を行った。用いた微粒子および分散剤の配合条件を表2
に示す。
【0099】得られた擬似粒子に含まれる水分を測定す
ると共に、該擬似粒子を乾燥後、ふるいを用いて分級す
ることにより、擬似粒子の平均粒径およびGI指数を求
めた。また、前記分散性試験により分散微粒子量を求め
た。これらの結果をまとめて表3に示す。
【0100】〔実施例8〕実施例1において、平均粒径
2μmの重質炭酸カルシウムに代えて、微粒子として平
均粒子径2μmのベントナイト(商品名「クニゲルV
1」、クニミネ工業株式会社製)1400部を用いた以
外は、実施例1と同様の操作を行って造粒処理を行っ
た。用いた微粒子および分散剤の配合条件を表2に示
す。
【0101】得られた擬似粒子に含まれる水分を測定す
ると共に、該擬似粒子を乾燥後、ふるいを用いて分級す
ることにより、擬似粒子の平均粒径およびGI指数を求
めた。また、前記分散性試験により分散微粒子量を求め
た。これらの結果をまとめて表3に示す。
【0102】〔実施例9〕実施例1において、平均粒径
2μmの重質炭酸カルシウムに代えて、微粒子として平
均粒子径92μmに分級した鉄鉱石(カラジャス)14
00部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って
造粒処理を行った。用いた微粒子および分散剤の配合条
件を表2に示す。
【0103】得られた擬似粒子に含まれる水分を測定す
ると共に、該擬似粒子を乾燥後、ふるいを用いて分級す
ることにより、擬似粒子の平均粒径およびGI指数を求
めた。また、前記分散性試験により分散微粒子量を求め
た。これらの結果をまとめて表3に示す。
【0104】〔実施例10〕温度計、撹拌機、滴下ロー
ト、窒素導入管および還流冷却器を備えたガラス製の反
応容器に、イオン交換水1291部と、3−メチル−3
−ブテン−1−オールにエチレンオキサイドを平均50
モル付加してなるポリアルキレングリコールモノアルケ
ニルエーテル単量体1812部(ポリアルキレングリコ
ール鎖含有単量体)と、無水マレイン酸188部(酸基
含有単量体)とを仕込み、反応溶液とした。次いで、こ
の反応溶液を60℃に昇温した。
【0105】続いて、この反応溶液に、重合開始剤とし
ての、「NC−32W」(商品名;日宝化学社製、2,
2’−アゾビス−2メチルプロピオンアミジン塩酸塩の
87%濃度品)の15%水溶液50部を加えて7時間攪
拌し、さらに温度を80℃まで上昇した後、1時間攪拌
して重合反応を完結させた。その後、この反応溶液を3
0%水酸化ナトリウム水溶液で中和して、重量平均分子
量が26200、不揮発分の濃度が55.1%であるポ
リマー水溶液(a)を得た。
【0106】次いで、この得られたポリマー水溶液
(a)66.5部に、水5433.5部を添加してよく
撹拌し、分散剤としてのポリマー水溶液(1)5500
部を得た。
【0107】表1の焼結原料70000部に微粒子とし
て平均粒径2μmの重質炭酸カルシウム1400部を加
え、ドラムミキサーに投入し、回転速度24min-1
1分間、予備撹拌することにより、上記焼結原料を含む
造粒処理用の組成物を得た。その後、該組成物を同回転
速度で撹拌しながら、該組成物(焼結原料)に、上記ポ
リマー水溶液(1)5250部を霧吹きを用いて約1.
5分間かけて噴霧(添加)した。焼結原料に対する上記
ポリマー水溶液(1)の固形分、すなわち、ポリマーの
割合は0.05%であった。噴霧後、分散剤が添加され
た上記の組成物(造粒処理用最終組成物)をさらに同回
転速度で3分間撹拌することにより、造粒処理を行っ
た。用いた微粒子および分散剤の配合条件を表2に示
す。
【0108】得られた擬似粒子に含まれる水分を測定す
ると共に、該擬似粒子を乾燥後、ふるいを用いて分級す
ることにより、擬似粒子の平均粒径およびGI指数を求
めた。また、前記分散性試験により分散微粒子量を求め
た。これらの結果をまとめて表3に示す。
【0109】〔実施例11〕温度計、撹拌機、滴下ロー
ト、窒素導入管および還流冷却器を備えたガラス製の反
応容器に、イオン交換水1510部を仕込み、65℃に
昇温した。
【0110】続いて、上記反応容器中に、重合開始剤と
しての30%過酸化水素水溶液31.7部を投入した。
その後、上記反応容器中に、酸基含有単量体としてのア
クリル酸791.7部、共重合性単量体としてのアクリ
ル酸メチル258.3部、イオン交換水15部を予め混
合してなる混合物を3時間かけて攪拌しながら滴下し
た。また、これと平行して、重合開始剤としてのL−ア
スコルビン酸12.3部、連鎖移動剤としてのメルカプ
トプロピオン酸37.1部、イオン交換水200.6部
を予め混合してなる混合物を3時間30分かけて滴下し
た。さらに上記反応容器中の反応液を65℃で、1時間
攪拌して重合反応を完結させた。
【0111】その後、この反応溶液を30%水酸化ナト
リウム水溶液で中和して、重量平均分子量が3260
0、不揮発分の濃度が31.3%であるポリマー水溶液
(b)を得た。
【0112】次いで、この得られたポリマー水溶液
(b)117.1部に、水5460部を添加してよく撹
拌し、分散剤としてのポリマー水溶液(2)5500部
を得た。
【0113】表1の焼結原料70000部に微粒子とし
て平均粒径2μmの重質炭酸カルシウム1400部を加
え、ドラムミキサーに投入し、回転速度24min-1
1分間、予備撹拌することにより上記焼結原料を含む造
粒処理用の組成物を得た。その後、該組成物を同回転速
度で撹拌しながら、該組成物(焼結原料)に、上記ポリ
マー水溶液(2)5250部を霧吹きを用いて約1.5
分間かけて噴霧(添加)した。焼結原料に対する上記ポ
リマー水溶液(2)の固形分、すなわち、ポリマーの割
合は0.05%であった。噴霧後、分散剤が添加された
上記の組成物(造粒処理用最終組成物)をさらに同回転
速度で3分間撹拌することにより、造粒処理を行った。
用いた微粒子および分散剤の配合条件を表2に示す。
【0114】得られた擬似粒子に含まれる水分を測定す
ると共に、該擬似粒子を乾燥後、ふるいを用いて分級す
ることにより、擬似粒子の平均粒径およびGI指数を求
めた。また、前記分散性試験により分散微粒子量を求め
た。これらの結果をまとめて表3に示す。
【0115】〔実施例12〕表1の焼結原料70000
部に微粒子として平均粒径3μmの軽質炭酸カルシウム
1400部を加え、ドラムミキサーに投入し、回転速度
24min-1で1分間、予備撹拌することにより上記焼
結原料を含む造粒処理用の組成物を得た。その後、該組
成物を同回転速度で撹拌しながら、該組成物(焼結原
料)に、分散剤として1.3%リグニンスルホン酸ナト
リウム水溶液5250部を霧吹きを用いて約1.5分間
かけて噴霧(添加)した。焼結原料に対するリグニンス
ルホン酸ナトリウムの割合は0.1%であった。噴霧
後、分散剤が添加された上記の組成物(造粒処理用最終
組成物)をさらに同回転速度で3分間撹拌することによ
り、造粒処理を行った。用いた微粒子および分散剤の配
合条件を表2に示す。
【0116】得られた擬似粒子に含まれる水分を測定す
ると共に、該擬似粒子を乾燥後、ふるいを用いて分級す
ることにより、擬似粒子の平均粒径およびGI指数を求
めた。また、前記分散性試験により分散微粒子量を求め
た。これらの結果をまとめて表3に示す。
【0117】〔実施例13〕実施例12において、1.
3%リグニンスルホン酸ナトリウム水溶液5250部に
代えて、分散剤として1.3%トリポリリン酸3ナトリ
ウム5250部を用いた以外は、実施例12と同様の操
作を行って造粒処理を行った。用いた微粒子および分散
剤の配合条件を表2に示す。
【0118】得られた擬似粒子に含まれる水分を測定す
ると共に、該擬似粒子を乾燥後、ふるいを用いて分級す
ることにより、擬似粒子の平均粒径およびGI指数を求
めた。また、前記分散性試験により分散微粒子量を求め
た。これらの結果をまとめて表3に示す。
【0119】〔実施例14〕実施例1において、重質炭
酸カルシウムを添加しない以外は実施例1と同様の操作
を行って造粒処理を行った。用いた分散剤の配合条件を
表2に示す。
【0120】得られた擬似粒子に含まれる水分を測定す
ると共に、該擬似粒子を乾燥後、ふるいを用いて分級す
ることにより、擬似粒子の平均粒径およびGI指数を求
めた。また、前記分散性試験により分散微粒子量を求め
た。これらの結果をまとめて表3に示す。
【0121】〔実施例15〕実施例1において、ポリア
クリル酸ナトリウム水溶液に代えて、イオン交換水52
50部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って
造粒処理を行った。用いた微粒子の配合条件を表2に示
す。
【0122】得られた擬似粒子に含まれる水分を測定す
ると共に、該擬似粒子を乾燥後、ふるいを用いて分級す
ることにより、擬似粒子の平均粒径およびGI指数を求
めた。また、前記分散性試験により分散微粒子量を求め
た。これらの結果をまとめて表3に示す。
【0123】〔比較例1〕表1に示される焼結原料70
000部をドラムミキサーに投入し、回転速度24mi
-1で1分間、予備撹拌することにより、上記焼結原料
を含む造粒処理用の組成物を得た。その後、該組成物を
同回転速度で撹拌しながら、該組成物(焼結原料)に、
水5250部を霧吹きを用いて約1.5分間かけて噴霧
(添加)した。噴霧後、上記の組成物(造粒処理用最終
組成物)をさらに同回転速度で3分間撹拌することによ
り、造粒処理(擬似粒化)を行った。得られた擬似粒子
に含まれる水分を測定すると共に、該擬似粒子を乾燥
後、ふるいを用いて分級することにより、擬似粒子の平
均粒径およびGI指数を求めた。また、前記分散性試験
により分散微粒子量を求めた。これらの結果をまとめて
表3に示す。
【0124】〔比較例2〕表1に示される焼結原料70
000部をドラムミキサーに投入すると共に、微粒子と
して平均粒径45μmの生石灰840部を添加し、回転
速度24min-1で1分間、予備撹拌することにより上
記焼結原料を含む造粒処理用の組成物を得た。その後、
該組成物を同回転速度で撹拌しながら、該組成物(焼結
原料)に水5600部をスプレーを用いて約1.5分間
かけて噴霧した。噴霧後、さらに同回転速度で3分間撹
拌することにより造粒操作を行った。生石灰の配合条件
を表2に示す。得られた擬似粒子に含まれる水分を測定
すると共に、該擬似粒子を乾燥後、ふるいを用いて分級
することにより、擬似粒子の平均粒径およびGI指数を
求めた。また、前記分散性試験により分散微粒子量を求
めた。これらの結果をまとめて表3に示す。
【0125】〔実施例16〕表1に示される焼結原料7
0000部をドラムミキサーに投入し、回転速度24m
in-1で1分間、予備撹拌することにより、上記焼結原
料を含む造粒処理用の組成物を得た。その後、該組成物
を同回転速度で撹拌しながら、該組成物(焼結原料)
に、自己分散型の微粒子であるコロイダルシリカの「ス
ノーテックスC」(商品名;日産化学製、不揮発分20
%)6300部を霧吹きを用いて約1.5分間かけて噴
霧(添加)した。噴霧後、上記の組成物(造粒処理用最
終組成物)をさらに同回転速度で3分間撹拌することに
より、造粒処理(擬似粒化)を行った。用いた微粒子お
よび分散剤の配合条件を表2に示す。得られた擬似粒子
に含まれる水分を測定すると共に、該擬似粒子を乾燥
後、ふるいを用いて分級することにより、擬似粒子の平
均粒径およびGI指数を求めた。また、前記分散性試験
により分散微粒子量を求めた。これらの結果をまとめて
表3に示す。
【0126】〔実施例17〕表1に示される焼結原料7
0000部をドラムミキサーに投入し、回転速度24m
in-1で1分間、予備撹拌することにより、上記焼結原
料を含む造粒処理用の組成物を得た。その後、該組成物
を同回転速度で撹拌しながら、該組成物(焼結原料)
に、自己分散型の微粒子であるコロイダルシリカの「ス
ノーテックスC」(商品名;日産化学製、不揮発分20
%)6300部と、分散剤としての、固形分45%に調
整した実施例1記載のポリアクリル酸ナトリウム47部
とを予め混合したものを霧吹きを用いて約1.5分間か
けて噴霧(添加)した。噴霧後、上記の組成物(造粒処
理用最終組成物)をさらに同回転速度で3分間撹拌する
ことにより、造粒処理(擬似粒化)を行った。用いた微
粒子および分散剤の配合条件を表2に示す。得られた擬
似粒子に含まれる水分を測定すると共に、該擬似粒子を
乾燥後、ふるいを用いて分級することにより、擬似粒子
の平均粒径およびGI指数を求めた。また、前記分散性
試験により分散微粒子量を求めた。これらの結果をまと
めて表3に示す。
【0127】
【表2】
【0128】
【表3】
【0129】表3に示す結果から、本発明によれば、微
粒子および分散剤の添加により、擬似粒子の平均粒径、
GI指数を大きく増加させることができることが判る。
したがって、本発明にかかる製鉄用原料の造粒処理方法
は、焼結原料を擬似粒化するのに優れた効果を発揮する
ことが判る。
【0130】〔実施例18〕実施例1で得られた擬似粒
子を50kgスケールの鍋試験にて焼結を行い、焼結鉱
を得た。該試験の条件は、焼結鍋は直径300mm、高
さ600mm、層厚550mmとし、吸引負圧を9.8
kPa(一定)とした。得られた焼結鉱の生産率、成品
歩留、焼結鉱強度を測定した。これらの結果をまとめて
表4に示す。
【0131】〔実施例19〕実施例14で得られた擬似
粒子を50kgスケールの鍋試験にて焼結を行い、焼結
鉱を得た。該試験の条件は、焼結鍋は直径300mm、
高さ600mm、層厚550mmとし、吸引負圧を9.
8kPa(一定)とした。得られた焼結鉱の生産率、成
品歩留、焼結鉱強度を測定した。これらの結果をまとめ
て表4に示す。
【0132】〔比較例3〕比較例1で得られた擬似粒子
を50kgスケールの鍋試験にて焼結を行い、焼結鉱を
得た。該試験の条件は、焼結鍋は直径300mm、高さ
600mm、層厚550mmとし、吸引負圧を9.8k
Pa(一定)とした。得られた焼結鉱の生産率、成品歩
留、焼結鉱強度を測定した。これらの結果をまとめて表
4に示す。
【0133】〔比較例4〕比較例2で得られた擬似粒子
を50kgスケールの鍋試験にて焼結を行い、焼結鉱を
得た。該試験の条件は、焼結鍋は直径300mm、高さ
600mm、層厚550mmとし、吸引負圧を9.8k
Pa(一定)とした。得られた焼結機の生産率、成品歩
留、焼結鉱強度を測定した。これらの結果をまとめて表
4に示す。
【0134】
【表4】
【0135】表4に示す結果から、本発明によれば、微
粒子および分散剤の添加により、得られた擬似粒子を焼
結してなる焼結機の生産率、成品歩留、焼結鉱強度を向
上させることができることが判る。焼結鉱強度が弱い焼
結鉱は微粉が発生し易くなるので、返鉱が多くなり成品
歩留が低下し、その生産効率が低下する。しかしなが
ら、上記した結果から、本発明によれば、このような問
題点を解消することができることが判る。
【0136】
【発明の効果】本発明にかかる製鉄用原料の造粒方法
は、以上のように、上記製鉄用原料を含む造粒処理用組
成物を所定の割合で水に分散させたときに、所定時間経
過後、水中に浮遊している微粒子の量が、用いた造粒処
理用組成物の固形分の2重量%以上となるように上記造
粒処理用組成物を配合して該造粒処理用組成物の造粒処
理を行う方法である。
【0137】本発明にかかる製鉄用原料の造粒方法は、
以上のように、上記製鉄用原料を含む造粒処理用組成物
を所定の割合で水に分散させたときに、所定時間経過
後、水中に浮遊している微粒子の量が、用いた造粒処理
用組成物の固形分の2重量%以上となるように上記製鉄
用原料に分散剤を添加して得られた造粒処理用組成物の
造粒処理を行う方法である。
【0138】本発明にかかる製鉄用原料の造粒方法は、
以上のように、上記製鉄用原料を含む造粒処理用組成物
を所定の割合で水に分散させたときに、所定時間経過
後、水中に浮遊している微粒子の量が、用いた造粒処理
用組成物の固形分の2重量%以上となるように上記製鉄
用原料に平均粒径が200μm以下の微粒子を添加して
得られた造粒処理用組成物の造粒処理を行う方法であ
る。
【0139】本発明にかかる製鉄用原料の造粒方法は、
以上のように、上記製鉄用原料を含む造粒処理用組成物
を所定の割合で水に分散させたときに、所定時間経過
後、水中に浮遊している微粒子の量が、用いた造粒処理
用組成物の固形分の2重量%以上となるように上記製鉄
用原料に平均粒径が200μm以下の微粒子と分散剤と
を添加して得られた造粒処理用組成物の造粒処理を行う
方法である。
【0140】本発明にかかる製鉄用原料の造粒方法は、
微粉の鉄鉱石を含む製鉄用原料(焼結原料またはペレッ
ト原料)を造粒処理(擬似粒化またはペレット化)する
際に、微粉粒子を核粒子の周りに付着させる効果に優れ
るため、通気性に良好な擬似粒子の形成を促し、さらに
造粒物の強度を高めるため、焼結ベッド内での擬似粒子
の崩壊を低減することができる。このため、焼結時の焼
結層の通気性を上げることができ、焼結機の生産効率を
向上させることができるという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 克之 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 Fターム(参考) 4K001 AA10 CA18 CA39

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製鉄用原料を造粒処理する方法において、 上記製鉄用原料を含む造粒処理用組成物を所定の割合で
    水に分散させたときに、所定時間経過後、水中に浮遊し
    ている微粒子の量が、用いた造粒処理用組成物の固形分
    の2重量%以上となるように上記造粒処理用組成物を配
    合して該造粒処理用組成物の造粒処理を行うことを特徴
    とする製鉄用原料の造粒処理方法。
  2. 【請求項2】製鉄用原料を造粒処理する方法において、 上記製鉄用原料を含む造粒処理用組成物を所定の割合で
    水に分散させたときに、所定時間経過後、水中に浮遊し
    ている微粒子の量が、用いた造粒処理用組成物の固形分
    の2重量%以上となるように上記製鉄用原料に分散剤を
    添加して得られた造粒処理用組成物の造粒処理を行うこ
    とを特徴とする製鉄用原料の造粒処理方法。
  3. 【請求項3】製鉄用原料を造粒処理する方法において、 上記製鉄用原料を含む造粒処理用組成物を所定の割合で
    水に分散させたときに、所定時間経過後、水中に浮遊し
    ている微粒子の量が、用いた造粒処理用組成物の固形分
    の2重量%以上となるように上記製鉄用原料に平均粒径
    が200μm以下の微粒子を添加して得られた造粒処理
    用組成物の造粒処理を行うことを特徴とする製鉄用原料
    の造粒処理方法。
  4. 【請求項4】製鉄用原料を造粒処理する方法において、 上記製鉄用原料を含む造粒処理用組成物を所定の割合で
    水に分散させたときに、所定時間経過後、水中に浮遊し
    ている微粒子の量が、用いた造粒処理用組成物の固形分
    の2重量%以上となるように上記製鉄用原料に平均粒径
    が200μm以下の微粒子と分散剤とを添加して得られ
    た造粒処理用組成物の造粒処理を行うことを特徴とする
    製鉄用原料の造粒処理方法。
  5. 【請求項5】上記分散剤が酸基および/またはその塩を
    有する高分子化合物であることを特徴とする請求項2ま
    たは4記載の製鉄用原料の造粒処理方法。
  6. 【請求項6】上記微粒子が、鉄鉱石、鉄鋼用副原料、石
    灰石、カオリンクレー、ベントナイト、製鉄所内で発生
    するダスト、フライアッシュ、シリカヒューム、無水石
    膏からなる群より選ばれる少なくとも1種の微粒子であ
    ることを特徴とする請求項3または4記載の製鉄用原料
    の造粒処理方法。
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