JP2003153554A - インバータ装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
とで通電容量を向上させ且つ小型化に寄与し、また高い
信頼性を発揮し得るインバータ装置の提供。 【解決手段】複数のアームを有する3相インバータ主回
路を複数の電力用半導体チップで構成してなるインバー
タ装置において、3相インバータ主回路の1アームを、
サイズが□10mm以下の半導体チップとしてIGBT
191A〜191D及びダイオード201A〜201C
を並列接続して構成すると共に当該IGBT191A〜
191D及びダイオード201A〜201Cは厚みが
1.5mm以上5mm以下の導体22に接合され、この
導体22はセラミックスを含有した絶縁樹脂シート25
を介して冷却器24に接着されてなる。
Description
する3相インバータ主回路を複数の電力用半導体チップ
で構成すると共に駆動回路及び制御回路を有するインバ
ータ装置に係り、特に電気自動用として小型で冷却効率
が良く、信頼性の高いインバータ装置及び製造方法に関
するものである。
化、高信頼性が要求されている。インバータ装置の小型
化、高信頼性を図るためには、冷却効率が良いインバー
タ装置が必要となる。
16〜図18を参照して説明する。図16は従来のイン
バータ装置の平面断面図、図17は同側面断面図、図1
8は同内部部分断面図である。
置は、取付けねじ3によりインバータ装置筐体1の底面
に取付けられ、3相インバータ主回路を構成する半導体
チップを実装してなる電力用半導体素子部2、固定台5
に固定されている電源平滑用コンデンサであるアルミ電
解コンデンサ4、3相出力導体91〜93の電流を検出
する電流検出器101〜102、制御ユニット11によ
り構成されている。
ンサ4は、正極側導体7及び負極側導体8と接続ねじ6
により電気的に接続されている。また、インバータ装置
筐体1の底面には、冷媒14の入口12、出口13及び
流路15が設けられており、入口12から入り流路15
内部を流れる冷媒14により電力用半導体素子部2は冷
却され、該冷媒14は出口13から出る。冷媒14は、
例えば不凍液などである。
すように、放熱用金属板16の上部に絶縁基板17、絶
縁基板17の上部に金属電極18、金属電極18の上部
に、半導体チップであるIGBT191及びダイオード
201が積層され且つ接合され、IGBT191及びダ
イオード201、金属電極18、絶縁基板17が絶縁性
を有する樹脂製パッケージに収納され、さらに放熱用金
属板16と樹脂製パッケージは端部で接着されている。
樹脂製パッケージの内部には、絶縁性のゲルが封入され
ている。
金属板16の裏面に、接触熱抵抗を低減する目的で熱伝
導グリース21が塗布され、流路15が設けられたイン
バータ装置筐体1の底面に、取付けねじ3により取付け
られている。
2においては、半導体チップであるIGBT191及び
ダイオード201が通電されたときに損失が発生する。
IGBT191及びダイオード201の上部には断熱材
である絶縁性のゲルが封入されているので、IGBT1
91及びダイオード201で発生した損失の大部分は、
下部の金属電極18に熱伝導する。金属電極18に熱伝
導した損失は、絶縁基板17を伝わり放熱用金属板16
に熱伝導する。放熱用金属板16は、図17〜図18に
示すように取付けねじ3によりインバータ装置筐体1の
底面に加圧接触され、損失が冷媒14により放熱され
る。
ータ装置では、以下のような問題点がある。
裏面に接触熱抵抗を低減するための熱伝導グリース21
を塗布し、電力用半導体素子部2の周囲にある取付けね
じ3により放熱用金属板16を、流路15が構成されて
いるインバータ装置筐体1の底面に加圧接触させている
ので、加圧力が放熱用金属板16全体に均等にかからな
い。そのため、放熱用金属板16とインバータ装置筐体
1との間の接触熱抵抗は、電力用半導体素子部2の内部
の熱抵抗とほぼ同等と非常に大きくなり冷却効率が悪
い。
え、放熱用金属板16の裏面に塗布される熱伝導グリー
ス21は長期的な劣化も考えられ信頼性が低下する。
量の向上に対応できなく、また、冷却器などが大型化し
インバータ装置も大型化し、さらに、インバータ装置の
長期使用を前提とした信頼性を確保することが難しくな
る、という問題点になる。
る冷却効率を高めることで通電容量を向上させ且つ小型
化に寄与し、また高い信頼性を発揮し得るインバータ装
置及びその製造方法を提供することにある。
めに本発明に係るインバータ装置は、複数のアームを有
する3相インバータ主回路を複数の電力用半導体チップ
で構成してなるインバータ装置において、前記3相イン
バータ主回路の1アームを、サイズが□10mm(□1
0mmは、正方形における一辺の長さが10mmである
ことを示す。)以下の半導体チップを複数個並列接続し
て構成すると共に当該複数の半導体チップは厚みが1.
5mm以上5mm以下の導体に接合され、当該導体はセ
ラミックスを含有した絶縁樹脂シートを介して冷却器に
接着されてなることを特徴とする。
に係るインバータ装置の製造方法は、複数のアームを有
する3相インバータ主回路の1アームを、サイズが□1
0mm以下の半導体チップを複数個並列接続して構成す
ると共に当該複数の半導体チップを、厚みが1.5mm
以上5mm以下の導体に接合し、当該導体を、絶縁樹脂
シートを介して冷却器に接着してなるインバータ装置の
製造方法において、前記絶縁樹脂シートとしてエポキシ
樹脂シートを用い、前記導体と前記冷却器との間に前記
エポキシ樹脂シートを介在させて加圧及び加熱接着する
ことを特徴とする。
サイズを□10mm以下とし且つチップを並列接続する
ことにより、半田の非線形ひずみの値は小さく、電気自
動車用として必要とする数10kWの通電容量を確保す
ることができる。
ートを用いて直接接着されているので熱抵抗が低減し、
高い信頼性を確保することができる。
ば、半導体チップを導体に半田接合した後に前記導体と
前記冷却器との間に前記エポキシ樹脂シートを介在させ
て加圧及び加熱接着しているので、エポキシ樹脂シート
の特性を劣化させることがない。
を参照して説明する。
ず、本発明の第1の実施形態について、図1〜図4を用
いて説明する。
ータ装置の特に電力用半導体素子部の内部の半導体チッ
プの実装構造を示す部分縦断面図である。
半導体素子部を、−40℃/1h〜125℃/1hで保
持をする温度サイクル試験をおこなったときの半田の非
線形ひずみの最大値と半導体チップサイズの相関の解析
結果を示す図である。
ータ装置通電時の半導体チップの温度の解析結果を示す
図である。
ータ装置起動時の半導体チップの温度と導体厚みの相関
の解析結果を示す図である。
導体素子部は、3相インバータ主回路の1アームを、サ
イズが□10mm以下の半導体チップであるIGBT1
91A、191B、191C、191D及びダイオード
201A、201B、201Cを並列接続して構成して
いる。
オードが3並列の場合の実施形態である。さらに、厚み
が1.5mm以上5mm以下の銅製の導体22に、半導
体チップであるIGBT191A、191B、191
C、191D及びダイオード201A、201B、20
1Cが導体22の厚みの2倍以上の距離を以て分散配置
され、Sn/Pbなどの低融点又はSn/Ag/Cuな
どの高融点半田23で接合されている。さらに、導体2
2は、銅やアルミニウム製の冷却器24に、セラミック
スを含有した絶縁樹脂シート25で接着されている。
脂に窒化ホウ素などのセラミックフィラーを充填したも
のであり、熱伝導率は2〜4W/mK、厚みは0.1〜
0.15mm程度である。
191D及びダイオード201A〜201Cを接合した
面にはメッキ処理26を行い、冷却器24とセラミック
スを含有した絶縁樹脂シート25で接着する反対面には
メッキ処理を行っていない。
1.5mm以上5mm以下の銅製の導体22に、半導体
チップであるIGBT191A、191B、191C、
191D及びダイオード201A、201B、201C
が、Sn/Pbなどの低融点又はSn/Ag/Cuなど
の高融点半田23で接合されている。
質がSiで、導体22は材質が銅であるので、IGBT
191及びダイオード201と導体22の線膨張係数の
違いにより、温度サイクルが負荷されたときに、半田2
3にせん断応力が発生し、非線形ひずみが発生する。非
線形ひずみの値が大きくなると、温度サイクルが負荷さ
れたときに半田にクラックなどが発生する。非線形ひず
みの値は、小さいほど信頼性・耐久性が向上する。
半導体素子部を、−40℃/1h〜125℃/1hで保
持をする温度サイクル試験を行ったときの、半田23の
非線形ひずみの最大値とチップサイズの相関を示す解析
結果である。
より大きくなると、半田の非線形ひずみが増大すること
が分かる。従って、チップサイズを□10mm以下とす
ると、インバータ装置の信頼性・耐久性を確保すること
が可能となることが分かる。
□10mm以下とすると1チップ当りの通電容量が小さ
くなる。この場合、チップの並列接続を行うことによ
り、電気自動車用として数10kWの通電容量を確保す
ることができる。
タ装置においては、導体22に接合されたIGBT19
1A〜191D及びダイオード201A〜201Cが、
冷却器24に絶縁樹脂シート25を用い直接接着されて
いるので、図24に示した従来の電力用半導体素子部の
ような冷却器との接触部の接触熱抵抗が無くなり、熱抵
抗が低減する。
に用いられている絶縁基板17である例えばアルミナ基
板(熱伝導率21W/mK、厚み0.32mm)などに比
べ、熱伝導率が低い絶縁樹脂シート25の上部の導体2
2を、熱伝導率の良い銅製とし厚みを1.5mm以上5
mm以下としIGBT191A〜191D及びダイオー
ド201A〜201Cを分散配置しているので、IGB
T191A〜191D及びダイオード201A〜201
Cで発生した熱損失を導体22の熱伝導により拡散し、
さらに熱容量により吸収することができるので、さらに
熱抵抗が低減する。
の、インバータ通電時のIGBT191及びダイオード
201の温度変化の解析結果である。インバータ起動時
には、IGBT及びダイオードの損失が大きくなり、I
GBT及びダイオードとも温度上昇が特に高くなる。
頼性の向上、並列数の低減、電力用半導体素子部及びイ
ンバータ装置の小型化には、特にインバータ起動時の温
度上昇を低減することが重要となる。
た、インバータ起動時のIGBT191及びダイオード
201の温度変化である。導体22の厚みが1.5mm
以下になると、IGBT191及びダイオード201の
温度が特に高くなる。また、導体22の厚みを5mmよ
り大きくしても、IGBT及びダイオードの温度は大き
くは低減しない。導体22の厚みが1.5mm以上5m
m以下の場合に、導体22の熱容量の効果により、IG
BT及びダイオードのインバータ起動時の温度が低くな
る。
とき、導体22の厚みが3mmの本発明の電力用半導体
素子部のIGBTチップ当りの定常熱抵抗は0.46K
/Wであり、従来の電力用半導体素子部のIGBTチッ
プ当りの定常熱抵抗1.11K/Wに比べ、約半減す
る。
メッキなど行った不活性な面より、銅などのより活性の
強い面との接着力の方が強くなる。一方、IGBTやダ
イオードの電気的な配線であるワイヤボンディングは、
メッキ処理した面との接合力が強くなる。
91D及びダイオード201A〜201Cを接合した面
にはメッキ処理26を行っているので、ワイヤボンディ
ングと導体22の接合力が向上し、冷却器24とセラミ
ックスを含有した絶縁樹脂シート25で接着する反対面
にはメッキ処理26を行っていないので、導体22と絶
縁樹脂シート25の接着力が向上する。
タ装置においては、電力用半導体素子部2の内部のIG
BT及びダイオードによる半導体チップの熱抵抗が半減
し、冷却効率が向上し、インバータ装置の信頼性向上、
小型化が図れる。さらに、長期的な劣化なども考えられ
る熱伝導グリースを使用しないので、信頼性・耐久性が
向上する。
本発明の第2の実施形態を図1及び図5を参照して説明
する。
用半導体素子部における半田の厚みを規定している。
半導体素子部を、−40℃/1h〜125℃/1hで保
持をする温度サイクル試験をおこなったときの、半田の
非線形ひずみの最大値と半田厚みの相関の解析結果であ
る。
1.5mm以上5mm以下の銅製の導体22に、半導体
チップであるIGBT191A、191B、191C、
191D及びダイオード201A、201B、201C
が、Sn/Pbなどの低融点又はSn/Ag/Cuなど
の高融点半田23で接合されている。
質がSiで、導体22は材質が銅であるので、IGBT
191及びダイオード201と導体22の線膨張係数の
違いにより、温度サイクルが負荷されたときに、半田2
3にせん断応力が発生し、非線形ひずみが発生する。非
線形ひずみの値は、小さいほど信頼性・耐久性が向上す
る。
半導体素子部を、−40℃/1h〜125℃/1hで保
持をする温度サイクル試験をおこなったときの、半田2
3の非線形ひずみの最大値と半田厚みの相関の解析結果
である。
と、非線形ひずみが増大する。半田23の厚みが75μ
m以上になると、半田23の厚みを増すことにより半田
の熱応力を分散させ応力集中が減少するので、非線形ひ
ずみが低減する。一方、半田23の厚みを300μm以
上としても、非線形ひずみは大きくは低減しない。
BT191及びダイオード201と、厚みが1.5mm
以上5mm以下の導体22を接合する半田23の厚み
を、75μm以上300μm以下とすることにより、半
田23の非線形ひずみを低減でき、本発明の第1の実施
形態の電力用半導体素子部及びインバータ装置の信頼性
・耐久性を、一層向上させることができる。
本発明の第3の実施形態を、図1及び図6を参照して説
明する。
用半導体素子部における冷却器24の厚みを規定してい
る。
半導体素子部を、−40℃/1h〜125℃/1hで保
持をする温度サイクル試験をおこなったときの、絶縁樹
脂シート25の最大せん断応力と冷却器の厚み/導体の
厚みの相関の解析結果である。
ルミニウム製の冷却器24に、セラミックスを含有した
絶縁樹脂シート25で接着されている。冷却器24の材
質としては、銅やアルミニウムなどが考えられるが、製
造性・加工性や重量などを考えればアルミニウムが望ま
しい。
た場合には、材質が銅である導体22と材質がアルミニ
ウムである冷却器24の線膨張係数の違いにより、温度
サイクルが負荷されたときに、絶縁樹脂シート25にせ
ん断応力が発生する。せん断応力の値が大きくなると、
絶縁樹脂シート25が剥離する。せん断応力の値は、小
さいほど信頼性一耐久性が向上する。
とし、本発明の第1の実施形態の電力用半導体素子部
を、−40℃/1h〜125℃/1hで保持をする温度
サイクル試験をおこなったときの、絶縁樹脂シート25
の最大せん断応力と冷却器の厚み/導体の厚みの相関を
示す解析結果である。
3倍より小さくなると、絶縁樹脂シート25の最大せん
断応力は増大する。冷却器24の厚み/導体22の厚み
が3.3倍以上になると、導体22に比べ冷却器24の
剛性の方が十分大きくなり冷却器24の変形が抑制さ
れ、それにより絶縁樹脂シート25の変形も抑制される
ので、絶縁樹脂シート25の最大せん断応力が低減す
る。冷却器24の厚み/導体22の厚みを10倍以上と
しても、最大せん断応力はほとんど低減しない。
24の厚みを、厚みが1.5mm以上5mm以下の導体
の3.3倍以上10倍以下とすることにより、絶縁樹脂
シート25の最大せん断応力を低減でき、本発明の第1
〜第2の実施形態の電力用半導体素子部及びインバータ
装置の信頼性・耐久性を、一層向上させることができ
る。
に、本発明の第4の実施形態を、図7〜図10を参照し
て説明する。
ータ装置における、電力用半導体素子部の部分斜視図で
ある。1アームあたり、IGBTは4並列、ダイオード
は2並列の実施形態である。
ータ装置における、電力用半導体素子部の内部構造が分
かる斜視図である。1アームあたり、IGBTは4並
列、ダイオードは2並列の実施形態である。
ータ装置における、電力用半導体素子部を示し、図9
(a)は平面図、図9(b)は図9(a)のB−B方向
に見た断面図及び図9(c)は図9(a)のC−C方向
に見た断面図である。1アームあたり、IGBTは4並
列、ダイオードは3並列の実施形態である。
ンバータ装置の回路図である。
10に示す3相インバータ主回路のW相の上側アームを
構成する4並列接続されたIGBT191A〜191D
及び2並列接続されたダイオード201A〜201B
を、3相インバータ主回路の上側アームを構成する上側
アーム導体27に1列に配置し、同様に3相インバータ
主回路のW相の下側アームを構成する4並列接続された
IGBT192A〜192D及び2並列接続されたダイ
オード202A〜202Bを、3相インバータ主回路の
下側アームを構成する下側アーム導体28に1列に配置
している。
導体28の間に、上側アーム導体127上に配置された
IGBT191A〜191D及びダイオード201A〜
201Bと3相出力端子40を接続する3相出力導体2
9を配置している。
導体28と、3相出力導体29が同一の導体で構成され
ている。さらに、上側アーム導体27及び下側アーム導
体28の間に、下側アーム導体28上に配置されたIG
BT192A〜192D及びダイオード202A〜20
2Bと負極端子39を接続する負極導体30を配置して
いる。IGBT及びダイオードと各導体間は、ワイヤボ
ンディング31により電気的に接続されている。
ら並列接続された個々のIGBT191A〜191Dを
通り3相出力端子40に至る個々の電流経路が均等とな
る。同様に、3相出力端子40から並列接続された個々
のIGBT192A〜192Dを通り負極端子39に至
る個々の電流経路が均等となる。同様に、3相出力端子
40から並列接続された個々のダイオード201A〜2
01Bを通り正極端子38に至る個々の電流経路が均等
となる。同様に、負極端子39から並列接続された個々
のダイオード202A〜202Bを通り3相出力端子4
0に至る個々の電流経路が均等となる。その他の構成
は、第1〜第3の実施形態と同様である。
素子部は、セラミックスを含有した絶縁樹脂シートを3
相インバータ主回路の各相毎に分割し、W相絶縁樹脂シ
ート32、V相絶縁樹脂シート33、U相絶縁樹脂シー
ト34を一定距離はなし、U〜W各絶縁樹脂シート間に
は、並列接続されたIGBTを制御するための制御配線
35及び制御入出力端子36が設けられている。
各絶縁樹脂シートは、周囲が冷却器24と接着されてお
り、正極端子38及び負極端子39及び3相出力端子4
0及び制御入出力端子36を備えた樹脂パッケージ37
の内部に、絶縁性のゲルと共に封入されている。その他
の構成は、図7と同様である。
体素子部においては、第1〜第3の実施形態の効果に加
え、並列接続された各IGBTから制御配線35を主回
路の電流の流れと直角に最短で引出すことができ、制御
のノイズによる誤動作などがなく信頼性が向上する。
アームの一相当たりに用いる半導体チップを、複数の半
導体チップを並列接続することにより、並列接続された
各IGBT及びダイオードの電流経路がすべて均等に分
配されるようになっているので、各IGBT及びダイオ
ードの電流分担が均等となり、並列接続されたIGBT
及びダイオードチップの局部過熱などは発生しない。
ートが各相毎に分割されているので、絶縁樹脂シートの
せん断応力も低減し、信頼性・耐久性も向上する。
本発明の第5の実施形態を図11を参照して説明する。
のインバータ装置における、電力用半導体素子部の平面
図、図11(b)は図11(a)のB−B方向に見た断
面図及び図11(c)は図11(a)のC−C方向に見
た断面図である。1アームあたり、IGBTは4並列、
ダイオードは3並列の実施形態である。
冷却器24を液冷式冷却器とし、液冷式冷却器の冷媒1
4が通る流路15には拡大伝熱面41を設け、拡大伝熱
面41をIGBT及びダイオードが接合される上側アー
ム導体27、下側アーム導体28、及び3相出力導体2
9、負極導体30と平行に設ける。その他の構成は、第
1〜第4の実施形態と同様である。
態の効果に加え、拡大伝熱面41が導体と平行に設けら
れているので、インバータ通電時の温度サイクルによる
導体の長手方向の冷却器24の熱変形を抑制することが
でき、絶縁樹脂シートに発生するせん断応力の値を小さ
くすることができ、絶縁樹脂シートの信頼性・耐久性を
向上させることができる。
本発明の第6の実施形態を、図12を参照して説明す
る。
のインバータ装置における、電力用半導体素子部の平面
図、図12(b)は図12(a)のB−B方向に見た断
面図及び図12(c)は図12(a)のC−C方向に見
た断面図である。1アームあたり、IGBTは4並列、
ダイオードは3並列の実施形態である。
冷却器24を液冷式冷却器とし、冷却器24の外形は第
5の実施形態と同様とし、さらに上下2段構成とする。
上段においては、液冷式冷却器の冷媒14が通る流路1
5に拡大伝熱面41を設け、拡大伝熱面41をIGBT
及びダイオードが接合される上側アーム導体27、下側
アーム導体28、及び3相出力導体29、負極導体30
の長手方向と平行に設ける。下段においても、拡大伝熱
面41と直行する方向に拡大伝熱面42を設け、周囲に
開放され冷媒が通らない冷却器とする。拡大伝熱面42
の枚数は、拡大伝熱面41の枚数より少なくなってい
る。
外形は第5の実施と同様なので、拡大伝熱面1の放熱面
積は、第5の実施形態の半分となっているが、液冷式冷
却器の場合は第5の実施形態の拡大伝熱面1のフィン効
率は0.5位であり、第6の実施形態の拡大伝熱面1の
フィン効率は1位なので、冷却能力は第5の実施形態と
ほぼ同等である。その他の構成は、第1〜第5の実施形
態と同様である。
態の効果に加え、拡大伝熱面141及び拡大伝熱面42
が直交しているので冷却器の剛性が向上し、インバータ
通電時の温度サイクルによる導体の長手方向の冷却器2
4の熱変形を第5の実施形態以上に抑制することがで
き、絶縁樹脂シートに発生するせん断応力の値を小さく
することができ、絶縁樹脂シートの信頼性・耐久性を向
上させることができる。
本発明の第7の実施形態を、図13を参照して説明す
る。
バータ装置の特に電力用半導体素子部の内部の半導体チ
ップの実装構造を示す部分縦断面図である。
導体22の端部を薄板部43とし、薄板部43に正極端
子38や負極端子39や3相出力端子40と電気的に配
線するためのワイヤボンディング31を接合する。その
他の構成は、第1〜第6の実施と同様である。
子部においては、インバータ通電時の温度サイクルによ
り、導体22と冷却器24を接着している絶縁樹脂シー
ト25にせん断応力が発生する。せん断応力は、導体2
2の端部で最大となる。
ているので導体22の端部の剛性を低減することがで
き、インバータ通電時の温度サイクルにより導体22の
端部で発生するエポキシ樹脂シートの最大せん断応力を
低減することができる。導体22の厚みが3mmのと
き、薄板部43の厚みを0.5mmとすると、エポキシ
樹脂シートの最大せん断応力は約28%低減する。
態の効果に加え、絶縁樹脂シートの信頼性・耐久性をさ
らに向上させることができる。
に、本発明の第8の実施形態を図14を参照して説明す
る。
バータ装置の特に電力用半導体素子部の内部の半導体チ
ップの実装構造を示す部分縦断面図である。
導体22に、IGBT191A〜191Dとダイオード
201A〜201Cの間にスリット44を設け、スリッ
ト44が設けられた面を冷却器24と、セラミックスを
含有した絶縁樹脂シート25で接着する。その他の構成
は、第1〜第7の実施形態と同様である。
子部においては、インバータ通電時の温度サイクルによ
り、IGBT191A〜191Dとダイオード201A
〜201Cと導体22とを接合している低融点又は高融
点半田23にせん断応力が発生する。
が設けられているため、温度サイクルにより、導体22
の長手方向に直行する垂直方向に変形しやすくなる分、
導体22の長手方向の熱膨張を抑制することができ、低
融点又は高融点半田23のせん断応力を低減することが
できる。導体22の厚みが3mmのとき、スリット44
の高さを2.5mmとすると、低融点又は高融点半田2
3のせん断応力は約16%低減する。
実施形態の効果に加え、低融点又は高融点半田の信頼
性。耐久性をさらに向上させることができる。
応)次に、本発明の第9の実施形態を図15を参照して
説明する。
ータ装置の製造方法を示す図である。
図15の(a)に示すようにまず、IGBT191A〜1
91Dとダイオード201A〜201CをSn/Pbな
どの低融点又はSn/Ag/Cuなどの高融点半田23
で導体22に接合する。次に、図15の(b)に示すよう
に、絶縁樹脂シート25を冷却器24に仮接着する。最
後に、図15の(c)に示すように、導体22を、IGB
T191A〜191Dとダイオード201A〜201C
が接合されていない場所に、加圧力を均一化するために
例えばシリコンゴムなどの弾性体45を配置し、加圧板
46を介し加圧して、導体22と冷却器24を絶縁樹脂
シート25で加圧、加熱接着する。加圧温度は、例えば
160℃〜170℃、加圧力は約20〜30kgf/c
m2である。
仮に最初に導体22と冷却器24を絶縁樹脂シートで接
着したとすると、IGBT191A〜191Dとダイオ
ード201A〜201Cを半田付けするときに、絶縁樹
脂シート25のガラス転移温度(例えば170℃位)以上
に長時間加熱する必要があり、絶縁樹脂シートの特性が
劣化する。これに対し、本実施形態では、上述した製造
方法を採用するため、絶縁樹脂シートの特性が劣化する
ことはない。
半田であるSn/Ag/Cu半田などを採用することが
可能となる。
インバータ主回路の冷却効率を向上して通電容量の向上
に寄与し、装置の小型化を達成できる。また、インバー
タ主回路及びその半導体チップの信頼性を向上してイン
バータ装置の信頼性を向上することができる。
に電力用半導体素子部の内部の半導体チップの実装構造
を示す部分縦断面図。
を、−40℃/1h〜125℃/1hで保持をする温度
サイクル試験をおこなったときの半田の非線形ひずみの
最大値と半導体チップサイズの相関の解析結果を示す
図。
時の半導体チップの温度の解析結果を示す図。
時の半導体チップの温度と導体厚みの相関の解析結果を
示す図。
第1の実施形態の電力用半導体素子部を、−40℃/1
h〜125℃/1hで保持をする温度サイクル試験をお
こなったときの半田の非線形ひずみの最大値と半田厚み
の相関の解析結果を示す図。
第1の実施形態の電力用半導体素子部を、−40℃/1
h〜125℃/1hで保持をする温度サイクル試験をお
こなったときの絶縁樹脂シート25の最大せん断応力と
冷却器の厚み/導体厚みの相関の解析結果を示す図。
ける電力用半導体素子部の部分斜視図。
ける電力用半導体素子部の内部構造が分かる斜視図。
ける電力用半導体素子部を示す図。
回路図。
おける電力用半導体素子部を示す図。
おける電力用半導体素子部を示す図。
特に電力用半導体素子部の内部の半導体チップの実装構
造を示す部分縦断面図。
特に電力用半導体素子部の内部の半導体チップの実装構
造を示す部分縦断面図。
製造方法を示す図。
置の内部部分断面図。
Claims (12)
- 【請求項1】 複数のアームを有する3相インバータ主
回路を複数の電力用半導体チップで構成してなるインバ
ータ装置において、 前記3相インバータ主回路の1アームを、サイズが□1
0mm以下の半導体チップを複数個並列接続して構成す
ると共に当該複数の半導体チップは厚みが1.5mm以
上5mm以下の導体に接合され、当該導体はセラミック
スを含有した絶縁樹脂シートを介して冷却器に接着され
てなることを特徴とするインバータ装置。 - 【請求項2】 前記導体を、前記半導体チップが接合さ
れた面にはメッキ処理を行い、前記冷却器とセラミック
スを含有した絶縁樹脂シートで接着する面にはメッキ処
理を行わないことを特徴とする請求項1記載のインバー
タ装置。 - 【請求項3】 前記複数の半導体チップと、厚みが1.
5mm以上5mm以下の導体を接合する半田の厚みを、
75μm以上300μm以下としたことを特徴とする請
求項1又は2記載のインバータ装置。 - 【請求項4】 前記冷却器の厚みを、前記厚みが1.5
mm以上5mm以下の導体の3.3倍以上10倍以下と
したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記
載のインバータ装置。 - 【請求項5】 前記3相インバータ主回路の上側アーム
を構成する複数の並列接続された半導体チップを、前記
導体を構成する第1導体に1列に配置し、前記3相イン
バータ主回路の下側アームを構成する複数の並列接続さ
れた半導体チップを、前記導体を構成する第2導体に1
列に配置すると共に、前記第1導体及び第2導体との問
に、前記第1導体上の複数の半導体チップと3相出力電
極を接続する第3導体と、前記第2導体上の複数の半導
体チップと負極側電極を接続する第4導体とを配置し且
つ前記第1導体及び第2導体に配置され並列接続された
複数の半導体チップの電流経路を均等にしたことを特徴
とする請求項1乃至4のいずれか一項記載のインバータ
装置。 - 【請求項6】 前記セラミックスを含有した絶縁樹脂シ
ートを、前記3相インバータ主回路の各相毎に分割し、
各絶縁樹脂シートを一定距離はなし、各絶縁樹脂シート
間には前記複数の半導体チップを駆動するための配線及
び前記複数の半導体チップを制御するための配線の入出
力端子を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいず
れか一項記載のインバータ装置。 - 【請求項7】 前記冷却器として液冷式冷却器を用い、
当該液冷式冷却器の冷媒が通る流路には拡大伝熱面を設
け、前記拡大伝熱面を前記複数の半導体チップが接合さ
れる導体と平行に設けたことを特徴とする請求項1乃至
6のいずれか一項記載のインバータ装置。 - 【請求項8】 前記冷却器として上下2段構成の液冷式
冷却器を用い、当該上下2段構成の液冷式冷却器の上段
は前記複数の半導体チップを冷却する冷媒が通る冷却器
として機能させ、下段は周囲に開放され冷媒が通らない
冷却器として機能させ、前記上段における冷媒が通る流
路には第1拡大伝熱面を設け、この第1前記拡大伝熱面
を前記複数の半導体チップが接合される導体と平行に設
け、前記下段には前記第1拡大伝熱面と直行する方向に
第2拡大伝熱面を設けたことを特徴とする請求項1乃至
7のいずれか一項記載のインバータ装置。 - 【請求項9】 前記導体の端部を薄板構造とし、該薄板
部に電気的に配線するためのワイヤボンディングを接合
することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項記
載のインバータ装置。 - 【請求項10】 前記複数の半導体チップが接合された
前記導体に、チップとチップの間にスリットを設け、ス
リットが設けられた面を、前記冷却器と、セラミックス
を含有した絶縁樹脂シートとで接着することを特徴とす
る請求項1乃至9のいずれか一項記載のインバータ装
置。 - 【請求項11】 複数のアームを有する3相インバータ
主回路を、複数の半導体チップで構成してなるインバー
タ装置において、 前記半導体チップを導体に半田接合する工程と、 前記半導体チップが接合された前記導体と冷却器との間
にセラミックスを含有した絶縁樹脂シートを介在させて
加圧及び加熱接着する工程とを具備したことを特徴とす
るインバータ装置の製造方法。 - 【請求項12】 前記導体上の複数の半導体チップが接
合されていない場所を加圧することを特徴とする請求項
11記載のインバータ装置の製造方法。
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