JP2003151852A - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品の製造方法

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JP2003151852A
JP2003151852A JP2001351155A JP2001351155A JP2003151852A JP 2003151852 A JP2003151852 A JP 2003151852A JP 2001351155 A JP2001351155 A JP 2001351155A JP 2001351155 A JP2001351155 A JP 2001351155A JP 2003151852 A JP2003151852 A JP 2003151852A
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powder
ceramic green
ceramic
laminated
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JP2001351155A
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Atsushi Otsuka
淳 大塚
Junichi Ito
淳一 伊藤
Manabu Sato
学 佐藤
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Niterra Co Ltd
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックグリーンシートの多層化及び薄型
化に拘わらず、反り等の不具合が生じにくい積層セラミ
ック電子部品を提供する。 【解決手段】 セラミックグリーンシート5に積層形成
する配線パターン層6用の第二導電体粉末は、金属粉末
粒子MPのみから構成されていると、セラミックに適合
した焼成温度では、金属粒子間における拡散や粒子の溶
融により収縮が急激に進行し、反り等を招くことにつな
がる。しかしながら、500nm以下の平均粒径を有す
る無機化合物粉末粒子CPを含有させると、該セラミッ
クグリーンシート5を積層体30となして焼成する際
に、配線パターン層6の焼成収縮を適度に遅らせること
ができる。その結果、前記した反り等の発生を効果的に
抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば積層コン
デンサ、積層インダクタ、積層コンデンサ内蔵基板、積
層モジュール基板等として好適に使用される積層セラミ
ック電子部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような積層セラミック電子部品
(例えば積層セラミックコンデンサ)は、従来、セラミ
ックグリーンシートと配線パターン層とが交互に積層さ
れた積層グリーン体を作製し、この積層セラミックグリ
ーン体を同時焼成することにより製造している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、セラミック
グリーンシートと配線パターン層とを積層体の形で同時
焼成しようとした場合、その焼成温度は当然、セラミッ
クの焼成が十分に進行する温度域に設定される。他方、
配線パターン層は金属粉末により形成されるが、金属粉
末は通常、セラミックよりも低温域で焼成が開始する。
すなわち、積層体を焼成する際には、セラミックグリー
ンシートと配線パターン層との間で焼成温度域に差があ
るため、金属を主体とする配線パターン層の焼成が、セ
ラミックグリーンシートの焼成よりも常に先んじる傾向
にある。
【0004】配線パターン層は焼成が開始すると面内方
向に大きく収縮する。他方、セラミックグリーンシート
は焼成温度域に到達していないため、収縮は未だほとん
ど進行していない状態である。この収縮量の差により、
図13に示すように、未収縮のセラミックグリーンシー
ト5は配線パターン層6に引っ張られる形で反りを生じ
やすくなる。その結果、得られる部品の表面に凹凸や曲
がりなどの不具合が生じやすくなる問題がある。セラミ
ックグリーンシート5の焼成が進行すれば、このような
反りはある程度は減少するものの、ある程度の残留は避
けがたい。
【0005】今日、積層電子部品には、さらなる高性能
化、高集積化及び小型化(薄型化)が求められており、
シートの積層数増大と薄型化とが一層推し進められよう
としている。シートの積層数が多くなるほど、上記のよ
うな収縮不均一の影響を受けやすくなり、セラミックグ
リーンシートが薄くなることも加重されて、焼成後の積
層部品に反り等の不具合が出やすくなる。特に、配線部
として大面積の電極が形成される積層セラミックコンデ
ンサの場合は、この傾向が著しい。そして、このような
反りの発生を防ぐために、製造における個々の工程を高
精度に管理する必要があり、また焼成後における部品の
品質検査の負担、不合格品を排除することによる歩留ま
り低下等のために、製造コストの上昇を招きやすく、こ
のようなことがコストダウンを図る上での障害となる。
【0006】この発明は、高性能化・薄型化が求められ
る積層セラミック電子部品において、セラミックグリー
ンシートの多層化及び薄型化に拘わらず、反り等の不具
合が軽減し、品質の向上及びコストの低減を図ることを
直接の課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記の課
題を解決するために、本発明の積層セラミック電子部品
の製造方法は、第1のベース部用セラミックグリーンシ
ートと第2のベース部用セラミックグリーンシートとの
間に、複数の積層用セラミックグリーンシートと配線パ
ターン層とが交互に積層され、かつ、2以上の積層用セ
ラミックグリーンシートの積層部を貫くように形成され
たビアホール内に、積層された複数の配線パターン層の
少なくとも1つと、焼成後において電気的に導通するこ
ととなるビア電極を形成した積層グリーン体を作製する
工程と、その積層グリーン体を焼成する工程とを含み、
配線パターン層を形成する第2粉末は、金属粉末と、平
均粒径が500nm以下の無機化合物粉末とを含有し、
さらに、ビア電極を形成する第1粉末は無機化合物粉末
を含有しないか、又は第2粉末よりもその含有率が低く
されたことを特徴とする。
【0008】本明細書では、「ビア電極」と「配線パタ
ーン層」の両名称(及びその下位概念)を、便宜的に焼
成前の状態と焼成後の状態の双方に共通に用いている。
また、本明細書において「主成分」とは、その成分の重
量含有率が、他の成分の重量含有率の合計よりも高くな
っているものをいい、「2以上の成分が主成分である」
とは、それら成分の合計が、他の成分の重量含有率の合
計よりも高くなっていることをいう。さらに、無機化合
物粒子の平均粒径は、組織断面の走査型電子顕微鏡観察
画像において観察される1次粒子の、粒子外形線に外接
する最小間隔の平行線距離d1と最大間隔の平行線距離
d2との相加平均値を粒径と定義したときの、その平均
値を意味するものとする。
【0009】上記本発明の方法においては、配線パター
ン層用の第2粉末が、例えば図14に示すように、金属
粉末等からなる導電性粉末粒子(以下、金属粉末で代表
させ、第2金属粉末という):310のみから構成され
ていると、セラミックに適合した焼成温度では、金属粉
末粒子間における拡散や粒子の溶融により収縮が急激に
進行し、図13に示すような反り等を招くことにつなが
る。しかしながら、図15に示すように、上記粒径の無
機化合物粉末粒子315を含有させると、該セラミック
グリーンシートを積層体となして焼成する際に、無機化
合物粉末粒子315が金属粉末粒子310間の拡散を阻
害し、また、無機化合物粉末粒子315が金属粉末粒子
310の空間的な占有を排除することも手伝って、配線
パターン層の焼成収縮を適度に遅らせることができる。
その結果、前記した反り等の発生を効果的に抑制するこ
とができる。また、上記の製法によれば、ビア電極は、
当該ビア電極により接続される配線パターン層間の誘電
体セラミック層内に位置する部分が少なくとも、無機化
合物粉末を含有しないか又は配線パターン層よりも無機
化合物粉末の含有率が低くなるように形成される。その
結果、ビア電極の導電性が大幅に向上する。
【0010】具体的には、ビア電極の一部を、第1のベ
ース部用セラミックグリーンシートと第2のベース部用
セラミックグリーンシートとの少なくともいずれかの表
面に形成されるフリップチップ型表面実装用端子に導通
させ、積層セラミック電子部品を表面実装型部品として
製造することができる。電子機器、特に携帯電話や通信
用基板等の通信機器は、近年小型化への志向が特に著し
く、基板上の実装スペースを節約でき、かつ部品載置後
にはんだリフロー処理するだけで実装が可能なフリップ
チップ型表面実装型部品の採用が急速に進んでいる。小
型のフリップチップ型表面実装型部品の場合、わずかな
部品の反りや凹凸なども、形成されるフリップチップ型
表面実装用端子のコプラナリティーなど、端子の接合精
度を支配する因子に大きく影響し、不良に直結する問題
がある。そこで本発明の製造法を適用することにより、
こうしたフリップチップ型表面実装型部品の反り等を効
果的に軽減することができ、ひいては、小型化を推し進
めた場合においても不良率を大幅に減ずることができ、
歩留まり向上に寄与する。また、コンデンサ電極を接続
するビア電極は、前記した通り誘電体セラミック層内に
位置する部分が少なくとも、無機化合物粉末を含有しな
いか又は配線パターン層よりも無機化合物粉末の含有率
が低くなるように形成されるので、その導電性が大幅に
向上し、コンデンサの寄生インダクタンスを軽減する上
でも有利となる。該効果は、高周波用(例えば周波数1
GHz以上)のコンデンサに本発明を適用した場合に、
特に顕著である。
【0011】例えば、表面実装型部品は、以下のように
して表面実装型積層セラミックコンデンサとして製造す
ることができる。すなわち、配線パターン層が積層用セ
ラミックグリーンシートを介して対向する第1及び第2
のコンデンサ電極を含み、ビア電極が、第1のコンデン
サ電極と電気的に導通し第2のコンデンサ電極とは導通
しない第1導通型ビア電極と、第2のコンデンサ電極と
電気的に導通し第1のコンデンサ電極とは導通しない第
2導通型ビア電極とを含むものとして形成する。そし
て、フリップチップ型表面実装用端子を、第1導通型ビ
ア電極と第2導通型ビア電極とのいずれかに選択的に導
通するものとして形成する。積層セラミックコンデンサ
は配線パターン層をなすコンデンサ電極が比較的大面積
であり、しかも層厚方向に多数のコンデンサ電極が積層
配置されるので、個々のコンデンサ電極層の焼成収縮時
に生ずる反り等が累積しやすく、前記不具合がより生じ
やすい。従って、本発明適用による波及効果が特に大き
い。
【0012】配線パターン層の形成に使用される第2粉
末は、含有される金属粉末(以下、第2金属粉末とい
う)の平均粒径を0.1〜3μmとすることが望まし
い。これにより、第2粉末に配合する無機化合物粉末、
すなわち焼成後の配線パターン層中の無機化合物粒子の
平均粒径を500nm以下とすることとも相俟って、無
機化合物粉末による金属粉末の焼成収縮抑制効果を、層
全体にわたって均一に発現させることができ、ひいては
反り等の発生をより効果的に抑制することができるよう
になる。無機化合物粉末の平均粒径を500nm以下と
しているのは、上記反り等の不具合を効果的に防止する
ための無機化合物粉末による金属粉末粒子の焼成収縮抑
制が効果的に得られるためである。無機化合物粉末の平
均粒径が500nmを超えると、無機化合物粉末の粒子
数が少ないため焼成収縮抑制効果の発現が損なわれ、反
り防止効果を十分に達成できなくなる。また、第2金属
粉末より大きくては均質な分散性が得られないため、同
様に十分な焼成収縮抑制効果が得られない。一方、無機
化合物粉末の平均粒径の下限値については特に制限はな
いが、極度に粒径の小さい粉末は凝集を起こしやすく、
均一分散を図る上での限界が存在することがあり、また
価格の高騰も招きやすい。これらのことを考慮して、無
機化合物粉末の平均粒径は、例えば5nm程度を下限値
の目安として設定することが望ましい。
【0013】第2金属粉末の平均粒径を0.1〜3μm
としているのは、厚さ数μm以下の薄い配線パターン層
でも均一に形成できるようにするためである。第2金属
粉末の平均粒径が3μmを超えると表面粗さが悪化し、
細線部での抵抗の増大や高周波領域での表皮効果による
インピーダンス増大(ひいては高周波信号の伝送損失の
増大)、さらには導通不良をもたらし、また、薄いセラ
ミック層では耐電圧等の低下や最悪の場合、貫通による
ショート不良が生じる。平均粒径を0.1μm以下とす
ると焼成収縮量が増大するだけでなく、ハンドリング性
の悪さや価格的なデメリットも生じる。
【0014】第2粉末に含有される無機化合物粉末は、
平均粒径が望ましくは100nm以下、さらに望ましく
は平均粒径が50nm以下であることが、配線パターン
層の収縮抑制効果を均一に発現させ、反り等の不具合を
防止する上でより好都合である。また、第2粉末に含有
される無機化合物粉末は、第2粉末中の配合比率を、例
えば0.5〜30質量%に調整することが望ましい。該
配合比率が0.5質量%未満では配線パターン層の収縮
抑制効果が十分でなくなり、30質量%を超えると得ら
れる配線パターン層の導電率が十分に確保できなくなる
問題を生ずる。
【0015】次に、ビア電極を形成する第1粉末中の導
電性粉末(以下、金属粉末で代表させ、第1金属粉末と
いう)の平均粒径を2〜20μmとやや大きくするの
は、ビアホール内への充填率を高め、緻密で導電率の高
いビア電極を形成しやすくするためである。第1金属粉
末の平均粒径が2μm未満ではビア電極内の粉末充填密
度が不足して、緻密なビア電極が得られなくなったり、
過度の収縮によりビア電極がビアホール内周面から剥離
したりする不具合につながる。他方、第1金属粉末の平
均粒径が20μmを超えると焼結性が損なわれ、緻密な
ビア電極が得られなくなる不具合につながる。第1金属
粉末の平均粒径は、より望ましくは5〜10μmの範囲
で調整するのがよい。
【0016】なお、ビア電極は、配線パターン層ほどに
は焼成収縮のタイミングの不整合は問題となりにくいた
め、焼成収縮制御を配線パターン層ほどには考慮する必
要がない。そのため、なるべく高い導電率を得ることが
できるようにするために、用いる第1粉末は第2粉末よ
りも無機化合物粉末の含有率が低くされたものとする
か、又は無機化合物粉末を含有しないのがよい。
【0017】セラミックグリーンシートを構成する誘電
体セラミックスの好例としては、アルミナ含有量を98
%以上としたアルミナ質セラミックス、ムライト質セラ
ミックス、窒化アルミニウムセラミックス、窒化珪素セ
ラミックス、炭化珪素セラミックスおよびガラスセラミ
ックス等、高周波領域においても誘電損失が小さい材質
が本発明に好適に使用される。特に、低抵抗で高周波で
の信号の損失の少ないCu,Ag等の低融点金属を導体
層に使用できる点において、ガラスとガラス以外のセラ
ミックフィラーとの複合材料(以下、これをガラスセラ
ミックという)を使用することが望ましい。また、高周
波における誘電体損失が少ないという点において、高純
度アルミナ質セラミックスを使用することが望ましい。
また、他の誘電体セラミック層の材質としては、強誘電
性ペロブスカイト型酸化物を使用できる。これは、AT
iO(A:アルカリ土類金属元素)の化学式で表さ
れ、Aのサイトを、アルカリ土類金属元素であるBaま
たは、Baと、Mg、Ca、Srのうち1種もしくは2
種以上とより構成したもの、さらには、上記ATiO
のTiサイトの一部をZrもしくはHfで置換したも
の、または、PbTiO もしくは、PbTiOとP
bZrOとの固溶体であるPZT、もしくは、KNb
などを挙げることができる。このような強誘電体酸
化物としては、構成元素が少ないほど組成比が安定した
状態で充填層に分散形成され、結果として安定した結晶
形成、ひいては上記した誘電率向上の機能がさらに高め
られると考えられる。さらに、室温付近における誘電率
および環境性を考慮すれば、特にBaTiOが好適で
ある。
【0018】配線パターン層及びビア電極を形成するた
めの金属粉末の上記材質は、セラミックスとの同時焼結
性を考慮して選定する必要があり、特に前記したセラミ
ックスとの同時焼結性を考慮する場合は、Ag、Au、
Ni、Cu、Pt及びPdから選ばれる1種又は2種以
上を主成分とするものを使用することが望ましい。
【0019】次に、第2粉末に含有される第1無機化合
物粉末としては、酸化アルミニウム、二酸化珪素及び酸
化チタンの少なくとも1種からなるものを特に好適に使
用することができる。
【0020】一方、第2粉末中に配合する無機化合物粉
末は、セラミックグリーンシートを構成する誘電体セラ
ミック粉末からなる第2無機化合物粉末を含有させるこ
とができる。このような第2無機化合物の使用により、
焼成後の誘電体セラミック層と配線パターン層との線膨
張係数を近づけることができ、特に焼成後に冷却する際
の、誘電体セラミック層と配線パターン層との層間剥離
等を抑制する効果も合わせて得られる。例えば、誘電体
セラミックが強誘電性ペロブスカイト型酸化物を含有す
るものである場合、第2無機化合物粉末を、強誘電性ペ
ロブスカイト型酸化物粉末を含有するものとすること
で、上記の効果をより顕著なものとすることができる。
【0021】無機化合物粉末は、酸化アルミニウム、二
酸化珪素及び酸化チタンの少なくとも1種からなる第1
無機化合物粉末と、セラミックグリーンシートを構成す
るセラミック粉末である第2無機化合物粉末とのうち、
少なくとも一方を含むものとして構成すればよく、両者
を単独で用いることもできるし、両者を配合して用いる
こともできる。第1無機化合物粉末は、第2無機化合物
粉末よりも平均粒径が小さいものを使用することができ
る。第2無機化合物粉末は上記の通りセラミックグリー
ンシートを構成する誘電体セラミック粉末を使用するの
で、セラミックグリーンシートの生産性を考慮して平均
粒径の下限値をそれほど小さくすることができない。し
かしながら、第1無機化合物粉末にはそのような制限が
なく、第2無機化合物粉末よりも粒径の小さなものを使
用することで、配線パターン層中への分散効果、ひいて
は前記の焼成収縮抑制効果を一層高めることができる。
【0022】次に、上記のセラミックグリーンシート
は、第1主表面に配線パターン層が形成され、該第1主
表面と対向して位置する第2主表面が剥離可能な樹脂フ
ィルムにて覆われてなるものとすることができる。
【0023】上記のような樹脂フィルムは、樹脂フィル
ムは、セラミックグリーンセラミックグリーンシートを
形成する際に用いたキャリアフィルム(例えばドクター
ブレード法にて形成する際のキャリアフィルム)を流用
することで、樹脂フィルム付セラミックグリーンシート
を簡単に製造できる。この場合、ビアホールは、セラミ
ックグリーンシートを樹脂フィルムとともに貫通する形
態で形成すればより能率的である。
【0024】特に薄いセラミックグリーンシートを用い
る場合、樹脂フィルムをセラミックグリーンシートより
も厚く形成しておくと、セラミックグリーンシートのハ
ンドリング性改善効果がより顕著である。一例として、
セラミックグリーンシートの厚さが1〜25μmの場
合、樹脂フィルムの厚さは15〜80μmに調整するこ
とが望ましい。樹脂フィルムの厚さが15μm未満では
樹脂フィルム付セラミックグリーンシートのハンドリン
グ性改善効果が不十分となり、80μmを超える厚さで
はハンドリング性改善効果が飽和して素材の無駄が多く
なるほか、樹脂フィルムの剛性が高くなり、セラミック
グリーンシートから剥がしとる際にセラミックグリーン
シートの一部が樹脂フィルムに付着した形で抉り取られ
たりする不具合を生ずる場合がある。樹脂フィルムの厚
さは、より望ましくは20〜50μmの範囲で調整する
のがよい。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に示す実施例を参照して説明する。図7は、本発明の
適用対象となる積層セラミック電子部品の一実施例たる
表面実装型積層セラミックコンデンサ(以下、単にコン
デンサともいう)40の断面構造を示すものである。該
コンデンサ40は、誘電体セラミック層5と配線パター
ン層6とが交互に積層されるとともに、誘電体セラミッ
ク層5を隔てて対向する配線パターン層6が、誘電体セ
ラミック層5を貫くビア電極8,8’により電気的に接
続された構造を有する。配線パターン層6は、誘電体セ
ラミック層5を介して対向する第1及び第2のコンデン
サ電極6a,6bを含み、ビア電極8,8’が、第1の
コンデンサ電極6aと電気的に導通し第2のコンデンサ
電極6bとは導通しない第1導通型ビア電極8と、第2
のコンデンサ電極6bと電気的に導通し第1のコンデン
サ電極6aとは導通しない第2導通型ビア電極8’とを
含む。そして、第1導通型ビア電極8と第2導通型ビア
電極8’とには、それぞれこれらに選択的に導通するフ
リップチップ型の表面実装端子31が、コンデンサ40
の片側の主表面に形成され、それぞれ表面実装用の金属
バンプ32が設けられている。
【0026】ビア電極8,8’と配線パターン層6はい
ずれもAg、AgPt、AgPd、Au、Ni及びCu
からなる金属にて構成される。配線パターン層6は、図
9〜図11に示すように、平均粒径が500nm以下
(望ましくは100nm以下、さらに望ましくは50n
m以下)の無機化合物粒子317あるいは316が、上
記金属からなる金属相313中に分散した組織を有す
る。他方、図7において、ビア電極8,8’の、当該ビ
ア電極8,8’により接続される配線パターン層6,6
間の誘電体セラミック層5内に位置する部分(以下、主
要部ともいう)8aが少なくとも、は、無機化合物粒子
を含有しない金属相のみからなる組織を有する。配線パ
ターン層6が、平均粒径が500nm以下の無機化合物
粒子が金属相中に分散した組織を有することにより、反
り等の不具合が軽減された高品質の表面実装型積層セラ
ミックコンデンサ40が実現される。他方、ビア電極
8,8’は、主要部8aが無機化合物粉末を含有しない
ものとして形成されるので、導電性が大幅に向上し、ひ
いてはコンデンサ40の寄生インダクタンス軽減に有効
である。
【0027】以下、本発明による上記コンデンサ40の
製造工程の一例について説明する。コンデンサ40はセ
ラミックグリーンシートを用いて製造される。該害セラ
ミックグリーンシートは、以下のようなドクターブレー
ド法により製造することができる。まず、誘電体セラミ
ックからなる原料セラミック粉末(例えば、ガラスセラ
ミック粉末の場合、ホウケイ酸ガラス粉末とBaTiO
等のセラミックフィラー粉末との混合粉末:平均粒径
は0.3〜1μm程度)に溶剤(アセトン、メチルエチ
ルケトン、ジアセトン、メチルイソブチルケトン、ベン
ゼン、ブロムクロロメタン、エタノール、ブタノール、
プロパノール、トルエン、キシレンなど)、結合剤(ア
クリル系樹脂(例えば、ポリアクリル酸エステル、ポリ
メチルメタクリレート)、セルロースアセテートブチレ
ート、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルブチラールなど)、可塑剤(ブチルベンジルフタレー
ト、ジブチルフタレート、ジメチルフタレート、フタル
酸エステル、ポリエチレングリコール誘導体、トリクレ
ゾールホスフェートなど)、解膠剤(脂肪酸(グリセリ
ントリオレートなど)、界面活性剤(ベンゼンスルホン
酸など)、湿潤剤(アルキルアリルポリエーテルアルコ
ール、ポチエチレングリコールエチルエーテル、ニチル
フェニルグリコール、ポリオキシエチレンエステルな
ど)などの添加剤を配合して混練し、スラリーを作る。
【0028】図8に示すように、容器301の開放底
を、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルムから
なるキャリアフィルム302にて塞ぎ、容器301内に
上記のスラリー303を充填する。キャリアフィルム3
02は、容器301に対し面内長手方向に所定速度で送
出可能とされる一方、容器301の該送出方向前方側の
側壁部にはドクターブレード304が配置され、その下
縁と、キャリアフィルム302との間には一定量の隙間
305が形成されている。この状態でキャリアフィルム
302の送出を開始すると、キャリアフィルム302上
にはドクターブレード304により隙間305に対応し
た厚さに擦り切られる形で、スラリー塗布層306が形
成される。そして、その送出方向下流側には乾燥チャン
バ307が配置され、キャリアフィルム302上のスラ
リー塗布層306は、このチャンバ307内に流通され
る温風308に暴露されることにより溶媒が蒸発し、セ
ラミックグリーンシート309となる。この工程からも
明らかな通り、セラミックグリーンシート309は、片
側の主表面にキャリアフィルム302が一体化された連
続ストリップ形態で得られ、適当な寸法に切断されて、
積層電子部品の製造に供される。
【0029】なお、本実施形態では、セラミックグリー
ンシート309の厚さが3〜25μmとされ、キャリア
フィルム302(樹脂フィルム)の厚さは30〜50μ
mとされている。
【0030】次に、ビア電極形成用の第1粉末の印刷用
ペースト(以下、ビア電極用ペーストという)を調製す
る。図12に示すように、使用する金属粉末312は、
例えばAg、AgPt、AgPd、Au、Ni及びCu
のいずれかにより構成され、平均粒径が2〜20μmの
範囲で調整されたものである。この金属粉末312に、
ブチルカルビトール等の有機溶剤を、適度な粘度が得ら
れるように配合・調整することによりビア電極用ペース
トが得られる。本実施形態ではAg、AgPd、AgP
tを用いた。
【0031】他方、配線パターン層形成用の第2粉末の
印刷用ペースト(以下、配線パターン層用ペーストとい
う)を調製する。図9〜図11に示すように、使用する
金属粉末311は、例えば金属粉末312と材質は同じ
であるが、平均粒径が0.1〜3μmと小さく調整され
たもである。この金属粉末311に、平均粒径500n
m以下(望ましくは100nm以下、さらに望ましくは
50nm以下)の無機化合物粉末を0.5〜30重量%
の範囲にて配合し、さらに、エチルセルロース等の有機
バインダと、ブチルカルビトール等の有機溶剤を、適度
な粘度が得られるように配合・調整することにより配線
パターン層形成用が得られる。
【0032】無機化合物粉末は、図9に示すように、セ
ラミックグリーンシート309の原料セラミック粉末を
第2種無機化合物粉末316として使用してもよいし、
図10に示すように、第2種無機化合物粉末316とと
もに、酸化アルミニウム(Al)、二酸化珪素
(SiO)及び酸化チタン(TiO)の少なくとも
1種からなる第1種無機化合物粉末(平均粒径100n
m以下、望ましくは50nm以下)317を配合して使
用してもよい。さらに、図11に示すように、第1種無
機化合物粉末317を単独で使用してもよい。これらの
無機化合物粉末は、いずれも焼成時において金属粉末3
11が収縮して配線パターン層の金属マトリックス31
3となる際に、その焼成収縮を抑制する働きをなす。こ
の焼成抑制効果に特に優れるのは、第1種無機化合物粉
末317を単独で使用した図11の態様、及び第2種無
機化合物粉末316と配合して使用する図10の態様で
ある。
【0033】上記セラミックグリーンシート309及び
金属ペーストを用い、コンデンサ40は以下のようにし
て製造することができる(以下、説明を容易にするた
め、焼成前の各部の符号及び名称を、焼成後のコンデン
サ40の各部の符号ないし名称にて代用する)。図1
は、その工程の概略を示すもので、(a)に示すよう
に、第2のベース部用セラミックグリーンシート21を
用意する一方、それよりも薄い積層用セラミックグリー
ンシート5を別途用意し、それぞれ複数のビアホール4
を同じ位置に形成するとともに、各ビアホール4内にビ
ア電極用ペーストを充填してビア電極8を形成してお
く。また、セラミックグリーンシート5の片面には、各
ビア電極8に導通する形で、配線パターン層としての内
部電極6(以下、第1及び第2のコンデンサ電極6a,
6bを総称する名称として使用する)、配線パターン層
用ペーストを用いて印刷形成しておく。次に、(b)に
示すように、これら積層用セラミックグリーンシート5
を第2のベース部用セラミックグリーンシート21上に
順次積層する。そして、(c)に示すように、ビアホー
ル2内にビア電極3を形成した第1のベース部用セラミ
ックグリーンシート1を重ね合わせて圧着し、最終的に
必要とする所定数Nのセラミックグリーンシート5(こ
れにベース部用のセラミックグリーンシート1及び21
が加わる)と所定数の配線パターン層とを交互に積層し
てなる積層グリーン体30を作製する。その後、(d)
に示すように、ベース用のセラミックグリーンシート1
に形成されたビア電極3の上に実装パッド31のパター
ンを形成し、さらに積層グリーン体30の焼成後にパッ
ド31上に金属バンプ32を形成することにより、面実
装型積層セラミックコンデンサ40が得られる。
【0034】図2は、第1のベース部用セラミックグリ
ーンシート1の製造工程をより詳しく示す図である。図
8の方法により得られたセラミックグリーンシート30
9を、キャリアフィルム302ごと所定長に切断する。
切断されたキャリアフィルム302はバックテープ11
となり、これと一体化されたセラミックグリーンシート
1を得る。このセラミックグリーンシート1は、積層用
のセラミックグリーンシート5以上の厚みを有する(例
えば2〜5倍程度の厚み)ものとされる。次に(2)に
示すように、そのバックテープ付のベース部用セラミッ
クグリーンシート1に、金型、数値制御のパンチング手
段あるいはレーザ孔開け装置等のビア形成手段により、
所定のパターンで複数のビアホール2を形成する。さら
に(3)で、そのビアホール2に、前記したビア電極用
ペーストを、例えば穴埋め印刷により充填して固化させ
ることにより、ビア電極3を形成する。なお、第2のベ
ース部用セラミックグリーンシート21は、ビアホール
の穿孔とビア電極充填を行わない以外は、第1のベース
部用セラミックグリーンシート1と同様に製造される。
【0035】また、図3の(1)に示すように、積層用
のセラミックグリーンシート5を用意する。これは上述
と同様のバックテープ(キャリアフィルム)11を有
し、ベース用のシートより薄く形成されたものである。
さらに図3の(2)に示すように、上述のようなビア形
成手段により積層用のセラミックグリーンシート5の所
定の位置にビアホール4を形成する。 次に(3)に示
すように、ビア電極用ペーストをビアホール4内に、例
えば穴埋め印刷により充填することにより、ビア電極8
を形成する。そして、(4)に示すように、そのビアホ
ール4が開けられたセラミックグリーンシート5のバッ
クテープ11とは反対側のシート面(主表面)に、前記
した配線パターン層ペーストを、例えばスクリーン印刷
により所定のパターンで塗布することにより所定パター
ンの内部電極6(第1のコンデンサ電極6a)を形成す
る。
【0036】また、同様に(5)〜(6)に示すよう
に、積層用の別のセラミックグリーンシート5に、ビア
ホール4を導電ペーストで埋めてビア電極8を形成し、
さらに(4)とは別の配置パターンで内部電極6(第1
のコンデンサ電極6b)を形成する。つまり、シートに
対する第1の配置パターンで内部電極6を保持するビア
電極付の第1のセラミックグリーンシート5(図2の
(4))と、シートに対する第2の配置パターンで内部
電極6を保持する、ビア電極付の第2のセラミックグリ
ーンシート5(図2の(6))とを作製する。
【0037】これら2種類のものを交互に重ねることに
より、セラミックグリーンシート5と内部電極6とを交
互に積層することができる。ここで、セラミックグリー
ンシートは内部電極6の間に介在すべき誘電体としての
機能と、2種類の内部電極(つまり、第1及び第2のコ
ンデンサ電極6a,6b)をその種類毎に区別して保持
(担持)する保持体ないし担持体の役割を果たす。
【0038】そして、図4のように、ビア電極8が形成
されるとともにバックテープ11とは反対側のシート面
にそれぞれ内部電極6が形成された積層用のセラミック
グリーンシート5を、第2のベース部となるセラミック
グリーンシート21上に複数枚積層する。より詳しく
は、第2のベース部となるセラミックグリーンシート2
1のバックテープ11とは反対側のシート面に、積層用
のセラミックグリーンシート5の片面に形成された内部
電極6が対面するように、セラミックグリーンシート5
を圧着する。次にその圧着されたセラミックグリーンシ
ート5のバックテープ11を剥がした後、その剥がした
後のシート面に次のセラミックグリーンシート5を、自
身の片面に形成された内部電極6が対面するようにして
圧着する。
【0039】以下同様にして、セラミックグリーンシー
ト5を、各内部電極6を交互に挟み込んでラミネートす
るように順次圧着していき(図5参照)、予定された積
層数に達すれば、図6に示すように、第1のベース部と
なるセラミックグリーンシート1を積層・圧着すること
により、積層グリーン体30を得る。これらビア電極8
(ビア電極形成用導電部とも言える)は、積層グリーン
体30の厚さ方向(積層方向)にお互いに連結して適数
本の連結(集合)ビア電極8を構成し、さらにこれらの
ビア電極が、第1のベース部となるセラミックグリーン
シートのビア電極3とも電気的に接続されて、積層グリ
ーン体30の片側の主表面に露出したビア電極8,8’
となる。これらは通常2グループ、具体的にはコンデン
サの正極・負極の各グループに分けることができる。そ
の一方が第一導通型ビア電極8であり、他方が第二導通
型ビア電極8’である。図6に示すように、これらビア
電極8,8’に導通する内部電極6(6a,6b)は、
セラミックグリーンシート5を介して絶縁形態にて部分
的に対向することにより、コンデンサ構造を形成してい
る。
【0040】図6においては、さらに露出するビア電極
3に対して、後の金属バンプの形成のための実装パッド
31を、所定の導電ペースト、例えば前述のビア電極や
内部電極と同様な導電ペーストを用いてスクリーン印刷
等により印刷する。このような積層グリーン体30を必
要に応じて所定のグリーンチップの形状に切断した後、
これを所定の温度と雰囲気中で脱脂・焼成し、図7に示
す積層セラミックコンデンサの積層焼成体40を得る。
焼成後には、その積層焼成体40のパッド31上に、必
要な金属バンプ32、例えばハンダバンプを形成し、積
層セラミックコンデンサチップ(部品)とする。
【0041】この焼成に際して、内部電極6(配線パタ
ーン層)を形成する配線パターン層用ペーストには、前
記した平均粒径の無機化合物粉末が配合されており、図
16に示すように、内部電極6の収縮に適度で均一な遅
れが生ずるとともに、最終的な収縮量も抑制される。そ
の結果、図13に示すようなセラミックグリーンシート
5との間の収縮差に基づく反りの発生が抑制され、焼成
後の積層セラミックコンデンサチップに反りや凹凸など
の不具合が発生することが効果的に防止される。積層セ
ラミックコンデンサの場合、内部電極6の面積が大きい
ので、焼成時におけるセラミックグリーンシート5との
間の収縮挙動の差の影響を受けやすく、本発明の適用に
よる波及効果は特に大きい。他方、ビア電極3,8は無
機化合物粉末を含有しないビア電極用ペーストが使用さ
れ、その金属粉末の粒径も配線パターン層用ペーストよ
りは大きく設定されてビアホール内への充填率も高めら
れるから、導電性が良好である。
【0042】上記の工程では、図3に示すように、積層
用のグリーンシート5のビアホール4へのペースト充填
を行ってから、ビアホール4の領域を包含する形で配線
パターン層(内部電極)6を形成していた。従って、図
20に示すように、縦に連なったビア電極8の、ビア電
極に接続される配線パターン層(第1及び第2のコンデ
ンサ電極6a,6b)から伸びる仮想の延長帯と交差す
る部分(以下、交差電極部という)8bは、配線パター
ン層6と同様に、平均粒径が500nm以下の無機化合
物粒子315が金属相中に分散した組織を有するものと
なる。この構造は、配線パターン層(内部電極)6,6
間の個々のビア電極部分が、ペーストを逐次的に充填す
るために高密度化される利点がある。しかし、交差電極
部8bには無機化合物粒子315が含有されるので、ビ
ア電極の導電性改善の観点においてこの点が多少不利に
作用する。
【0043】他方、図17(a)に示すように、配線パ
ターン層(内部電極)6は形成し、ビアホール4は充填
しない状態のグリーンシート5(及びグリーンシート2
1,1)を先にまとめて積層しておき、(b)に示すよ
うに、その一体化されたビアホール4にペーストPを一
括充填してビア電極8とすることもできる((c)参
照)。さらに実装用パッド31を形成し(詳細な構造は
図18に示す)、これを焼成した後金属バンプ32を設
ければ、(d)に示すコンデンサ40が得られる(詳細
な構造は図19に示す)。この場合、配線パターン層
(内部電極)6よりも後にビア電極8が一括形成される
ので、図21に示すように、縦に連なったビア電極8
の、該ビア電極に接続される配線パターン層(第1及び
第2のコンデンサ電極6a,6b)から伸びる仮想の延
長帯と交差する部分(以下、交差電極部という)8b
は、ビア電極8の他の部分と同様に、無機化合物粒子を
含有しない金属相のみからなる組織を有するものとな
る。この構造は、ビア電極8の主要部8aのみならず交
差電極部8bからも無機化合物粒子が排除されるので、
極めて導電性の高いビア電極が得られ、コンデンサ40
の寄生インダクタンス軽減効果も大幅に高めることがで
きる。
【0044】なお、以上の実施形態は、すべて積層セラ
ミックコンデンサを例にとったが、コンデンサ以外に、
積層セラミックインダクタ等の他の積層セラミック電子
部品にこの発明を適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層セラミックコンデンサの製造方法の一例を
示す工程説明図。
【図2】図1における第1のベース部用セラミックグリ
ーンシートの製造工程を詳細に説明する図。
【図3】同じく積層用セラミックグリーンシートの製造
工程を詳細に説明する図。
【図4】積層用セラミックグリーンシートの積層工程の
説明図。
【図5】図4に続く説明図。
【図6】図1の工程を用いた場合の積層グリーン体の完
成状態を示す説明図。
【図7】図6の積層グリーン体を用いて製造された面実
装型積層セラミックコンデンサの断面構造を示す図。
【図8】ドクターブレード法によるセラミックグリーン
シートの製造工程説明図。
【図9】第2粉末における無機化合物粉末の第1の配合
形態を示す模式図。
【図10】同じく第2の配合形態を示す模式図。
【図11】同じく第3の配合形態を示す模式図。
【図12】第1粉末の模式図。
【図13】配線パターン層とセラミックグリーンシート
との焼成収縮の際により反りが生ずる様子を説明する
図。
【図14】金属粉末のみからなる配線パターン層が大き
く収縮する様子を説明する図。
【図15】金属粉末に無機化合物粉末を配合することに
より収縮抑制を図る様子を説明する図。
【図16】その収縮抑制により反り防止がなされる様子
を説明する図。
【図17】積層セラミックコンデンサの製造方法の別例
を示す工程説明図。
【図18】図17の工程を用いた場合の積層グリーン体
の完成状態を示す説明図。
【図19】図18の積層グリーン体を用いて製造された
面実装型積層セラミックコンデンサの断面構造を示す
図。
【図20】図1の工程により得られるビア電極の構造を
模式的に示す図。
【図21】図17の工程により得られるビア電極の構造
を模式的に示す図。
【符号の説明】
1,5,21 セラミックグリーンシート 6 内部電極(配線パターン層、コンデンサ電極) 6a 第1のコンデンサ電極 6b 第2のコンデンサ電極 3 ビア電極 8 ビア電極(第1導通型ビア電極) 8’ビア電極(第2導通型ビア電極) 8b 交差電極部 11 バックテープ(樹脂フィルム) 30 積層グリーン体 40 積層セラミックコンデンサ 311,312 金属粉末 317 第1種無機化合物粉末 316 第2種無機化合物粉末
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 学 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 5E082 AA01 AB03 CC03 EE04 FF05 FG26 FG46 JJ15 MM22 MM24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のベース部用セラミックグリーンシ
    ートと第2のベース部用セラミックグリーンシートとの
    間に、複数の積層用セラミックグリーンシートと配線パ
    ターン層とが交互に積層され、かつ、2以上の積層用セ
    ラミックグリーンシートの積層部を貫くように形成され
    たビアホール内に、積層された複数の配線パターン層の
    少なくとも1つと、焼成後において電気的に導通するこ
    ととなるビア電極を形成した積層グリーン体を作製する
    工程と、 その積層グリーン体を焼成する工程とを含み、 前記配線パターン層を形成する第2粉末は、金属粉末
    と、平均粒径が500nm以下の無機化合物粉末とを含
    有し、 さらに、前記ビア電極を形成する第1粉末は無機化合物
    粉末を含有しないか、又は前記第2粉末よりもその含有
    率が低くされたことを特徴とする積層セラミック電子部
    品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ビア電極の一部を、前記第1のベー
    ス部用セラミックグリーンシートと第2のベース部用セ
    ラミックグリーンシートとの少なくともいずれかの表面
    に形成されるフリップチップ型表面実装用端子に導通さ
    せ、前記積層セラミック電子部品を表面実装型部品とし
    て製造する請求項1記載の積層セラミック電子部品の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記配線パターン層が前記積層用セラミ
    ックグリーンシートを介して対向する第1及び第2のコ
    ンデンサ電極を含み、 前記ビア電極が、第1のコンデンサ電極と電気的に導通
    し第2のコンデンサ電極とは導通しない第1導通型ビア
    電極と、第2のコンデンサ電極と電気的に導通し第1の
    コンデンサ電極とは導通しない第2導通型ビア電極とを
    含み、 前記フリップチップ型表面実装用端子を、前記第1導通
    型ビア電極と第2導通型ビア電極とのいずれかに選択的
    に導通するものとして形成することにより、前記表面実
    装型部品を表面実装型積層セラミックコンデンサとして
    製造する請求項2記載の積層セラミック電子部品の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記無機化合物粉末は、前記セラミック
    グリーンシートを構成する前記誘電体セラミック粉末よ
    りも平均粒径の小さい請求項1ないし3のいずれか1項
    に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記無機化合物粉末は、酸化アルミニウ
    ム、二酸化珪素及び酸化チタンの少なくとも1種からな
    る第1無機化合物粒子と、前記誘電体セラミック層と同
    一材質からなる第2無機化合物粒子との少なくとも一方
    を含有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の積
    層セラミック電子部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第2種無機化合物粉末は、強誘電性
    ペロブスカイト型酸化物粉末を含有するものである請求
    項5記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102004016146A1 (de) * 2004-04-01 2005-10-27 Epcos Ag Elektrische Funktionseinheit
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CN114195523A (zh) * 2021-12-21 2022-03-18 河北中瓷电子科技股份有限公司 一种3D-sensor用黑色氮化铝陶瓷外壳及其制备方法

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