JP2003151853A - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品の製造方法

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JP2003151853A
JP2003151853A JP2001352079A JP2001352079A JP2003151853A JP 2003151853 A JP2003151853 A JP 2003151853A JP 2001352079 A JP2001352079 A JP 2001352079A JP 2001352079 A JP2001352079 A JP 2001352079A JP 2003151853 A JP2003151853 A JP 2003151853A
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ceramic green
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green sheet
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JP2001352079A
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Atsushi Otsuka
淳 大塚
Junichi Ito
淳一 伊藤
Manabu Sato
学 佐藤
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 セラミックグリーンシートの多層化及び薄型
化に拘わらず、反り等の不具合が生じにくい積層セラミ
ック電子部品を提供する。 【解決手段】 セラミックグリーンシート5,22に積
層形成する配線パターン層用の第二導電体粉末に500
nm以下の平均粒径を有する無機化合物粉末粒子CPを
含有させ、また、個々のセラミックグリーンシート5,
22に形成されたビアホール内に第1導電体粉末を充填
してからそれらの積層を行う。さらに、複数のセラミッ
クグリーンシート5を、各々2以上のセラミックグリー
ンシートからなる積層グリーンブロック体10,20に
分割する形で積層し、その後、それら積層グリーンブロ
ック体10,20を一体化して積層グリーン体を得るよ
うにして、各ブロック体における積層階層の工程履歴
(加圧回数・充填密度等)の不均一(アンバランス)を
減少させ、反り発生防止に寄与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば積層コン
デンサ、積層インダクタ、積層コンデンサ内蔵基板、積
層モジュール基板等として好適に使用される積層セラミ
ック電子部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような積層セラミック電子部品
(例えば積層セラミックコンデンサ)は、従来、セラミ
ックグリーンシートと配線パターン層とが交互に積層さ
れた積層グリーン体を作製し、この積層セラミックグリ
ーン体を同時焼成することにより製造している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、セラミック
グリーンシートと配線パターン層とを積層体の形で同時
焼成しようとした場合、その焼成温度は当然、セラミッ
クの焼成が十分に進行する温度域に設定される。他方、
配線パターン層は金属粉末により形成されるが、金属粉
末は通常、セラミックよりも低温域で焼成が開始する。
すなわち、積層体を焼成する際には、セラミックグリー
ンシートと配線パターン層との間で焼成温度域に差があ
るため、金属を主体とする配線パターン層の焼成が、セ
ラミックグリーンシートの焼成よりも常に先んじる傾向
にある。
【0004】配線パターン層は焼成が開始すると面内方
向に大きく収縮する。他方、セラミックグリーンシート
は焼成温度域に到達していないため、収縮は未だほとん
ど進行していない状態である。この収縮量の差により、
図19に示すように、未収縮のセラミックグリーンシー
ト5は配線パターン層6に引っ張られる形で反りを生じ
やすくなる。その結果、得られる部品の表面に凹凸や曲
がりなどの不具合が生じやすくなる問題がある。セラミ
ックグリーンシート5の焼成が進行すれば、このような
反りはある程度は減少するものの、ある程度の残留は避
けがたい。
【0005】また、別の問題として、従来の製造方法で
は、積層されるセラミックグリーンシート等の積層の初
期の階層では、終期の階層に比べて加圧される回数が多
く(終期の階層では加圧回数が少ない)、初期の階層で
は終期の階層より充填密度が高くなる傾向がある。この
ような積層の初期と終期の加圧回数(工程履歴)ひいて
は充填密度等の物性の不均衡により、焼成した際に積層
セラミック部品に反りが生じやすい状況となる。
【0006】今日、積層電子部品には、さらなる高性能
化、高集積化及び小型化(薄型化)が求められており、
シートの積層数増大と薄型化とが一層推し進められよう
としている。シートの積層数が多くなるほど、上記のよ
うな収縮不均一の影響を受けやすくなり、セラミックグ
リーンシートが薄くなることも加重されて、焼成後の積
層部品に反り等の不具合が出やすくなる。特に、配線部
として大面積の電極が形成される積層セラミックコンデ
ンサの場合は、この傾向が著しい。そして、このような
反りの発生を防ぐために、製造における個々の工程を高
精度に管理する必要があり、また焼成後における部品の
品質検査の負担、不合格品を排除することによる歩留ま
り低下等のために、製造コストの上昇を招きやすく、こ
のようなことがコストダウンを図る上での障害となる。
【0007】この発明は、高性能化・薄型化が求められ
る積層セラミック電子部品において、セラミックグリー
ンシートの多層化及び薄型化に拘わらず、反り等の不具
合が軽減し、品質の向上及びコストの低減を図ることを
直接の課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記の課
題を解決するために、本発明の積層セラミック電子部品
の製造方法の第1は、第1のベース部用セラミックグリ
ーンシートと第2のベース部用セラミックグリーンシー
トとの間に、複数の積層用セラミックグリーンシートと
配線パターン層とが交互に積層され、かつ、2以上の積
層用セラミックグリーンシートの積層部を貫くように形
成されたビアホール内に、積層された複数の配線パター
ン層の少なくとも1つと、焼成後において電気的に導通
することとなるビア電極を形成した積層グリーン体を作
製する工程と、その積層グリーン体を焼成する工程とを
含み、配線パターン層を形成する第2導電体粉末は、金
属粉末と、平均粒径が500nm以下の無機化合物粉末
とを含有し、ビア電極を形成する第1導電体粉末は無機
化合物粉末を含有しないか、又は第2導電体粉末よりも
その含有率が低くされ、積層グリーン体を作製する工程
において、最終的に積層グリーン体内に積層される複数
のセラミックグリーンシートを、各々2以上のセラミッ
クグリーンシートからなる積層グリーンブロック体に分
割する形で積層し、その後、それら積層グリーンブロッ
ク体を一体化して積層グリーン体を得るとともに、それ
ら積層グリーンブロック体の少なくとも1つのものを、
積層用セラミックグリーンシートに形成されたビアホー
ル内に第1導電体粉末を充填して充填済み積層用セラミ
ックグリーンシートとなした後、その充填済み積層用セ
ラミックグリーンシートを積層することにより形成する
ことを特徴とする。
【0009】また、同じく第2は、第1のベース部用セ
ラミックグリーンシートと第2のベース部用セラミック
グリーンシートとの間に、複数の積層用セラミックグリ
ーンシートと配線パターン層とが交互に積層され、か
つ、2以上の積層用セラミックグリーンシートの積層部
を貫くように形成されたビアホール内に、積層された複
数の配線パターン層の少なくとも1つと、焼成後におい
て電気的に導通することとなるビア電極を形成した積層
グリーン体を作製する工程と、その積層グリーン体を焼
成する工程とを含み、配線パターン層を形成する第2導
電体粉末は、金属粉末と、平均粒径が500nm以下の
無機化合物粉末とを含有し、ビア電極を形成する第1導
電体粉末は無機化合物粉末を含有しないか、又は第2導
電体粉末よりもその含有率が低くされ、積層グリーン体
を作製する工程において、最終的に積層グリーン体内に
積層される複数のセラミックグリーンシートを、各々2
以上のセラミックグリーンシートからなる積層グリーン
ブロック体に分割する形で積層し、その後、それら積層
グリーンブロック体を一体化して積層グリーン体を得る
とともに、それら積層グリーンブロック体の少なくとも
1つのものを、ビアホール内に第1導電体粉末を充填し
ない状態の積層用セラミックグリーンシートを積層する
工程と、その積層された積層用セラミックグリーンシー
トのビアホールへ第1導電体粉末を充填する工程とを交
互に繰り返して形成することを特徴とする。
【0010】本明細書では、「ビア電極」と「配線パタ
ーン層」の両名称(及びその下位概念)を、便宜的に焼
成前の状態と焼成後の状態の双方に共通に用いている。
また、本明細書において「主成分」とは、その成分の重
量含有率が、他の成分の重量含有率の合計よりも高くな
っているものをいい、「2以上の成分が主成分である」
とは、それら成分の合計が、他の成分の重量含有率の合
計よりも高くなっていることをいう。さらに、無機化合
物粒子の平均粒径は、組織断面の走査型電子顕微鏡観察
画像において観察される1次粒子の、粒子外形線に外接
する最小間隔の平行線距離d1と最大間隔の平行線距離
d2との相加平均値を粒径と定義したときの、その平均
値を意味するものとする。
【0011】上記本発明の方法においては、配線パター
ン層用の第2粉末が、例えば図20に示すように、金属
粉末等からなる導電性粉末粒子(以下、金属粉末で代表
させ、第2金属粉末という):310のみから構成され
ていると、セラミックに適合した焼成温度では、金属粉
末粒子間における拡散や粒子の溶融により収縮が急激に
進行し、図19に示すような反り等を招くことにつなが
る。しかしながら、図21に示すように、上記粒径の無
機化合物粉末粒子315を含有させると、該セラミック
グリーンシートを積層体となして焼成する際に、無機化
合物粉末粒子315が金属粉末粒子310間の拡散を阻
害し、また、無機化合物粉末粒子315が金属粉末粒子
310の空間的な占有を排除することも手伝って、配線
パターン層の焼成収縮を適度に遅らせることができる。
その結果、前記した反り等の発生を効果的に抑制するこ
とができる。また、上記の製法によれば、ビア電極は、
当該ビア電極により接続される配線パターン層間の誘電
体セラミック層内に位置する部分が少なくとも、無機化
合物粉末を含有しないか又は配線パターン層よりも無機
化合物粉末の含有率が低くなるように形成される。その
結果、ビア電極の導電性が大幅に向上する。
【0012】さらに、本発明においては、複数のセラミ
ックグリーンシートを、各々2以上のセラミックグリー
ンシートからなる積層グリーンブロック体に分割して積
層し、その後、それら積層グリーンブロック体を一体化
して積層グリーン体を得る。このように、セラミックグ
リーンシートを一括積層して積層グリーン体を形成する
のではなく、上記のように積層グリーンブロック体に分
割して形成した後、これを一体化する手法を採用するこ
とにより、各ブロック体における積層階層の工程履歴
(加圧回数・充填密度等)の不均一(アンバランス)は
減少する。その結果、最終製品の反り等を生じにくく
し、品質を高めるとともに、工程管理の容易化及び製品
の歩留まりを向上させ、全体として製造コストの低減を
図ることができる。
【0013】そして、上記積層グリーンブロック体の少
なくとも1つのものを作製する際に、本発明の第1の方
法においては、個々の積層用セラミックグリーンシート
に形成されたビアホール内に第1導電体粉末を充填して
からそれらの積層を行う。また、第2の方法において
は、ビアホール内に第1導電体粉末を充填しない状態の
積層用セラミックグリーンシートを積層する工程と、そ
の積層された積層用セラミックグリーンシートのビアホ
ールへの第1導電体粉末の充填とを交互に繰り返す。い
ずれの場合も、積層用セラミックグリーンシートの各ビ
アホール内の第1導電体粉末の充填密度を高めることが
できる。その結果、焼成後に得られるビア電極が高密度
化し、ビア電極の導電性を高めることに寄与する。この
手法は、全体工程の効率等を考慮して、一部の積層グリ
ーンブロック体にのみ上記手法を適用することも可能で
あるが、積層グリーンブロック体の全てのものに適用さ
れた場合に、ビアホール内の第1導電体粉末の充填密度
を高める効果が最大化される。
【0014】この場合、充填済み積層用セラミックグリ
ーンシートの積層体を積層方向に加圧することが、セラ
ミックグリーンシートの圧着状態を高め、欠陥の少ない
焼成体を得るうえで望ましい。該加圧は、全ての充填済
み積層用セラミックグリーンシートを積層した後に行っ
てもよいが、充填済み積層用セラミックグリーンシート
を1層積層する毎に、その積層された充填済み積層用セ
ラミックグリーンシートを積層方向に加圧すれば、セラ
ミックグリーンシートの圧着状態をより高めることがで
きる。
【0015】本発明においては、具体的には、ビア電極
の一部を、第1のベース部用セラミックグリーンシート
と第2のベース部用セラミックグリーンシートとの少な
くともいずれかの表面に形成されるフリップチップ型表
面実装用端子に導通させ、積層セラミック電子部品を表
面実装型部品として製造することができる。電子機器、
特に携帯電話や通信用基板等の通信機器は、近年小型化
への志向が特に著しく、基板上の実装スペースを節約で
き、かつ部品載置後にはんだリフロー処理するだけで実
装が可能な、フリップチップ型表面実装型部品の採用が
急速に進んでいる。小型のフリップチップ型表面実装型
部品の場合、わずかな部品の反りや凹凸なども、形成さ
れるフリップチップ型表面実装用端子のコプラナリティ
ーなど、端子の接合精度を支配する因子に大きく影響
し、不良に直結する問題がある。そこで本発明の製造法
を適用することにより、こうしたフリップチップ型表面
実装型部品の反り等を効果的に軽減することができ、ひ
いては、小型化を推し進めた場合においても不良率を大
幅に減ずることができ、歩留まり向上に寄与する。ま
た、コンデンサ電極を接続するビア電極は、前記した通
り誘電体セラミック層内に位置する部分が少なくとも、
無機化合物粉末を含有しないか又は配線パターン層より
も無機化合物粉末の含有率が低くなるように形成される
ので、その導電性が大幅に向上し、コンデンサの寄生イ
ンダクタンスを軽減する上でも有利となる。該効果は、
高周波用(例えば周波数1GHz以上)のコンデンサに
本発明を適用した場合に、特に顕著である。
【0016】例えば、表面実装型部品は、以下のように
して表面実装型積層セラミックコンデンサとして製造す
ることができる。すなわち、配線パターン層が積層用セ
ラミックグリーンシートを介して対向する第1及び第2
のコンデンサ電極を含み、ビア電極が、第1のコンデン
サ電極と電気的に導通し第2のコンデンサ電極とは導通
しない第1導通型ビア電極と、第2のコンデンサ電極と
電気的に導通し第1のコンデンサ電極とは導通しない第
2導通型ビア電極とを含むものとして形成する。そし
て、フリップチップ型表面実装用端子を、第1導通型ビ
ア電極と第2導通型ビア電極とのいずれかに選択的に導
通するものとして形成する。積層セラミックコンデンサ
は配線パターン層をなすコンデンサ電極が比較的大面積
であり、しかも層厚方向に多数のコンデンサ電極が積層
配置されるので、個々のコンデンサ電極層の焼成収縮時
に生ずる反り等が累積しやすく、前記不具合がより生じ
やすい。従って、本発明適用による波及効果が特に大き
い。
【0017】配線パターン層の形成に使用される第2粉
末は、含有される金属粉末(以下、第2金属粉末とい
う)の平均粒径を0.1〜3μmとすることが望まし
い。これにより、第2粉末に配合する無機化合物粉末、
すなわち焼成後の配線パターン層中の無機化合物粒子の
平均粒径を500nm以下とすることとも相俟って、無
機化合物粉末による金属粉末の焼成収縮抑制効果を、層
全体にわたって均一に発現させることができ、ひいては
反り等の発生をより効果的に抑制することができるよう
になる。無機化合物粉末の平均粒径を500nm以下と
しているのは、上記反り等の不具合を効果的に防止する
ための無機化合物粉末による金属粉末粒子の焼成収縮抑
制が効果的に得られるためである。無機化合物粉末の平
均粒径が500nmを超えると、無機化合物粉末の粒子
数が少ないため焼成収縮抑制効果の発現が損なわれ、反
り防止効果を十分に達成できなくなる。また、第2金属
粉末より大きくては均質な分散性が得られないため、同
様に十分な焼成収縮抑制効果が得られない。一方、無機
化合物粉末の平均粒径の下限値については特に制限はな
いが、極度に粒径の小さい粉末は凝集を起こしやすく、
均一分散を図る上での限界が存在することがあり、また
価格の高騰も招きやすい。これらのことを考慮して、無
機化合物粉末の平均粒径は、例えば5nm程度を下限値
の目安として設定することが望ましい。
【0018】第2金属粉末の平均粒径を0.1〜3μm
としているのは、厚さ数μm以下の薄い配線パターン層
でも均一に形成できるようにするためである。第2金属
粉末の平均粒径が3μmを超えると表面粗さが悪化し、
細線部での抵抗の増大や高周波領域での表皮効果による
インピーダンス増大(ひいては高周波信号の伝送損失の
増大)、さらには導通不良をもたらし、また、薄いセラ
ミック層では耐電圧等の低下や最悪の場合、貫通による
ショート不良が生じる。平均粒径を0.1μm以下とす
ると焼成収縮量が増大するだけでなく、ハンドリング性
の悪さや価格的なデメリットも生じる。
【0019】第2粉末に含有される無機化合物粉末は、
平均粒径が望ましくは100nm以下、さらに望ましく
は平均粒径が50nm以下であることが、配線パターン
層の収縮抑制効果を均一に発現させ、反り等の不具合を
防止する上でより好都合である。また、第2粉末に含有
される無機化合物粉末は、第2粉末中の配合比率を、例
えば0.5〜30質量%に調整することが望ましい。該
配合比率が0.5質量%未満では配線パターン層の収縮
抑制効果が十分でなくなり、30質量%を超えると得ら
れる配線パターン層の導電率が十分に確保できなくなる
問題を生ずる。
【0020】次に、ビア電極を形成する第1粉末中の導
電性粉末(以下、金属粉末で代表させ、第1金属粉末と
いう)の平均粒径を2〜20μmとやや大きくするの
は、ビアホール内への充填率を高め、緻密で導電率の高
いビア電極を形成しやすくするためである。第1金属粉
末の平均粒径が2μm未満ではビア電極内の粉末充填密
度が不足して、緻密なビア電極が得られなくなったり、
過度の収縮によりビア電極がビアホール内周面から剥離
したりする不具合につながる。他方、第1金属粉末の平
均粒径が20μmを超えると焼結性が損なわれ、緻密な
ビア電極が得られなくなる不具合につながる。第1金属
粉末の平均粒径は、より望ましくは5〜10μmの範囲
で調整するのがよい。
【0021】なお、ビア電極は、配線パターン層ほどに
は焼成収縮のタイミングの不整合は問題となりにくいた
め、焼成収縮制御を配線パターン層ほどには考慮する必
要がない。そのため、なるべく高い導電率を得ることが
できるようにするために、用いる第1粉末は第2粉末よ
りも無機化合物粉末の含有率が低くされたものとする
か、又は無機化合物粉末を含有しないのがよい。
【0022】セラミックグリーンシートを構成する誘電
体セラミックスの好例としては、アルミナ含有量を98
%以上としたアルミナ質セラミックス、ムライト質セラ
ミックス、窒化アルミニウムセラミックス、窒化珪素セ
ラミックス、炭化珪素セラミックスおよびガラスセラミ
ックス等、高周波領域においても誘電損失が小さい材質
が本発明に好適に使用される。特に、低抵抗で高周波で
の信号の損失の少ないCu,Ag等の低融点金属を導体
層に使用できる点において、ガラスとガラス以外のセラ
ミックフィラーとの複合材料(以下、これをガラスセラ
ミックという)を使用することが望ましい。また、高周
波における誘電体損失が少ないという点において、高純
度アルミナ質セラミックスを使用することが望ましい。
また、他の誘電体セラミック層の材質としては、強誘電
性ペロブスカイト型酸化物を使用できる。これは、AT
iO(A:アルカリ土類金属元素)の化学式で表さ
れ、Aのサイトを、アルカリ土類金属元素であるBaま
たは、Baと、Mg、Ca、Srのうち1種もしくは2
種以上とより構成したもの、さらには、上記ATiO
のTiサイトの一部をZrもしくはHfで置換したも
の、または、PbTiO もしくは、PbTiOとP
bZrOとの固溶体であるPZT、もしくは、KNb
などを挙げることができる。このような強誘電体酸
化物としては、構成元素が少ないほど組成比が安定した
状態で充填層に分散形成され、結果として安定した結晶
形成、ひいては上記した誘電率向上の機能がさらに高め
られると考えられる。さらに、室温付近における誘電率
および環境性を考慮すれば、特にBaTiOが好適で
ある。
【0023】配線パターン層及びビア電極を形成するた
めの金属粉末の上記材質は、セラミックスとの同時焼結
性を考慮して選定する必要があり、特に前記したセラミ
ックスとの同時焼結性を考慮する場合は、Ag、Au、
Ni、Cu、Pt及びPdから選ばれる1種又は2種以
上を主成分とするものを使用することが望ましい。
【0024】次に、第2粉末に含有される第1無機化合
物粉末としては、酸化アルミニウム、二酸化珪素及び酸
化チタンの少なくとも1種からなるものを特に好適に使
用することができる。
【0025】一方、第2粉末中に配合する無機化合物粉
末は、セラミックグリーンシートを構成する誘電体セラ
ミック粉末からなる第2無機化合物粉末を含有させるこ
とができる。このような第2無機化合物の使用により、
焼成後の誘電体セラミック層と配線パターン層との線膨
張係数を近づけることができ、特に焼成後に冷却する際
の、誘電体セラミック層と配線パターン層との層間剥離
等を抑制する効果も合わせて得られる。例えば、誘電体
セラミックが強誘電性ペロブスカイト型酸化物を含有す
るものである場合、第2無機化合物粉末を、強誘電性ペ
ロブスカイト型酸化物粉末を含有するものとすること
で、上記の効果をより顕著なものとすることができる。
【0026】無機化合物粉末は、酸化アルミニウム、二
酸化珪素及び酸化チタンの少なくとも1種からなる第1
無機化合物粉末と、セラミックグリーンシートを構成す
るセラミック粉末である第2無機化合物粉末とのうち、
少なくとも一方を含むものとして構成すればよく、両者
を単独で用いることもできるし、両者を配合して用いる
こともできる。第1無機化合物粉末は、第2無機化合物
粉末よりも平均粒径が小さいものを使用することができ
る。第2無機化合物粉末は上記の通りセラミックグリー
ンシートを構成する誘電体セラミック粉末を使用するの
で、セラミックグリーンシートの生産性を考慮して平均
粒径の下限値をそれほど小さくすることができない。し
かしながら、第1無機化合物粉末にはそのような制限が
なく、第2無機化合物粉末よりも粒径の小さなものを使
用することで、配線パターン層中への分散効果、ひいて
は前記の焼成収縮抑制効果を一層高めることができる。
【0027】次に、上記のセラミックグリーンシート
は、第1主表面に配線パターン層が形成され、該第1主
表面と対向して位置する第2主表面が剥離可能な樹脂フ
ィルムにて覆われてなるものとすることができる。
【0028】上記のような樹脂フィルムは、樹脂フィル
ムは、セラミックグリーンシートを形成する際に用いた
キャリアフィルム(例えばドクターブレード法にて形成
する際のキャリアフィルム)を流用することで、樹脂フ
ィルム付セラミックグリーンシートを簡単に製造でき
る。この場合、ビアホールは、セラミックグリーンシー
トを樹脂フィルムとともに貫通する形態で形成すればよ
り能率的である。
【0029】特に薄いセラミックグリーンシートを用い
る場合、樹脂フィルムをセラミックグリーンシートより
も厚く形成しておくと、セラミックグリーンシートのハ
ンドリング性改善効果がより顕著である。一例として、
セラミックグリーンシートの厚さが1〜25μmの場
合、樹脂フィルムの厚さは15〜80μmに調整するこ
とが望ましい。樹脂フィルムの厚さが15μm未満では
樹脂フィルム付セラミックグリーンシートのハンドリン
グ性改善効果が不十分となり、80μmを超える厚さで
はハンドリング性改善効果が飽和して素材の無駄が多く
なるほか、樹脂フィルムの剛性が高くなり、セラミック
グリーンシートから剥がしとる際にセラミックグリーン
シートの一部が樹脂フィルムに付着した形で抉り取られ
たりする不具合を生ずる場合がある。樹脂フィルムの厚
さは、より望ましくは20〜50μmの範囲で調整する
のがよい。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を、
図面に示す実施例を参照して説明する。図12は、本発
明の適用対象となる積層セラミック電子部品の一実施例
たる表面実装型積層セラミックコンデンサ(以下、単に
コンデンサともいう)40の断面構造を示すものであ
る。該コンデンサ40は、誘電体セラミック層5と配線
パターン層6とが交互に積層されるとともに、誘電体セ
ラミック層5を隔てて対向する配線パターン層6が、誘
電体セラミック層5を貫くビア電極58,58’により
電気的に接続された構造を有する。配線パターン層6
は、誘電体セラミック層5を介して対向する第1及び第
2のコンデンサ電極6a,6bを含み、ビア電極58,
58’が、第1のコンデンサ電極6aと電気的に導通し
第2のコンデンサ電極6bとは導通しない第1導通型ビ
ア電極58と、第2のコンデンサ電極6bと電気的に導
通し第1のコンデンサ電極6aとは導通しない第2導通
型ビア電極58’とを含む。そして、第1導通型ビア電
極58と第2導通型ビア電極58’とには、それぞれこ
れらに選択的に導通するフリップチップ型の表面実装端
子31が、コンデンサ40の片側の主表面に形成され、
それぞれ表面実装用の金属バンプ32が設けられてい
る。
【0031】ビア電極58,58’と配線パターン層6
はいずれもAg、AgPt、AgPd、Au、Ni及び
Cuからなる金属にて構成される。配線パターン層6
は、図15〜図17に示すように、平均粒径が500n
m以下(望ましくは100nm以下、さらに望ましくは
50nm以下)の無機化合物粒子317あるいは316
が、上記金属からなる金属相313中に分散した組織を
有する。他方、図12において、ビア電極58,58’
の、当該ビア電極58,58’により接続される配線パ
ターン層6間の誘電体セラミック層5内に位置する部分
(以下、主要部ともいう)8aは、無機化合物粒子を含
有しない金属相のみからなる組織を有する。配線パター
ン層6が、平均粒径が500nm以下の無機化合物粒子
が金属相中に分散した組織を有することにより、反り等
の不具合が軽減された高品質の表面実装型積層セラミッ
クコンデンサ40が実現される。他方、ビア電極58,
58’は、無機化合物粉末を含有しないものとして形成
されるので、導電性が大幅に向上し、ひいてはコンデン
サ40の寄生インダクタンス軽減に有効である。
【0032】以下、本発明による上記コンデンサ40の
製造工程の一例について説明する。コンデンサ40はセ
ラミックグリーンシートを用いて製造される。該セラミ
ックグリーンシートは、以下のようなドクターブレード
法により製造することができる。まず、誘電体セラミッ
クからなる原料セラミック粉末(例えば、ガラスセラミ
ック粉末の場合、ホウケイ酸ガラス粉末とBaTiO
等のセラミックフィラー粉末との混合粉末:平均粒径は
0.3〜1μm程度)に溶剤(アセトン、メチルエチル
ケトン、ジアセトン、メチルイソブチルケトン、ベンゼ
ン、ブロムクロロメタン、エタノール、ブタノール、プ
ロパノール、トルエン、キシレンなど)、結合剤(アク
リル系樹脂(例えば、ポリアクリル酸エステル、ポリメ
チルメタクリレート)、セルロースアセテートブチレー
ト、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ブチラールなど)、可塑剤(ブチルベンジルフタレー
ト、ジブチルフタレート、ジメチルフタレート、フタル
酸エステル、ポリエチレングリコール誘導体、トリクレ
ゾールホスフェートなど)、解膠剤(脂肪酸(グリセリ
ントリオレートなど)、界面活性剤(ベンゼンスルホン
酸など)、湿潤剤(アルキルアリルポリエーテルアルコ
ール、ポチエチレングリコールエチルエーテル、ニチル
フェニルグリコール、ポリオキシエチレンエステルな
ど)などの添加剤を配合して混練し、スラリーを作る。
【0033】図4に示すように、容器301の開放底
を、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルムから
なるキャリアフィルム302にて塞ぎ、容器301内に
上記のスラリー303を充填する。キャリアフィルム3
02は、容器301に対し面内長手方向に所定速度で送
出可能とされる一方、容器301の該送出方向前方側の
側壁部にはドクターブレード304が配置され、その下
縁と、キャリアフィルム302との間には一定量の隙間
305が形成されている。この状態でキャリアフィルム
302の送出を開始すると、キャリアフィルム302上
にはドクターブレード304により隙間305に対応し
た厚さに擦り切られる形で、スラリー塗布層306が形
成される。そして、その送出方向下流側には乾燥チャン
バ307が配置され、キャリアフィルム302上のスラ
リー塗布層306は、このチャンバ307内に流通され
る温風308に暴露されることにより溶媒が蒸発し、セ
ラミックグリーンシート309となる。この工程からも
明らかな通り、セラミックグリーンシート309は、片
側の主表面にキャリアフィルム302が一体化された連
続ストリップ形態で得られ、適当な寸法に切断されて、
積層電子部品の製造に供される。
【0034】なお、本実施形態では、セラミックグリー
ンシート309の厚さが3〜25μmとされ、キャリア
フィルム302(樹脂フィルム)の厚さは30〜50μ
mとされている。
【0035】次に、ビア電極形成用の第1粉末の印刷用
ペースト(以下、ビア電極用ペーストという)を調製す
る。図18に示すように、使用する金属粉末312は、
例えばAg、AgPt、AgPd、Au、Ni及びCu
のいずれかにより構成され、平均粒径が2〜20μmの
範囲で調整されたものである。この金属粉末312に、
ブチルカルビトール等の有機溶剤を、適度な粘度が得ら
れるように配合・調整することによりビア電極用ペース
トが得られる。本実施形態ではAg、AgPd、AgP
tを用いた。
【0036】他方、配線パターン層形成用の第2粉末の
印刷用ペースト(以下、配線パターン層用ペーストとい
う)を調製する。図15〜図17に示すように、使用す
る金属粉末311は、例えば金属粉末312と材質は同
じであるが、平均粒径が0.1〜3μmと小さく調整さ
れたものである。この金属粉末311に、平均粒径50
0nm以下(望ましくは100nm以下、さらに望まし
くは50nm以下)の無機化合物粉末を0.5〜30重
量%の範囲にて配合し、さらに、エチルセルロース等の
有機バインダと、ブチルカルビトール等の有機溶剤を、
適度な粘度が得られるように配合・調整することにより
配線パターン層形成用が得られる。
【0037】無機化合物粉末は、図15に示すように、
セラミックグリーンシート309の原料セラミック粉末
を第2種無機化合物粉末316として使用してもよい
し、図16に示すように、第2種無機化合物粉末316
とともに、酸化アルミニウム(Al)、二酸化珪
素(SiO)及び酸化チタン(TiO)の少なくと
も1種からなる第1種無機化合物粉末(平均粒径100
nm以下、望ましくは50nm以下)317を配合して
使用してもよい。さらに、図17に示すように、第1種
無機化合物粉末317を単独で使用してもよい。これら
の無機化合物粉末は、いずれも焼成時において金属粉末
311が収縮して配線パターン層の金属マトリックス3
13となる際に、その焼成収縮を抑制する働きをなす。
この焼成抑制効果に特に優れるのは、第1種無機化合物
粉末317を単独で使用した図17の態様、及び第2種
無機化合物粉末316と配合して使用する図16の態様
である。
【0038】上記セラミックグリーンシート309及び
金属ペーストを用い、コンデンサ40は以下のようにし
て製造することができる(以下、説明を容易にするた
め、焼成前の各部の符号及び名称を、焼成後のコンデン
サ40の各部の符号ないし名称にて代用する)。図1の
工程(a)〜(h)において、左側に記載した工程
(a)〜(ci)が第1の積層グリーンブロック体10
を得るための工程、右側に記載した工程(ei)が第2
の積層グリーンブロック体20を得るための工程、工程
(g)が第1及び第2の積層グリーンブロック体10及
び20を圧着して、ひとつの積層グリーン体30とする
工程を示し、工程(h)は最終的に積層グリーン体30
に金属バンプ32等を形成する工程を示している。
【0039】まず、図1を参照しつつ各工程の概要を説
明し、次に図2以降を参照して各工程をさらに詳しく説
明する。工程(a)では、第1のベース部用セラミック
グリーンシート1の所定の位置に第1のビアホール2を
穿設し、次に工程(b)で第1のビアホール2に導電性
ペースト等の導電物を充填して第1のビア電極3を形成
する。さらに工程(ci)で、第1のビア電極3を形成
した第1のベース部用セラミックグリーンシート1上
に、積層用の別のセラミックグリーンシートであって、
所定の位置に形成されたビアホール4に導電ペーストを
充填したビア電極8を形成した、積層用セラミックグリ
ーンシート5と内部電極6(以下、第1及び第2のコン
デンサ電極6a,6bを総称する名称として使用する)
とをそれぞれ所定数より少ない数で交互に積層して、第
1の積層グリーンブロック体10とする。ここで、積層
グリーン体30の積層数Nを所定数とすれば、第1の積
層クリーンブロック体10の積層数はその半分に相当す
るN/2とすることが推奨されるが、必ずしも半分に限
定されるものではない。
【0040】一方、別の並列的な工程(ei)で、第2
のベース部用セラミックグリーンシート21上に、積層
用の別のセラミックグリーンシートであって、所定の位
置に形成されたビアホール23に導電ペーストを充填し
たビア電極25を形成した積層用セラミックグリーンシ
ート22と内部電極(後述)とをそれぞれ所定数より少
ない数で交互に積層して、第2の積層グリーンブロック
体20を形成する。ここでも、第2の積層グリーンブロ
ック体20の積層数(所定数)は、最終的な全体の積層
数をNとすれば、N/2が好適と言えるが、必ずしもこ
れに限られるものではない。言い換えれば、第1の積層
グリーンブロック体10の積層数n1=第2の積層グリ
ーンブロック体20の積層数n2=N/2が代表例であ
り、n1+n2=Nと言えるが、工程上又は設計上の事情
等より、双方の積層グリーンブロック体10及び20に
おける積層数が異なる場合、つまりn1>n2、又はn1
<n2の場合もあり得る。
【0041】工程(g)では、第1の積層グリーンブロ
ック体10と第2の積層グリーンブロック体20とを、
それぞれのベース部となるセラミックグリーンシート1
及び21とは反対側の積層部面同士を互いに向かい合わ
せて圧着して、最終的に必要とする所定数Nのセラミッ
クグリーンシート5及び22(これにベース部用のグリ
ーンシート1及び21が加わる)と所定数の内部電極と
を交互に積層してなる積層グリーン体30を作製する。
【0042】その後、第1の積層グリーンブロック体1
0の、第2の積層グリーンブロック体20とは反対側
(最も遠い側)のシート面に露出した第1のビア電極3
の上に実装パッド31が形成され、さらに積層グリーン
体30の焼成後にパッド31上に金属バンプ32を形成
する。
【0043】図2は、図1の工程(a)をより詳しく示
す図である。図14の方法により得られたセラミックグ
リーンシート309を、キャリアフィルム302ごと所
定長に切断する。切断されたキャリアフィルム302は
バックテープ11となり、図2の(1)に示すセラミッ
クグリーンシート1が得られる。このセラミックグリー
ンシート1は、別の電極ラミネート(積層)用の複数の
セラミックグリーンシートを積層しやすくする第1のベ
ース部となるもので、積層用のセラミックグリーンシー
ト以上の厚みを有する(例えば2〜10倍程度の厚み)
ものとされ、ベース部として一定の強度・剛性が確保さ
れる。次に(2)に示すように、そのバックテープ付の
ベース部用セラミックグリーンシート1に、金型、数値
制御のパンチング手段あるいはレーザ孔開け装置等のビ
ア形成手段により、所定のパターンで複数の第1のビア
ホール2を形成する。
【0044】さらに(3)で、その第1のビアホール2
にビア電極用ペーストを、例えば穴埋め印刷により充填
して固化させることにより、第1のビア電極(ビア導
体)3を形成する。
【0045】また、図3の(1)に示すように、積層用
セラミックグリーンシート5を用意する。これは上述と
同様のバックテープ11に、上述と同様なセラミックス
ラリーを、ベース用のシートより薄く塗布後に乾燥し
て、薄い積層用のセラミックグリーンシート5とする。
さらに図3の(2)に示すように、上述のようなビア形
成手段により積層用のセラミックグリーンシート5の所
定の位置に第2のビアホール4を形成する。次に(3)
に示すように、そのビアホール4が開けられたセラミッ
クグリーンシート5のバックテープ11とは反対側のシ
ート面に配線パターン層用ペーストを、例えばスクリー
ン印刷により所定のパターンで塗布することにより所定
パターンの内部電極6(第1のコンデンサ電極6a)を
形成する。そして、(4)に示すように、第2のビアホ
ール4にビア電極用ペーストを、例えば穴埋め印刷によ
り充填することにより、第2のビア電極(ビア導体)8
を形成して充填済み積層用セラミックグリーンシートと
する。
【0046】また、別の積層用セラミックグリーンシー
ト5に、同様に(5)に示すように、(4)とは別の配
置パターンで内部電極6(第1のコンデンサ電極6b)
を形成し、(6)に示すように、ビアホール4をビア電
極用ペーストで埋めてビア電極8を形成することにより
充填済み積層用セラミックグリーンシートとする。つま
り、シートに対する第1の配置パターンで内部電極6を
保持するビア電極付の第1のセラミックグリーンシート
(図3の(4))と、シートに対する第2の配置パター
ンで内部電極6を保持する、ビア電極付の第2のセラミ
ックグリーンシート(図3の(6))とを作製する。こ
れら2種類のものを交互に重ねることにより、セラミッ
クグリーンシート5と内部電極6とを交互に積層するこ
とができる。ここで、セラミックグリーンシートは内部
電極6の間に介在すべき誘電体としての機能と、2種類
の内部電極6(つまり、第1及び第2のコンデンサ電極
6)をその種類毎に区別して保持(担持)する保持体な
いし担持体の役割を果たす。
【0047】そして、図4のように、第2のビア電極8
が形成されるとともにバックテープ11とは反対側のシ
ート面にそれぞれ内部電極6が形成された積層用セラミ
ックグリーンシート5を、第1のベース部用セラミック
グリーンシート1上に例えば〜のように複数枚積層
する。より詳しくは、第1のベース部用セラミックグリ
ーンシート1のバックテープ11とは反対側のシート面
に、積層用セラミックグリーンシート5の片面に形成さ
れた内部電極6が対面するように、セラミックグリーン
シート5を圧着する()。次にその圧着されたセラミ
ックグリーンシート5のバックテープ11を剥がした
後、その剥がした後のシート面に次のセラミックグリー
ンシート5を、自身の片面に形成された内部電極6が対
面するようにして圧着する()。
【0048】以下同様にして、〜のセラミックグリ
ーンシート5を、バックテープ11を順次剥がしつつ、
各内部電極6を交互に挟み込んでラミネートするように
順次圧着していき、予定された積層数に達することによ
り、第1の積層グリーンブロック体10を得る。ここ
で、このように積層された複数のセラミックグリーンシ
ート5の各ビア電極8(ビア電極形成用導電部とも言え
る)は、第1の積層グリーンブロック体10の厚さ方向
(積層方向)にお互いに連結して適数本の連結(集合)
ビア電極を構成し、さらにこれらのビア電極8が、第1
のベース部となるセラミックグリーンシートのビア電極
3とも電気的に接続されて、第1の積層グリーンブロッ
ク体10の積層方向に貫通して両端面に露出する適数の
ブロック体ビア電極となり、これらは通常2グループ
(正極・負極;一方が第1導通型、他方が第2導通型で
ある)に分けることができる。
【0049】なお、第1の積層グリーンブロック体10
において第1のベース部用セラミックグリーンシート1
のバックテープ11は、後に予定されている第2の積層
グリーンブロック体との合体等の工程を容易にするため
に、剥がされることなくシート1と一体の状態にある。
また、第1の積層グリーンブロック体10のそのバック
テープ11とは反対側の積層部面は、バックテープが剥
がされた露出シート面であり、この面に内部電極は存在
しない。
【0050】一方、第2の積層グリーンブロック体20
を作製するために、図6に示すように厚手の第2のベー
ス部用セラミックグリーンシート21を、セラミックス
ラリーをドクターブレード法等によりバックテープ11
に厚めに塗布して形成する。この第2のベース部用セラ
ミックグリーンシート21にはビアホールが形成され
ず、孔なしのシートとなる。
【0051】また、図7(1)に示すように、図3の場
合と同様にして、バックテープ11にセラミックスラリ
ーをドクターブレード法等により薄目に塗布して、積層
用セラミックグリーンシート22を作製し、(2)のよ
うにそのシート22に第3のビアホール23を形成し、
(3)にて内部電極26の所定の配線パターンをシート
22上に導電ペーストを用いたスクリーン印刷等により
形成する。そして、第3のビアホール23を埋めるよう
に、(4)で前述のような導電ペーストを例えば穴埋め
印刷等により充填して固化させることにより、第3のビ
ア電極(ビア導体)25を形成する。また、同様に
(5)〜(6)に示すように、別の積層用セラミックグ
リーンシート5に、(3)とは別の配置パターンで内部
電極6を形成するとともに、ビアホール23を導電ペー
ストで埋めて第3のビア電極25を形成する。なお、図
3と図7のセラミックグリーンシート5及び22、ビア
ホール4及び23、内部電極6及び26並びにビア電極
8及び25等は、互いに同様のものであり、符号を異な
らせてあるのは説明を明解にするためである。
【0052】なお、図7において、内部電極26とビア
電極25とは、別々に形成するのではなく、これらを同
一工程で形成することもできる。例えば、ビアホール2
3に充填する導電ペーストを、ビアホール23のみなら
ず内部電極26の形成領域にも印刷処理して、ビア電極
25の形成時に内部電極26も同時に形成することが可
能である。このことは、図3の内部電極6とビア電極8
とについても当てはまり、事情は全く同じである。
【0053】そして、図8に示すように、孔なしの第2
のベース部用セラミックグリーンシート21上に、ビア
電極25をそれぞれ有する複数枚の積層用セラミックグ
リーンシート22を例えば〜のように、バックテー
プ11を剥がして、順次重ね合わせて圧着する。これは
図4の工程と同様であり、各層の内部電極26はでは
第2のベース部用セラミックグリーンシート21のシー
ト面に、〜ではバックテープ11を剥がした後の1
段下層のシート面に圧着され、各内部電極26がそれら
の積層されたセラミックグリーンシート22にサンドイ
ッチ状に挟まれる。その結果、図9のような第2の積層
グリーンブロック体20を得る。
【0054】ここで、このように積層された複数のセラ
ミックグリーンシート22の各ビア電極25(ビア電極
形成用導電部とも言える)は、第2の積層グリーンブロ
ック体20の厚さ方向(積層方向)にお互いに連結して
適数本の連結(集合)ビア電極を構成し(通常2グルー
プ(正極・負極;一方が第1導通型、他方が第2導通型
である)に分けることができる)、これらの連結ビア電
極25は、その一端が第2のベース部用セラミックグリ
ーンシート21で絶縁され、他端はそのセラミックグリ
ーンシート21とは反対側の積層部面に露出する。この
第2の積層グリーンブロック体20において積層部面に
露出する連結ビア電極25と、第1の積層グリーンブロ
ック体10の積層部面に露出する第1の連結ビア電極8
とは互いに対応する位置にあり、両ブロック体10、2
0の圧着によりこれら第1・第2の連結ビア電極8及び
25が電気的に接続されて、最終的なビア電極58,5
8’となる。なお、この積層グリーンブロック体20の
ベース部としてのセラミックグリーンシート21にもバ
ックテープ11が残され、またそのバックテープ11と
は反対側の積層部シート面は、バックテープ11が剥が
された、内部電極26を有しない露出シート面である。
この点、第1の積層グリーンブロック体10と同様であ
る(図5参照)。
【0055】このように、互いに分割形態で形成された
第1及び第2の積層グリーンブロック体10及び20
を、図10のように合体させて、最終的に所定数(この
例では6層+6層=12)のセラミックグリーンシート
5及び22と内部電極6及び26とが交互に積層された
積層グリーン体30を得る。つまり、第1の積層グリー
ンブロック体10のベース部としてのセラミックグリー
ンシート1とは反対側の積層部シート面(前述のバック
テープ11が剥がされた露出シート面)と、第2の積層
グリーンブロック体20のベース部としてのセラミック
グリーンシート21とは反対側の積層部シート面(上述
のバックテープ11が剥がされた露出シート面)とが互
いに圧着される。第1及び第2の積層グリーンブロック
体10及び20でそれぞれ積層される複数のセラミック
グリーンシート5又は22の圧着を仮圧着とすれば、こ
れら第1及び第2の積層グリーンブロック体10及び2
0同士の圧着は本圧着とも言える。これらの各圧着面に
はいずれも内部電極6及び26が形成されていないた
め、平坦なシート面同士でそれほど大きな加圧力を要さ
ず信頼性高く圧着される。
【0056】なお、圧着面に内部電極が形成されるよう
にしてもよく、その場合は第1又は第2の積層グリーン
ブロック体10又は20のバックテープ11を剥がした
シート面に、導電ペーストをスクリーン印刷等の適宜の
塗布ないし付着手法で形成し、その後第1及び第2の積
層グリーンブロック体10及び20を、その内部電極を
挟み込むように圧着することにより、内部電極が1層分
増える。そのためコンデンサの容量増大に寄与するが、
一方のシート面と他方の内部電極(シート面から盛り上
がって形成される)との隙間を消滅させるに充分な加圧
力が必要となり、また圧着性を高めるために圧着面に事
前処理(加圧面押しによる配線層形成面の平坦化等)等
する場合もあって、工程コストや最終製品の反り解消等
の点では必ずしも有利とは言えない。
【0057】これに対し、内部電極が形成されていない
露出シート面同士を圧着するのであれば、コンデンサ容
量は内部電極が1層分減少することで多少低下するもの
の、圧着させやすいから、加圧力は小さくて済み、また
圧着性を上げるための圧着面に対する事前処理の省略も
可能となり、工程コストの低減、圧着の信頼性の向上、
最終製品の反りの抑制等の利点がある。
【0058】このような圧着で積層グリーン体30が得
られ、さらに図11に示すように、第1の積層グリーン
ブロック体10側のバックテープ11を剥がして、ビア
電極3を第1のベース部となるセラミックグリーンシー
ト1側に露出させ、この露出するビア電極3に対し、後
の金属バンプの形成のための実装パッド31を、所定の
導電ペースト、例えば前述のビア電極や内部電極と同様
な導電ペーストを用いてスクリーン印刷等により印刷す
る。
【0059】このような積層グリーン体30を必要に応
じて所定のグリーンチップの形状に切断した後、これを
所定の温度と雰囲気中で脱脂・焼成し、積層焼成体を作
製する。なお、第2の積層グリーンブロック体20側の
ベース部となるセラミックグリーンシート21のバック
テープ11は、焼成前の適当な段階で剥がされる。また
焼成後には、その積層焼成体のパッド31上に、必要な
金属バンプ32、例えばハンダバンプを形成し、積層セ
ラミックコンデンサ40とする。なお、説明を簡単にす
るために、図12の積層焼成体40は図11の積層グリ
ーン体30をそのまま焼成した形態で描いてある。
【0060】この焼成に際して、内部電極(配線パター
ン層:符号6で代表させる)を形成する配線パターン層
用ペーストには、前記した平均粒径の無機化合物粉末が
配合されており、図22に示すように、内部電極6の収
縮に適度で均一な遅れが生ずるとともに、最終的な収縮
量も抑制される。その結果、図19に示すようなセラミ
ックグリーンシート(符号5で代表させる)との間の収
縮差に基づく反りの発生が抑制され、焼成後の積層セラ
ミックコンデンサチップに反りや凹凸などの不具合が発
生することが効果的に防止される。積層セラミックコン
デンサの場合、内部電極6の面積が大きいので、焼成時
におけるセラミックグリーンシート5との間の収縮挙動
の差の影響を受けやすく、本発明の適用による波及効果
は特に大きい。他方、ビア電極58,58’は無機化合
物粉末を含有しないビア電極用ペーストが使用され、そ
の金属粉末の粒径も配線パターン層用ペーストよりは大
きく設定されてビアホール内への充填率も高められるか
ら、導電性が良好である。さらに、図3に示すように、
積層用のグリーンシート5は、ビアホールへのペースト
充填を行ってから、積層を行うようにしているので、配
線パターン層(内部電極)6間の個々のビア電極部分を
高密度化できる利点がある。
【0061】さらに、第1の積層グリーンブロック体1
0と第2の積層グリーンブロック体20とに分けて積層
・加圧工程を実施し、その後、それらのブロック体同士
を圧着・結合することより、各セラミックグリーンシー
トの積層の階層差による加圧回数等の工程履歴の差、ひ
いては密度差等が小さくなり、そのことが焼成後の製品
の反りを抑制することにつながる。
【0062】なお、別の実施例として、図13に示す方
法を採用することもできる。この方法は、(a)第1の
ベース部用セラミックグリーンシート1の所定の位置に
第1のビアホール2を形成する工程と、(b)第1のビ
アホール2中に導電物を充填して第1のビア電極3を形
成する工程と、(ci)第1のビア電極3を形成した第
1のベース部用セラミックグリーンシート1上に(又は
これに積層されたセラミックグリーンシート5上に)、
最終的な積層部の一部を形成すべきセラミックグリーン
シートであって、所定位置に第2のビアホール4が形成
されたビアホール付の積層用セラミックグリーンシート
5を、該シート5と一体的な又は別個独立の内部電極6
を介して積層する工程と、(di)その積層後のセラミ
ックグリーンシート5のビアホール4中に導電物を充填
して第2のビア電極8を形成する工程とを含み、その工
程(ci)及び(di)を複数回繰り返すことにより、
第1の積層グリーンブロック体10を得るものである。
【0063】また、この方法では、第2の積層グリーン
ブロック体20を得る上で、(ei)第2のベース部と
なるセラミックグリーンシート21上に(又はこれに積
層されたセラミックグリーンシート22上に)、最終的
な積層部の他の部分を形成すべき別のセラミックグリー
ンシートであって、所定位置に第3のビアホール23が
形成されたビアホール付の積層用のセラミックグリーン
シート22を、該シート22と一体的な又は別個独立の
内部電極6を介して積層する工程と、(fi)その積層
後のセラミックグリーンシート22のビアホール23中
にビア電極用ペーストを充填して第3のビア電極25を
形成する工程とを含み、その工程(ei)及び(fi)
を複数回繰り返すことにより、第2の積層グリーンブロ
ック体20を得るものである。つまり、ビアホール23
内に前記第1導電体粉末を充填しない状態の積層用セラ
ミックグリーンシートを積層する工程と、その積層され
た積層用セラミックグリーンシートのビアホール23へ
第1導電体粉末を充填する工程とを交互に繰り返して第
1及び第2の積層グリーンブロック体10,20を形成
している。
【0064】そして、以後は前述と同様の工程、すなわ
ち(g)上記のようにして得た第1の積層グリーンブロ
ック体10と第2の積層グリーンブロック体20とを、
それぞれのベース部となるシート面とは反対側の積層部
面同士を向かい合わせて圧着して、最終的に必要とする
所定数のシートと所定数の内部電極とを交互に積層して
なる積層体を作製する工程につながる。
【0065】なお、以上の説明では、積層グリーン体
を、分割形成した2つの積層グリーンブロック体を圧着
して形成するようにしていたが、3つ以上の積層グリー
ンブロック体に分割して形成することも可能である。ま
た、積層グリーンブロック体の全てについて、先にビア
電極を形成した充填済み積層用セラミックグリーンシー
トを積層する方法(第1の方法)と、ビア電極非形成の
積層用セラミックグリーンシートの積層と、その積層済
みのシートへのビア電極充填とを交互に繰り返す方法
(第2の方法)とのいずれかを統一的に用いていたが、
2つの積層グリーンブロック体を互いに異なる方法にて
形成してもよい。この場合、1つの積層グリーンブロッ
ク体は、第1及び第2の方法のいずれかを適用すること
ができる。また、他の積層グリーンブロック体について
は、第1及び第2の方法のうち、先の積層グリーンブロ
ック体に採用したものとは別のものを採用するようにし
てもよいし、第1及び第2の方法のいずれにも属さない
別の方法を採用してもよい(例えば、ビア電極非形成の
積層用セラミックグリーンシートを先に積層し、積層方
向に連結された縦長の連結ビアホールにビア電極用ペー
ストを一括充填する方法など)。
【0066】また、以上はすべて積層セラミックコンデ
ンサを製造する場合を例にとったが、コンデンサ以外
に、積層セラミックインダクタ等の他の積層セラミック
電子部品の製造にこの発明を適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層セラミックコンデンサの製造方法の、本発
明の第1に係る一例を示す工程説明図。
【図2】図1の(a)(b)の工程に対応する断面図。
【図3】図1の(ci)の工程の一部に対応する断面
図。
【図4】図1の(ci)の工程の全体に対応する断面
図。
【図5】図4の積層完了状態の断面図。
【図6】図1の(ei)の工程のベース部のシートを示
す断面図。
【図7】図1の(ei)の工程の一部に対応する断面
図。
【図8】図1の(ei)の工程の全体に対応する断面
図。
【図9】図8の積層完了後の状態の断面図。
【図10】図1の(g)の工程に対応する断面図。
【図11】図1の(h)の工程に対応する断面図。
【図12】図1の(h)の工程以降の、焼成後の工程に
対応する断面図。
【図13】別の実施例を示す工程図。
【図14】ドクターブレード法によるセラミックグリー
ンシートの製造工程説明図。
【図15】第2導電体粉末における無機化合物粉末の第
1の配合形態を示す模式図。
【図16】同じく第2の配合形態を示す模式図。
【図17】同じく第3の配合形態を示す模式図。
【図18】第1導電体粉末の模式図。
【図19】配線パターン層とセラミックグリーンシート
との焼成収縮の際により反りが生ずる様子を説明する
図。
【図20】金属粉末のみからなる配線パターン層が大き
く収縮する様子を説明する図。
【図21】金属粉末に無機化合物粉末を配合することに
より収縮抑制を図る様子を説明する図。
【図22】その収縮抑制により反り防止がなされる様子
を説明する図。
【符号の説明】
1,5,21 セラミックグリーンシート 6 内部電極(配線パターン層、コンデンサ電極) 6a 第1のコンデンサ電極 6b 第2のコンデンサ電極 3 ビア電極 8 ビア電極(第1導通型ビア電極) 8’ビア電極(第2導通型ビア電極) 10 第1の積層グリーンブロック体 11 バックテープ(樹脂フィルム) 20 第2の積層グリーンブロック体 30 積層グリーン体 40 積層セラミックコンデンサ 311,312 金属粉末 317 第1種無機化合物粉末 316 第2種無機化合物粉末
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 学 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 4G030 AA10 AA16 BA09 CA08 GA19 4G055 AA07 AC09 BA22 5E001 AB03 AE02 AH01 AH09 AJ01 AJ02 5E082 AA01 EE35 FF05 FG04 FG46

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のベース部用セラミックグリーンシ
    ートと第2のベース部用セラミックグリーンシートとの
    間に、複数の積層用セラミックグリーンシートと配線パ
    ターン層とが交互に積層され、かつ、2以上の積層用セ
    ラミックグリーンシートの積層部を貫くように形成され
    たビアホール内に、積層された複数の配線パターン層の
    少なくとも1つと、焼成後において電気的に導通するこ
    ととなるビア電極を形成した積層グリーン体を作製する
    工程と、 その積層グリーン体を焼成する工程とを含み、 前記配線パターン層を形成する第2導電体粉末は、金属
    粉末と、平均粒径が500nm以下の無機化合物粉末と
    を含有し、 さらに、前記ビア電極を形成する第1導電体粉末は無機
    化合物粉末を含有しないか、又は前記第2導電体粉末よ
    りもその含有率が低くされ、さらに、 前記積層グリーン体を作製する工程において、最終的に
    積層グリーン体内に積層される複数のセラミックグリー
    ンシートを、各々2以上のセラミックグリーンシートか
    らなる積層グリーンブロック体に分割する形で積層し、
    その後、それら積層グリーンブロック体を一体化して前
    記積層グリーン体を得るとともに、それら積層グリーン
    ブロック体の少なくとも1つのものを、前記積層用セラ
    ミックグリーンシートに形成されたビアホール内に前記
    第1導電体粉末を充填して充填済み積層用セラミックグ
    リーンシートとなした後、その充填済み積層用セラミッ
    クグリーンシートを積層することにより形成することを
    特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 第1のベース部用セラミックグリーンシ
    ートと第2のベース部用セラミックグリーンシートとの
    間に、複数の積層用セラミックグリーンシートと配線パ
    ターン層とが交互に積層され、かつ、2以上の積層用セ
    ラミックグリーンシートの積層部を貫くように形成され
    たビアホール内に、積層された複数の配線パターン層の
    少なくとも1つと、焼成後において電気的に導通するこ
    ととなるビア電極を形成した積層グリーン体を作製する
    工程と、 その積層グリーン体を焼成する工程とを含み、 前記配線パターン層を形成する第2導電体粉末は、金属
    粉末と、平均粒径が500nm以下の無機化合物粉末と
    を含有し、 さらに、前記ビア電極を形成する第1導電体粉末は無機
    化合物粉末を含有しないか、又は前記第2導電体粉末よ
    りもその含有率が低くされ、さらに、 前記積層グリーン体を作製する工程において、最終的に
    積層グリーン体内に積層される複数のセラミックグリー
    ンシートを、各々2以上のセラミックグリーンシートか
    らなる積層グリーンブロック体に分割する形で積層し、
    その後、それら積層グリーンブロック体を一体化して前
    記積層グリーン体を得るとともに、それら積層グリーン
    ブロック体の少なくとも1つのものを、前記ビアホール
    内に前記第1導電体粉末を充填しない状態の積層用セラ
    ミックグリーンシートを積層する工程と、その積層され
    た積層用セラミックグリーンシートの前記ビアホールへ
    前記第1導電体粉末を充填する工程とを交互に繰り返し
    て形成することを特徴とする積層セラミック電子部品の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記積層グリーンブロック体として、前
    記第1のベース部用セラミックグリーンシート上に前記
    積層用セラミックグリーンシートを積層した第1の積層
    グリーンブロック体と、前記第2のベース部用セラミッ
    クグリーンシート上に前記積層用セラミックグリーンシ
    ートを積層した第2の積層グリーンブロック体とを作製
    し、それら第1の積層グリーンブロック体と第2の積層
    グリーンブロック体とを、それぞれのベース部となるシ
    ート面とは反対側の積層部面同士を向かい合わせて圧着
    することにより前記積層グリーン体を得る請求項1又は
    2に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記ビア電極の一部を、前記第1のベー
    ス部用セラミックグリーンシートと第2のベース部用セ
    ラミックグリーンシートとの少なくともいずれかの表面
    に形成されるフリップチップ型表面実装用端子に導通さ
    せ、前記積層セラミック電子部品を表面実装型部品とし
    て製造する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の積
    層セラミック電子部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記配線パターン層が前記積層用セラミ
    ックグリーンシートを介して対向する第1及び第2のコ
    ンデンサ電極を含み、 前記ビア電極が、第1のコンデンサ電極と電気的に導通
    し第2のコンデンサ電極とは導通しない第1導通型ビア
    電極と、第2のコンデンサ電極と電気的に導通し第1の
    コンデンサ電極とは導通しない第2導通型ビア電極とを
    含み、 前記フリップチップ型表面実装用端子を、前記第1導通
    型ビア電極と第2導通型ビア電極とのいずれかに選択的
    に導通するものとして形成することにより、前記表面実
    装型部品を表面実装型積層セラミックコンデンサとして
    製造する請求項4に記載の積層セラミック電子部品の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記無機化合物粉末は、前記セラミック
    グリーンシートを構成する前記誘電体セラミック粉末よ
    りも平均粒径の小さい請求項1ないし5のいずれか1項
    に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記無機化合物粉末は、酸化アルミニウ
    ム、二酸化珪素及び酸化チタンの少なくとも1種からな
    る第1種無機化合物粒子と、前記誘電体セラミック層と
    同一材質からなる第2種無機化合物粒子との少なくとも
    一方を含有する請求項6記載の積層セラミック電子部品
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第2種無機化合物粉末は、強誘電性
    ペロブスカイト型酸化物粉末を含有するものである請求
    項7記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114634366A (zh) * 2022-02-17 2022-06-17 福建闽航电子有限公司 一种基于纤维氧化铝的陶瓷管壳制备方法

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