JP2003147647A - 紡機用トラベラ - Google Patents

紡機用トラベラ

Info

Publication number
JP2003147647A
JP2003147647A JP2001338976A JP2001338976A JP2003147647A JP 2003147647 A JP2003147647 A JP 2003147647A JP 2001338976 A JP2001338976 A JP 2001338976A JP 2001338976 A JP2001338976 A JP 2001338976A JP 2003147647 A JP2003147647 A JP 2003147647A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
traveler
layer
hard
base material
steel wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001338976A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Maeda
浩司 前田
Kazuo Seiki
和夫 清木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2001338976A priority Critical patent/JP2003147647A/ja
Publication of JP2003147647A publication Critical patent/JP2003147647A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スピンドル回転速度が25000rpm以上
の超高速で紡出運転を行う場合にも、トラベラの使用開
始に際しての慣らし運転を無くすことができ、寿命を長
くすることが可能な紡機用トラベラを提供する。 【解決手段】トラベラ11は、硬鋼線の母材12の上に硬く
て摺動性が良く、耐焼付き性に優れた窒素化合物層13が
形成され、その上に当たり痕形成促進層14が形成されて
いる。窒素化合物層13は硬鋼線をトラベラ11の形状に曲
げ加工した後、ガス窒化処理を施すことによって形成さ
れたものである。母材12と窒素化合物層13はその境界が
明確とは限らず、母材12は少なくとも外周寄りが、トラ
ベラ11の厚さによっては芯まで窒素が拡散された窒素拡
散層となっている。当たり痕形成促進層14は窒化処理が
施されたトラベラ11の表面に、エポキシ樹脂にグラファ
イトを主成分とする固体潤滑材を分散したものを塗布、
焼き付けすることにより形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紡機用トラベラに係
り、詳しくはリング精紡機、リング撚糸機等の紡機に使
用され、硬鋼線又は合金鋼線を用いて所定の形状に形成
された紡機用トラベラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、リング精紡機においても生産性向
上のため高速化が指向され、スピンドル回転数が200
00rpm以上の超高速での紡出運転も実施されてい
る。スピンドルの回転速度の高速化に伴ってトラベラが
リング上を周回する速度も大きくなる。トラベラの周回
速度が大きくなると、リングとトラベラ間の摩擦抵抗が
大きくなってリング及びトラベラの摩耗が速く進行し、
寿命が短くなるという問題がある。また、リングとトラ
ベラ間の摩擦抵抗が大きくなると摩擦熱が多量に発生
し、部品自体の損傷、変形を生じ易く、巻取り糸にも悪
影響を及ぼす。
【0003】特公平7−81216号公報には、トラベ
ラの高速走行による耐摩耗性を向上させる目的で、鋼線
より形成したトラベラに、ガス窒化処理雰囲気中で酸窒
化処理を施して、トラベラの表面に厚さ5〜30μmの
窒素化合物層を形成したものが開示されている。
【0004】特公昭61−446号公報には、リングと
の初期なじみを向上させる目的で、金属トラベラのリン
グとの接触面に二硫化モリブデンを含有するエポキシ樹
脂の固体潤滑被膜を形成したものが開示されている。
【0005】一般にリング精紡機では、トラベラを新し
いものに交換した場合、最初から通常の紡出運転時と同
じ最高回転速度となるように運転を行うと、トラベラの
焼付きに起因する糸切れが発生し、正常な運転ができな
い。そこで、トラベラの使用開始に際してトラベラがリ
ングに対して適正姿勢で接触するための当たりを付ける
(摩耗箇所を形成する)ため、常用回転速度(通常紡出
運転時の回転速度)より低い回転速度で使い始め、徐々
に回転速度を上げる慣らし運転を実施している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特公平7−81216
号公報に開示されたトラベラのように単にトラベラ表面
の硬度を高めて耐摩耗性を向上させた場合は、適正な当
たりが形成された以降の寿命は耐摩耗処理を施さないも
のに比較して延びる。しかし、初期のなじみ性が悪くな
り、トラベラに適正な当たりを形成するための慣らし運
転の時間が長くなるという問題がある。
【0007】なじみ性を向上させた、特公昭61−44
6号公報に記載のトラベラでも20000rpmを超え
る超高速回転で使用する場合は、長時間慣らし運転を行
う必要があり、これによる生産性低下や操業性の悪化が
問題となる。また、特公平7−81216号公報のトラ
ベラでは、超高速時のなじみ性が非常に悪いため、糸切
れが発生し易くなり、20000rpm以上で使用する
トラベラとしては実用的でない。また、セラミックコー
ティングやメッキ等により表面に硬質層を形成し、その
硬質層の上に固体潤滑材等の樹脂層を設けたものがある
(特開平1−118632号公報、特開平4−2222
37号公報)。しかし、固体潤滑層の下層に摺動性の悪
い公知の硬質層を設けたのでは、下層硬質層の摺動性の
悪さにより、なじみ性は良くならなかった。即ち、下地
の摺動性が良くないとなじみ性の向上につながらなかっ
た。
【0008】従って、リング精紡機を超高速回転で、安
定操業するためには、安定姿勢でトラベラが走行できる
必要な当たりを慣らし運転無しに形成でき、かつ当たり
形成後のトラベラの摺動性が良好なことが重要になる。
【0009】一般にリング精紡機ではトラベラとリング
との摺動面に特別な潤滑材を供給しながら糸の巻き取り
を行っているのではないにも拘わらず、金属製のトラベ
ラが金属製のリング上を摺動する際の摩耗が比較的少な
い。この原因として、最近、糸の繊維(毛羽)の一部が
取れてトラベラの摺動面に供給され、潤滑膜が一時的に
形成されるためと考えられている。潤滑膜は一度形成さ
れてもトラベラの滑走により徐々に取れるとともに、新
たに繊維が摺動面に供給されて潤滑膜が形成されること
が繰り返されていると考えられている。そして、トラベ
ラの姿勢が安定しないと、せっかく形成された潤滑膜が
取れやすく、潤滑膜がない状態ではトラベラの摩耗の進
行が速くなる。従って、トラベラが早期に安定した姿勢
で滑走できることが、慣らし運転の時間を短縮するのに
必要である。
【0010】また、近年、高速走行時の姿勢の安定性を
高めるトラベラとして、図3に示すような、傾斜型のト
ラベラ20が使用されている。このトラベラ20と対応
するリング21は、上方に向かって縮径となるテーパー
面21aが内側に形成されるとともに、上端部に円弧状
の面取り部が形成されている。そして、トラベラ20
は、鋼線をほぼC字状に曲げ加工したものと異なり、図
4に示すように断面が扁平な長方形状に加工された鋼線
で形成され、リング21のテーパー面21aと摺接可能
な平面部20aと、その一端に連続するほぼC字状の係
止部20bとからなる形状に加工されている。なお、図
3は傾斜型のトラベラ20と、このトラベラ20と対応
するリング21の関係を示す部分模式断面図である。
【0011】このトラベラ20は、紡出運転時には、遠
心力の作用によって図3に示すように平面部20aがリ
ング21のテーパー面に接触し、紡出運転停止時には、
係止部20bがリング21の外面と接触する状態とな
る。図4(a)は適正な当たり痕(摩耗痕)22が形成
されたトラベラ20を示し、図4(b)は平面部20a
が過度に摩耗した当たり痕22が形成された状態を示
し、図4(c)はトラベラ20のリングに対する摺接部
全体が過度に摩耗した状態を示す模式斜視図である。
【0012】従来のトラベラ20では、スピンドルの回
転速度が20000rpm以上の高速回転速度で、慣ら
し運転を行わずに紡出運転を行うと、図4(b),
(c)に示すような状態となるため、慣らし運転が必須
であった。
【0013】スピンドル回転速度が25000rpm以
上の超高速で紡出運転を行う場合は、慣らし運転で初期
に適正な当たり痕が形成されても、トラベラによっては
その後に、図4(b),(c)に示すような不適正な摩
耗を来す場合がある。そして、そのようなトラベラでは
糸切れが発生し易くなる。
【0014】トラベラの交換は、全錘一斉に行う必要が
ある。なぜならば、早期に摩耗して糸切れが頻発するよ
うになったトラベラから順に交換するのでは、1個交換
するごとに慣らし運転のためにスピンドル回転速度を低
下させる必要があり、その間、生産性が低下する。従っ
て、従来はある程度糸切れ回数が多くなったときに、ま
だ寿命が来ていないトラベラも含めて一斉に交換してい
た。そのため、スピンドル回転速度が25000rpm
と超高速になると、トラベラの交換周期が短くなり、慣
らし運転を必要とするトラベラではその分、生産性が低
下し、糸切れ管理も面倒になる。
【0015】本発明は前記の問題に鑑みてなされたもの
であって、その目的はスピンドル回転速度が20000
rpm以上の超高速で紡出運転を行う場合にも、トラベ
ラの使用開始に際しての慣らし運転を無くすことがで
き、かつ寿命を長くすることが可能な紡機用トラベラを
提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め請求項1に記載の発明では、硬鋼線又は合金鋼線を用
いて所定の形状に形成された紡機用トラベラであって、
トラベラの使用開始時に慣らし運転なしに通常紡出運転
可能とするため、母材の表面に硬くて摺動性が良く、耐
焼付き性に優れた硬質層を形成するとともに、前記硬質
層の上に、トラベラの適正な位置に当たり痕を早期に形
成可能とする軟らかくて滑りの良い当たり痕形成促進層
を形成した。
【0017】この発明では、トラベラの表面に軟らかく
て滑りの良い当たり痕形成促進層が形成されているた
め、新たなトラベラが使用される際に、トラベラの慣ら
し運転を実施しなくても、トラベラの表面である当たり
痕形成促進層に早期に適正な初期当たり痕が形成され
る。トラベラの表面に単に軟らかな層を形成した場合
は、当たり痕が付いてもその下側がすぐに摩耗すること
により適正な当たり痕(当たり面)が維持されない。し
かし、この発明では、当たり痕形成促進層の下に硬くて
摺動性が良く、耐焼付き性に優れた硬質層が存在するた
め、下側がすぐに摩耗することなく、適正な当たり痕
(当たり面)が維持され、初期摺動性が安定する。ま
た、当たり痕形成促進層は早期に摩耗してトラベラは硬
質層においてリングと接触する状態となるが、硬質層は
適正な位置に当たり痕が形成された状態にあるため、ト
ラベラは適正な姿勢で摺動する。その結果、最初の紡出
運転から所望の最高速度の運転条件での紡出運転が可能
になるとともに、トラベラの寿命も長くなる。
【0018】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記硬質層は窒素化合物層である。
この発明では、前記硬質層が窒素化合物層であるため、
適正な硬度と良好な摺動性を備えた硬質層を比較的容易
に形成できる。
【0019】請求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の発明において、前記当たり痕形成促進
層は固体潤滑材層である。この発明では、適度な軟らか
さを有し滑りの良い当たり痕形成促進層を比較的容易に
形成できる。
【0020】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記固体潤滑材層はエポキシ樹脂に
グラファイト又は二硫化モリブデンが分散されている。
この発明では、適正な性能を有する当たり痕形成促進層
をより容易に形成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を傾斜型のトラベラ
に具体化した一実施の形態を図1及び図2に従って説明
する。図1(a)に示すように、トラベラ11は硬鋼線
又は合金鋼線等の硬鋼線を従来の傾斜型のトラベラと同
じ形状に曲げ加工された形状に形成されている。この実
施の形態では高炭素鋼を曲げ加工した後、焼き入れ、焼
き戻しを行ってトラベラとした。このトラベラを以後原
料トラベラと言う。
【0022】そして、図1(b)に示すように、トラベ
ラ11は、硬鋼線の母材12の上に硬くて摺動性が良
く、耐焼付き性に優れた硬質層としての窒素化合物層1
3が形成され、その上に当たり痕形成促進層14が形成
されている。窒素化合物層13は原料トラベラにガス窒
化処理又はガス軟窒化処理等の改質処理を施すことによ
って形成されたものである。このガス窒化処理又はガス
軟窒化処理は公知の条件で行われる。従って、母材12
と窒素化合物層13はその境界が明確とは限らず、母材
12は少なくとも外周寄りが、トラベラ11の厚さによ
っては芯まで窒素が拡散された窒素拡散層となってい
る。
【0023】当たり痕形成促進層14は前記窒化処理が
施されたトラベラの表面に、エポキシ樹脂にグラファイ
トを主成分とする固体潤滑材を分散したものを塗布、焼
き付けすることにより形成されている。塗布は例えばタ
ンブラー処理により行われる。
【0024】トラベラ11の厚さは例えば0.4mm、
窒素化合物層13の厚さは例えば10〜30μm、当た
り痕形成促進層14の厚さは例えば2〜5μmに形成さ
れている。窒素化合物層13の厚さが30μmを超える
と脆くなるため好ましくない。また、各層の平均的な硬
度は、母材(窒素拡散層)12でHv450〜550、
窒素化合物層13でHv700〜900に形成されてい
る。また、当たり痕形成促進層14は硬度がHv数十以
下に形成されている。
【0025】次に前記のように構成されたトラベラ11
の作用を説明する。トラベラ11はは外層に存在する硬
度がHv数十以下の当たり痕形成促進層14の潤滑機能
により初期なじみ性が良好となる。従って、リング精紡
機の通常紡出運転時のスピンドルの最高回転速度が20
000rpm以上において、トラベラ11の使用開始時
に慣らし運転なしで紡出運転を行っても、図1(a)に
示すように、適正な大きさの当たり痕(摩耗痕)15が
迅速かつ安定して形成される。
【0026】そして、当たり痕形成促進層14の下(内
側)に、硬度Hv700〜900の窒素化合物層13が
存在するため、耐摩耗性が向上するとともに耐凝着性が
良好になり、前記摩耗痕15の急激な拡大が防止され
る。また、母材12に窒素拡散層が形成されているた
め、摺動性及び靱性が良好になり、窒素化合物層13が
摩耗してトラベラ11が母材12と接触する状態になっ
た状態でも長期的に低摺動力を維持できて寿命を長くで
きる。また、中程度の硬度で靱性が良好なため、高速回
転時の衝撃荷重にも耐えることができる。
【0027】傾斜型のトラベラ11に対して窒素化合物
層13を形成し、その上に当たり痕形成促進層14を形
成した発明品と従来品との比較を行うため、発明品及び
従来品について摺動力を測定した。
【0028】ここで摺動力とは、トラベラがリング上を
回転中に、同トラベラとリングとの間に働く摩擦力を言
う。また、図2に発明品と従来品(窒化処理をせずに固
体潤滑被膜を形成したもの)及び窒化処理のみを行った
ものについて、スピンドル回転速度25000rpmで
の測定結果を示す。なお、グラフの縦軸は摺動力(単位
N)を示し、横軸は経過時間(1目盛は30秒)を示
す。
【0029】図2から明らかに、従来品(窒化処理をせ
ずに固体潤滑被膜を形成したもの)では初期摺動力が、
0.16〜0.32Nの範囲で大きく変動し、安定する
までの時間も長くかかった。一方、発明品では初期摺動
力が、0.10〜0.20Nの範囲と変動量が小さく、
安定するまでの時間が短くなった。また、安定時の摺動
力の平均レベルが0.12N程度となり、従来品の0.
16N程度に比較して25%程度低下した。また、窒化
処理のみでは、窒化処理をせずに固体潤滑被膜を形成し
た従来品に比較して、立ち上がり直後により大きな摺動
力ピークが生じ、場合によっては糸切れに到る。従っ
て、超高速用としては実用的でない。
【0030】この実施の形態では以下の効果を有する。 (1) トラベラ11の母材12の表面に硬くて摺動性
が良く、耐焼付き性に優れた硬質層(窒素化合物層1
3)を形成するとともに、前記硬質層の上に、トラベラ
11の適正な位置に当たり痕15を早期に形成可能とす
る軟らかくて滑りの良い当たり痕形成促進層14を形成
した。従って、新たなトラベラ11が使用される際に、
トラベラ11の慣らし運転を実施しなくても、当たり痕
形成促進層14に早期に適正な初期当たり痕15が形成
され、しかも当たり痕形成促進層14の下に前記硬質層
が存在するため、適正な当たり痕(当たり面)15が維
持され、初期摺動性が安定する。また、当たり痕形成促
進層14は早期に摩耗して硬質層がリングと接触する状
態となるが、硬質層は適正な位置に当たり痕15が形成
された状態にあるため、トラベラ11は適正な姿勢で摺
動する。その結果、最初の紡出運転から所望の最高速度
での紡出運転が可能になるとともに、トラベラ11の寿
命も長くなる。
【0031】(2) 母材12の少なくとも窒素化合物
層13寄りが窒素拡散層で形成されているため、長期的
に低摺動力状態を維持可能になり、衝撃荷重にも耐える
ことができる。
【0032】(3) (1)及び(2)の効果により、
スピンドル回転速度が25000rpm以上の超高速で
紡出運転を行う場合にも、トラベラ11の使用開始に際
しての慣らし運転を無くすことができ、かつ寿命を長く
することが可能になる。
【0033】(4) 前記窒素化合物層13は窒化処理
を施すことによって形成されたものであるため、適正な
硬度を持つ窒素化合物層13を容易に形成できる。ま
た、母材12及び窒素化合物層13は、その境界が明確
ではなく、硬度が徐々に変化するように傾斜化するよう
に形成されているため、窒素化合物層13が摩耗したと
きに、トラベラ11の摺動力が急激に変化することが抑
制され、トラベラ11の寿命がより延長される。
【0034】なお、実施の形態は前記に限定されるもの
ではなく、例えば、次のように具体化してもよい。 ○ 当たり痕形成促進層14を形成する際に使用される
固体潤滑材はグラファイトに限らず、二硫化モリブデン
等他の固体潤滑材を使用してもよい。
【0035】〇 痕形成促進層14を構成する樹脂とし
てエポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂を使用してもよい。 〇 痕形成促進層14の塗布はタンブラー処理に限ら
ず、スプレー塗布を採用してもよい。
【0036】○ 硬くて摺動性が良く、耐焼付き性に優
れた硬質層としてガス窒化処理やガス軟窒化処理により
形成された窒素化合物層13に限らず、他の窒化処理に
より形成された窒素化合物層13としてもよい。
【0037】○ トラベラ11の形状は傾斜型に限ら
ず、C型のトラベラ等他の形状のトラベラに適用しても
よい。前記実施の形態から把握できる請求項記載以外の
発明(技術思想)について、以下に記載する。
【0038】(1) 請求項1〜請求項4のいずれか一
項に記載の発明において、前記母材は少なくとも窒素化
合物層寄りが窒素拡散層で形成されている。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜請求項
4に記載の発明によれば、スピンドル回転速度が250
00rpm以上の超高速で紡出運転を行う場合にも、ト
ラベラの使用開始に際しての慣らし運転を無くすことが
でき、かつ寿命を長くすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は第1の実施の形態のトラベラの斜視
図、(b)はトラベラの模式断面図。
【図2】 使用開始時のトラベラの初期摺動力の変化を
示すグラフ。
【図3】 傾斜型トラベラとリングの関係を示す部分拡
大断面図。
【図4】 (a)は適性な当たり痕が形成されたトラベ
ラの模式斜視図、(b),(c)は過大摩耗痕が形成さ
れたトラベラの模式斜視図。
【符号の説明】
11…トラベラ、12…母材、13…窒素化合物層、1
4…当たり痕形成促進層、15…当たり痕。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬鋼線又は合金鋼線を用いて所定の形状
    に形成された紡機用トラベラであって、トラベラの使用
    開始時に慣らし運転なしに通常紡出運転可能とするた
    め、母材の表面に硬くて摺動性が良く、耐焼付き性に優
    れた硬質層を形成するとともに、前記硬質層の上に、ト
    ラベラの適正な位置に当たり痕を早期に形成可能とする
    軟らかくて滑りの良い当たり痕形成促進層を形成した紡
    機用トラベラ。
  2. 【請求項2】 前記硬質層は窒素化合物層である請求項
    1に記載の紡機用トラベラ。
  3. 【請求項3】 前記当たり痕形成促進層は固体潤滑材層
    である請求項1又は請求項2に記載の紡機用トラベラ。
  4. 【請求項4】 前記固体潤滑材層はエポキシ樹脂にグラ
    ファイト又は二硫化モリブデンが分散されている請求項
    3に記載の紡機用トラベラ。
JP2001338976A 2001-11-05 2001-11-05 紡機用トラベラ Pending JP2003147647A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001338976A JP2003147647A (ja) 2001-11-05 2001-11-05 紡機用トラベラ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001338976A JP2003147647A (ja) 2001-11-05 2001-11-05 紡機用トラベラ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003147647A true JP2003147647A (ja) 2003-05-21

Family

ID=19153387

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001338976A Pending JP2003147647A (ja) 2001-11-05 2001-11-05 紡機用トラベラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003147647A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003147646A (ja) 紡機用トラベラ
JP2003147647A (ja) 紡機用トラベラ
US4885905A (en) Ring for spinning machinery
JP2002510755A (ja) リング精紡機およびリングねん糸機のためのリング
US20020162315A1 (en) Ring traveler and method for producing the same
JPH0516228Y2 (ja)
JP2802280B2 (ja) 紡機用トラベラ
US3381464A (en) Traveler guide rings for spinning and twisting machines
JPS6392734A (ja) 紡機用トラベラ
JP2627343B2 (ja) 紡機用トラベラ
JP3593673B2 (ja) 紡機用トラベラ
JPS63295720A (ja) 紡機用リング
JPS62177239A (ja) 紡機用リング
JP2555629B2 (ja) 紡機用トラベラ
JPH05331721A (ja) 紡機用リング
JPH043015Y2 (ja)
JPH05125625A (ja) 紡機用リング
JPH0748731A (ja) 紡機用リング
JPH0545691B2 (ja)
JPH0657555A (ja) 紡機用トラベラ
JPS616325A (ja) 紡機用トラベラ
JPH06136625A (ja) 紡機用リング
JPH04327223A (ja) 紡機用リング
JPH06108323A (ja) 紡機用リング
JPS63249723A (ja) 紡績用リング

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040928

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060314

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060912