JPH0657555A - 紡機用トラベラ - Google Patents
紡機用トラベラInfo
- Publication number
- JPH0657555A JPH0657555A JP20530092A JP20530092A JPH0657555A JP H0657555 A JPH0657555 A JP H0657555A JP 20530092 A JP20530092 A JP 20530092A JP 20530092 A JP20530092 A JP 20530092A JP H0657555 A JPH0657555 A JP H0657555A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- traveler
- steel wire
- spinning
- alloy
- alloy layer
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 メッキ層に亀裂が入らず、かつ剥離摩耗が発
生しないことにより、高速運転域における安定した連続
操業を可能とする。 【構成】 硬鋼線材又は合金鋼線材を用いて所定形状に
形成したトラベラ本体1の少なくともリングフランジと
の接触部2に、Ni−B合金層を形成して紡機用トラベ
ラを構成する。
生しないことにより、高速運転域における安定した連続
操業を可能とする。 【構成】 硬鋼線材又は合金鋼線材を用いて所定形状に
形成したトラベラ本体1の少なくともリングフランジと
の接触部2に、Ni−B合金層を形成して紡機用トラベ
ラを構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐摩耗性、耐久性を向上
して、特に高速精紡において優れた性能を発揮する紡機
用トラベラに関するものである。
して、特に高速精紡において優れた性能を発揮する紡機
用トラベラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の紡機用トラベラは、素材として硬
鋼線又は合金鋼線を用いて所定形状に成形した後、焼入
れ処理を施したものや、更にその表面にメッキ処理を施
したものがある。
鋼線又は合金鋼線を用いて所定形状に成形した後、焼入
れ処理を施したものや、更にその表面にメッキ処理を施
したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、最近の高速精
紡(スピンドル回転数:20,000r.p.m.以上)におい
て、リングフランジ上を高速で摺動滑走するトラベラ
は、リングフランジとの摩擦抵抗が増大し、かつ摩擦熱
が急激に上昇するという苛酷な状態にある。そのため、
耐摩耗性、耐久性の向上したトラベラが強く要望されて
いる。
紡(スピンドル回転数:20,000r.p.m.以上)におい
て、リングフランジ上を高速で摺動滑走するトラベラ
は、リングフランジとの摩擦抵抗が増大し、かつ摩擦熱
が急激に上昇するという苛酷な状態にある。そのため、
耐摩耗性、耐久性の向上したトラベラが強く要望されて
いる。
【0004】しかるに、従来のトラベラのうち、耐摩耗
性、耐久性を向上するため、クロムメッキを施したトラ
ベラにおいては、被膜硬度がHv800以上の高硬度を
有しているが、メッキ表面に亀裂が入り易く、剥離摩耗
や異常摩耗を生じるという問題点がある。また、ニッケ
ルメッキを施したトラベラにおいては、被膜硬度がHv
400〜Hv800と低いため、高速運転により被膜が
早期に摩滅し、トラベラ母材の摩耗が急激に進行して、
トラベラの早期焼付きやトラベラの飛散等により、糸切
れが頻発して紡出不可能になるという問題点がある。
性、耐久性を向上するため、クロムメッキを施したトラ
ベラにおいては、被膜硬度がHv800以上の高硬度を
有しているが、メッキ表面に亀裂が入り易く、剥離摩耗
や異常摩耗を生じるという問題点がある。また、ニッケ
ルメッキを施したトラベラにおいては、被膜硬度がHv
400〜Hv800と低いため、高速運転により被膜が
早期に摩滅し、トラベラ母材の摩耗が急激に進行して、
トラベラの早期焼付きやトラベラの飛散等により、糸切
れが頻発して紡出不可能になるという問題点がある。
【0005】本発明は上記問題点を除去するためになさ
れたものであり、トラベラの少なくとも、リングフラン
ジとの接触面に多孔質で円柱状組織を有するNi−B合
金層を形成することにより、メッキ層に亀裂が入り難
く、剥離摩耗が生じず、密着性に優れ、かつ高硬度で耐
摩耗性、耐久性も向上して、高速運転域における安定し
た連続操業を可能とした紡機用トラベラを提供すること
を目的とするものである。
れたものであり、トラベラの少なくとも、リングフラン
ジとの接触面に多孔質で円柱状組織を有するNi−B合
金層を形成することにより、メッキ層に亀裂が入り難
く、剥離摩耗が生じず、密着性に優れ、かつ高硬度で耐
摩耗性、耐久性も向上して、高速運転域における安定し
た連続操業を可能とした紡機用トラベラを提供すること
を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、硬鋼線材又は
合金鋼線材を用いて所定形状に形成してなるトラベラの
少なくともリングフランジとの接触部に多孔質で円柱状
組織を有するNi−B合金層を形成することにより、表
面硬度がHv1000〜Hv1300を有する紡機用ト
ラベラを提供するものである。
合金鋼線材を用いて所定形状に形成してなるトラベラの
少なくともリングフランジとの接触部に多孔質で円柱状
組織を有するNi−B合金層を形成することにより、表
面硬度がHv1000〜Hv1300を有する紡機用ト
ラベラを提供するものである。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。
明する。
【0008】図1に示すように、硬鋼線材又は合金鋼線
材を用いて、所定形状のトラベラ本体1を形成し、焼入
れ、焼戻し処理を行なう。次に、上記トラベラ本体1の
リングフランジとの接触部2を含む全表面に無電解メッ
キ法により厚さ3〜10μm のNi−Bの非晶質合金メ
ッキ被膜を形成した後、約400℃で約60分間熱処理
をすることにより、図2に示すように、母材3のFCの
表面に、厚さが約3μm 〜10μm のNi−B合金層4
を形成した紡機用トラベラを構成する。
材を用いて、所定形状のトラベラ本体1を形成し、焼入
れ、焼戻し処理を行なう。次に、上記トラベラ本体1の
リングフランジとの接触部2を含む全表面に無電解メッ
キ法により厚さ3〜10μm のNi−Bの非晶質合金メ
ッキ被膜を形成した後、約400℃で約60分間熱処理
をすることにより、図2に示すように、母材3のFCの
表面に、厚さが約3μm 〜10μm のNi−B合金層4
を形成した紡機用トラベラを構成する。
【0009】上記Ni−B合金層は、その厚さを約3μ
m 〜10μm にしたが、約3μm 未満では耐久性が低下
し高速運転での連続操業に支障をきたし、また、約10
μmを超えるとNi−B合金層の肌荒れが発生しやす
く、糸毛羽の発生の原因となったり、トラベラの走行を
乱す原因となるばかりか、処理時間も長くなり、コスト
アップになるので好ましくない。
m 〜10μm にしたが、約3μm 未満では耐久性が低下
し高速運転での連続操業に支障をきたし、また、約10
μmを超えるとNi−B合金層の肌荒れが発生しやす
く、糸毛羽の発生の原因となったり、トラベラの走行を
乱す原因となるばかりか、処理時間も長くなり、コスト
アップになるので好ましくない。
【0010】また、図3にメッキ後の熱処理における熱
処理温度とNi−B合金層の表面硬度との関係を示した
が、300℃〜600℃で処理するとHv1000以上
の硬度が得られ、400℃が最も高い硬度が得られた。
処理温度とNi−B合金層の表面硬度との関係を示した
が、300℃〜600℃で処理するとHv1000以上
の硬度が得られ、400℃が最も高い硬度が得られた。
【0011】次に、本発明のトラベラAとNiメッキの
みを施した従来のトラベラBを用いて下記の条件下で紡
出テストを行なった。 糸 :綿/エステル 40番手 リング :3.2mmフランジ 41mmφ トラベラ :YS−2/hf 10/0 スピンドル回転数:22,000r.p.m.
みを施した従来のトラベラBを用いて下記の条件下で紡
出テストを行なった。 糸 :綿/エステル 40番手 リング :3.2mmフランジ 41mmφ トラベラ :YS−2/hf 10/0 スピンドル回転数:22,000r.p.m.
【0012】上記紡出テストの結果、図4に示すよう
に、本発明のトラベラAは従来のトラベラBに比較して
摩耗減量が1/2 となり、耐摩耗性が著しく向上した。ま
た、図5に示すように、本発明のトラベラAは従来のト
ラベラBに比較して糸切れ本数が少なく、高速運転下に
おいて連続して安定した操業状態を持続できた。
に、本発明のトラベラAは従来のトラベラBに比較して
摩耗減量が1/2 となり、耐摩耗性が著しく向上した。ま
た、図5に示すように、本発明のトラベラAは従来のト
ラベラBに比較して糸切れ本数が少なく、高速運転下に
おいて連続して安定した操業状態を持続できた。
【0013】
【発明の効果】本発明は上記の通りトラベラの母材の表
面に高硬度のNi−B合金層を形成しているので、耐摩
耗性、耐久性が著しく向上してトラベラの寿命を大幅に
延長する。また、メッキ層が多孔質で円柱状組織からな
るため、柔軟性に優れ、母材との密着性にも優れてお
り、トラベラ嵌着時におけるトラベラの曲げに対して
も、メッキ層の剥離が生じない。さらに、スピンドル回
転数が20,000r.p.m.以上の高速運転域においても、
糸切れの数が大幅に減少し、安定した紡調が得られる等
の優れた効果を有する発明である。
面に高硬度のNi−B合金層を形成しているので、耐摩
耗性、耐久性が著しく向上してトラベラの寿命を大幅に
延長する。また、メッキ層が多孔質で円柱状組織からな
るため、柔軟性に優れ、母材との密着性にも優れてお
り、トラベラ嵌着時におけるトラベラの曲げに対して
も、メッキ層の剥離が生じない。さらに、スピンドル回
転数が20,000r.p.m.以上の高速運転域においても、
糸切れの数が大幅に減少し、安定した紡調が得られる等
の優れた効果を有する発明である。
【図1】本発明の紡機用トラベラの一実施例を示す正面
図である。
図である。
【図2】本発明の紡機用トラベラの一実施例を示す要部
拡大断面図である。
拡大断面図である。
【図3】熱処理温度とNi−B合金層の硬度との相関関
係図である。
係図である。
【図4】本発明の紡機用トラベラと従来の紡機用トラベ
ラの使用時間と摩耗減量との関係を示す曲線図である。
ラの使用時間と摩耗減量との関係を示す曲線図である。
【図5】本発明の紡機用トラベラと従来の紡機用トラベ
ラの使用時間と糸切れ本数との関係を示す曲線図であ
る。
ラの使用時間と糸切れ本数との関係を示す曲線図であ
る。
1 トラベラ本体 2 接触部 3 母材 4 Ni−B合金層
Claims (1)
- 【請求項1】 硬鋼線材又は合金鋼線材を用いて所定形
状に形成してなるトラベラの、少なくともリングフラン
ジとの接触部に多孔質で円柱状組織を有するNi−B合
金層を形成したことを特徴とする紡機用トラベラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20530092A JPH0657555A (ja) | 1992-07-31 | 1992-07-31 | 紡機用トラベラ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20530092A JPH0657555A (ja) | 1992-07-31 | 1992-07-31 | 紡機用トラベラ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0657555A true JPH0657555A (ja) | 1994-03-01 |
Family
ID=16504681
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20530092A Pending JPH0657555A (ja) | 1992-07-31 | 1992-07-31 | 紡機用トラベラ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0657555A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100376710C (zh) * | 2006-04-21 | 2008-03-26 | 江苏大学 | 多孔块体非晶合金的制备方法 |
-
1992
- 1992-07-31 JP JP20530092A patent/JPH0657555A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100376710C (zh) * | 2006-04-21 | 2008-03-26 | 江苏大学 | 多孔块体非晶合金的制备方法 |
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