JP2003146619A - フッ化水素の回収方法 - Google Patents

フッ化水素の回収方法

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JP2003146619A JP2001345988A JP2001345988A JP2003146619A JP 2003146619 A JP2003146619 A JP 2003146619A JP 2001345988 A JP2001345988 A JP 2001345988A JP 2001345988 A JP2001345988 A JP 2001345988A JP 2003146619 A JP2003146619 A JP 2003146619A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属や無機酸イオンの除去を効果的に行いな
がら、好ましくは、高純度のフッ化水素が精留分離によ
り回収可能なフッ化水素の回収方法を提供する。 【解決手段】 金属及び無機酸イオン、並びにフッ化水
素を含有する原料水溶液を加温した後、頂部に凝縮器1
1を底部に加熱器12を各々設けた第1精留塔10の精
留部13に導入し、その精留部13にて精留分離を行っ
て、頂部側に水分を底部側に前記金属及び無機酸イオン
を各々濃縮して排出する一方で、フッ化水素含有水の共
沸組成以下の濃度まで濃縮した第1濃縮成分を原料水溶
液の導入位置より下側の精留部13から製出するフッ化
水素の回収方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属及び無機酸イ
オン、並びにフッ化水素を含有する原料水溶液から精留
分離によりフッ化水素を回収するフッ化水素の回収方法
に関し、特に半導体産業から排出するフッ化水素含有廃
液から高濃度のフッ化水素を回収する方法として有用で
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、フッ素化合物の消費量は、半導体
産業を始めとして各種産業において増加しており、その
廃液処理や回収・再利用の方法が検討されている。この
ような廃液には、例えば、半導体産業から排出するフッ
化水素含有廃液の場合、不純物として、Cl- ,NO3
- ,SO4 2-等の無機酸イオン、及びAl,Ca,N
a,K,Mg,Fe等の金属成分が含まれている。しか
し、これらの不純物を除去しつつ、同時に高純度フッ化
水素を回収する方法は、以下のように未だ確立されてい
ないのが実状である。
【0003】例えば、従来よりフッ素含有廃液は、法規
制値である約30ppmまで水等で希釈し、廃液として
処理されるか、または化学反応でフッ化カルシウムにし
ろ過分離後、セメントに混入されていた。これらの方法
は資源の有効利用にならないため、フッ化カルシウムか
らフッ素を回収する方法が考えられるが、フッ化カルシ
ウムに珪素等の不純物が含有され、又、均一な結晶を得
るのが困難であるため、回収されたフッ化カルシウムか
ら、さらにフッ化水素を製造するのは困難である。
【0004】一方、特表平5−505556号公報に
は、硝酸とフッ化水素とを含有する水溶液を、2段の精
留塔を用いて分離・回収する方法が提案されている。そ
の際、1段目の精留塔で共沸混合物に近い組成まで濃縮
した濃縮液を2段目の精留塔に導いて、2段目の精留塔
で硝酸とフッ化水素とを精留分離している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、1段目の精留塔で硝酸とフッ化水素を塔底液
として分離するため、前述の金属や無機酸イオンを含む
廃液では、第1塔で金属等を除去することができず、ま
た、第2塔でもフッ化水素を塔底液として分離するた
め、金属等の除去ができないという問題があった。
【0006】なお、電気透析装置を用いて、フッ化水素
含有廃液中のフッ化水素を濃縮する方法も知られている
が、高濃度に濃縮することが困難であり、前述のような
金属やイオンを含む廃液では、特に金属成分及び無機酸
イオンが分離できないという問題が生じる。
【0007】そこで、本発明の目的は、金属や無機酸イ
オンの除去を効果的に行いながら、好ましくは、高純度
のフッ化水素が精留分離により回収可能なフッ化水素の
回収方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記の如き
本発明により達成できる。即ち、本発明のフッ化水素の
回収方法は、金属及び無機酸イオン、並びにフッ化水素
を含有する原料水溶液を加温した後、頂部に凝縮器を底
部に加熱器を各々設けた第1精留塔の精留部に導入し、
その精留部にて精留分離を行って、頂部側に水分を底部
側に前記金属及び無機酸イオンを各々濃縮して排出する
一方で、フッ化水素含有水の共沸組成以下の濃度まで濃
縮した第1濃縮成分を原料水溶液の導入位置より下側の
精留部から製出することを特徴とする。
【0009】上記において、製出する前記第1濃縮成分
のフッ化水素濃度をフッ化水素含有水の共沸組成より高
めてから、頂部に凝縮器を底部に加熱器を各々設けた第
2精留塔の底部又は精留部に導入し、精留部にて精留分
離を行って、その導入位置より頂部側からフッ化水素が
濃縮された第2濃縮成分を製出することが好ましい。
【0010】このとき、前記第1濃縮成分のフッ化水素
濃度を高める際に、前記第2精留塔の精留部又は頂部か
ら導出した第3濃縮成分を前記第1濃縮成分に混合する
ことが好ましい。
【0011】あるいは、前記第1濃縮成分のフッ化水素
濃度を高める際に、系外(回収物を一旦、貯槽などに溜
めたものでもよい)から導入したフッ化水素含有水を前
記第1濃縮成分に混合することが好ましい。その際、上
記の第3濃縮成分の混合を併用することも可能である。
【0012】また、前記第2精留塔の塔底液を一部導出
してフッ化水素濃度が異なる成分に分離し、高濃度成分
を前記第2精留塔の精留部に返送しつつ、低濃度成分を
前記第1精留塔の精留部に返送するか又は排出すること
が好ましい。
【0013】このとき、前記塔底液を分離する際に分離
膜又は電気透析を用いることが好ましい。
【0014】[作用効果]本発明のフッ化水素の回収方
法によると、原料水溶液を第1精留塔の精留部で精留分
離する際に、底部側に金属及び無機酸イオンを濃縮して
排出する一方で、フッ化水素が濃縮した第1濃縮成分を
原料水溶液の導入位置より下側の精留部から製出するた
め、第1濃縮成分に含まれる金属等の濃度が非常に低く
なる。その結果、金属等塩の除去を効果的に行いなが
ら、フッ化水素が精留分離によりそのまま回収できるよ
うになる。
【0015】製出する前記第1濃縮成分のフッ化水素濃
度をフッ化水素含有水の共沸組成より高めてから、上記
の第2精留塔の底部又は精留部に導入し、精留部にて精
留分離を行って、その導入位置より頂部側からフッ化水
素が濃縮された第2濃縮成分を製出する場合、第2精留
塔で共沸組成を回避しつつ精留分離が行えるため、高純
度のフッ化水素が精留分離により回収可能となる。つま
り、元来、フッ化水素含有水は共沸点が存在するため、
濃度を高める精留は困難であったが、フッ化水素の分離
を共沸点以下と以上の二塔の精留塔で行い、共沸点を含
まない精留条件で分離することで、高純度化が可能とな
った。このような高純度フッ化水素は、そのままでリサ
イクル使用が可能となる。
【0016】前記第1濃縮成分のフッ化水素濃度を高め
る際に、前記第2精留塔の精留部又は頂部から導出した
第3濃縮成分を前記第1濃縮成分に混合する場合、第2
精留塔で更に濃縮された留分を用いて第1濃縮成分のフ
ッ化水素濃度を高めるため、別の濃縮装置や系外からの
供給を要せずして、高純度のフッ化水素が精留分離によ
り回収可能となる。
【0017】前記第1濃縮成分のフッ化水素濃度を高め
る際に、系外から導入したフッ化水素含有水を前記第1
濃縮成分に混合する場合、精留塔の運転状態に応じて、
フッ化水素含有水の量を変化させるなどして、運転状態
の変動に好適に対応できるようになる。
【0018】前記第2精留塔の塔底液を一部導出してフ
ッ化水素濃度が異なる成分に分離し、高濃度成分を前記
第2精留塔の精留部に返送しつつ、低濃度成分を前記第
1精留塔の精留部に返送するか又は排出する場合、複精
留による分離では底部から塔底液に多量のフッ化水素が
含まれるため、フッ化水素の回収率が極端に低下すると
ころ、分離によりフッ化水素を回収するため、フッ化水
素の回収率を例えば90%以上にすることができる。ま
た、塔底からの廃液の処理が不要となるか、又は塔底液
をそのまま排出する場合に比べて、廃液処理の負担が大
幅に軽減する。
【0019】前記塔底液を分離する際に分離膜又は電気
透析を用いる場合、塔底液のフッ化水素濃度に適した分
離が行え、フッ化水素の回収率を大幅に高めることが可
能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。図1〜図3は本発明
の第1実施形態を、図4〜図5は本発明の第2実施形態
を示す。
【0021】〔第1実施形態〕本発明のフッ化水素の回
収方法は、図1に示すように、原料水溶液を加温した
後、第1精留塔10の精留部13に導入し、その精留部
13にて精留分離を行って、頂部側に水分を底部側に金
属及び無機酸イオンを各々濃縮して排出する一方で、フ
ッ化水素含有水の共沸組成以下の濃度まで濃縮した第1
濃縮成分を原料水溶液の導入位置より下側の精留部13
から製出するものである。本実施形態では、1基の精留
塔10を用いて第1濃縮成分を製出し、これをより高濃
度のフッ化水素水と混合して、所定の濃度のフッ化水素
水を供給する例を示す。
【0022】本発明における原料水溶液は、金属及び無
機酸イオン、並びにフッ化水素を含有するものである。
具体的には、金属としては、Al,Ca,Na,K,M
g,Fe等が挙げられる。また、無機酸イオンとして
は、硝酸イオン、硫酸イオン、又は塩酸イオン等が挙げ
られる。原料水溶液は、金属及び無機酸イオンの何れか
を含んでいればよいが、本発明は両者を含む場合に特に
有効である。原料水溶液中のフッ化水素濃度は、0.0
5〜2重量%が一般的である。また、金属濃度は、各濃
度で400ppb重量程度、無機酸イオンの濃度は、各
濃度で3000ppm重量程度が一般的である。
【0023】原料水溶液は、通常、大気圧よりやや高い
圧力(例えば1.2バールA)で供給されるのが好まし
い。また、供給に際して予め電気透析や膜分離によりフ
ッ化水素濃度を高めておいてもよい。原料水溶液は、第
1精留塔10で分離された高温水との熱交換により、熱
交換器1で加温される。加温後の温度は、一般に90℃
程度であり、これが第1精留塔10の精留部13に導入
される。
【0024】第1精留塔10は、頂部に凝縮器11を、
底部に加熱器12を各々設けてあり、その中間に精留部
13が設けられる。本実施形態における精留部13は、
3つの精留部13a,13b,13cと、それらの間の
液導入部と液導出部を有している。各々の精留部13
a,13b,13cは、棚段式、充填塔式 充填トレー
式など何れの構造でもよい。
【0025】精留部13aと13bの間の液導入部から
導入された原料水溶液は、精留部13で精留分離され
て、第1精留塔10の頂部側に水分を濃縮し、底部側に
前記金属等を各々濃縮する。このとき、凝縮器11によ
って頂部の気体が一部液化されて還流液が生成される。
また、頂部の気体(液体でもよい)の残部は第1精留塔
10から抜き出されて、熱交換器1に導入され、冷却さ
れたのち、水として排出される。この水には、金属、無
機酸イオン、フッ化水素が殆ど含まれておらず、例えば
フッ素含有廃液の法規制値である約30ppm以下にフ
ッ化水素濃度を低減することができる。また、金属は各
成分で数十ppb重量、無機酸イオンは各成分で数十p
pm重量に低減することができる。
【0026】一方、第1精留塔10の底部の塔底液の一
部は、加熱器12で気化(リボイル)されて底部に返送
される。気化させる温度は113℃(例えば約1.3バ
ールAの場合)前後が好ましい。塔底液の残部は、廃液
として連続的又は断続的、定期的に排出される。この廃
液には、原料水溶液中に含まれる金属の90%以上が、
無機酸イオンの99%以上が含まれており、回収される
フッ化水素の純度がその分高くなることになる。なお、
凝縮器11の冷媒には通常は冷却水が使用され、加熱器
12の熱源には水蒸気か電気が使用される。
【0027】上記の際、同時に第1精留塔10の底部側
にフッ化水素が濃縮されるが、フッ化水素含有水の共沸
組成(フッ化水素濃度:37.7重量%)以下の濃度ま
で濃縮した第1濃縮成分を、原料水溶液の導入位置より
下側の精留部(13bと13cの間)から製出する。第
1濃縮成分のフッ化水素濃度は、35〜37重量%が好
ましい。なお、第1濃縮成分は液体及び/又は気体で製
出することができるが、フッ化水素水と混合するなどの
場合、液体で製出するのが好ましい。本実施形態では、
原料水溶液が約500ppmから2重量%のフッ化水素
を含有する場合、その90重量%のフッ化水素を約35
重量%濃度のフッ化水素水として回収することができ
る。
【0028】この第1濃縮成分は、そのまま使用しても
よいが、更に高濃度にする必要がある場合、より高濃度
のフッ化水素水と混合して、所定の濃度のフッ化水素水
を使用者に供給すればよい。
【0029】〔第1実施形態の別実施形態〕 (1)前述の実施形態において、第1濃縮成分から更に
金属及び無機酸イオンを除去する必要がある場合、図2
に示すように副精留塔30を用いて更に精留分離したも
のを製出すればよい。以下、相違部分について説明す
る。
【0030】第1精留塔10の精留部(13bと13c
の間)からは、気体の第1濃縮成分を製出し、副精留塔
30の底部にこれを導入する。導入後、これが副精留塔
30の精留部33にて精留分離され、頂部側にフッ化水
素が濃縮され、底部側に金属及び無機酸イオンが濃縮さ
れる。副精留塔30の頂部には、凝縮器31を設けてあ
り、頂部の気体は液化されて、一部が還流液となり、残
部は製出された後、より高濃度のフッ化水素水と混合さ
れ、所定の濃度のフッ化水素水として使用者に供給され
る。一方、副精留塔30の底部に流下した塔底液は、第
1精留塔10の精留部(13bと13cの間)に返送さ
れる。
【0031】(2)前述の実施形態では、製出した第1
濃縮成分をより高濃度のフッ化水素水と混合して、所定
の濃度のフッ化水素水を供給する例を示したが、本発明
では、図3に示すように、製出した第1濃縮成分を濃縮
器35で分離することで所定の濃度のフッ化水素水を供
給してもよい。
【0032】濃縮器35としては、分離膜又は電気透析
装置等を用いることができる。具体的には、分離膜とし
ては、フッ化水素濃縮膜(例えばCMS社製)などの市
販品を使用することができる。
【0033】〔第2実施形態〕本発明の第2実施形態
は、図4に示すように、製出する第1濃縮成分のフッ化
水素濃度をフッ化水素含有水の共沸組成より高めてから
第2精留塔20の底部(又は精留部23)に導入し、精
留部23にて精留分離を行って、その導入位置より頂部
側からフッ化水素が濃縮された第2濃縮成分を製出する
ものである。図示した例では、前記第1濃縮成分のフッ
化水素濃度を高める際に、第2精留塔20の頂部(精留
部23でもよい)から導出した第3濃縮成分を第1濃縮
成分に混合する。以下、第1実施形態との相違部分につ
いて主に説明する。
【0034】第1精留塔10での精留操作は第1実施形
態と略同じであるが、精留部13が4つの精留部13a
〜13dで構成され、精留部13aと13bの間の液導
入部に第2精留塔20の塔底液を分離した低濃度成分が
導入される点が異なる。
【0035】液体又は気体として製出された第1濃縮成
分は、予め第3濃縮成分と混合されてから第2精留塔2
0の底部又は精留部23に導入される。第2精留塔20
の頂部から導出された第3濃縮成分(液体又は気体)
は、加熱器39で加熱後、加圧器40で若干加圧されて
第1濃縮成分と混合される。混合後の濃度は、フッ化水
素含有水の共沸組成より高い濃度であり、好ましくは4
0重量%以上、より好ましくは約45重量%である。
【0036】第2精留塔20は、頂部に凝縮器21を、
底部に加熱器22を各々設けてあり、その中間に精留部
23が設けられる。本実施形態における精留部23は、
2つの精留部23a,23bと、それらの間の液導入部
とを有している。各々の精留部23a,23bは、棚段
式、充填塔式 充填トレー式など何れの構造でもよい。
【0037】第2精留塔20の底部から導入された混合
後の濃縮液は、フッ化水素含有水の共沸組成より高いフ
ッ化水素濃度であるため、精留部23で精留分離され
て、第2精留塔20の頂部側にフッ化水素を濃縮し、底
部側にその他の成分を各々濃縮することが可能となる。
このとき、凝縮器21によって頂部の気体が一部液化さ
れて還流液が生成される。また、頂部の還流液の一部は
第2精留塔20から抜き出されて、フッ化水素が濃縮さ
れた第2濃縮成分として製出される。
【0038】一方、第2精留塔20の底部の塔底液の一
部は、加熱器22で気化(リボイル)されて底部に返送
される。塔底液の残部は、濃縮器36にてフッ化水素濃
度が異なる成分に分離され、高濃度成分を第2精留塔2
0の精留部23(23aと23bの間の液導入部)に返
送しつつ、低濃度成分を第1精留塔10の精留部13
(13aと13bの間の液導入部)に返送している。そ
の際、高濃度成分は、加熱器37で加熱され、加圧器3
8で加圧されてから第2精留塔20に導入される。ま
た、低濃度成分は、加熱器41で加熱され、加圧器42
で加圧されてから第1精留塔10に導入される。なお、
濃縮器36としては、図3に示す濃縮器35と同様のも
のが使用可能である。
【0039】上記のようにして製出される第2濃縮成分
のフッ化水素濃度は、100重量%が可能となる。ま
た、フッ化水素の回収率は、90重量%が可能となる。
なお、第2濃縮成分は液体及び/又は気体で製出するこ
とができる。
【0040】なお、図4には、具体的な流量(mol/
h)、圧力(バールA:絶対圧)、温度(℃)が示され
ているが、これらは何れも発明の理解を容易にするため
の例示であり、具体的な値に本発明は限定解釈されるも
のではない。また、各位置1)〜4)における各成分の濃度
を示すと、例えば表1のようになる。
【0041】
【表1】 *: 金属及び酸イオンの濃度は、各成分の濃度を示す。
【0042】〔第2実施形態の別実施形態〕 (1)前述の実施形態では、塔底液を濃縮器でフッ化水
素濃度が異なる成分に分離した後、各成分を第2精留塔
の精留部と第1精留塔の精留部とに返送する例を示した
が、本発明では、図5に示すように、濃縮器で分離され
た低濃度成分を系外に排出するようにしてもよい。
【0043】つまり、塔底液の残部は、濃縮器45にて
フッ化水素濃度が異なる成分に分離され、高濃度成分を
第2精留塔20の精留部23(23bと23cの間の液
導入部)に返送しつつ、低濃度成分を系外に排出してい
る。その際、高濃度成分は、加圧器46で加圧され、加
熱器47で加熱されてから第2精留塔20に導入され
る。
【0044】また、本発明では、第1濃縮成分のフッ化
水素濃度を高めてから第2精留塔に導入する際に、系外
から導入したフッ化水素含有水を第1濃縮成分に混合し
てもよい。その際、図5に示すように、系外から導入し
たフッ化水素含有水、及び第2精留塔の精留部又は頂部
から導出した第3濃縮成分の両者を混合してもよい。図
示した例では、混合に先立って、加熱器48による加熱
が行われる。
【0045】この実施形態では、精留部23bと23c
の間の液導出部から、フッ化水素が濃縮された第2濃縮
成分を液体で製出すると共に、第2精留塔20の頂部か
ら、フッ化水素が濃縮された第2濃縮成分を気体で製出
している。
【0046】(2)前述の第1及び第2実施形態では、
原料水溶液の加温を、第1精留塔で分離された高温水と
の熱交換により行う例を示したが、熱交換の対象や加温
の方式はこれに限定されるものではない。また、精留塔
に設けられる凝縮器や加熱器の形式や熱源なども全く限
定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフッ化水素の回収方法に用いられる装
置の一例を示す概略構成図
【図2】本発明のフッ化水素の回収方法に用いられる装
置の他の例を示す概略構成図
【図3】本発明のフッ化水素の回収方法に用いられる装
置の他の例を示す概略構成図
【図4】本発明のフッ化水素の回収方法に用いられる装
置の他の例を示す概略構成図
【図5】本発明のフッ化水素の回収方法に用いられる装
置の他の例を示す概略構成図
【符号の説明】 10 第1精留塔 11 凝縮器 12 加熱器 13 精留部 20 第2精留塔 21 凝縮器 22 加熱器 23 精留部 35 濃縮器 36 濃縮器 45 濃縮器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/469 C02F 1/46 103 (72)発明者 宮崎 博史 東京都江東区東雲1丁目9番1号 日本エ ア・リキード株式会社本社・東京マネジメ ントセンター内 (72)発明者 片岡 慎一 兵庫県加古郡播磨町新島16番 日本エア・ リキード株式会社播磨テクニカルセンター 内 Fターム(参考) 4D006 GA17 KA02 KB18 PA04 PB08 PB70 PC01 4D034 AA27 BA01 CA12 4D061 DA08 DB18 DC13 EA09 FA02 4D076 AA06 AA16 AA23 BB03 BB23 FA19 HA03 HA12 JA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属及び無機酸イオン、並びにフッ化水
    素を含有する原料水溶液を加温した後、頂部に凝縮器を
    底部に加熱器を各々設けた第1精留塔の精留部に導入
    し、その精留部にて精留分離を行って、頂部側に水分を
    底部側に前記金属及び無機酸イオンを各々濃縮して排出
    する一方で、フッ化水素含有水の共沸組成以下の濃度ま
    で濃縮した第1濃縮成分を原料水溶液の導入位置より下
    側の精留部から製出するフッ化水素の回収方法。
  2. 【請求項2】 製出する前記第1濃縮成分のフッ化水素
    濃度をフッ化水素含有水の共沸組成より高めてから、頂
    部に凝縮器を底部に加熱器を各々設けた第2精留塔の底
    部又は精留部に導入し、精留部にて精留分離を行って、
    その導入位置より頂部側からフッ化水素が濃縮された第
    2濃縮成分を製出する請求項1記載のフッ化水素の回収
    方法。
  3. 【請求項3】 前記第1濃縮成分のフッ化水素濃度を高
    める際に、前記第2精留塔の精留部又は頂部から導出し
    た第3濃縮成分を前記第1濃縮成分に混合する請求項2
    記載のフッ化水素の回収方法。
  4. 【請求項4】 前記第1濃縮成分のフッ化水素濃度を高
    める際に、系外から導入したフッ化水素含有水を前記第
    1濃縮成分に混合する請求項2記載のフッ化水素の回収
    方法。
  5. 【請求項5】 前記第2精留塔の塔底液を一部導出して
    フッ化水素濃度が異なる成分に分離し、高濃度成分を前
    記第2精留塔の精留部に返送しつつ、低濃度成分を前記
    第1精留塔の精留部に返送するか又は排出する請求項2
    〜4いずれかに記載のフッ化水素の回収方法。
  6. 【請求項6】 前記塔底液を分離する際に分離膜又は電
    気透析を用いる請求項5記載のフッ化水素の回収方法。
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