JP3959259B2 - フッ化水素の回収方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属及び無機酸イオン、並びにフッ化水素を含有する原料水溶液から精留分離によりフッ化水素を回収するフッ化水素の回収方法に関し、特に半導体産業から排出するフッ化水素含有廃液から高濃度のフッ化水素を回収する方法として有用である。
【0002】
【従来の技術】
近年、フッ素化合物の消費量は、半導体産業を始めとして各種産業において増加しており、その廃液処理や回収・再利用の方法が検討されている。このような廃液には、例えば、半導体産業から排出するフッ化水素含有廃液の場合、不純物として、Cl- ,NO3 - ,SO4 2-等の無機酸イオン、及びAl,Ca,Na,K,Mg,Fe等の金属成分が含まれている。しかし、これらの不純物を除去しつつ、同時に高純度フッ化水素を回収する方法は、以下のように未だ確立されていないのが実状である。
【0003】
例えば、従来よりフッ素含有廃液は、法規制値である約30ppmまで水等で希釈し、廃液として処理されるか、または化学反応でフッ化カルシウムにしろ過分離後、セメントに混入されていた。これらの方法は資源の有効利用にならないため、フッ化カルシウムからフッ素を回収する方法が考えられるが、フッ化カルシウムに珪素等の不純物が含有され、又、均一な結晶を得るのが困難であるため、回収されたフッ化カルシウムから、さらにフッ化水素を製造するのは困難である。
【0004】
一方、特表平5−505556号公報には、硝酸とフッ化水素とを含有する水溶液を、2段の精留塔を用いて分離・回収する方法が提案されている。その際、1段目の精留塔で共沸混合物に近い組成まで濃縮した濃縮液を2段目の精留塔に導いて、2段目の精留塔で硝酸とフッ化水素とを精留分離している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の方法では、1段目の精留塔で硝酸とフッ化水素を塔底液として分離するため、前述の金属や無機酸イオンを含む廃液では、第1塔で金属等を除去することができず、また、第2塔でもフッ化水素を塔底液として分離するため、金属等の除去ができないという問題があった。
【0006】
なお、電気透析装置を用いて、フッ化水素含有廃液中のフッ化水素を濃縮する方法も知られているが、高濃度に濃縮することが困難であり、前述のような金属やイオンを含む廃液では、特に金属成分及び無機酸イオンが分離できないという問題が生じる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、金属や無機酸イオンの除去を効果的に行いながら、好ましくは、高純度のフッ化水素が精留分離により回収可能なフッ化水素の回収方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。
即ち、本発明のフッ化水素の回収方法は、金属及び無機酸イオン、並びにフッ化水素を含有する原料水溶液を加温した後、頂部に凝縮器を底部に加熱器を各々設けた第1精留塔の精留部に導入し、その精留部にて精留分離を行って、頂部側に水分を底部側に前記金属及び無機酸イオンを各々濃縮して排出する一方で、フッ化水素含有水の共沸組成以下の濃度まで濃縮した第1濃縮成分を原料水溶液の導入位置より下側の精留部から製出することを特徴とする。
【0009】
上記において、製出する前記第1濃縮成分のフッ化水素濃度をフッ化水素含有水の共沸組成より高めてから、頂部に凝縮器を底部に加熱器を各々設けた第2精留塔の底部又は精留部に導入し、精留部にて精留分離を行って、その導入位置より頂部側からフッ化水素が濃縮された第2濃縮成分を製出することが好ましい。
【0010】
このとき、前記第1濃縮成分のフッ化水素濃度を高める際に、前記第2精留塔の精留部又は頂部から導出した第3濃縮成分を前記第1濃縮成分に混合することが好ましい。
【0011】
あるいは、前記第1濃縮成分のフッ化水素濃度を高める際に、系外(回収物を一旦、貯槽などに溜めたものでもよい)から導入したフッ化水素含有水を前記第1濃縮成分に混合することが好ましい。その際、上記の第3濃縮成分の混合を併用することも可能である。
【0012】
また、前記第2精留塔の塔底液を一部導出してフッ化水素濃度が異なる成分に分離し、高濃度成分を前記第2精留塔の精留部に返送しつつ、低濃度成分を前記第1精留塔の精留部に返送するか又は排出することが好ましい。
【0013】
このとき、前記塔底液を分離する際に分離膜又は電気透析を用いることが好ましい。
【0014】
[作用効果]
本発明のフッ化水素の回収方法によると、原料水溶液を第1精留塔の精留部で精留分離する際に、底部側に金属及び無機酸イオンを濃縮して排出する一方で、フッ化水素が濃縮した第1濃縮成分を原料水溶液の導入位置より下側の精留部から製出するため、第1濃縮成分に含まれる金属等の濃度が非常に低くなる。その結果、金属等塩の除去を効果的に行いながら、フッ化水素が精留分離によりそのまま回収できるようになる。
【0015】
製出する前記第1濃縮成分のフッ化水素濃度をフッ化水素含有水の共沸組成より高めてから、上記の第2精留塔の底部又は精留部に導入し、精留部にて精留分離を行って、その導入位置より頂部側からフッ化水素が濃縮された第2濃縮成分を製出する場合、第2精留塔で共沸組成を回避しつつ精留分離が行えるため、高純度のフッ化水素が精留分離により回収可能となる。つまり、元来、フッ化水素含有水は共沸点が存在するため、濃度を高める精留は困難であったが、フッ化水素の分離を共沸点以下と以上の二塔の精留塔で行い、共沸点を含まない精留条件で分離することで、高純度化が可能となった。このような高純度フッ化水素は、そのままでリサイクル使用が可能となる。
【0016】
前記第1濃縮成分のフッ化水素濃度を高める際に、前記第2精留塔の精留部又は頂部から導出した第3濃縮成分を前記第1濃縮成分に混合する場合、第2精留塔で更に濃縮された留分を用いて第1濃縮成分のフッ化水素濃度を高めるため、別の濃縮装置や系外からの供給を要せずして、高純度のフッ化水素が精留分離により回収可能となる。
【0017】
前記第1濃縮成分のフッ化水素濃度を高める際に、系外から導入したフッ化水素含有水を前記第1濃縮成分に混合する場合、精留塔の運転状態に応じて、フッ化水素含有水の量を変化させるなどして、運転状態の変動に好適に対応できるようになる。
【0018】
前記第2精留塔の塔底液を一部導出してフッ化水素濃度が異なる成分に分離し、高濃度成分を前記第2精留塔の精留部に返送しつつ、低濃度成分を前記第1精留塔の精留部に返送するか又は排出する場合、複精留による分離では底部から塔底液に多量のフッ化水素が含まれるため、フッ化水素の回収率が極端に低下するところ、分離によりフッ化水素を回収するため、フッ化水素の回収率を例えば90%以上にすることができる。また、塔底からの廃液の処理が不要となるか、又は塔底液をそのまま排出する場合に比べて、廃液処理の負担が大幅に軽減する。
【0019】
前記塔底液を分離する際に分離膜又は電気透析を用いる場合、塔底液のフッ化水素濃度に適した分離が行え、フッ化水素の回収率を大幅に高めることが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1〜図3は本発明に関連する実施形態を、図4〜図5は本発明の実施形態を示す。
【0021】
本発明に関連する実施形態〕
本発明に関連するフッ化水素の回収方法は、図1に示すように、原料水溶液を加温した後、第1精留塔10の精留部13に導入し、その精留部13にて精留分離を行って、頂部側に水分を底部側に金属及び無機酸イオンを各々濃縮して排出する一方で、フッ化水素含有水の共沸組成以下の濃度まで濃縮した第1濃縮成分を原料水溶液の導入位置より下側の精留部13から製出するものである。本実施形態では、1基の精留塔10を用いて第1濃縮成分を製出し、これをより高濃度のフッ化水素水と混合して、所定の濃度のフッ化水素水を供給する例を示す。
【0022】
本発明における原料水溶液は、金属及び無機酸イオン、並びにフッ化水素を含有するものである。具体的には、金属としては、Al,Ca,Na,K,Mg,Fe等が挙げられる。また、無機酸イオンとしては、硝酸イオン、硫酸イオン、又は塩酸イオン等が挙げられる。原料水溶液は、金属及び無機酸イオンの何れかを含んでいればよいが、本発明は両者を含む場合に特に有効である。原料水溶液中のフッ化水素濃度は、0.05〜2重量%が一般的である。また、金属濃度は、各濃度で400ppb重量程度、無機酸イオンの濃度は、各濃度で3000ppm重量程度が一般的である。
【0023】
原料水溶液は、通常、大気圧よりやや高い圧力(例えば1.2バールA)で供給されるのが好ましい。また、供給に際して予め電気透析や膜分離によりフッ化水素濃度を高めておいてもよい。原料水溶液は、第1精留塔10で分離された高温水との熱交換により、熱交換器1で加温される。加温後の温度は、一般に90℃程度であり、これが第1精留塔10の精留部13に導入される。
【0024】
第1精留塔10は、頂部に凝縮器11を、底部に加熱器12を各々設けてあり、その中間に精留部13が設けられる。本実施形態における精留部13は、3つの精留部13a,13b,13cと、それらの間の液導入部と液導出部を有している。各々の精留部13a,13b,13cは、棚段式、充填塔式 充填トレー式など何れの構造でもよい。
【0025】
精留部13aと13bの間の液導入部から導入された原料水溶液は、精留部13で精留分離されて、第1精留塔10の頂部側に水分を濃縮し、底部側に前記金属等を各々濃縮する。このとき、凝縮器11によって頂部の気体が一部液化されて還流液が生成される。また、頂部の気体(液体でもよい)の残部は第1精留塔10から抜き出されて、熱交換器1に導入され、冷却されたのち、水として排出される。この水には、金属、無機酸イオン、フッ化水素が殆ど含まれておらず、例えばフッ素含有廃液の法規制値である約30ppm以下にフッ化水素濃度を低減することができる。また、金属は各成分で数十ppb重量、無機酸イオンは各成分で数十ppm重量に低減することができる。
【0026】
一方、第1精留塔10の底部の塔底液の一部は、加熱器12で気化(リボイル)されて底部に返送される。気化させる温度は113℃(例えば約1.3バールAの場合)前後が好ましい。塔底液の残部は、廃液として連続的又は断続的、定期的に排出される。この廃液には、原料水溶液中に含まれる金属の90%以上が、無機酸イオンの99%以上が含まれており、回収されるフッ化水素の純度がその分高くなることになる。なお、凝縮器11の冷媒には通常は冷却水が使用され、加熱器12の熱源には水蒸気か電気が使用される。
【0027】
上記の際、同時に第1精留塔10の底部側にフッ化水素が濃縮されるが、フッ化水素含有水の共沸組成(フッ化水素濃度:37.7重量%)以下の濃度まで濃縮した第1濃縮成分を、原料水溶液の導入位置より下側の精留部(13bと13cの間)から製出する。第1濃縮成分のフッ化水素濃度は、35〜37重量%が好ましい。なお、第1濃縮成分は液体及び/又は気体で製出することができるが、フッ化水素水と混合するなどの場合、液体で製出するのが好ましい。本実施形態では、原料水溶液が約500ppmから2重量%のフッ化水素を含有する場合、その90重量%のフッ化水素を約35重量%濃度のフッ化水素水として回収することができる。
【0028】
この第1濃縮成分は、そのまま使用してもよいが、更に高濃度にする必要がある場合、より高濃度のフッ化水素水と混合して、所定の濃度のフッ化水素水を使用者に供給すればよい。
【0029】
本発明に関連する別実施形態〕
(1)前述の実施形態において、第1濃縮成分から更に金属及び無機酸イオンを除去する必要がある場合、図2に示すように副精留塔30を用いて更に精留分離したものを製出すればよい。以下、相違部分について説明する。
【0030】
第1精留塔10の精留部(13bと13cの間)からは、気体の第1濃縮成分を製出し、副精留塔30の底部にこれを導入する。導入後、これが副精留塔30の精留部33にて精留分離され、頂部側にフッ化水素が濃縮され、底部側に金属及び無機酸イオンが濃縮される。副精留塔30の頂部には、凝縮器31を設けてあり、頂部の気体は液化されて、一部が還流液となり、残部は製出された後、より高濃度のフッ化水素水と混合され、所定の濃度のフッ化水素水として使用者に供給される。一方、副精留塔30の底部に流下した塔底液は、第1精留塔10の精留部(13bと13cの間)に返送される。
【0031】
(2)前述の実施形態では、製出した第1濃縮成分をより高濃度のフッ化水素水と混合して、所定の濃度のフッ化水素水を供給する例を示したが、本実施形態では、図3に示すように、製出した第1濃縮成分を濃縮器35で分離することで所定の濃度のフッ化水素水を供給してもよい。
【0032】
濃縮器35としては、分離膜又は電気透析装置等を用いることができる。具体的には、分離膜としては、フッ化水素濃縮膜(例えばCMS社製)などの市販品を使用することができる。
【0033】
本発明の実施形態
本発明の実施形態は、図4に示すように、製出する第1濃縮成分のフッ化水素濃度をフッ化水素含有水の共沸組成より高めてから第2精留塔20の底部(又は精留部23)に導入し、精留部23にて精留分離を行って、その導入位置より頂部側からフッ化水素が濃縮された第2濃縮成分を製出するものである。図示した例では、前記第1濃縮成分のフッ化水素濃度を高める際に、第2精留塔20の頂部(精留部23でもよい)から導出した第3濃縮成分を第1濃縮成分に混合する。以下、上記本発明に関連する実施形態との相違部分について主に説明する。
【0034】
第1精留塔10での精留操作は第1実施形態と略同じであるが、精留部13が4つの精留部13a〜13dで構成され、精留部13aと13bの間の液導入部に第2精留塔20の塔底液を分離した低濃度成分が導入される点が異なる。
【0035】
液体又は気体として製出された第1濃縮成分は、予め第3濃縮成分と混合されてから第2精留塔20の底部又は精留部23に導入される。第2精留塔20の頂部から導出された第3濃縮成分(液体又は気体)は、加熱器39で加熱後、加圧器40で若干加圧されて第1濃縮成分と混合される。混合後の濃度は、フッ化水素含有水の共沸組成より高い濃度であり、好ましくは40重量%以上、より好ましくは約45重量%である。
【0036】
第2精留塔20は、頂部に凝縮器21を、底部に加熱器22を各々設けてあり、その中間に精留部23が設けられる。本実施形態における精留部23は、2つの精留部23a,23bと、それらの間の液導入部とを有している。各々の精留部23a,23bは、棚段式、充填塔式 充填トレー式など何れの構造でもよい。
【0037】
第2精留塔20の底部から導入された混合後の濃縮液は、フッ化水素含有水の共沸組成より高いフッ化水素濃度であるため、精留部23で精留分離されて、第2精留塔20の頂部側にフッ化水素を濃縮し、底部側にその他の成分を各々濃縮することが可能となる。このとき、凝縮器21によって頂部の気体が一部液化されて還流液が生成される。また、頂部の還流液の一部は第2精留塔20から抜き出されて、フッ化水素が濃縮された第2濃縮成分として製出される。
【0038】
一方、第2精留塔20の底部の塔底液の一部は、加熱器22で気化(リボイル)されて底部に返送される。塔底液の残部は、濃縮器36にてフッ化水素濃度が異なる成分に分離され、高濃度成分を第2精留塔20の精留部23(23aと23bの間の液導入部)に返送しつつ、低濃度成分を第1精留塔10の精留部13(13aと13bの間の液導入部)に返送している。その際、高濃度成分は、加熱器37で加熱され、加圧器38で加圧されてから第2精留塔20に導入される。また、低濃度成分は、加熱器41で加熱され、加圧器42で加圧されてから第1精留塔10に導入される。なお、濃縮器36としては、図3に示す濃縮器35と同様のものが使用可能である。
【0039】
上記のようにして製出される第2濃縮成分のフッ化水素濃度は、100重量%が可能となる。また、フッ化水素の回収率は、90重量%が可能となる。なお、第2濃縮成分は液体及び/又は気体で製出することができる。
【0040】
なお、図4には、具体的な流量(mol/h)、圧力(バールA:絶対圧)、温度(℃)が示されているが、これらは何れも発明の理解を容易にするための例示であり、具体的な値に本発明は限定解釈されるものではない。また、各位置1)〜4)における各成分の濃度を示すと、例えば表1のようになる。
【0041】
【表1】
Figure 0003959259
【0042】
本発明の実施形態の別実施形態〕
(1)前述の実施形態では、塔底液を濃縮器でフッ化水素濃度が異なる成分に分離した後、各成分を第2精留塔の精留部と第1精留塔の精留部とに返送する例を示したが、本発明では、図5に示すように、濃縮器で分離された低濃度成分を系外に排出するようにしてもよい。
【0043】
つまり、塔底液の残部は、濃縮器45にてフッ化水素濃度が異なる成分に分離され、高濃度成分を第2精留塔20の精留部23(23bと23cの間の液導入部)に返送しつつ、低濃度成分を系外に排出している。その際、高濃度成分は、加圧器46で加圧され、加熱器47で加熱されてから第2精留塔20に導入される。
【0044】
また、本発明では、第1濃縮成分のフッ化水素濃度を高めてから第2精留塔に導入する際に、系外から導入したフッ化水素含有水を第1濃縮成分に混合してもよい。その際、図5に示すように、系外から導入したフッ化水素含有水、及び第2精留塔の精留部又は頂部から導出した第3濃縮成分の両者を混合してもよい。図示した例では、混合に先立って、加熱器48による加熱が行われる。
【0045】
この実施形態では、精留部23bと23cの間の液導出部から、フッ化水素が濃縮された第2濃縮成分を液体で製出すると共に、第2精留塔20の頂部から、フッ化水素が濃縮された第2濃縮成分を気体で製出している。
【0046】
(2)前述の本発明の実施形態および関連する実施形態では、原料水溶液の加温を、第1精留塔で分離された高温水との熱交換により行う例を示したが、熱交換の対象や加温の方式はこれに限定されるものではない。また、精留塔に設けられる凝縮器や加熱器の形式や熱源なども全く限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関連するフッ化水素の回収方法に用いられる装置の一例を示す概略構成図
【図2】本発明に関連するフッ化水素の回収方法に用いられる装置の他の例を示す概略構成図
【図3】本発明に関連するフッ化水素の回収方法に用いられる装置の他の例を示す概略構成図
【図4】本発明のフッ化水素の回収方法に用いられる装置の一例を示す概略構成図
【図5】本発明のフッ化水素の回収方法に用いられる装置の他の例を示す概略構成図

Claims (5)

  1. 金属及び無機酸イオン、並びにフッ化水素を含有する原料水溶液を加温した後、頂部に凝縮器を底部に加熱器を各々設けた第1精留塔の精留部に導入し、その精留部にて精留分離を行って、頂部側に水分を底部側に前記金属及び無機酸イオンを各々濃縮して排出する一方で、フッ化水素含有水の共沸組成以下の濃度まで濃縮した第1濃縮成分を原料水溶液の導入位置より下側の精留部から製出し、前記第1濃縮成分のフッ化水素濃度をフッ化水素含有水の共沸組成より高めてから、頂部に凝縮器を底部に加熱器を各々設けた第2精留塔の底部又は精留部に導入し、精留部にて精留分離を行って、その導入位置より頂部側からフッ化水素が濃縮された第2濃縮成分を製出するフッ化水素の回収方法。
  2. 前記第1濃縮成分のフッ化水素濃度を高める際に、前記第2精留塔の精留部又は頂部から導出した第3濃縮成分を前記第1濃縮成分に混合する請求項1記載のフッ化水素の回収方法。
  3. 前記第1濃縮成分のフッ化水素濃度を高める際に、系外から導入したフッ化水素含有水を前記第1濃縮成分に混合する請求項1記載のフッ化水素の回収方法。
  4. 前記第2精留塔の塔底液を一部導出してフッ化水素濃度が異なる成分に分離し、高濃度成分を前記第2精留塔の精留部に返送しつつ、低濃度成分を前記第1精留塔の精留部に返送するか又は排出する請求項1〜3いずれかに記載のフッ化水素の回収方法。
  5. 前記塔底液を分離する際に分離膜又は電気透析を用いる請求項4記載のフッ化水素の回収方法。
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