JP2572646B2 - 過酸化窒素の製造法 - Google Patents

過酸化窒素の製造法

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JP2572646B2 JP1124298A JP12429889A JP2572646B2 JP 2572646 B2 JP2572646 B2 JP 2572646B2 JP 1124298 A JP1124298 A JP 1124298A JP 12429889 A JP12429889 A JP 12429889A JP 2572646 B2 JP2572646 B2 JP 2572646B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、四酸化二窒素(N2O4)(以下、これを
「過酸化窒素」と称する。)の製造法の改良に関する。
さらに詳しくは、反応塔下部の反応域および反応塔上部
の蒸留域を一体に連続して有する反応塔を使用して、該
反応塔下部の反応域において一酸化窒素の酸化と、該反
応塔上部の蒸留域において前記酸化反応によって生成し
た過酸化窒素の蒸留精製とを行い、該反応塔の塔頂から
導出された過酸化窒素を冷却して回収することによっ
て、主として一酸化窒素および二酸化窒素を含有し水分
を5容量%以下含有する混合ガスから液体過酸化窒素を
製造する方法に関するものである。
過酸化窒素は、酸化剤、ロケット燃料助燃剤等として
多くの用途を有するものであるが、特に、この発明で得
られる液体過酸化窒素は、安価で高品質のものであり、
ピッチ系炭素繊維を製造する際の不融化処理時の酸化性
ガスとして好適に使用することができる。
〔従来技術の説明〕
従来、液体過酸化窒素の製造法は、主として一酸化窒
素(NO)および二酸化窒素(NO2)を含有する混合ガ
ス、または、過酸化窒素を製造する際に副生される三酸
化二窒素、一酸化窒素等の不純物を含有する粗NO2を、
酸素ガスの存在下に酸化して、過酸化窒素を生成し、該
過酸化窒素を含有する酸化反応ガスを精製した後、得ら
れた高純度の過酸化窒素ガスを冷却して液化することに
よって製造されていた。(特公昭48−994号公報など参
照)。
しかしながら、上記の製造法を工業的に実現するに
は、一般的に装置が極めて煩雑になり、操作も複雑であ
るので、安定して効率よく液体過酸化窒素を製造するこ
とが困難であった。
〔発明が解決しようとする課題〕
この発明の目的は、公知の技術における前述したよう
な問題点を解決することができるような、簡単な装置に
よって、しかも、簡単な操作によって、液体過酸化窒素
を工業的に効率よく製造する新規な方法を提供すること
である。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、反応塔下部の反応域および反応塔上部の
蒸留域を一体に連続して有する反応塔を使用して、 一酸化窒素および二酸化窒素を主として含有し、か
つ、水分を5容量%以下含有する混合ガスと、酸素ガス
とを冷却された濃硝酸が循環されている前記反応塔下部
の反応域へ供給し、前記混合ガス中の一酸化窒素を酸化
させて、過酸化窒素(N2O4)を生成させ、 該反応塔上部の蒸留域で、前記酸化反応ガスを、冷N2
O4液と接触させて精製して、 前記蒸留域を通過したN2O4を該反応塔の塔頂から取り
出し冷却してN2O4液を回収することを特徴とする過酸化
窒素の製造法に関する。
〔本発明の各要件の詳しい説明〕
以下、図面を参考にしながら、この発明を詳しく説明
する。
第1図は、この発明の過酸化窒素の製造法を実現する
ための一例を示すフロー図である。
この発明は、第1図に示すように、例えば、 (A)〔NO酸化過程〕 反応塔下部の反応域101および反応塔上部の蒸留域102
を一体に連続して有する反応塔1を使用して、 一酸化窒素および二酸化窒素を主として含有し水分を
5容量%以下含有する混合ガスと、酸素ガスとを、冷却
された濃硝酸が循環されている前記反応塔下部の反応域
101の下部へ供給し、 該反応域101で前記混合ガス中の一酸化窒素を酸化さ
せて、二酸化窒素(NO2)、過酸化窒素(N2O4)および
硝酸(HNO3)を生成させ、 (B)〔N2O4精製過程〕 該反応塔上部の蒸留域102で、前記の生成したNO2、N2
O4およびHNO3を含む酸化反応ガスを、反応塔1の頂部か
ら供給された冷N2O4液と接触させて精製して、 (C)〔N2O4液化過程〕 該反応液1の塔頂から、前記蒸留域102を通過したN2O
4を主成分とするガスを取り出し、 該ガスを冷却してN2O4液となし回収すると共に、 (D)〔HNO3抜出し過程〕 一方、該反応塔下部の反応域101で、前記酸化反応に
よって生成したHNO3を前記冷却された濃硝酸に吸収させ
流下させ、該反応塔下部の反応域101の底部に溜めて、
該底部から濃硝酸として取り出すのである。
以下、この発明の製造法における前記各過程の操作を
さらに詳しく説明する。
〔NO酸化過程について〕
この発明において、NO酸化過程は、第1図に示すよう
に、一酸化窒素および二酸化窒素を主として含有し水分
を5容量%以下含有する混合ガスを、ライン10経由で混
合ガスブロワー5に導き昇圧した後、ライン11を経て、
下部に反応域101および上部に蒸留域102を一体に連続し
て有する反応塔1の該反応域101の下部へ供給するとと
もに、O2ブロワー6で加圧された酸素ガスをライン14経
由で、前記混合ガスと同じく、前記反応塔1の下部に位
置する反応域101の下部へ供給し、一方、後述するよう
にして、該反応域101の上部より冷却された濃硝酸を循
環・流下させながら、前記混合ガス中の一酸化窒素を酸
化して、NO2、N2O4およびNHO3を生成させるのである。
この発明の過酸化窒素の製造法における原料ガスは、
上記のように、総容量が100容量%となるようにして、
一酸化窒素、二酸化窒素および過酸化窒素から成る窒素
酸化物が95容量%以上、そして、水分が5容量%以下含
有される混合ガスであり、この窒素酸化物の組成は、一
酸化窒素の量に対する二酸化窒素(過酸化窒素を含む)
の量が容量比で0〜1.25であるものであることが好まし
い。
また、この原料ガスの圧力および温度としては、圧力
が0〜10kg/cm2G、好ましくは0〜5kg/cm2G、そして、
濃度が10〜55℃、好ましくは20〜40℃のものが望ましい
が、以下、一例として、圧力が0kg/cm2G(常圧)である
場合について説明するものとする。
ところで、前記混合ガス中の水分濃度が5容量%より
大きい場合には、該ガス中の二酸化窒素と水とによる次
記(1)式に示される副反応により、過酸化窒素の収率
の低下が大きくなるので好ましくない。
3NO2+H2O→2HNO3+NO (1) 従って、前記原料ガスとしては、上記のようなガス組
成の混合ガスであれば特に限定されるものではないが、
この発明においては、少なくとも15〜40重量%の亜硝酸
ソーダを含有する亜硝酸ソーダ水溶液と5〜70重量%の
希硝酸とによる、次の(2)式に示す亜硝酸ソーダの硝
酸分解反応により生成するガスを好適に使用することが
できる。
2NaNO2+2HNO3→2NaNO3+H2O+NO+NO2 (2) この場合、得られたガス中の水分濃度が5容量%より
大きいときには、前記の理由から、前記ガスを予め冷却
または圧縮・冷却して、その水分濃度が5容量%以下と
なるように、該水分を凝縮し除去するのが望ましい。な
お、前記ガスの圧縮および冷却は、前記ガス中の二酸化
窒素が液化しない圧力および温度の範囲で行う必要があ
ることは言うまでもない。
また、原料とするガス中の水分濃度が5容量%より大
きい場合の具体的な操作としては、前記混合ガスブロワ
ー5で昇圧された前記ガスをライン11およびライン12を
経て第二冷却器9に導入し、二酸化窒素の露点以上、35
℃以下、好ましくは21〜30℃に冷却して、水分の一部を
凝縮・分離し、前記ガス中の水分濃度を5容量%以下と
した後、ライン13およびライン11を経て、前記反応塔下
部の反応域101の下部へ導入することが好ましい。
この発明の製造法では、後述するように、反応塔1の
頂部から導出される過酸化窒素(N2O4)を主成分とする
ガス、つまり、過酸化窒素の蒸気、過剰の窒素、イナー
トガスなどからなる導出ガスを凝縮器2で冷却して、過
酸化窒素の蒸気を凝縮させているが、前記導出ガス中の
イナートガス含有量が多くなると、この凝縮操作を加圧
下に行わない限り、過酸化窒素の蒸気が凝縮器2で凝縮
しにくくなり、その結果、二酸化窒素の回収率が低下す
るために、前記の酸素ガスは、純度99容量%以上の高純
度酸素ガスであることが好ましい。
しかしながら、前記の酸素ガスとしては、上記の高純
度酸素ガスに限定されるものではなく、例えば、酸素ガ
スと窒素ガスとの混合ガスや安価な空気などの使用も可
能であるが、実際に前記酸素ガスとして何を使用するか
は、該酸素ガスおよび前記原料ガス中に含まれるイナー
トガス量と二酸化窒素の目標回収率との兼ね合いから、
経済性の比較によって決定されるべきものである。
前記酸素ガスの供給量は、純度100%の酸素供給量と
して、前記反応塔1の下部に位置する反応域101の下部
に供給される混合ガス中の一酸化窒素および水の、単位
時間当たりの供給量の合計量(1kg−mol/H)に対して、
0.5〜0.8kg−mol/H、好ましくは0.55〜0.65kg−mol/Hと
なるような量であることが好ましい。
また、前記反応塔下部の反応域101において、供給さ
れた混合ガスと酸素ガスとを十分に混合するとともに、
前記混合ガス中の一酸化窒素の酸化による反応熱を除去
して、前記酸化反応を十分に進行せしめるために、前記
反応域101は、充填塔型式とし、該充填層の下部から、
前記混合ガスおよび酸素ガスを導入するのが好ましい。
前記充填層に充填される充填材の型式としては、ラシ
ヒリング、レッシングリング、ポールリング、ベルルサ
ドル、その他通常工業的に使用される型式のものがあれ
ばどんなものでも良い。
ところで、この発明の製造法は、前記混合ガス中の一
酸化窒素の二酸化窒素への酸化反応熱を、後記する反応
塔上部の蒸留域102での過酸化窒素の蒸留精製のための
熱源として使用することを特徴とするものであるが、前
記酸化反応熱(9.9Kcal/mol)が過酸化窒素の蒸発潜熱
(例えば、18℃、latmで8.6Kcal/mol)より大きいため
に、後述するように、冷却された濃硝酸を、前記反応塔
下部の反応域101の上部へ循環させ、そして、前記充填
層の上部から流下せしめ、該充填層で生成し該充填層を
上昇していく酸化反応ガスと向流接触により熱交換させ
て、余剰となる酸化反応熱を除去し、前記反応域101で
の熱バランスを維持することが望ましい。
このようにして前記混合ガス中の一酸化窒素(NO)
は、〔{反応塔下部の反応域へ供給される混合ガス中の
NOの単位時間当たりのモル数(kg−mol/H)−反応塔上
部の蒸留域へ供給される酸化反応ガス中の残存NOの単位
時間当たりのモル数(kg−mol/H)}/{反応塔下部の
反応域へ供給される混合ガス中のNOの単位時間当たりの
モル数(kg−mol/H)}〕×100(%)の値で示されるNO
酸化率で、90%以上、好ましくは98%以上に酸化される
のが好ましい。
〔N2O4精製過程について〕 この発明の製造法では、次に、前記反応塔1の下部の
反応域101で得られ該反応域101を上昇する、主としてNO
2、N2O4およびHNO3を含有する酸化反応ガスを、上部よ
り冷却された過酸化窒素(N2O4)液が還流している反応
塔上部の蒸留域102へ導入し、ここで、下方へ流下する
前記冷N2O4液と向流気液接触させて、過酸化窒素の蒸留
精製を行い、反応塔1の塔頂から導出される硝酸蒸気の
量を後述するような所望の範囲内に抑えることが好まし
い。
前記反応塔上部の蒸留域102の型式としては、泡鐘
塔、多孔板塔などの棚段塔、充填塔、その他蒸留機能を
有するものであればどんな型式のものであっても良い。
なお、前記蒸留域102の型式として充填塔を使用した場
合の充填材の型式は、前記反応塔下部の反応域101の場
合と同様の型式のものから選定されるのが好ましい。
また、前記反応塔上部の蒸留域102の上部へ還流され
る前記冷N2O4液の還流比は、0.2〜2、好ましくは0.5〜
1であることが好ましい。すなわち、還流比を2より大
きくすると、前記蒸留域102での該還流液(N2O4液)の
蒸発に要する熱量が、前記反応塔下部の反応域101での
一酸化窒素の酸化反応により発生する熱量を上回るの
で、後記する第一冷却器4で加熱する必要が出てくるの
である。
〔N2O4液化過程について〕 さらに、この発明の製造法においては、前記反応塔1
の塔頂から、前記反応塔上部の蒸留域102を通過したN2O
4を主成分とするガス、すなわち、過酸化窒素(N2O4
の蒸気、硝酸蒸気、未酸化の一酸化窒素、二酸化窒素、
過剰の酸素およびイナートガスなどからなる導出ガスを
取り出し、ライン15経由で凝縮器2へ導き、この凝縮器
2で、該ガスを、例えば冷水などの冷媒にて−5〜20℃
の温度に冷却し、前記過酸化窒素(N2O4)の蒸気および
硝酸蒸気をN2O4液となし回収するのである。
この凝縮器2での冷却温度を低くすればする程、前記
反応塔1へ供給される混合ガス中の窒素分基準の過酸化
窒素の回収率は高くなるが、実際に冷却温度は幾らにす
るかは、この冷却のためのエネルギ−コストと前記過酸
化窒素の回収率との経済性比較から決定されるべきであ
る。
ついで、ここで凝縮した過酸化窒素と少量の硝酸とを
含有する凝縮液と、一酸化窒素、未凝縮の二酸化窒素お
よび過酸化窒素、過剰の酸素ならびにイナートガスなど
からなる非凝縮性ガスとの気液混合物を、ライン16を経
て気液分離器3内へ導入し、前記非凝縮性ガスと前記凝
縮液とに分離するのが望ましい。
その後、気液分離器3の底部からライン17によって抜
き出された−5〜20℃の前記凝縮液を、還流ポンプ8に
よって、その一部はライン18およびライン19を経て前記
反応塔上部の蒸留域102の上部へ還流する一方、残部は
ライン18経由で製品タンク(図示せず)へ抜き出すので
ある。
一方、気液分離器3の頂部から導出する前記非凝縮性
ガスは、上記の如く、一酸化窒素、二酸化窒素および過
酸化窒素等の窒素酸化物を含有しているので、ライン24
経由で系外へ抜き出され、適宜処理されるのである。
なお、この発明の製造法では、気液分離器3の底部か
ら抜き出された、過酸化窒素と少量の硝酸とを含有する
前記の凝縮液の一部を前記反応塔上部の蒸留域102の上
部へ還流しているが、該凝縮液の全量を前記製品タンク
へ抜き出し、そして、好ましくは−5〜20℃の冷N2O4
を系外より前記反応塔上部の蒸留域102の上部へ導入し
てもかまわない。
また、前記凝縮器2での冷却に使用される冷媒として
は、前記の冷却温度に応じて、例えば前述した冷水の他
に液体アンモニア等を好適に使用することができる。
〔HNO3抜出し過程について〕 一方、この発明のHNO3抜出し過程は、後記の冷却され
た濃硝酸が上部より循環・流下している前記反応塔下部
の反応液101において、前記混合ガス中の水分と、前記
混合ガス中に含まれているか、もしくは、前記酸化反応
により生成した二酸化窒素との前記(1)式で示される
副反応により生成した硝酸(HNO3)を、前記冷却された
濃硝酸に吸収させながら流下せしめ、前記反応塔下部の
反応域101の底部に一旦溜めた後、取り出し、ライン20
を経て缶液ポンプ7で昇圧し、ライン21を経由して第一
冷却器4に導き、該第一冷却器4で冷却した後、さら
に、その一部をライン22経由で前記反応塔下部の反応域
101の上部へ循環させるとともに、残部は、ライン23経
由で系外へ抜き出すのである。
従って、前記反応塔下部の反応域101の底部から取り
出される缶液は、濃硝酸といっても、少量の二酸化窒素
を含有するものであり、この二酸化窒素濃度としては、
1〜15mol%、好ましくは5〜10mol%であることが望ま
しい。なお、ライン23を経由して系外へ抜き出される該
缶液は、例えば、濃硝酸工場へフィードして脱硝処理
し、濃硝酸として好適に使用することができる。
また、前記反応塔下部の反応域101の上部へ循環させ
る前記缶液の循環量および前記缶液の前記第一冷却器4
での冷却温度は、前述したような、前記反応域101での
熱バランスが維持できるように決められるべきである。
ところで、この発明の製造法においては、前記反応塔
1は、0kg/cm2G(常圧)の圧力で操作されるのが好まし
いが、該反応塔1の耐圧性能さえ許されれば、10kg/cm2
G以下、好ましくは5kg/cm2G以下の加圧下で操作される
のがさらに好ましい。それは、加圧下の方が、一酸化窒
素の二酸化窒素への酸化反応が速いこと、および加圧下
の方が、該反応塔1を出る前記導出ガス中の過酸化窒素
の凝縮器2での凝縮温度を高くすることができることな
どの理由からである。
前記反応塔1の操作条件としては、少なくとも、該反
応塔上部の蒸留域の操作温度を過酸化窒素(N2O4)の沸
点以上、かつ、硝酸の沸点以下とする必要がある。従っ
て、前記反応塔1を常圧下で操作する場合の該反応塔1
の操作条件としては、塔低温度を40〜80℃、好ましくは
50〜65℃、そして、塔頂温度を15〜35℃、好ましくは15
〜30℃程度にするのが望ましい。さらに、気液分離器3
の操作温度は、前述した凝縮器2での冷却温度である−
5〜20℃であることが望ましい。
さらにはまた、この発明の製造法では、前記反応塔1
の材質としては、耐硝酸腐食性の材質を使用する必要が
あり、例えば、高硅素鋳鉄、耐硝酸用特殊ステンレス
鋼、ガラスライニング材、テフロンライニング材などを
好適に挙げることができる。
以上のようにしてライン18経由で製品タンク(図示せ
ず)へ抜き出される液体過酸化窒素は、硝酸分を0.3〜
2.5重量%、好ましくは、0.5〜1.5重量%含有する純度9
7.5重量%以上、好ましいは98.5重量%以上の高品質の
ものであり、前記反応塔1の下部の反応域101に供給さ
れる混合ガスの全重量基準で80%以上の高収率で得るこ
とができるものである。
〔実施例〕
以下に、実施例を示し、この発明をさらに詳しく説明
するが、これは、この発明を何ら限定するものではな
い。
なお、実施例において、反応塔下部の反応域に供給さ
れる混合ガスの全重量基準の過酸化窒素の収率Y(%)
は、該反応塔下部の反応域に単位時間当たりに供給され
る前記混合ガスの重量B(kg/H)と単位時間当たりに生
成する過酸化窒素液中の過酸化窒素の重量A(kg/H)と
から次式によって求めた。
Y=(A/B)×100 実施例1 第1図に示すと同様な製造設備を有する過酸化窒素製
造のための実験装置を使用し、以下のようにして過酸化
窒素を製造した。
すなわち、組成が容量比で一酸化窒素68.43%、二酸
化窒素9.83%、過酸化窒素14.44%および水7.30%であ
り、そして圧力が0kg/cm2G(常圧)、かつ温度が40℃で
ある混合ガス2.24Nm3/H(3965.0g/H)を混合ガスブロワ
ー5に導き、40mm H2OGに昇圧後、第二冷却器9に導入
し、30℃に冷却したところ、前記混合ガス中の水分の一
部(58.5g/H)が凝縮し、前記混合ガス中の水分濃度
は、約4.2容量%となった。
この『一部の水分を除去した混合ガス』2.17Nm3/H(3
906.5g/H)を、反応塔1の下部の反応域101の下部へ連
続的に供給する一方、0kg/cm2G(常圧)、30℃(常温)
および純度99容量%の酸素ガス0.97Nm3/H(1390.9kg/
H)をO2ブロワー6で400mm H2OGに昇圧後、反応塔1の
下部の反後域101の下部へ連続的に供給した。
反応塔1の下部の反応域101は、充填塔となってお
り、ここで、前記『一部の水分を除去した混合ガス』中
の一酸化窒素の酸化反応が進行すると共に、前記『一部
の水分を除去した混合ガス』中の水は、この反応域101
に供給されるか、この反応域101で生成するかした二酸
化窒素と反応して濃硝酸が生成し、反応塔1の下部の反
応域101の底部に溜まった。この濃硝酸は、二酸化窒素
を10mol%含有しており、その温度は、50℃であった。
そこで、この濃硝酸を反応塔1の底部から抜き出し、
缶液ポンプ7を介して第一冷却器4へ導き、冷却後、反
応塔1の下部の反応域101の上部へ循環する一方、526.6
g/Hの前記濃硝酸を、第一冷却器4の後流側において、
ライン23経由で系外へ抜き出した。
一方、反応塔1の上部の蒸留域102は、充填塔となっ
ており、ここで、前記反応域101から導入される酸化反
応ガス中の過酸化窒素の蒸留精製が行われ、反応塔1の
塔頂から、組成が容量比で過酸化窒素79.97%、一酸化
窒素2.32%、二酸化窒素3.62%、硝酸0.62%、酸素12.7
3%および窒素0.74%のガスが、温度17℃で導出され
た。
次に、前記反応塔1の塔頂より取り出された前記導出
ガスを、凝縮器2に導き、5℃の冷水によって10℃まで
冷却し、過酸化窒素の蒸気の大部分を凝縮させた。そし
て、凝縮した過酸化窒素液と未凝縮ガスを、圧力が0kg/
cm2G、温度が10℃で操作されている気液分離器3へ導
き、その底部から過酸化窒素液を抜き出し、還流ポンプ
8によって還流比1で反応塔1の上部の蒸留域102の上
部へ還流すると共に、還流ポンプ8の吐出ラインから33
58.3g/Hの過酸化窒素液を製品タンクへ抜き出した。こ
の過酸化窒素液をガスクロマトグラフィーにより定量分
析した結果、この過酸化窒素液は、不純物として硝酸分
を0.7重量%含有する純度99.3重量%の高品質のもので
あることが判った。従って、反応塔1の下部の反応域10
1に供給された混合ガスの全重量基準の過酸化窒素の収
率は、85.4%であることが判った。
なお、気液分離器3の頂部より、組成が容量比で過酸
化窒素49.09%、一酸化窒素6.08%、二酸化窒素9.49
%、酸素33.39%および窒素1.95%の非凝縮ガス0.51Nm3
/H(1411.3g/H)が、温度10℃で系外へ放出された。
〔本発明の作用効果〕
従来公知の過酸化窒素の製造法は、前述のように、そ
れを工業的に実現するには、一般的に装置が極めて煩雑
になり、操作も煩雑であるので、安定して効率よく液体
過酸化窒素を製造することが困難であるという問題点が
あったが、この発明の過酸化窒素の製造法は、反応塔下
部の反応域および反応塔上部の蒸留域を一体に連続して
有する反応塔を使用して、一酸化窒素および二酸化窒素
を主として含有し水分を5重量%以下含有する混合ガス
と酸素ガスとを、上記の反応塔下部の反応域に供給し、
該反応塔下部の反応域において一酸化窒素の酸化と、該
反応塔上部の蒸留域において前記酸化反応の反応熱を利
用しての過酸化窒素の蒸留精製とを行い、該反応塔の塔
頂から導出された過酸化窒素を冷却して回収することに
より、簡単な装置によって、しかも、簡単な操作によっ
て、高品質の液体過酸化窒素を工業的に効率よく製造す
る新規な方法を提供し得る効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の過酸化窒素の製造法を実現するた
めの一例を示すフロー図である。 1:反応塔、2:凝縮器、3:気液分離器、4:第一冷却器、5:
混合ガスブロワー、6:O2ブロワー、7:缶液ポンプ、8:還
流ポンプ、9:第二冷却器、101:反応域、102:蒸留域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭43−4645(JP,B1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応塔下部の反応域および反応塔上部の蒸
    留域を一体に連続して有する反応塔を使用して、 一酸化窒素および二酸化窒素を主として含有し、かつ、
    水分を5容量%以下含有する混合ガスと、酸素ガスとを
    冷却された濃硝酸が循環されている前記反応塔下部の反
    応域へ供給し、前記混合ガス中の一酸化窒素を酸化させ
    て、N2O4を生成させ、 該反応塔上部の蒸留域で、前記酸化反応ガスを、冷N2O4
    液と接触させて精製して、 前記蒸留域を通過したN2O4を該反応塔の塔頂から取り出
    し冷却してN2O4液を回収することを特徴とする過酸化窒
    素の製造法。
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