JP2003145746A - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置

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JP2003145746A
JP2003145746A JP2001352177A JP2001352177A JP2003145746A JP 2003145746 A JP2003145746 A JP 2003145746A JP 2001352177 A JP2001352177 A JP 2001352177A JP 2001352177 A JP2001352177 A JP 2001352177A JP 2003145746 A JP2003145746 A JP 2003145746A
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ink
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JP2001352177A
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English (en)
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Hajime Mizutani
肇 水谷
Hiroyuki Onishi
弘幸 大西
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/21Ink jet for multi-colour printing
    • B41J2/2107Ink jet for multi-colour printing characterised by the ink properties
    • B41J2/2114Ejecting specialized liquids, e.g. transparent or processing liquids
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J11/00Devices or arrangements  of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, for supporting or handling copy material in sheet or web form
    • B41J11/0015Devices or arrangements  of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, for supporting or handling copy material in sheet or web form for treating before, during or after printing or for uniform coating or laminating the copy material before or after printing

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  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力された画像情報を忠実に再現し、且つ銀
塩写真に匹敵する高画質、高画像堅牢性を達成すること
ができるインクジェット記録方法及びインクジェット記
録装置を提供すること。 【解決手段】 入力された画像情報に基づき1種又は2
種以上のインクを吐出させて、記録媒体上に1色又は2
色以上の色からなる画像を記録するインクジェット記録
工程と、該記録媒体上に該画像を被覆する保護層を設け
るオーバーコート工程とを備えるインクジェット記録方
法であって、前記記録媒体上に出力された色を前記保護
層で被覆することにより生じる該色の特性の変化に対応
した制御テーブルを予め用意しておき、前記インクジェ
ット記録工程において、前記制御テーブルに基づいてイ
ンクの吐出制御を行って画像を記録することにより、入
力された画像情報を忠実に再現し得るようにしたことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体上にイン
クを吐出して画像を記録するインクジェット記録方法及
びインクジェット記録装置に関し、詳しくは、画像上に
保護層を設けるオーバーコート工程を備えたインクジェ
ット記録方法及び該記録方法に適したインクジェット記
録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、微小なノズ
ルから画像情報に応じてインクの液滴を吐出させ、記録
媒体に付着させて印刷を行う記録方法である。近年のイ
ンクジェット記録技術の革新的な進歩により、画質の点
では、銀塩写真に匹敵する高レベルに達しているが、画
像堅牢性の点では、未だ銀塩写真に及ばないのが実状で
ある。画像堅牢性の向上は、インクジェット記録技術の
デジタル写真サービスや商業印刷用途等への拡大に伴
い、近年ますます重要視されるようになっている。
【0003】また、画像堅牢性、光沢等を高め得る記録
技術として、記録画像を透明なフィルム等の保護層で被
覆するオーバーコート処理が知られている。オーバーコ
ート処理は、銀塩写真に匹敵する高画質、高画像堅牢性
を達成できる可能性を秘めた技術として、インクジェッ
ト記録分野でも注目されており、保護層の材質や構成あ
るいは形成方法等に関する種々の改良技術が提案されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】インクジェット記録方
法には、高画質、高画像堅牢性が求められることは上記
の通りであるが、その前提として、コンピュータやネッ
トワークにおいて電子的に取り込まれあるいは蓄積され
た画像情報や、デジタルカメラ、デジタルビデオ、スキ
ャナ等で取り込んだ画像情報、等の入力された画像情報
を忠実に再現することが求められる。例えば、一般的な
インクジェット記録システムである、パーソナルコンピ
ュータ等のホストコンピュータとそれに接続されている
プリンタ等の記録装置を備えた記録システムでは、通
常、ホストコンピュータは、入力された画像情報に対し
て二値化等の必要な処理を行って印字データを作成し、
記録媒体の種類を示すデータと共にプリンタへ送り、プ
リンタは、これらのデータに対応したインクの打ち込み
制御を行うようになっており、入力された画像情報に対
応した画像を、記録媒体上にほぼ忠実に再現できるよう
になっている。
【0005】しかし、高画質、高画像堅牢性を達成すべ
く、一般的なインクジェット記録システムに前記オーバ
ーコート処理技術を取り入れると、入力された画像情報
に対応した画像が得られないという問題があった。これ
は、記録媒体上に通常通り出力された画像(入力された
画像情報に対応した画像)をオーバーコート処理するこ
とにより生じる色の特性変化に起因するもので、画像濃
度の増加に伴い色再現域が拡大するが、色相や画像のコ
ントラスト比などに変化が生じ、入力された画像情報に
対して忠実な再現が出来ない。画像全体の濃淡比が変化
して意図した表現から外れてしまったり、各色、濃淡に
より変化の性質や程度が異なるため、カラー画像の場合
は、画像全体のバランスがくずれることにもなる。ひど
い場合には、青色の印字部分が緑色を帯びるような色相
変化も観られる。このように、入力された画像情報に対
応した画像が得られないことは、記録システムとしては
致命的な欠陥を抱えていると言える。
【0006】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、入力された画像情報を忠実に再現し、
且つ銀塩写真に匹敵する高画質及び高画像堅牢性を達成
することができるインクジェット記録方法及びインクジ
ェット記録装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明のインクジェット記録方法は、入力された画像情報に
基づき1種又は2種以上のインクを吐出させて、記録媒
体上に1色又は2色以上の色からなる画像を記録するイ
ンクジェット記録工程と、該記録媒体上に該画像を被覆
する保護層を設けるオーバーコート工程とを備えるイン
クジェット記録方法であって、前記記録媒体上に出力さ
れた色を前記保護層で被覆することにより生じる該色の
特性の変化に対応した制御テーブルを予め用意してお
き、前記インクジェット記録工程において、前記制御テ
ーブルに基づいてインクの吐出制御を行って画像を記録
することにより、入力された画像情報を忠実に再現し得
るようにしたことを特徴とするものである。
【0008】また、本発明のインクジェット記録装置
は、入力された画像情報に基づき1種又は2種以上のイ
ンクを吐出させて、記録媒体上に1色又は2色以上の色
からなる画像を記録するインクジェット記録手段と、該
記録媒体上に該画像を被覆する保護層を設けるオーバー
コート手段とを備えるインクジェット記録装置であっ
て、前記記録媒体上に出力された色を前記保護層で被覆
することにより生じる該色の特性の変化に対応した制御
テーブルを備え、前記インクジェット記録手段が、前記
制御テーブルに基づいてインクの吐出制御を行って画像
を記録することにより、入力された画像情報を忠実に再
現し得るようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実
施形態のインクジェット記録装置(プリンタ)の要部を
模式的に示した図である。図1のプリンタ3は、入力さ
れた画像情報に基づき1種又は2種以上のインクを吐出
させて、ロール状に巻かれた記録媒体Pに1色又は2色
以上の色からなる画像を記録するためのインクジェット
記録手段31と、該記録媒体P上に該画像を被覆する保
護層Cを設けるオーバーコート手段32とを備えてお
り、オーバーコート処理に必要な機構を備えている点以
外は、この種のインクジェットプリンタと同様に構成さ
れている。
【0010】インクジェット記録手段31は、ノズルか
らインクを吐出する記録ヘッド311の他、該記録ヘッ
ド311を搭載するキャリッジ、該キャリッジを一定方
向に走査させるキャリッジベルト、該記録ヘッド311
へインクを供給するインクカートリッジ(何れも図示せ
ず)等を備えている。
【0011】記録ヘッド311は、複数のノズル、イン
ク供給路、該インク供給路の一部に設けられるエネルギ
ー作用部、該エネルギー作用部にあるインクに作用させ
る液滴形成エネルギーを発生するエネルギー発生手段
(何れも図示せず)等を備えている。エネルギー発生手
段としては、ピエゾ素子等の電気機械変換体を用いる方
式のものや、発熱抵抗体を有する発熱素子等の電気熱変
換体によってインクを加熱して吐出させる方式のもの等
があり、何れの方式も使用できる。
【0012】オーバーコート手段32は、熱転写方法を
利用したもので、支持体BS上に被転写層CSを有する熱
転写シートSを供給するためのシート供給手段321
と、該被転写層CSを画像上に加熱圧着するための加熱
圧着手段322と、加熱圧着後に該支持体BSを剥離す
る剥離手段323とを備えている。熱転写方法は、後述
する他のオーバーコート方法に比して、薄膜の保護層の
形成に適しているという利点を有する。薄膜の保護層、
特に厚みが10μm以下の薄膜の保護層は、記録物本来
の風合いや質感を損なうおそれが少ないので好ましい。
【0013】シート供給手段321は、供給ローラを備
えており、ロール状に巻き取られた状態の熱転写シート
Sを、記録媒体Pの搬送方向に沿って供給することがで
きる。加熱圧着手段322は、一対のヒートロールを備
えており、ロール間を通過するシート状物に対して加熱
加圧処理を行うことができる。剥離手段323は、巻き
取りロールを備えており、記録媒体Pと熱転写シートS
とが一体化した状態から支持体BSのみを剥離し、これ
を巻き取り回収することができる。
【0014】また、プリンタ3の排紙部付近にはカッタ
ー33が設けられており、保護層Cが設けられた連続シ
ート状の記録媒体P(保護層付き記録物)を所望の長さ
に切断し、排紙できるようになっている。
【0015】図2は、図1に示すプリンタ3を用いた記
録システムの制御構成を示すブロック図である。この記
録システムは、上述の如き構成のプリンタ3の他、画像
入力装置1と、ホストコンピュータ2とを備えている。
【0016】画像入力装置1としては、例えば、取り込
んだ多値のカラー画像情報をパーソナルコンピュータ等
に送信できる装置として、スキャナ、デジタルカメラ、
デジタルビデオ等が例示できる。
【0017】ホストコンピュータ2は、実質的に記録シ
ステム全体の制御を司る制御部21と、必要な固定情報
を格納したROM22と、ワーキングメモリ等として使
用するRAM23と、画像入力装置1から受信した画像
情報(画像データ)を必要な色データに分解する色処理
回路24と、画像情報を処理したデータを格納する画像
メモリ25と、画像入力装置や図示しない操作パネル等
とのデータの入出力を行う入出力部26と、入力バッフ
ァ27と、プリンタ3へデータを出力する入出力部28
等を備えている。
【0018】ここで、ホストコンピュータ2は、入出力
部26を介して画像入力装置1から画像情報を受信する
と、これを入力バッファ27に格納し、色処理回路24
によりγ補正等の必要な処理を行い、二値化処理して、
印字データとして画像メモリ25に格納する。そして、
ここから記録ヘッド311の一走査で印字する分の印字
データを読み出し、入出力部28を介してプリンタ3へ
送る。
【0019】また、入出力部26には、画像入力装置1
からの画像情報の他、図示しないコンピュータ端末装置
等から、記録媒体Pの種別や熱転写シートSの種別(被
転写層CSの種別)を示す用紙種別情報その他の各種指
示情報等が入力され、これらの情報も前記印字データと
併せてプリンタ3へ送られる。
【0020】プリンタ3は、プリンタ全体の制御を行う
CPU301と、後述する制御テーブル等の必要な固定
情報を格納したROM302と、CPU301の作業領
域やデータの一時記憶領域等として使用するRAM30
3と、ホストコンピュータ2とのデータの入出力を行う
入出力部304と、記録ヘッド311等へ印字データを
送信するゲートアレー(GA)305と、記録ヘッド3
11のノズルからインクを吐出させるヘッド駆動回路3
06と、記録媒体P及び熱転写シートSの給排紙機構に
駆動電流を供給する用紙駆動回路307等を備えてい
る。
【0021】図3は、プリンタ3で行われる処理の流れ
を示すフローチャートである。図3において、入出力部
304は、ホストコンピュータ2から、入力された画像
情報に対応する印字データ、用紙(記録媒体及び熱転写
シート)種別情報及び各種指示情報を受信すると、これ
をCPU301へ送る(ステップ1)。
【0022】CPU301は、送られてきた用紙種別情
報に応じて、予めROM302に格納されている複数の
制御テーブル(詳細は後述する)の中から適合する用紙
(記録媒体及び熱転写シート)に関する制御テーブルを
求め、該制御テーブルに基づくインクの打ち込み制御指
令を記録ヘッド311(ヘッド駆動回路306)へ送る
(ステップ2)。
【0023】記録ヘッド311は、送られてきた打ち込
み制御指令に基づき、所定のインクを用いて所定の打ち
込み量でインクジェット記録を行い、記録媒体上に画像
を記録する(ステップ3)。
【0024】画像を記録後、用紙駆動回路307を介し
てオーバーコート手段32を駆動して、該画像上に保護
層Cを設ける(ステップ4)。
【0025】保護層Cを設けた後、カッター33を駆動
して、連続シート状の記録媒体(保護層付き記録物)を
指示情報に応じた長さに切断する(ステップ5)。
【0026】ステップ4のオーバーコート工程につい
て、図1を参照しながら説明する。インクジェット記録
工程(ステップ1〜3)にて、インクジェット記録手段
31により画像を記録された記録媒体P(記録物)は、
オーバーコート手段32へ搬送される。そして、先ず、
シート供給手段321により、記録物の記録面上に熱転
写シートSが供給される。ここで、熱転写シートSは、
被転写層CSと記録面とが重なるように、被転写層CS
下側にして供給される。上から熱転写シートSが重ねら
れた記録物は、加熱圧着手段322へ搬送され、一対の
対向するヒートロール間を通されて加熱下に加圧され
る。その後、温度が低下したところで、剥離手段323
により支持体BSが剥離されて、保護層C付き記録物が
得られる。
【0027】上述の制御テーブルについて説明する。こ
の制御テーブルは、オーバーコート工程で画像上に保護
層を設ける(オーバーコート処理する)ことにより生じ
る色相等の諸特性の変化を見越して、オーバーコート工
程の前のインクジェット記録工程で、入力された画像情
報(プリンタ3が受信した印字データ)に対してこれら
の変化分を差し引いた画像を記録するように、インクの
吐出制御を行うものである。制御テーブルには、このよ
うな吐出制御の基礎となるデータとして、画像を構成す
る1色又は2色以上の色毎にまとめられた、保護層被覆
前後での特性変化データが記憶されており、色の特性変
化に対応できるようになっている。
【0028】図4は、記録媒体上に出力された低明度領
域の色についての保護層被覆前後での特性変化を示した
図である。色の特性として、ここでは、CIEL**
*色空間において定義される明度指数L*、知覚色度指数
*及びb*に注目している。低明度領域の色(印字部
分)は、保護層で被覆されることにより光学濃度(OD
値)が上昇し、それに伴い、図4に示すように、L
*値、a*値及びb*値が変動(色相が変化)し、色再現
域が拡大する傾向が観られる。そこで、本実施形態の制
御テーブルは、オーバーコート処理に起因する各色のL
*値、a*値及びb*値の変動分を差し引いた画像を記録
するようにインクの吐出制御を行う内容にする。
【0029】例えば、保護層被覆後の最終的な出力画像
がL*値10.3、a*値38.4、b*値−60.5で
表される色(図4のB)を出力する内容であった場合、
図4によれば、この色を保護層〔樹脂エマルジョン”E
X−35”(日本触媒製)の塗膜。10μm厚〕で被覆
すると、L*値、a*値及びb*値に変化が生じるため、
実際にはそれぞれの変化量を差し引いた色、即ち、L*
値13.3、a*値33.7、b*値−57.8で表され
る色を記録媒体上に出力するように、使用するインクの
種類及び/又は吐出量を制御するようにする。即ち、本
実施形態のインクジェット記録工程で出力される「入力
された画像情報に対して(オーバーコート処理に起因す
る特性の)変化分を差し引いた画像」は、入力された画
像情報に対応した印字データ(ホストコンピュータ2が
作成)に基づいて出力された画像(通常のプリンタで得
られる画像)に比して、L*値、a*値及びb*値が、オ
ーバーコート処理に起因する変化量に相当する分だけ低
い(あるいは高い)画像である。このことにより実質的
に表現できる色域が広がることになる。
【0030】尚、保護層被覆前後での色の特性変化の程
度は、同じ色でも保護層の材質や厚み等によって異なる
ので、複数種の保護層を使い分ける記録システムの場合
は、保護層の種類に応じた複数の制御テーブルを用意
し、記録条件に応じて使い分けるようにしておくことが
好ましい。更に、本実施形態のように、保護層の種類以
外の他の記録条件、例えば、記録媒体の種類をも考慮し
た複数の制御テーブルを用意しておくこともできる。
【0031】本実施形態に係る熱転写シートSについて
説明する。熱転写シートSは、上述したように、支持体
S上に被転写層CSを設けてなる。支持体BSとして
は、耐熱性のあるものが好ましく、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)フィルム等が好ましく用いられる。
【0032】被転写層CSは、記録媒体上に熱転写され
て保護層となる層であり、樹脂からなる。該樹脂として
は、記録媒体との密着性に優れ、透明性が高く、熱や光
で変色し難く、化学的・物理的バリヤ性に優れた塗膜を
形成し得る樹脂が好ましい。このような樹脂としては、
ポリビニルアルコール(PVA)、シラノール変性PV
A、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシメチ
ルセルロース(CMC)、ポリビニルアセタール、ポリ
アクリルアミド、セルロース誘導体、カゼイン、ゼラチ
ン、ウレタン等の水溶性樹脂;アクリル樹脂、スチレン
−アクリル樹脂、ポリエチレン、酢酸ビニル、エチレン
−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エポキシ樹脂、アク
リルスチレン、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、
アクリル酸エステル等の樹脂その他の熱可塑性樹脂やホ
ットメルト接着剤用樹脂等が挙げられる。これらのう
ち、特にスチレン−アクリル系の樹脂を用いることが、
保護層としての透明性、コスト、基材からの剥離性の点
で好ましい。尚、これらの樹脂は、エマルジョンとして
市販されているものを用いることができる。
【0033】熱転写シートSは、前記樹脂のエマルジョ
ンを支持体BS上に塗布し、乾燥させて被転写層CSを形
成することにより得られる。
【0034】本発明では、通常のインクジェット記録用
のインクは全て使用できる。特に、顔料インクは、記録
物の長期保存性の更なる向上が図れるため、好ましい。
インクジェット記録用のインクは、一般に、染料や顔料
等の着色剤を水に含有させた水性液であり、通常、浸透
調整、保湿、粘度調整等のため、各種溶剤成分や界面活
性剤等も添加されている。
【0035】本発明は前記実施形態に制限されず、その
趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例
えば、オーバーコート方法は、記録媒体上に画像を被覆
する保護層を設けることができる方法であればよく、前
記の熱転写方法に限定されるものではない。本発明で利
用できるその他のオーバーコート方法としては、樹脂を
適当な溶媒に溶解又は分散させて調製したオーバーコー
ト液を画像上に塗布する方法(リキッドラミネート
法);該オーバーコート液を記録ヘッドを用いてインク
ジェット方式により吐出させる方法;接着性を有するフ
ィルムを常温で貼り合わせる方法(コールドラミネーシ
ョン);フィルムを加熱しながら貼り合わせる方法(感
熱接着、ヒートラミネーション)等が挙げられる。尚、
該フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリ
ル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等のフィルムを
用いることができる。
【0036】また、保護層は、前記実施形態のように、
画像の形成された記録面の全面を被覆するように設ける
ことが好ましいが、画像形成部分(画像及びその近傍)
のみを選択的に被覆するように設けてもよい。保護層を
選択的に被覆させる場合、上記のインクジェット方式を
利用した保護層の形成方法が適している。
【0037】また、本発明のインクジェット記録装置
は、入力された画像情報に基づき1種又は2種以上のイ
ンクを吐出させて、記録媒体上に1色又は2色以上の色
からなる画像を記録するインクジェット記録手段と、該
記録媒体上に該画像を被覆する保護層を設けるオーバー
コート手段と、該記録媒体上に出力された色を該保護層
で被覆することにより生じる該色の特性の変化に対応し
た制御テーブルとを備え、上記インクジェット記録手段
が、該制御テーブルに基づいてインクの吐出制御を行っ
て画像を記録することにより、入力された画像情報を忠
実に再現し得るようにしたものであればよく、これらの
各手段の具体的構成やその他の機構は前記実施形態に制
限されず、適宜変更可能である。例えば、前記実施形態
は、ロール状の記録媒体を使用する形態であったが、A
4等の所定サイズのカット紙を使用する形態でもよい。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、入力された画像情報を
忠実に再現し、且つ銀塩写真に匹敵する高画質及び高画
像堅牢性を達成することができる。
【0039】即ち、本発明により得られる記録物は、画
像を被覆する保護層の作用により、光沢が良好で高級感
があり、耐光性、耐ガス性、耐擦性等に優れ、堅牢性が
高く、長期間に亘って経時的な変退色を起こし難く、長
期保存が可能である。また、保護層被覆による画像特性
の変化を見越して画像が記録されているので、保護層で
覆われているにも拘わらず、入力された画像情報とのズ
レが少なく、ユーザーが意図した通りの画像が出力され
ている。更に、保護層の形成により印字濃度の向上が得
られ、色再現範囲が拡大できるため、既存の技術では階
調が潰れてしまっていた暗部での表現が可能になる。
【0040】また、上述したように、顔料インクを用い
て画像を記録すれば、画像堅牢性の向上の効果が一層効
果的に奏される。また、上述したように、オーバーコー
ト処理を、支持体上に設けられた被転写層を画像上に熱
転写する熱転写方法で行えば、きれいで平滑な薄膜の保
護層を形成できるので、記録物本来の風合いや質感を維
持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のインクジェット記録装置の要部を
模式的に示した図である。
【図2】図1のインクジェット記録装置を用いた記録シ
ステムの制御構成を示すブロック図である。
【図3】図1のインクジェット記録装置で行われる処理
の流れを示すフローチャートである。
【図4】記録媒体上に出力された色についての保護層被
覆前後での特性変化を示した図である。
【符号の説明】
3 インクジェット記録装置 31 インクジェット記録手段 32 オーバーコート手段 33 カッター 311 記録ヘッド 321 シート供給手段 322 加熱圧着手段 323 剥離手段 BS 支持体 C 保護層 CS 被転写層 P 記録媒体 S 熱転写シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA04 EB58 EB59 EC42 EE02 EE17 HA44 2H086 BA02 BA03 BA04 BA05 BA55 4J039 BE01 BE02 BE12 BE22 BE23 CA03 EA43 GA24

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された画像情報に基づき1種又は2
    種以上のインクを吐出させて、記録媒体上に1色又は2
    色以上の色からなる画像を記録するインクジェット記録
    工程と、該記録媒体上に該画像を被覆する保護層を設け
    るオーバーコート工程とを備えるインクジェット記録方
    法であって、 前記記録媒体上に出力された色を前記保護層で被覆する
    ことにより生じる該色の特性の変化に対応した制御テー
    ブルを予め用意しておき、 前記インクジェット記録工程において、前記制御テーブ
    ルに基づいてインクの吐出制御を行って画像を記録する
    ことにより、入力された画像情報を忠実に再現し得るよ
    うにしたことを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 【請求項2】 前記制御テーブルは、前記オーバーコー
    ト工程で前記保護層を設けることによる印字部分のCI
    EL***色空間において定義される明度指数L*、知
    覚色度指数a*及びb*の変化を見越して、入力された画
    像情報に対してこれらの変化分を差し引いた画像を記録
    するように、少なくとも使用するインクの種類及び/又
    は吐出量を制御するようにしたものであることを特徴と
    する請求項1記載のインクジェット記録方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも前記保護層の種類を含む記録
    条件に応じた複数の前記制御テーブルを用意し、該記録
    条件に応じて使い分けることを特徴とする請求項1又は
    2記載のインクジェット記録方法。
  4. 【請求項4】 前記インクが顔料インクであることを特
    徴とする請求項1〜3の何れかに記載のインクジェット
    記録方法。
  5. 【請求項5】 前記オーバーコート工程が、支持体上に
    設けられた被転写層を前記画像上に熱転写することによ
    り行われることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記
    載のインクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】 入力された画像情報に基づき1種又は2
    種以上のインクを吐出させて、記録媒体上に1色又は2
    色以上の色からなる画像を記録するインクジェット記録
    手段と、該記録媒体上に該画像を被覆する保護層を設け
    るオーバーコート手段とを備えるインクジェット記録装
    置であって、 前記記録媒体上に出力された色を前記保護層で被覆する
    ことにより生じる該色の特性の変化に対応した制御テー
    ブルを備え、 前記インクジェット記録手段が、前記制御テーブルに基
    づいてインクの吐出制御を行って画像を記録することに
    より、入力された画像情報を忠実に再現し得るようにし
    たことを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記制御テーブルは、前記オーバーコー
    ト手段により前記保護層を設けることによる印字部分の
    CIEL***色空間において定義される明度指数
    *、知覚色度指数a*及びb*の変化を見越して、入力
    された画像情報に対してこれらの変化分を差し引いた画
    像を記録するように、少なくとも使用するインクの種類
    及び/又は吐出量を制御するようにしたものであること
    を特徴とする請求項6記載のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記制御テーブルは、少なくとも前記保
    護層の種類を含む記録条件に応じて複数設けられ、該記
    録条件に応じて使い分けられることを特徴とする請求項
    6又は7記載のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記オーバーコート手段が、支持体上に
    被転写層を有する熱転写シートを供給するための手段
    と、該熱転写シートの該被転写層を前記画像上に加熱圧
    着するための手段と、該加熱圧着後に該熱転写シートの
    該支持体を剥離する手段とを備えることを特徴とする請
    求項6〜8の何れかに記載のインクジェット記録装置。
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