JP2003145137A - 凍結濃縮分離方法及び凍結濃縮分離装置 - Google Patents

凍結濃縮分離方法及び凍結濃縮分離装置

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JP2003145137A
JP2003145137A JP2001345074A JP2001345074A JP2003145137A JP 2003145137 A JP2003145137 A JP 2003145137A JP 2001345074 A JP2001345074 A JP 2001345074A JP 2001345074 A JP2001345074 A JP 2001345074A JP 2003145137 A JP2003145137 A JP 2003145137A
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Japan
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ice
water
solvent
ice particles
concentration
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JP2001345074A
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English (en)
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Kenji Hayashi
賢二 林
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間で溶剤が可能な限り含まれない氷を製
氷することを課題とする。 【解決手段】 溶剤を吸収した水が製氷機で凍結され、
凝固点の違いから溶剤は凍結せず、水は凍結して、氷粒
Cと濃縮水となる。次に、氷粒Cと濃縮水を保冷タンク
30で集積し氷に成長させながら超音波発信子90で超
音波を照射する。これにより、氷粒Cに取り込まれた気
泡102(気泡には排ガスが取り込まれている)が取り
除かれる。この結果、氷粒Cは純水に近い氷に成長し
て、濃縮水と分離される。氷粒Cに超音波を照射するこ
とで、短時間で溶剤を吸収した水を氷結させても、氷粒
Cに取り込まれた気泡(溶剤)が取り除かれるため、綺
麗な氷が製氷される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶剤を含まない氷
と溶剤を含有する濃縮水とに分離する凍結濃縮分離方法
及び凍結濃縮分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図6に示すように、プラント等より大気
へ排出されるVOCガスGを吸収処理する散水型気液接
触装置158で使用される水は、処理塔160、16
2、164内において、ガスと接触することで溶剤濃度
が徐々に上昇してくる。この溶剤を吸収した水(以下
「溶液」という)がそのまま処理槽166、168、1
70へ還流されると、処理槽全体の水中の溶剤濃度が上
昇し、この溶液を処理塔へ供給しても、連続的に良好な
状態で溶剤を吸収できない(溶剤の捕集効率が低下す
る)。
【0003】このため、溶剤吸収効率を維持するために
は、新鮮水Wを導水管172から処理槽170へ連続的
に給水する必要があり、補給水量の削減を図ることがで
きない。
【0004】また、散水型気液接触装置158の処理槽
166の排水管174から最終的に排出される水W1が
含有する溶剤の濃度を如何に高濃度とし、蒸留して再利
用するかがランニングコストを削減する上で大きなポイ
ントとなる。
【0005】そこで、本出願人は、凍結濃縮分離装置に
よって、溶液を氷と溶剤含有水する濃縮水とに分離する
気液接触装置を提案している(特願2000−0747
83号参照)。
【0006】この気液接触装置を使用することで、補給
水量を削減でき、溶剤吸収効率を維持すると共に、最終
的に排出される濃縮水の溶剤濃度を高濃度とすることが
できる。しかし、凍結濃縮分離時に、氷に溶剤が含有し
ないようにするためには、もう少し工夫する必要があ
る。
【0007】すなわち、溶液が高濃度である場合、冷却
力を強めて氷結晶(氷粒)を短時間で形成・成長させる
と、溶剤と取り込んだ氷ができるため、冷却力を弱めて
長時間をかけて氷粒を形成・成長させる必要がある。し
かし、氷結に時間を掛けると、溶剤の濃縮分離効率が低
下するため、短時間で純水に近い氷を生成する技術が求
められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮して、短時間で溶剤が可能な限り含まれない氷を製氷
することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、溶剤を吸収した水を凍結し、溶剤を含まない氷と溶
剤を含有する濃縮水とに分離する凍結濃縮分離方法にお
いて、前記溶剤を吸収した水を製氷機で凍結し氷粒を製
氷する工程と、前記氷粒を集積し氷に成長させながら超
音波を照射して氷粒の中の気泡を取り除く工程と、成長
した氷と濃縮水とに分離する工程と、を有することを特
徴としている。
【0010】上記構成では、溶剤を吸収した水が製氷機
で凍結され、凝固点の違いから溶剤は凍結せず、水は凍
結して、氷粒と濃縮水となる。次に、氷粒と濃縮水を集
積し氷に成長させながら超音波を照射する。これによ
り、氷粒に取り込まれた気泡(気泡には溶剤が取り込ま
れている)が取り除かれる。この結果、氷粒は純水に近
い氷に成長して、濃縮水と分離される。また、超音波を
照射することで、氷と水との界面に存在する高濃縮水を
氷表面より除去し取り込みを抑制することができる。
【0011】このように、氷粒に超音波を照射すること
で、短時間で溶剤を吸収した水を氷結させても、氷粒に
取り込まれた気泡(溶剤)が取り除かれるため、綺麗な
氷が製氷される。このため、溶剤を余り含まない綺麗な
氷を融解し水として再利用することができ、例えば、こ
の溶解水を排ガス回収装置の処理槽へ補給した場合、新
鮮水の補給水量を削減することができる。
【0012】また、氷と分離された濃縮水の溶剤の濃度
は高くなっており、この高濃度の溶剤を含有する濃縮水
を洗浄剤、燃料、平版印刷版に塗布する塗布液として使
用することも可能となる。
【0013】請求項2に記載の発明は、溶剤を吸収した
水を凍結し、溶剤を含まない氷と溶剤を含有する濃縮水
とに分離する凍結濃縮分離装置において、前記溶剤を吸
収した水を凍結する製氷機と、前記製氷機の凍結面から
氷粒を掻き落とす掻き部材と、前記掻き部材で掻き落さ
れた氷粒と濃縮水を集積する保冷タンクと、前記保冷タ
ンク内の氷粒へ超音波を照射する超音波照射手段と、前
記保冷タンク内で成長した氷と濃縮水を分離する分離手
段と、を有することを特徴としている。
【0014】上記構成の発明では、製氷機で溶剤を吸収
した水を凍結させ、製氷機の凍結面に氷結した氷粒を掻
き部材で掻き落とす。掻き落とされた氷粒と濃縮水は保
冷タンクに集積される。この保冷タンクでは、氷粒が成
長して氷となるように、保冷するだけでよい。
【0015】保冷タンクに集積された氷粒には、超音波
照射手段によって超音波が照射される。これにより、氷
粒に取り込まれた気泡が取り除かれ、氷粒は純水に近い
氷に成長し、濃縮水と分離する。そして、分離手段によ
り、純水に近い氷と濃縮水とに分離され、それぞれの用
途に利用される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。
【0017】図1及び図2に示すように、本形態に係る
凍結濃縮分離装置22は、排ガスを回収する気液接触装
置10に処理ラインに組み込まれている。
【0018】気液接触装置10の処理槽14には、補給
管24が接続されている。この補給管24には、ポンプ
20が設けられており、ポンプ20を作動させること
で、貯留タンク52から処理水として新鮮な水及び後述
するリサクル水が補給される。また、処理槽14の側壁
に接続された給水管26には送液ポンプ28が設けられ
ており処理塔12の頂部へ水が揚水される。処理塔12
の頂部へ揚水された水は散水装置32によって、下方へ
向けて散水される。
【0019】一方の処理塔12の外周壁には、プラント
Pから排出された揮発性有機化合物(VOC)ガスが取
り込まれるガス管34が接続されており、連続して処理
塔12内へVOCガスが送られてくる。
【0020】このガス管34から処理塔12へ取り込ま
れたVOCガスは上昇しながら散水装置32で散水され
た水と接触してバッチ処理され、含有する溶剤の濃度が
低下される。そして、水と接触したVOCガスは、処理
塔12の頂部に接続された排気管40を通じて環境に影
響を与えないガスとして大気に放出される。
【0021】また、処理槽14には、排水管44が接続
されている。排水管44には、電磁弁78が設けられて
おり、この電磁弁78を操作することで、処理槽14の
水が中間タンク16へ排水される。
【0022】そして、処理槽14に補給管24から補給
される水量と処理槽14から排水される水量は、ほぼ同
じとされており、バッチ処理でVOCガスを止めること
なく、溶剤を回収できる構成となっている。
【0023】一方、処理槽14には、濃度センサ80が
設けられており、処理槽14の溶剤濃度を検出して、制
御部84へ信号を送る。制御部84は、電磁弁78及び
ポンプ20と接続されており、濃度センサ80の検出結
果に基づき、処理槽14内の水を入れ替えるようになっ
ている。
【0024】ここで、濃度センサ80が検出した処理槽
14内の水の溶剤濃度が所定値以上になると、ポンプ2
0を作動させ、補給管24を通じて新鮮な水を処理槽1
4へ送ると共に、電磁弁78を開き排水管44から溶剤
濃度が高い水を排水して、処理槽14の中を新鮮水に置
き換える。
【0025】以上のような操作を繰り返すことにより、
VOCガス中の溶剤を高効率で捕集することができ、ま
た、排水される水の溶剤濃度も高濃度となる。このた
め、次工程の回収効率が上がり、設備コスト及びランニ
ングコストが削減できる。
【0026】なお、気液接触方式としては、散水方式、
充填方式が知られているが、方式についてば特定されな
い。また、気液接触のユニットの数は、本形態のように
1つに特定されるものでなく、複数あってもよい。
【0027】さらに、処理対象となる揮発性有機化合物
ガス濃度は、100ppm以上が好ましく、1000p
pm以上が顕著な効果が現れる。また、溶剤ガスの種類
として、水との溶解度パラメータの差が19(cal・
cm-31/2以内が好ましく、15(cal・cm-3
1/2以内がより好ましい(溶解度パラメータ:Hild
ebrandの溶解パラメータ)。
【0028】さらに、揮発性有機化合物の溶剤は水溶性
であればよく、メチルエチルケトンに限定されず、メタ
ノール、エタノール、及びn−プロパノール等のアルコ
ール類、エチレングリコール等の多価アルコール類、ア
セトン、メチルアセトン、及びシクロヘキサン等のケト
ン類、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、及び乳酸エチル等のエステル類でもよい。さらに、
混合溶剤ガスでも処理可能である。
【0029】さらに、補給される水の温度は30℃以下
が好ましく、15℃以下がより好ましい。また、補給さ
れる水の溶剤濃度は2000ppm以下が好ましい。さ
らに、本例では、VOCガス中の溶剤を回収する処理水
として水を使用したが、汚泥水や微生物を含む活性汚泥
でも同様な効果を得ることができる。
【0030】次に、中間タンク16に貯留された1バッ
チ分の排水をどのようにリサイクル水とするかを説明す
る。
【0031】電磁切替え弁18を操作することで、中間
タンク16に貯留された溶剤を含有する水(以下「溶
液」という)が、供給管38を通じて保冷タンク30へ
送水される。保冷タンク30は、断熱保冷材で覆われて
おり、後述する氷粒Cを集積保冷して氷を成長させる。
保冷タンク30を積極的に冷却しないのは、冷却面に氷
結して溶剤が取り込まれることを防止するためである。
【0032】保冷タンク30の底部と製氷機54の底部
とは送水管46で接続されており、送液ポンプ48によ
って、製氷機54の凍結筒36の中を下から上に向って
未凍結の溶液が流れる。円筒状の凍結筒36の外周面に
は、冷媒が循環する冷却コイル47が配置されており、
凍結筒36へ送水された溶液が凍結面36Aに氷結す
る。
【0033】また、図3に示すように、凍結筒36の軸
心部には駆動モータ42で回転するシャフト94が配置
されている。シャフト94には、らせん状に湾曲したブ
レード92が取付けられており、ブレード92の外周部
は凍結面36Aに近接している。このブレード92を回
転させることにより、凍結面36Aに氷結した氷粒Cが
掻き落とされる構成である。
【0034】また、凍結筒36の上部には、送氷管96
が接続されており、送液ポンプ48の圧力でブレード9
2で掻き落とされた氷粒Cと濃縮された濃縮水が保冷タ
ンク30へ送られる。保冷タンク30の中には、超音波
発信子90が配置されている。超音波発信子90には、
印加電圧を調整することで出力と発信周波数を調整する
ことができる発信器100に接続されている。
【0035】この構成では、図4に示すように、浮遊し
ている氷粒Cに向って超音波発信子90から超音波を照
射して超音波振動を与えることで、氷粒Cの中の溶剤ガ
スを含んだ微小な気泡102が氷粒Cから取り除かれ、
純水な氷が生成される。また、超音波を照射すること
で、氷と水との界面に存在する高濃縮水を氷表面より除
去し取り込みを抑制することができる。
【0036】なお、本実施例では、保冷タンク30の壁
面に氷粒が氷結することを避けるために、積極的に保冷
タンク30を冷却しないようにしたが、保冷タンク30
の中での氷結速度を上げるために、保冷タンク30を冷
却する場合、壁面の着氷は超音波振動を与えることで、
キャビテーション作用により剥離させることもできる。
【0037】また、超音波発信子90はなるべく氷粒C
に近い位置へ配置することが好ましく、また、保冷タン
ク30の中ではなく、保冷タンク30の外側に取付け、
保冷タンク30自体を超音波振動させ氷粒Cに超音波振
動を付与することで、微小な気泡102を氷粒Cから取
り除くこともできる。
【0038】一方、保冷タンク30の上部壁面にはハッ
チ104が設けられており、このハッチ104を開放す
ることで溶剤を殆ど含まない成長した氷が投入路106
を通じて蓄氷タンク56へ一旦蓄氷される。なお、氷と
共に投入路106へ流れた濃縮水は、投入路106の途
中に設けられたスクリーニング部108で分離され、受
け皿112を介してリターン管110を通じて製氷機5
4へ送られる。
【0039】また、保冷タンク30には、図示しない液
面センサが設けられており、氷と濃縮水が保冷タンク3
0から取り出されると、電磁切替え弁18が操作され、
中間タンク16から所定の液面になるまで溶液が保冷タ
ンク30へ供給される。
【0040】なお、蓄氷タンク56へ一旦蓄氷された氷
は、その後、冷水(或は氷粒の混じった水)としてポン
プ58で冷水管62を通じて熱交換器60へ送られる。
このように、氷を蓄氷して冷水として供給することで、
熱交換器60へ安定した冷媒の供給が可能となる。この
熱交換器60は、冷水の冷熱を利用するもので、工場内
の空調等に使用されている。
【0041】さらに、熱交換器60で熱交換された冷水
(溶剤を殆ど含有しない水)は、リサイクル水として貯
留タンク52へ送られ、処理槽14へ再び送水される。
【0042】また、保冷タンク30の底部には、濃縮管
50が接続されている。電磁弁51を開くと、高濃度の
溶剤を含有する濃縮水が蒸留器64へ送られる。蒸留器
64は、溶剤と水との沸点の差を利用して気化によって
溶剤と水を分離するもので、蒸留塔66へ高濃度の濃縮
水が供給口68から投入される。蒸留塔66内では、蒸
気と液とが接触し、低沸成分の溶剤が蒸気の方に集ま
り、高沸成分の水が液の方に多く集まる。
【0043】これにより、溶剤が蒸発蒸気として排気管
70を通じて凝縮器72へ送られ、凝縮器72で凝縮さ
れることにより、高濃度の溶剤を含む溶液として回収タ
ンク74へ回収される。また、溶剤と分離された水は、
排水口76から排水され、送水ポンプ86を備えた送水
管82を通じて、貯留タンク52へ送られる。
【0044】次に、本発明の効果を実証するために、図
4に示す表のように、異なる条件で製氷テストを行って
見た。なお、本発明はこの実験の数値に限定されるもの
ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り本発明に包含
される。
【0045】プラントPから排出されたメタノールを含
有する排ガスから、気液接触装置としてスクラバーにて
メタノールを回収した。
【0046】メタノールを含有する排ガスを1.0Nm
3/minの割合で処理搭12に導入した。排ガス中の
メタノールの含有量は3000ppmであった。処理槽
14から汲み上げた水を処理塔12の散水装置32から
散水し、排ガスを導入してバッチ処理したところ、処理
槽14から排出された水中のメタノール濃度は3000
0ppmとなった。
【0047】この溶剤としてのメタノール濃度3000
0ppmの溶液を凍結濃縮分離装置22の中間タンク1
6へ貯溜し、50kgの溶液を凍結濃縮分離処理した。
【0048】実験では、超音波は照射せずに30kg
の氷を製氷した。30kgとは、保冷タンク30から取
り出した氷量をいう。この30kgの氷を製氷する製氷
時間(30kgの氷が保冷タンク30で成長する時間)
が8時間であった。そして、氷の溶剤含有濃度は250
00ppmであり、氷30kgを取り除いた後、20k
gに濃縮された濃縮水の溶剤濃度は37500ppmで
あった。
【0049】実験では、出力100W、周波数28K
Hzの超音波を照射しながら保冷タンク30で氷を成長
させた。30kgの氷を製氷する製氷時間は6時間であ
り、氷の溶剤含有濃度は15000ppm、濃縮された
濃縮水の溶剤濃度は52500ppmとなった。なお、
超音波とは周波数20KHz以上の人には聞えない音を
いい、この音波にはない超音波の振動エネルギーを利用
することで、水に近い氷を短い時間で製氷することがで
きた。
【0050】実験では、周波数28KHzの超音波を
照射し、振動エネルギーのパワーを上げるために出力3
00Wとし、保冷タンク30で氷を成長させた。30k
gの氷を製氷する製氷時間は6時間であり、氷の溶剤含
有濃度は14000ppm、濃縮された濃縮水の溶剤濃
度は54000ppmとなった。実験では、実験と
比較して超音波照射のパワーを上げることで、さらに綺
麗な氷を製氷することができる。
【0051】実験では、出力500W、周波数28K
Hzの超音波を照射して保冷タンク30で氷を成長させ
た。30kgの氷を製氷する製氷時間は7時間であり、
氷の溶剤含有濃度は17500ppm、濃縮された濃縮
水の溶剤濃度は48750ppmとなった。実験で
は、超音波照射のパワーを上げて振動エネルギーが大き
くなり過ぎたため、若干氷の純度が落ち、製氷時間も長
くなったと考えられる。
【0052】このように、実験と実験〜を比較す
れば判るように、氷を保冷タンクで成長させえる過程に
おいて、超音波を照射することで、短時間で溶剤を取り
込まない綺麗な氷を製氷できる。
【0053】なお、超音波の周波数に関しては特に限定
する必要はないが、発信出力は500W以下が好まし
い。
【0054】また、凍結濃縮分離装置22で濃縮した濃
縮水をそのまま洗浄液や重油等の代替燃料として再利用
してもよい。また、この濃縮水を蒸留器64へ送る場
合、水中に含まれる溶剤成分濃度として、1%以上が好
ましく、10%以上がより好ましい。
【0055】さらに、熱交換された冷水は、活性汚泥等
を用いた廃水処理設備で分解処理してもよく、含有する
溶剤成分の濃度によっては(COD値、BOD値が許容
値内であれば)、そのまま放流しても構わない。
【0056】また、水スクラバーは、スプレー式、充填
式等、その方式は限定されず、水にガスを吸収させる方
式はスクラバーでなくてもよい。さらに、凍結装置22
で濃縮された溶剤を含有する水を溶剤と水に分離する手
段として、蒸留器64を使用したが、膜分離装置、遠心
分離装置等を用いても良い。
【0057】ここで、VOCガスを発生する製造工程の
1つであるPS版の製造工程を簡単に説明しておく。
【0058】PS版は、99.5重量%アルミニウム
に、銅を0.01重量%、チタンを0.03重量%、鉄
を0.3重量%、ケイ素を0.1重量%含有するJIS
―A1050アルミニウム材の厚み0.30mm圧延板
を、400メッシュのパミストン(共立窯業製)の20
重量%水性懸濁液と、回転ナイロンブラシ(6,10−
ナイロン)とを用いてその表面を砂目立てした後、よく
水で洗浄した。
【0059】これを15重量%水酸化ナトリウム水溶液
(アルミニウム4.5重量%含有)に浸漬してアルミニ
ウムの溶解量が5g/m2 になるようにエッチングした
後、流水で水洗した。さらに、1重量%硝酸で中和し、
次に0.7重量%硝酸水溶液(アルミニウム0.5重量
%含有)中で、陽極時電圧10.5ボルト、陰極時電圧
9.3ボルトの矩形波交番波形電圧(電流比r=0.9
0、特公昭58−5796号公報実施例に記載されてい
る電流波形)を用いて160クーロン/dm2の陽極時
電気量で電解粗面化処理を行った。水洗後、35℃の1
0重量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、アルミ
ニウム溶解量が1g/m2 になるようにエッチングした
後、水洗した。次に、50℃30重量%の硫酸水溶液中
に浸漬し、デスマットした後、水洗した。
【0060】さらに、35℃の硫酸20重量%水溶液
(アルミニウム0.8重量%含有)中で直流電流を用い
て、多孔性陽極酸化皮膜形成処理を行った。すなわち電
流密度13A/dm2 で電解を行い、電解時間の調節に
より陽極酸化皮膜重量2.7g/m2 とした。ジアゾ樹
脂と結合剤を用いたネガ型感光性平版印刷版を作成する
為に、この支持体を水洗後、70℃のケイ酸ナトリウム
の3重量%水溶液に30秒間浸漬処理し、水洗乾燥し
た。
【0061】以上のようにして得られたアルミニウム支
持体は、マクベスRD920反射濃度計で測定した反射
濃度は0.30で、JIS B00601に規定する中
心線平均粗さRaは0.58μmであった。
【0062】次に上記支持体にメチルメタクリレート/
エチルアクリレート/2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸ナトリウム共重合体(平均分子量約
6万)(モル比50/30/20)の1.0重量%水溶
液をロールコーターにより乾燥後の塗布量が0.05g
/m2 になるように塗布した。
【0063】さらに、塗布液として下記感光液−1を、
本形態で用いたバーコーターを用いて塗布し、110℃
で45秒間乾燥させた。乾燥塗布量は2.0g/m2
あった。 感光液−1 ジアゾ樹脂−1 0.50g 結合剤−1 5.00g スチライトHS−2(大同工業(株)製) 0.10g ビクトリアピュアブルーBOH 0.15g トリクレジルホスフェート 0.50g ジピコリン酸 0.20g FC−430(3M社製界面活性剤) 0.05g 溶剤 1−メトキシ−2−プロパノール 25.00g 乳酸メチル 12.00g メタノール 30.00g メチルエチルケトン 30.00g 水 3.00g 上記のジアゾ樹脂―1は、次ぎのようにして得たもので
ある。まず、4−ジアゾジフェニルアミン硫酸塩(純度
99.5%)29.4gを25℃にて、96%硫酸70
mlに徐々に添加し、かつ20分間攪拌した。これに、
パラホルムアルデヒド(純度92%)3.26gを約1
0分かけて徐々に添加し、該混合物を30℃にて、4時
間攪拌し、縮合反応を進行させた。なお、上記ジアゾ化
合物とホルムアルデヒドとの縮合モル比は1:1であ
る。この反応生成物を攪拌しつつ氷水2リットル中に注
ぎ込み、塩化ナトリウム130gを溶解した冷濃厚水溶
液で処理した。この沈澱物を吸引濾過により回収し、部
分的に乾燥した固体を1リットルの水に溶解し、濾過
し、氷で冷却し、かつ、ヘキサフルオロリン酸カリ23
gを溶解した水溶液で処理した。最後に、この沈澱物を
濾過して回収し、かつ風乾して、ジアゾ樹脂−1gを得
た。
【0064】結合剤−1は、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート/アクリロニトリル/メチルメタクリレート
/メタクリル酸共重合体(重量比50/20/26/
4、平均分子量75,000、酸含量0.4meq/
g)の水不溶性、アルカリ水可溶性の皮膜形成性高分子
である。
【0065】スチライトHS−2(大同工業(株)製)
は、結合剤よりも感脂性の高い高分子化合物であって、
スチレン/マレイン酸モノ−4−メチル−2−ペンチル
エステル=50/50(モル比)の共重合体であり、平
均分子量は約100,000であった。このようにして
作成した感光層の表面に下記の様にしてマット層形成用
樹脂液を吹き付けてマット層を設けた。
【0066】マット層形成用樹脂液としてメチルメタク
リレート/エチルアクリレート/2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸(仕込重量比65:2
0:15)共重合体の一部をナトリウム塩とした12%
水溶液を準備し、回転霧化静電塗装機で霧化頭回転数2
5,000rpm、樹脂液の送液量は4.0ml/分、
霧化頭への印加電圧は−90kV、塗布時の周囲温度は
25℃、相対湿度は50%とし、塗布液2.5秒で塗布
面に蒸気を吹き付けて湿潤させ、ついで湿潤した3秒後
に温度60℃、湿度10%の温風を5秒間吹き付けて乾
燥させた。マットの高さは平均約6μm、大きさは平均
約30μm、塗布量は150mg/m2 であった。
【0067】
【発明の効果】本発明は上記構成としたので、短時間で
溶剤が可能な限り含まれない氷を製氷することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本形態に係る凍結濃縮分離装置が使用された気
液接触装置を示す斜視図である。
【図2】本形態に係る凍結濃縮分離装置が使用された気
液接触装置を示すブロック図である。
【図3】製氷機を一部切り欠いた斜視図である。
【図4】保冷タンクで氷粒から気泡が抜け出す様子を示
す説明図である。
【図5】製氷実験結果を示す表である。
【図6】従来の気液接触装置を示す側面図である。
【符号の説明】
30 保冷タンク 50 濃縮管(分離手段) 54 製氷機 90 超音波発信子(超音波照射手段) 92 ブレード(掻き部材) 100 発信器(超音波照射手段) 104 ハッチ(分離手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 9/04 B01D 9/04 B01J 19/10 B01J 19/10 F25C 1/00 F25C 1/00 Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶剤を吸収した水を凍結し、溶剤を含ま
    ない氷と溶剤を含有する濃縮水とに分離する凍結濃縮分
    離方法において、 前記溶剤を吸収した水を製氷機で凍結し氷粒を製氷する
    工程と、前記氷粒を集積し氷に成長させながら超音波を
    照射して氷粒の中の気泡を取り除く工程と、成長した氷
    と濃縮水とに分離する工程と、を有することを特徴とす
    る凍結濃縮分離方法。
  2. 【請求項2】 溶剤を吸収した水を凍結し、溶剤を含ま
    ない氷と溶剤を含有する濃縮水とに分離する凍結濃縮分
    離装置において、 前記溶剤を吸収した水を凍結する製氷機と、前記製氷機
    の凍結面から氷粒を掻き落とす掻き部材と、前記掻き部
    材で掻き落された氷粒と濃縮水を集積する保冷タンク
    と、前記保冷タンク内の氷粒へ超音波を照射する超音波
    照射手段と、前記保冷タンク内で成長した氷と濃縮水を
    分離する分離手段と、を有することを特徴とする凍結濃
    縮分離装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100342191C (zh) * 2005-10-31 2007-10-10 中国科学院广州能源研究所 一种冰浆或水合物浆的连续快速制备装置及其应用
JP2017035649A (ja) * 2015-08-07 2017-02-16 国立大学法人静岡大学 凍結分離装置および凍結分離方法

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