JP2003190939A - 凍結濃縮分離方法及び凍結濃縮分離装置 - Google Patents

凍結濃縮分離方法及び凍結濃縮分離装置

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JP2003190939A
JP2003190939A JP2001392496A JP2001392496A JP2003190939A JP 2003190939 A JP2003190939 A JP 2003190939A JP 2001392496 A JP2001392496 A JP 2001392496A JP 2001392496 A JP2001392496 A JP 2001392496A JP 2003190939 A JP2003190939 A JP 2003190939A
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freezing
solvent
ice
water
temperature
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JP2001392496A
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Kenji Hayashi
賢二 林
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶剤が可能な限り含まれない氷を効率よく得
ることを課題とする。 【解決手段】 溶剤を吸収した水を凍結装置で凍結し
て、濃縮水と氷に分離するとき、凍結開始の冷却温度を
S、凍結途中の冷却温度をTM、及び凍結終了の冷却温
度をTEとした場合、TS>TM、TM≦TEの関係にある
ように、凍結装置を温度制御する。これにより、氷生成
過程による溶剤の取り込みを最小限に抑えることができ
る。すなわち、凍結装置の凍結面に氷結する初期の氷は
粗くなりがちで、溶剤を補足し易い。従って、冷却温度
をいきなり氷点から大きく下げてその後段々と上げてい
くよりも、凍結開始の冷却温度を凍結途中に渡って段々
と下げていく方が平坦な氷が生成され溶剤が補足され難
くなる。このように、凍結開始、凍結途中、及び凍結終
了の冷却温度に所定の温度勾配を持たせることで、溶剤
が取り込まれないので綺麗な氷を生成することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶剤を含まない氷
と溶剤を含有する濃縮水とに分離する凍結濃縮分離方法
及び凍結濃縮分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7に示すように、プラント等より大気
へ排出されるVOCガスGを吸収処理する散水型気液接
触装置158で使用される水は、処理塔160、16
2、164内において、ガスと接触することで溶剤濃度
が徐々に上昇してくる。この溶剤を吸収した水(以下
「溶液」という)がそのまま処理槽166、168、1
70へ還流されると、処理槽全体の水中の溶剤濃度が上
昇し、この溶液を処理塔へ供給しても、連続的に良好な
状態で溶剤を吸収できない(溶剤の捕集効率が低下す
る)。
【0003】このため、溶剤吸収効率を維持するために
は、新鮮水Wを導水管172から処理槽170へ連続的
に給水する必要があり、補給水量の削減を図ることがで
きない。
【0004】また、散水型気液接触装置158の処理槽
166の排水管174から最終的に排出される水W1が
含有する溶剤の濃度を如何に高濃度とし、蒸留して再利
用するかがランニングコストを削減する上で大きなポイ
ントとなる。
【0005】そこで、本出願人は、凍結濃縮分離装置に
よって、溶液を氷と溶剤含有水する濃縮水とに分離する
気液接触装置を提案している(特願2000−0747
83号参照)。
【0006】この気液接触装置を使用することで、補給
水量を削減でき、溶剤吸収効率を維持すると共に、最終
的に排出される濃縮水の溶剤濃度を高濃度とすることが
できる。しかし、凍結濃縮分離時に、氷に溶剤が含有し
ないようにするためには、もう少し工夫する必要があ
る。
【0007】すなわち、溶液が高濃度である場合、冷却
力を強めて氷結晶(氷粒)を短時間で形成・成長させる
と、溶剤と取り込んだ氷ができるため、冷却力を弱めて
長時間をかけて氷粒を形成・成長させる必要がある。し
かし、溶液の濃縮分離効率が低下するため、短時間で純
水に近い氷を生成する技術が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮して、溶剤が可能な限り含まれない氷を効率よく得る
ことを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、溶剤を吸収した水を凍結し、溶剤を含まない氷と溶
剤を含有する濃縮水とに分離する凍結濃縮分離方法にお
いて、前記溶剤を吸収した水を凍結装置で凍結すると
き、凍結開始の冷却温度をTS、凍結途中の冷却温度を
M、及び凍結終了の冷却温度をTEとしたとき、TS
M、TM≦TEの関係にあることを特徴としている。
【0010】上記構成では、溶剤を吸収した水を凍結装
置で凍結して、濃縮水と氷に分離するとき、凍結開始の
冷却温度をTS、凍結途中の冷却温度をTM、及び凍結終
了の冷却温度をTEとした場合、TS>TM、TM≦TE
関係にあるように、凍結装置を温度制御する。
【0011】このように温度制御することで、氷生成過
程による溶剤の取り込みを最小限に抑えることができ
る。すなわち、凍結装置の凍結面に氷結する初期の氷は
粗くなりがちで、溶剤を補足し易い。従って、冷却温度
をいきなり氷点から大きく下げてその後段々と上げてい
くよりも、凍結開始の冷却温度を凍結途中に渡って段々
と下げていく方が平坦な氷が生成され溶剤が補足され難
くなる。
【0012】そして、凝固点の違いから溶剤は凍結せ
ず、水は凍結して、氷と未凍結の濃縮水となる。ここ
で、冷却温度を下げ続けると氷表面の濃縮水が急速に凍
結するため、溶剤を取り込み易くなる。そこで、凍結途
中から凍結終了に渡って、冷却温度を一定にするか、或
は上昇させていくことで、氷の表面に溶剤が取り込まれ
難くなる。
【0013】このように、凍結開始、凍結途中、及び凍
結終了の冷却温度に所定の温度勾配を持たせることで、
溶剤が取り込まれないので綺麗な氷を生成することがで
きる。
【0014】このため、氷は純水に近いものとなり、溶
剤を余り含まない綺麗な氷を融解し水として再利用する
ことができ、例えば、この融解水を排ガス回収装置の処
理槽へ補給した場合、新鮮水の補給水量を削減すること
ができる。
【0015】また、氷と分離された濃縮水の溶剤の濃度
は高くなっており、この高濃度の溶剤を含有する濃縮水
を洗浄剤、燃料、平版印刷版に塗布する塗布液として使
用することも可能となる。
【0016】請求項2に記載の発明は、溶剤を吸収した
水を凍結し、溶剤を含まない氷と溶剤を含有する濃縮水
とに分離する凍結濃縮分離装置において、前記溶剤を吸
収した水を凍結する凍結装置と、前記凍結装置の冷却温
度が、凍結開始の冷却温度をTS、凍結途中の冷却温度
をTM、及び凍結終了の冷却温度をTEとしたとき、TS
>TM、TM≦TEの関係にあるように制御する制御手段
と、前記氷と溶剤を含有する濃縮水とに分離する分離手
段と、を有することを特徴としている。
【0017】上記構成の発明では、凍結装置で溶剤を吸
収した水を凍結して、濃縮水と氷に分離するとき、凍結
開始の冷却温度をTS、凍結途中の冷却温度をTM、及び
凍結終了の冷却温度をTEとした場合、TS>TM、TM
Eの関係にあるように、制御手段が、凍結装置を温度
制御する。
【0018】このように温度制御することで、氷生成過
程による溶剤の取り込みを最小限に抑えることができ
る。この綺麗な氷と未凍結の濃縮水を分離手段で分離し
て、それぞれの用途に利用できる。
【0019】請求項3に記載の発明は、冷却時間をTと
したとき、冷凍開始からT/2をT S>TMとし、冷凍終
了までのT/2をTM<TEとし、TS、TM、TEは何れ
も氷点以下としたことを特徴としている。上記構成の発
明では、冷却温度の温度勾配が冷却時間の中間を境にし
て、下り勾配から上り勾配になり、換言すれば、温度勾
配がV字を描いている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。
【0021】図1及び図2に示すように、本形態に係る
凍結濃縮分離装置22は、排ガスを回収する気液接触装
置10に処理ラインに組み込まれている。
【0022】気液接触装置10の処理槽14には、補給
管24が接続されている。この補給管24には、ポンプ
20が設けられており、ポンプ20を作動させること
で、貯留タンク52から処理水として新鮮な水及び後述
するリサクル水が補給される。また、処理槽14の側壁
に接続された給水管26には送液ポンプ28が設けられ
ており処理塔12の頂部へ水が揚水される。処理塔12
の頂部へ揚水された水は散水装置32によって、下方へ
向けて散水される。
【0023】一方の処理塔12の外周壁には、プラント
Pから排出された揮発性有機化合物(VOC)ガスが取
り込まれるガス管34が接続されており、連続して処理
塔12内へVOCガスが送られてくる。
【0024】このガス管34から処理塔12へ取り込ま
れたVOCガスは上昇しながら散水装置32で散水され
た水と接触してバッチ処理され、含有する溶剤の濃度が
低下される。そして、水と接触したVOCガスは、処理
塔12の頂部に接続された排気管40を通じて環境に影
響を与えないガスとして大気に放出される。
【0025】また、処理槽14には、排水管44が接続
されている。排水管44には、電磁弁78が設けられて
おり、この電磁弁78を操作することで、処理槽14の
水が中間タンク16へ排水される。
【0026】そして、処理槽14に補給管24から補給
される水量と処理槽14から排水される水量は、ほぼ同
じとされており、バッチ処理でVOCガスを止めること
なく、溶剤を回収できる構成となっている。
【0027】一方、処理槽14には、濃度センサ80が
設けられており、処理槽14の溶剤濃度を検出して、制
御部84へ信号を送る。制御部84は、電磁弁78及び
ポンプ20と接続されており、濃度センサ80の検出結
果に基づき、処理槽14内の水を入れ替えるようになっ
ている。
【0028】ここで、濃度センサ80が検出した処理槽
14内の水の溶剤濃度が所定値以上になると、ポンプ2
0を作動させ、補給管24を通じて新鮮な水を処理槽1
4へ送ると共に、電磁弁78を開き排水管44から溶剤
濃度が高い水を排水して、処理槽14の中を新鮮水に置
き換える。
【0029】以上のような操作を繰り返すことにより、
VOCガス中の溶剤を高効率で捕集することができ、ま
た、排水される水の溶剤濃度も高濃度となる。このた
め、次工程の回収効率が上がり、設備コスト及びランニ
ングコストが削減できる。
【0030】なお、気液接触方式としては、散水方式、
充填方式が知られているが、方式についてば特定されな
い。また、気液接触のユニットの数は、本形態のように
1つに特定されるものでなく、複数あってもよい。
【0031】さらに、処理対象となる揮発性有機化合物
ガス濃度は、100ppm以上が好ましく、1000p
pm以上が顕著な効果が現れる。また、溶剤ガスの種類
として、水との溶解度パラメータの差が19(cal・
cm-31/2以内が好ましく、15(cal・cm-3
1/2以内がより好ましい(溶解度パラメータ:Hild
ebrandの溶解パラメータ)。
【0032】さらに、揮発性有機化合物の溶剤は水溶性
であればよく、メチルエチルケトンに限定されず、メタ
ノール、エタノール、及びn−プロパノール等のアルコ
ール類、エチレングリコール等の多価アルコール類、ア
セトン、メチルアセトン、及びシクロヘキサン等のケト
ン類、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、及び乳酸エチル等のエステル類でもよい。さらに、
混合溶剤ガスでも処理可能である。
【0033】さらに、補給される水の温度は30℃以下
が好ましく、15℃以下がより好ましい。また、補給さ
れる水の溶剤濃度は2000ppm以下が好ましい。さ
らに、本例では、VOCガス中の溶剤を回収する処理水
として水を使用したが、汚泥水や微生物を含む活性汚泥
でも同様な効果を得ることができる。
【0034】次に、中間タンク16に貯留された1バッ
チ分の排水をどのようにリサイクル水とするかを説明す
る。
【0035】中間タンク16の溶剤を吸収した水(以下
「溶液」という)は電磁弁18を制御部84で開閉操作
することで、供給管38を通じて凍結装置21へ送水さ
れる。凍結装置21は、環状につながった管状の冷却管
36を備えている。冷却管36内の溶液は、制御部84
で駆動力が制御された循環ポンプ42によって、設定さ
れた流速(例えば、1.0m/sec)で冷却面36A
(図3参照)に沿って循環する。
【0036】冷却管36の鉛直部は、冷媒が循環する冷
却コイル46によって冷却され、図3(A)及び図3
(B)に示すように、冷却面36Aに氷板Cが形成され
る。すなわち、冷却コイル46内の冷媒が気化すること
によって、気化熱が奪われて冷却面36Aの冷却され、
冷却面36Aに氷板Cが形成される。
【0037】詳細に説明すると、図4に示すように、冷
却コイル46の冷却面36Aを冷却した冷媒は、冷却器
88の冷媒パイプ90を通じてがコンプレッサ92に戻
される。コンプレッサ92はガス化された気体状の冷媒
を吸引し圧縮して高温・高圧のガスに変換する。コンプ
レッサ92でガスに変換された冷媒は、コンデンサ94
のフィン付き放熱管へ導入され、ファン96によって冷
却されて凝縮され液体状冷媒となる。次に、ドライヤ9
8により冷媒中の水分が除去される。
【0038】次に、冷媒は膨張弁100へ送られる。膨
張弁100は、高温・高圧状態の冷媒を膨張させて温度
と圧力を下げ低温・低圧の冷媒とする。
【0039】また、冷媒パイプ90の導出口近傍には温
度センサ102が設けられており、冷媒の温度を検出す
る。検出した温度信号は制御装置84へ送られる。制御
装置84は膨張弁100を通過する冷媒を増減して、冷
却面36Aの冷却温度を制御する。
【0040】制御装置84の内部には、冷媒を所定の温
度勾配で冷却するプログラムやにデータを一時記憶する
ためのメモリが配設されている。また、制御装置84に
は、タイマが接続されており、このタイマーが時間情報
を制御装置84へ出力する。
【0041】上記のような構成において、例えば、図5
のグラフのに示すV字の温度勾配で、冷却面36Aを
冷却する。このように、V字の温度勾配で溶液を凍結さ
せることで、冷却温度をいきなり氷点から大きく下げて
その後段々と上げていくよりも、平坦な氷が生成され溶
剤が補足され難くなる。
【0042】なお、温度条件については、凍結途中に最
低温度となるようなV字勾配を描けばよく、氷点以下で
あれば下降温度や上昇温度は規定されない。また、凍結
開始時と最下点の温度差及び最下点と凍結終了時の温度
差は1℃以上あることが好ましい。
【0043】さらに、温度勾配の形態はV字だけでな
く、のように、下降勾配から水平となる温度勾配でも
よく、のように、下降勾配から水平となり、その後、
上昇勾配となる温度勾配でもよく、のように、2段階
の下降勾配を描き、その後、上昇勾配となる温度勾配で
もよい。要は、一旦下降した温度が水平或は上昇する温
度勾配であれば、綺麗な氷を製氷することができる。
【0044】一方、図1及び図2に示すように、冷却管
36の下方には、開閉扉48が設けられており、下方か
ら氷板Cを取り出せるようになっている。なお、冷却管
36内の未凍結の濃縮水は、電磁弁51を開くと、排水
管50を通じて蒸留器64へ送られる。
【0045】一方、凍結装置21から取り出された氷板
Cは、投入管54を通じて蓄氷タンク56へ一旦蓄氷さ
れ、冷水(或は氷粒の混じった水)としてポンプ58で
冷水管62を通じて熱交換器60へ送られる。このよう
に、氷を蓄氷して冷水として供給することで、熱交換器
60へ安定した冷媒の供給が可能となる。この熱交換器
60は、冷水の冷熱を利用するもので、工場内の空調等
に使用されている。
【0046】さらに、熱交換器60で熱交換された冷水
(溶剤を殆ど含有しない水)は、リサイクル水として貯
留タンク52へ送られ、処理槽14へ再び送水される。
【0047】一方、凍結装置21から排出された高濃度
の溶剤を含有する濃縮水は、蒸留器64へ送られる。蒸
留器64は、溶剤と水との沸点の差を利用して気化によ
って溶剤と水を分離するもので、蒸留塔66へ高濃度の
溶剤を含有する水が供給口68から投入される。蒸留塔
66内では、蒸気と液とが接触し、低沸成分の溶剤が蒸
気の方に集まり、高沸成分の水が液の方に多く集まる。
【0048】これにより、溶剤が蒸発蒸気として排気管
70を通じて凝縮器72へ送られ、凝縮器72で凝縮さ
れることにより、高濃度の溶剤を含む溶液として回収タ
ンク74へ回収される。また、溶剤と分離された水は、
排水口76から排水され、送水ポンプ86を備えた送水
管82を通じて、貯留タンク52へ送られる。
【0049】ここで、凍結装置21で溶剤を含む水を凍
結分離して、溶剤を殆ど含まない氷と高濃度の溶剤を含
む水に分離する手順を説明する。
【0050】凍結装置21の冷却管36へ送られた溶液
は、図3(A)及び図3(B)に示すように、所定の流
速(1.0m/sec)が与えられ、冷却面36aの表
面に溶剤含有量が低減された氷板Cが製氷される。この
ように、溶剤を含有する水に流速を与えることにより、
溶剤の含有量が少ない氷板Cを製氷することができる。
また、所定の温度勾配で溶液を凍結させることで、溶剤
を取り込まない綺麗な氷となる。
【0051】次に、本発明の効果を実証するために、図
6に示す表のように、異なる条件で製氷テストを行って
見た。なお、本発明はこのテストの数値に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り本発明に包
含される。
【0052】プラントPから排出されたメタノールを含
有する排ガスから、気液接触装置としてスクラバーにて
メタノールを回収した。
【0053】メタノールを含有する排ガスを1.0Nm
3/minの割合で処理搭12に導入した。排ガス中の
メタノールの含有量は3000ppmであった。処理槽
14から汲み上げた水を処理塔12の散水装置32から
散水し、排ガスを導入してバッチ処理したところ、処理
槽14から排出された水中のメタノール濃度は1000
0ppmとなった。
【0054】この溶剤としてのメタノール濃度1000
0ppmの溶液を凍結濃縮分離装置22の中間タンク1
6へ貯溜し、80kgの溶液を凍結濃縮分離処理した。
【0055】実験では、凍結装置で60kgの氷を製
氷した。製氷量60kgとは、凍結装置から取り出した
氷量をいう。冷却温度の条件は、凍結開始温度を−18
℃、40分経過後の温度を−10℃、80分経過した凍
結完了時の温度を−2℃とした。すなわち、凍結開始か
ら凍結終了に向けて温度勾配を上り勾配とした。
【0056】この実験では、製氷された氷の溶剤含有
濃度は5000ppmであり、氷を取り除いた後の濃縮
水の溶剤濃度は29500ppmであった。
【0057】実験では、冷却温度の条件は、凍結開始
温度を−2℃、40分経過後の温度を−10℃、80分
経過した凍結完了時の温度を−18℃とした。すなわ
ち、凍結開始から凍結終了に向けて温度勾配を下り勾配
とした。この実験では、製氷された氷の溶剤含有濃度
は4000ppmであり、氷を取り除いた後の濃縮水の
溶剤濃度は28000ppmであった。
【0058】実験では、冷却温度の条件は、凍結開始
から凍結完了まで温度を−2℃と一定にした。すなわ
ち、凍結開始から凍結終了まで温度勾配がない。この実
験では、製氷された氷の溶剤含有濃度は3500pp
mであり、氷を取り除いた後の濃縮水の溶剤濃度は29
500ppmであった。
【0059】実験では、冷却温度の条件は、凍結開始
温度を−2℃、40分経過後の温度を−10℃、80分
経過した凍結完了時の温度を−4℃とした。すなわち、
凍結開始から凍結途中では温度勾配を下り勾配とし、凍
結途中から凍結終了では温度勾配を上り勾配とした。こ
の実験では、製氷された氷の溶剤含有濃度は1000
ppmであり、氷を取り除いた後の濃縮水の溶剤濃度は
37000ppmであった。
【0060】このように、実験と実験〜を比較す
れば判るように、V字の温度勾配をつけることおで、溶
剤を取り込まない綺麗な氷を生成でき、濃縮水の濃縮度
も高まる。
【0061】また、凍結濃縮分離装置22で濃縮した濃
縮水をそのまま洗浄液や重油等の代替燃料として再利用
してもよい。また、この濃縮水を蒸留器64へ送る場
合、水中に含まれる溶剤成分濃度として、1%以上が好
ましく、10%以上がより好ましい。
【0062】さらに、熱交換された冷水は、活性汚泥等
を用いた廃水処理設備で分解処理してもよく、含有する
溶剤成分の濃度によっては(COD値、BOD値が許容
値内であれば)、そのまま放流しても構わない。
【0063】また、水スクラバーは、スプレー式、充填
式等、その方式は限定されず、水にガスを吸収させる方
式はスクラバーでなくてもよい。さらに、凍結装置21
で濃縮された溶剤を含有する水を溶剤と水に分離する手
段として、蒸留器64を使用したが、膜分離装置、遠心
分離装置等を用いても良い。
【0064】ここで、VOCガスを発生する製造工程の
1つであるPS版の製造工程を簡単に説明しておく。
【0065】PS版は、99.5重量%アルミニウム
に、銅を0.01重量%、チタンを0.03重量%、鉄
を0.3重量%、ケイ素を0.1重量%含有するJIS
―A1050アルミニウム材の厚み0.30mm圧延板
を、400メッシュのパミストン(共立窯業製)の20
重量%水性懸濁液と、回転ナイロンブラシ(6,10−
ナイロン)とを用いてその表面を砂目立てした後、よく
水で洗浄した。
【0066】これを15重量%水酸化ナトリウム水溶液
(アルミニウム4.5重量%含有)に浸漬してアルミニ
ウムの溶解量が5g/m2 になるようにエッチングした
後、流水で水洗した。さらに、1重量%硝酸で中和し、
次に0.7重量%硝酸水溶液(アルミニウム0.5重量
%含有)中で、陽極時電圧10.5ボルト、陰極時電圧
9.3ボルトの矩形波交番波形電圧(電流比r=0.9
0、特公昭58−5796号公報実施例に記載されてい
る電流波形)を用いて160クーロン/dm2の陽極時
電気量で電解粗面化処理を行った。水洗後、35℃の1
0重量%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、アルミ
ニウム溶解量が1g/m2 になるようにエッチングした
後、水洗した。次に、50℃30重量%の硫酸水溶液中
に浸漬し、デスマットした後、水洗した。
【0067】さらに、35℃の硫酸20重量%水溶液
(アルミニウム0.8重量%含有)中で直流電流を用い
て、多孔性陽極酸化皮膜形成処理を行った。すなわち電
流密度13A/dm2 で電解を行い、電解時間の調節に
より陽極酸化皮膜重量2.7g/m2 とした。ジアゾ樹
脂と結合剤を用いたネガ型感光性平版印刷版を作成する
為に、この支持体を水洗後、70℃のケイ酸ナトリウム
の3重量%水溶液に30秒間浸漬処理し、水洗乾燥し
た。
【0068】以上のようにして得られたアルミニウム支
持体は、マクベスRD920反射濃度計で測定した反射
濃度は0.30で、JIS B00601に規定する中
心線平均粗さRaは0.58μmであった。
【0069】次に上記支持体にメチルメタクリレート/
エチルアクリレート/2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸ナトリウム共重合体(平均分子量約
6万)(モル比50/30/20)の1.0重量%水溶
液をロールコーターにより乾燥後の塗布量が0.05g
/m2 になるように塗布した。
【0070】さらに、塗布液として下記感光液−1を、
本形態で用いたバーコーターを用いて塗布し、110℃
で45秒間乾燥させた。乾燥塗布量は2.0g/m2
あった。 感光液−1 ジアゾ樹脂−1 0.50g 結合剤−1 5.00g スチライトHS−2(大同工業(株)製) 0.10g ビクトリアピュアブルーBOH 0.15g トリクレジルホスフェート 0.50g ジピコリン酸 0.20g FC−430(3M社製界面活性剤) 0.05g 溶剤 1−メトキシ−2−プロパノール 25.00g 乳酸メチル 12.00g メタノール 30.00g メチルエチルケトン 30.00g 水 3.00g 上記のジアゾ樹脂―1は、次ぎのようにして得たもので
ある。まず、4−ジアゾジフェニルアミン硫酸塩(純度
99.5%)29.4gを25℃にて、96%硫酸70
mlに徐々に添加し、かつ20分間攪拌した。これに、
パラホルムアルデヒド(純度92%)3.26gを約1
0分かけて徐々に添加し、該混合物を30℃にて、4時
間攪拌し、縮合反応を進行させた。なお、上記ジアゾ化
合物とホルムアルデヒドとの縮合モル比は1:1であ
る。この反応生成物を攪拌しつつ氷水2リットル中に注
ぎ込み、塩化ナトリウム130gを溶解した冷濃厚水溶
液で処理した。この沈澱物を吸引濾過により回収し、部
分的に乾燥した固体を1リットルの水に溶解し、濾過
し、氷で冷却し、かつ、ヘキサフルオロリン酸カリ23
gを溶解した水溶液で処理した。最後に、この沈澱物を
濾過して回収し、かつ風乾して、ジアゾ樹脂−1gを得
た。
【0071】結合剤−1は、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート/アクリロニトリル/メチルメタクリレート
/メタクリル酸共重合体(重量比50/20/26/
4、平均分子量75,000、酸含量0.4meq/
g)の水不溶性、アルカリ水可溶性の皮膜形成性高分子
である。
【0072】スチライトHS−2(大同工業(株)製)
は、結合剤よりも感脂性の高い高分子化合物であって、
スチレン/マレイン酸モノ−4−メチル−2−ペンチル
エステル=50/50(モル比)の共重合体であり、平
均分子量は約100,000であった。このようにして
作成した感光層の表面に下記の様にしてマット層形成用
樹脂液を吹き付けてマット層を設けた。
【0073】マット層形成用樹脂液としてメチルメタク
リレート/エチルアクリレート/2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸(仕込重量比65:2
0:15)共重合体の一部をナトリウム塩とした12%
水溶液を準備し、回転霧化静電塗装機で霧化頭回転数2
5,000rpm、樹脂液の送液量は4.0ml/分、
霧化頭への印加電圧は−90kV、塗布時の周囲温度は
25℃、相対湿度は50%とし、塗布液2.5秒で塗布
面に蒸気を吹き付けて湿潤させ、ついで湿潤した3秒後
に温度60℃、湿度10%の温風を5秒間吹き付けて乾
燥させた。マットの高さは平均約6μm、大きさは平均
約30μm、塗布量は150mg/m2 であった。
【0074】
【発明の効果】本発明は上記構成としたので、溶剤が可
能な限り含まれない氷を効率よく得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本形態に係る凍結濃縮分離装置が使用された気
液接触装置を示す斜視図である。
【図2】本形態に係る凍結濃縮分離装置が使用された気
液接触装置を示すブロック図である。
【図3】氷板が製氷される様子を表した模式図である。
【図4】冷却器の概要を示すブロック図である。
【図5】冷却温度の温度勾配を示すグラフである。
【図6】製氷実験結果を示す表である。
【図7】従来の気液接触装置を示す側面図である。
【符号の説明】
21 凍結装置 88 冷却器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶剤を吸収した水を凍結し、溶剤を含ま
    ない氷と溶剤を含有する濃縮水とに分離する凍結濃縮分
    離方法において、 前記溶剤を吸収した水を凍結装置で凍結するとき、凍結
    開始の冷却温度をTS、凍結途中の冷却温度をTM、及び
    凍結終了の冷却温度をTEとしたとき、TS>TM、TM
    Eの関係にあることを特徴とする凍結濃縮分離方法。
  2. 【請求項2】 溶剤を吸収した水を凍結し、溶剤を含ま
    ない氷と溶剤を含有する濃縮水とに分離する凍結濃縮分
    離装置において、 前記溶剤を吸収した水を凍結する凍結装置と、前記凍結
    装置の冷却温度が、凍結開始の冷却温度をTS、凍結途
    中の冷却温度をTM、及び凍結終了の冷却温度をTEとし
    たとき、TS>TM、TM≦TEの関係にあるように制御す
    る制御手段と、前記氷と溶剤を含有する濃縮水とに分離
    する分離手段と、を有することを特徴とする凍結濃縮分
    離装置。
  3. 【請求項3】 冷却時間をTとしたとき、冷凍開始から
    T/2をTS>TMとし、冷凍終了までのT/2をTM
    Eとし、TS、TM、TEは何れも氷点以下としたことを
    特徴とする請求項2に記載の凍結濃縮分離装置。
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