JP2003142323A - シートコイル及びシートトランス - Google Patents

シートコイル及びシートトランス

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JP2003142323A
JP2003142323A JP2001335946A JP2001335946A JP2003142323A JP 2003142323 A JP2003142323 A JP 2003142323A JP 2001335946 A JP2001335946 A JP 2001335946A JP 2001335946 A JP2001335946 A JP 2001335946A JP 2003142323 A JP2003142323 A JP 2003142323A
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winding
pattern
sheet coil
wire
sheet
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JP2001335946A
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Hiroshi Usui
浩 臼井
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Sanken Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanken Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シートコイルの巻線に発生する渦電流を抑制
し、巻線の発熱を防止すると共に電力効率を向上させ
る。 【解決手段】 基板50に印刷された巻線51は、波形
に蛇行している。蛇行の中心線C上に並ぶ漏洩磁束Bを
考えると、各磁束Bに起因して巻線51に発生する起電
力は、巻線51上で逆方向を向き、互いに打ち消し合
う。そのため、巻線51での渦電流の発生が抑制され
る。これにより、巻線51での発熱が防止されるととも
に、電力効率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートコイルとそ
れを用いたシートトランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】シートコイルは、プリント基板やフレキ
シブル基板等に印刷或いは貼着された箔状の巻線を備え
ている。シートコイルを複数用いることにより、シート
トランスが構成される。
【0003】図8〜図10は、それぞれ従来の代表的な
シートコイルを示す斜視図である。図8のシートコイル
では、プリント基板10の表面に巻線11が印刷されて
いる。巻線11は、配線パターンと同様な銅箔で形成さ
れている。プリント基板10の中央部には、磁束を通過
させる孔12が形成されている。孔12はプリント基板
10の表面から裏面に貫通している。プリント基板10
の表面に印刷された巻線11は、孔12の周囲を概ね一
周している。
【0004】プリント基板10の裏面にも、表面と同様
に巻線11が印刷されている。プリント基板10の表面
の巻線11の両端は、プリント基板10の表面に形成さ
れた電極パッド13a,13bにそれぞれ接続されてい
る。プリント基板10の裏面の巻線11の両端は、プリ
ント基板10の表面と裏面とを接続するスルーホール1
4a,14bを介して電極パッド13a,13bとそれ
ぞれ接続されている。即ち、プリント基板10の表面の
巻線11と裏面の巻線11とは、並列接続されており、
全体として巻数が1ターンになっている。このように、
プリント基板10の両面に巻線11を印刷して並列に接
続することにより、大電流を流すことが可能な断面積を
持つシートコイルが、実現する。
【0005】図9のシートコイルでは、プリント基板2
0の表面に印刷された巻線21aと、裏面に印刷された
巻線21bとが直列に接続されて、全体の巻数が2ター
ンの巻線21が構成されている。各巻線21a,21b
は、プリント基板20の中央部分に形成された磁束を通
過させる孔22の周囲をほぼ一周するように、それぞれ
形成されている。巻線21aの一端と巻線21bの一端
とは、スルーホール23で接続されている。巻線21a
の他端は、プリント基板20の表面に形成された電極2
4aに接続されている。巻線21bの他端は、スルーホ
ール25を介してプリント基板20の表面に形成された
電極パッド24bに接続されている。
【0006】図10のシートコイルは、巻数が多いコイ
ルであり、プリント基板30の表面に巻線31が渦巻き
状に形成されている。プリント基板30の中央には、磁
束を通過させる孔32が形成されている。巻線31の外
周側の一端は、プリント基板30の表面に形成された電
極パッド33に接続されている。巻線31の内周側の一
端は、スルーホール34を介して裏面側に形成された配
線パターン35の一端に接続されている。配線パターン
35の他端は、プリント基板30の表面に形成された電
極パッド37にスルーホール36を介して接続されてい
る。巻数をさらに増加させる場合には、多層基板化し、
複数層に巻線31を形成し、これらを直列に接続すれば
よい。
【0007】図11は、フェライトコアを示す斜視図で
あり、図12は、シートトランスの組立て斜視図であ
る。図8〜図10のようなシートコイルを所定数、図1
1に示す上下のフェライトコア41,42で挟みこむこ
とで、シートトランスが構成される。フェライトコア4
1は、二本の外足41a及び41bと、これらの間に位
置する中足41cとを備え、断面がE字形状になってい
る。フェライトコア42も同様に、二本の外足42a及
び42bと、これらの間に位置する中足42cとを備
え、断面がE字形状になっている。シートトランスを組
み立てる際には、図12のように、中足41c,42c
が所定数のプリント基板10,20,30の孔12,2
2,32の位置に合うようにして、フェライトコア4
1,42を合掌させる。コア付き(鉄心入り)シートコ
イルを作成する場合にも、フェライトコア41,42で
シートコイルを挟む。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
シートコイル及びシートトランスには、次のような課題
があった。シートコイルでは、基板10,20,30の
孔12、22,32から外れた巻線の部分に、漏洩磁束
が通過すると、巻線に起電力が生じ、巻線のパターンに
渦電流が発生して問題になることがあった。この点を図
13(a),(b)を用いて説明する。
【0009】図13(a),(b)は、シートコイルに
発生する渦電流の説明図である。特にフェライトコア4
1,42にギャップGがあるときには、すべての磁束が
基板44の孔44aを通過するのではなく、漏洩磁束B
が発生する。例えば図13(a)のシートコイルでは、
基板44に垂直な漏洩磁束Bが巻線43の部分を通過す
る。そして、巻線43に大きな渦電流WIが発生する。
大きな渦電流WIが発生すると、巻線43のパターン内
で電力損失が発生すると共に、巻線43の温度上昇を招
くことになる。
【0010】このような電力損失や温度上昇を避けるた
めに、次の文献1,2では、巻線にスリットを設け、1
条の巻線を多条に分割している。 文献1;特開平8−203736号公報 文献2;特開平8−203739号公報 図14(a),(b)は、スリットを設けたシートコイ
ルの課題の説明図であり、同図(a)は、巻線パターン
を示し、同図(b)は、巻線を直線に伸して模式的に示
したものである。
【0011】このシートコイルは、巻線43のパターン
を、スリット46によって分割したものである。スリッ
ト46を設けることにより、巻線43のパターンに入射
した漏洩磁束Bによって生じる渦電流は、スリット46
によって遮断される。しかしながら、漏洩磁束Bは、巻
線43のパターンばかりでなく、スリット46も通過す
る。このスリット46を通過する漏洩磁束Bにより、巻
線43のパターンにおけるスリット46の近辺に、起電
力が発生する。これらの起電力の向きは、スリット46
からみて方向が同じであり、結果的に、スリット46の
周囲を回って流れる渦電流WIを発生させる。よって、
スリット46を設けても、渦電流WIによる電力損失や
温度上昇の問題を解消できなかった。
【0012】本発明は、以上のような実情を鑑みてなさ
れたものであり、渦電流による電力損失や温度上昇を十
分下げることが可能なシートコイル及びシートトランス
を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の観点に係るシートコイルは、箔状の
巻線を備えるシートコイルにおいて、前記巻線は、波形
に蛇行している部分を有することを特徴とする。
【0014】このような構成を採用したことにより、蛇
行の中心線の近傍を磁束が通過すると、その磁束によっ
て巻線に生ずる起電力は、磁束の両側で向きが反対にな
り、打ち消し合う。そのため、漏洩磁束が巻線の蛇行の
中心線近傍を通過しても、それによる渦電流の発生が抑
制される。
【0015】上記目的を達成するために、本発明の第2
の観点に係るシートコイルは、前記巻線は、第1の端子
と第2の端子との間に接続されると共にその一部或いは
全部は並列の複数条の箔状の素線パターンで構成され、
前記複数条の素線パターンの一部或いは全部は、波形に
蛇行している部分を有することを特徴とする。
【0016】このような構成を採用したことにより、巻
線の一部又は全部が複数の素線パターンで構成されるの
で、巻線の幅全体に係る渦電流が分断される。さらに、
素線パターンは、波形に蛇行した部分を有するので、蛇
行の中心線の近傍を磁束が通過しても、通過した磁束に
よって素線パターンに生ずる起電力は、磁束の両側で向
きが反対になり、打ち消し合う。そのため、漏洩磁束が
素線パターンの蛇行の中心線近傍を通過しても、それに
よる渦電流の発生が抑制される。
【0017】上記目的を達成するために、本発明の第3
の観点に係るシートコイルは、前記複数条の素線パター
ンには、波形に蛇行している部分を有する第1の素線パ
ターンと、該第1の素線パターンに対峙し、該第1の素
線パターンの波形とは位相が反転した波形で蛇行してい
る部分を有する第2の素線パターンとからなる素線パタ
ーン対が、任意数含まれることを特徴とする。
【0018】このような構成を採用したことにより、素
線パターン対における第1の素線パターンと第2の素線
パターンとは、それぞれ蛇行した波形部分を有するが、
その波形は位相が反転しているので、磁束が通過するこ
とで第1の素線パターンと第2の素線パターンに発生す
る起電力の向きが逆方向になり、互いに打ち消し合い、
漏洩磁束に起因した渦電流の発生が抑制される。
【0019】なお、前記巻線は、プリント基板或いはフ
レキシブル基板に印刷されるか或いは貼着されていても
よい。また、銅板等導体をプレスもしくはエッチング等
で形成してもよい。また、前記第1の素線パターンと前
記第2の素線パターンとを有する請求項4に記載のシー
トコイルにおいて、前記第1の素線パターンと前記第2
の素線パターンとは、前記プリント基板或いは前記フレ
キシブル基板の異なる層に配置されていてもよい。
【0020】また、前記巻線に発生する磁束を通過させ
る鉄心をさらに備え、前記鉄心の一部は分断されてギャ
ップが形成されていてもよい。上記目的を達成するため
に、本発明の第4の観点に係るシートトランスは、本発
明の第1の観点から第3の観点に係るシートコイルのう
ちから選択したシートコイルを所定数備えることを特徴
とする。
【0021】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]図1(a),
(b)は、本発明の第1の実施形態に係るシートコイル
の説明図であり、同図(a)は、シートコイルの正面図
を示し、同図(b)は、同図(a)中の巻線を伸して拡
大した模式図を示している。このシートコイルは、図1
(a)に示すように、プリント基板50の表面に印刷さ
れた銅箔の巻線51を備えている。巻線51は、全体と
して渦巻き状をなすと共に、蛇行して波形になってい
る。プリント基板50の中央部には、表面から裏面に貫
通する孔52が形成されている。この孔52は、磁束を
通過させるものであり、巻線51は、この孔52を中心
として形成されている。
【0022】渦巻き状の巻線51の最外周の端部は、プ
リント基板50の表面に形成された電極パッド53に接
続されている。巻線51の最内周の端部は、プリント基
板50の表面と裏面とを接続するスルーホール54によ
って、プリント基板50の裏面に配備された配線パター
ン55の一端に接続されている。配線パターン55の他
端は、スルーホール56により、プリント基板50の表
面に形成された電極パッド57に接続されている。
【0023】なお、巻線51が、渦巻き状になっている
ことで、このシートコイルのターン数は複数になってい
る。ターン数をさらに増加させたい場合には、プリント
基板50を多層化して、複数層に巻線51を配置し、直
列に接続すればよい。
【0024】このシートコイルでコア付きコイルを構成
するときには、図11のフェライトコア41,42によ
り、プリント基板50を図12のように挟む。また、こ
のシートコイルを用いてシートトランスを構成するとき
には、巻線51が配置されたプリント基板50を必要数
用意し、図11のフェライトコア41,42で挟む。な
お、このときには、プリント基板50間には、適当な絶
縁部材を挿入する。以上のようなシートコイルでは、巻
線51に電流を流すと、巻線51が磁束を発生し、磁束
がフェライトコア41,42を通過する。巻線51の発
生した磁束の一部は、漏洩磁束Bとなってプリント基板
50の孔52から外れた領域を通過する。
【0025】漏洩磁束Bの磁束密度は、孔52からの距
離が等しい円周上の位置でほぼ等しくなる。よって、図
1(b)のように、巻線51の波形の中心線C上或いは
その近傍に並んだ漏洩磁束Bを考えると、これらの漏洩
磁束Bの磁束密度はほぼ等しい。ここで、巻線51は、
波形に形成されているので、巻線51の山の部分と谷の
部分では、各漏洩磁束Bが巻線51と鎖交する方向が逆
になる。よって、各漏洩磁束Bのために巻線51に発生
する起電力58は、山の部分と谷の部分とで向きが反対
となり、互いに打ち消し合う。よって、巻線51での渦
電流の発生が抑制される。
【0026】以上のように、本実施形態のシートコイル
では、巻線51が波形になっているため、漏洩磁束Bよ
る渦電流の発生が抑制できる。そのため、シートコイル
をインダクタとして用いる場合やシートトランスとして
用いるときの発熱が抑制できるとともに電力効率を向上
できる。
【0027】[第2の実施形態]図2(a),(b)
は、本発明の第2の実施形態に係るシートコイルの説明
図であり、同図(a)はシートコイルの正面図を示し、
同図(b)は同図(a)中の巻線を伸ばして拡大した模
式図を示している。このシートコイルは、巻数が1ター
ンで大電流を流すことが可能な図8のコイルに相当する
ものであり、プリント基板60の表面には、巻線61が
印刷されている。
【0028】プリント基板60のほぼ中央には、図1
(a)に示すように、表面から裏面に貫通する円形の孔
62が形成されている。孔62は、磁束を通過させるも
のである。プリント基板60の表面の巻線61は、孔6
2の周囲をほぼ囲むように印刷されている。巻線61に
は、複数のスリット63が設けられ、スリット63によ
り、巻線61が多条の素線パターン64に分割されてい
る。各素線パターン64は、蛇行して波形になってい
る。プリント基板60の裏面にも、同様なプリント巻線
61が印刷されている。
【0029】プリント基板60の表面の巻線61におけ
る一端側の各素線パターン64の端部は、プリント基板
60の表面に形成された電極パッド65に接続されてい
る。プリント基板60の表面の巻線61の他端側の各素
線パターン64の端部は、プリント基板60の表面に形
成された電極パッド66に接続されている。
【0030】プリント基板60の裏面側の巻線61に
も、表面側と同様に、スリット63が形成され、スリッ
ト63により、巻線61が多条の素線パターン67に分
割されている。各素線パターン67は、各素線パターン
64とプリント基板60を挟んでそれぞれ対向する位置
にプリントされている。素線パターン67は、プリント
基板60の表面の素線パターン64と同様に蛇行して波
形になっている。但し、素線パターン67の波形は、図
2(b)に示すように、素線パターン64の波形と位相
が180°ずれている。素線パターン64の山の部分の
プリント基板60の裏側が素線パターン67の谷の部分
になり、素線パターン64の谷の部分のプリント基板6
0の裏側が、素線パターン67の山の谷の部分になる。
このようにすると、後述する漏洩磁束Bの通過方向(紙
面手前)から見たときに、素線パターン64の山と素線
パターン67の谷とでリング68が形成され、素線パタ
ーン64の谷と素線パターン67の山とでリング69が
形成される。リング68とリング69とが、素線パター
ン64,67の波形の中心線Cに沿って交互に並ぶ。即
ち、一対の素線パターン64及び素線パターン67がツ
イストされたのと等価になる。
【0031】プリント基板60の裏面の巻線61の一端
側の各素線パターン67の端部は、スルーホールを介し
てプリント基板60の表面に形成された電極パッド65
に接続されている。プリント基板60の裏面の巻線61
の他方の端の各素線パターン67の端部は、スルーホー
ルを介してプリント基板60の表面に形成された電極パ
ッド66に接続されている。即ち、表面の巻線61と裏
面の巻線61とは、並列になっている。
【0032】このシートコイルでコア付きコイルを構成
するときには、図11のフェライトコア41,42でプ
リント基板60を図12のように挟む。また、このシー
トコイルを用いてシートトランスを構成するときにも、
巻線61が配置された基板60を必要数用意し、図11
のフェライトコア41,42で挟む。なお、このときに
は、プリント基板60間には、適当な絶縁部材を挿入す
る。
【0033】以上のようなシートコイルでは、プリント
基板60の表面及び裏面の巻線61に電流を流すと、巻
線61が磁束を発生し、磁束がフェライトコア41,4
2を通過する。巻線61の発生した磁束の一部は、漏洩
磁束Bとなって基板60の孔62から外れた領域を通過
する。
【0034】漏洩磁束Bの磁束密度は、孔62からの距
離が等しい円周上でほぼ等しくなる。よって、図2
(b)のように、巻線61の各素線パターン64,67
の波形の中心線C上に並ぶ漏洩磁束Bを考えると、各漏
洩磁束がリング68又は69を通過するものと見なすこ
とができる。
【0035】ここで、プリント基板60の表面の巻線6
1になる素線パターン64は、波形に形成されているの
で、各素線パターン64の山の部分と谷の部分では、各
漏洩磁界Bが鎖交する方向が逆になる。よって、各漏洩
磁界Bのために素線パターン64に発生する起電力70
は、山の部分と谷の部分とで向きが反対となり、互いに
打ち消し合う。また、プリント基板60の裏面側の巻線
61になる素線パターン67も、波形に形成されている
ので、各漏洩磁界Bのために素線パターン67に発生す
る起電力71は、山の部分と谷の部分とで向きが反対と
なり、互いに打ち消し合う。さらに、素線パターン6
4,67は、並列に接続されているので、リング68,
69を通過する漏洩磁束Bによって素線パターン64に
生じる起電力70と素線パターン67に生じる起電力7
1とは逆方向になり、ここでも、互いにうち消し合う。
また、巻線61が素線パターン64,67に分割されて
いるので、おおきな渦電流の流れを遮断することにもな
る。従って、漏洩磁束Bが発生しても、巻線61には渦
電流がほとんど流れない。
【0036】以上のように、本実施形態のシートコイル
では、巻線61を素線パターン64,67に分割し、素
線パターン64,67を波形に形成し、さらに、素線パ
ターン64及び素線パターン67の波形の位相を180
°ずらしている。これらにより、漏洩磁束Bよる渦電流
の発生がほとんど完全に抑制できる。そのため、シート
コイルをインダクタとして用いる場合やシートトランス
として用いるときの発熱が抑制できるとともに電力効率
を向上できる。
【0037】[第3の実施形態]図3、図4及び図5
は、本発明の第3の実施形態に係る巻線パターン(その
1〜3)を示す図である。
【0038】前記第1の実施形態の巻線51及び前記第
2の実施形態の素線パターン64,67は、曲線の波形
になっているが、曲線でなくてもよい。図3のように、
波形が矩形の巻線パターン80で巻線51或いは素線パ
ターン64,67を構成してもよい。また、図4のよう
に、波形が三角形の巻線パターン81で巻線51或いは
素線パターン64,67を構成してもよい。さらに、図
5のように、波形が台形のような巻線パターン82で巻
線51或いは素線パターン64,67を構成してもよ
い。巻線51或いは素線パターン64,67を巻線パタ
ーン80〜82で構成しても、第1及び第2の実施形態
と同様の効果が期待できる。
【0039】[第4の実施形態]図6は、本発明の第4
の実施形態に係るシートコイルを示す図である。このシ
ートコイルは、第2の実施形態と同じ用途に用いられる
コイルであり、第2の実施形態と同様に、プリント基板
60の表面と裏面とにパターン印刷された巻線90で構
成されている。
【0040】プリント基板60の表面及び裏面の巻線9
0には、スリット91がそれぞれ形成され、複数の素線
パターン92にそれぞれ分割されている。但し、第2の
実施形態とは異なり、素線パターン92のすべてが波形
に形成されているのではなく、プリント基板60の中央
の孔62の近傍の素線パターン92のみが、波形に蛇行
している。それ以外の孔62から遠い位置にある素線パ
ターン92は、円弧状になっている。プリント基板60
の表面側の波形になっている素線パターン92と、プリ
ント基板60の裏面側の波形になっている素線パターン
92とは、第2の実施形態と同様に、互いに波形の位相
が180°ずれたように印刷されている(図示略)。
【0041】プリント基板60の表面の巻線90の一端
側の各素線パターン92の端部は、電極パターン93に
接続されている。プリント基板60の表面の巻線90の
他端側の各素線パターン92の端部は、プリント基板6
0の表面の電極パッド94に接続されている。プリント
基板60の裏面の巻線90の一端側の素線パターン92
の端部は、スルーホールを介して電極パターン93に接
続されている。プリント基板60の裏面の巻線90の他
端側の素線パターン92の端部は、スルーホールを介し
て電極パッド94に接続されている。
【0042】このシートコイルでコア付きインダクを構
成するときには、図11のフェライトコア41,42で
プリント基板60を図12のように挟む。また、このシ
ートコイルを用いてシートトランスを構成するときに
は、巻線90が配置されたプリント基板60を必要数用
意し、図11のフェライトコア41,42で挟む。な
お、このときには、基板60間には、適当な絶縁部材を
挿入する。
【0043】このようなシートコイルは、巻線90に電
流を流したとき発生する有害な漏洩磁束Bが、孔62の
周辺だけを通過するときに有効である。漏洩磁束Bに対
して波形に形成された素線パターン92が、第2の実施
形態の素線パターン64,67と同様に作用し、巻線9
0での渦電流の発生を抑制できる。
【0044】また、波形になった素線パターン92が、
プリント基板60の孔62の近傍のみとなっているの
で、波形にするために抵抗値が高くなることや、コイル
の巻線90が形成される領域の面積が増加することを抑
えることができる。
【0045】[第5の実施形態]図7は、本発明の第5
の実施形態に係るシートコイルを示す図である。前述の
第4の実施形態のシートコイルでは、プリント基板60
の孔62の近傍の素線パターン92のみ、波形に蛇行し
ていた。これは漏洩磁束Bが、図11のフェライトコア
41,42の中足41c,42cの周辺に多く発生し、
その影響を除去するためであった。ところが、これに対
し、図7のシートコイルは、プリント基板60の孔62
の近傍の素線パターン92ばかりでなく、外周側の素線
パターン92の一部も、波形に蛇行している。この外周
側の素線パターン92の波形に形成された部分は、フェ
ライトコア41,42でプリント基板60を挟んだとき
に、フェライトコア41,42の外足41a,41b,
42a,42bの近傍になる。
【0046】このようなシートコイルは、フェライトコ
ア41,42の中足41c,42cの近傍ばかりでな
く、外足41a,41b,42a,42bの近傍にも有
害な漏洩磁束Bが発生する場合に、適したコイルであ
る。外足41a,41b,42a,42bの近傍に発生
した漏洩磁束Bに対し、外周側の素線パターン92の波
形に形成された部分が、第2の実施形態の素線パターン
64,67と同様に作用し、巻線90での渦電流の発生
を抑制できる。従って、コイルの発熱を抑制できるとと
もに、電力の効率を改善できる。
【0047】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
ず、種々の変形が可能である。その変形例としては、次
のようなものがある。 (1) 第1〜第5の実施形態では、プリント基板5
0,60に銅箔の巻線51,61,90を印刷してシー
トコイルを構成したが、これらの巻線51,61,90
は、フレキシブルフィルムに印刷しても或いは貼着して
もよい。フレキシブルフィルムに巻線51,61,90
を印刷或いは貼着したものは、フレキシブルフィルムを
巻回すことにより、円筒形のシートコイルやシートトラ
ンスを構成できる。
【0048】(2) 第4及び第5の実施形態は、第2
の実施形態のシートコイルを変形して、漏洩磁束Bが影
響する部分の素線パターン92を波形に形成したが、第
1の実施形態の巻線51も、同様に、漏洩磁束Bが影響
する部分のみ、波形にしてもよい。
【0049】(3)第1〜第5の実施形態では、フェラ
イトコア41,42を用いるコア付きシートコイルにつ
いて説明したが、フェライトコア41,42を用いない
空心型シートコイルにおいても、漏洩磁束Bが巻線の部
分を通過する。空心型シートコイルも第1〜第5の実施
形態のシートコイルの巻線にすることにより、漏洩磁束
Bによる渦電流の発生を防ぎ、発熱を抑制できると共に
電力効率を向上できる。
【0050】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、巻線部分を漏洩磁束が通過しても巻線における渦
電流の発生を抑制できるので、シートコイルで発熱を防
ぐと共に電力効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るシートコイルの
説明図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るシートコイルの
説明図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る巻線パターン
(その1)を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る巻線パターン
(その2)を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る巻線パターン
(その3)を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施形態に係るシートコイルを
示す図である。
【図7】本発明の第5の実施形態に係るシートコイルを
示す図である。
【図8】従来の代表的なシートコイルを示す斜視図であ
る。
【図9】従来の代表的なシートコイルを示す斜視図であ
る。
【図10】従来の代表的なシートコイルを示す斜視図で
ある。
【図11】フェライトコアを示す斜視図である。
【図12】シートトランスの組立て斜視図である。
【図13】シートコイルに発生する渦電流の説明図であ
る。
【図14】スリットを設けたシートコイルの課題の説明
図である。
【符号の説明】
50,60 プリント基板 51,61,90 巻線 58,70,71 起電力 64,67,92 素線パターン B 漏洩磁束

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】箔状の巻線を備えるシートコイルにおい
    て、 前記巻線は、波形に蛇行している部分を有することを特
    徴とするシートコイル。
  2. 【請求項2】前記巻線は、第1の端子と第2の端子との
    間に接続されると共にその一部或いは全部は並列の複数
    条の箔状の素線パターンで構成され、 前記複数条の素線パターンの一部或いは全部は、波形に
    蛇行している部分を有することを特徴とする請求項1に
    記載のシートコイル。
  3. 【請求項3】前記複数条の素線パターンには、 波形に蛇行している部分を有する第1の素線パターン
    と、該第1の素線パターンに対峙し、該第1の素線パタ
    ーンの波形とは位相が反転した波形で蛇行している部分
    を有する第2の素線パターンとからなる素線パターン対
    が、任意数含まれることを特徴とする請求項2に記載の
    シートコイル。
  4. 【請求項4】前記巻線は、プリント基板或いはフレキシ
    ブル基板に印刷されるか或いは貼着されていることを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート
    コイル。
  5. 【請求項5】前記第1の素線パターンと前記第2の素線
    パターンとを有する請求項4に記載のシートコイルにお
    いて、 前記第1の素線パターンと前記第2の素線パターンと
    は、前記プリント基板或いは前記フレキシブル基板の異
    なる層に配置されていることを特徴とするシートコイ
    ル。
  6. 【請求項6】前記巻線に発生する磁束を通過させる鉄心
    をさらに備え、 前記鉄心の一部は分断されてギャップが形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載
    のシートコイル。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6に記載のシートコイルのう
    ちから選択したシートコイルを所定数備えることを特徴
    とするシートトランス。
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