JP2005136037A - 積層トランス - Google Patents
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Abstract
【課題】 小型で薄型であり、1次側と2次側との結合が高い積層トランスを提供する。
【解決手段】 印刷による積層と積層シートによる積層との少なくとも一方を用いて、少なくとも第1の巻線11と第2の巻線21とを形成してなる積層トランスにおいて、前記第1の巻線11を構成する導体間及び前記第2の巻線21を構成する導体間に、それぞれ非磁性材2を配置させた。
【選択図】 図1
【解決手段】 印刷による積層と積層シートによる積層との少なくとも一方を用いて、少なくとも第1の巻線11と第2の巻線21とを形成してなる積層トランスにおいて、前記第1の巻線11を構成する導体間及び前記第2の巻線21を構成する導体間に、それぞれ非磁性材2を配置させた。
【選択図】 図1
Description
この発明は、所要部材を積層して作成される積層トランスに関するものである。
従来のトランスは、フェライトや磁性金属により作製されたコアに巻線が巻回されて構成されている。このため、小型化が困難であることが一般的である。
また、シートを積層したタイプや印刷による積層トランスも提案されているが、1次側と2次側との結合が低く、トランスとしては不十分なものであった。
解決しようとする課題は、小型で薄型でありながら、1次側と2次側との結合が高い積層トランスを提供することである。
本発明に係る積層トランスは、印刷による積層と積層シートによる積層との少なくとも一方を用いて、少なくとも第1の巻線と第2の巻線とを形成してなる積層トランスにおいて、前記第1の巻線を構成する導体間及び前記第2の巻線を構成する導体間に、それぞれ非磁性材を配置させたことを特徴とする。
本発明に係る積層トランスは、前記巻線の磁心部と外側部側及び上下端部側に、磁性層が積層されていることを特徴とする。
本発明に係る積層トランスは、前記第1の巻線と前記第2の巻線とが対向するそれぞれの導体間に、非磁性材が配置されていることを特徴とする。
本発明に係る積層トランスでは、前記導体としては、銀を主成分とした導電性粉末を合成樹脂バインダを用いてペースト化したものを、磁性材としては、フェライト軟磁性材粉末を合成樹脂バインダを用いてペースト化したものを、非磁性材としては、非磁性セラミックス粉末を合成樹脂バインダを用いてペースト化したものを、それぞれ同時焼結されて作製されていることを特徴とする。
本発明に係る積層トランスは、前記導体の全周囲にも、非磁性材が配置されていることを特徴とする。
本発明に係る積層トランスは、前記第1の巻線と前記第2の巻線との間に、磁性材と非磁性材のうちの少なくとも一方により構成される絶縁層が配置されていることを特徴とする。
本発明に係る積層トランスは、積層トランスの最上部と最下部とに磁性シートによる磁性層が設けられていることを特徴とする。
本発明に係る積層トランスでは、各巻線の間を区分する非磁性層が各巻線間に配置されていることを特徴とする。
上記のように、本発明のトランスは、第1の巻線を構成する導体間及び第2の巻線を構成する導体間に、それぞれ非磁性材が配置されているので、電流により発生する磁束が巻線を構成する導体間を介してループすることがなく、所謂マイナーループの発生が抑制されて2つの巻線における結合が高くなり、積層タイプで小型・薄型でありながら、トランスとして十分な特性を得ることが可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明における積層トランスの実施例を説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明の積層トランスは、2つの巻線における結合を高くするという目的を、巻線を構成する導体間にそれぞれ非磁性材を配置することにより実現し、積層タイプで小型・薄型である利点も有している。
図1には、第1の実施例に係る積層トランスの斜視図が示されている。この積層トランスのA−A断面図は、図2に示す如くであり、内部を透視して示した平面図は図3の如くである。直方体形状の積層トランスの最上部と最下部とに複数の磁性シートによって構成された磁性層1、1が設けられている。
最下層の磁性層1の上部には、第1の巻線11を含む印刷積層体10が積層され、この印刷積層体10の上部には、第2の巻線21を含む印刷積層体20が積層される。
印刷積層体10は、第1の巻線11を構成する導体11Aのパターンと、上下方向に位置する導体11Aと導体11Aの間に配置された非磁性材2と、第1の巻線11の磁心部と外側部側に設けられた磁性層1とを含んでいる。
この印刷積層体10についての作製手順を図4〜図7に示す。最下部の磁性層1上に、図4(a)に示される如く、一端辺から一直線状に延び他端辺付近を終端とする棒状の導体パターン11aを、マスクにより印刷して形成する。次に、導体パターン11aの領域にほぼ対応する部分を除いてマスクして、非磁性材2aを印刷する(図4(b))。導体パターン11aの終端部には非磁性材2aは印刷されない。次に、図4(c)に示されるように、非磁性材2aにより多くの部分が覆われた導体パターン11aの領域をマスクし、磁性材料1aを印刷する。
次に、第1の巻線11による1/2ターンに相当する領域(長方形の隣接する2辺に相当する領域)に開口部を有するマスクを使用して、上記導体パターン11aと端部において接続された導体パターン11bを印刷により形成する(図5(a))。
次に、導体パターン11bの領域を除いてマスクして、非磁性材2bを印刷する(図5(b))。図5(b)に明らかなように導体パターン11bの終端部には非磁性材2bは印刷されない。次に、第1の巻線11による1ターンに相当する領域(長方形の4辺に相当する領域)を覆うマスクを使用して、図5(c)に示すように、磁性材料1aを印刷する。
次に、図5(a)において印刷を行った導体パターン11bとペアで第1の巻線11による1ターンとなる領域(長方形の隣接する2辺に相当する領域)に開口部を有するマスクを使用して、上記導体パターン11bと端部において接続された導体パターン11cを印刷により形成する(図5(d))。
次に、導体パターン11cの領域を除いてマスクして、非磁性材2cを印刷する(図5(e))。図5(e)に明らかなように導体パターン11cの終端部には非磁性材2cは印刷されない。次に、第1の巻線11による1ターンに相当する領域(長方形の4辺に相当する領域)を覆うマスクを使用して、図5(f)に示すように、磁性材料1aを印刷する。
以下、必要なターン数に対応して図5(a)〜図5(f)を繰り返す。次に、図6(a)に示すような短い棒状の開口部を有するマスクを使用して、導体パターン11cと端部において接続された導体パターン11dを印刷により形成する。この導体パターン11dは外部端子に接続されるものである。次に、導体パターン11dの領域を除いてマスクして、非磁性材2dを印刷する(図6(b))。以上によって第1の巻線11を含む印刷積層体10が形成されることになる。上記図6(b)において印刷された非磁性材2dとこれに次いで印刷された図6(c)に示す磁性材料1aにより、第1の巻線11と第2の巻線21の間が絶縁される。
次に、印刷積層体20が積層形成される。第2の巻線21による1/2ターンに相当する領域(長方形の隣接する2辺に相当する領域)と端子部分に開口部を有するマスクを使用して、導体パターン21aを印刷により形成する(図6(d))。次に、導体パターン21aの領域にほぼ対応する部分を除いてマスクして、非磁性材2aを印刷する(図6(e))。導体パターン21aの終端部には非磁性材2aは印刷されない。次に、図6(f)に示されるように、第2の巻線21による1ターンに相当する領域(長方形の4辺に相当する領域)を覆うマスクを使用して、磁性材料1aを印刷する。
次に、必要なターン数に対応して図5(a)〜図5(f)を繰り返す。次に、端子部とこれに繋がる棒状の開口部を有するマスクを使用して、導体パターン21cと端部において接続された導体パターン21dを印刷により形成する(図7(a))。この導体パターン21dの端部は外部端子に接続されるものである。次に、導体パターン21dの領域を除いてマスクして、非磁性材2dを印刷する(図7(b))。以上によって第2の巻線21を含む印刷積層体20が形成されることになる。印刷積層体20の上部には、複数の磁性シートによって構成された磁性層1が積層される(図7(c))。
上記において、導体パターン11a〜11c、21a〜21cとしては、銀を主成分とした導電性粉末を合成樹脂バインダを用いてペースト化したものを用い、磁性層1の磁性材としては、フェライト軟磁性材粉末を合成樹脂バインダを用いてペースト化したものを用い、非磁性材2としては、非磁性セラミックス粉末を合成樹脂バインダを用いてペースト化したものを用い、図1に示した状態として同時焼結されて作製される。
以上の通りに構成された積層トランスでは図2に明らかな通り、第1の巻線11の各巻線間、第2の巻線21の各巻線間及び、第1の巻線11と第2の巻線21の間には、非磁性材2が配置されており、第1の巻線11と第2の巻線21のいずれかの導体に電流が流れることにより導体の周囲を周回するように生じる磁束(マイナーループ)が非磁性材2に阻まれてプールせずに、磁束は基本的に磁心と磁性層1、1及び第1の巻線11と第2の巻線21の外周部の磁性層1を磁路とするように生じ、第1の巻線11と第2の巻線21の結合を高める。
しかも、積層構造を採用しているので、薄型及び小型化を実現することができることはいうまでもない。なお、本実施例では、2巻線を1つの積層トランスに内蔵させたが、3巻線以上を1つの積層トランスに内蔵させた構成としてもよい。また、図4〜図7に示した作製方法では、巻線を1/2ターンずつ積層する手法を採用したが、2/3ターンのパターンを用いて、これを3層積層して2ターンの巻線を作製し、これを所要回繰り返すようにしても良い。また、この実施例において示した印刷による積層方法とグリーンシートの積層方法の組み合わせではなく、印刷による積層方法のみを用いても良く、グリーンシートの積層方法のみを用いるようにしても良い。更に、図6(c)における磁性材料1aの印刷に代えて、全領域に非磁性材を印刷することにより、各巻線の間を区分する非磁性層が各巻線間に配置されている構成を採用することもできる。これにより、トランスの直流重畳特性を向上させることができる。
図8には、第2の実施例に係る積層トランスの斜視図が示されている。この積層トランスのB−B断面図は、図9に示す如くであり、内部を透視して示した平面図は図10の如くである。直方体形状の積層トランスの最上部と最下部とに複数の磁性シートによって構成された磁性層1、1が設けられている。
最下層の磁性層1の上部には、第1の巻線11を含む印刷積層体100が積層され、この印刷積層体100の上部には、第2の巻線21を含む印刷積層体200が積層される。
この第2の実施例に係る積層トランスの構成は、基本的に第1の実施例に係る積層トランスと同様の構成であるが、図9の断面図に顕著に現れているように、巻線11、2における導体の全周囲(導体の径が現れるように断面にした場合の全周囲)に、非磁性材2が配置されていることを特徴とする。
第2の実施例に係る積層トランスの作製は、図4〜図7において説明した第1の実施例に係る積層トランスの作製方法と基本的は変わらない。ただ、導体パターンの幅よりも幅広の非磁性材2が印刷されること、磁性体を印刷する場合のマスクが上記幅広の非磁性材2に合わせて形成されていることが相違する。また、図4(a)に示した導体パターン11aの印刷の前に、最下部の磁性層1上に、上記導体パターン11aよりも幅広の非磁性材2が導体パターン11aを覆うように印刷されること及び導体パターン11aを覆うように印刷された非磁性材2を除く部分に磁性材が印刷される。更に、最上部の磁性層1を積層する前に、その前に導体パターン11cの領域よりも幅広の非磁性材2が導体パターン11cを覆うように印刷されること及び導体パターン11cを覆うように印刷された非磁性材2を除く部分に磁性材が印刷される。その他は、第1の実施例に係る積層トランスの作製方法と変わらない。これにより、図9、図10に示す積層トランスが作製される。
このようにして作製された第2の実施例に係る積層トランスによれば、図9に明らかな通り、第1の巻線11の各巻線の全周囲、第2の巻線21の各巻線の全周囲及び、第1の巻線11と第2の巻線21の間には、非磁性材2が配置されており、第1の巻線11と第2の巻線21のいずれかの導体に電流が流れることにより導体の周囲を周回するように生じる磁束(マイナーループ)が非磁性材2に阻まれてプールせずに、磁束は磁心と磁性層1、1及び第1の巻線11と第2の巻線21における外周部の磁性層を磁路とするように生じて、第1の巻線11と第2の巻線21の結合を高める。
しかも、積層構造を採用しているので、薄型及び小型化を実現することができることはいうまでもない。なお、本実施例でも、2巻線を1つの積層トランスに内蔵させたが、3巻線以上を1つの積層トランスに内蔵させた構成としてもよい。また、図4〜図7に示した作製方法では、巻線を1/2ターンずつ積層する手法を採用したが、2/3ターンのパターンを用いて、これを3層積層して2ターンの巻線を作製し、これを所要回繰り返すようにしても良い。また、この実施例において示した印刷による積層方法とグリーンシートの積層方法の組み合わせではなく、印刷による積層方法のみを用いても良く、グリーンシートの積層方法のみを用いるようにしても良い。更に、図6(c)における磁性材料1aの印刷に代えて、全領域に非磁性材を印刷することにより、各巻線の間を区分する非磁性層が各巻線間に配置されている構成を採用することもできる。これにより、トランスの直流重畳特性を向上させることができる。
3巻線以上を1つの積層トランスに内蔵させた構成とすることにより、1次側の入力と2次側の出力を様々にすることができる。
1 磁性層
2 非磁性材
11 第1の巻線
11a〜11c 導電パターン
21 第2の巻線
2 非磁性材
11 第1の巻線
11a〜11c 導電パターン
21 第2の巻線
Claims (8)
- 印刷による積層と積層シートによる積層との少なくとも一方を用いて、少なくとも第1の巻線と第2の巻線とを形成してなる積層トランスにおいて、
前記第1の巻線を構成する導体間及び前記第2の巻線を構成する導体間に、それぞれ非磁性材を配置させたことを特徴とする積層トランス。 - 前記巻線の磁心部と外側部側及び上下端部側に、磁性層が積層されていることを特徴とする請求項1に記載の積層トランス。
- 前記第1の巻線と前記第2の巻線とが対向するそれぞれの導体間に、非磁性材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の積層トランス。
- 前記導体としては、銀を主成分とした導電性粉末を合成樹脂バインダを用いてペースト化したものを、磁性材としては、フェライト軟磁性材粉末を合成樹脂バインダを用いてペースト化したものを、非磁性材としては、非磁性セラミックス粉末を合成樹脂バインダを用いてペースト化したものを、それぞれ同時焼結されて作製されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の積層トランス。
- 前記導体の全周囲にも、非磁性材が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の積層トランス。
- 前記第1の巻線と前記第2の巻線との間に、磁性材と非磁性材のうちの少なくとも一方により構成される絶縁層が配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の積層トランス。
- 積層トランスの最上部と最下部とに磁性シートによる磁性層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の積層トランス。
- 各巻線の間を区分する非磁性層が各巻線間に配置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の積層トランス。
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Cited By (5)
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JP2008021788A (ja) * | 2006-07-12 | 2008-01-31 | Fdk Corp | 積層インダクタ |
JP2015032791A (ja) * | 2013-08-06 | 2015-02-16 | 株式会社村田製作所 | 積層電子部品およびその製造方法 |
JP2015149458A (ja) * | 2014-02-10 | 2015-08-20 | 株式会社村田製作所 | インダクタ |
JP2017228768A (ja) * | 2016-06-15 | 2017-12-28 | 太陽誘電株式会社 | コイル部品およびその製造方法 |
JP2019062071A (ja) * | 2017-09-26 | 2019-04-18 | 株式会社村田製作所 | コイル部品およびその製造方法 |
-
2003
- 2003-10-29 JP JP2003368720A patent/JP2005136037A/ja not_active Withdrawn
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