JP2003142147A - 鉛蓄電池 - Google Patents

鉛蓄電池

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JP2003142147A JP2001335873A JP2001335873A JP2003142147A JP 2003142147 A JP2003142147 A JP 2003142147A JP 2001335873 A JP2001335873 A JP 2001335873A JP 2001335873 A JP2001335873 A JP 2001335873A JP 2003142147 A JP2003142147 A JP 2003142147A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自己放電量が小さく、放電容量特性と寿命性
能とに優れた鉛蓄電池を提供する。 【解決手段】 正極活物質中に鉛以外の金属もしくは金
属化合物を含む鉛蓄電池において、電解液の理論容量A
と正極活物質の理論容量Bとが0.2≦A/B≦0.4
の関係を満たす。さらに、この鉛以外の金属もしくは金
属化合物として、SbもしくはSb化合物および/また
はSnもしくはSn化合物を正極活物質中に適量含有さ
せることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉛蓄電池、特に大
部分の電解液が正負極活物質およびセパレータに吸収保
持されている制御弁式鉛蓄電池に関する。
【0002】
【従来の技術】環境保護や省エネルギーの観点から、鉛
蓄電池に求められる性能はますます増大しており、特に
放電容量の向上と寿命性能の向上に関わる開発が急がれ
ている。
【0003】放電容量は、活物質である正負極活物質お
よび電解液量により制限されるため、活物質の利用率を
改善することが行われている。一方、鉛蓄電池の寿命原
因は、正極活物質の劣化、格子の腐食、負極のサルフェ
ーション、電解液の枯渇などである。これらのことから
各要素の改善が進められているが、その中でも正極活物
質の影響は大きいため数多くの検討がなされている。
【0004】鉛蓄電池の正極活物質は二酸化鉛からな
り、その構造は多孔質であり、非常に大きな比表面積を
有している。放電時には、電解液である硫酸が正極活物
質の細孔内部に拡散し、二酸化鉛と反応して電流を発生
する。そのため、正極活物質の利用率を上げ、放電容量
を大きくするためには、正極活物質中の細孔や比表面積
を増大させればよいが、細孔を多くしすぎると、活物質
構造が崩壊しやすくなるため、寿命性能が低下するとい
う背反した現象が生じてしまう。
【0005】これらを解決するため、添加剤による正極
活物質の改良が盛んに試みられている。例えば、正極活
物質中に微量のSbを添加することにより、活物質の骨
格部分を強固にし、活物質を崩壊しにくくすることがで
き、寿命性能を向上させることができる。また、Snを
添加した場合には、二酸化鉛結晶中に取り込まれたSn
により活物質の比表面積が大きく増大し、放電容量が向
上することなどが分かってきている。
【0006】しかし、これらの金属を添加した場合には
次のような欠点がある。すなわち、SbやSnは、電池
使用中に正極活物質中からイオンの形となって徐々に放
出され、電解液を通って負極活物質へと移動して負極板
上に電析する。そして、これらの金属の水素過電圧は、
鉛に比べて小さいため、負極での水素発生反応を増大さ
せる。この水素発生に伴い、負極上で水分解や電子の消
費が起こるため、自己放電や水損失が増加してしまうこ
とになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したような自己放
電や水損失の増加を防止しつつ、鉛蓄電池の放電性能と
寿命性能とを共に向上させることが、本発明の課題であ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、正極活物質量
と電解液量の比を最適化することで、これらの金属の移
動量を最小化し、自己放電や水損失などの増加を抑制し
つつ、鉛蓄電池の寿命や容量の向上を図ろうとするもの
である。
【0009】すなわち、本願第一の発明は、正極活物質
中に鉛以外の金属もしくは金属化合物を含む鉛蓄電池に
おいて、電解液の理論容量Aと正極活物質の理論容量B
とが0.2≦A/B≦0.4の関係にあることを特徴と
している。
【0010】この第一の発明によれば、理論容量比A/
Bを0.2≦A/B≦0.4とすることで、自己放電の
少ない電池とすることができる。理論容量比A/Bが
0.2よりも小さくなると、電解液量が少な過ぎてほと
んど放電できなくなるため、放電容量は大きく低下す
る。0.4より大きい領域では自己放電量が大きくな
る。
【0011】また、本願第二の発明は、前記の鉛以外の
金属もしくは金属化合物がSbもしくはSb化合物であ
り、正極活物質中に含まれるSb量がPb質量に対して
0.01〜0.1質量%とするものである。
【0012】本願第二の発明によれば、Sb含有量が
0.01質量%以上とすることで、寿命性能を大きく向
上させることができる。Sb含有量が0.1質量%を越
えた領域では、この寿命性能向上の効果は鈍り、コスト
等の関係からSb含有量の上限は0.1質量%程度が適
当である。
【0013】そして、本願第三の発明は、前記の鉛以外
の金属もしくは金属化合物がSnもしくはSn化合物で
あり、正極活物質中に含まれるSn量がPb質量に対し
て0.05〜2.0質量%とするものである。
【0014】本願第三の発明によれば、正極活物質中の
Sn含有量を0.05質量%以上とすることにより、高
率(3CA)放電容量を飛躍的に増大させることができ
る。ただし、さらにSn含有量を増やしても放電容量の
増大効果は鈍く、コスト等の関係からSn含有量の上限
は2質量%程度とするのが適当である。
【0015】さらに、本願第四の発明は、前記の鉛以外
の金属もしくは金属化合物がSbもしくはSb化合物と
SnもしくはSn化合物化合物とからなり、正極活物質
中に含まれるSb量がPb質量に対して0.01〜0.
1質量%であり、かつ正極活物質中に含まれるSn量が
Pb質量に対して0.05〜2.0質量%とするもので
ある。
【0016】本願第四の発明によれば、自己放電量に変
化がないものの、3CA放電容量と寿命性能とをともに
著しく向上させることができる。この理由は明らかでな
いが、Sb、Snそれぞれ元素含有に伴う効果が相乗的
に現れたものと思われる。
【0017】また、本願第五の発明においては、前記の
鉛蓄電池が制御弁式鉛蓄電池であり、該セパレータがシ
リカ粉体をセパレータ質量に対し10〜50質量%含ん
でいる微細繊維であるものである。
【0018】この本願第五の発明によれば、本願第一の
発明における構成比の最適化に加えて、セパレータにシ
リカ粉体を適量混抄させたものを使用することにより、
自己放電量をさらに減少させることができる。適正なシ
リカ混抄量としては10%〜50%である。シリカの混
抄量が質量比で50%以上になると、セパレータ強度が
低下して、破れやすくなる。
【0019】このように、本願発明により、自己放電量
や水損失の増大を招くことなく、寿命性能を向上させ、
さらに放電容量を増大させることが可能となった。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明は、正極活物質中に鉛以外
の金属もしくは金属化合物を含む鉛蓄電池において、電
解液の理論容量Aと正極活物質の理論容量Bとの比A/
Bを適正な範囲に設定し、さらに正極活物質中に適量の
SbもしくはSb化合物および/またはSnもしくはS
n化合物を含むことによって、自己放電量や水損失の増
大を招くことなく、寿命性能を向上させ、さらに放電容
量を増大させることが可能としたものである。
【0021】正極活物質に鉛以外の金属もしくは金属化
合物を含ませるためには、各種の方法があり、以下に主
な添加方法を列挙する。 (1)活物質原料である鉛粉を所定の組成とする。 (2)鉛粉から活物質ペーストを生成する際に、鉛以外
の金属や金属化合物を添加する。 (3)極板化成の際に電解液に添加する。
【0022】分散性の観点から見ると、鉛粉そのものを
所定組成とする(1)の方法が最も優れている。この製
造方法は実施例中で詳述する。(2)の方法は、鉛粉と
硫酸とを練りあわせてペーストを作製する際、原料鉛粉
に金属粉、金属酸化物、金属硫酸化物などを所定量添加
する。Sbであれば、酸化アンチモン、硫酸アンチモン
などが使用可能であり、Snであれば、酸化スズ、硫酸
スズなどが使用可能である。(3)の方法は、硫酸電解
液に金属粉、金属酸化物、金属硫酸化物を溶解させ、こ
の電解液を電池に用いる方法である。本発明では、
(1)〜(3)いずれの方法でも使用可能であり、工程
に応じて選択可能である。
【0023】次に電池作製方法について述べる。作製し
た正極活物質を鉛合金格子に充填して正極板とし、セパ
レータ、負極板と重ね合わせて極板群を作製する。そし
て、この極板群を所定数電槽に挿入し、セル間接続や蓋
の取り付けを行って、未化成電池を作製する。さらに、
この未化成電池に電解液である硫酸を注入し、所定の充
電を行うことで本発明の電池を完成させることができ
る。
【0024】本発明では、上記の注液工程において、注
液する硫酸の濃度や量を、電解液の理論容量Aと正極活
物質の理論容量Bとが0.2≦A/B≦0.4の関係を
満たすように調整するだけでよい。また、制御弁式鉛蓄
電池の場合には、セパレータにシリカ粉体を10〜50
質量%含んだものを用いることで、本発明の効果をさら
に向上させることができる。
【0025】
【実施例】(試験A)まず、理論容量比A/Bと放電容
量、自己放電量との関係を調べた。正極から放出された
金属イオンは、セパレータ中の電解液を経由して負極板
に達し、負極板上で析出して、自己放電等の問題を引き
起こす。金属イオンはセパレータ中の電解液を経由して
移動することから、移動速度はセパレータや電解液に依
存するものと考えられる。移動経路が長くなったり、電
解液量が少なくなったりすれば、移動速度は当然遅くな
るものと予想される。
【0026】試験に供する電池を以下の方法で作製し
た。
【0027】正極活物質への鉛以外の金属もしくは金属
化合物の添加は、鉛粉法で行った。まず、Sb、Snの
それぞれの含有量が異なるPb−Sb合金塊とPb−S
n合金塊を作製した。なお、ここでは、合金中のSb含
有量を0.005〜0.15質量%の範囲で変化させ、
合金中のSn含有量を0.01〜5質量%の範囲で変化
させたものを作製した。
【0028】この鉛合金塊をボールミルに投入し、鉛粉
を得た。鉛粉の酸化度は約70%とした。鉛粉中の主成
分はPbO、Pbであるが、Pb−Sb合金塊から作製
した鉛粉には、これらに加えSbO、Sb等が含まれ、
Pb−Sn合金塊から作製した鉛粉には、SnO、Sn
等が含まれる。さらに、Pb−Sb合金塊およびPb−
Sn合金塊を同時にボールミルに投入して得た鉛粉に
は、PbO、Pb、SbO、Sb、SnO、Sn等が含
まれる。合金中のSb、Sn含有量は、鉛粉中のPbに
対するSb、Sn含有量と等しくなるため、前記所定含
有量の鉛粉を得ることができる。
【0029】次に、上記の鉛粉を所定量・所定濃度の硫
酸と練り合わせペースト状にして鉛合金格子に充填し、
その後、熟成、乾燥して未化成正極板を作製した。
【0030】この未化成正極板と、通常の方法で作製し
た未化成負極板とセパレータとを積層し、端子部を溶接
して極板群を作製する。なお、セパレータとして、ガラ
ス繊維100%のものを使用した。そして、これらの極
板群を電槽に挿入し、セル間の接続を行い、さらに電槽
に蓋を取り付けた後、所定濃度・所定量の硫酸を注入、
その後化成のための通電を行う。通電終了後、弁を取り
付け、制御弁式鉛蓄電池を完成させた。
【0031】電池は、定格12V、20Ahの制御弁式
鉛蓄電池とした。これらの電池では、電解液量、正極活
物質へのSb、Sn含有量を種々変化させた。電解液比
重は、1.30とした。電解液量は、電解液の理論容量
Aと正極活物質の理論容量Bとの比(A/B)が0.1
〜0.8の範囲になるよう調整した。なお、通常の制御
弁式鉛蓄電池の場合、A/Bは0.6〜1.0程度に設
定されている。
【0032】上記の方法にて作製した鉛蓄電池について
充放電試験を行った。試験条件は、次のとおりである。 [放電容量の測定] 放 電:(a)電流4A(0.2CA)で終止電圧1
0.5Vまで定電流放電 充 電:電流4A(0.2CA)で放電電気量の105
%充電 放 電:(b)電流60A(3CA)で終止電圧8.4
Vまで定電流放電 充 電:電流4A(0.2CA)で放電電気量の105
%充電 [自己放電量の測定] 放 電:電流4A(0.2CA)で終止電圧10.5V
まで定電流放電 充 電:電流4A(0.2CA)で放電電気量の105
%充電 放 置:温度60℃で1ヶ月間放置 放 電:電流4A(0.2CA)で終止電圧10.5V
まで定電流放電 充 電:電流4A(0.2CA)で放電電気量の105
%充電 正極活物質中のSb含有量を0.1質量%とした電池に
おける、理論容量比A/Bと0.2CAおよび3CA放
電容量との関係を図1に示す。ここで、各試験電池の放
電容量は、A/B=0.6とした電池における0.2C
A放電容量を1として、それに対する比で表している。
【0033】理論容量比A/Bが小さくなるほど、電解
液量が少なくなるため、放電容量は徐々に低下してい
る。0.2よりも小さくなると、電解液量が少な過ぎて
ほとんど放電できなくなるため、放電容量は大きく低下
している。したがって、大きな放電容量を得るために
は、理論容量比A/Bを0.2以上とする必要がある。
【0034】次に、Sb含有量を0.1質量%とした正
極活物質ならびにSn含有量を2.0質量%とした正極
活物質を用いた電池における、理論容量比A/Bと自己
放電量との関係を図2に示す。ここで、初期容量と60
℃で1ヶ月放置した後の容量の差を自己放電量とした。
正極活物質中にSbやSnを含まない場合には、自己放
電量は理論容量比A/Bに関わらず一定であり、この値
を1とし、これとの比を用いて各試験電池の自己放電量
比を表している。
【0035】SbやSnを含有した正極活物質を用いた
電池では、A/B>0.5の領域で非常に自己放電量が
大きい。しかし、0.4以下の領域では自己放電量が大
きく低下していることがわかる。この理由は前述したよ
うに、正極から放出された金属イオンの移動速度が、電
解液制限によって遅くなるためと考えられる。自己放電
が急激に小さくなる理由は不明であるが、セパレータ中
の細孔による電解液の分断が起こるためではないかと思
われる。
【0036】以上のことから、正極活物質に鉛以外の金
属もしくは金属化合物を添加した電池において、理論容
量比A/Bを0.2≦A/B≦0.4とすることで、放
電容量の低下が少なく、自己放電の少ない電池とするこ
とができる。
【0037】(試験B)次に、正極活物質中にSbを添
加した場合のSb含有量が充放電サイクル寿命性能に及
ぼす影響を調査した。試験には、活物質中のSb含有量
を0.005〜0.15質量%の範囲で変化させた12
V、20Ahの制御弁式鉛蓄電池を用いた。セパレータ
には、ガラス繊維100%の標準品を用い、電解液の理
論容量Aと正極活物質の理論容量Bとの比A/Bを0.
3とした。
【0038】充放電サイクル寿命試験条件は次のとおり
である。 放 電:電流4A(0.2CA)で終止電圧10.5V
まで定電流放電 充 電:電流2A(0.1CA)で放電電気量の105
%を定電流充電 試験温度:40℃ 正極活物質中のSb含有量と寿命サイクル数との関係を
図3に示す。放電容量が初期放電容量の60%に達する
までのサイクル数を寿命サイクル数とし、図3における
縦軸の各試験電池の寿命サイクル数は、Sbを含有して
いない電池での寿命サイクル数を1として、その比で表
している。
【0039】Sb含有量が0.01質量%以上の領域で
寿命性能が大きく向上した。Sb含有量が0.1質量%
を越えた領域では、この寿命性能向上の効果は鈍り、コ
スト等の関係からSb含有量の上限は0.1質量%程度
が適当である。
【0040】(試験C)次に、正極活物質中のSnを添
加した場合のSn含有量が高率(3CA)放電特性に及
ぼす影響について検討した。試験には、活物質中のSn
含有量を0.01〜5質量%の範囲で変化させた定格1
2V、20Ahの制御弁式鉛蓄電池を作製し、用いた。
また、比較のため、Snを含まない正極活物質を用いた
同様の電池を用いた。セパレータには、ガラス繊維10
0%の標準品を用い、電解液の理論容量Aと正極活物質
の理論容量Bとの比A/Bを0.3とした。
【0041】3CA放電容量の測定条件は次のとおりで
ある。 放 電:電流60A(3CA)で終止電圧8.4Vまで
定電流放電 充 電:電流4A(0.2CA)で放電電気量の105
%充電 正極活物質中のSn含有量と3CA放電容量との関係を
図4に示す。図4において、縦軸の各試験電池の3CA
放電容量は、Snを含有していない電池の3CA放電容
量を1として、その比で表している。
【0042】Sn含有量を0.05質量%より多くする
と、3CA放電容量が、Snを含有しない場合の1.2
〜1.25倍になった。さらにSn含有量を増やしても
3CA放電容量は大きく変化しなかったため、コスト等
の関係からSn含有量の上限は2質量%程度とするのが
好ましい。
【0043】なお、これらの電池について0.2CA放
電容量やサイクル寿命性能も併せて調査したが、それら
の特性にはSn含有量の影響は見られなかった。また、
Sb含有する正極活物質を用いた電池では、3CA放電
容量ならびに0.2CA放電容量にSb含有量の影響は
見られなかった。
【0044】(試験D)さらに、SbとSnとを同時に
添加することで、放電性能と寿命性能の両方を向上させ
ることができるかどうかを検討した。Sbを0.05質
量%、Snを1質量%含有する正極活物質を用いた電池
を作製し、自己放電試験、3CA放電試験および寿命サ
イクル試験に供して、Sb、Snを含有していない電池
との性能比較を行った。
【0045】その結果、Sbを0.05質量%、Snを
1質量%含有する正極活物質を用いた電池では、Sb、
Snを含有していない電池に比べて、自己放電量が1.
05倍とあまり変化がないものの、3CA放電容量が
1.3倍に、寿命サイクル数が1.7倍にと大きく向上
した。
【0046】さらに、Sb、Snをそれぞれ単独に含有
した電池と性能を比較してみると、自己放電特性には殆
ど差が見られなかったが、3CA放電容量は、Snを単
独で含有した場合に比べて1.2倍程度に向上し、ま
た、寿命サイクル数は、Sbを単独で含有した場合に比
べて1.4倍程度に向上した。放電容量や寿命性能が向
上した理由は明らかでないが、何らかの相乗作用が起こ
ったためと思われる。
【0047】(試験E)Sb含有量を0.1質量%とし
た正極活物質を用い、電解液の理論容量Aと正極活物質
の理論容量Bとの比A/Bを0.1〜0.8の範囲で変
化させた定格12V、20Ahの制御弁式鉛蓄電池を作
製し、セパレータへのシリカ粉体混抄が自己放電特性に
及ぼす影響を調査した。セパレータには、ガラス繊維1
00%のセパレータを標準として用い、比較としてガラ
ス繊維にシリカ粉体を10%混抄したセパレータを用い
た。
【0048】自己放電量の測定は上記試験Aでの条件と
同様とした。この試験結果を図5に示す。図5における
縦軸の自己放電量比は、前述の図1におけると同様、正
極活物質中にSbやSnを含まない場合の自己放電量と
の比を用いて表している。
【0049】シリカ粉体を混抄したセパレータを用いた
電池では、標準のガラス繊維100%のセパレータを用
いた電池に比べ、自己放電量が小さくなっていることが
わかる。この理由は、セパレータ中にシリカ粉体が存在
していることにより、金属イオンの移動経路がより長く
なるためと考えられる。
【0050】シリカ粉体を含むセパレータを用いること
により、自己放電量を減少させることができ、そのシリ
カ混抄量は10%〜50%が適当である。なお、シリカ
の混抄量が質量比で50%以上になると、セパレータ強
度が低下して、破れやすくなる。
【0051】以上、詳述したように、本発明によれば自
己放電を増大させることなく、放電性能や寿命性能を向
上させた鉛蓄電池を得ることができる。
【0052】
【発明の効果】正極活物質中に鉛以外の金属もしくは金
属化合物を含む鉛蓄電池において、電解液の理論容量A
と正極活物質の理論容量Bとが0.2≦A/B≦0.4
の関係を満たすことによって、放電容量が大きく、自己
放電の少ない電池とすることができる。さらに、前記の
鉛以外の金属もしくは金属化合物として、Sbもしくは
Sb化合物および/またはSnもしくはSn化合物を正
極活物質中に適量含有させることによって、自己放電量
を増大させることなく、高率放電容量と寿命性能とをと
もに著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 理論容量比A/Bと放電容量比との関係を示
す図。
【図2】 理論容量比A/Bと自己放電量比との関係を
示す図。
【図3】 Sb量と寿命サイクル比との関係を示す図。
【図4】 Sn量と3CA放電容量との関係を示す図。
【図5】 セパレータ種と自己放電量との関係を示す
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H021 AA06 BB08 CC02 EE22 EE28 HH01 5H028 AA01 AA06 EE01 EE05 FF04 FF05 HH00 HH01 5H050 AA07 AA08 AA09 BA10 CA06 CB15 DA02 DA09 EA02 HA00 HA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極活物質中に鉛以外の金属もしくは金
    属化合物を含む鉛蓄電池において、電解液の理論容量A
    と正極活物質の理論容量Bとが0.2≦A/B≦0.4
    の関係にあることを特徴とする鉛蓄電池。
  2. 【請求項2】 前記の鉛以外の金属もしくは金属化合物
    がSbもしくはSb化合物であり、正極活物質中に含ま
    れるSb量が、Pb質量に対して0.01〜0.1質量
    %であることを特徴とする請求項1記載の鉛蓄電池。
  3. 【請求項3】 前記の鉛以外の金属もしくは金属化合物
    がSnもしくはSn化合物であり、正極活物質中に含ま
    れるSn量が、Pb質量に対して0.05〜2.0質量
    %であることを特徴とする請求項1記載の鉛蓄電池。
  4. 【請求項4】 前記の鉛以外の金属もしくは金属化合物
    がSbもしくはSb化合物とSnもしくはSn化合物化
    合物とからなり、正極活物質中に含まれるSb量がPb
    質量に対して0.01〜0.1質量%であり、かつ正極
    活物質中に含まれるSn量がPb質量に対して0.05
    〜2.0質量%であることを特徴とする請求項1記載の
    鉛蓄電池。
  5. 【請求項5】 前記鉛蓄電池が制御弁式鉛蓄電池であっ
    て、該セパレータがシリカ粉体をセパレータ質量に対し
    て10〜50質量%含んでいることを特徴とする請求項
    1、2、3、4記載の鉛蓄電池。
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