JP2003139703A - カソードルミネッセンス用試料ホルダ、及びカソードルミネッセンス分光分析装置 - Google Patents

カソードルミネッセンス用試料ホルダ、及びカソードルミネッセンス分光分析装置

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JP2003139703A
JP2003139703A JP2001334389A JP2001334389A JP2003139703A JP 2003139703 A JP2003139703 A JP 2003139703A JP 2001334389 A JP2001334389 A JP 2001334389A JP 2001334389 A JP2001334389 A JP 2001334389A JP 2003139703 A JP2003139703 A JP 2003139703A
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哲朗 田邊
Shunsuke Muto
俊介 武藤
Toshihiko Nagamura
俊彦 長村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既設の透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて
カソードルミネッセンス分析を容易に行うことを可能と
するカソードルミネッセンス用試料ホルダ、及び該カソ
ードルミネッセンス用試料ホルダを用いた分光分析装置
を提供する。 【解決手段】 本カソードルミネッセンス分光分析装置
100は、真空チャンバ10内において試料Sに電子線
EBを照射して透過電子線TBを観察する透過型電子顕
微鏡101と、透過型電子顕微鏡101に取付可能なカ
ソードルミネッセンス用試料ホルダ102と、カソード
ルミネッセンス用試料ホルダ102により導かれた光C
Lを分光して測定する分光測定器103と、分光測定器
103の測定値に基づいて測定結果を表示するコンピュ
ータ104と、を具備してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料に電子線を照
射してカソードルミネッセンスを検出するための試料ホ
ルダ、特に透過型電子顕微鏡に取り付けるに好適なカソ
ードルミネッセンス用試料ホルダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】カソードルミネッセンス分析とは、分析
すべき試料に電子線を照射することにより試料に生じた
励起子の再結合による発光(カソードルミネッセンス)
を検出して分析する方法であり、例えば試料の一定領域
に電子線を走査して得られた検出値に基づいてカソード
ルミネッセンス像を作成して観察することにより、試料
の結晶状態や不純物の有無等、試料の局所領域からの情
報を得ることができ、誘電体、イオン結晶、半導体等の
研究に幅広く利用可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば、既設の透過型
電子顕微鏡を利用してカソードルミネッセンス分析を行
う場合には、検出器を試料の上方又は下方に配置する
が、透過電子線や反射電子線等を検出する場合には、透
過電子線や反射電子線を遮蔽して検出効率を下げないよ
うに、該検出器を試料近傍から移動させる必要がある。
しかし、既設の電子顕微鏡に任意に移動可能な前記分光
器や検出器等を設けるような複雑な改造を行うことは一
般の実験者等には困難であり、カソードルミネッセンス
分析の幅広い利用を妨げる一要因となっている。
【0004】一方、真空チャンバが比較的大きく、光学
測定を行うための窓を設けることが容易な走査型電子顕
微鏡(SEM)においては、レンズ等を用いて真空チャ
ンバ外に光を導いて発光測定するような測定システムが
存在する。しかし、透過型電子顕微鏡の試料ホルダは、
真空チャンバ内に収納されて非常に狭い空間にあるの
で、試料ホルダの出入口に光学測定を行うための窓を設
けることは困難であった。
【0005】本発明は、かかる問題に鑑みてなされたも
のであり、既設の透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて
カソードルミネッセンス分析を容易に行うことを可能と
するカソードルミネッセンス用試料ホルダ、及び該カソ
ードルミネッセンス用試料ホルダを用いた分光分析装置
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
になされた本発明に係るカソードルミネッセンス用試料
ホルダは、透過型電子顕微鏡に取付可能なカソードルミ
ネッセンス用試料ホルダであって、透過型電子顕微鏡の
真空チャンバに挿入可能な中空状のホルダ本体と、ホル
ダ本体の先端近傍に設けられ、真空チャンバ内において
電子線が照射される試料を固定するための試料固定部
と、試料固定部近傍に光取込口が位置するようにして、
ホルダ本体内の試料固定部近傍から基端側へ延設された
光ファイバと、試料固定部と対向位置に配置され、試料
から発生した光を光ファイバの光取込口に向かって反射
するとともに、所定位置に穿たれた孔により電子線を通
過させる反射板と、を具備するものである。
【0007】また、本発明(請求項2)は、請求項1に
記載のカソードルミネッセンス用試料ホルダにおいて、
前記ホルダ本体は、略円筒状のものであって、ホルダ本
体を所定の姿勢に規制するために、透過型電子顕微鏡の
真空チャンバに設けられた挿入孔と係合する係止部が外
周面に設けられたものである。
【0008】また、本発明(請求項3)は、請求項2に
記載のカソードルミネッセンス用試料ホルダにおいて、
前記係止部は、ホルダ本体の外周面から突出して、前記
挿入溝の形成されたガイド溝と係合するガイドピンであ
り、ホルダ本体の外周面には該ピンが挿入されるピン孔
が、少なくとも、ホルダ本体を試料固定部が上側となる
姿勢と下側となる姿勢とに規制する位置に穿設されたも
のである。
【0009】また、本発明(請求項4)は、請求項1か
ら3のいずれかに記載のカソードルミネッセンス用試料
ホルダにおいて、前記反射板は、試料から発生した光を
光ファイバの光取込口に集光するように湾曲されたもの
である。
【0010】また、本発明(請求項5)は、請求項4に
記載のカソードルミネッセンス用試料ホルダにおいて、
前記反射板は、試料の発光位置と光ファイバの光取込口
とを焦点とする回転楕円面を構成するものである。
【0011】また、本発明(請求項6)は、請求項1か
ら5のいずれかに記載のカソードルミネッセンス用試料
ホルダにおいて、前記光ファイバと反射板との間に、反
射板が反射した光を光ファイバの光取込口に集光する集
光レンズが介設されたものである。
【0012】また、本発明の請求項7に係るカソードル
ミネッセンス分光分析装置は、請求項1から6のいずれ
かに記載のカソードルミネッセンス用試料ホルダと、カ
ソードルミネッセンス用試料ホルダの光ファイバにより
導かれたカソードルミネッセンスを分光して検出する分
光測定手段と、分光測定手段の測定値に基づいて測定結
果を表示する演算表示手段と、を具備してなるものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
カソードルミネッセンス分光分析装置100を、図面に
基づいて具体的に説明する。本実施の形態に係るカソー
ドルミネッセンス分光分析装置100は、図1に示すよ
うに、真空チャンバ10内において試料Sに電子線EB
を照射して透過電子線TBを観察する透過型電子顕微鏡
101と、透過型電子顕微鏡101に取付可能なカソー
ドルミネッセンス用試料ホルダ102と、カソードルミ
ネッセンス用試料ホルダ102により導かれた光CLを
分光して測定する分光測定器103と、分光測定器10
3の測定値に基づいて測定結果を表示するコンピュータ
(演算表示手段)104と、を具備してなるものであ
る。
【0014】透過型電子顕微鏡101は、図1に示すよ
うに、真空チャンバ10内に、電子線照射部11及び透
過電子線検出器12が設けられてなるものであり、図に
は示していないが、透過型電子顕微鏡で通常使用される
試料ホルダ、位置調整機構、冷却手段等をも具備する周
知の構造のものである。
【0015】真空チャンバ10は、室内圧力を約10
−5Pa〜10−7Pa程度の真空とするものであり、
真空チャンバ10の側壁には、カソードルミネッセンス
用試料ホルダ102を挿入するための挿入孔13が形成
されている。該挿入孔13は、真空チャンバ10の室内
に貫通された断面形状が円形のもので、真空チャンバ1
0の外壁側から一定深さまでは、図2に示すように、上
方に向かって凹欠したガイド溝13aが形成されてい
る。このように構成された挿入孔13は、透過型電子顕
微鏡で通常使用される試料ホルダの挿入孔と共用させる
ことが可能である。
【0016】電子線照射部11は、電子線源から発生す
る電子線EBを集束レンズにより集束し、対物レンズに
より焦点を合わせて試料S上に照射するものであり、こ
れにより、試料Sから光CL、即ちカソードルミネッセ
ンスが発生する。一方、試料Sを透過した透過電子線T
Bは、図1に示すように、試料Sの下方に配置された透
過電子線検出器12により検出される。
【0017】カソードルミネッセンス用試料ホルダ10
2は、図3に示すように、透過型電子顕微鏡101の真
空チャンバ10の側壁に設けられた挿入孔13に挿抜可
能な中空状のホルダ本体20と、ホルダ本体20の先端
近傍に設けられた試料固定部21と、ホルダ本体20内
に延設された光ファイバ22と、試料固定部21の対向
位置に配置された反射板23と、を備えてなるものであ
る。
【0018】前記ホルダ本体20は、真空チャンバ10
の挿入孔13に挿入可能な円筒状のものであって、外径
が前記挿入孔13の内径と略等しいステンレス製の円筒
20aの基端側に径大の円筒20bが連接され、先端側
に径小の円筒20cが連設されてなるものであり、さら
に該円筒20cの先端側が一定厚みの平板状となって試
料固定部21をなしている。円筒20bは挿入孔13の
内径より径大のものであり、円筒20bの端面が真空チ
ャンバ10の挿入孔13周辺の外側壁と当接することに
より、カソードルミネッセンス用試料ホルダ102の挿
入深さを所定位置に規制する。また、円筒20aの先端
近傍には径方向に溝が周設され該溝にO−リング24が
嵌設されている。該O−リング24により、挿入孔13
とホルダ本体20の円筒20aとの隙間を密閉して真空
チャンバ10内の真空が維持されるようになっている。
【0019】さらに、ホルダ本体20の外周面には、カ
ソードルミネッセンス用試料ホルダ102を所定の姿勢
に規制するために、透過型電子顕微鏡101の真空チャ
ンバ10に設けられた挿入孔13のガイド溝13aと係
合するガイドピン25が突設されている。該ガイドピン
25は略円柱状のものであり、ホルダ本体20の外周面
に穿設されたピン孔26に嵌挿されており挿抜可能なも
のである。ピン孔26は、ホルダ本体20を試料固定部
21が電子線照射部11側、即ち上側となる姿勢と、透
過電子線検出器12側、即ち下側となる姿勢とに規制で
きるように、ホルダ本体20の外周面の2箇所、具体的
には試料固定部21と同じ側と反対側とに穿設されてい
る。従って、ガイドピン25を嵌挿する位置により、カ
ソードルミネッセンス用試料ホルダ102を挿入孔13
に挿入可能な姿勢が180°異なり、試料固定部21が
上側又は下側となる姿勢を任意に選択することができ
る。
【0020】図4は、カソードルミネッセンス用試料ホ
ルダ102の先端付近を示す拡大斜視図である。前記試
料固定部21は、真空チャンバ10内において電子線E
Bが照射される試料Sを固定するためのものであり、図
に示すように、カソードルミネッセンス用試料ホルダ1
02先端の中空平板状部分の外平面に、試料Sを嵌め込
むための試料溝210が凹設され、該試料溝210の底
部には電子線EB又は透過電子線TBの光路となる孔2
11が中空部を介して反対側の外平面にまで貫設され、
さらに、試料溝210の近傍に、試料溝210に嵌め込
まれた試料Sを固定するための試料押えバネ212が設
けられてなる。これにより、カソードルミネッセンス用
試料ホルダ102の姿勢、即ち、試料固定部21が上側
又は下側であるに拘わらず、試料Sがカソードルミネッ
センス用試料ホルダ102の一定位置に固定され、該試
料Sに、孔211を光路として電子線EBを照射するこ
とができる。
【0021】光ファイバー22は、試料Sから発せられ
た光CLを分光測定器103に導くためのものであり、
図5に示すように、その一端側の光取込口22aが、ホ
ルダ本体20内の試料固定部21の孔211近傍であっ
て、電子線EB又は透過電子線TBの光路を遮蔽しない
位置に固定され、他端側(図示せず)がホルダ本体20
内の基端側ヘ延設されている。さらに、図3に示すよう
に、光ファイバ22はホルダ本体20の基端において光
ファイバ27とジョイントされ、該光ファイバ27が分
光測定器103に連結されている。勿論、光ファイバ2
2と光ファイバ27を1本の光ファイバとすることも可
能である。これにより、光取込口22aに入射した光C
Lが、真空チャンバ10外の分光測定器103にまで導
かれるものとなっている。
【0022】反射板23は、例えばミラーや基板にアル
ミを蒸着したもの等、試料Sから発せられるカソードル
ミネッセンス、即ち、光CLを反射可能なものである。
該反射板23は、図5に示すように、ホルダ本体20内
の先端近傍であって、前記試料溝210の下方に所定の
傾き角で固定されており、試料Sから発せられた光CL
を光ファイバ22の光取込口22aに向かって反射す
る。反射板23の傾き角は、試料固定部21の孔211
と光ファイバ22の光取込口22aとの位置関係によっ
て設定され、図に示すように、孔211を通過する透過
電子線TBの光路と光ファイバ22の軸方向とが直交す
る場合には、水平方向に対して約45°とすることが好
ましい。なお、図5においては、説明の便宜上、試料押
えバネ212は省略している。
【0023】さらに、反射板23の中央近傍には、電子
線EB又は透過電子線TBを通過させるための孔230
が穿設されている。該孔230の径は、収束された電子
線EB又は透過電子線TBが通過可能な大きさで十分で
あり、該孔230は試料Sから発せられる光CLをも通
過させるので、収束された電子線EBのスポット径に依
るものではあるが、例えば0.1〜0.5mm程度と可
能な限り小さくすることが好ましい。
【0024】なお、図5は、カソードルミネッセンス用
試料ホルダ102が試料固定部21を上側とする姿勢を
示しているが、図6に示すように、該試料固定部21を
下側とする姿勢にすれば、電子線EBは試料固定部21
の孔211及び反射板23の孔230を通過して試料S
に照射され、該試料Sの上方に発せられた光CLが反射
板23により光ファイバ22の光取込口22aに反射さ
れることにより、試料S上方の光CLを観察することが
できるものとなる。なお、図6においても、説明の便宜
上、試料押えバネ212は省略しているが、実際には試
料Sは該試料押えバネ212で固定されるので、試料溝
210から脱落することはない。
【0025】また、前記反射板23は平板であるが、図
7に示すように光ファイバ22の光取込口22aを焦点
として湾曲された反射板28を用いることにより、光C
Lの集光率を向上させることが可能となる。該反射板2
8は、光取込口22aを焦点とした球面状のものとして
もよいが、収差等の影響を抑制するために、試料Sの発
光位置と光取込口22aとを焦点とする回転楕円面を構
成するように湾曲させたものとすることが好ましい。
【0026】また、図8に示すように、前記反射板23
と光ファイバ22の光取込口22aとの間に集光レンズ
29を介設することとしても、光CLの集光率を向上さ
せることが可能となる。該集光レンズ29は、測光波長
領域に合わせて、例えば石英製の光学レンズ等を用いる
ことができ、光取込口22a付近を焦点とし、電子線E
B又は透過電子線TBの光路を遮蔽しない位置に設け
る。
【0027】分光測定器103は、光ファイバ22、2
7により導かれた光CLを分光して検出し、該検出値を
電気信号として出力するものであり、周知の分光器と、
光倍増管や半導体検出器等の測定機器とから構成され、
例えば紫外域から赤外域の波長域で光CLの測定を行う
ことができる。分光測定器103からの電気信号はコン
ピュータ104に送信され、コンピュータ104内のデ
ータ格納領域(図示せず)に測定値が記憶され、各測定
値をプロットしたグラフ又はマッピングした画像等、所
望の形式に演算されてモニタに表示される。なお、図1
には示していないが、該コンピュータ104を汎用コン
ピュータとして、透過電子線検出器12の測定値を演算
するものと共用可能なことは勿論である。
【0028】このように、本実施の形態に係るカソード
ルミネッセンス分光分析装置100によれば、透過型電
子顕微鏡101の真空チャンバ10の側壁に設けられた
挿入孔13にカソードルミネッセンス用試料ホルダ10
2を挿入可能とし、試料Sから発せられる光CLを光フ
ァイバ22、27により真空チャンバ10外に導いて分
光測定器103で測定するので、周知の構造の透過型電
子顕微鏡101を用いて、簡便且つ容易にカソードルミ
ネッセンス分析を行うことが可能である。また、透過電
子TBの観察も同時に行い、両者により得られた測定結
果を同時に、又は交互に観察することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。透過型電子顕
微鏡として日本電子株式会社製のものを用い、本発明に
係るカソードルミネッセンス用試料ホルダによりアルミ
ナ(Al)のカソードルミネッセンス分析を行っ
た。図9は、波長範囲200nm〜1000nmの測定
結果をグラフに表したものであり、縦軸が発光強度(任
意スケール)、横軸が波長(単位:nm)であり、グラ
フ中、F−centerは酸素空孔からの発光を、F
−centerはさらに1ケの電子を失った酸素空孔か
らの発光を示している。測定結果より、発光強度の弱い
スペクトルも取得でき、また、良い波長分解能で測定が
行えることがわかる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るカソ
ードルミネッセンス用試料ホルダによれば、透過型電子
顕微鏡の真空チャンバに挿入可能な中空状のホルダ本体
と、ホルダ本体の先端近傍に設けられ、真空チャンバ内
において電子線が照射される試料を固定するための試料
固定部と、試料固定部近傍に光取込口が位置するように
して、ホルダ本体内の試料固定部近傍から基端側へ延設
された光ファイバと、試料固定部と対向位置に配置さ
れ、試料から発生した光を光ファイバの光取込口に向か
って反射するとともに、所定位置に穿たれた孔により電
子線を通過させる反射板と、を具備するものとしたの
で、透過型電子顕微鏡に容易に取付可能であって、試料
固定部及び集光部をすべて一体に集約したコンパクトな
試料ホルダを実現することができる。これにより、既設
の透過型電子顕微鏡を用いて簡便にカソードルミネッセ
ンス分析を行うことが可能であり、また、本カソードル
ミネッセンス用試料ホルダは、透過電子顕微鏡による透
過電子の観察を妨げず、透過電子観察及びカソードルミ
ネッセンス分析の併用も可能とする。
【0031】また、本発明によれば、前記ホルダ本体
は、略円筒状のものであって、ホルダ本体を所定の姿勢
に規制するために、透過型電子顕微鏡の真空チャンバに
設けられた挿入孔と係合する係止部が外周面に設けられ
たものとしたので、カソードルミネッセンス用試料ホル
ダの挿入姿勢が係止部により規制され、電子線に対する
試料の傾きを一定に維持することが容易となる。
【0032】また、本発明によれば、前記係止部は、ホ
ルダ本体の外周面から突出して、前記挿入溝の形成され
たガイド溝と係合するガイドピンであり、ホルダ本体の
外周面には該ピンが挿入されるピン孔が、少なくとも、
ホルダ本体を試料固定部が上側となる姿勢と下側となる
姿勢とに規制する位置に穿設されたものとしたので、ガ
イドピンの付け替えにより、カソードルミネッセンス用
試料ホルダの挿入姿勢が選択可能となり、試料の上方又
は下方に発せられる光の分析を任意に選択して観察でき
る。
【0033】また、本発明によれば、前記反射板は、試
料から発生した光を光ファイバの光取込口に集光するよ
うに湾曲されたもの、好ましくは、試料の発光位置と光
ファイバの光取込口とを焦点とする回転楕円面を構成す
るものとしたので、反射板が試料から発せられる光を光
取込口に向かって集光して反射することにより、カソー
ドルミネッセンスの集光率を向上させることができる。
【0034】また、本発明によれば、前記光ファイバと
反射板との間に、反射板が反射した光を光ファイバの光
取込口に集光する集光レンズを介設したので、反射板が
反射した光を光取込口に集光することにより、カソード
ルミネッセンスの集光率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るカソードルミネッセ
ンス分光分析装置100の概略構成を示す模式図であ
る。
【図2】挿入孔13の断面形状を示す断面図である。
【図3】(a)は、カソードルミネッセンス用試料ホルダ
102の平面図であり、(b)は、カソードルミネッセン
ス用試料ホルダ102の断面図である。
【図4】試料固定部21付近の拡大斜視図である。
【図5】カソードルミネッセンス用試料ホルダ102の
先端付近の構造を示す模式図である。
【図6】カソードルミネッセンス用試料ホルダ102の
先端付近の構造を示す模式図である。
【図7】別形態のカソードルミネッセンス用試料ホルダ
102の先端付近の構造を示す模式図である。
【図8】別形態のカソードルミネッセンス用試料ホルダ
102の先端付近の構造を示す模式図である。
【図9】実施例によるアルミナのカソードルミネッセン
ス測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
100 カソードルミネッセンス分光分析装置 101 透過型電子顕微鏡 102 カソードルミネッセンス用試料ホルダ 103 分光測定器(分光測定手段) 104 コンピュータ(演算表示手段) 10 真空チャンバ 13 挿入孔 13a ガイド溝 20 ホルダ本体 21 試料固定部 22、27 光ファイバ 22a 光取込口 23、28 反射板 230 孔 25ガイドピン(係止部) 26 ピン孔 29 集光レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長村 俊彦 大阪府枚方市大峰元町1丁目28−5 Fターム(参考) 2G043 AA03 BA03 BA09 CA05 DA06 EA11 FA02 GA04 GB01 GB03 GB05 HA01 HA02 HA03 HA05 JA01 KA01 KA02 KA03 NA01 NA06 5C001 AA01 AA08 CC03 CC04 CC08 5C033 RR03 RR04 RR09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透過型電子顕微鏡に取付可能なカソード
    ルミネッセンス用試料ホルダであって、 透過型電子顕微鏡の真空チャンバに挿入可能な中空状の
    ホルダ本体と、 ホルダ本体の先端近傍に設けられ、真空チャンバ内にお
    いて電子線が照射される試料を固定するための試料固定
    部と、 試料固定部近傍に光取込口が位置するようにして、ホル
    ダ本体内の試料固定部近傍から基端側へ延設された光フ
    ァイバと、 試料固定部と対向位置に配置され、試料から発生した光
    を光ファイバの光取込口に向かって反射するとともに、
    所定位置に穿たれた孔により電子線を通過させる反射板
    と、を具備するものであることを特徴とするカソードル
    ミネッセンス用試料ホルダ。
  2. 【請求項2】 前記ホルダ本体は、略円筒状のものであ
    って、ホルダ本体を所定の姿勢に規制するために、透過
    型電子顕微鏡の真空チャンバに設けられた挿入孔と係合
    する係止部が外周面に設けられたものであることを特徴
    とする請求項1に記載のカソードルミネッセンス用試料
    ホルダ。
  3. 【請求項3】 前記係止部は、ホルダ本体の外周面から
    突出して、前記挿入溝の形成されたガイド溝と係合する
    ガイドピンであり、ホルダ本体の外周面には該ピンが挿
    入されるピン孔が、少なくとも、ホルダ本体を試料固定
    部が上側となる姿勢と下側となる姿勢とに規制する位置
    に穿設されたものであることを特徴とする請求項2に記
    載のカソードルミネッセンス用試料ホルダ。
  4. 【請求項4】 前記反射板は、試料から発生した光を光
    ファイバの光取込口に集光するように湾曲されたもので
    あることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載
    のカソードルミネッセンス用試料ホルダ。
  5. 【請求項5】 前記反射板は、試料の発光位置と光ファ
    イバの光取込口とを焦点とする回転楕円面を構成するも
    のであることを特徴とする請求項4に記載のカソードル
    ミネッセンス用試料ホルダ。
  6. 【請求項6】 前記光ファイバと反射板との間に、反射
    板が反射した光を光ファイバの光取込口に集光する集光
    レンズが介設されたことを特徴とする請求項1から5の
    いずれかに記載のカソードルミネッセンス用試料ホル
    ダ。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれかに記載のカソ
    ードルミネッセンス用試料ホルダと、 カソードルミネッセンス用試料ホルダの光ファイバによ
    り導かれたカソードルミネッセンスを分光して検出する
    分光測定手段と、 分光測定手段の測定値に基づいて測定結果を表示する演
    算表示手段と、を具備してなるものであることを特徴と
    するカソードルミネッセンス分光分析装置。
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