JP2003138381A - 無電解銅めっき液、その管理方法、及び無電解銅めっき装置 - Google Patents

無電解銅めっき液、その管理方法、及び無電解銅めっき装置

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JP2003138381A JP2002149491A JP2002149491A JP2003138381A JP 2003138381 A JP2003138381 A JP 2003138381A JP 2002149491 A JP2002149491 A JP 2002149491A JP 2002149491 A JP2002149491 A JP 2002149491A JP 2003138381 A JP2003138381 A JP 2003138381A
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徳幸 増山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グリオキシル酸を還元剤とした銅めっき液を
使用することにより、人体及び環境への影響を軽減する
ことができ、又、長時間に亘って安定で均一なめっきを
行うことができる無電解銅めっき液とその液管理方法、
及び装置を提供する。 【解決手段】 1)グリオキシル酸を還元剤、EDTA
を錯化剤とする無電解銅めっき液において、第1種添加
剤として液安定性作用のあるもの、第2種添加剤として
速度調整作用のあるもの、第3種添加剤として第2種添
加剤の濃度が変化しても速度変化が小さくなる作用を持
つものを添加する無電解銅めっき液とその方法及び、グ
リオキシル酸補給手段及び銅イオン補給手段及びpH調
整剤補給手段を備えた無電解銅めっき装置、2)グリオ
キシル酸を還元剤、酒石酸塩を錯化剤とする無電解銅め
っき液において、グリオキシル酸のモル濃度を銅イオン
濃度の8以上及び酒石酸塩濃度を銅イオン濃度の6以下
にしたことを特徴とする無電解銅めっき液とその方法及
び、グリオキシル酸補給手段及び銅イオン補給手段及び
pH調整剤補給手段を備えた無電解銅めっき装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板の
配線形成等に用いる新規な無電解銅めっき液、無電解銅
めっき液管理方法、及び無電解銅めっき装置に関する。
【0002】
【従来の技術】無電解銅めっき液は、プラスチックや樹
脂等の非金属材料への導電性の付与等に多く使用され、
特にプリント配線板等の電子部品の作製に幅広く使用さ
れている。無電解銅めっき液は、銅イオン、銅イオンの
錯化剤、銅イオンの還元剤、pH調整剤及び液の安定性
を向上させるための界面活性剤等の微量添加剤から構成
されている。その中で、工業的に実用化されている還元
剤としてはホルムアルデヒドがある。しかし、近年ホル
ムアルデヒドは、気化性が高く臭気等があることから作
業環境を悪化させること等が指摘されており、その代替
還元剤の使用が広く望まれている。
【0003】ホルムアルデヒド以外の還元剤としては、
特開平11-256349号公報、特開平8-246159号公報、特公
平2-24910、「表面技術」Vol.42、 No.9、 1991 p.913-
p.917「グリオキシル酸を還元剤とする無電解銅めっ
き」、及び「回路実装学会誌」、vol.10 〔2〕1995 p.1
18-p.122「グリオキシル酸を還元剤とする無電解銅めっ
きの析出過程」等に記載されているグリオキシル酸を使
用するもの、米国特許第4209331、第4325990、J. Elect
rochem. Soc.、 vol.136、 No.1 (1989)p.72-p.75 「Mec
hanism of Hypophosphite-Reduced Electroless Copper
Plating」等に記載されている次亜リン酸塩を使用する
もの、特開平2-305971、特開平1-180986に記載されてい
るようにアミン化合物を使用するもの等が知られてい
る。
【0004】後述するように、めっき液中では、酸化銅
の生成及び酸化銅の自己分解反応により溶液中に銅が析
出し、浴の安定性が低下する。従来、ホルムアルデヒド
を還元剤とする無電解銅めっきにおいては、このような
銅の析出反応を抑制するために種々の添加剤が加えられ
ている。また特に厚付け用(高温)めっきの場合、めっき
膜の機械的性質が重要視され、展延性や曲げ性の向上を
目的に種々の添加剤が加えられている。また、この両者
の特性が必要な場合には、それぞれの役割を持つ添加剤
を複合させている。
【0005】銅の析出抑制(めっき液安定性)用の安定
剤としては、たとえば「表面技術便覧 (社)表面技術協
会編 p336」に示されている2、2‘−ビピリジル、ジチ
ゾン、イミダゾール、1、2、4−ベンゾトリアゾール、
ニコチン酸、チオ尿素、2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、シアン化ナトリウム、クプロン等を添加するもの
や、特公昭43-12966に記載されているように5−メンバ
ードヘテロサイクリックス、6−メンバードヘテロサイ
クリックス、チオ誘導体などの有機硫黄化合物、硫化カ
リウム、アルカリ金属のジチオネートなどの無機硫黄化
合物を添加したもの、特開平8-246159に記載されている
ようにビピリジル及び環状構造のみSを含んだ化合物、
特開平5−78853に記載されているチオグリコール酸、ジ
フェニルカルバゾンなどがある。
【0006】機械的性質を向上させるための添加剤とし
ては、USP-3804638に記載されているようにポリアルキ
レンオキサイドを使用するもの、USP-4002786に記載さ
れているようにジピリジルを使用するもの、特開昭54−
19430に記載されているジピリジル、ポリエチレングリ
コールの他にケイ酸ナトリウム等のケイ酸塩を添加する
ものがある。
【0007】またこの両者の効果、すなわち機械的性質
を向上させかつめっき液安定性をもたらす場合は、それ
ぞれの効果を示す添加剤が複合されて用いられている。
例えば特開昭53-51143に記載されていように機械的性質
向上を目的とした添加剤としてビピリジル、機械的性質
向上、酸化銅生成防止を目的とした添加剤としてポリエ
チレングリコールアルキルアミン系非イオン界面活性
剤、液安定性向上を目的とした添加剤として硫化銀のそ
れぞれを複合したもの、特開平1-263278に記載されてい
る(1)ポリアルキレングリコール(2)ビピリジル、
フェナントロリン、ジキノリルのうち1種以上及び液安
定性向上を目的とし(3)セレン酸塩を加えるもの、特
開平6-93457に記載されているように液安定性向上と密
着性向上を目的にメルカプトコハク酸あるいはさらにビ
ピリジル、メタバナジン酸ナトリウム、ゲルマニウム酸
ナトリウム、8−アザグアニン、8−アザキサンチン、
8−アザヒポキサンチン、アデニン、8−アザアデニ
ン、グアニン、ヒポキサンチンのうち1種を添加したも
の、特開昭51‐78744、特開昭52‐78744に記載されてい
るように延展性向上のためにポリエチレングリコール及
び液安定性向上を目的に硫化カリウム等の金属硫化物を
添加したもの、特開昭51‐105932に記載されているよう
に伸び率向上を目的としたビピリジル及び液安定性向上
を目的としたポリアルキレンを添加したもの、特開昭59
‐166669に記載されているように液安定性を目的にポリ
オキシアルキレングルコール及び機械的性質改善を目的
にバナジウム又はバナジウム化合物を添加するものがあ
る。
【0008】さらに均一なめっきを行うためには、ある
一定のめっき速度に調整することが重要である。めっき
速度調整剤として添加されるものには、例えば特開平11
−256349に記載されているチオ尿素、アリルチオ尿素、
チオリンゴ酸、チオグリコール酸、チオシアン酸及びそ
の塩を添加するもの、特開昭61−37971に記載されてい
るバナジウム又はバナジウム化合物の他延展性向上を目
的にビピリジル及びフェナンスロリンを添加するものが
ある。
【0009】めっき反応が進行するにつれて、生成する
副生成物によりめっき特性、とくに機械的性質が変化す
る。このため特開昭61‐223185に記載されているように
ホルムアルデヒドを還元剤とした場合に生成する、ギ酸
イオン及び炭酸イオンをあらかじめ添加するものがあ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ホルムアルデヒド以外
の還元剤としては、前述したようにグリオキシル酸、次
亜リン酸ナトリウム、ジメチルアミンボランで代表され
るアミン化合物等が知られている。次亜リン酸ナトリウ
ムを使用した場合は、自己触媒的にめっき反応を進行さ
せるために硫酸ニッケルを共存させるために、めっき膜
中にニッケルが共析し、膜物性を低下させるという問題
点がある。また、ジメチルアミンボランを還元剤とする
めっき液は液安定性が低いという問題点がある。
【0011】無電解銅めっき液を使用するのにあたり、
めっき反応の進行とともに銅イオン濃度、還元剤の濃度
が減少する。また還元剤にアルデヒド類を使用した場合
は、還元剤の自己分解反応であるカニッツァロ-反応に
よっても還元剤濃度が減少する。まためっき反応及びカ
ニッツァロ-反応によって水溶液中の水酸イオンが消費
されるので時間とともにpHは低下する。
【0012】下記に、還元剤としてホルムアルデヒド又
はグリオキシル酸を使用した場合の、めっき反応及びカ
ニッツァロ-反応を示している。
【0013】
【化1】
【0014】これらの反応以外にも、めっき液中におい
ては下記に示すような酸化銅の生成及び酸化銅の自己分
解反応により溶液中における銅が析出し、浴の安定性が
著しく低下する。
【0015】
【化2】
【0016】このようにめっき組成は常に一定ではな
く、刻々とその組成は変化する。めっきを安定に行うた
めには、浴の安定性を向上させること、すなわち副反応
であるカニッツアロ反応を抑制すること(還元剤濃度減
少をめっき反応によるもののみにする)、酸化銅の生成
及び酸化銅の自己分解反応を抑制し(銅イオン濃度の減
少をめっき反応によるもののみにする)、還元剤濃度及
び銅イオン濃度を一定に保つことが必要である。酸化銅
の生成及び酸化銅の自己分解反応を抑制するためには1
価の銅を安定化する必要があり、めっき液の空気撹拌や
安定化剤が添加されている。
【0017】ホルムアルデヒドを還元剤とした場合にお
いて、安定化のための添加剤としては、1価の銅と優先
的に結合し錯体を形成するシアン化合物、ビピリジル、
O-フェナントロリン、チオ尿素などが用いられている。
また、通常高アルカリ条件で使用されるが、このような
条件においても、銅イオンが沈殿しないように遊離して
いる銅イオンの濃度を低下させる錯化剤が使用される。
工業的にはロッセル塩、EDTA等が使用されており、
安定化させるためにはある程度の濃度が必要となる。
【0018】還元剤としてグリオキシル酸を使用し、錯
化剤として酒石酸塩を使用する例として、特公平2-2491
0号公報には、銅イオン源の濃度が0.0078〜0.63モル、
酒石酸塩は銅イオンのモル濃度の少なくとも6倍であ
り、又グリオキシル酸イオン源の有効モル濃度が0.01〜
1.5モルで、具体例として銅イオンのモル濃度に対して
2.13倍であることが記載されている。
【0019】カニッツアロ反応を抑制し、アルデヒド系
の還元剤濃度の減少を抑制するためには、pH調整剤と
してNaOHよりもKOHを使用することが有効であることが
「表面技術 vol.42、 No.9、 913-917(1991)」や「プリン
ト回路実装学会第6回学術講演大会予稿集101-102」に示
されている。また特開2000-144438では、めっき液にメ
タノールを添加することが行われているが、この方法は
カニッツアロ反応そのものを抑制するわけではないの
で、効果には一定の限界があることが記載されている。
【0020】しかしながら特に無電解銅めっき液の還元
剤としてグリオキシル酸を使用した場合には、ホルムア
ルデヒドを使用した場合と比較して、カニッツアロ反応
が速い速度で進行する。また酸化銅の自己分解反応によ
る銅イオン濃度の減少量が多く、ホルムアルデヒドと比
較してめっき浴を安定化させることが困難である。従っ
て、めっき液の主成分である還元剤濃度、銅イオン濃
度、pH(水素イオン濃度)は常に変化する。
【0021】グリオキシル酸を還元剤として使用する場
合の液組成として、特公平2-24910においては前述のよ
うにそれぞれの領域が単独で示されているが、実際にお
いて、めっき反応が進行するためにはpH、還元剤濃
度、銅濃度及び温度の各パラメータがお互いに作用し合
うために、それぞれのパラメータの濃度を独立に規制し
ていては、めっき反応を起こさせることができなくなる
可能性が有る。
【0022】また、めっき反応が進行するにつれてp
H、還元剤濃度、及び銅濃度が変化した場合、これらの
領域からめっき条件がはずれ、めっき反応が安定に進行
しなくなる可能性が生じる。上記のようにグリオキシル
酸を還元剤として使用した場合は、カニッツァロ-反応
や銅の自己分解反応がホルムアルデヒドを使用した場合
よりも生じやすいために、めっき初期におけるめっき浴
の組成がめっきできる条件であっても、めっきが進むに
つれてめっき浴の組成がめっきできる条件から外れやす
い。
【0023】さらに、錯化剤の種類が換わると、回路実
装学会誌、vol.10 〔2〕1995 p.118-p.122「グリオキ
シル酸を還元剤とする無電解銅めっきの析出過程」に記
されているように、めっきの反応性が変化し、グリオキ
シル酸の濃度が0.25Mの場合、0.06Mの酒石酸を使用した
場合にはめっき反応が始まるまで10分程度の時間が必要
である。通常、めっき時間は15〜20分程度であることか
ら、酒石酸塩を錯化剤とた場合には、回路実装学会誌、
vol.10 〔2〕1995 p.118-p.122「グリオキシル酸を還
元剤とする無電解銅めっきの析出過程」に記された条件
では実質のめっき時間は5〜10分以内となり、十分なめ
っき厚みを得ることができない。また、0.06MのEDTAを
錯化剤に使用した場合には数秒でめっき反応が開始され
る。従って、錯化剤の種類によりめっき反応性は異な
り、酒石酸塩を錯化剤として使用する場合においては、
めっき反応開始時間をいかに速くするかという問題が生
じる。
【0024】本発明においては、低温薄付け用を目的と
している。重要なのはめっき液が分解反応を起こさず安
定であること、めっきが均一であり、めっきの組成があ
る程度変化した場合においても、いつでも同じ状態であ
ることである。
【0025】しかしながら、前述した安定剤の検討にお
いては、還元剤がホルムアルデヒド等の場合に検討され
たものが多く、グリオキシル酸を還元剤とした場合で
は、添加による安定性を得ることが必ずしもできない物
質も含まれている。例えば、還元剤にグリオキシル酸
を、錯化剤にEDTAを使用した場合、ビピリジルは20
ppm添加しても、銅イオンの安定化を図ることができな
かった。さらにこれらの添加剤中で銅イオンの安定性を
向上させるには有効であっても、同時に銅の析出反応も
抑制してしまうことが多い。特にグリオキシル酸を還元
剤として使用した場合は、その抑制率は、添加する安定
剤の濃度に対して正比例的に変化せず速度の制御が困難
であるばかりか、ある程度の濃度を超えるとめっき反応
が急激に完全に停止してしまうことがある。これを改善
するために、速度調整剤を併せて添加する方法も考えら
れている。しかし、特に薄付け用のめっきでは、基板の
出し入れの回数が多く、まためっき液の補給が頻繁にな
されるために、めっき液の組成は一定せず絶えず変動す
る。従って、めっき速度も常に変動し、前述しためっき
速度調整剤を使用した場合においても同様である。めっ
きは通常一定時間実施されることから、特にめっき速度
が変化した場合(後述するようにめっき速度が速くなっ
ても、遅くなってもどちらの場合においても)、スルー
ホール内が十分にめっきされないことが生じ、これが原
因となって、その後に実施される電気めっきによって生
成する銅皮膜の膨れや、スルーホール内壁との密着不良
が生じる。
【0026】本発明の目的は、グリオキシル酸を還元剤
とした銅めっき液を使用することにより、人体及び環境
への影響を軽減することができ、又、長時間に亘って安
定で均一なめっきを行うことができる無電解銅めっき液
とその液管理方法、及び装置を提供するにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、ホルムアルデ
ヒドを使用しない無電解銅めっき液にあり、特に還元剤
として少なくともグリオキシル酸を含む特定のめっき液
組成にある。グリオキシル酸を還元剤として使用した場
合において、銅めっき反応を起こさせ、それを継続(連
続的に安定めっき)をさせ、さらにめっき液の安定性を
保つためには還元剤濃度、pH、銅イオン濃度、錯化剤
濃度及び温度をある濃度範囲に制御するとともに、添加
剤の濃度制御をする必要性がある。前述したように、錯
化剤が変わると、還元剤が同じでもめっき挙動は異な
る。特に酒石酸塩を使用した場合は、他の錯化剤を使用
した場合とは挙動は大きく異なる。そこで、ここでは、
その解決手段を錯化剤の代表としてEDTAの場合と酒石酸
塩の場合に分けて記述する。
【0028】まず、本発明においてグリオキシル酸を還
元剤、エチレンジアミンテトラ四酢酸(EDTA)を錯
化剤として使用した場合について説明する。本発明にお
けるめっき液の構成は、銅塩、第二銅イオン錯化剤、還
元剤、pH調整剤のほか各種添加剤からなる。
【0029】添加剤に関しては、以下のようである。グ
リオキシル酸を還元剤とした場合において、種々のめっ
き抑制効果を示す添加剤及びめっき安定性を示す添加剤
を複数組み合わせ無電解銅めっきを実施した後、スルー
ホール内のめっき状況を観察した結果、スルーホール内
を均一にめっきできる条件は、添加剤の種類にかかわら
ず、樹脂板上におけるめっき速度が0.5〜2.0μm/hに
なるように添加剤が加えられた場合であることがわかっ
た。これは、めっき速度が遅い場合は、めっきができず
不均一になるのは当然のことであるが、逆にめっき速度
が速い場合は、銅張り積層板上の表面上におけるめっき
反応が進むために、銅イオンがスルーホール内まで拡散
する量が減少し、スルーホール内の銅濃度が低下するた
めと考えられる。
【0030】従来の技術の項で示した銅イオン安定剤
は、数ppmでも十分な銅イオン安定性をもたらすが、こ
の安定剤を用いて樹脂板上におけるめっき速度を0.5〜
2.0μm/hに調整するために添加しなければならない濃
度は最低でも十数ppm以上が必要となる。しかし、前述
したようにこれら添加剤を数十ppmまで添加すると、濃
度変化に対するめっき速度の変動が大きく、時にはめっ
き反応を急激に停止してしまう場合が多い。
【0031】また、第1種添加剤としてのめっき液を安
定化させる添加剤の濃度を低く抑えて、さらに第2種添
加剤として速度調整剤を添加することが考えられる。し
かし、連続的にめっきを行う場合は、めっき反応以外に
も基板の出し入れ(基板は水にぬれた状態でめっき槽に
入り、めっき液がついた状態でめっき槽から出て行く)
により銅イオン濃度、還元剤濃度、アルカリ濃度、第1
種添加剤濃度、第2種添加剤濃度等が変化(減少)す
る。第2種添加剤は、その添加によって速度を調整する
もの(第2種添加剤はその濃度に対してめっき速度が正
比例的に変化するものである)であるが、連続めっきに
よりその濃度が変化するために、めっき速度が0.5〜2.0
μm/hの間に入らなくなリ、スルーホール内が均一に
めっきされなくなる恐れがある。
【0032】これらを改善するには、さらに第3種添加
剤として、それ自身の濃度及び速度調整剤である第2種
添加剤の濃度が変化してもめっき速度の変化が小さい、
すなわち速度緩衝性のある添加剤を組み合わせることに
より本目的を達成することが可能となる。
【0033】ここで重要なことは、第2種添加剤を加え
ることにより第1種の添加剤を加える目的である銅イオ
ン安定性の効果がなくならないことであり、第1種添加
剤を加えることにより第2種添加剤による速度調整に変
化が生じないこと、第2種添加剤の濃度がある程度ある
場合には第2種添加剤の濃度でめっき速度が決定される
が、第2種の濃度が減少した場合でも第3種添加剤の存
在により、めっき速度が変化せず第2種添加剤がある程
度存在した場合と同等の速度が得られること、さらに第
1種添加剤〜第3種添加剤とが共存した場合において第
3種添加剤の濃度によってめっき速度が変化しないこと
である。これは第3種添加剤によるめっき速度抑制効果
は、第2種添加剤のめっき速度抑制効果より小さいため
である。すなわち第2種添加剤の濃度が濃い場合は、め
っき速度は第2種添加剤の添加によって一義的に決まる
が、第2種添加剤の濃度が減少し抑制効果が小さくなる
と、第3種添加剤による抑制効果が現れてその複合によ
り、結果的には第2種添加剤の濃度が減少した場合にお
いても、第2種添加剤がある程度存在した場合と同等の
めっき速度を一定に保つことができる。さらにめっき中
はカニッツアロー反応、酸化銅生成―酸化銅の不均化反
応等によりしゅう酸イオン、硫酸イオン、グリコール酸
が蓄積するが、これらの物質は後述するように第3種添
加剤として使用することが可能な物質であり、めっき反
応が進行してもめっき速度の変化はなくなる。これによ
りめっき速度を一定に保つことができる。さらに銅濃度
及びpHが変化した場合においても、第1種添加剤、第
2種添加剤及び第3種添加剤を加えることにより、めっ
き速度を0.5〜2.0μm/hの間に制御することが可能と
なる。
【0034】第1に、本発明は、銅イオン、銅イオンの
錯化剤、還元剤及びpH調整剤からなる無電解銅めっき
液に、(1)第1種添加剤として、環状部にイオウ元素
又は窒素元素を有する有機化合物ないしは無機イオウ化
合物から選ばれる少なくとも1つ以上、(2)第2種添
加剤として、α−α´ビピリジル、VIB族の酸化物又
は酸素酸塩、ないしはVA又はVIA族の酸素酸塩又は
酸化物から選ばれる少なくとも1つ以上、さらに(3)
第3種添加剤として、オキシアルキレングリコール、硫
酸塩、しゅう酸塩、炭酸塩、硝酸塩又はグリコール酸か
ら選ばれる少なくとも1つ以上を含む水溶液であること
を特徴とする無電解銅めっき液である。
【0035】ここで、これら第1種添加剤としては、ベ
ンゾチアゾール、チアゾール、ニコチン酸、ベンゾトリ
アゾール、メルカプトコハク酸で代表される環状部にイ
オウ元素(S)又は窒素元素(N)を有する有機化合
物、ないしはポリ硫化カリウム、硫化カリウム、硫化ナ
トリウム、で代表される無機イオウ化合物の少なくとも
1つ以上を添加するものであり、また第2種添加剤とし
ては、α−α´ビピリジルの他メタケイ酸ナトリウム、
ゲルマニウム酸塩、二酸化ゲルマニウム、スズ酸ナトリ
ウムで代表されるVIB族の酸化物ないし酸素酸塩、又
はモリブデン酸ナトリウムやメタバナジン酸ナトリウム
で代表されるVA又はVIA族の酸素酸塩又は酸化物の
少なくとも一つ以上を添加することが挙げられる。第3
種添加剤としては、ポリエチレングリコールで代表され
るポリアルキレングリコール、硫酸ニッケルや硫酸カリ
ウムで代表される硫酸塩、しゅう酸カリウムで代表され
るしゅう酸塩、炭酸ナトリウムで代表される炭酸塩、硝
酸カリウムで代表される硝酸塩、又はグリコール酸の少
なくとも1つ以上があげられる。
【0036】第1種及び第2種添加剤の濃度は、0.01〜
100mg/L、第3種添加剤の濃度は、100mg/L以上であるこ
とが望ましい。第3種添加剤としてポリエチレングリコ
ールを使用した場合は、その分子量にとくに制限はない
が、使用する分子量が大きいほど、その濃度は小さくて
良い。
【0037】その他構成要素である銅塩、第二銅イオン
錯化剤、還元剤、pH調整剤は以下のようである。無電
解銅めっき液に使用される銅塩としては、可溶性銅塩で
あり、一般的には硫酸銅、塩化第二銅、ピロリン酸銅等
が使用され、その濃度は0.01〜0.08mol/L程度が適当で
ある。第二銅塩の錯化剤としては、EDTAあり、その
濃度は0.02〜0.16mol/L程度が適当である。還元剤とし
ては、グリオキシル酸を使用する。その濃度は、0.1〜
0.3mol/Lが適当である。
【0038】後述するように酒石酸塩を錯化剤にした場
合は、グリオキシル酸/銅濃度、酒石酸塩/銅濃度の比が
めっきする上で重要である。しかし、EDTAを錯化剤
とした場合は、このような錯化剤、還元剤、銅濃度のそ
れぞれの比はそれほど重要ではない。反応速度を上げる
場合、前述したように、通常は銅濃度及び還元剤の濃度
を上げることが必要である。所定の濃度のグリオキシル
酸及びEDTAを含む溶液中(pH調整後)において銅
上におけるグリオキシル酸のアノード分極曲線を測定す
ると、グリオキシル酸の濃度を増加させてもグリオキシ
ル酸の酸化電流は濃度に比例して増加せず、ほとんど変
化しない。このことからグリオキシル酸の濃度を増加さ
せても反応速度をあげることはできないことが分かる。
また、錯化剤に酒石酸塩を使用した場合とは異なり、銅
濃度を上げても銅の電位は、酸化銅が生成する電位まで
上昇しない。そのため、グリオキシル酸/銅濃度の比は
それほど重要とはならない。
【0039】pH調整剤としては、一般的には水酸化ナ
トリウムが使用されている。しかし本発明においては、
KOHを使用した。その理由は前述した通りである。め
っき液のpHはスルーホール内のめっきの均一性及び付
きまわりは向上することから、10以上とするのが好まし
く、望ましくは11.5〜13.5が良い。であり、p
Hが高い程、めっき液のpHは12.0以上であることが望
ましい。しかし、pHが高いほどカニッツアロ反応によ
るグリオキシル酸の自己分解反応が進むことを考慮する
と、よりpHは12〜13の範囲が望ましい。
【0040】本発明の無電解めっき方法として、めっき
における温度は、高温でのグリオキシル酸の自己分解反
応の抑制に関する問題から、50℃以下、好ましくは20〜
45℃である。めっき時間は、長くするとスルーホール内
のめっきの付きを良くすることは当然であるが、作業効
率が低下する。本発明においては、めっき時間は、15
〜25分が最適である。プリント基板の回路を作成する
ための無電解めっきを行う前に、通常基板を活性化させ
ることが必要であり、一般的にパラジウムで代表される
貴金属触媒を吸着させて行う。この工程は次に示す4段
階からなる。(1)まず過硫酸塩等を用いてソフトエッ
チングを行う。(2)ついで予備液に漬けた後に、(3)
基板を塩化錫の酸性溶液中にパラジウムのコロイドを懸
濁させた溶液に接触させる。(4)最後に促進剤に浸漬
させて錫を表面から取り除く。この基板に本発明の実施
例の無電解めっき液を用いて無電解銅めっき液処理を施
す。このプリント基板の回路作成方法は、酒石酸塩を錯
化剤とした場合と同様である。
【0041】また、本発明は、銅イオン、銅イオンの錯
化剤、還元剤、pH調整剤及び第1種〜第3種還元剤を
含む銅めっき液を収納するめっき槽中に被めっき材を浸
漬し、無電解銅めっきをする無電解銅めっき装置におい
て、前記還元剤がグリオキシル酸及びその塩で、その濃
度が0.1〜0.3M程度、及び前記錯化剤がEDTAでその
濃度が0.02〜0.16M、pHが12.0〜13.0、及び前記第1
種、2種還元剤濃度が0.01〜100mg/L及び前記第3種
添加剤濃度が100mg/L以上になるように前期還元剤を
補給する還元剤補給手段及び前期銅イオンを補給する銅
イオン補給手段及び前記pH調整剤を補給するpH調整
剤補給手段及び前記第1種〜第3種添加剤を補給する添
加剤補給手段を有すること又、めっき槽中にめっき温度
を所定の温度に制御する温度制御装置を特徴とする。
【0042】次いで、本発明において、グリオキシル酸
を還元剤、酒石酸塩を銅イオンの錯化剤として使用した
場合について説明する。種々の還元剤濃度、銅イオン濃
度、錯化剤濃度、pH及び温度を調整してめっきを行っ
た結果、特定のめっき温度とすることによって長時間に
亘って使用可能である銅めっき液組成を見出したもので
ある。すなわち、還元剤濃度と銅イオン濃度の比がそれ
ぞれの濃度の絶対値に関係するのではなく、還元剤の濃
度が常に銅イオン濃度の8.0倍以上、好ましくは8.3倍以
上、より望ましくは8.5〜30倍、錯化剤の濃度が銅イオ
ンモル濃度の6倍以下、望ましくは0.8〜5倍であり、両
者の比が重要であり、まためっき温度は50℃以下、より
好ましくは20〜45℃とするものである。銅イオン濃度
は、0.01〜0.1モル、より0.01〜0.05モルが好ましい。
【0043】連続的に長期にわたってめっきする場合
は、この条件になるように、めっき初期から常にめっき
液の組成をこのようになるように制御することにより安
定しためっきを施すことができる。またこの濃度の範囲
にめっき液の組成を制御することにより、めっきが開始
されるまでの時間が1分以内にまで短縮される。銅のめ
っき反応式は、グリオキシル酸を還元剤として使用した
場合、(2)式で表される。反応速度論に従えば、通常め
っき反応速度を増加させるには、銅イオン濃度及びグリ
オキシル酸濃度を上げることが必要である。
【0044】しかしながら所定の濃度のグリオキシル酸
及び酒石酸塩を含む溶液中(pH調整後)において銅上
におけるグリオキシル酸のアノード分極挙動を測定する
と、グリオキシル酸の濃度を増加させてもグリオキシル
酸の酸化電流密度は濃度に比例して増加せずほとんど変
化しないことから、グリオキシル酸の濃度を増加させて
めっき反応速度を上げることはできない。一方で、銅濃
度を増加させると、電位が上昇し、銅の電位は酸化銅が
生成する電位領域になり、酸化銅生成によりめっき反応
が停止してしまう。
【0045】銅は、水中においては下記のような平衡状
態にあり、酸化還元電位は次式によって与えられる。
【0046】
【化3】
【0047】(9)及び(10)の式中にあるE0は、それ
ぞれの反応の標準酸化還元電位であり、25℃において
は(9)式のE0は0.471(V)、また(10)式のE0は0.
609(V)である。従って、少なくとも銅の電位が(9)
式で表されるE以下の値にならないと、銅が析出しなく
なる。ここでEはSHE(その温度における標準水素電
極電位)基準で表した電位である。銅イオンの還元反応
を生じさせかつ銅の電位がこのような電位領域に入るた
めには、銅イオンモル濃度に対するグリオキシル酸モル
濃度が8倍以上であることが必要であることを見出し
た。すなわち、グリオキシル酸を還元剤とした場合に、
銅のめっき反応を連続的に生じさせるのに必要なグリオ
キシル酸及び銅イオンモル濃度の絶対値(閾値)が存在
するのではなく、グリオキシル酸と銅イオンとのモル濃
度比に閾値が存在し、そのモル濃度比を8.3以上とする
のが好ましい。
【0048】本発明において、グリオキシル酸とグリオ
キシル酸塩、酒石酸及び酒石酸塩の用語は特に指定しな
い限り互換性があるものである。これはpHによってそ
れらの形態が変化するためである。銅イオン源として
は、可溶性銅塩であり、一般的には硫酸銅、塩化銅等が
使用される。適切な銅イオン濃度は、前述のようにグリ
オキシル酸の濃度との比によって決定され、たとえばグ
リオキシル酸濃度が0.24Mの場合におけるめっき可能な
銅イオン濃度は0.029M以下であり、好ましくは0.024M以
下であることが望ましい。
【0049】錯化剤は酒石酸、ロッセル塩又は酒石酸カ
リウムで代表される酒石酸塩を含むものであり、その適
正濃度は0.01〜0.2モル、好ましくは0.02〜0.1モルであ
り、銅イオン濃度との比で決定される。錯化剤は水溶液
中において銅イオンが酸化物又は水酸化物あるいは銅蓚
酸塩などの不溶性化合物を析出しないために必要であ
り、その銅イオンを安定に存在させるために必要な最低
濃度はpHによって決定され、その濃度以上に錯化剤の
濃度が必要となる。しかしながら、酒石酸自身が還元力
を持つために過剰に添加すると、銅イオンを還元してし
まうために上限の濃度があり、まためっき反応を安定に
進行させるのにも酒石酸を過剰に添加することは好まし
くない。また銅イオン濃度に対して酒石酸濃度が過剰に
ある場合は、めっき反応が開始するまでに5分以上の時
間を要するようになる。適正な濃度は、酒石酸モル濃度
が銅モル濃度の6倍以下であり、望ましくは5倍以下であ
る。
【0050】還元剤は、グリオキシル酸又はグリオキシ
ル酸塩を含むものものであり、その濃度は0.05〜1.0モ
ル、より0.1〜0.5モルが好ましく、又前述のように、銅
イオン濃度との比で決定される。pH調整剤としては、
一般的には水酸化ナトリウムが使用されている。しか
し、グリオキシル酸を還元剤としためっき液に関して、
pH調整剤にNaOHでなくKOHを使用することにより、NaOH
を使用した場合と比較してカニッツアロ反応を抑制でき
ることが「表面技術、vol.42、No.9、913-917(1991)」や
「プリント回路実装学会第6回学術講演大会予稿集101-10
2」に開示されている。
【0051】また、めっき反応及びカニッツアロ反応に
よって蓚酸イオンが生成するが、蓚酸カリウムは蓚酸ナ
トリウムと比較して溶解度が高く析出しにくいために、
基板上への析出等によるめっきボイド等の生成による問
題が軽減する。従って、めっき液に使用するpH調整剤
としてはKOHを使用することが望ましい。まためっき液
のpHは、好ましくはKOHを用いて10以上とするのが好ま
しく、望ましくは11.5〜13.5、より12.0〜13.0であるこ
とが望ましい。その他、必須事項ではないが、長期にわ
たってめっきを実施する場合においては、酸化銅生成―
酸化銅の自己分解反応による銅粒子の液中における析出
防止のための安定剤、速度調整剤を添加することが好ま
しい。ここで添加される安定剤や速度調整剤は、ホルム
アルデヒドを還元剤としためっき液の場合と同様なもの
である。安定剤、還元剤の種類と特徴に関しては、たと
えば「表面技術便覧 (社)表面技術協会編 P.336」に記
載されており、代表的なものとしてはシアン化合物、
2、2´―ビピリジル、硫黄が2価である有機硫黄含有機
物、ポリエチレングリコールなどがある。
【0052】本発明の無電解めっき方法として、めっき
における温度は、高温での酒石酸の安定性及びグリオキ
シル酸の自己分解反応の抑制に関する問題から、50℃以
下、好ましくは20〜45℃である。また銅イオンの安定性
を上げるためには安定剤の添加以外の方法としては、め
っき液が撹拌されることが望ましい。撹拌の方法として
は、エアー撹拌、スターラーによる撹拌等があり、安定
剤の添加によりさらに効果を上げることができる。プリ
ント基板の回路を作成するための無電解めっきを行う前
においては、通常基板を活性化させることが必要であ
り、一般的にパラジウムで代表される貴金属触媒を吸着
させて行う。この工程は次の4段階からなる。(1)まず
過硫酸塩等を用いてソフトエッチングを行う。(2)つ
いで予備液に漬けた後に、(3)基板を塩化錫の酸性溶
液中にパラジウムのコロイドを懸濁させた溶液に接触さ
せる。(4)最後にアルカリの促進剤に浸漬させて錫を
表面から取り除く。この基板に本発明の実施例の無電解
めっき液を用いて無電解銅めっき液処理を施す。
【0053】本発明においては、連続的に安定してめっ
きを実施する場合、めっき液の補給方法にある。めっき
反応以外にカニッツアロ反応、酸化銅生成―酸化銅の自
己分解反応、及び基板からの持ち出し(基板は水にぬれ
た状態でめっき槽に入り、めっき液がついた状態でめっ
き槽から出て行く)により銅イオン濃度、還元剤濃度、
アルカリ濃度等が減少する。従って、めっきを継続して
行うためには、適宜めっき液を補給することが必要とな
る。めっき反応及び副反応による銅濃度、アルカリ濃
度、還元剤濃度の減少率は異なるために、それぞれ補給
する量は異なる。従って、めっき液を補給する際は、め
っき槽中のめっき液がめっきできる組成になるように銅
イオン源、アルカリ及び還元剤を個別に補給する必要性
がある。その場合、めっき液の組成が銅イオンモル濃度
に対するグリオキシル酸モル濃度が7倍以下になったら8
倍以上(望ましくは10倍以上)、銅イオンモル濃度に対
する酒石酸モル濃度が6倍以下(望ましくは5倍以下)にな
るようにそれぞれを補給することが必要となる。
【0054】本発明は、銅イオン、銅イオンの錯化剤、
還元剤及びpH調整剤を含む銅めっき液を収納するめっ
き槽中に被めっき材を浸漬し、無電解銅めっきする無電
解銅めっき装置において、前記還元剤がグリオキシル酸
及びその塩で、その濃度が銅イオン濃度の8倍以上及び
前記錯化剤が酒石酸又はその塩で、その濃度が銅イオン
濃度の6倍以下になるように前記還元剤を補給する還元
剤補給手段及び前記銅イオンを補給する銅イオン補給手
段及び前記pH調整剤を補給するpH補給手段を有するこ
と、又、めっき槽中のめっき浴温度を所定の温度に制御
する温度制御装置を特徴とする。
【0055】本発明は、めっき液及びめっき液補給方法
(管理方法)によって銅めっきが施されるプリント基板
を与える。プリント基板の基板素材としては、一般的に
はガラスエポキシが使用されるが、本めっき液は、この
ガラスエポキシ以外においても、ポリイミド、ポリテト
ラフルオロエチレン等の有機物以外にもガラス、セラミ
ックスなどにも適用することができる。
【0056】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態に関しても、錯
化剤にEDTAを使用した場合と酒石酸塩を使用した場
合で挙動が異なるため、それぞれの錯化剤にわけて説明
する。実施例1〜22及び比較例1〜11は錯化剤にE
DTAを使用した場合を、実施例23〜43及び比較例
12〜20は錯化剤に酒石酸塩を使用した場合である。
【0057】以下、錯化剤にEDTAを使用した場合の
実施例及び比較例について説明する。比較例では、本発
明を検討するのにあたり実験を行いスルーホール内が均
一にめっきができなかった条件又はめっき液の安定性が
得られなかった条件に関して示された結果を示してい
る。
【0058】図1は本実施例及び比較例に用いた無電解
銅めっき装置の断面図である。図1に示すように、めっ
き槽1にめっき液2が、硫酸銅補給ライン3、EDTA
補給ライン4、グリオキシル酸補給ライン5、第1〜3
種添加剤補給ライン6〜8よりめっきの経過と共に補給
されながら被めっき材12にめっきが施される。めっき
の最中は、温度調節器によって所定の温度に調節される
と共に、空気ポンプ10によってめっき液中に空気が供
給される。建浴されためっき液2は分槽ユニット11に
貯蔵されている。
【0059】(実施例1)下記の組成のめっき液を4.5L
調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.3M 第1種添加剤として硫化カリウム 1.0pp
m、第2種添加剤としてα、α´−ビピリジル 10pp
m、第3種添加剤としてPEG1000 1.0g/L pH(KOHで
調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0060】スルーホールを有する両面銅張り積層板を
クリーナーコンディショナー(日立化成工業製 商品
名:CLC-601)に浸漬した。次いで、過硫酸アンモニウ
ム、硫酸を用いてソフトエッチングを行った後に、プリ
ディップ(同商品名:PD-301)、増感処理剤(同商品
名:HS-202B)、密着処理促進剤(同商品名:ADP-601)
を用いて触媒処理した(以下上記工程を触媒処理と省
略)。
【0061】前記した触媒処理、水洗後、上記の条件に
調整しためっき液中に20分間浸漬させた。めっき浴負荷
は1dm2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき
中は常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空
気撹拌を行った。このめっき液中におけるめっき速度
は、スルーホールを有する両面銅張り積層板のめっき前
後の重量差から、密度を用いて時間当たりの厚さに換算
(μm/h)して求めた。
【0062】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が直ちに開始した。樹脂上に樹脂板上に析出した銅
は暗ピンク色で密着性があり、エッジ部分を含めて一面
に均一に析出していた。めっき速度は、めっき前後の樹
脂板の重量差及び比重を用いて求めた。このめっき液中
における樹脂板上のめっき速度は、1.21μm/hであっ
た。
【0063】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0064】(実施例2)下記の組成のめっき液を4.5L
調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.3M 第1種添加剤として硫化カリウム 1.0pp
m、第2種添加剤としてα、α´−ビピリジル 1.0p
pm、第3種添加剤としてPEG1000 1.0g/L pH(KO
Hで調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0065】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を
用いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっ
き速度は、1.25μm/hであった。
【0066】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0067】(実施例3)下記の組成のめっき液を4.5L
調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.3M 第1種添加剤として硫化カリウム 0.5.0p
pm、第2種添加剤としてα、α´−ビピリジル1.0p
pm、第3種添加剤としてPEG1000 1.0g/L、pH(KO
Hで調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0068】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を
用いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっ
き速度は、1.32μm/hであった。
【0069】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0070】(実施例4)下記の組成のめっき液を4.5L
調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.3M 第1種添加剤として硫化カリウム 1.0pp
m、第2種添加剤としてメタバナジン酸ナトリウム 1.
0ppm、第3種添加剤として硫酸カリウム 5.0g/
L、pH(KOHで調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0071】触媒処理として以下の実施例1に示した操
作を行った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中
に20分間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるよ
うに基板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を
0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。こ
のめっき液中におけるめっき速度は、スルーホールを有
する両面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度
を用いて時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求め
た。めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直
ちに開始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密
着性があり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出して
いた。めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び
比重を用いて求めた。このめっき液中における樹脂板上
のめっき速度は、1.24μm/hであった。
【0072】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0073】(実施例5)下記の組成のめっき液を4.5L
調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.3M 第1種添加剤としてチアゾール 5.0pp
m、第2種添加剤としてメタバナジン酸ナトリウム1.0
ppm、第3種添加剤としてしゅう酸カリウム 5.0g/
L、pH(KOHで調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0074】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を
用いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっ
き速度は、1.18μm/hであった。
【0075】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0076】(実施例6)下記の組成のめっき液を4.5L
調整した。 硫酸銅:0.04M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.3M 第1種添加剤としてチアゾール 5.0pp
m、第2種添加剤としてメタバナジン酸ナトリウム0.1.
0ppm、第3種添加剤としてグリコール酸 5.0g/
L、pH(KOHで調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0077】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を
用いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっ
き速度は、1.06μm/hであった。
【0078】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0079】(実施例7)下記の組成のめっき液を4.5L
調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.3M 第1種添加剤としてベンゾイミダゾール 5.
0ppm、第2種添加剤としてメタケイ酸ナトリウム
0.5.0g/L、第3種添加剤としてPEG1000 1.0g/
L、pH(KOHで調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0080】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を
用いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっ
き速度は、1.20μm/hであった。
【0081】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0082】(実施例8)下記の組成のめっき液を4.5L
調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.3M 第1種添加剤としてベンゾイミダゾール 5.
0ppm、第2種添加剤としてメタケイ酸ナトリウム
0.5.0g/L、第3種添加剤としてPEG1000 1.0g/
L、pH(KOHで調整):12.4 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0083】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を
用いて求めた。このめっき液中における樹脂上のめっき
速度は、0.88μm/hであった。
【0084】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0085】(実施例9)下記の組成のめっき液を4.5L
調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.1M 第1種添加剤としてベンゾイミダゾール 5.
0ppm、第2種添加剤としてメタケイ酸ナトリウム
0.5.0g/L、第3種添加剤としてPEG1000 1.0g/
L、pH(KOHで調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0086】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を
用いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっ
き速度は、1.05μm/hであった。
【0087】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0088】(実施例10)下記の組成のめっき液を4.
5L調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.3M 第1種添加剤としてベンゾチアゾール 5.0
ppm、第2種添加剤として二酸化ゲルマニウム50pp
m、第3種添加剤として硫酸カリウム 5.0g/L、pH
(KOHで調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0089】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を
用いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっ
き速度は、1.62μm/hであった。
【0090】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0091】(実施例11)下記の組成のめっき液を4.
5L調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.3M 第1種添加剤としてベンゾチアゾール 5.0
ppm、第2種添加剤としてα、α´−ビピリジル 1.
0ppm、第3種添加剤として硫酸カリウム 5.0g/
L、pH(KOHで調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0092】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を
用いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっ
き速度は、1.64μm/hであった。
【0093】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0094】(実施例12)下記の組成のめっき液を4.
5L調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.3M 第1種添加剤としてベンゾチアゾール 5.0
ppm、第2種添加剤としてα、α´−ビピリジル 1.
0ppm、第3種添加剤として硫酸カリウム 1.0g/
L、pH(KOHで調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0095】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を
用いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっ
き速度は、1.82μm/hであった。
【0096】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0097】(実施例13)下記の組成のめっき液を4.
5L調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.3M 第1種添加剤としてベンゾチアゾール 5.0
ppm、第2種添加剤としてα、α´−ビピリジル 10
ppm、第3種添加剤として硫酸カリウム 1.0g/L、pH
(KOHで調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0098】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を
用いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっ
き速度は、1.37μm/hであった。
【0099】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0100】(実施例14)下記の組成のめっき液を4.
5L調整した。 硫酸銅:0.04M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.1M 第1種添加剤として硫化カリウム 0.1pp
m、第2種添加剤としてメタバナジン酸ナトリウム 1.
0ppm、第3種添加剤として硫酸カリウム 1.0g/L、pH
(KOHで調整):12.4 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0101】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を
用いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっ
き速度は、0.52μm/hであった。
【0102】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0103】(実施例15)下記の組成のめっき液を4.
5L調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.3M 第1種添加剤としてベンゾトリアゾール 0.
1ppm、第2種添加剤としてスズ酸ナトリウム10ppm、
第3種添加剤としてPEG600 10g/L、pH(KOHで調
整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0104】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を
用いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっ
き速度は、0.84μm/hであった。
【0105】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0106】(実施例16)下記の組成のめっき液を4.
5L調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.3M 第1種添加剤としてメルカプトコハク酸 1.
0ppm、 第2種添加剤としてメタバナジン酸ナトリ
ウム 0.1ppm、第3種添加剤としてPEG600 10g/
L、pH(KOHで調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0107】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を
用いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっ
き速度は、1.82μm/hであった。
【0108】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0109】(実施例17)下記の組成のめっき液を4.
5L調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.3M 第1種添加剤として硫化カリウム 0.05pp
m、 第2種添加剤としてメタバナジン酸ナトリウム
0.01ppm、第3種添加剤として硫酸カリウム 10g/
L、pH(KOHで調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0110】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を
用いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっ
き速度は、1.82μm/hであった。
【0111】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0112】(実施例18)下記の組成のめっき液を4.
5L調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.3M 第1種添加剤として硫化カリウム 0.5pp
m及びメルカプトコハク酸 0.5ppm、第2種添加剤
としてα、α´−ビピリジル 1.0ppm及びメタバナジン
酸ナトリウム 0.1ppm、第3種添加剤として硫酸カ
リウム 1.0g/L及びPEG600 1.0g/L、pH(KOHで調
整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0113】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を
用いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっ
き速度は、0.99μm/hであった。
【0114】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0115】(実施例19)下記の組成のめっき液を4.
5L調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.3M 第1種添加剤としてチアゾール 5.0ppm、
第2種添加剤としてメタバナジン酸ナトリウム1.0ppm、
第3種添加剤としてしゅう酸カリウム 5.0g/L、pH
(KOHで調整):12.8 めっき液の温度は45℃に調整した。
【0116】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を
用いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっ
き速度は、1.68μm/hであった。
【0117】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0118】(実施例20)下記の組成のめっき液を4.
5L調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.3M 第1種添加剤としてチアゾール 5.0ppm、
第2種添加剤としてメタバナジン酸ナトリウム1.0ppm、
第3種添加剤としてしゅう酸カリウム 5.0g/L、pH
(KOHで調整):12.8 めっき液の温度は25℃に調整した。
【0119】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を
用いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっ
き速度は、1.12μm/hであった。
【0120】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0121】(実施例21)下記の組成のめっき液を4.
5L調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.3M 第1種添加剤としてメルカプトコハク酸 1.
0ppm、 第2種添加剤としてメタバナジン酸ナトリウム
0.1ppm、第3種添加剤としてPEG600 0.1g/
L、pH(KOHで調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0122】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を
用いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっ
き速度は、1.89μm/hであった。
【0123】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0124】(実施例22)下記の組成のめっき液を4.
5L調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.3M 第1種添加剤としてメルカプトコハク酸 1.
0ppm、 第2種添加剤としてメタバナジン酸ナトリウム
0.1ppm、第3種添加剤としてPEG600 10g/L、
pH(KOHで調整):12.0 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0125】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を
用いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっ
き速度は、1.63μm/hであった。
【0126】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0127】(比較例1)下記の組成のめっき液を4.5L
調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA:0.12M、グリオキシル酸:0.3M、
添加剤は無し、pH(KOHで調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0128】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂上に析出した銅は暗褐色で密着性があり、
エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。めっき
速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を用いて
求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっき速度
は、6.50μm/hであった。
【0129】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。光の透過部が、特にガラス
クロスの部分に多くみられ、欠陥を有する不均一なめっ
き膜であることが確認できた。この液を放置すると、30
分程度で分解反応が生じ、銅粒子が液中に浮遊した。
【0130】(比較例2)下記の組成のめっき液を4.5L
調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA:0.12M、グリオキシル酸:0.3M、
第2種添加剤としてα、α´−ビピリジル:10ppm、pH
(KOHで調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0131】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅はピンク色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。め
っき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を用
いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっき
速度は、1.45μm/hであった。
【0132】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。しか
しこの液を放置すると、12時間後には分解反応が生じて
おり、銅粒子が液中に浮遊していた。
【0133】(比較例3)下記の組成のめっき液を4.5L
調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA:0.12M、グリオキシル酸:0.3M、
第2種添加剤としてメタケイ酸ナトリウム:0.5.0g/
L、第3種添加剤としてPEG1000:1.0g/L、pH(KOH
で調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0134】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗褐色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。め
っき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を用
いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっき
速度は、1.62μm/hであった。
【0135】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。しか
しこの液を放置すると、12時間後には分解反応が生じて
おり、銅粒子が液中に浮遊していた。
【0136】(比較例4)下記の組成のめっき液を4.5L
調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA:0.12M、グリオキシル酸:0.3M、
第2種添加剤としてα、α´-ビピリジル:10ppm、 第
3種添加剤としてPEG1000:1.0g/L、pH(KOHで調
整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0137】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅はピンク色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。め
っき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を用
いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっき
速度は、1.59μm/hであった。
【0138】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。しか
しこの液を放置すると、12時間後には分解反応が生じて
おり、銅粒子が液中に浮遊していた。
【0139】(比較例5)下記の組成のめっき液を4.5L
調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA:0.12M、グリオキシル酸:0.3M、
第1種添加剤として硫化カリウム:1.0ppm、pH(KO
Hで調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0140】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗褐色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。め
っき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を用
いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっき
速度は、5.8μm/hであった。
【0141】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。光の透過部が、特にガラス
クロスの部分に多くみられ、欠陥を有する不均一なめっ
き膜であることが確認できた。この液を放置しても、銅
の析出は確認できなかった。
【0142】(比較例6)下記の組成のめっき液を4.5L
調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA:0.12M、グリオキシル酸:0.3M、
第1種添加剤としてベンゾイミダゾール:50ppm、pH
(KOHで調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0143】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗褐色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。め
っき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を用
いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっき
速度は、4.21μm/hであった。
【0144】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。光の透過部が、特にガラス
クロスの部分に多くみられ、欠陥を有する不均一なめっ
き膜であることが確認できた。この液を放置しても、銅
の析出は確認できなかった。
【0145】(比較例7)下記の組成のめっき液を4.5L
調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA:0.12M、グリオキシル酸:0.3M、
第1種添加剤としてベンゾイミダゾール:1.0g/L、p
H(KOHで調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0146】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗褐色で密着性は有る
が、めっきされている部分とそうでない部分があり、均
一にめっきされていなかった。めっき速度は、一様にめ
っきされているものとしてめっき前後の樹脂板の重量差
及び比重を用いて求めた。このめっき液中における樹脂
板上のめっき速度は、0.5μm/h以下であった。
【0147】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。光の透過部が、特にガラス
クロスの部分に多くみられ、欠陥を有する不均一なめっ
き膜であることが確認できた。この液を放置しても、銅
の析出は確認できなかった。
【0148】(比較例8)下記の組成のめっき液を4.5L
調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA:0.12M、グリオキシル酸:0.3M、
第1種添加剤としてベンゾチアゾール:5.0ppm、第
2種添加剤としてα、α´−ビピリジル:1.0ppm、
pH(KOHで調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0149】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を
用いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっ
き速度は、2.52μm/hであった。
【0150】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。光の透過部が、特にガラス
クロスの部分に多くみられ、欠陥を有する不均一なめっ
き膜であることが確認できた。この液を放置しても、銅
の析出は確認できなかった。
【0151】(比較例9)下記の組成のめっき液を4.5L
調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA-4H:0.12M、グリオキシル
酸:0.3M 第1種添加剤としてベンゾチアゾール 5.0
ppm、 第2種添加剤としてα、α´―ビピリジル
10ppm、第3種添加剤 無し、pH(KOHで調整):12.4 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0152】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗ピンク色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
めっき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を
用いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっ
き速度は、1.43μm/hであった。
【0153】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。全て暗視野であり、欠陥の
ない均一なめっき膜が得られたことが確認できた。この
液を放置しても、銅の析出は確認できなかった。
【0154】(比較例10)下記の組成のめっき液を4.
5L調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA:0.12M、グリオキシル酸:0.3M、
第1種添加剤として硫化カリウム:1.0ppm、第2種
添加剤としてメタバナジン酸ナトリウム:0.05ppm、
pH(KOHで調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0155】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗褐色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。め
っき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を用
いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっき
速度は、3.42μm/hであった。
【0156】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。光の透過部が、特にガラス
クロスの部分に多くみられ、欠陥を有する不均一なめっ
き膜であることが確認できた。この液を放置しても、銅
の析出は確認できなかった。
【0157】(比較例11)下記の組成のめっき液を4.
5L調整した。 硫酸銅:0.06M、EDTA:0.12M、グリオキシル酸:0.3M、
第1種添加剤として硫化カリウム:0.05ppm、第2種
添加剤としてメタバナジン酸ナトリウム:0.01ppm、
pH(KOHで調整):12.8 めっき液の温度は30℃に調整した。
【0158】触媒処理として実施例1に示した操作を行
った。水洗後、上記の条件に調整しためっき液中に20分
間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lになるように基
板の面積を調整した。めっき中は常にめっき液を0.2L/m
in/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行った。このめっ
き液中におけるめっき速度は、スルーホールを有する両
面銅張り積層板のめっき前後の重量差から、密度を用い
て時間当たりの厚さに換算(μm/h)して求めた。め
っき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき反応が直ちに開
始した。樹脂板上に析出した銅は暗褐色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。め
っき速度は、めっき前後の樹脂板の重量差及び比重を用
いて求めた。このめっき液中における樹脂板上のめっき
速度は、4.22μm/hであった。
【0159】スルーホール内のめっきの状況は、バック
ライト試験により評価した。光の透過部が、特にガラス
クロスの部分に多くみられ、欠陥を有する不均一なめっ
き膜であることが確認できた。この液を放置しても、銅
の析出は確認できなかった。実施例1〜22及び比較例
1〜11の結果を、表1及び2にまとめて示す。
【0160】
【表1】
【0161】
【表2】
【0162】実施例1〜22及び比較例1〜11に示す
ように、樹脂板上におけるめっき速度が0.5〜2.0μm/
hの間にある場合、添加剤の種類、その濃度に依存せず
スルーホール内が均一にめっきされていることがわか
る。
【0163】しかし、前述したように添加剤の濃度は連
続的にめっきすることによりそれぞれの濃度が減少する
ために、例えば比較例9に示すように、第3種添加剤が
無い場合においても、樹脂板上におけるめっき速度が0.
05〜2.0μm/h内であればスルーホール内は均一にめっき
されるが、連続的なめっきにより比較例8に示すように
速度調整として使用している第2種添加剤であるビピリ
ジル濃度が減少すると、めっき速度が適正範囲を超える
ためにスルーホール内は均一にめっきできなくなる。し
かし、この条件においても実施例11や12に示される
ように第3種添加剤が添加されている場合は、めっき速
度は適正範囲内であり、スルーホール内は均一にめっき
される。
【0164】またたとえば実施例1及び実施例2、実施
例12及び13に示すように、第2種添加剤の濃度が変
化した場合においても、第3種添加剤が添加されている
ことによりめっき速度はほとんど変化せず、スルーホー
ル内は均一にめっきすることができる。さらにたとえば
実施例11及び12に示すように、第1種添加剤及び第
2種添加剤の種類及び濃度が同じである場合、第3種添
加剤の濃度が変化してもめっき速度はほとんど変化せ
ず、スルーホール内は均一にめっきすることができる。
【0165】実施例14に示すように、硫酸銅濃度、グ
リオキシル酸濃度及びpHが低下した場合においても、
第1種添加剤、第2種添加剤及び第3種添加剤がある場
合は、めっき速度は適正範囲内である。比較例11に示
すように、第1種添加剤及び第2種添加剤の濃度が極端
に低下した場合、めっき速度は適正範囲を超えスルーホ
ール内は均一にめっきすることができなくなるが、実施
例17に示すように第3種添加剤が存在することにより
めっき速度は適正範囲内に入り、スルーホール内は均一
にめっきすることができる。
【0166】実施例18に示すように第1種添加剤、第
2種添加剤及び第3種添加剤において、それぞれにおい
て複数の種類の添加剤を用いても1種類ずつ用いた場合
と同様の効果が見られる。
【0167】実施例19及び20に示すように温度が2
5又は45℃のように比較的高い場合と、比較的低い場
合においても30℃の場合と同様の効果が見られる。た
だし50℃以上の場合においては、グリオキシル酸の分
解反応による減少量が多く、実用的ではなかった。
【0168】実施例21に見られるように、第3種添加
剤としてPEG600を0.1g/L添加した場合では、実施
例16に示されるようにPEG600を10g/L添加した場
合と同様の効果が見られた。しかし、第3種添加剤の量
が極端に少ない場合は、前述したように基板の出し入れ
による消耗により濃度が極端に低下するとその効果が小
さくなるので、望ましくは1.0g/L以上必要である。実
施例22に示されるようにpH12.0においても12.8の場
合と同様の効果が見られる。
【0169】第1種添加剤、第2種添加剤及び第3種添
加剤として上記例示したものであれば、どの化合物の組
み合わせでも、上記実施例には示したものと同様の効果
を得ることができる。
【0170】次に、錯化剤に酒石酸塩を使用した場合の
実施例23〜43及び比較例12〜20について説明す
る。
【0171】比較例12〜20では、本発明を検討する
のにあたり実験を行ったがめっきができなかった条件、
及び従来技術に示された条件での結果を示している。実
施例23〜43及び比較例12〜20では、表3に示さ
れる無電解銅めっき液組成を用いた。
【0172】
【表3】
【0173】表3には、硫酸銅、酒石酸ナトリウムカリ
ウム、グリオキシル酸、pH、PEG1000、2、2’−
ビピリジル、酒石酸塩と硫酸銅とのモル比率、グリオキ
シル酸と硫酸銅とのモル比率、めっき液温度が示されて
いる。pH調整としてKOHを用いた。めっき液は総て4.5L
調整したものである。
【0174】更に、表3に触媒処理した銅の電位が示さ
れている。本実施例においては、浸漬直後においては-1
00mV程度であったが、1分以内に低下した値を同様に
示した。本実施例においては、めっき液温度が25℃の場
合で、いずれもE=0.471-0.0001984×T×pHの条件を満た
すものであった。比較例12、14、18においては浸
漬直後における値を示し、比較例15、17、20にお
いては10分後の値を示し、いずれもその条件を満たさ
なかった。
【0175】本実施例23〜43及び比較例12〜20
に使用した装置は、図1に示したものと同様である。た
だし、EDTA補給ライン4の代わりに酒石酸補給ライ
ンとなる。
【0176】(実施例23)スルーホールを有する両面
銅張り積層板をクリーナーコンディショナー(日立化成
工業製 商品名:CLC-601)に浸漬した。次いで、過硫
酸アンモニウム、硫酸を用いてソフトエッチングを行っ
た後に、プリディップ(同商品名:PD-301)、増感処理
剤(同商品名:HS-202B)、密着処理促進剤(同商品
名:ADP-601)を用いて触媒処理した(以下上記工程を
触媒処理と省略)。水洗後、上記の条件に調整しためっ
き液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1dm2/Lに
なるように基板の面積を調整した。めっき中は常にめっ
き液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹拌を行っ
た。このめっき液中におけるめっき速度は、スルーホー
ルを有する両面銅張り積層板のめっき前後の重量差か
ら、密度を用いて時間当たりの厚さに換算(μm/h)
して求めた。
【0177】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。こ
のめっき液中におけるめっき速度は、1.2μm/hであっ
た。容器の底には、極わずかな銅の析出が見られた。
【0178】(実施例24)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0179】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。こ
のめっき液中におけるめっき速度は、4.0μm/hであっ
た。容器の底に銅の析出は見られなかった。
【0180】(実施例25)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0181】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。こ
のめっき液中におけるめっき速度は、2.2μm/hであっ
た。容器の底に銅の析出は見られなかった。
【0182】(実施例26)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0183】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。こ
のめっき液中におけるめっき速度は、2.0μm/hであっ
た。容器の底に銅の析出は見られなかった。
【0184】(実施例27)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.3L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0185】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。こ
のめっき液中におけるめっき速度は、5.0μm/hであっ
た。容器の底に若干の銅の析出が見られた。
【0186】(実施例28)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.3L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0187】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。こ
のめっき液中におけるめっき速度は、5.4μm/hであっ
た。容器の底にかなり多くの銅の析出が見られた。
【0188】(実施例29)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0189】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。こ
のめっき液中におけるめっき速度は、3.5μm/hであっ
た。容器の底に銅の析出は見られなかった。
【0190】(実施例30)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0191】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。こ
のめっき液中におけるめっき速度は、2.1μm/hであっ
た。容器の底に銅の析出は見られなかった。
【0192】(実施例31)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0193】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。こ
のめっき液中におけるめっき速度は、1.2μm/hであっ
た。容器の底に銅の析出は見られなかった。
【0194】(実施例32)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0195】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。こ
のめっき液中におけるめっき速度は、3.6μm/hであっ
た。容器の底に銅の析出は見られなかった。
【0196】(実施例33)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0197】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。こ
のめっき液中におけるめっき速度は、3.2μm/hであっ
た。容器の底に銅の析出は見られなかった。
【0198】(実施例34)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0199】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。こ
のめっき液中におけるめっき速度は、1.4μm/hであっ
た。容器の底に銅の析出は見られなかった。
【0200】(実施例35)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0201】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。こ
のめっき液中におけるめっき速度は、3.6μm/hであっ
た。容器の底に銅の析出は見られなかった。
【0202】(実施例36)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0203】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は濃いレンガ色で密着性が
あり、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。
このめっき液中におけるめっき速度は、2.8μm/hであ
った。容器の底に銅の析出は見られなかった。
【0204】(実施例37)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0205】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。こ
のめっき液中におけるめっき速度は、3.6μm/hであっ
た。容器の底に銅の析出は見られなかった。
【0206】(実施例38)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0207】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。こ
のめっき液中におけるめっき速度は、4.3μm/hであっ
た。容器の底に銅の析出は見られなかった。
【0208】(実施例39)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0209】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。こ
のめっき液中におけるめっき速度は、3.8μm/hであっ
た。容器の底に銅の析出は見られなかった。
【0210】(実施例40)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0211】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。こ
のめっき液中におけるめっき速度は、0.95μm/hであ
った。容器の底に銅の析出は見られなかった。
【0212】(実施例41)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0213】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。こ
のめっき液中におけるめっき速度は、1.2μm/hであっ
た。容器の底に銅の析出は見られなかった。
【0214】(実施例42)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0215】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。こ
のめっき液中におけるめっき速度は、2.8μm/hであっ
た。容器の底に銅の析出は見られなかった。
【0216】(実施例43)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0217】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色で密着性があ
り、エッジ部分を含めて一面に均一に析出していた。こ
のめっき液中におけるめっき速度は、2.6μm/hであっ
た。容器の底に銅の析出は見られなかった。
【0218】(比較例12)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0219】触媒処理した積層板をめっき液に浸漬して
も、めっき反応は全く生じず、基板上に銅の析出は確認
できなかった。容器の底には、銅の析出が見られた。触
媒処理した銅の電位は、浸漬直後においては-120mV以
上でありE=0.471-0.0001984×T×pHの条件を満たさなか
った。
【0220】(比較例13)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.4L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0221】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色であるが、密
着性は乏しかった。めっきはむらがあり、めっきできて
いる部分とそうでない部分とが存在した。均一にめっき
されていないために、めっき速度を求めることはできな
かった。めっき開始後、数分後には銅粒子がめっき槽内
を浮遊し、容器の底には大量の銅の析出が見られた。
【0222】(比較例14)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。触媒処理した積層板をめっき液に浸漬して
も、めっき反応は全く生じず、基板上に銅の析出は確認
できなかった。容器の底には、銅の析出が見られた。
【0223】(比較例15)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.4L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0224】めっき液に浸漬5分以降、ガス放出に伴い
めっき反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色である
が、密着性は乏しかった。めっきはむらがあり、めっき
できている部分とそうでない部分とが存在した。均一に
めっきされていないが、平均的にめっきされていると仮
定した場合のこのめっき液中におけるめっき速度は、0.
5μm/hであった。触媒処理した銅の電位は、浸漬直後
においては-100mV程度であったが、その後電位は低下
して、-280mV以下になりE=0.471-0.0001984×T×pHの
条件を満たしたものの、それに達するまでに10分以上
の時間を要した。
【0225】(比較例16)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.4L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。触媒処理した積層板をめっき液に浸漬して
も、めっき反応は全く生じず、基板上に銅の析出は確認
できなかった。容器の底には、銅の析出が見られた。
【0226】(比較例17)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。触媒処理した積層板をめっき液に浸漬して
も、めっき反応は全く生じず、基板上に銅の析出は確認
できなかった。容器の底には、銅の析出が見られた。
【0227】(比較例18)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.2L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。触媒処理した積層板をめっき液に浸漬して
も、めっき反応は全く生じず、基板上に銅の析出は確認
できなかった。容器の底には、銅の析出が見られた。
【0228】(比較例19)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.4L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0229】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色であるが、密
着性は乏しかった。めっきはむらがあり、めっきできて
いる部分とそうでない部分とが存在した。均一にめっき
されていないが、平均的にめっきされていると仮定した
場合のこのめっき液中におけるめっき速度は、0.34μm
/hであった。
【0230】(比較例20)スルーホールを有する両面
銅張り積層板を触媒処理した後に、上記の条件に調整し
ためっき液中に15分間浸漬させた。めっき浴負荷は1d
2/Lになるように基板の面積を調整した。めっき中は
常にめっき液を0.4L/min/L(めっき液)の条件で空気撹
拌を行った。
【0231】めっき液に浸漬後、ガス放出に伴いめっき
反応が開始した。析出した銅は暗ピンク色であるが、密
着性は乏しかった。めっきはむらがあり、めっきできて
いる部分とそうでない部分とが存在した。均一にめっき
されていないが、平均的にめっきされていると仮定した
場合のこのめっき液中におけるめっき速度は、0.42μm
/hであった。触媒処理した銅の電位は、浸漬直後にお
いては-100mV程度であったが、その後電位は低下し
て、-280mV以下になりE=0.471-0.0001984×T×pHの条
件を満たしたものの、それに達するまでに10分以上の
時間を要した。
【0232】図2は、上記実施例23〜43と比較例1
2〜20において、めっき液温度が25℃においての酒石
酸塩モル濃度/硫酸銅モル濃度とグリオキシル酸モル濃
度/硫酸銅モル濃度をパラメータとした場合のめっきの
可否を示したものである。これより均一なめっき可能な
条件は、酒石酸塩モル濃度/銅モル濃度が6以下でかつ、
グリオキシル酸モル濃度/銅モル濃度が8.0以上、好まし
くは8.3以上であることが分かる。また均一なめっきが
可能な条件においては、触媒処理した銅の電位が、浸漬
直後においては-100mV程度であっても、1分以内に低
下して、-280mV以下になりE=0.471-0.0001984×T×pH
の条件を満たしていた。
【0233】(実施例44)図3は、酒石酸塩(ロッセル
塩)濃度をO.089M、グリオキシル酸濃度を0.26Mに固定
し、銅濃度を変化させた場合の樹脂上におけるめっき速
度を示している。硫酸銅濃度がO.06Mではめっき速度が
遅く均一にめっきすることができない。銅濃度が0.06M
の場合の酒石酸塩/硫酸銅濃度比は1.48、グリオキシル
酸濃度/硫酸銅濃度比は4.3である。硫酸銅濃度が0.03M
以下になるとめっき速度が上昇し、めっきが均一にでき
るようになる。銅濃度が0.03Mの場合の酒石酸/硫酸銅濃
度比は2.96、グリオキシル酸濃度/硫酸銅濃度比は8.7で
ある。硫酸銅濃度が砥下すると、0.018Mで最大の速度
を示した後、めっき速度は減少する。硫酸銅濃度が0.00
6Mになると完全に均一性に欠けためっきとなる。銅濃度
が0.006Mの場合の酒石酸塩/硫酸銅濃度比は14.83、グリ
オキシル酸濃度/硫酸銅濃度比は43.3である。
【0234】図4は、酒石酸濃度が0.089Mの場合にお
いて、種々の濃度の硫酸銅及びグリオキシル酸の場合に
おける銅の分極曲線を示している。電流0を横切る電位
が、めっき電位である。めっきが不均一である硫酸銅O.
06M、グリオキシル酸0.26Mにおいては、電位は−480mV
(vs.Ag/AgC1)であり、(−280 mV vs.SHE)、酸化銅が生
成する領域である。それ以外の場合では、電位は.480mV
(vs.Ag/AgCl)以下であり、銅が生成する領域になり、め
っきすることができる。
【0235】(実施例45)本実施例では、基板のめっ
きを連続的に実施した場合について述べる。基板は、触
媒処理、水洗工程を経た後にめっき浴槽に入るため、水
に濡れた状態でめっき槽に入る。基板はめっき後水洗槽
に入るため、めっき液がついた状態でめっき槽から出て
行く。そのため前述したようにめっき反応及び副反応以
外にも、連続的にめっきする場合は本操作により銅イオ
ン濃度、グリオキシル酸濃度は時間とともに減少する。
酒石酸塩の濃度は、副反応により減少することはない
が、本操作により濃度は減少する。
【0236】
【表4】
【0237】表4は、各時間において測定した銅イオン
モル濃度、グリオキシル酸モル濃度、酒石酸塩モル濃
度、pH及び酒石酸塩モル濃度/銅イオンモル濃度、グリ
オキシル酸モル濃度/銅イオンモル濃度の時間変化を示
している。時間とともに、銅イオンモル濃度、グリオキ
シル酸モル濃度、酒石酸塩モル濃度、pH、酒石酸塩モ
ル濃度/銅イオンモル濃度、グリオキシル酸モル濃度/銅
イオンモル濃度が減少している。3時間後においてはグ
リオキシル酸モル濃度/銅イオンモル濃度の比が8.1にな
り、また銅イオン濃度、グリオキシル酸濃度、酒石酸濃
度、pHが減少したため、グリオキシル酸モル濃度/銅イ
オンモル濃度の比が10以上になるように硫酸銅、グリオ
キシル酸、酒石酸塩、アルカリを添加し、めっきを続け
た。
【0238】5時間後において、グリオキシル酸モル濃
度/銅イオンモル濃度の比が8.3以下になりめっきにむら
が生じるようになった。さらに銅イオン濃度、グリオキ
シル酸濃度、酒石酸濃度、pHが減少したため、再びグ
リオキシル酸モル濃度/銅イオンモル濃度の比が10以上
になるように硫酸銅、グリオキシル酸、酒石酸塩、アル
カリを添加し、めっきを続けた。
【0239】7時間後においても同様の処理を行った。
8時間めっきを行った後に、めっき液を空気バブリング
した状態で翌日まで保持した。めっき浴内での銅粒子の
析出はみられなかった。
【0240】24時間後、めっき液を分析すると、グリ
オキシル酸モル濃度/銅イオンモル濃度の比が5.3にな
り、また銅イオン濃度、グリオキシル酸濃度、pHが減
少したため、めっきを行う前にグリオキシル酸モル濃度
/銅イオンモル濃度の比が10以上になるように硫酸銅、
グリオキシル酸、酒石酸塩、アルカリを添加し、めっき
した。めっき中の銅の電位は、常に-250mV以下であ
り、E0=0.471-0.0001984×T×pHの式で表される電位領
域であった。
【0241】表4に示す様に、グリオキシル酸モル濃度
/銅イオンモル濃度の比が6倍に低下した時点でグリオキ
シル酸を(グリオキシル酸モル濃度/銅イオン)モル濃
度の比が15倍以上になるように約2時間毎に加えること
によってその後も長時間に亘って安定して均一な銅めっ
きが得られることが明らかとなった。
【0242】
【発明の効果】グリオキシル酸を還元剤としためっき液
を使用することにより、人体及び環境への負荷を軽減す
ることができる。また、錯化剤にEDTAを使用した場
合、そのめっき液を使用するにあたり、液安定性用第1
種添加剤、速度調整用第2種添加剤及び第2種添加剤の
濃度が変化した場合においても速度が変化しない速度緩
衝作用を持つ第3種添加剤を加えることにより安定で連
続めっきによる添加剤の濃度変化にかかわらず均一なめ
っきを行うことができる。更に、錯化剤に酒石酸塩を使
用した場合、そのめっき液を使用するにあたり、めっき
液の組成比を制御することにより長期に亘って安定して
均一な銅めっきを得ることができる無電解銅めっき液と
その方法及び装置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いる無電解銅めっき装置の
断面図である。
【図2】酒石酸塩モル濃度/硫酸銅モル濃度とグリオキ
シル酸モル濃度/硫酸銅モル濃度をパラメータとしため
っきの可否を示す図である。
【図3】樹脂板上への銅めっき速度と銅濃度との関係を
示す線図である。
【図4】銅及びグリオキシル酸(GOA)を含むロッセ
ル塩水溶液中の銅の分極を示す電流密度と電位を示す線
図である。
【符号の説明】
1…めっき槽、2…めっき液、3…硫酸銅補給ライン、
4…EDTA補給ライン、5…グリオキシル酸補給ライ
ン、6〜8…第1〜3種添加剤補給ライン、9…温度調
節器、10…空気ポンプ、11…分槽ユニット、12…
被めっき材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 正博 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 新井 祐子 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 赤星 晴夫 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 村上 敢次 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館事業所内 (72)発明者 増山 徳幸 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館事業所内 (72)発明者 赤沢 諭 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館事業所内 (72)発明者 高野 久夫 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館事業所内 Fターム(参考) 4K022 AA03 AA04 AA13 AA15 AA18 AA42 BA08 CA06 DA01 DB01 DB04 DB07 DB08 DB26 DB28 5E343 BB24 CC78 DD33 GG06

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅イオン、銅イオンの錯化剤、還元剤及
    びpH調整剤からなる無電解銅めっき液に、(1)第1
    種添加剤として、環状部にイオウ元素又は窒素元素を有
    する有機化合物ないしは無機イオウ化合物から選ばれる
    少なくとも1つ以上、(2)第2種添加剤として、α−
    α´ビピリジル、VIB族の酸化物又は酸素酸塩、ない
    しはVA又はVIA族の酸素酸塩又は酸化物から選ばれ
    る少なくとも1つ以上、さらに(3)第3種添加剤とし
    て、オキシアルキレングリコール、硫酸塩、しゅう酸
    塩、炭酸塩、硝酸塩又はグリコール酸から選ばれる少な
    くとも1つ以上を含む水溶液であることを特徴とする無
    電解銅めっき液。
  2. 【請求項2】 前記(1)第1種添加剤の環状部にイオ
    ウ元素又は窒素元素を有する有機化合物がベンゾチアゾ
    ール、チアゾール、ニコチン酸、ベンゾトリアゾール、
    メルカプトコハク酸から選ばれ、無機イオウ化合物が、
    ポリ硫化カリウム、硫化カリウム、硫化ナトリウムから
    選ばれ、前記(2)第2種添加剤のVIB族の酸化物な
    いし酸素酸塩が、メタケイ酸ナトリウム、ゲルマニウム
    酸塩、二酸化ゲルマニウム、スズ酸ナトリウムから選ば
    れ、VA又はVIA族の酸素酸塩又は酸化物が、モリブ
    デン酸ナトリウムやメタバナジン酸ナトリウムから選ば
    れ、(3)第3種添加剤のオキシアルキレングリコール
    が、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコー
    ルから選ばれ、硫酸塩が、硫酸カリウムや硫酸ニッケル
    から選ばれ、しゅう酸塩がしゅう酸カリウムであり、炭
    酸塩が、炭酸ナトリウムであり、硝酸塩が硝酸カリウム
    であることを特徴とする請求項1に記載の無電解銅めっ
    き液。
  3. 【請求項3】 触媒処理を施した樹脂板上における無電
    解銅めっき速度が0.5〜2.0μm/hになるように前記第
    1種、第2種及び第3種添加剤が加えられたことを特徴
    とする請求項1又は2に記載の無電解銅めっき液。
  4. 【請求項4】 銅イオン、銅イオンの錯化剤としてト
    リエタノールアミンやジエチレントリアミン五酢酸で代
    表されるアミノ化合物、グルコン酸塩やクエン酸塩で代
    表されるオキシカルボン酸塩、グリセリンやグリコール
    で代表される多価アルコール類、エチレンジアミン四酢
    酸、酒石酸塩、エチレンジアミンテトラ−2−プロパノ
    ール、イミノ二酢酸、ニトリロトリ酢酸から選ばれる少
    なくとも一つ以上、還元剤としてグリオキシル酸および
    pH調整剤からなる無電解銅めっき液に、(1)第1種
    添加剤として、環状部にイオウ元素又は窒素元素を有す
    る有機化合物ないしは無機イオウ化合物から選ばれる少
    なくとも1つ以上、(2)第2種添加剤として、α−α
    ´ビピリジル、VIB族の酸化物又は酸素酸塩、ないし
    はVA又はVIA族の酸素酸塩又は酸化物から選ばれる
    少なくとも1つ以上、さらに(3)第3種添加剤とし
    て、オキシアルキレングリコール、硫酸塩、しゅう酸
    塩、炭酸塩、硝酸カリウム又はグリコール酸から選ばれ
    る少なくとも1つ以上を含む水溶液であることを特徴と
    する無電解銅めっき液。
  5. 【請求項5】 めっき液を建浴する段階において、前記
    第1種添加剤の添加量が0.01〜100mg/Lであり、前記第
    2種添加剤の添加量が0.01〜100mg/Lであり、前期第3
    種添加剤の添加量が100mg/L以上であることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の無電解銅めっき液。
  6. 【請求項6】 温度が50℃以下であることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれかに記載の無電解銅めっき液。
  7. 【請求項7】 pHが12〜13の範囲であることを特
    徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の無電解銅めっ
    き液。
  8. 【請求項8】 銅イオンと、銅イオン錯化剤と、還元
    剤、pH調整剤、第1種添加剤、第2種添加剤及び第3
    種添加剤を含むめっき液中でめっきを連続的に行う場合
    において、第1種添加剤の濃度が0.01〜100mg/Lであ
    り、第2種添加剤の濃度が0.01〜100mg/Lであり、第3
    種添加剤の濃度が100mg/L以上であるように、第1種添
    加剤、第2種添加剤及び第3種添加剤を補給することを
    特徴とする無電解銅めっき液管理方法。
  9. 【請求項9】 銅イオン、銅イオンの錯化剤、還元剤及
    びpH調整剤を含む無電解銅めっき液において、前記還
    元剤がグリオキシル酸又はその塩を含み、その濃度が銅
    イオン濃度の8倍以上であり、かつ前記錯化剤が酒石酸
    又はその塩を含み、その濃度が銅イオン濃度の6倍以下
    であることを特徴とする無電解銅めっき液。
  10. 【請求項10】 銅イオン、銅イオンの錯化剤、還元剤
    及びpH調整剤を含む無電解銅めっき液において、前記
    還元剤がグリオキシル酸又はその塩を含み、無電解銅め
    っき液中における銅の電位E(V vs. SHE)が、(E0-0.
    0001984×T×pH)(E0は 2Cu+ H2O→Cu2O+2H++2eの標
    準酸化還元電位、Tはめっき液の絶対温度を示す)によ
    って求められる値以下になるように前記グリオキシル酸
    に対する銅イオン濃度の比率が調整されていることを特
    徴とする無電解銅めっき液。
  11. 【請求項11】 前記錯化剤が酒石酸又はその塩を含む
    ことを特徴とする請求項10に記載の無電解銅めっき
    液。
  12. 【請求項12】 前記還元剤の濃度が銅イオン濃度の8
    倍以上及び前記錯化剤の濃度が銅イオン濃度の6倍以下
    の少なくとも一方であることを特徴とする請求項10又
    は11に記載の無電解銅めっき液。
  13. 【請求項13】 銅イオン、銅イオンの錯化剤、還元剤
    及びpH調整剤を含むめっき浴中でめっきを行う無電解
    銅めっき法において、前記還元剤がグリオキシル酸又は
    その塩を含み、その濃度が銅イオン濃度の8倍以上であ
    り、前記錯化剤の濃度が銅イオン濃度の6倍以下となる
    ように、前記銅イオン及び還元剤を補給することを特徴
    とする無電解銅めっき液管理方法。
  14. 【請求項14】 銅イオン、銅イオンの錯化剤、還元剤
    及びpH調整剤を含むめっき浴中でめっきを行う無電解
    銅めっき法において、前記還元剤がグリオキシル酸又は
    その塩を含み、その濃度が銅イオン濃度の7倍以下にな
    ったら前記還元剤をその濃度が前記銅イオン濃度の10〜
    20倍になるように補給することを特徴とする無電解銅め
    っき液管理方法。
  15. 【請求項15】 銅イオン、銅イオンの錯化剤、還元剤
    及びpH調整剤を含む銅めっき浴中でめっきを行う無電
    解銅めっき法において、前記還元剤がグリオキシル酸及
    びその塩を含み、前記銅めっき液中における銅の電位E
    (V vs. SHE)が、E0-0.0001984×T×pH(E0は 2Cu+
    H2O→Cu2O+2H++2eの標準酸化還元電位、Tはめっき液の
    絶対温度を示す)によって求められる値以下になるよう
    に前記銅イオン、還元剤及びpH調整剤を補給することを
    特徴とする無電解銅めっき液管理方法。
  16. 【請求項16】 前記還元剤の濃度が銅イオン濃度の8
    倍以上であり、前記錯化剤が酒石酸又はその塩を含み、
    その濃度が銅イオン濃度の6倍以下となるように、前記
    銅イオン及び還元剤を補給することを特徴とする請求項
    15に記載の無電解銅めっき液管理方法。
  17. 【請求項17】 前記還元剤の濃度が銅イオン濃度の8
    倍以上であるか、前記錯化剤が酒石酸又はその塩を含
    み、その濃度が銅イオン濃度の6倍以下であるかの少な
    くとも一方の条件を有し、かつめっき中の前記めっき液
    の温度を50℃以下にすることを特徴とする請求項15に
    記載の無電解銅めっき液管理方法。
  18. 【請求項18】 銅イオン、銅イオンの錯化剤、還元剤
    及びpH調整剤を含むめっき浴中でめっきを行う無電解
    銅めっき法において、めっき中における前記還元剤がグ
    リオキシル酸又はその塩を含み、その濃度が銅イオン濃
    度の8倍以上であるか、前記還元剤濃度が銅イオン濃度
    の8倍以上であって、前記錯化剤が少なくとも酒石酸又
    はその塩を含み、その濃度が銅イオン濃度の6倍以下で
    あるかの少なくとも一方の条件を有し、かつめっき中の
    前記めっき液の温度を50℃以下にすることを特徴とする
    無電解銅めっき法。
  19. 【請求項19】 銅イオン、銅イオンの錯化剤、還元剤
    及びpH調整剤を含む銅めっき液を収納するめっき槽中
    に被めっき材を浸漬し、無電解銅めっきする無電解銅め
    っき装置において、前記還元剤がグリオキシル酸又はそ
    の塩を含み、その濃度が銅イオン濃度の8倍以上であ
    り、前記錯化剤が酒石酸又はその塩を含み、その濃度が
    銅イオン濃度の6倍以下となるように、前記還元剤を補
    給する還元剤補給手段及び前記銅イオンを補給する銅イ
    オン補給手段を有することを特徴とする無電解銅めっき
    装置。
  20. 【請求項20】 銅イオン、銅イオンの錯化剤、還元剤
    及びpH調整剤を含む銅めっき液を収納するめっき槽中
    に被めっき材を浸漬し、無電解銅めっきする無電解銅め
    っき装置において、前記還元剤がグリオキシル酸又はそ
    の塩を含み、前記無電解銅めっき液中における銅の電位
    E(V vs. SHE)が、(E0-0.0001984×T×pH)(E0
    2Cu+ H2O→Cu2O+2H++2eの標準酸化還元電位、Tはめっ
    き液の絶対温度を示す)によって求められる値以下にな
    るように、前記還元剤及び銅イオンを補給する還元剤補
    給手段及び銅イオン補給手段を有することを特徴とする
    無電解銅めっき装置。
  21. 【請求項21】 前記還元剤の濃度が銅イオン濃度の8
    倍以上であり、前記錯化剤が酒石酸又はその塩を含み、
    その濃度が銅イオン濃度の6倍以下となるように、前記
    還元剤補給手段及び銅イオン補給手段を有することを特
    徴とする請求項20に記載の無電解銅めっき装置。
  22. 【請求項22】 前記還元剤の濃度が銅イオン濃度の8
    倍以上であるか、前記錯化剤が酒石酸又はその塩を含
    み、その濃度が銅イオン濃度の6倍以下であるかの少な
    くとも一方の条件を有するように、前記還元剤を補給す
    る還元剤補給手段及び前記銅イオンを補給する銅イオン
    補給手段を有し、かつ前記めっき中の前記銅めっき液の
    温度を50℃以下となるように制御する制御手段を有する
    ことを特徴とする請求項20に記載の無電解銅めっき装
    置。
  23. 【請求項23】 銅イオン、銅イオンの錯化剤、還元剤
    及びpH調整剤を含む銅めっき液を収納するめっき槽中
    に被めっき材を浸漬し、無電解銅めっきする無電解銅め
    っき装置において、前記還元剤がグリオキシル酸又はそ
    の塩を含み、その濃度が銅イオン濃度の8倍以上である
    か、前記錯化剤が酒石酸又はその塩を含み、その濃度が
    銅イオン濃度の6倍以下であるかの少なくとも一方の条
    件を有するように、前記還元剤を補給する還元剤補給手
    段及び前記銅イオンを補給する銅イオン補給手段を有
    し、かつ前記めっき中の前記銅めっき液の温度を50℃以
    下になるように制御する制御手段を有することを特徴と
    する無電解銅めっき装置。
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