JP2003138232A - 接着剤組成物 - Google Patents
接着剤組成物Info
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Abstract
特に木質材の接着に有用な接着剤組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 エチレン性不飽和単量体およびジエン系
単量体から選ばれる一種または二種以上の不飽和単量体
単位を有する重合体を分散質とし、1,2−グリコール
結合を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重合
体を分散剤とする、エマルジョン粒子の平均粒子径が2
μm以下である水性エマルジョン(A)、および多価イ
ソシアネート化合物(B)からなる接着剤組成物。
Description
し、さらに詳しくは、本発明は初期接着性、接着強度、
耐溶剤性等に優れ、特に木質材の接着に有用な接着剤組
成物に関する。
およびイソシアネート化合物を主成分とする水性高分子
−イソシアネート系接着剤は、従来のアミノプラスト系
接着剤とは異なりホルムアルデヒドの発生がなく、常温
で比較的短時間圧締するだけで、極めて高い接着強度お
よび耐水性が得られることから、木工用接着剤として有
用であることが知られている(例えば、特開昭48−9
4739号公報、同50−69139号公報)。これと
は別の種類の水性高分子−イソシアネート系接着剤とし
て、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、N−メチロールアクリルアミド等の水酸基含有単
量体と酢酸ビニルなどとの共重合体エマルジョンおよび
2価イソシアネート化合物からなる水性接着剤組成物
(特開昭49−26346号公報)や、ポリビニルアルコ
ールを分散剤(保護コロイド)としたポリ酢酸ビニルエマ
ルジョンおよび多価イソシアネート化合物からなる耐水
性接着剤組成物(特開平3−33178号公報)が提案さ
れている。さらに、ポリビニルアルコールで安定化され
たエマルジョンポリマーからなり、該エマルジョンポリ
マーが、第一段階で10〜40℃の範囲内のガラス転移
温度を有する酢酸ビニルコポリマーを製造し、第二段階
で50〜120℃のガラス転移温度を有するメチルメタ
クリレートコポリマーを製造する2段階重合法によって
製造され、酢酸ビニルコポリマーとメチルメタクリレー
トコポリマーとの比率が10:1〜10:6の範囲であ
る接着剤が提案されている(特開平2−302485号
公報)。
り、そのために、その接着の対象となる被着体によって
は、初期接着力が低いために、乾燥に時間がかかって、
作業性が低下する場合があり、このような不満を解消す
るために、接着剤の接着性能レベルおよびハンドリング
性を向上させる必要が生じている。また、被着体に溶剤
系塗料を塗布するような場合には、被着体の溶剤系塗料
に対する耐溶剤性が十分でない場合があるので、そのよ
うな不満を解消することが求められるようになってきて
おり、さらには、木材の種類にかかわりなく高い接着強
度が求められるようになってきている。
発明は初期接着性、接着強度、耐溶剤性等に優れた水性
高分子−イソシアネート系の接着剤組成物を提供するこ
とを目的とするものである。
を重ねた結果、エチレン性不飽和単量体およびジエン系
単量体から選ばれる一種または二種以上の不飽和単量体
単位を有する重合体を分散質とし、1,2−グリコール
結合を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重合
体を分散剤とする、エマルジョン粒子の平均粒子径が2
μm以下である水性エマルジョン(A)、および多価イ
ソシアネート化合物(B)からなる接着剤組成物が上記目
的を満足するものであることを見出し、本発明を完成す
るにいたった。
マルジョン(A)は、1,2−グリコール結合を1.7
モル%以上有するビニルアルコール系重合体を分散剤と
する。ビニルアルコール系重合体は、1,2−グリコー
ル結合の含有量が1.7モル%以上であることが必要で
あり、より好ましくは1.8モル%以上、さらに好まし
くは1.9モル%以上である。1,2−グリコール結合
の含有量が1.7モル%未満の場合、水性エマルジョン
の水溶性が低下する。また、1,2−グリコール結合の
含有量は4モル%以下であることが好ましく、さらに好
ましくは3.5モル%以下、最適には3.2モル%以下
である。ここで、ビニルアルコール系重合体に含まれる
1,2−グリコール結合の量は、NMRスペクトルを解析
することにより求めることができる。1,2−グリコー
ル結合を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重
合体は、ビニルエステル系単量体を重合するに際し、重
合器内にビニルエステル系単量体もしくは溶媒の蒸気を
導入するか、または外部より非凝縮性気体を導入したの
ち、加圧し、反応液の沸点よりも高い温度でビニルエス
テル系単量体を重合し、得られるビニルエステル系重合
体を定法にしたがってけん化することにより得ることが
できる。
ニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビ
ニルなどが挙げられ、特に酢酸ビニルが好ましく用いら
れる。
し、本発明の効果を損なわない範囲で、ビニルエステル
系単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重
合してもよい。このようなエチレン性不飽和単量体とし
ては、例えば、エチレン、プロピレン、アクリル酸、メ
タクリル酸、フマル酸、(無水)マレイン酸、(無水)
イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3
−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニ
ウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸またはそのナトリウム塩、エチルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩
化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデ
ン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニ
ルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム
などが挙げられる。また、チオール酢酸、メルカプトプ
ロピオン酸などのチオール化合物の存在下で、酢酸ビニ
ルなどのビニルエステル系単量体を重合し、得られるビ
ニルエステル系重合体をけん化することによって得られ
る末端変性されたビニルアルコール系重合体であっても
用いることができる。
いて特に制限はないが、通常70モル%以上であり、よ
り好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは85モ
ル%以上である。けん化度が70モル%未満の場合に
は、ビニルアルコール系重合体が本来有している性質で
ある水溶性が低下する懸念がある。ビニルアルコール系
重合体の重合度についても特に制限はないが、通常10
0〜8000の範囲であり、より好ましくは300〜3
000の範囲である。重合度が100未満の場合には、
水溶性樹脂としてのビニルアルコール系重合体の特徴が
発揮されることがなく、一方、8000を超える場合に
は、ビニルアルコール系重合体の工業的な製造に困難を
伴う。
マルジョン(A)は、エチレン性不飽和単量体およびジ
エン系単量体から選ばれる一種または二種以上の不飽和
単量体単位を有する重合体を分散質とする。エチレン性
不飽和単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブ
チレンなどのオレフィン、塩化ビニル、フッ化ビニル、
ビニリデンクロリド、ビニリデンフルオリドなどのハロ
ゲン化オレフィン、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどのビニルエステル、
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−ヒドロ
キシエチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、
メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸
エステル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリ
ル酸ジメチルアミノエチルまたはこれらの四級化物、ア
クリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアク
リルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはそのナ
トリウム塩などのアクリルアミド系単量体、スチレン、
α−メチルスチレン、p−スチレンスルホン酸またはこ
れらのナトリウム塩もしくはカリウム塩、N−ビニルピ
ロリドンなどが挙げられる。また、ジエン系単量体とし
ては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジ
エン系単量体が挙げられる。これらのエチレン性不飽和
単量体およびジエン系単量体は一種または二種以上を用
いることができる。
ニルエステル系単量体、およびエチレンとビニルエステ
ル系単量体との併用が好適である。ビニルエステル系単
量体としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられ、特に酢酸ビ
ニルが好ましい。
ン(A)の製法は特に限定されないが、例えば1,2−
グリコール結合を1.7モル%以上有するビニルアルコ
ール系重合体の水溶液を分散剤として用い、エチレン性
不飽和単量体およびジエン系単量体から選ばれる少なく
とも一種の不飽和単量体を一時にまたは連続的に添加し
て、アゾ系重合開始剤または過酸化水素、過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸カリウム等の過酸化物系重合開始剤の存
在下に乳化重合する方法が挙げられる。
上有するビニルアルコール系重合体の使用量について特
に制限はないが、エチレン性不飽和単量体およびジエン
系単量体から選ばれる少なくとも一種の不飽和単量体単
位を含有する重合体100重量部に対して好ましくは1
〜15重量部であり、より好ましくは2〜13重量部で
ある。ビニルアルコール系重合体の使用量が1重量部未
満の場合には、重合安定性が低下する恐れがあり、15
重量部を超える場合には、得られるエマルジョンの放置
安定性が低下することがある。
ン(A)は、含まれるエマルジョン粒子の平均粒子径が
2μm以下であることが必須であり、好ましくは1.7
μm以下、より好ましくは1.5μm以下である。エマ
ルジョン粒子の平均粒子径が2μmを超える場合には、
得られる接着剤組成物の耐煮沸接着強度が低下する懸念
がある。エマルジョン粒子の平均粒子径は動的光散乱法
により測定することができ、その測定は、例えば、大塚
電子(株)製のレーザーゼータ電位計ELS−8000
等を用いて行うことができる。
ン(A)が、20℃で製膜して皮膜にし、これをアセト
ンおよび煮沸水で抽出した際の不溶分が40%以上、好
ましくは45%以上、より好ましくは50%以上である
という条件を満たしていることが好ましい。抽出後の不
溶分が40%未満の場合、得られる接着剤組成物の耐溶
剤性が低下する懸念がある。
ルジョン(A)は、必要に応じて、従来公知のアニオン
性、ノニオン性またはカチオン性の界面活性剤のほか、
従来公知のポリビニルアルコール、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分
子を含有していても差し支えない。
ート化合物(B)は、分子中に2個以上のイソシアネー
ト基を有するものであり、例えば、トリレンジイソシア
ネート(TDI);水素化TDI;トリメチロールプロ
パン−TDIアダクト(例えば、バイエル社製商品名:
Desmodur L);トリフェニルメタントリイソ
シアネート;メチレンビスジフェニルイソシアネート
(MDI);水素化MDI;重合MDI;ヘキサメチレ
ンジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート;
4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;イ
ソホロンジイソシアネート等が挙げられる。その他、ポ
リオールに過剰のポリイソシアネートで予めポリマー化
した末端基がイソシアネート基を持つプレポリマーを用
いてもよい。
ン(A)100重量部に対して、固形分換算で、多価イ
ソシアネート化合物(B)を好ましくは1〜100重量
部、より好ましくは2〜80重量部、さらに好ましくは
3〜50重量部で含有する。多価イソシアネート化合物
の配合量が1重量部未満であると、常態接着強度、耐煮
沸接着強度が低くなる懸念があり、一方、100重量部
を超えると、多価イソシアネート化合物を配合した後に
おける接着剤組成物のポットライフが短くなる懸念があ
る。
損なわない範囲であれば、従来公知のポリビニルアルコ
ール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース等の水溶性高分子、および各種エマルジョン
を含有することができる。
に応じて、クレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウ
ム、木粉等の充填剤、小麦粉等の増量剤、ホウ酸、硫酸
アルミニウム等の反応促進剤、酸化チタン等の顔料、防
腐剤、防錆剤等の各種添加剤を含有することができる。
接着に使用することができるが、特に木材の接着に好適
に用いられる。接着剤組成物の塗布量は各種の使用態様
に応じて適宜選定すればよい。接着剤組成物の塗布方法
としては、ハケによる塗工、ロールによる塗工などが挙
げられる。接着剤を塗布した後の乾燥は、室温から20
0℃での加熱乾燥によってなしうるが、室温下での乾燥
によっても十分な接着力が発現する。本発明の接着剤組
成物を被着体に塗布し、圧締した後の乾燥時間は、30
分間から5時間程度が好ましい。圧締時の圧力として
は、5〜20kg/cm2の範囲で選択され、被着体が
硬い木材である場合には圧締の圧力は高い方が好まし
く、被着体が柔らかい木材である場合には木材が破壊し
ない程度の高い圧力が好ましい。
係なく高い接着強度が得られることが特徴であり、木材
種には特に制限はないが、例えば、カバ,ツガ,杉,ラ
ワン,ケヤキ、ペルポック、ゴム、オークなどの木材種
に好適に適用される。
さらに具体的に説明する。また、以下の実施例および比
較例において、「部」および「%」は特に断りのない限
り重量基準を示す。実施例および比較例において、水性
高分子−イソシアネート系接着剤の評価は以下のように
して行った。 1.接着試験 以下の条件を用いて、各種の接着試験を行った。 塗布量:250g/m2(両面塗布) 堆積時間:1分 圧締条件:20℃,24時間,圧力10kg/m2(常
態強度、煮沸繰返し試験片のみ) JIS K−6852により圧縮剪断接着強度を測定 常態強度:20℃で7日間養生後そのままの状態で測
定 煮沸繰返し:20℃で7日間養生後、試験片を煮沸水
中に4時間浸漬した後、60℃の空気中で20時間乾燥
し、さらに煮沸水中に4時間浸漬してから、室温の水中
に冷めるまで浸し、濡れたままの状態で試験に供した。 初期接着性:貼りあわせ後、20℃で10kg/m2
の圧力で10分間圧締し、直ちに圧縮剪断接着強度を測
定 2.耐溶剤性 前項1で接着した被着体(カバ材)を7日間養生後、被
着体にアセトンを塗布し、接着部位の変化を目視により
観察した。結果を以下の基準により示す。 ○変化なし、△やや白化、×白化
応槽に酢酸ビニル2940g、メタノール60gおよび
酒石酸0.088gを仕込み、室温下に窒素ガスによる
バブリングをしながら反応槽圧力を2.0MPaまで昇
圧して10分間放置した後、放圧するという操作を3回
繰り返して系中を窒素置換した。開始剤である2,2'−
アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(V
−40)をメタノールに溶解して濃度0.2g/Lの溶
液を調製し、窒素ガスによるバブリングを行って窒素置
換した。次いで、上記の反応槽の内温を120℃に昇温
した。このときの反応槽圧力は0.5MPaであった。
上記の開始剤溶液2.5mlを反応槽に注入し、重合を
開始した。重合中は重合温度を120℃に維持し、上記
の開始剤溶液を10.0ml/hrで連続添加しながら
重合を実施した。重合中の反応槽圧力は0.5MPaで
あった。3時間後に冷却して重合を停止した。このとき
の固形分濃度は24%であった。次いで、30℃で減圧
下にメタノールを時々添加しながら未反応酢酸ビニルモ
ノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液
(濃度33%)を得た。得られた該ポリ酢酸ビニル溶液
にメタノールを加えて濃度が25%となるように調整し
たポリ酢酸ビニルのメタノール溶液400g(溶液中の
ポリ酢酸ビニル100g)に、40℃で11.6g(ポ
リ酢酸ビニル中の酢酸ビニル単位に対してモル比(M
R)0.025)のアルカリ溶液(NaOHの10%メ
タノール溶液)を添加してけん化を行った。アルカリ添
加後約2分で系がゲル化したものを粉砕器にて粉砕し、
1時間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル10
00gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノー
ルフタレイン指示薬を用いて中和の終了を確認後、濾別
して得られた白色固体のPVAにメタノール1000g
を加えて室温で3時間放置洗浄した。上記洗浄操作を3
回繰り返した後、遠心脱液して得られたPVAを乾燥機
中70℃で2日間放置して乾燥PVA(PVA−1)を
得た。得られたPVA(PVA−1)のけん化度は98
モル%であった。また、重合後未反応酢酸ビニルモノマ
ーを除去して得られたポリ酢酸ビニルのメタノール溶液
をアルカリモル比0.5でけん化して、粉砕したものを
60℃で5時間放置してけん化を進行させた後、メタノ
ールによるソックスレー洗浄を3日間実施し、次いで8
0℃で3日間減圧乾燥を行って精製PVAを得た。該P
VAの平均重合度を常法のJIS K6726に準じて
測定したところ1700であった。該精製PVAの1,
2−グリコール結合量を500MHzプロトンNMR
(JEOL GX−500)装置による測定から前述の
とおり求めたところ、2.2モル%であった。
応槽に酢酸ビニル2940g、メタノール60gおよび
酒石酸0.088gを仕込み、室温下に窒素ガスによる
バブリングをしながら反応槽圧力を2.0MPaまで昇
圧して10分間放置した後、放圧するという操作を3回
繰り返して系中を窒素置換した。開始剤である2,2'−
アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(V
−40)をメタノールに溶解した濃度0.2g/L溶液
を調製し、窒素ガスによるバブリングを行って窒素置換
した。次いで、上記の反応槽の内温を120℃に昇温し
た。このときの反応槽圧力は0.5MPaであった。上
記の開始剤溶液2.5mlを反応槽に注入し、重合を開
始した。重合中は重合温度を120℃に維持し、上記の
開始剤溶液を10.0ml/hrで連続添加しながら重
合を実施した。重合中の反応槽圧力は0.5MPaであ
った。3時間後に冷却して重合を停止した。このときの
固形分濃度は24%であった。次いで、30℃で減圧下
にメタノールを時々添加しながら未反応酢酸ビニルモノ
マーの除去を行い、ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液
(濃度33%)を得た。得られた該ポリ酢酸ビニル溶液
にメタノールを加えて濃度が25%となるように調整し
たポリ酢酸ビニルのメタノール溶液400g(溶液中の
ポリ酢酸ビニル100g)に、40℃で2.3g(ポリ
酢酸ビニル中の酢酸ビニル単位に対してモル比(MR)
0.005)のアルカリ溶液(NaOHの10%メタノ
ール溶液)と水1.4gを添加してけん化を行った。ア
ルカリ添加後約20分で系がゲル化したものを粉砕器に
て粉砕し、1時間放置してけん化を進行させた後、酢酸
メチル1000gを加えて残存するアルカリを中和し
た。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和の終了を
確認後、濾別して得られた白色固体のPVAにメタノー
ル1000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記
洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られたP
VAを乾燥機中70℃で2日間放置して乾燥PVA(P
VA−2)を得た。得られたPVA(PVA−2)のけ
ん化度は88モル%であった。また、重合後未反応酢酸ビ
ニルモノマーを除去して得られたポリ酢酸ビニルのメタ
ノール溶液をアルカリモル比0.5でけん化して、粉砕
したものを60℃で5時間放置してけん化を進行させた
後、メタノールによるソックスレー洗浄を3日間実施
し、次いで80℃で3日間減圧乾燥を行って精製PVA
を得た。該PVAの平均重合度を常法のJIS K67
26に準じて測定したところ1700であった。該精製
PVAの1,2−グリコール結合量を500MHz プロ
トンNMR(JEOL GX−500)装置による測定
から前述のとおり求めたところ、2.2モル%であっ
た。
応槽に酢酸ビニル2850g、メタノール150gおよ
び酒石酸0.086gを仕込み、室温下に窒素ガスによ
るバブリングをしながら反応槽圧力を2.0MPaまで
昇圧して10分間放置した後、放圧するという操作を3
回繰り返して系中を窒素置換した。開始剤である2,2'
−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミ
ド) をメタノールに溶解した濃度0.1g/L溶液を
調製し、窒素ガスによるバブリングを行って窒素置換し
た。次いで、上記の反応槽の内温を145℃に昇温し
た。このときの反応槽圧力は1.0MPaであった。上
記の開始剤溶液15.0mlを反応槽に注入し、重合を
開始した。重合中は重合温度を145℃に維持し、上記
の開始剤溶液を15.8ml/hrで連続添加しながら
重合を実施した。重合中の反応槽圧力は1.0MPaで
あった。4時間後に冷却して重合を停止した。このとき
の固形分濃度は35%であった。次いで、30℃で減圧
下にメタノールを時々添加しながら未反応酢酸ビニルモ
ノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液
(濃度33%)を得た。得られた該ポリ酢酸ビニル溶液
にメタノールを加えて濃度が25%となるように調整し
たポリ酢酸ビニルのメタノール溶液400g(溶液中の
ポリ酢酸ビニル100g)に、40℃で11.6g(ポ
リ酢酸ビニル中の酢酸ビニル単位に対してモル比(M
R)0.025)のアルカリ溶液(NaOHの10%メ
タノール溶液)を添加してけん化を行った。アルカリ添
加後約3分でゲル化したものを粉砕器にて粉砕し、1時
間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル1000
gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフ
タレイン指示薬を用いて中和の終了を確認後、濾別して
得られた白色固体のPVAにメタノール1000gを加
えて室温で3時間放置洗浄した。上記洗浄操作を3回繰
り返した後、遠心脱液して得られたPVAを乾燥機中7
0℃で2日間放置して乾燥PVA(PVA−3)を得
た。得られたPVA(PVA−3)のけん化度は98モ
ル%であった。また、重合後未反応酢酸ビニルモノマー
を除去して得られたポリ酢酸ビニルのメタノール溶液を
アルカリモル比0.5でけん化した後、粉砕したものを
60℃で5時間放置してけん化を進行させた後、メタノ
ールによるソックスレー洗浄を3日間実施し、次いで8
0℃で3日間減圧乾燥を行って精製PVAを得た。該P
VAの平均重合度を常法のJIS K6726に準じて
測定したところ1000であった。該精製PVAの1,
2−グリコール結合量を500MHzプロトンNMR
(JEOL GX−500)装置による測定から前述の
とおり求めたところ、2.5モル%であった。
トルオートクレーブに、製造例1により得られたPVA
−1を1061g、イオン交換水19440g、 L
(+)酒石酸8.3g、酢酸ナトリウム10g、塩化第
一鉄0.4gを仕込み、95℃で完全に溶解し、その後
60℃に冷却し、窒素置換を行った。次に、酢酸ビニル
22360gを仕込んだ後、エチレンを45kg/cm
2まで加圧した。0.4%過酸化水素(HPO)水溶液
1000gを5時間かけて圧入し、乳化重合を行った。
残存酢酸ビニル濃度が10%となったところで、エチレ
ンを一部放出し、エチレン圧力20kg/cm2とし、
3%過酸化水素水溶液50gを圧入し、1時間熟成し
て、重合を完結させた。冷却後、10%水酸化ナトリウ
ム水溶液を230g添加してエマルジョンのpHを5.
5に調整し、60メッシュのステンレス製金網を用いて
ろ過した。その結果、固形分濃度54.5%、エチレン
含量18重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体エマル
ジョンが得られた。得られたエマルジョンのDLS平均
粒子径を大塚電子製ELS−8000により測定した。
また、得られたエマルジョンを20℃で製膜した皮膜
を、アセトンソックスレー抽出、続いて煮沸水抽出を行
い、マテリアル・バランスにより不溶分を算出した。得
られたエマルジョン100重量部に対し、ポリメチレン
ポリフェニルイソシアネート(日本ポリウレタン(株)
製、商品名:ミリオネートMR−100)30部を配合
し、水性高分子−イソシアネート系接着剤を調製した。
この接着剤の評価を前述の方法により行った。結果を表
1に示す。
で合成したPVA−2を用いた他は実施例1と同様にし
て水性エマルジョンおよび水性高分子−イソシアネート
系接着剤を調製した。得られた接着剤の評価を実施例1
と同様に行った。結果を表1に示す。
で合成したPVA−3を用いた他は実施例1と同様にし
て水性エマルジョンおよび水性高分子−イソシアネート
系接着剤を調製した。得られた接着剤の評価を実施例1
と同様に行った。結果を表1に示す。
4(重合度1700、けん化度98.5モル%、1,2
−グリコール結合量1.6モル%、(株)クラレ製PV
A−117)を用いた他は実施例1と同様にして水性エ
マルジョンおよび水性高分子−イソシアネート系接着剤
を調製した。得られた接着剤の評価を実施例1と同様に
行った。結果を表1に示す。
5(重合度1700、けん化度88モル%、1,2−グ
リコール結合量1.6モル%、(株)クラレ製PVA−
217)を用いた他は実施例1と同様にしてエマルジョ
ンおよび水性高分子−イソシアネート系接着剤を調製し
た。得られた接着剤の評価を実施例1と同様に行った。
結果を表1に示す。
接着強度に優れるだけでなく、耐溶剤性にも優れている
ことから、特に木質材の接着に好適に使用することがで
きる。また、本発明の接着剤組成物は、被着体となる木
材の種類に関係なく高い接着性を有することから、木工
用の接着剤として広範な用途に供することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 エチレン性不飽和単量体およびジエン系
単量体から選ばれる一種または二種以上の不飽和単量体
単位を有する重合体を分散質とし、1,2−グリコール
結合を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重合
体を分散剤とする、エマルジョン粒子の平均粒子径が2
μm以下である水性エマルジョン(A)、および多価イ
ソシアネート化合物(B)からなる接着剤組成物。 - 【請求項2】 エチレン性不飽和単量体およびジエン系
単量体から選ばれる一種または二種以上の不飽和単量体
単位を有する重合体が、ビニルエステル系単量体単位お
よびエチレン単位を有する重合体である請求項1記載の
接着剤組成物。 - 【請求項3】 水性エマルジョン(A)100重量部に
対する多価イソシアネート化合物(B)の割合が1〜10
0重量部である請求項1または2記載の接着剤組成物。 - 【請求項4】 水性エマルジョン(A)が、20℃で製
膜して皮膜にし、アセトンおよび煮沸水で抽出した際の
不溶分が40%以上であるという条件を満たすものであ
る請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
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---|---|---|---|
JP2001334735A JP2003138232A (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | 接着剤組成物 |
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JP2001334735A JP2003138232A (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | 接着剤組成物 |
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JP2003138232A true JP2003138232A (ja) | 2003-05-14 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2003138232A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006104275A (ja) * | 2004-10-04 | 2006-04-20 | Kuraray Co Ltd | 接着剤 |
-
2001
- 2001-10-31 JP JP2001334735A patent/JP2003138232A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006104275A (ja) * | 2004-10-04 | 2006-04-20 | Kuraray Co Ltd | 接着剤 |
JP4731868B2 (ja) * | 2004-10-04 | 2011-07-27 | 株式会社クラレ | 接着剤 |
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