JP2003138232A - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

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JP2003138232A
JP2003138232A JP2001334735A JP2001334735A JP2003138232A JP 2003138232 A JP2003138232 A JP 2003138232A JP 2001334735 A JP2001334735 A JP 2001334735A JP 2001334735 A JP2001334735 A JP 2001334735A JP 2003138232 A JP2003138232 A JP 2003138232A
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尚清 猪俣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期接着性、接着強度、耐溶剤性等に優れ、
特に木質材の接着に有用な接着剤組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 エチレン性不飽和単量体およびジエン系
単量体から選ばれる一種または二種以上の不飽和単量体
単位を有する重合体を分散質とし、1,2−グリコール
結合を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重合
体を分散剤とする、エマルジョン粒子の平均粒子径が2
μm以下である水性エマルジョン(A)、および多価イ
ソシアネート化合物(B)からなる接着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は接着剤組成物に関
し、さらに詳しくは、本発明は初期接着性、接着強度、
耐溶剤性等に優れ、特に木質材の接着に有用な接着剤組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】水性高分子であるポリビニルアルコール
およびイソシアネート化合物を主成分とする水性高分子
−イソシアネート系接着剤は、従来のアミノプラスト系
接着剤とは異なりホルムアルデヒドの発生がなく、常温
で比較的短時間圧締するだけで、極めて高い接着強度お
よび耐水性が得られることから、木工用接着剤として有
用であることが知られている(例えば、特開昭48−9
4739号公報、同50−69139号公報)。これと
は別の種類の水性高分子−イソシアネート系接着剤とし
て、アリルアルコール、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、N−メチロールアクリルアミド等の水酸基含有単
量体と酢酸ビニルなどとの共重合体エマルジョンおよび
2価イソシアネート化合物からなる水性接着剤組成物
(特開昭49−26346号公報)や、ポリビニルアルコ
ールを分散剤(保護コロイド)としたポリ酢酸ビニルエマ
ルジョンおよび多価イソシアネート化合物からなる耐水
性接着剤組成物(特開平3−33178号公報)が提案さ
れている。さらに、ポリビニルアルコールで安定化され
たエマルジョンポリマーからなり、該エマルジョンポリ
マーが、第一段階で10〜40℃の範囲内のガラス転移
温度を有する酢酸ビニルコポリマーを製造し、第二段階
で50〜120℃のガラス転移温度を有するメチルメタ
クリレートコポリマーを製造する2段階重合法によって
製造され、酢酸ビニルコポリマーとメチルメタクリレー
トコポリマーとの比率が10:1〜10:6の範囲であ
る接着剤が提案されている(特開平2−302485号
公報)。
【0003】近年、接着する対象の範囲が拡大してお
り、そのために、その接着の対象となる被着体によって
は、初期接着力が低いために、乾燥に時間がかかって、
作業性が低下する場合があり、このような不満を解消す
るために、接着剤の接着性能レベルおよびハンドリング
性を向上させる必要が生じている。また、被着体に溶剤
系塗料を塗布するような場合には、被着体の溶剤系塗料
に対する耐溶剤性が十分でない場合があるので、そのよ
うな不満を解消することが求められるようになってきて
おり、さらには、木材の種類にかかわりなく高い接着強
度が求められるようになってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような状況下、本
発明は初期接着性、接着強度、耐溶剤性等に優れた水性
高分子−イソシアネート系の接着剤組成物を提供するこ
とを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、エチレン性不飽和単量体およびジエン系
単量体から選ばれる一種または二種以上の不飽和単量体
単位を有する重合体を分散質とし、1,2−グリコール
結合を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重合
体を分散剤とする、エマルジョン粒子の平均粒子径が2
μm以下である水性エマルジョン(A)、および多価イ
ソシアネート化合物(B)からなる接着剤組成物が上記目
的を満足するものであることを見出し、本発明を完成す
るにいたった。
【発明の実施の形態】
【0006】本発明の接着剤組成物に用いられる水性エ
マルジョン(A)は、1,2−グリコール結合を1.7
モル%以上有するビニルアルコール系重合体を分散剤と
する。ビニルアルコール系重合体は、1,2−グリコー
ル結合の含有量が1.7モル%以上であることが必要で
あり、より好ましくは1.8モル%以上、さらに好まし
くは1.9モル%以上である。1,2−グリコール結合
の含有量が1.7モル%未満の場合、水性エマルジョン
の水溶性が低下する。また、1,2−グリコール結合の
含有量は4モル%以下であることが好ましく、さらに好
ましくは3.5モル%以下、最適には3.2モル%以下
である。ここで、ビニルアルコール系重合体に含まれる
1,2−グリコール結合の量は、NMRスペクトルを解析
することにより求めることができる。1,2−グリコー
ル結合を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重
合体は、ビニルエステル系単量体を重合するに際し、重
合器内にビニルエステル系単量体もしくは溶媒の蒸気を
導入するか、または外部より非凝縮性気体を導入したの
ち、加圧し、反応液の沸点よりも高い温度でビニルエス
テル系単量体を重合し、得られるビニルエステル系重合
体を定法にしたがってけん化することにより得ることが
できる。
【0007】ビニルエステル系単量体としては、蟻酸ビ
ニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビ
ニルなどが挙げられ、特に酢酸ビニルが好ましく用いら
れる。
【0008】ビニルエステル系単量体を重合するに際
し、本発明の効果を損なわない範囲で、ビニルエステル
系単量体と共重合可能なエチレン性不飽和単量体を共重
合してもよい。このようなエチレン性不飽和単量体とし
ては、例えば、エチレン、プロピレン、アクリル酸、メ
タクリル酸、フマル酸、(無水)マレイン酸、(無水)
イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3
−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニ
ウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸またはそのナトリウム塩、エチルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩
化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデ
ン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニ
ルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム
などが挙げられる。また、チオール酢酸、メルカプトプ
ロピオン酸などのチオール化合物の存在下で、酢酸ビニ
ルなどのビニルエステル系単量体を重合し、得られるビ
ニルエステル系重合体をけん化することによって得られ
る末端変性されたビニルアルコール系重合体であっても
用いることができる。
【0009】ビニルアルコール系重合体のけん化度につ
いて特に制限はないが、通常70モル%以上であり、よ
り好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは85モ
ル%以上である。けん化度が70モル%未満の場合に
は、ビニルアルコール系重合体が本来有している性質で
ある水溶性が低下する懸念がある。ビニルアルコール系
重合体の重合度についても特に制限はないが、通常10
0〜8000の範囲であり、より好ましくは300〜3
000の範囲である。重合度が100未満の場合には、
水溶性樹脂としてのビニルアルコール系重合体の特徴が
発揮されることがなく、一方、8000を超える場合に
は、ビニルアルコール系重合体の工業的な製造に困難を
伴う。
【0010】本発明の接着剤組成物に用いられる水性エ
マルジョン(A)は、エチレン性不飽和単量体およびジ
エン系単量体から選ばれる一種または二種以上の不飽和
単量体単位を有する重合体を分散質とする。エチレン性
不飽和単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブ
チレンなどのオレフィン、塩化ビニル、フッ化ビニル、
ビニリデンクロリド、ビニリデンフルオリドなどのハロ
ゲン化オレフィン、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどのビニルエステル、
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−ヒドロ
キシエチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、
メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸
エステル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリ
ル酸ジメチルアミノエチルまたはこれらの四級化物、ア
クリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアク
リルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸またはそのナ
トリウム塩などのアクリルアミド系単量体、スチレン、
α−メチルスチレン、p−スチレンスルホン酸またはこ
れらのナトリウム塩もしくはカリウム塩、N−ビニルピ
ロリドンなどが挙げられる。また、ジエン系単量体とし
ては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジ
エン系単量体が挙げられる。これらのエチレン性不飽和
単量体およびジエン系単量体は一種または二種以上を用
いることができる。
【0011】上記エチレン性不飽和単量体の中でも、ビ
ニルエステル系単量体、およびエチレンとビニルエステ
ル系単量体との併用が好適である。ビニルエステル系単
量体としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、ピバリン酸ビニルなどが挙げられ、特に酢酸ビ
ニルが好ましい。
【0012】本発明において用いられる水性エマルジョ
ン(A)の製法は特に限定されないが、例えば1,2−
グリコール結合を1.7モル%以上有するビニルアルコ
ール系重合体の水溶液を分散剤として用い、エチレン性
不飽和単量体およびジエン系単量体から選ばれる少なく
とも一種の不飽和単量体を一時にまたは連続的に添加し
て、アゾ系重合開始剤または過酸化水素、過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸カリウム等の過酸化物系重合開始剤の存
在下に乳化重合する方法が挙げられる。
【0013】1,2−グリコール結合を1.7モル%以
上有するビニルアルコール系重合体の使用量について特
に制限はないが、エチレン性不飽和単量体およびジエン
系単量体から選ばれる少なくとも一種の不飽和単量体単
位を含有する重合体100重量部に対して好ましくは1
〜15重量部であり、より好ましくは2〜13重量部で
ある。ビニルアルコール系重合体の使用量が1重量部未
満の場合には、重合安定性が低下する恐れがあり、15
重量部を超える場合には、得られるエマルジョンの放置
安定性が低下することがある。
【0014】本発明において用いられる水性エマルジョ
ン(A)は、含まれるエマルジョン粒子の平均粒子径が
2μm以下であることが必須であり、好ましくは1.7
μm以下、より好ましくは1.5μm以下である。エマ
ルジョン粒子の平均粒子径が2μmを超える場合には、
得られる接着剤組成物の耐煮沸接着強度が低下する懸念
がある。エマルジョン粒子の平均粒子径は動的光散乱法
により測定することができ、その測定は、例えば、大塚
電子(株)製のレーザーゼータ電位計ELS−8000
等を用いて行うことができる。
【0015】本発明の接着剤組成物は、水性エマルジョ
ン(A)が、20℃で製膜して皮膜にし、これをアセト
ンおよび煮沸水で抽出した際の不溶分が40%以上、好
ましくは45%以上、より好ましくは50%以上である
という条件を満たしていることが好ましい。抽出後の不
溶分が40%未満の場合、得られる接着剤組成物の耐溶
剤性が低下する懸念がある。
【0016】本発明の接着剤組成物において、水性エマ
ルジョン(A)は、必要に応じて、従来公知のアニオン
性、ノニオン性またはカチオン性の界面活性剤のほか、
従来公知のポリビニルアルコール、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分
子を含有していても差し支えない。
【0017】本発明において用いられる多価イソシアネ
ート化合物(B)は、分子中に2個以上のイソシアネー
ト基を有するものであり、例えば、トリレンジイソシア
ネート(TDI);水素化TDI;トリメチロールプロ
パン−TDIアダクト(例えば、バイエル社製商品名:
Desmodur L);トリフェニルメタントリイソ
シアネート;メチレンビスジフェニルイソシアネート
(MDI);水素化MDI;重合MDI;ヘキサメチレ
ンジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート;
4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート;イ
ソホロンジイソシアネート等が挙げられる。その他、ポ
リオールに過剰のポリイソシアネートで予めポリマー化
した末端基がイソシアネート基を持つプレポリマーを用
いてもよい。
【0018】本発明の接着剤組成物は、水性エマルジョ
ン(A)100重量部に対して、固形分換算で、多価イ
ソシアネート化合物(B)を好ましくは1〜100重量
部、より好ましくは2〜80重量部、さらに好ましくは
3〜50重量部で含有する。多価イソシアネート化合物
の配合量が1重量部未満であると、常態接着強度、耐煮
沸接着強度が低くなる懸念があり、一方、100重量部
を超えると、多価イソシアネート化合物を配合した後に
おける接着剤組成物のポットライフが短くなる懸念があ
る。
【0019】本発明の接着剤組成物は、本発明の効果を
損なわない範囲であれば、従来公知のポリビニルアルコ
ール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース等の水溶性高分子、および各種エマルジョン
を含有することができる。
【0020】このほか、本発明の接着剤組成物は、必要
に応じて、クレー、カオリン、タルク、炭酸カルシウ
ム、木粉等の充填剤、小麦粉等の増量剤、ホウ酸、硫酸
アルミニウム等の反応促進剤、酸化チタン等の顔料、防
腐剤、防錆剤等の各種添加剤を含有することができる。
【0021】本発明の接着剤組成物は、各種の被着体の
接着に使用することができるが、特に木材の接着に好適
に用いられる。接着剤組成物の塗布量は各種の使用態様
に応じて適宜選定すればよい。接着剤組成物の塗布方法
としては、ハケによる塗工、ロールによる塗工などが挙
げられる。接着剤を塗布した後の乾燥は、室温から20
0℃での加熱乾燥によってなしうるが、室温下での乾燥
によっても十分な接着力が発現する。本発明の接着剤組
成物を被着体に塗布し、圧締した後の乾燥時間は、30
分間から5時間程度が好ましい。圧締時の圧力として
は、5〜20kg/cmの範囲で選択され、被着体が
硬い木材である場合には圧締の圧力は高い方が好まし
く、被着体が柔らかい木材である場合には木材が破壊し
ない程度の高い圧力が好ましい。
【0022】本発明の接着剤組成物は被着体の種類に関
係なく高い接着強度が得られることが特徴であり、木材
種には特に制限はないが、例えば、カバ,ツガ,杉,ラ
ワン,ケヤキ、ペルポック、ゴム、オークなどの木材種
に好適に適用される。
【0023】
【実施例】以下に実施例および比較例をあげて本発明を
さらに具体的に説明する。また、以下の実施例および比
較例において、「部」および「%」は特に断りのない限
り重量基準を示す。実施例および比較例において、水性
高分子−イソシアネート系接着剤の評価は以下のように
して行った。 1.接着試験 以下の条件を用いて、各種の接着試験を行った。 塗布量:250g/m(両面塗布) 堆積時間:1分 圧締条件:20℃,24時間,圧力10kg/m(常
態強度、煮沸繰返し試験片のみ) JIS K−6852により圧縮剪断接着強度を測定 常態強度:20℃で7日間養生後そのままの状態で測
定 煮沸繰返し:20℃で7日間養生後、試験片を煮沸水
中に4時間浸漬した後、60℃の空気中で20時間乾燥
し、さらに煮沸水中に4時間浸漬してから、室温の水中
に冷めるまで浸し、濡れたままの状態で試験に供した。 初期接着性:貼りあわせ後、20℃で10kg/m
の圧力で10分間圧締し、直ちに圧縮剪断接着強度を測
定 2.耐溶剤性 前項1で接着した被着体(カバ材)を7日間養生後、被
着体にアセトンを塗布し、接着部位の変化を目視により
観察した。結果を以下の基準により示す。 ○変化なし、△やや白化、×白化
【0024】製造例1 攪拌機、窒素導入口、開始剤導入口を備えた5L加圧反
応槽に酢酸ビニル2940g、メタノール60gおよび
酒石酸0.088gを仕込み、室温下に窒素ガスによる
バブリングをしながら反応槽圧力を2.0MPaまで昇
圧して10分間放置した後、放圧するという操作を3回
繰り返して系中を窒素置換した。開始剤である2,2'−
アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(V
−40)をメタノールに溶解して濃度0.2g/Lの溶
液を調製し、窒素ガスによるバブリングを行って窒素置
換した。次いで、上記の反応槽の内温を120℃に昇温
した。このときの反応槽圧力は0.5MPaであった。
上記の開始剤溶液2.5mlを反応槽に注入し、重合を
開始した。重合中は重合温度を120℃に維持し、上記
の開始剤溶液を10.0ml/hrで連続添加しながら
重合を実施した。重合中の反応槽圧力は0.5MPaで
あった。3時間後に冷却して重合を停止した。このとき
の固形分濃度は24%であった。次いで、30℃で減圧
下にメタノールを時々添加しながら未反応酢酸ビニルモ
ノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液
(濃度33%)を得た。得られた該ポリ酢酸ビニル溶液
にメタノールを加えて濃度が25%となるように調整し
たポリ酢酸ビニルのメタノール溶液400g(溶液中の
ポリ酢酸ビニル100g)に、40℃で11.6g(ポ
リ酢酸ビニル中の酢酸ビニル単位に対してモル比(M
R)0.025)のアルカリ溶液(NaOHの10%メ
タノール溶液)を添加してけん化を行った。アルカリ添
加後約2分で系がゲル化したものを粉砕器にて粉砕し、
1時間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル10
00gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノー
ルフタレイン指示薬を用いて中和の終了を確認後、濾別
して得られた白色固体のPVAにメタノール1000g
を加えて室温で3時間放置洗浄した。上記洗浄操作を3
回繰り返した後、遠心脱液して得られたPVAを乾燥機
中70℃で2日間放置して乾燥PVA(PVA−1)を
得た。得られたPVA(PVA−1)のけん化度は98
モル%であった。また、重合後未反応酢酸ビニルモノマ
ーを除去して得られたポリ酢酸ビニルのメタノール溶液
をアルカリモル比0.5でけん化して、粉砕したものを
60℃で5時間放置してけん化を進行させた後、メタノ
ールによるソックスレー洗浄を3日間実施し、次いで8
0℃で3日間減圧乾燥を行って精製PVAを得た。該P
VAの平均重合度を常法のJIS K6726に準じて
測定したところ1700であった。該精製PVAの1,
2−グリコール結合量を500MHzプロトンNMR
(JEOL GX−500)装置による測定から前述の
とおり求めたところ、2.2モル%であった。
【0025】製造例2 攪拌機、窒素導入口、開始剤導入口を備えた5L加圧反
応槽に酢酸ビニル2940g、メタノール60gおよび
酒石酸0.088gを仕込み、室温下に窒素ガスによる
バブリングをしながら反応槽圧力を2.0MPaまで昇
圧して10分間放置した後、放圧するという操作を3回
繰り返して系中を窒素置換した。開始剤である2,2'−
アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(V
−40)をメタノールに溶解した濃度0.2g/L溶液
を調製し、窒素ガスによるバブリングを行って窒素置換
した。次いで、上記の反応槽の内温を120℃に昇温し
た。このときの反応槽圧力は0.5MPaであった。上
記の開始剤溶液2.5mlを反応槽に注入し、重合を開
始した。重合中は重合温度を120℃に維持し、上記の
開始剤溶液を10.0ml/hrで連続添加しながら重
合を実施した。重合中の反応槽圧力は0.5MPaであ
った。3時間後に冷却して重合を停止した。このときの
固形分濃度は24%であった。次いで、30℃で減圧下
にメタノールを時々添加しながら未反応酢酸ビニルモノ
マーの除去を行い、ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液
(濃度33%)を得た。得られた該ポリ酢酸ビニル溶液
にメタノールを加えて濃度が25%となるように調整し
たポリ酢酸ビニルのメタノール溶液400g(溶液中の
ポリ酢酸ビニル100g)に、40℃で2.3g(ポリ
酢酸ビニル中の酢酸ビニル単位に対してモル比(MR)
0.005)のアルカリ溶液(NaOHの10%メタノ
ール溶液)と水1.4gを添加してけん化を行った。ア
ルカリ添加後約20分で系がゲル化したものを粉砕器に
て粉砕し、1時間放置してけん化を進行させた後、酢酸
メチル1000gを加えて残存するアルカリを中和し
た。フェノールフタレイン指示薬を用いて中和の終了を
確認後、濾別して得られた白色固体のPVAにメタノー
ル1000gを加えて室温で3時間放置洗浄した。上記
洗浄操作を3回繰り返した後、遠心脱液して得られたP
VAを乾燥機中70℃で2日間放置して乾燥PVA(P
VA−2)を得た。得られたPVA(PVA−2)のけ
ん化度は88モル%であった。また、重合後未反応酢酸ビ
ニルモノマーを除去して得られたポリ酢酸ビニルのメタ
ノール溶液をアルカリモル比0.5でけん化して、粉砕
したものを60℃で5時間放置してけん化を進行させた
後、メタノールによるソックスレー洗浄を3日間実施
し、次いで80℃で3日間減圧乾燥を行って精製PVA
を得た。該PVAの平均重合度を常法のJIS K67
26に準じて測定したところ1700であった。該精製
PVAの1,2−グリコール結合量を500MHz プロ
トンNMR(JEOL GX−500)装置による測定
から前述のとおり求めたところ、2.2モル%であっ
た。
【0026】製造例3 攪拌機、窒素導入口、開始剤導入口を備えた5L加圧反
応槽に酢酸ビニル2850g、メタノール150gおよ
び酒石酸0.086gを仕込み、室温下に窒素ガスによ
るバブリングをしながら反応槽圧力を2.0MPaまで
昇圧して10分間放置した後、放圧するという操作を3
回繰り返して系中を窒素置換した。開始剤である2,2'
−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミ
ド) をメタノールに溶解した濃度0.1g/L溶液を
調製し、窒素ガスによるバブリングを行って窒素置換し
た。次いで、上記の反応槽の内温を145℃に昇温し
た。このときの反応槽圧力は1.0MPaであった。上
記の開始剤溶液15.0mlを反応槽に注入し、重合を
開始した。重合中は重合温度を145℃に維持し、上記
の開始剤溶液を15.8ml/hrで連続添加しながら
重合を実施した。重合中の反応槽圧力は1.0MPaで
あった。4時間後に冷却して重合を停止した。このとき
の固形分濃度は35%であった。次いで、30℃で減圧
下にメタノールを時々添加しながら未反応酢酸ビニルモ
ノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液
(濃度33%)を得た。得られた該ポリ酢酸ビニル溶液
にメタノールを加えて濃度が25%となるように調整し
たポリ酢酸ビニルのメタノール溶液400g(溶液中の
ポリ酢酸ビニル100g)に、40℃で11.6g(ポ
リ酢酸ビニル中の酢酸ビニル単位に対してモル比(M
R)0.025)のアルカリ溶液(NaOHの10%メ
タノール溶液)を添加してけん化を行った。アルカリ添
加後約3分でゲル化したものを粉砕器にて粉砕し、1時
間放置してけん化を進行させた後、酢酸メチル1000
gを加えて残存するアルカリを中和した。フェノールフ
タレイン指示薬を用いて中和の終了を確認後、濾別して
得られた白色固体のPVAにメタノール1000gを加
えて室温で3時間放置洗浄した。上記洗浄操作を3回繰
り返した後、遠心脱液して得られたPVAを乾燥機中7
0℃で2日間放置して乾燥PVA(PVA−3)を得
た。得られたPVA(PVA−3)のけん化度は98モ
ル%であった。また、重合後未反応酢酸ビニルモノマー
を除去して得られたポリ酢酸ビニルのメタノール溶液を
アルカリモル比0.5でけん化した後、粉砕したものを
60℃で5時間放置してけん化を進行させた後、メタノ
ールによるソックスレー洗浄を3日間実施し、次いで8
0℃で3日間減圧乾燥を行って精製PVAを得た。該P
VAの平均重合度を常法のJIS K6726に準じて
測定したところ1000であった。該精製PVAの1,
2−グリコール結合量を500MHzプロトンNMR
(JEOL GX−500)装置による測定から前述の
とおり求めたところ、2.5モル%であった。
【0027】実施例1 窒素吹き込み口、温度計、撹拌機を備えた耐圧50リッ
トルオートクレーブに、製造例1により得られたPVA
−1を1061g、イオン交換水19440g、 L
(+)酒石酸8.3g、酢酸ナトリウム10g、塩化第
一鉄0.4gを仕込み、95℃で完全に溶解し、その後
60℃に冷却し、窒素置換を行った。次に、酢酸ビニル
22360gを仕込んだ後、エチレンを45kg/cm
まで加圧した。0.4%過酸化水素(HPO)水溶液
1000gを5時間かけて圧入し、乳化重合を行った。
残存酢酸ビニル濃度が10%となったところで、エチレ
ンを一部放出し、エチレン圧力20kg/cmとし、
3%過酸化水素水溶液50gを圧入し、1時間熟成し
て、重合を完結させた。冷却後、10%水酸化ナトリウ
ム水溶液を230g添加してエマルジョンのpHを5.
5に調整し、60メッシュのステンレス製金網を用いて
ろ過した。その結果、固形分濃度54.5%、エチレン
含量18重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体エマル
ジョンが得られた。得られたエマルジョンのDLS平均
粒子径を大塚電子製ELS−8000により測定した。
また、得られたエマルジョンを20℃で製膜した皮膜
を、アセトンソックスレー抽出、続いて煮沸水抽出を行
い、マテリアル・バランスにより不溶分を算出した。得
られたエマルジョン100重量部に対し、ポリメチレン
ポリフェニルイソシアネート(日本ポリウレタン(株)
製、商品名:ミリオネートMR−100)30部を配合
し、水性高分子−イソシアネート系接着剤を調製した。
この接着剤の評価を前述の方法により行った。結果を表
1に示す。
【0028】実施例2 実施例1で用いたPVA−1を用いる代わりに製造例2
で合成したPVA−2を用いた他は実施例1と同様にし
て水性エマルジョンおよび水性高分子−イソシアネート
系接着剤を調製した。得られた接着剤の評価を実施例1
と同様に行った。結果を表1に示す。
【0029】実施例3 実施例1で用いたPVA−1を用いる代わりに製造例3
で合成したPVA−3を用いた他は実施例1と同様にし
て水性エマルジョンおよび水性高分子−イソシアネート
系接着剤を調製した。得られた接着剤の評価を実施例1
と同様に行った。結果を表1に示す。
【0030】比較例1 実施例1で用いたPVA−1を用いる代わりにPVA−
4(重合度1700、けん化度98.5モル%、1,2
−グリコール結合量1.6モル%、(株)クラレ製PV
A−117)を用いた他は実施例1と同様にして水性エ
マルジョンおよび水性高分子−イソシアネート系接着剤
を調製した。得られた接着剤の評価を実施例1と同様に
行った。結果を表1に示す。
【0031】比較例2 実施例1で用いたPVA−1を用いる代わりにPVA−
5(重合度1700、けん化度88モル%、1,2−グ
リコール結合量1.6モル%、(株)クラレ製PVA−
217)を用いた他は実施例1と同様にしてエマルジョ
ンおよび水性高分子−イソシアネート系接着剤を調製し
た。得られた接着剤の評価を実施例1と同様に行った。
結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明の接着剤組成物は、初期接着力、
接着強度に優れるだけでなく、耐溶剤性にも優れている
ことから、特に木質材の接着に好適に使用することがで
きる。また、本発明の接着剤組成物は、被着体となる木
材の種類に関係なく高い接着性を有することから、木工
用の接着剤として広範な用途に供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 BA03 DB03 DE04 DP17 HA07 HC03 HC12 HC17 HC52 HC71 HC73 QC05 RA08 4J040 CA032 DD021 EF181 EF251 EF281 EF291 EF301 GA03 GA05 GA14 GA19 GA22 GA25 JA03 JB03 KA42 LA01 LA06 LA07 MA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン性不飽和単量体およびジエン系
    単量体から選ばれる一種または二種以上の不飽和単量体
    単位を有する重合体を分散質とし、1,2−グリコール
    結合を1.7モル%以上有するビニルアルコール系重合
    体を分散剤とする、エマルジョン粒子の平均粒子径が2
    μm以下である水性エマルジョン(A)、および多価イ
    ソシアネート化合物(B)からなる接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 エチレン性不飽和単量体およびジエン系
    単量体から選ばれる一種または二種以上の不飽和単量体
    単位を有する重合体が、ビニルエステル系単量体単位お
    よびエチレン単位を有する重合体である請求項1記載の
    接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 水性エマルジョン(A)100重量部に
    対する多価イソシアネート化合物(B)の割合が1〜10
    0重量部である請求項1または2記載の接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 水性エマルジョン(A)が、20℃で製
    膜して皮膜にし、アセトンおよび煮沸水で抽出した際の
    不溶分が40%以上であるという条件を満たすものであ
    る請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
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