JP2003138082A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

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JP2003138082A
JP2003138082A JP2001341869A JP2001341869A JP2003138082A JP 2003138082 A JP2003138082 A JP 2003138082A JP 2001341869 A JP2001341869 A JP 2001341869A JP 2001341869 A JP2001341869 A JP 2001341869A JP 2003138082 A JP2003138082 A JP 2003138082A
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vinyl chloride
zinc
salt
calcium
isocyanuric acid
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JP2001341869A
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Toshiaki Yamaguchi
俊昭 山口
Hiroaki Kiuchi
宏明 木内
Junji Nakagi
潤二 中木
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Shikoku Chemicals Corp
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Shikoku Chemicals Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低毒性であって、且つ熱安定性に優れた塩化
ビニル系樹脂組成物を提供することを目的とする。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂に対して、イソシアヌ
ル酸の亜鉛塩及び/またはイソシアヌル酸のカルシウム
塩を配合した塩化ビニル系樹脂組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、新規な塩化ビニ
ル系樹脂組成物に関する。更に詳しくは、塩化ビニル系
樹脂の加工時に優れた熱安定性を示す塩化ビニル系樹脂
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビニルや塩化ビニルをコモノマ
ーとして含む共重合体等の塩化ビニル系樹脂は、各種の
優れた性質を有しており、土木材料、建築材料、電気材
料などの広範な分野で利用されている。しかしながら、
塩化ビニル系樹脂は成形加工時に高温に曝されると、脱
塩化水素を伴う熱分解が発生し、所謂ポリエン構造を生
成して、着色を伴う劣化を起こす難点がある。この問題
点を改善するために、種々の安定剤を添加して塩化ビニ
ル系樹脂の熱安定性を改善する試みが行われている。
【0003】この安定剤として、鉛化合物、錫化合物、
Ca−Zn系金属石鹸類などが知られている。上記安定
剤の中では、鉛化合物が特に熱安定性を改善する作用に
優れており、低価格であることから工業的に広く使用さ
れてきたが、近年、鉛の持つ毒性が問題になり、非鉛系
の安定剤が望まれている。
【0004】また、錫化合物も優れた熱安定化効果を備
えているが、その臭気による作業環境上の問題や成形機
への粘着性が強いため、多量の滑剤を必要とするなどの
問題点が指摘されている。
【0005】これに対して、Ca−Zn系金属石鹸は毒
性が少なく、鉛化合物に替わる安定剤として注目されて
いるが、単独で使用した場合には、ジンクバーニングと
呼ばれる加熱成形時の着色(黒化現象)が起るため、安
定助剤として多価アルコールを併用してジンクバーニン
グを防いでいる。しかしながら、安定剤としてCa−Z
n系金属石鹸を用いた配合処方では、未だ満足すべき熱
安定性が達成されていない。また、金属石鹸系安定剤や
多価アルコールは、塩化ビニル系樹脂との相溶性に乏し
い為、加工時に溶融した樹脂から配合成分の一部が樹脂
と接触している加工機の金属面に移行する、所謂プレー
トアウトと称される現象を起こす問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低毒性であ
って且つ熱安定性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、塩化ビニル
系樹脂に配合する安定剤として、イソシアヌル酸のカル
シウム塩及び/または亜鉛塩を使用することにより、塩
化ビニル系樹脂に優れた熱安定化性を付与できることを
見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、以下に
示す2項より構成される。 (1)塩化ビニル系樹脂に対して、イソシアヌル酸のカ
ルシウム塩及び/またはイソシアヌル酸の亜鉛塩を配合
することを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物。 (2)塩化ビニル系樹脂に対して、イソシアヌル酸のカ
ルシウム塩及び/またはイソシアヌル酸の亜鉛塩ならび
に3価以上の多価アルコールを配合することを特徴とす
る塩化ビニル系樹脂組成物。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において使用する安定剤と
してのイソシアヌル酸のカルシウム塩及びイソシアヌル
酸の亜鉛塩は、イソシアヌル酸中の3個のH原子の少な
くとも1個をカルシウムまたは亜鉛原子で置換したイソ
シアヌル酸の金属塩である。
【0009】これらの金属塩はイソシアヌル酸のモノナ
トリウム塩、ジナトリウム塩またはトリナトリウム塩
と、カルシウムまたは亜鉛の塩化物もしくは硫酸塩など
の水溶性塩とを水溶液中で反応させることにより沈殿と
して析出させ、この沈殿物を濾過、乾燥、粉砕すること
によって容易に得ることができる。
【0010】イソシアヌル酸金属塩の製法の一例を反応
式で示すと次のとおりである。但し、式中C
Na、CHNa、CNa
は、それぞれイソシアヌル酸のモノナトリウム塩、ジナ
トリウム塩、トリナトリウム塩を表す。また、M2+
2価のCaまたはZn金属イオンを表す。 2(C3N3O3H2Na) + M2+ → (C3N3O3H2)2M + 2Na+ C3N3O3HNa2 + M2+ → C3N3O3HM + 2Na+ 2(C3N3O3Na3) + 3M2+ → (C3N3O3)2M3 + 6Na+
【0011】本発明で使用する安定剤は、イソシアヌル
酸のカルシウム塩または亜鉛塩の少なくともどちらか一
方を必須成分とするものである。また安定剤として、イ
ソシアヌル酸のカルシウム塩以外のカルシウム塩または
イソシアヌル酸の亜鉛塩以外の亜鉛塩を併用することが
できる。なお、イソシアヌル酸のカルシウム塩と、それ
以外の例えば有機酸のカルシウム塩を広義のカルシウム
化合物と総称し、同様にイソシアヌル酸の亜鉛塩と、そ
れ以外の例えば有機酸の亜鉛塩を亜鉛化合物と総称すれ
ば、カルシウム化合物と亜鉛化合物は併用されなければ
ならない。
【0012】即ち、カルシウム化合物としてイソシアヌ
ル酸のカルシウム塩を使用する場合には、亜鉛化合物と
してはイソシアヌル酸の亜鉛塩または有機酸の亜鉛塩が
使用できる。また、カルシウム化合物として有機酸のカ
ルシウム塩を使用する場合には、亜鉛化合物はイソシア
ヌル酸の亜鉛塩でなければならない。上記の有機酸とし
ては、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、ウンデカン
酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ナフ
テン酸などの有機酸が挙げられ、これらのカルシウム塩
および亜鉛塩は、所謂Ca−Zn系金属石鹸と称されて
いるものである。また、カルシウム化合物と亜鉛化合物
の混合割合は、重量比で1:0.2〜1:5の割合にす
べきである。
【0013】塩化ビニル系樹脂に対する添加量は、樹脂
100重量部に対してカルシウム化合物と亜鉛化合物の
混合物を1〜5重量部用いる。また、安定助剤として3
価以上の多価アルコールを併用することによって、本発
明による塩化ビニル系樹脂の熱安定性をさらに高めるこ
とができる。3価以上の多価アルコ−ルとしては、1,
3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ
ート、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル、トリメチロールプロパンなどが使用できる。上記多
価アルコールの添加量は、樹脂100重量部に対して
0.5〜5重量部が好ましい。
【0014】また、前記の亜鉛化合物、カルシウム化合
物および3価以上の多価アルコール以外に、必要に応じ
てジオクチルフタレートなどに代表される可塑剤、顔
料、充填剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、光安定剤、酸
化防止剤等、通常の塩化ビニル系樹脂に使用される添加
剤を配合してもよい。
【0015】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限され
るものではない。なお、実施例および比較例において使
用した原料および評価試験方法は、次のとおりである。
【0016】[原料] ・ポリ塩化ビニル樹脂(日本ゼオン製、「グレード103E
P」) ・ジオクチルフタレート(和光純薬工業製) ・イソシアヌル酸の金属塩:参考例1〜6に示した方法
により合成した。 ・ステアリン酸カルシウム(和光純薬工業製) ・ステアリン酸亜鉛(和光純薬工業製) ・1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシ
アヌレート(四国化成工業製、以下THEICと略記す
る)
【0017】[熱安定性試験]2cm×10cm×5m
m(厚さ)の試験片を、160℃に加熱したギアーオー
ブン老化試験機中に入れ、時間経過に対する着色の程度
を目視で観測し熱安定性を評価した。着色度合いの判定
は、以下の3段階にて評価した。 ○=変化なし、△=ジンクバーニングによる黒点の出
現、×=試験片全体が黒変
【0018】[参考例1] (CCaの合成 苛性ソーダ40g(1モル)を溶かした水4L中に、イ
ソシアヌル酸129g(1モル)を加え、80℃に加熱
してイソシアヌル酸を完全に溶解させた。この溶液に塩
化カルシウムの20%水溶液275g(塩化カルシウム
として0.5モル)を攪拌しながら加え、30分間加熱
を継続した後、室温まで冷却して生じた沈殿を濾別、水
洗して乾燥(100℃)させた。収量126g(収率8
5%)
【0019】[参考例2] CHCaの合成 塩化カルシウムの20%水溶液550g(塩化カルシウ
ムとして1モル)を使用した以外は、参考例1と同様に
して行った。収量150g(収率90%)
【0020】[参考例3] (CCaの合成 塩化カルシウムの20%水溶液824g(塩化カルシウ
ムとして1.5モル)を使用した以外は、参考例1と同
様にして行った。収量162g(収率87%)
【0021】[参考例4] (CZnの合成 硫酸亜鉛の20%水溶液404g(硫酸亜鉛として0.
5モル)を使用した以外は、参考例1と同様にして行っ
た。収量145g(収率90%)
【0022】[参考例5] CHZnの合成 硫酸亜鉛の20%水溶液807g(硫酸亜鉛として1モ
ル)を使用した以外は、参考例1と同様にして行った。
収量154g(収率80%)
【0023】[参考例6] (CZnの合成 硫酸亜鉛の20%水溶液1211g(硫酸亜鉛として
1.5モル)を使用した以外は、参考例1と同様にして
行った。収量184g(収率82%)
【0024】[実施例1〜7、比較例1]ビーカー中に
表1記載の原料をその配合組成で計り取り、充分に混合
し、150℃に設定した試験ロール(φ127×300
mm)に投入して5分間混練した後、厚さ約5mmのポ
リ塩化ビニル樹脂シートを作成した。得られたシートか
ら2cm×10cmの試験片を切り出して、熱安定性を
評価した。得られた試験結果は表1に示したとおりであ
った。
【0025】
【表1】
【0026】表1の試験結果より、本発明の塩化ビニル
系樹脂組成物は、加熱による試験シートの黒変(ジンク
バーニング)を抑制する効果があることが明らかであ
り、優れた熱安定性を有しているものと認められる。
【0027】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、優
れた熱安定性を備えており、産業上の利用効果は多大で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 EC057 ED027 EU196 EU197 FD020 FD037 FD066

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂に対して、イソシアヌ
    ル酸のカルシウム塩及び/またはイソシアヌル酸の亜鉛
    塩を配合することを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル系樹脂に対して、イソシアヌ
    ル酸のカルシウム塩及び/またはイソシアヌル酸の亜鉛
    塩ならびに3価以上の多価アルコールを配合することを
    特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2011162353A1 (ja) * 2010-06-24 2013-08-22 日産化学工業株式会社 塩基性シアヌル酸亜鉛微粒子及びその製造方法
CN105482161A (zh) * 2015-12-07 2016-04-13 重庆太岳新材料科技有限公司 一种纳米级氰尿酸锌钙的生产工艺

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