JP2006036896A - 塩素含有樹脂の液状安定剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、トルイル酸を含有する塩素含有樹脂の液状安定剤に関するものである。
塩化ビニル樹脂を代表とする塩素含有樹脂は、可塑剤などの配合により、硬質から軟質まで種々の特性を有し、強度、透明性に優れた成型品を安価に製造できるため、土木・建材から電気・機械、日用雑貨、容器・包装、農業用などに用いられるバイプ、シート、フィルム、ホースなどで多量に使用されている。
ところが、塩素含有樹脂は、成型加工時や成型後に加熱されると、脱塩化水素反応による熱分解を起こし、強度低下など機械的な性質の劣化、着色、あるいは、成型不良などが発生することが知られており、これらを防止するために、塩ビ安定剤と称する熱安定剤が添加されている。その主成分は、カルシウム、亜鉛、バリウム、マグネシウムなどのステアリン酸塩、ラウリル酸塩、オレイン酸塩などの脂肪族カルボン酸塩、または、前記金属の安息香酸、トルイル酸、p−tert−ブチル安息香酸など芳香族カルボン酸塩、または、有機すず化合物であり、これらと併用して、有機リン酸エステル、有機亜リン酸エステルなどの有機リン酸エステル系化合物、エポキシ化合物、β−ジケトン化合物、ポリオール化合物などが安定化助剤として加えられており、主安定剤、安定化助剤それぞれ数種類組み合わせて使用することで相乗効果を発揮し、効果を高めている。
塩ビ安定剤の性状は、液状、粉末のどちらも一般的であるが、液状安定剤を考えた場合、塩化ビニルと上手く相溶させ優れた安定化効果を発揮させることは勿論重要ではあるが、その前に、液状安定剤として供するために、主安定剤のカルボン金属塩と有機リン酸エステル系化合物、エポキシ系化合物など安定化助剤とを溶剤で均一に溶解させることが要求される。比較的溶解性の高いステアリン酸、p−tert−ブチル安息香酸の金属塩では、容易に溶解組成が見出され、安定剤処方を組むことができる。例えば、2級有機亜リン酸エステルおよび1級アルコールを溶剤とした液状安定剤(例えば、特許文献1参照)や、有機亜リン酸エステルと、フェノール化合物およびフェノール性反応生成物を溶剤とした液状安定剤(例えば、特許文献2参照)が提案されている。一方で、安価なトルイル酸金属塩を使用した液状安定剤も提案されている。例えば、有機亜リン酸エステルと炭化水素類およびアルコール類を溶剤とした液状安定剤(例えば、特許文献3参照)や、炭化水素およびアルコール系を溶剤とした液状安定剤(例えば、特許文献4参照)が提案されている。
特開平10−81800号公報
特許3372550号公報
特公昭51−8664号公報
特開平11−189668号公報
しかし、トルイル酸金属塩は溶解性が著しく低く、特に、ワンパック安定剤として一般的に用いられるトルイル酸バリウム塩/トルイル酸亜鉛塩の混合系を考えた場合、トルイル酸バリウム塩/トルイル酸亜鉛塩の溶解量が極めて低く、適当な溶解組成はほとんど得られていなかった。
本発明者らは、このような課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、トルイル酸亜鉛塩と、トルイル酸バリウム塩、トルイル酸カルシウム塩、トルイル酸マグネシウム塩およびトルイル酸ストロンチウム塩から選ばれる少なくとも1種に、下式(I)(R1、R2は、それぞれ炭素数6〜16までのアルキル基を示す)で示されるアルキルハイドロゲンホスファイトを配合させることで、溶解性が著しく低いトルイル酸金属塩を溶解でき、トルイル酸金属塩を含有する塩素含有樹脂の液状安定剤組成を見出すに至った。
本発明を用いれば、主成分としてトルイル酸を含有する塩素含有樹脂の液状安定剤の提供が可能となる。
本発明の液状安定剤成分の一つであるトルイル酸亜鉛塩は、o−、p−、m−のいずれの異性体も使用可能であるが、特に好ましいのはp−トルイル酸亜鉛塩、もしくは、m−トルイル酸亜鉛塩である。これらは、通常の方法で、例えば、トルイル酸のナトリウム塩、もしくは、カリウム塩などアルカリ金属塩の溶液に硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛などの亜鉛塩の水溶液を滴下することで製造することができる。
トルイル酸亜鉛塩の含有量は、各液状安定剤の特性から一概には言えないが、液状安定剤中に2.0〜20重量%が好ましい。
本発明の液状安定剤成分の一つであるトルイル酸バリウム塩、トルイル酸カルシウム塩、トルイル酸マグネシウム塩、または、トルイル酸ストロンチウム塩は、o−、p−、m−のいずれの異性体も使用可能であるが、特に好ましいのはp−トルイル酸バリウム塩、p−トルイル酸カルシウム塩、p−トルイル酸マグネシウム塩、または、p−トルイル酸ストロンチウム塩、もしくは、m−トルイル酸バリウム塩、m−トルイル酸カルシウム塩、m−トルイル酸マグネシウム塩、または、m−トルイル酸ストロンチウム塩である。また、トルイル酸バリウム塩、トルイル酸カルシウム塩、トルイル酸マグネシウム塩、または、トルイル酸ストロンチウム塩の中で特に好ましいのは、トルイル酸バリウム塩である。これらは、通常の方法で、例えば、トルイル酸のナトリウム塩、もしくは、カリウム塩などアルカリ金属塩の溶液に塩化バリウム、硝酸バリウムなどのバリウム塩の水溶液を滴下することで製造することができる。
トルイル酸バリウム塩、トルイル酸カルシウム塩、トルイル酸マグネシウム塩およびトルイル酸ストロンチウム塩から選ばれる少なくとも1種の含有量は、各液状安定剤の特性から一概には言えないが、液状安定剤中に2.0〜20重量%が好ましい。
本発明の液状安定剤成分の一つである下式(I)
(R1、R2は、それぞれ炭素数6〜16までのアルキル基を示す)で示されるアルキルハイドロゲンホスファイトとしては、例えば、ジオクチルハイドロゲンホスファイト、ジノニルハイドロゲンホスファイト、ジデシルハイドロゲンホスファイト、ジモノデシルハイドロゲンホスファイト、ジラウリルハイドロゲンホスファイト、ジ(トリデシル)ハイドロゲンホスファイトなどが挙げられるが、特に好ましいのは、ジラウリルハイドロゲンホスファイトである。
これらのアルキルハイドロゲンホスファイトは市販品として入手可能であるが、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジフェニルモノドデシルホスファイト、ビスフェノール-A-テトラC12-15アルキルジホスファイトなどのアリール基を有するトリアルキルホスファイトの加水分解、あるいは、ジフェニルハイドロゲンホスファイトとデカノール、モノデカノール、ドデカノールなどの脂肪族アルコールとのアルコール分解からの製造品、あるいは、その反応液も用いることができる。
上記のアルキルハイドロゲンホスファイトの含有量は、トルイル酸亜鉛塩、トルイル酸バリウム塩、トルイル酸カルシウム塩、トルイル酸マグネシウム塩およびトルイル酸ストロンチウム塩などの含有量にも依存するが、液状安定剤中に10〜80重量%で効果を発揮する。
本液状安定剤には、トルイル酸亜鉛塩、トルイル酸バリウム塩、トルイル酸カルシウム塩、トルイル酸マグネシウム塩およびトルイル酸ストロンチウム塩、および、下式(I)(R1、R2は、それぞれ炭素数6〜16までのアルキル基を示す)
で示されるアルキルハイドロゲンホスファイトの他に、2−エチルヘキシル酸、ラウリル酸、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸金属塩、もしくは、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸などの芳香族カルボン酸金属塩をを加えることも可能であり、また、パラフィン系やアルキルベンゼン系溶剤などの炭化水素系溶剤やオクタノール、ノニルアルコール、デカノール、モノデカノール、ドデカノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロリレングリコール、1,4−ブタンジオールなどのアルコール系溶剤を使用しても良い。更に、トリフェニルホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジフェニルモノドデシルホスファイト、フェニルジデシルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリドデシルホスファイト、ビスフェノール−A−テトラC12-15アルキルジホスファイトなどのアルキルホスファイトを加えてもかまわない。
本液状安定剤の調製は、トルイル酸亜鉛塩とトルイル酸バリウム塩、トルイル酸カルシウム塩、トルイル酸マグネシウム塩およびトルイル酸ストロンチウム塩をそれぞれ別々に溶剤に溶解させた後に両者を合わせても良いし、一緒に溶剤に溶解させても良い。また、前記の炭化水素系、あるいは、アルコール系溶剤、もしくは、それらの混合溶剤中にトルイル酸と亜鉛、もしくは、バリウム、カルシウム、マグネシウム、または、ストロンチウムの酸化物、あるいは、水酸化物を加え反応させトルイル酸塩を製造した後に、適当なアルキルハイドロゲンホスファイト、アルキルホスファイトを加え、溶解させることにより、調製することもできる。その際、溶解温度は80℃〜150℃が好ましく、より好ましくは、100〜150℃である。
本液状安定剤を塩素含有樹脂の製造に用いる際の使用量は、塩素含有樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましい。また、この液状安定剤には必要に応じ他の安定化助剤、可塑剤、表面処理剤、滑剤、難燃剤、紫外線吸収剤、殺菌剤などを適宜添加することができる。
[参考例1:p−トルイル酸バリウム塩の調製]
攪拌機、滴下漏斗を備えた1L容3つ口フラスコにp−トルイル酸40.86g、水酸化ナトリウム(純度95%)12.63g、および、水100mlを仕込み、60℃で溶解させた後、塩化バリウム2水和物36.9gを水150mlに溶かした水溶液を約40分かけて滴下した。その後、60℃で1時間撹拌、析出した結晶を濾過、水洗、乾燥を行い、無色結晶のp−トルイル酸バリウム塩44.0gを取得した。
攪拌機、滴下漏斗を備えた1L容3つ口フラスコにp−トルイル酸40.86g、水酸化ナトリウム(純度95%)12.63g、および、水100mlを仕込み、60℃で溶解させた後、塩化バリウム2水和物36.9gを水150mlに溶かした水溶液を約40分かけて滴下した。その後、60℃で1時間撹拌、析出した結晶を濾過、水洗、乾燥を行い、無色結晶のp−トルイル酸バリウム塩44.0gを取得した。
[参考例2:p−トルイル酸亜鉛塩の調製]
攪拌機、滴下漏斗を備えた1L容3つ口フラスコにp−トルイル酸27.2gおよびメタノール200mlを仕込み溶解させた後、水酸化ナトリウム(純度95%)8.42gを溶解させた水溶液50mlを室温で滴下し、そのまま1時間撹拌した。これに硫酸亜鉛7水和物28.76gを溶解させた水溶液150mlを室温で約40分かけて滴下し、さらに室温で2時間撹拌した。その後、析出した結晶を濾過、水洗、乾燥を行い、無色結晶のp−トルイル酸亜鉛塩30.5gを取得した。
攪拌機、滴下漏斗を備えた1L容3つ口フラスコにp−トルイル酸27.2gおよびメタノール200mlを仕込み溶解させた後、水酸化ナトリウム(純度95%)8.42gを溶解させた水溶液50mlを室温で滴下し、そのまま1時間撹拌した。これに硫酸亜鉛7水和物28.76gを溶解させた水溶液150mlを室温で約40分かけて滴下し、さらに室温で2時間撹拌した。その後、析出した結晶を濾過、水洗、乾燥を行い、無色結晶のp−トルイル酸亜鉛塩30.5gを取得した。
実施例1
攪拌機、冷却管を備えた100mL容3つ口フラスコに参考例1で調製したp−トルイル酸バリウム塩2.0g、ジオレイルハイドロゲンホスファイト(JP−212:城北化学)9.0gを精秤し、120℃で30分間撹拌させた結果、淡黄色透明油状のp−トルイル酸バリウム塩溶液を得た。
攪拌機、冷却管を備えた100mL容3つ口フラスコに参考例1で調製したp−トルイル酸バリウム塩2.0g、ジオレイルハイドロゲンホスファイト(JP−212:城北化学)9.0gを精秤し、120℃で30分間撹拌させた結果、淡黄色透明油状のp−トルイル酸バリウム塩溶液を得た。
実施例2
p−トルイル酸バリウム塩を2.5g、JP−212を11.0gとした以外は実施例1と同様に操作を行った。その結果、淡黄色透明油状のp−トルイル酸バリウム塩溶液を得た。
p−トルイル酸バリウム塩を2.5g、JP−212を11.0gとした以外は実施例1と同様に操作を行った。その結果、淡黄色透明油状のp−トルイル酸バリウム塩溶液を得た。
実施例3
攪拌機、冷却管を備えた100mL容3つ口フラスコに参考例2で調製したp−トルイル酸亜鉛塩0.5g、ビスフェノールAテトラC12−15アルキルジホスファイト(1500:旭電化)4.5g、モノデシルジフェニルホスファイト(JPM−311:城北化学)4.5g、エクソールD−40(エクソンモービル社製炭化水素溶剤)2.2g、JP−212 2.2gを精秤し、120℃で30分間撹拌させた後、透明油状のp−トルイル酸亜鉛塩溶液を得た。
攪拌機、冷却管を備えた100mL容3つ口フラスコに参考例2で調製したp−トルイル酸亜鉛塩0.5g、ビスフェノールAテトラC12−15アルキルジホスファイト(1500:旭電化)4.5g、モノデシルジフェニルホスファイト(JPM−311:城北化学)4.5g、エクソールD−40(エクソンモービル社製炭化水素溶剤)2.2g、JP−212 2.2gを精秤し、120℃で30分間撹拌させた後、透明油状のp−トルイル酸亜鉛塩溶液を得た。
実施例4
エクソールD−40を使用せずにJP−212を4.5gとした以外は実施例3と同様に操作を行った。その結果、透明油状のp−トルイル酸亜鉛塩溶液を得た。
エクソールD−40を使用せずにJP−212を4.5gとした以外は実施例3と同様に操作を行った。その結果、透明油状のp−トルイル酸亜鉛塩溶液を得た。
実施例5
エクソールD−40を使用せずにジプロピレングリコールを4.0g使用した以外は実施例3と同様に操作を行った。その結果、透明油状のp−トルイル酸亜鉛塩溶液を得た。
エクソールD−40を使用せずにジプロピレングリコールを4.0g使用した以外は実施例3と同様に操作を行った。その結果、透明油状のp−トルイル酸亜鉛塩溶液を得た。
実施例6
p−トルイル酸亜鉛塩を0.63g、JP−212を1.5gとした以外は実施例4と同様に操作を行った。その結果、透明油状のp−トルイル酸亜鉛塩溶液を得た。
p−トルイル酸亜鉛塩を0.63g、JP−212を1.5gとした以外は実施例4と同様に操作を行った。その結果、透明油状のp−トルイル酸亜鉛塩溶液を得た。
実施例7
実施例1で得たp−トルイル酸バリウム塩溶液をそのまま、実施例3で得たp−トルイル酸亜鉛塩溶液に120℃で加熱撹拌しているところに少しずつ滴下し、同じ120℃で30分間加熱撹拌した。その結果、p−トルイル酸バリウム塩8.0重量%、p−トルイル酸亜鉛塩2.0重量%含有する透明油状の安定剤23.6gを得た。
実施例1で得たp−トルイル酸バリウム塩溶液をそのまま、実施例3で得たp−トルイル酸亜鉛塩溶液に120℃で加熱撹拌しているところに少しずつ滴下し、同じ120℃で30分間加熱撹拌した。その結果、p−トルイル酸バリウム塩8.0重量%、p−トルイル酸亜鉛塩2.0重量%含有する透明油状の安定剤23.6gを得た。
実施例8
実施例3で得たp−トルイル酸亜鉛塩溶液の代わりに実施例4で得たp−トルイル酸亜鉛塩溶液を使用した以外は、実施例7と同様に操作を行った。その結果、p−トルイル酸バリウム塩8.0重量%、p−トルイル酸亜鉛塩2.0重量%含有する透明油状の安定剤24.0gを得た。
実施例3で得たp−トルイル酸亜鉛塩溶液の代わりに実施例4で得たp−トルイル酸亜鉛塩溶液を使用した以外は、実施例7と同様に操作を行った。その結果、p−トルイル酸バリウム塩8.0重量%、p−トルイル酸亜鉛塩2.0重量%含有する透明油状の安定剤24.0gを得た。
実施例9
実施例3で得たp−トルイル酸亜鉛塩溶液の代わりに実施例5で得たp−トルイル酸亜鉛塩溶液を使用した以外は、実施例7と同様に操作を行った。その結果、p−トルイル酸バリウム塩8.0重量%、p−トルイル酸亜鉛塩2.0重量%含有する透明油状の安定剤22.7gを得た。
実施例3で得たp−トルイル酸亜鉛塩溶液の代わりに実施例5で得たp−トルイル酸亜鉛塩溶液を使用した以外は、実施例7と同様に操作を行った。その結果、p−トルイル酸バリウム塩8.0重量%、p−トルイル酸亜鉛塩2.0重量%含有する透明油状の安定剤22.7gを得た。
実施例10
実施例1で得たp−トルイル酸バリウム塩溶液の代わりに実施例2で得たp−トルイル酸バリウム塩溶液を用い、実施例3で得たp−トルイル酸亜鉛塩溶液の代わりに実施例6で得たp−トルイル酸亜鉛塩溶液を使用した以外は、実施例7と同様に操作を行った。その結果、p−トルイル酸バリウム塩10.2重量%、p−トルイル酸亜鉛塩2.6重量%含有する透明油状の安定剤23.0gを得た。
実施例1で得たp−トルイル酸バリウム塩溶液の代わりに実施例2で得たp−トルイル酸バリウム塩溶液を用い、実施例3で得たp−トルイル酸亜鉛塩溶液の代わりに実施例6で得たp−トルイル酸亜鉛塩溶液を使用した以外は、実施例7と同様に操作を行った。その結果、p−トルイル酸バリウム塩10.2重量%、p−トルイル酸亜鉛塩2.6重量%含有する透明油状の安定剤23.0gを得た。
実施例11
PVC樹脂100重量部に対し、ジオクチルフタレート50重量部、実施例7〜10で得た液状安定剤3.0重量部を配合、175℃、6分間ロール上で混練した後、180℃で5分間プレス加工し、厚さ1mmのシートを作成した。このシートを目視にて観察し、着色性を評価した。
PVC樹脂100重量部に対し、ジオクチルフタレート50重量部、実施例7〜10で得た液状安定剤3.0重量部を配合、175℃、6分間ロール上で混練した後、180℃で5分間プレス加工し、厚さ1mmのシートを作成した。このシートを目視にて観察し、着色性を評価した。
更に、このシートから試験片を作成し、190℃のギヤオーブン中で加熱し、黒化するまでの時間を測定し、耐熱性を評価した。
結果は、表1のとおりである。
本発明により、トルイル酸亜鉛塩と、トルイル酸バリウム塩、トルイル酸カルシウム塩、トルイル酸マグネシウム塩およびトルイル酸ストロンチウム塩から選ばれる少なくとも1種に、下式(I)(R1、R2は、それぞれ炭素数6〜16までのアルキル基を示す)で示されるアルキルハイドロゲンホスファイトを配合させることで、溶解性が著しく低いトルイル酸金属塩を溶解でき、トルイル酸金属塩を主成分として含有する塩素含有樹脂の液状安定剤の調製が可能になった。
Claims (6)
- トルイル酸がp−トルイル酸、または、m−トルイル酸であることを特徴とする請求項1または2記載の塩素含有樹脂の液状安定剤。
- アルキルハイドロゲンホスファイトがジラウリルハイドロゲンホスファイトであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の塩素含有樹脂の液状安定剤。
- トルイル酸亜鉛塩の含有量が液状安定剤中に2.0〜20重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の塩素含有樹脂の液状安定剤。
- トルイル酸バリウム塩、トルイル酸カルシウム塩、トルイル酸マグネシウム塩およびトルイル酸ストロンチウム塩から選ばれる少なくとも1種含有量が液状安定剤中に2.0〜20重量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の塩素含有樹脂の液状安定剤。
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WO2018097217A1 (ja) | 2016-11-28 | 2018-05-31 | 堺化学工業株式会社 | 塩素含有樹脂用液状安定剤及びその用途 |
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2004
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WO2018097217A1 (ja) | 2016-11-28 | 2018-05-31 | 堺化学工業株式会社 | 塩素含有樹脂用液状安定剤及びその用途 |
US10934413B2 (en) | 2016-11-28 | 2021-03-02 | Sakai Chemical Industry Co., Ltd. | Liquid stabilizer for chlorine-containing resin and application of the liquid stabilizer |
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