JP2003137937A - 耐熱性共重合体および耐熱性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
耐熱性共重合体および耐熱性熱可塑性樹脂組成物Info
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Abstract
脂が発泡しない共重合体を提供する。また、ゴム強化重
合体と配合したときの機械的強度および成形加工性に優
れた樹脂組成物、さらには透明性ゴム強化重合体に適用
したときの透明性に優れた樹脂組成物およびそれらから
なる成形品を提供する。 【解決手段】 不飽和カルボン酸単位、不飽和カルボン
酸アルキルエステル単位、下記一般式(1) 【化1】 (上記式中、R1、R2は、同一または相異なる水素原子
または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)で表される
グルタル酸無水物単位、及び、必要に応じて含まれる他
の単量体単位からなる耐熱性共重合体であって、該共重
合体中に不飽和カルボン酸単位が実質的に含まれないも
のである。
Description
加工性に優れる共重合体、該共重合体にゴム強化スチレ
ン系樹脂を配合した高度な耐衝撃性を有する耐熱性熱可
塑性樹脂組成物、前記共重合体に透明性ゴム強化スチレ
ン系樹脂を配合した透明性に優れた耐熱性熱可塑性樹脂
組成物、及び、それらからなる樹脂成形品に関するもの
である。
ステル系樹脂は優れた機械的性質、成形加工性および外
観を有しており、光学材料、家庭電気機器、OA機器お
よび自動車などの各部品を始めとする広範な分野で使用
されている。しかしながら、これらの樹脂は耐熱性に劣
るという欠点があり、その耐熱性を改良する目的で、耐
熱性付与成分としてマレイミド系単量体あるいは無水マ
レイン酸単量体等を導入した樹脂が開発されている。し
かし、マレイミド系単量体は高価であると同時に反応性
が低く、無水マレイン酸は熱安定性が悪いという問題が
あった。
開昭49−85184号公報にアルキルメタクリレート
またはスチレンとα−置換アクリル酸とその酸無水物か
らなる熱可塑性共重合体が提案されている。しかし、こ
の共重合体は、押出機による加熱時に樹脂が発泡し、カ
ッターによる引き取りが困難になるばかりか、成形時に
も発泡するため、成形片にシルバーが発生する不具合が
あった。
あるいは特開昭61−261303号公報にはメタクリ
ル酸および/またはアクリル酸単位を含む共重合体を熱
処理する際に、塩基性化合物や、有機カルボン酸塩およ
び/または炭酸塩等の触媒を添加することにより、閉環
速度を促進させる方法が記載されている。しかし、この
方法でも、成形時に発泡して成形品中に気泡が残るとい
う不具合があった。
おける成形時の樹脂の発泡問題の解決を課題として検討
した結果達成されたものである。
性を有すると同時に、成形時に樹脂が発泡しない共重合
体を提供することにある。また、ゴム強化重合体と配合
したときの機械的強度および成形加工性に優れた樹脂組
成物、さらには透明性ゴム強化重合体に適用したときの
透明性に優れた樹脂組成物およびそれらからなる成形品
を提供することにある。
題を解決すべく鋭意検討した結果、不飽和カルボン酸ア
ルキルエステル単位、特定のグルタル酸無水物単位、及
び、必要に応じて含まれる他の単量体単位からなる共重
合体において、不飽和カルボン酸単位が実質上含有され
ない共重合体にすることにより、成形時の発泡を抑制で
き、さらに成形品にシルバーが観察されない、表面外観
に優れる成形品が得られることを見出し、本発明に到達
した。
飽和カルボン酸アルキルエステル単位、下記一般式
(1)
または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)で表される
グルタル酸無水物単位、及び、必要に応じて含まれる他
の単量体単位からなる共重合体であって、該共重合体中
に不飽和カルボン酸単位が実質的に含まれないことを特
徴とするものである。
該耐熱性共重合体とゴム強化スチレン系樹脂を配合した
高度な耐衝撃性を有する耐熱性熱可塑性樹脂組成物、前
記共重合体に透明性ゴム強化スチレン系樹脂を配合した
透明性に優れた耐熱性熱可塑性樹脂組成物、及び、それ
らからなる樹脂成形品について具体的に説明する。
ン酸アルキルエステル単位、上記一般式(1)で表され
るグルタル酸無水物単位、及び、必要に応じて含まれる
他の単量体単位からなる共重合体であって、かつ、不飽
和カルボン酸単位が実質的に含有されないものである。
ここで、他の単量体単位としては、他のビニル系単量体
単位が好ましいものであり、以下、他のビニル系単量体
単位である場合について説明する。
カルボン酸系単量体、不飽和カルボン酸アルキルエステ
ル系単量体及び必要に応じて含まれる他のビニル系単量
体等を重合して得られる原重合体を、さらに環化反応す
ることによって得られるものであるが、不飽和カルボン
酸単位が実質的に含有されないものとするためには、環
化反応時に、不飽和カルボン酸と反応性を有する化合物
を添加する等の方法をとることを要する。
飽和カルボン酸系単量体としては特に制限はなく、アク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、さらには無水マレ
イン酸の加水分解物などが挙げられるが、特に熱安定性
が優れる点でアクリル酸、メタクリル酸が好ましく、よ
り好ましくはメタクリル酸である。これらはその1種ま
たは2種以上用いることができる。
ン酸アルキルエステル系単量体としては特に制限はない
が、炭素数1〜6のアルキル基または置換アルキル基を
持つアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エ
ステルが好適である。
体の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピ
ル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル
酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ク
ロロメチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸
2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシルおよび
(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシ
ペンチルなどが挙げられ、なかでもメタクリル酸メチル
が最も好ましく用いられる。これらはその1種または2
種以上を用いることができる。
ル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、
o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチル
スチレン、p−エチルスチレンおよびp−t−ブチルス
チレンなどの芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリルなどのシ
アン化ビニル系単量体、イタコン酸グリシジル、アリル
グリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテ
ル、p−グリシジルスチレン、無水マレイン酸、マレイ
ン酸モノエチルエステル、イタコン酸、無水イタコン
酸、フタル酸、N−メチルマレイミド、N−エチルマレ
イミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニル
マレイミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−
メチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミ
ド、N−プロピルメタクリルアミド、アクリル酸アミノ
エチル、アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル
酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸エチルアミノプ
ロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチル、メタクリ
ル酸シクロヘキシルアミノエチル、N−ビニルジエチル
アミン、N−アセチルビニルアミン、アリルアミン、メ
タアリルアミン、N−メチルアリルアミン、p−アミノ
スチレン、2−イソプロペニル−オキサゾリン、2−ビ
ニル−オキサゾリン、2−アクロイル−オキサゾリンお
よび2−スチリル−オキサゾリンなどを挙げることがで
き、中でも芳香族ビニル系単量体が好ましく用いられ、
特にスチレンが好ましい。これらは単独ないし2種以上
を用いることができる。
は特に制限はなく、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳
化重合等の公知の重合方法を用いることができる。
体混合物の好ましい割合は、不飽和カルボン酸系単量体
が5〜50重量%、より好ましくは7〜45重量%、不
飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体は30〜95
重量%、より好ましくは30〜93重量%、共重合可能
な他のビニル系単量体は0〜63重量%である。
満の場合には、得られる耐熱性共重合体において、環化
反応物として含まれるグルタル酸無水物単位の量が少な
くなり、従って共重合体の耐熱性が低下し好ましくな
い。
合体を環化反応させることによって得られるものであ
る。この環化反応させるための方法は特に制限はない
が、上記原重合体を200〜300℃に昇温したベント
を有する押出機を通過させる方法が挙げられ、さらに、
得られる耐熱性共重合体中に不飽和カルボン酸単位が実
質的に含まれないようにするためには、環化反応させる
溶融押出時に、不飽和カルボン酸と反応性を有する化合
物を0.01〜2重量部、添加することが有効である。
具体的には、上記原重合体を200〜300℃に昇温し
たベントを有する押出機を通す際、原重合体100重量
部に対して、不飽和カルボン酸と反応性を有する化合物
0.01〜2重量部をサイドフィードする方法や、上記
原重合体を一旦、押出機に通してペレタイズした後、こ
のポリマー100重量部に対し、不飽和カルボン酸と反
応性を有する化合物0.01〜2重量部を加えて、再度
押出機に通す方法が好ましく用いられる。
化合物については特に制限はなく、エポキシ基を有する
化合物、カルボジイミド化合物、シランカップリング
剤、等が挙げられる。
重合体は、共重合単位として、不飽和カルボン酸単位を
実質的に含まないものであり、成形時の発泡を抑え、成
形品表面のシルバー発生を回避することができる。これ
に対し、耐熱性共重合体中に不飽和カルボン酸単位が含
有される場合、成形時の発泡や成形品中の気泡混入が生
じ、また、成形品表面にシルバーが現れて、外観が悪く
なる等の不具合を生じる。
タル酸無水物への環化反応を促進させる触媒を添加して
もよい。この触媒としては酸、アルカリ、塩化合物の1
種以上が用いられ、その添加量は、原重合体100重量
部に対し0.01〜1重量部が好ましい。これら酸、ア
ルカリ、塩化合物については特に制限はなく、酸触媒と
しては、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、リン
酸、亜リン酸、フェニルホスホン酸、リン酸メチル等が
挙げられる。塩基性触媒としては、金属水酸化物、アミ
ン類、イミン類、アルカリ金属誘導体アルコキシド類、
水酸化アンモニウム塩等が挙げられる。さらに、塩系触
媒としては、酢酸金属塩、ステアリン酸金属塩、炭酸金
属塩等が挙げられ、特に水和物である塩が好ましく用い
られる。
ル酸無水物単位の好ましい量は、5〜33重量%、より
好ましくは10〜30重量%、最も好ましくは15〜3
0重量%である。グルタル酸無水物単位が5重量%未満
の場合、耐熱性が低下し、好ましくない。また、不飽和
カルボン酸アルキルエステル系単位の好ましい量は、3
0〜95重量%、より好ましくは30〜90重量%、最
も好ましくは30〜85重量%である。他のビニル系単
量体単位の好ましい量は、0〜65重量%、より好まし
くは0〜60重量%、最も好ましくは0〜55重量%で
ある。さらに不飽和カルボン酸系単位は実質的に含まれ
ないものである。
Index)の値は20以下が好ましく、より好ましくは1
5以下、最も好ましくは10以下である。黄色度を低下
させる方法としては、不飽和カルボン酸と反応性を有す
る化合物を添加する前の耐熱性共重合体中に残存する不
飽和カルボン酸系単量体量を2000ppm以下、好ま
しくは1000ppm以下、より好ましくは500pp
m以下にする方法や、共重合体100重量部に対し、亜
リン酸エステル系化合物0.1〜2重量部を含有させる
方法が有効である。亜リン酸エステル系化合物を含有さ
せる方法としては特に制限はなく、原重合体に添加して
溶融混練する方法や共重合体に添加して溶融混練する方
法が挙げられる。ここで、亜リン酸エステル系化合物と
しては、特に制限はなく、アルキルホスファイト、アル
キルアリルホスファイト、アリルホスファイト等が用い
られる。
加剤と混合させて樹脂組成物にする場合、例えば、本発
明の耐熱性共重合体(A)10〜90重量部に対し、ゴ
ム強化スチレン系樹脂(B)90〜10重量部を添加す
ることにより耐衝撃性を向上させることが好ましい。
ビニル芳香族系重合体よりなるマトリックス中にゴム状
重合体が微粒子状に分散してなるグラフト重合体をい
い、ゴム状重合体の存在下に、芳香族ビニル系単量体ま
たは必要に応じてこれと共重合可能な他のビニル系単量
体を加えた単量体混合物を、公知の塊状重合、塊状懸濁
重合、溶液重合または乳化重合に供することにより得ら
れる。
としては、例えば、耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹
脂、AAS樹脂(アクリロニトリル−アクリルゴム−ス
チレン共重合体)、およびAES樹脂(アクリロニトリ
ル−エチレンプロピレンゴム−スチレン共重合体)など
が挙げられる。
としては、スチレン単量体を含有する(共)重合体がゴ
ム質重合体にグラフトした構造をとったものと、スチレ
ン単量体を含有する(共)重合体がゴム質重合体に非グ
ラフトした構造をとったものとを含むものである。
に、芳香族ビニル系単量体、および必要に応じてこれら
と共重合可能な他のビニル系単量体からなる単量体混合
物を共重合せしめたグラフト共重合体(B−1)と、芳
香族ビニル系単量体、および必要に応じてこれらと共重
合可能な他のビニル系単量体を共重合せしめてなるビニ
ル系共重合体(B−2)とからなるゴム強化スチレン系
樹脂が挙げられる。
ゴム質重合体には特に制限はないが、ジエン系ゴム、ア
クリル系ゴムおよびエチレン系ゴムなどが使用できる。
具体例としては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−ブタジエンのブロック共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル
酸ブチル−ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ブタ
ジエン−メタクリル酸メチル共重合体、アクリル酸ブチ
ル−メタクリル酸メチル共重合体、ブタジエン−アクリ
ル酸エチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−プロピレン−ジエン系共重合体、エチレン−
イソプレン共重合体、およびエチレン−アクリル酸メチ
ル共重合体などが挙げられる。これらのゴム質重合体
は、1種または2種以上の混合物で使用することが可能
であるが、透明性スチレン系樹脂に適用する場合で2種
以上の混合物で使用する場合には、透明性の観点から、
混合物のアッベ屈折計を用いて測定した屈折率差を0.
03以下にすることが好ましい。これらのゴム質重合体
のうち、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−ブタジエンのブロック共重合体およびア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体が耐衝撃性の観点
で好ましく用いられる。
1)を構成するゴム質重合体の重量平均粒子径には特に
制限はないが、0.1〜0.5μm、特に0.15〜
0.4μmの範囲が好ましい。上記の範囲未満では得ら
れる熱可塑性組成物の衝撃強度が低下する傾向を生じ、
上記の範囲を越えると透明性が低下する場合がある。な
お、ゴム質重合体の重量平均粒子径は「Rubber Age, Vo
l.88, p.484-490 (1960),by E.Schmidt, P.H.Biddiso
n」に記載のアルギン酸ナトリウム法、つまりアルギン
酸ナトリウムの濃度によりクリーム化するポリブタジエ
ン粒子径が異なることを利用して、クリーム化した重量
割合とアルギン酸ナトリウム濃度の累積重量分率より累
積重量分率50%の粒子径を求める方法により測定する
ことができる。
1)およびビニル系共重合体(B−2)に用いる芳香族
ビニル系単量体としては、特に制限はなく、スチレンを
はじめ、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、o−エチルスチレン、p−エチルス
チレンおよびp−t−ブチルスチレンなどが挙げられ、
なかでもスチレンおよびα−メチルスチレンが好ましく
用いられる。これらの芳香族ビニル系単量体は、1種ま
たは2種以上を用いることができる。
(B−1)およびビニル系共重合体(B−2)には必要
に応じて共重合可能な他のビニル系共単量体を用いるこ
とができ、この他のビニル系単量体としては、特に制限
はないが、アクリロニトリル、メタクリロニトリルおよ
びエタクリロニトリルなどのシアン化ビニル系単量体、
および炭素数1〜6のアルキル基または置換アルキル基
を持つアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸
エステル等の不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量
体が好ましい。不飽和カルボン酸アルキルエステル系単
量体の具体例として、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピ
ル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル
酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ク
ロロメチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸
2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシルおよび
(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシ
ペンチルなどが挙げられ、なかでもメタクリル酸メチル
が好ましい。
酸、(メタ)アクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシ
ジル、アリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリ
シジルエーテル、p−グリシジルスチレン、マレイン
酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノエチルエステル、
イタコン酸、無水イタコン酸、フタル酸、N−メチルマ
レイミド、N−エチルマレイミド、N−シクロヘキシル
マレイミド、N−フェニルマレイミド、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ブ
トキシメチルアクリルアミド、N−プロピルメタクリル
アミド、アクリル酸アミノエチル、アクリル酸プロピル
アミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メ
タクリル酸エチルアミノプロピル、メタクリル酸フェニ
ルアミノエチル、メタクリル酸シクロヘキシルアミノエ
チル、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニル
アミン、アリルアミン、メタアリルアミン、N−メチル
アリルアミン、p−アミノスチレン、2−イソプロペニ
ル−オキサゾリン、2−ビニル−オキサゾリン、2−ア
クロイル−オキサゾリンおよび2−スチリル−オキサゾ
リンなどの他の共重合体可能な単量体を使用することも
できる。これらは単独ないし2種以上を用いることがで
きる。
1)は、ゴム質重合体10〜80重量部、好ましくは2
0〜70重量部、より好ましくは30〜60重量部の存
在下に、上記の単量体(混合物)20〜90重量部、好
ましくは30〜80重量部、より好ましくは40〜70
重量部を共重合することによって得られる。ゴム質重合
体の割合が上記の範囲未満、または上記の範囲を越える
場合には、衝撃強度や表面外観が低下する場合がある。
ビニル系共重合体(B−2)に用いられる単量体混合物
中の、芳香族ビニル単量体は10〜100重量%の範囲
が必要であり、さらに好ましくは20〜80重量%の範
囲である。
には、共重合可能な他のビニル系単量体として、不飽和
カルボン酸アルキルエステル系単量体を混合することが
必要であり、この場合には、靱性、耐衝撃性の観点から
不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量体を80重量
%以下、さらには75重量%以下の範囲で混合すること
が好ましい。不飽和カルボン酸アルキルエステル系単量
体以外の単量体を混合する場合には、その単量体が30
重量%以下の範囲であることが、耐衝撃性および成形加
工性の観点から好ましい。
ム質重合体に単量体混合物をグラフト共重合させる際に
生成するグラフトしていない共重合体を含んでいてもよ
い。ただし、衝撃強度の観点からは、グラフト率は10
〜100%であることが好ましい。ここで、グラフト率
とは、ゴム質重合体に対するグラフトした単量体混合物
の重量割合である。また、グラフトしていない共重合体
のメチルエチルケトン溶媒、30℃で測定した極限粘度
には特に制限はないが、0.1〜0.6dl/gのもの
が、衝撃強度と成形加工性とのバランスの観点から好ま
しく用いられる。
2)のメチルエチルケトン溶媒、30℃で測定した極限
粘度には、特に制限はないが、0.2〜1.0dl/g
のものが、衝撃強度と成形加工性とのバランスの観点か
ら好ましく用いられ、より好ましくは0.3〜0.7d
l/gのものである。
1)およびビニル系共重合体(B−2)の製造方法に
は、特に制限はなく、塊状重合、溶液重合、懸濁重合お
よび乳化重合などの公知の重合法により得ることができ
る。
構成するグラフト共重合体(B−1)とビニル系共重合
体(B−2)との混合比は、グラフト共重合体(B−
1)10〜100重量部、好ましくは30〜70重量部
の範囲と、ビニル系共重合体(B−2)90〜0重量
部、好ましくは70〜30重量部の範囲との割合であ
る。グラフト共重合体(B−1)が上記の範囲未満で
は、ゴム強化スチレン系樹脂(B)の耐衝撃性が不足す
る場合がある。さらに、ゴム強化スチレン系樹脂(B)
に含まれるゴム質重合体の含有量は、5〜30重量%、
好ましくは10〜20重量%の範囲である。ゴム質重合
体が上記の範囲未満では耐衝撃性が不足し、上記の範囲
を超えると成形加工性を損なう場合がある。
チレン系樹脂である場合には、グラフト重合体(B−
1)のゴムを除いた成分およびビニル系共重合体(B−
2)の屈折率と、グラフト重合体(B−1)に使用され
るゴム質重合体との屈折率の差を0.05以下にするこ
とが好ましく、より好ましくは0.02以下になるよう
に、単量体の組成比を調製することが、透明性の観点か
ら好ましい。なお、このようなグラフト重合体(B−
1)およびビニル系共重合体(B−2)は複数種類を組
合わせて用いてもよい。
ゴム強化スチレン系樹脂(B)とを混合して耐熱性熱可
塑性樹脂組成物を製造する場合、その混合比は耐熱性共
重合体(A)10〜90重量部、好ましくは30〜80
重量部と、ゴム強化スチレン系油脂(B)90〜10重
量部、好ましくは70〜20重量部である。耐熱性共重
合体(A)が10重量部未満の場合には耐熱性が不足す
るため好ましくない。
スチレン系樹脂(B)からなる耐熱性熱可塑性樹脂組成
物がさらに透明性にも優れたものとする場合には、耐熱
性共重合体(A)とゴム強化スチレン系樹脂(B)との
屈折率の差が0.05以下であることが好ましく、より
好ましくは0.02以下である。このような屈折率条件
とするためには、単量体の組成比を調製することが、透
明性の観点から好ましい。
熱可塑性樹脂組成物とする場合には、その23℃で測定
した全光線透過率は60%以上、好ましくは70%以
上、さらに好ましくは80%以上の範囲である。ここで
いう全光線透過率は、厚み3mmの試験片での全光線透
過率を表し、ASTM D−1003に準じ、室温下で
測定したものである。
よびこれとゴム強化スチレン系樹脂(B)からなる耐熱
性熱可塑性樹脂組成物は、ヒンダードフェノール系、ベ
ンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート
系およびシアノアクリレート系の紫外線吸収剤および酸
化防止剤、高級脂肪酸や酸エステル系および酸アミド
系、さらに高級アルコールなどの滑剤および可塑剤、モ
ンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエス
テル、ステアリルアルコール、ステラアマイドおよびエ
チレンワックスなどの離型剤、亜リン酸塩、次亜リン酸
塩などの着色防止剤、ハロゲン系難燃剤、燐系やシリコ
ーン系の非ハロゲン系難燃剤、核剤、アミン系、スルホ
ン酸系、ポリエーテル系などの帯電防止剤、顔料などの
着色剤などの添加剤を含有してもよい。
樹脂組成物の場合には、その透明性が低下しない範囲で
添加する必要がある。
強化スチレン系樹脂(B)からなる耐熱性樹脂組成物
は、通常公知の方法で製造される。例えば、耐熱性共重
合体(A)、ゴム強化スチレン系樹脂(B)、およびそ
の他の添加剤を予備混合するか、または個別に押出機な
どに供給して、150℃〜300℃において十分溶融混
練することにより調製される。
ム強化スチレン系樹脂(B)からなる耐熱性樹脂組成物
は、機械的特性、成形加工性にも優れており、溶融成形
可能であるため、押出成形、射出成形およびプレス成形
などが可能であり、フィルム、管、ロッドや、希望する
任意の形状と大きさを有する成形品に成形して使用する
ことができる。
これとゴム強化スチレン系樹脂(B)からなる耐熱性樹
脂組成物から成形される樹脂成形品は、その優れた耐熱
性を活かして、電気・電子部品、自動車部品、機械機構
部品、OA機器、家電機器などのハウジングおよびそれ
らの部品類、一般雑貨など種々の用途に用いることがで
きる。
ム強化スチレン系樹脂(B)からなる耐熱性樹脂組成物
から成形される樹脂成形品の具体的用途としては、例え
ば、電気機器のハウジング、OA機器のハウジング、各
種カバー、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEP
ランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケー
ス、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコン
ケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成
器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカ
ー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁
気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導
体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モータ
ーブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピュー
ター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR
部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯
器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レー
ザーディスク(登録商標)・コンパクトディスクなどの
音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、
タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代
表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピュー
ター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部
品、複写機関連部品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船
尾軸受、水中軸受、などの各種軸受、モーター部品、ラ
イター、タイプライターなどに代表される機械関連部
品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光
学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナ
ル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、
排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・
吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケ
ル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷
却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブ
レタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサ
ー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、
スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジ
ションセンサー、エアーフローメーター、エアコン用サ
ーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバル
ブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォ
ーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモ
ーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィ
ッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤ
ーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパ
ネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒュー
ズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、
ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリ
フレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソ
レノイドボビン、エンジンオイルフィルターおよび点火
装置ケースなどが挙げられ、これら各種の用途にとって
極めて有用である。
らに詳細に説明する。 (1)ガラス転移温度(Tg) 示差走査熱量測定器(Perkin Elmer社製DSC−7型)
を用いてガラス転移温度を測定した。 (2)1H−NMRスペクトルによる共重合組成割合 日本電子(株)製400MHz核磁気共鳴装置(NM
R)を用いて、重ジメチルスルホキシド溶媒に溶解した
各サンプルについて1H−NMRスペクトルを測定し、
これから共重合組成割合を求めた。
ル換算にて、重量平均分子量を測定した。 (4)黄色度(YI) JIS−K7103に従いペレットの黄色度(Yellow I
ndex)を求めた。 (5)MFR ISO−R1133に従い、樹脂ペレットを、70℃で
3時間乾燥し、250℃、98Nの条件でMFRを測定
し、流動性を評価した。この値が大きいほど、高い流動
性を示し、成形加工性が優れる。
重たわみ温度を測定し、耐熱性を評価した。 (7)アイゾッド衝撃強度 ASTM D−256に従い、厚み12.7mmの試験
片(ノッチ付)を用いて23℃にてアイゾッド衝撃強度
を測定し、衝撃特性を評価した。 (8)全光線透過率 東洋精機(株)製直読ヘイズメーターを使用して、23
℃で厚み3mmの角板の全光線透過率(%)をASTM
D−1003に準じ、室温下で測定し、透明性の評価
尺度とした。
製射出成形機M−50AII−SJにて成形し、ゲート、
ランナー、成形品中の発泡の有無を確認した。成形品の
形状は、9cm(縦)×5cm(横)×2mm(厚み)
の角板であり、成形条件は成形温度:250℃、金型温
度:60℃、射出速度:88cm3/秒、射出時間:1
5秒、冷却時間:30秒、成形圧力:金型に樹脂が全て
充填される圧力(成形下限圧力)で行った。
い、成形品表面のシルバーの有無を確認した。
拌翼を備えたステンレス製オートクレーブに、メタクリ
ル酸メチル/アクリルアミド共重合体(特公昭45−2
4151号公報記載)0.05部をイオン交換水165
部に溶解した溶液を供給し、400rpmで撹拌し、系
内を窒素ガスで置換した。次に、下記組成の混合物質を
反応系を撹拌しながら添加し、60℃に昇温し懸濁重合
を開始した。 メタクリル酸 15重量部 メタクリル酸メチル 67重量部 スチレン 18重量部 t−ドデシルメルカプタン 0.3重量部 2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.4重量部
たのち、120分かけて100℃まで昇温し100℃を
120分間保ち重合を終了した。以降、通常の方法に従
い、反応系の冷却、ポリマーの分離、洗浄、乾燥を行な
い、ビーズ状の原重合体を得た。GC(ガスクロマトグ
ラフィー)によりビーズ中の残存モノマーを測定した結
果、残存モノマーはメタクリル酸0.4重量部、メタク
リル酸メチル0.6重量部であり、スチレンは0重量部
(未検出)であった。
がら65℃に昇温した。内温が65℃に達した時点を重
合開始として、スチレン70重量部、アクリロニトリル
30重量部およびt−ドデシルメルカプタン0.3重量
部からなる混合物50重量部を5時間かけて連続滴下し
た。並行してクメンハイドロパーオキサイド0.25重
量部、オレイン酸カリウム2.5重量部および純水25
重量部からなる水溶液を、7時間で連続滴下し反応を完
結させた。得られたグラフト共重合体ラテックスを硫酸
で凝固し、苛性ソ−ダで中和した後、洗浄、濾過、乾燥
してグラフト共重合体(B−1−1)を得た。
ラフト率は45%、アセトン可溶分のメチルエチルケト
ン溶媒、30℃での極限粘度は0.36dl/gであっ
た。また、アセトン可溶分の屈折率を測定した結果、
1.572であった。
0.2μmのポリブタジエンに変更し、モノマーをメタ
クリル酸メチル70重量部、スチレン25重量部、アク
リロニトリル5重量部の混合物に変更した以外は、上記
と同様の方法によりグラフト共重合体(B−1−2)を
製造した。得られたグラフト共重合体(B−1−2)の
グラフト率は48%、アセトン可溶分の極限粘度は0.
35dl/gであった。また、アセトン可溶分の屈折率
を測定した結果、1.516であり、ポリブタジエンの
屈折率と同等であった。
の製造 参考例1に記載した原重合体の製造方法と同様な方法
で、モノマーとして、スチレン70重量部、アクリロニ
トリル30重量部の混合物を用いることにより、ビニル
共重合体(B−2−1)を製造した。得られたビニル共
重合体(B−2−1)のメチルエチルケトン中、30℃
での極限粘度は0.54dl/gであった。また、屈折
率は1.572であった。
チレン25重量部、アクリロニトリル5重量部、t−ド
デシルメルカプタン0.4重量部を用いることにより、
ビニル共重合体(B−2−2)を得た。このときの極限
粘度は0.33dl/gであった。また、屈折率は1.
516であった。
製造 参考例1にて調整した原重合体を、スクリュウ径30m
m、L/Dが35のベント真空度が200mmHg以下
である2つのベントを有する2軸押出機(日本精鋼製
TEX30α)のホッパー口より10kg/hで供給
し、サイドフィーダーよりモノグリシジルエステルであ
る“カージュラE−10”(油化シェルエポキシ社製)
を170g/hで供給した。押出時の樹脂温度は280
℃、スクリュウ回転数は150rpmで溶融混練押出を
行い、グルタル酸無水物単位を有する耐熱性共重合体
(A−1)のペレットを得た。
て、GCによる残存モノマー測定の結果、メタクリル酸
メチル780ppmを含有しており、その黄色度は8で
あった。また、DSCにより求めたガラス転位点(T
g)は126℃、重量平均分子量は14.6万、MFR
は40g/10分、1H−NMRスペクトルから求めた
組成はメタクリル酸メチル単位62重量%、スチレン単
位19重量%、グルタル酸無水物単位19重量%であ
り、残存するメタクリル酸単位のピークは観察されなか
った。
を射出成形したところ、成形時の発泡がなく、得られた
成形品におけるシルバーも観察されなかった。得られた
成形品の透明性および屈折率を測定した結果、全光線透
過率は85%、屈折率は1.51であった。
製造 モノグリシジルエステルである“カージュラE−10”
の添加をしなかったこと以外は実施例1と同様に溶融混
練押出を行い、耐熱性共重合体(A−2)を得た。
て、GCによる残存モノマー測定の結果、メタクリル酸
460ppm、メタクリル酸メチル880ppmを含有
しており、その黄色度は6であった。また、DSCによ
り求めたガラス転位点(Tg)は128℃、重量平均分
子量は14.6万、MFRは38g/10分、1H−N
MRスペクトルから求めた組成はメタクリル酸メチル単
位61.5重量%、メタクリル酸単位0.5重量%、ス
チレン単位19重量%、グルタル酸無水物単位19重量
%であった。
例1の場合と同様に射出成形したところ、成形時に発泡
が認められ、得られた成形品にシルバーが観察された。
得られた成形品の透明性および屈折率を測定した結果、
全光線透過率は86%、屈折率は1.51であった。
合体中のメタクリル酸単位が実質的に存在しなければ、
成形時の発泡がなく、成形品表面にシルバーが観察され
ない、表面外観に優れる成形品が得られることが分か
る。
又は比較例1で得られた耐熱性共重合体、参考例2で得
られたグラフト共重合体、及び/又は、参考例3で得ら
れたビニル系共重合体を、表1に示す配合割合に従った
組成で用い、スクリュウ径30mm、L/Dが25の同
方向回転2軸押出機(池貝鉄工製 PCM−30)のホ
ッパー口より一括供給して、樹脂温度250℃、スクリ
ュウ回転数150rpmで溶融押出した。得られたペレ
ットを70℃で3時間乾燥後、射出成形に供し、目的と
する試験片を成形した。各試験片の物性測定結果を表1
に示した。
かる。実施例2、3の結果から、本発明の耐熱性共重合
体(A−1)にゴム強化スチレン系樹脂を配合すること
により、発泡がなく、成形品表面にシルバーが観察され
ない、表面外観に優れた、高度な耐熱性、耐衝撃性を有
する樹脂組成物が得られた。また、実施例4、5の結果
から、本発明の耐熱性共重合体(A−1)にゴム強化ス
チレン系樹脂(B)のマトリックス部の屈折率がポリブ
タジエンゴムの屈折率と同等であるものを用いることに
より、透明性に優れる熱可塑性共重合体が得られた。
に、発泡が認められ、成形品にシルバーが観察された本
発明外の共重合体(A−2)を用いると、ゴム強化スチ
レン系樹脂と配合した場合にも、発泡が認められ、成形
品にシルバーが観察された。
重合体(A−1)を用いても、ゴムで補強されていない
スチレン系樹脂を配合した場合には、耐衝撃性が得られ
なかった。また、比較例5,9のように、本発明の耐熱
性共重合体(A−1)を用いても、その配合量が10重
量部未満と少なすぎる場合には、高度な耐熱性が得られ
なかった。
れた耐熱性共重合体と屈折率が近似するグラフト共重合
体(B−1−2)やビニル系共重合体(B−2−2)を
配合した組成物の場合(実施例4、5、比較例6〜9)
では透明性に優れていたが、耐熱性共重合体と屈折率が
異なるグラフト共重合体(B−1−1)やビニル系共重
合体(B−2−1)を配合した組成物の場合(実施例
2、3、比較例2〜5)では透明性が失われた。
キルエステル単位、特定のグルタル酸無水物単位、及
び、必要に応じて含まれる他の単量体単位からなる耐熱
性共重合体において、不飽和カルボン酸単位を実質的に
含有しない共重合体にすることによって、成形時の発泡
を抑制でき、さらに成形品にシルバーが観察されない、
表面外観に優れる成形品が得られると同時に、耐熱性が
高く、さらにゴム強化重合体と配合したときの機械的強
度および成形加工性に優れた樹脂、さらには透明性ゴム
強化重合体と配合したときの透明性にも優れた樹脂組成
物を得ることができる。
塑性樹脂組成物、およびそれからなる成形品は、自動車
や一般雑貨、電気機器、OA機器などのハウジングや部
品などの用途に好適である。
Claims (4)
- 【請求項1】 不飽和カルボン酸アルキルエステル単
位、下記一般式(1) 【化1】 (上記式中、R1、R2は、同一または相異なる水素原子
または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)で表される
グルタル酸無水物単位、及び、必要に応じて含まれる他
の単量体単位からなる共重合体であって、該共重合体中
に不飽和カルボン酸単位が実質的に含まれないことを特
徴とする耐熱性共重合体。 - 【請求項2】 請求項1に記載の耐熱性共重合体(A)
10〜90重量部と、ゴム強化スチレン系樹脂(B)9
0〜10重量部とからなる耐熱性熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項3】 23℃で測定した全光線透過率が60%
以上である請求項2に記載の耐熱性熱可塑性樹脂組成
物。 - 【請求項4】 請求項1に記載の耐熱性共重合体、又は
請求項2もしくは3に記載の耐熱性熱可塑性樹脂組成物
からなる樹脂成形品。
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JP2013091803A (ja) * | 2006-04-06 | 2013-05-16 | Nippon Shokubai Co Ltd | アクリル系樹脂組成物の製造方法 |
CN109096431A (zh) * | 2018-08-21 | 2018-12-28 | 湖南工业大学 | 一种纳米发电机与自驱动传感器用聚丙烯酸丁酯-聚甲基丙烯酸丁酯共聚物及其制备方法 |
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2001
- 2001-11-07 JP JP2001341959A patent/JP4075355B2/ja not_active Expired - Fee Related
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