JP2003137922A - 吸水性樹脂粉末、その製造方法およびその用途 - Google Patents

吸水性樹脂粉末、その製造方法およびその用途

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微細な金属性異物がなく、劣化が抑えられた
吸水性樹脂粉末、その製造方法および用途、および金属
性異物分離器を提供する。 【解決手段】 本発明にかかる吸水性樹脂粉末の製造方
法は、不飽和単量体を重合する工程、得られた含水ゲル
状架橋重合体を乾燥する工程、を含む、質量平均粒子径
が300〜600μmで150μm以下の微粉が10質
量%未満の架橋構造を有する吸水性樹脂粉末の製造方法
であって、乾燥工程後の製造工程で吸水性樹脂粉末に磁
束密度0.05Wb/m2以上の磁場を通過させる磁力
線照射工程をも含む、ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水性樹脂粉末、
その製造方法およびその用途、および金属性異物分離器
に関する。
【0002】
【従来の技術】吸水性樹脂は、生理用ナプキン、紙おむ
つ等の衛生材料用吸収剤として使用され、また、農園芸
用分野、土木業分野における保水剤、脱水剤等として使
用されるなど、幅広い用途を持っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上に例示した用途に限
られることではないが、吸水性樹脂の吸水性能が時間の
経過とともに吸水性能などにおいて劣化することがあっ
てはならないことは、勿論である。吸水性能の劣化を防
ぐための工夫としては、例えば、尿による吸水性樹脂の
経時的な劣化を抑える方法には、特開昭63−1183
75号、米国特許4972019号、米国特許4863
989号、特開昭63−127754号、特開昭63−
153060号、特開昭63−272349号、特開昭
64−33158号、特開平2−255804号、特開
平3−179008号、欧州特許0372981号、特
開平5−97929号などの対処方法が知られている。
【0004】しかし、本発明者が調べたところによる
と、これら従来の対処方法を施しても吸水性能の劣化が
起きることが分かった。そこで、本発明の課題は、上記
吸水性能劣化の従来知られていない原因を探ってその防
止を図ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らが、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、吸水性
樹脂には微量の金属性異物が含まれていることを見出
し、特に、吸水性樹脂の性能を高めて細粒化するととも
に粒度分布を揃え微粉の含有量を少なくしたときに、か
かる金属性異物の含有量は増加し、微量に含まれている
金属性異物が吸水性樹脂の吸水性能の劣化を促進してい
ることが分かった。具体的に言えば、上記劣化は、吸水
性樹脂の性能を高めるために、吸水性樹脂粉末の質量平
均粒子径を300〜600μmとし150μm以下の微
粉の含有量を10質量%未満に低減しようとしたとき
に、特に起きやすくなり、そして、吸水性樹脂粉末から
の金属性異物の除去量を多くすればするほど、上記劣化
を効果的に防ぐことのできることを見出したのである。
【0006】上記吸水性樹脂粉末からの金属性異物の除
去は、吸水性樹脂粉末となる含水ゲル状架橋重合体の乾
燥物粉末を移送する工程の中で、この乾燥物粉末に対し
特定の磁場を通過させることで容易かつ確実に行なうこ
とができて、吸水性樹脂粉末の物性を大いに向上させる
ことができることを見出した。また、金属性異物の発生
原因が以下であることを見出した。粒径が揃っていて微
粉含有量の少ない吸水性樹脂粉末を工業的に大量に生産
する場合は、通常、含水ゲル状架橋重合体の乾燥物を連
続粉砕し、連続輸送して分級工程に送り、連続分級する
ようにする。金属性異物は、乾燥物粉末がこのような製
造ラインにおいて接する金属面を傷つけて生じる。
【0007】金属性異物は、製造ラインにおいて用いら
れる上記各工程やその他の工程に用いられる装置におい
て、吸水性樹脂粉末が接する面の50%以上がステンレ
ススチール面となっている場合に発生しやすい。吸水性
樹脂粉末は、好ましくは、親水性単量体を重合して得ら
れる含水ゲル状重合体を乾燥した後、ロールミル、高速
回転式粉砕機、ジェット粉砕機等の粉砕機で粉砕し、さ
らに分級および移送することにより、製造される。これ
らの工程で、含水ゲル状架橋重合体の乾燥物が金属面を
傷つけて金属性異物を生じさせるのである。
【0008】吸水性樹脂粉末を衛生材料に使用する場合
には、粒度分布が特に狭くて微粉の含有率が低い吸水性
樹脂粉末が優れた物性を有するため好まれる。そこで、
含水ゲル状架橋重合体の乾燥物を粉砕したのち、篩分級
工程で好ましい粒度分布に調整する。このとき、吸水性
樹脂のSFC(生理食塩水流れ誘導性)を向上させるた
めに、篩分級工程での分級精度を上げて微粉の含有量を
減少させようとすると、篩が傷つきやすくなる。篩を複
数枚、特に複数箇所で使用する場面では、かかる傾向は
より顕著になる。上記劣化は、吸水性樹脂粉末の製造ラ
インの負荷の大きさが吸水性樹脂粉末を1ライン当たり
500kg/hr以上の生産量で連続生産する大きさで
ある場合に特に起きやすい。
【0009】上記劣化は、特定の狭い粒度の不定形粉末
粒子を得ようとすると特に金属性異物が発生しやすい。
含水ゲル状架橋重合体は粉砕する前に細分化しておく
が、剪断重合および/または静置重合により得られた含
水ゲル状架橋重合体を細分化すると、乾燥物が不定形で
あったり凝集したりして、角を持つため、特に、装置金
属面を傷つけ易い。吸水性樹脂は、一般に表面架橋する
ことで吸水性能を向上させているが、この表面架橋工程
において、また、この表面架橋を150〜250℃で行
うと、吸水性樹脂の固形分量が高くなることによって、
吸水性樹脂粉末の硬さが増すことで、より一層、装置の
金属面を傷つけやすくなるために、特に、金属性異物が
混入しやすい。
【0010】金属性異物は、含水ゲル状架橋重合体粉末
の製造時や製造後においてこれを輸送したり貯蔵したり
する際にも混入することがある。本発明者は、含水ゲル
状架橋重合体の乾燥物を高精度に生産性よく粒度分級す
るために、分級装置を加熱した状態および/または保温
した状態で用いることを提案している(特開平10−2
02187号、欧州特許855232号)。含水ゲル状
架橋重合体乾燥物の篩分級処理を高温で行うとき、乾燥
物の含水率が低くなり乾燥物が硬くなる。そのため、金
属性異物の混入が多くなりやすい。以上の考察、実験に
よる確認などを経て完成されたところの、本発明にかか
る吸水性樹脂粉末の製造方法は、不飽和単量体を重合す
る工程、得られた含水ゲル状架橋重合体を乾燥する工
程、を含む、質量平均粒子径が300〜600μmで1
50μm以下の微粉が10質量%未満の架橋構造を有す
る吸水性樹脂粉末の製造方法であって、乾燥工程後の製
造工程で吸水性樹脂粉末に磁束密度0.05Wb/m2
以上の磁場を通過させる磁力線照射工程をも含む、こと
を特徴とする。
【0011】本発明の製造方法によれば、上記本発明に
かかる吸水性樹脂粉末を容易に得ることが出来る。特
に、本発明の製造方法において、吸水性樹脂粉末に対し
磁力線を当てることを行うと、金属性異物、特に1mm
以下の金属性異物の微粒子、また特に目視による確認が
できない鉄微粉末やステンレス性金属異物までも除去す
ることができる。本発明にかかる吸水性樹脂粉末の製造
方法においては、前記乾燥工程後にさらに粉砕工程、分
級工程および各製造工程を連結する連続移送工程を含
み、前記磁力線照射工程が前記分級工程以後に設けられ
ていることが好ましい。
【0012】本発明にかかる吸水性樹脂粉末の製造方法
においては、連続移送する工程の少なくとも2箇所で前
記磁力線の照射を行なうことが好ましく、そのうちの1
箇所を、吸水性樹脂粉末の最終製品を収納するホッパー
の直前に設けることが好ましい。さらに、本発明にかか
る吸水性樹脂粉末の製造方法においては、前記磁力線
を、磁束密度1.0Wb/m2以上の磁力線とすること
が好ましい。そして、前記磁力線の照射を永久磁石およ
び/または電磁石で行なうことが好ましい。本発明にか
かる吸水性樹脂粉末の製造方法は、製造ラインの負荷の
大きさが、吸水性樹脂粉末を1ライン当たり500kg
/hr以上の生産量で連続生産する大きさである場合に
顕著な効果を発揮する。
【0013】本発明にかかる吸水性樹脂粉末は、アクリ
ル酸および/またはその塩を主成分とする単量体を重合
することにより得られる重合体を主成分とし、かつ、質
量平均粒子径が300〜600μmで150μm以下の
微粉が10質量%未満であって、架橋構造を有し、か
つ、磁力線を照射してなるものである。本発明にかかる
衛生材料は、アクリル酸および/またはその塩を主成分
とする単量体を重合することにより得られる重合体を主
成分とし、かつ、質量平均粒子径が300〜600μm
で150μm以下の微粉が10質量%未満であって、架
橋構造を有し、かつ、磁力線を照射してなる吸水性樹脂
粉末を用いてなるものである。
【0014】本発明にかかる金属性異物分離器は、本発
明の吸水性樹脂粉末の製造方法を実施する際に、金属性
異物が混ざった有機物質粉から前記金属性異物を分離す
るために使用する装置であって、金属性異物が混ざった
前記有機物質粉を上昇空気流で攪拌するための空間を作
る分離室と、金属性異物が混ざった前記有機物質粉を前
記分離室に導入するための物質入口と、金属性異物が分
離された前記有機物質粉を前記上昇空気流とともに前記
分離室から排出するための物質出口と、前記分離室の底
であって有機物質粉に金属性異物が吸着した粒子の少な
くとも一部は通さず受けていることのできる多孔板と、
前記物質出口から空気を吸引する空気流発生装置と、を
備え、前記空気流発生装置により前記物質出口から空気
を吸引することで前記物質入口から金属性異物が混ざっ
た前記有機物質粉を取り込むとともに前記多孔板を通じ
て前記分離室内に空気を導入し前記分離室内に上昇空気
流を形成し、金属性異物が混ざった前記有機物質粉を前
記上昇空気流で攪拌することによって前記有機物質粉と
前記金属性異物とを分離する、ことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】<吸水性樹脂粉末>本発明の製造
方法で得られる吸水性樹脂粉末は、アクリル酸および/
またはその塩を主成分とする単量体を重合することによ
り得られる重合体を主成分とし、かつ、質量平均粒子径
が300〜600μmで150μm以下の微粉が10質
量%未満であって、架橋構造を有し、かつ、磁力線を照
射してなる。本発明の製造方法で得られる吸水性樹脂粉
末は、質量平均粒子径が300〜600μmであり15
0μm以下の微粉が10質量%未満の架橋構造を有す
る、粒度の揃った微細粒子であって、吸水性能が高いに
も関わらず、金属性異物の含有が殆どないため、吸水性
能が劣化しにくい。
【0016】なお、本明細書においては、「質量」およ
び「質量%」は、それぞれ「重量」および「重量%」と
同義語として扱う。吸水性樹脂粉末の質量平均粒子径と
しては、物性面から、300〜600μmが必要である
が、350〜550μmが好ましく、400〜500μ
mがさらに好ましい。粒子径150μm以下である微粉
の含有量は、10質量%未満であることが必要である
が、5質量%未満であることが好ましく、3質量%未満
であることがより好ましい。これらの粒子径や微粉含有
量にすることで高い吸水性能を発揮させることができる
からである。
【0017】吸水性樹脂粉末の粒子形状は、球状、立方
体状、柱状、板状、りんぺん状、棒状、針状、繊維状等
のいずれであっても良いが、特に、乾燥後の粉砕工程で
得られる不定形破砕状粒子が好ましい。本発明にかかる
吸水性樹脂粉末であれば、例えば、無加圧下吸収倍率
(CRC)が、好ましくは25g/g以上、さらに好ま
しくは28g/g以上、特に好ましくは31g/g以上
であり、かつ、加圧下吸収倍率(AAP)(4.9kP
a)が、好ましくは20g/g以上、より好ましくは2
3g/g以上、さらに好ましくは25g/g以上などの
高い吸水性能を達成することが可能であり、しかも、高
い吸水性能を長期間維持することができる。また、後述
のゲル安定性(実施例で規定)が好ましくは5質量%以
下、さらに好ましくは3質量%以下、特に好ましくは1
質量%以下とすることができ、ゲル劣化を大きく低減で
きる。
【0018】本発明の製造方法で得られる吸水性樹脂粉
末は、優れた吸水性能を有し、しかも、この高い吸水性
能の劣化が抑えられ、長期間維持されるため、限定する
訳ではないが、衛生材料として好ましく使用できる。本
発明によれば、無加圧下の吸収倍率(CRC)、加圧下
の吸収倍率(AAP)、生理食塩水流れ誘導性(SF
C)のバランスに優れた良好な吸収特性を備えた吸水性
樹脂粉末を簡便に製造することができ、農園芸保水剤、
工業用保水剤、吸湿剤、除湿剤、建材などで広く用いら
れるが、その吸水性樹脂粉末は紙おむつ、整理用ナプキ
ンなどの、糞、尿ないし血液の吸収用衛生材料に特に好
適に用いられる。
【0019】本発明の吸水性樹脂粉末は上記各種物性に
バランスよく優れるため、衛生材料は、一般に吸水性樹
脂粉末の濃度(吸水性樹脂粉末および繊維基材の合計に
対する吸水剤の質量比)として高濃度、例えば、好まし
くは30〜100質量%、より好ましくは40〜100
質量%、さらに好ましくは50〜95質量%で使用可能
である。すなわち、本発明にかかる衛生材料は、アクリ
ル酸および/またはその塩を主成分とする単量体を重合
することにより得られる重合体を主成分とし、かつ、質
量平均粒子径が300〜600μmで150μm以下の
微粉が10質量%未満であって、架橋構造を有し、か
つ、磁力線を照射してなる吸水性樹脂粉末を用いてな
る。 <吸水性樹脂粉末の製造>本発明にかかる吸水性樹脂粉
末の製造方法は、不飽和単量体を重合する工程、得られ
た含水ゲル状架橋重合体を乾燥する工程、を含み、乾燥
工程後の製造工程で、少なくとも1ヶ所、吸水性樹脂粉
末に磁束密度0.05Wb/m2以上の磁場を通過させ
る磁力線照射工程をも含む。
【0020】本発明にかかる吸水性樹脂粉末の製造方法
のより好ましい態様は、前記乾燥工程後にさらに粉砕工
程、分級工程および各製造工程を連結する連続移送工程
を含み、前記磁力線照射工程が前記分級工程以後に設け
られている。なお、連続移送工程がなく、各製造工程が
直接つながっている場合もある。そして、製造工程と
は、移送や貯蔵も含む、全ての製造に関連した工程を示
す。特に、重合工程、乾燥工程、粉砕工程、分級工程の
いずれかを連結する場合が好ましく、全てを連結する場
合がより好ましい。さらに、前記連続移送工程の少なく
とも2箇所で前記磁力線の照射を行ない、そのうちの1
箇所が吸水性樹脂粉末の最終製品を収納するホッパーの
直前である態様がより好ましい。さらに、製品として出
荷された吸水性樹脂粉末に対して、その使用前(吸液
前)に磁力線照射工程を設けても良い。
【0021】本発明においては、吸水性樹脂粉末の製造
ラインにおいて用いられる装置が、吸水性樹脂ないしそ
の粉末が接する面の少なくとも一部、好ましくは50%
以上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは90
%以上がステンレススチール(鋼)面となっている場合
に、特に本発明の効果が十分に発揮できる。以下では、
本発明にかかる吸水性樹脂粉末を製造する方法におけ
る、基本的な工程を詳しく説明し、磁力線照射工程につ
いては本説明に続いて詳述する。 〔含水ゲル状架橋重合体の製造工程〕本発明の吸水性樹
脂とは、従来から知られている吸水性樹脂のことであ
り、後述する少量の添加剤を含むものも吸水性樹脂と総
称し、例えばイオン交換水中において、好ましくは自重
の5倍以上、より好ましくは50倍から1000倍とい
う多量の水を吸収し、アニオン性、ノニオン性、または
カチオン性の水不溶性含水ゲル状架橋重合体を形成する
架橋重合体のことである。なお、水不溶性とは、吸水性
樹脂中で未架橋の水可溶性成分(水溶性高分子)が、5
0質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに
好ましくは15質量%以上、もっとも好ましくは10質
量%以下のものを指す。
【0022】吸水性樹脂は1種または混合物でも用いら
れるが、中でも酸基含有の吸水性樹脂、さらには、カル
ボン酸またはその塩であるカルボキシル基含有の吸水性
樹脂の1種またはその混合物が好ましく、典型的にはア
クリル酸および/またはその塩(中和物)を主成分とす
る単量体を重合・架橋することにより得られる重合体、
すなわち、必要によりグラフト成分を含むポリアクリル
酸塩架橋重合体が主成分とされるものである。上記アク
リル酸塩としては、アクリル酸のナトリウム、カリウ
ム、リチウムなどのアクリル金属塩、アンモニウム塩お
よびアミン塩などを例示することができる。上記吸水性
樹脂は、その構成単位としてアクリル酸0〜50モル%
およびアクリル酸塩100〜50モル%(ただし、両者
の合計量は100モル%以下とする。)の範囲にあるも
のが好ましく、アクリル酸10〜40モル%およびアク
リル酸塩90〜60モル%(ただし、両者の合計量は1
00モル%以下とする。)の範囲にあるものがより好ま
しい。なお、この酸と塩とのモル比を中和率と呼ぶ。上
記塩を形成させるための吸水性樹脂の中和は、重合前に
単量体の状態で行ってもよいし、あるいは重合途中や重
合後に重合体の状態で行ってもよいし、それらを併用し
てもよい。
【0023】前記吸水性樹脂としては、架橋剤を使用し
ない自己架橋型のものであってもよいが、1分子中に、
2個以上の重合性不飽和基や、2個以上の反応性基を有
する架橋剤(吸水性樹脂の内部架橋剤)を共重合または
反応させたものが好ましい。これらの内部架橋剤の含有
量は、具体的には、例えば、N,N´−メチレンビス
(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレートなどの単量体(架橋剤を除く)
に対して、好ましくは0.001〜2モル%、より好ま
しくは0.005〜0.5モル%、さらに好ましくは
0.01〜0.2モル%、もっとも好ましくは0.03
〜0.15モル%の範囲内である。
【0024】本発明の方法で用いられる含水ゲル状架橋
重合体としては、水溶性(特に、水に25℃で10質量
%以上溶解)の重合性不飽和基含有単量体、たとえば、
(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマール
酸、クロトン酸、イタコン酸、2−(メタ)アクリロイ
ルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパ
ンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンス
ルホン酸、等のアニオン性単量体やその塩、(メタ)ア
クリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、等のノニオン性親水性基
含有単量体、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)
アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミド、等のアミノ基含有不飽和単量体や
それらの4級化物等と、重合時に架橋構造を形成させる
ための架橋剤、たとえば、分子内に重合性不飽和二重結
合を2個以上有する化合物、水溶性の不飽和基含有単量
体が有する酸基、ヒドロキシル基、アミノ基等の官能基
と反応する基を分子内に2個以上有する化合物、分子内
に不飽和結合および単量体の官能基と反応する基をそれ
ぞれ1個以上有する化合物、分子内に単量体の官能基と
反応する点を2個以上有する化合物、または単量体成分
が重合する際にグラフト結合等により架橋構造を形成し
得る親水性高分子等とを用いて重合を行い、乾燥するこ
とによって得るようにする。
【0025】含水ゲル状架橋重合体としては、原料の入
手容易性などの理由から、ポリアクリル酸架橋体部分中
和塩が好ましく用いられる。なお、アクリル酸以外の単
量体や用いられる架橋剤、さらに、重合時の添加剤な
ど、高吸水性樹脂の製造方法は、公知の方法が広く用い
られ、下記特許も本願発明に適用できる。なお、逆相懸
濁重合とは、単量体水溶液を疎水性有機溶媒に懸濁させ
る重合法であり、例えば、米国特許4093776号、
同4367323号、同4446261号、同4683
274号、同5244735号などに記載されている。
水溶性重合は、分散溶媒を用いずに単量体水溶液を重合
する方法であり、例えば、米国特許4625001号、
同4873299号、同4286082号、同4973
632号、同4985518号、同5124416号、
同5124416号、同5264495号、同5145
906号、同5380808号などや、欧州特許081
1636号、同0955086号、同0922717号
など、WO2001/38402号などに記載されてい
る。
【0026】本発明においては、含水ゲル状架橋重合体
が、ゲル劣化の防止と金属性異物の除去という本発明の
効果を最大限に発揮するため、剪断重合(特にニーダー
重合)および/または静置重合(特にベルト重合)によ
り得られた含水ゲル状架橋重合体を細分化してなるもの
が好ましい。 〔含水ゲル状架橋重合体の乾燥工程〕含水ゲル状重合体
の乾燥物は、限定する訳ではないが、ゲル劣化の防止と
金属性異物の除去という本発明の効果を最大限に発揮す
るため、含水ゲル状架橋重合体を、好ましくは150〜
230℃、より好ましくは160〜180℃で乾燥して
得るようにするのがよい。
【0027】物性面から、および、本発明の効果を最大
限に発揮するため、最終製品の乾燥後の含水率(180
℃/3hr後の減量で規定)は、好ましくは90質量%
以上、さらに好ましくは93〜99.9質量%の範囲、
特に好ましくは95〜99.8質量%の範囲である。上
記乾燥は、種々の方法で行うことが出来るが、吸水性樹
脂の物性に対する影響を考慮すると、網やパンチングメ
タル上で行うこと好ましい。網やパンチングメタル上で
の静置乾燥によれば、金属性異物の発生が起きにくいか
らである。パンチングメタル上の乾燥は、金属性異物の
混入を抑えられる効果がより高い。
【0028】また、後述するように、乾燥工程は、含水
ゲル状架橋重合体ないしその乾燥物に対し150〜25
0℃で表面架橋する工程をも含む場合であっても良い。 〔含水ゲル状架橋重合体乾燥物の粉砕工程〕本発明にか
かる吸水性樹脂粉末の製造方法は、好ましくは、上記含
水ゲル状架橋重合体の乾燥物を粉砕機で粉砕し粒子状に
する工程を含む。この粉砕工程で用いられる粉砕機とし
ては、たとえば、ローラーミル、ナイフミル、ハンマー
ミル、ピンミル、ジェットミル等であり、粉砕機自体の
内壁面を加熱する手段を備えていることが好ましい。
【0029】その粉砕工程は、粉砕機の内壁面を外側か
ら加熱した状態にすること、または、粉砕機の内壁面温
度を粒子状吸水性樹脂の温度に対し20℃は低くならな
いようにすることが好ましい。粉砕によって得られた乾
燥物粉末が、粉砕機の内面側壁に付着し、さらには大き
な凝集物を形成し、粉砕機の振動によってこの凝集物が
剥がれ落ち、製品に混入する傾向があるからである。含
水ゲル状架橋重合体の乾燥物粉末としては、流動性を有
する粉末であって、SFC(生理食塩水流れ誘導性)が
20(単位:10-7×cm3×s×g-1)以上であるこ
とが好ましく、30(単位:10-7×cm3×s×
-1)以上であることがさらに好ましい。SFCの高い
吸水性樹脂粉末は、金属性異物(粉末など)が混入しや
すい傾向があるからである。理由としては定かではない
が、SFCを高めるために吸水性樹脂粉末の粒度を粗く
かつ狭く制御しなければならず、その結果、含水ゲル状
架橋重合体またはその乾燥物(吸水性樹脂粉末)と接触
する装置の内壁面の損傷が大きくなり、金属粉末の混入
が起りやすくなるためと推定される。
【0030】〔含水ゲル状架橋重合体の乾燥物粉末の移
送工程〕本発明にかかる吸水性樹脂粉末の製造方法は、
好ましくは、含水ゲル状架橋重合体乾燥物の粉砕後に、
上記乾燥物粉末を輸送機などを用いて連続的に移送する
工程を含む。上記連続移送工程で用いられる輸送機とし
ては、たとえば、ベルトコンベヤー、スクリューコンベ
ヤー、チェーンコンベヤー、振動コンベヤー、ニューマ
チックコンベヤー等や、その内壁面を外側から加熱する
手段および/または保温する手段を備えたものを挙げる
ことができる。これらの輸送機のうちでも、チェーンコ
ンベヤーまたはニューマチックコンベヤーが好ましい。
【0031】上記連続移送工程においては、少なくとも
一部が空気輸送で行うことが好ましい。乾燥物粉末すな
わち、高物性の吸水性樹脂粉末の、移送による損傷(物
性低下)を低減するためにも、また、金属性異物の混入
を抑えるためにも、連続移送工程の一部が空気輸送でな
されることが好ましい。この連続移送工程では、輸送機
の内壁面を外側から加熱した状態および/または保温し
た状態にすることが好ましい。輸送機での凝集を有効に
防止することができる傾向があるからである。 〔含水ゲル状架橋重合体の乾燥物粉末の分級工程〕本発
明にかかる吸水性樹脂粉末の製造方法は、好ましくは、
上記粉砕で得られた乾燥物粉末を連続的に分級する工程
を含む。
【0032】この連続分級工程は、限定するわけではな
いが、篩分級(金属篩、ステンレス鋼製)によることが
好ましい。好ましくは、目的とする物性と粒度のため、
分級工程は複数枚の篩を同時に使用し、また、分級工程
は表面架橋の前、さらには前後の2ヶ所以上で用いられ
ることが好ましい。連続篩分級工程は、篩に加熱または
保温することが好ましい。ただし、高温で篩分級を行う
と、乾燥物粉末の含水率が低くなって硬くなり、その結
果、篩に与える損傷が大きくなり、乾燥物粉末に微細な
金属性異物が混入しやすい傾向があると推定される。そ
のため、高温にならないよう温度(好ましくは40〜1
00℃、さらに好ましくは50〜80℃)を設定するこ
とが好ましい。
【0033】〔含水ゲル状架橋重合体の表面処理工程〕
含水ゲル状架橋重合体は、吸水性能の向上のために、適
宜の段階で表面架橋処理されていることが好ましい。こ
の表面架橋処理は、例えば、好ましくは100℃以上、
より好ましくは150℃〜250℃、さらに好ましくは
170〜230℃、特に好ましくは180〜220℃で
加熱処理することで行われる。加熱時間は、好ましくは
1分〜3時間、より好ましくは5分〜2時間、さらに好
ましくは10分〜1時間である。表面架橋された吸水性
樹脂、特に150〜250℃で表面架橋された吸水性樹
脂には、微量の金属性異物が混入しやすい傾向があり、
脱水反応性架橋剤で表面架橋された吸水性樹脂粉末は、
特に金属性異物が混入しやすい傾向のあることがわかっ
た。これらの高温の表面架橋や脱水反応性架橋では、エ
ステル化反応由来で吸水性樹脂の含水率が低いため、吸
水性樹脂粉末が硬く、その結果、プラントの内面に与え
る損傷が大きくなり、金属粉末の混入が起りやすいため
と推定される。
【0034】表面架橋処理技術は、例えば、特開昭57
−44627号、特開昭58−42602号、特公昭6
0−18690号、特開昭58−180233号、特開
昭59−62665号、特開昭61−16903号、特
開平4−246403号、米国特許5422405号、
米国特許5597873号、欧州特許450923号、
欧州特許450924号、WO99/42494、WO
99/42496、WO99/43720等に開示され
ている。なかでも、多価アルコールを表面架橋処理成分
の少なくとも一つとして用いて表面架橋処理したもの
に、好適に適用される。多価アルコールは、高物性な
上、吸水性樹脂の表面に可塑性を付与し、金属性異物の
発生、混入を低減でき、好ましい。
【0035】本発明においては、添加剤として水不溶性
微粒子を用いると、吸水性樹脂粉末の通液性や吸湿時の
耐ブロッキング性などを改善することができる。水不溶
性微粒子としては、好ましくは10μm以下、さらには
1μm以下、特に0.1μm以下の無機または有機の水
不溶性微粒子が用いられ、具体的には酸化珪素(商品
名、Aerosil、日本アエロジル社製)、酸化チタ
ン、酸化アルミ、などが用いられる。混合は粉末混合
(Dry−Blend)やスラリー混合で行われるが、
その際の使用量は吸水性樹脂粉末100質量部に対して
好ましくは10質量部以下、より好ましくは0.001
〜5質量部、さらに好ましくは0.01〜2質量部であ
る。
【0036】本発明においては、表面架橋とは別に、必
要に応じてさらに、消臭剤、抗菌剤、香料、発泡剤、顔
料、染料、親水性短繊維、可塑剤、粘着剤、界面活性
剤、肥料、酸化剤、還元剤、水、塩類、キレート剤、殺
菌剤、ポリエチレングリコールやポリエチレンイミンな
どの親水性高分子、パラフィンなどの疎水性高分子、ポ
リエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂、ポリ
エステル樹脂やユリア樹脂などの熱硬化性樹脂等を添加
する等、吸水性樹脂に種々の機能を付与するための添加
工程を含んでいてもよい。これらの添加剤の使用量は吸
水性樹脂粉末100質量部に対して0〜10質量の範
囲、好ましくは0〜1質量部の範囲である。なお、これ
ら表面架橋後、ないし、添加剤添加後も、本発明では吸
水性樹脂と総称することがある。 <磁力線照射工程:含水ゲル状架橋重合体からの金属性
異物の除去>本発明にかかる吸水性樹脂粉末の製造方法
は、前記乾燥工程後の製造工程で吸水性樹脂粉末に磁束
密度0.05Wb/m2以上の磁場を通過させる磁力線
照射工程を含む。
【0037】なお、本発明でいう、吸水性樹脂粉末に磁
束密度0.05Wb/m2以上の磁場を通過させる工程
とは、固定ないし移動する吸水性樹脂粉末、好ましくは
連続フローする吸水性樹脂粉末、より好ましくは連続移
送される吸水性樹脂粉末に対して磁場を通過させる工程
である。本発明は、好ましくは吸水性樹脂の連続製造
(ただし、ここで連続製造とは、乾燥工程以降の製造工
程を指し、一部、バッチ工程が含まれていてもそれらが
連結される、ないしは連続であれば連続工程とする)に
適用され、好ましくは、固定式の永久磁石および/また
は電磁石に、連続フローする吸水性樹脂粉末を接触ない
し隣接(好ましくは10cm以内、さらに好ましくは5
cm以内、特に好ましくは1cm以内)させ、特に少な
くとも一部の吸水性樹脂粉末を前記磁石と接触させる工
程である。これら通過ないし接触は、移送工程で行う場
合、吸水性樹脂粉末を断面積1000cm2以内、さら
に好ましくは500cm2以内の移送装置で移送され、
その入口・中間ないし出口のいずれかに後述の磁石を設
ければよい。
【0038】かかる工程において、磁場が通過された吸
水性樹脂粉末は、金属性異物の少なくとも一部が除去さ
れ、その除去量は、好ましくは吸水性樹脂粉末1t当り
0.01g以上、さらに好ましくは0.05g以上、特
に好ましくは0.10g以上である。通常、除去された
金属性異物は、吸水性樹脂粉末が接触ないし隣接する永
久磁石および/または電磁石に磁力で固定され、それら
金属性異物は定期的に除去されればよい。本発明にかか
る吸水性樹脂粉末の製造方法のより好ましい態様は、前
記乾燥工程後にさらに粉砕工程、分級工程および各工程
を連結する連続移送工程を含み、前記磁力線照射工程が
前記分級工程以後に設けられている。さらに、前記連続
移送工程の少なくとも2箇所で前記磁力線の照射を行な
い、そのうちの1箇所が吸水性樹脂粉末の最終製品を収
納するホッパーの直前である態様がより好ましい。
【0039】ホッパーの直前で磁力線の照射を行うこと
で、輸送(移送)装置等の装置(プラント)内面が吸水
性樹脂粉末との接触で破壊されて発生した微細な微量の
金属性異物が吸水性樹脂粉末に混入することを効果的に
防止することができる。磁力線による金属性異物除去処
理を複数個所で行うことで、金属性異物の含有量をより
一層効果的に抑えることができる。金属性異物除去処理
をホッパー直前以外の個所で施す位置としは、限定する
訳ではないが、分級工程の後が好ましい。分級工程のあ
との2箇所以上で行うことがより好ましく、特に、表面
架橋の前と表面架橋の後で行うことがより一層好まし
い。
【0040】〔金属性異物〕本発明でいう金属性異物と
は、吸水性樹脂粉末と別個に存在する金属、特に重金属
(無機金属/通常、金属単体ないしその酸化物または複
合物)のことであり、通常、その発生源はプラント(生
産設備)由来の金属粉や金属片などである。その材質
は、通常、鉄、ニッケル、マンガン、クロムを主成分、
特に鉄を主成分として、その形状は板状、針状、粉末
状、鱗片上など10mm以下、さらには1mm以下、特
に0.1mm以下の金属のことである。具体的には、S
US等のステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS
316)が主成分として挙げられる。なお、吸水性樹脂
中に取り込まれた原料ないしモノマー由来の金属性不純
物(Fe2+、Fe3+等の遷移金属イオン、Li+、N
+、K+等のアルカリ金属イオン、Mg2+、Ca2+等の
アルカリ土類金属イオンやその他の金属イオン、残存開
始剤(例えば、過硫酸ソーダ)、残存モノマーであるア
クリル酸ソーダなど)は、本発明でいう金属性異物とは
呼ばない。
【0041】〔磁力線〕本発明において、金属性異物を
分離する方法として、空気流を用いる方法以外に、磁力
線を用いる方法がある。 〔磁束密度〕本発明においては、特に1ライン当たりの
生産量が500kg/hr以上の連続生産である場合、
吸水性樹脂粉末に対して、金属性異物分離器(除鉄機)
の磁束密度が0.05Wb/m2(0.05テスラ、5
00gaussに相当)以上、好ましくは0.5Wb/
2以上、より好ましくは0.8Wb/m2以上、さらに
より好ましくは1.0Wb/m2以上、もっとも好まし
くは1.2Wb/m2(12000gauss)以上の
磁力線を照射することで金属性異物を分離することがで
きる。
【0042】なお、上記の磁束密度の測定はサーチコイ
ルと磁束計で、磁界の測定はガウスメーターで簡易測定
することができ、その際、適宜、標準マグネットを基準
にしてサーチコイルや半導体プローブ(ホール素子をセ
ンサーに使った半導体プローブ)を較正して測定すれば
よい。また、その他、絶対磁界強度の測定は核磁気共鳴
法でもおこなうことができる。さらに、磁石の基本特性
の試験法はJIS C2501にも記載されている。一
般に、ステンレススチールは磁石に付かないといわれて
いるが、驚くべきことに、吸水性樹脂粉末に含まれてい
る製造工程を経た金属性異物は磁石に吸着させて除くこ
とが出来るのである。
【0043】〔磁石〕本発明において磁力線を照射する
手段として磁石を用いる場合、電磁石と永久磁石のいず
れを用いても良い。また、これらを併用してもよい。さ
らに、本発明の効果を十分に発揮させるために、磁石は
棒状のものを用いることが好ましい。 〔間隙(間隔)〕本発明において、金属性異物分離器
(除鉄機)の磁石は、格子状に配置することが好まし
い。格子状に配置することにより、本発明の効果が十分
に発揮できる。この場合、格子間隔は、5mm以上、3
0mm以下が好ましく、5mm以上、25mm以下がよ
り好ましく、5mm以上、20mm以下がさらに好まし
く、5mm以上、15mm以下がさらにより好ましく、
5mm以上、10mm以下が特に好ましい。ここで、磁
石の格子間隔とは、図3に示すように、磁石同士の隙間
をいい、これが広すぎると効率よく金属を除去すること
が困難となる。また、この間隔が狭すぎると、吸水性樹
脂粉末が通れなくなり、生産性が低下する。
【0044】〔ピッチ〕本発明において、金属性異物分
離器(除鉄機)の磁石のピッチは、10mm以上、60
mm以下が好ましく、10mm以上、40mm以下がよ
り好ましく、10mm以上、35mm以下がさらに好ま
しく、15mm以上、35mm以下がさらにより好まし
く、15mm以上、32mm以下が特に好ましい。ここ
で、磁石のピッチとは、図3に示すように、磁石の中心
同士距離を指し、磁石の太さと磁石間の間隙によってき
まる。これについても、広すぎると、効率よく金属を除
去することが困難となり、狭すぎると、吸水性樹脂粉末
が通れなくなり、生産性が低下する。
【0045】〔段数〕本発明において、金属性異物分離
器(除鉄機)の磁石の段数は特に制限されないが、磁石
からなる格子を、吸水性樹脂粉末の移送方向、好ましく
は落下方向に2段以上配置することが好ましく、3段以
上が好ましい。 〔分散板〕本発明において、金属性異物分離器(除鉄
機)の磁石の手前に分散板を設けることが好ましい。こ
の分散板は、効率よく金属を除去させるため、吸水性樹
脂粉末が偏らないようにするためのもので、一番上の磁
石の隙間に設けることが好ましい。
【0046】〔設置個所〕磁石の設置場所は、限定しな
いが、例えば、生産ラインの少なくとも2箇所に磁石を
設置することが好ましく、そのうちの1箇所が、吸水性
樹脂粉末の最終製品を収容するホッパの直前であるよう
にすることである。ホッパの直前に磁石を設置すること
で、篩分級後の輸送装置等の内面に付着していた金属性
異物が振動により吸水性樹脂粉末に混入することを効果
的に防止することができる。また、その他、ホッパの出
口に磁石を設けても良い。磁力線による金属性異物除去
処理を複数箇所で行うことで、金属性異物の含有量をよ
り一層効果的に抑えることができる。磁力線による金属
性異物除去処理をホッパ直前以外の箇所で施す位置とし
て、限定する訳ではないが、分級工程の後が好ましい。
分級工程の後の2箇所以上で行うことがより好ましく、
特に表面架橋の前と表面架橋の後で行うことがより一層
好ましい。
【0047】〔生産量〕本発明にかかる吸水性樹脂粉末
は、限定する訳ではないが、製造ラインの負荷の大きさ
が、吸水性樹脂粉末を1ライン当たり500kg/hr
以上の生産量で連続生産する大きさであり、含水ゲル状
架橋重合体の乾燥物を連続粉砕する工程、連続移送する
工程および連続分級する工程を含む製造ラインにおいて
も、前記連続分級工程を経たのちの乾燥物から金属性異
物を分離する工程を経させることにより、容易に製造す
ることができる。吸水性樹脂粉末に微量の金属性異物
(やその粉末)が混入する問題は、研究室規模の製造で
は見出されないが、プラント規模の製造に特有の問題で
あり、とくに大型プラントにおいて顕著となる傾向があ
るが、このような大型プラントであっても、本発明にか
かる吸水性樹脂粉末の製造方法によれば、本発明にかか
る吸水性樹脂粉末は容易に得ることができるのである。
本発明が対象とする製造規模は、1ライン当たりより好
ましくは750kg/hrであり、もっとも好ましくは
1000kg/hrである。プラントが大型になるほ
ど、金属性異物(やその粉末)が吸水性樹脂粉末に混入
する問題が顕著になり、本発明の効果が高くなる傾向が
あるからである。 <金属性異物含有量の測定方法:金属性異物分離器>本
発明において、含水ゲル状架橋重合体ないしその乾燥物
から金属性異物を除去する場合の除去効果は、棒状磁石
などの磁力線照射手段に付着した金属性異物量を測れば
良いのであるが、吸水性樹脂粉末における金属性異物の
含有量を実測する必要がある場合は、例えば、以下に述
べる金属性異物分離器を使用して金属性異物を吸水性樹
脂粉末から分離するようにすれば良い。
【0048】すなわち、本発明にかかる金属性異物分離
器は、本発明の吸水性樹脂粉末の製造方法を実施する際
に、金属性異物が混ざった有機物質粉から前記金属性異
物を分離するために使用する装置であって、金属性異物
が混ざった前記有機物質粉を上昇空気流で攪拌するため
の空間を作る分離室と、金属性異物が混ざった前記有機
物質粉を前記分離室に導入するための物質入口と、金属
性異物が分離された前記有機物質粉を前記上昇空気流と
ともに前記分離室から排出するための物質出口と、前記
分離室の底であって有機物質粉に金属性異物が吸着した
粒子の少なくとも一部は通さず受けていることのできる
多孔板と、前記物質出口から空気を吸引する空気流発生
装置と、を備え、前記空気流発生装置により前記物質出
口から空気を吸引することで前記物質入口から金属性異
物が混ざった前記有機物質粉を取り込むとともに前記多
孔板を通じて前記分離室内に空気を導入し前記分離室内
に上昇空気流を形成し、金属性異物が混ざった前記有機
物質粉を前記上昇空気流で攪拌することによって前記有
機物質粉と前記金属性異物とを分離する、ことを特徴と
する。
【0049】本発明者は、有機物質粉と有機物質粉に混
入する金属性異物との比重の差に着目し、金属性異物を
確実に取り除いた有機物質粉を簡易迅速に得るために
は、この比重の差に着目した装置を使用することが最も
適しているのではないかと考え、種々の実験および検討
を重ねた。そして、本発明者は、上記比重差に加え気流
を利用することが最も確実かつ簡便であることを見出
し、この見解に基づく装置として、上昇気流を発生させ
た分離室内に金属性異物が混ざった有機物質粉を投入す
ることで上昇気流に乗せて有機物質粉を確実に取り出し
且つ金属性異物等を気流の流れとは反対に落下させて分
離するとともに、さらに、有機物質粉であるが金属性異
物が吸着していたり金属性異物を取り込んでいたりする
ため前記上昇気流に乗せることのできなかった粒子につ
いては、これらの少なくとも一部をとどめ得る多孔質の
ふるい(多孔板)を分離室の底にあたる部分に設け、後
にふるい上で金属性異物が剥がれたり金属性異物を取り
込んだ粒子が分解した時に有機物質粉のみを上昇気流に
乗せて回収する、等の機能を有する、上記本発明の装置
を開発したのである。
【0050】この装置によれば、金属性異物の混ざった
有機物質粉から、有機物質粉だけを高純度で回収できる
だけでなく、上述のように、多孔板を設置していること
により、金属性異物が吸着しているなどの理由で一旦他
の金属性異物と共に下に分離された有機物質粉を後に改
めて回収しなおすこともでき、有機物質粉の回収効率
(回収量)も向上する。また、気流の流れと反対に落下
したものは、さらに上記多孔質板のふるいに掛けられる
ことで、金属性異物がより選択的に容易に十分量回収さ
れたものとなるため、その後金属種の同定が容易にでき
る。従って、有機物質粉の製造方法においてこの装置を
用いた場合、従来よりも簡易迅速に、金属性異物の分離
および有機物質粉の回収をすることができるとともに、
金属性異物が製造ライン上のどの装置由来のものかを判
断しやすいため、有機物質粉の品質管理や各種装置のメ
ンテナンスなどをより効率的に行うことができる。
【0051】図1とその部分拡大図である図2に示すよ
うに、金属性異物分離器1は、金属性異物が混ざった有
機物質粉を上昇気流で攪拌するための空間を作る分離室
2と、金属性異物が混ざった有機物質粉を分離室2内に
導入するための物質入口3と、金属性異物が分離された
有機物質粉を上昇気流とともに分離室2から排出し回収
するための物質出口4と、分離室2の底となっている多
孔板5と、物質出口4から空気を吸引して分離室2内に
上昇方向の空気流を発生させる空気流発生装置6とを備
えた金属性異物分離器であり、サンプリングした有機物
質粉を空気流により乾式にて比重選別し、有機物質粉お
よび金属性異物を分離・回収することのできる金属性異
物分離器である。
【0052】金属性異物分離器1は、図1に示すよう
に、その本体部を分離器本体1aとし、分離器本体1a
の一部として分離室2を有していることが好ましい。分
離器本体1aは、上端が物質出口4(詳しくは4a部
分)であり、下端は分離室2の底部である多孔板5の位
置より下にさらに延長されていることが好ましい。図1
に示すように、その分離器本体1aの下端は、金属性異
物分離器1の使用時においては、金属性異物回収容器8
に入った形とすることが好ましいが、特に限定はされな
い。分離器本体1aの形状は、その側面については、筒
型であって内部に空間を有する形状であれば、一定筒断
面積を有する円筒状や角筒状や、そうでなく筒断面積が
変化する曲面壁を有する筒状などどのような形状でもよ
く、特に限定されるわけではないが、後述する分離室2
においても特に好ましいとされる円筒形がよい。
【0053】分離器本体1aを形成する材質としては、
特に限定されるわけではなく、対象とする有機物質粉や
考えられる金属性異物の種類などにより、適宜好ましい
材質をすればよいが、具体的には、アクリル樹脂、塩化
ビニル樹脂などを好ましく挙げることができ、なかで
も、透明で内部での分離状態を管理しやすく、且つ、材
質の表面が滑らかであることから、アクリル樹脂が好ま
しい。分離器本体1aの下端から上端(詳しくは4a部
分)までの高さは、特に限定されるわけではなく、導入
する有機物質粉の種類や量などにより適宜任意の好まし
い高さとすればよいが、具体的には、例えば、200〜
500mmであることが好ましく、より好ましくは36
0〜400、さらにより好ましくは370〜380mm
である。分離器本体1aの高さが、大きすぎる場合は、
分離に時間がかかったり、分離・回収されずに残る有機
物質粉の粗粒子が多くなり、小さすぎる場合は、微金属
片の分離が困難となる。
【0054】分離器本体1aにおいて、分離室2を区画
することとなる多孔板5は、上記分離器本体1aの高さ
に対し、例えば、分離器本体1aの下端部から全体の1
/3程度のところの高さに位置していれば効率的な分離
ができ好ましいが、特にこれに限定されるわけではな
く、導入する有機物質粉の種類や量などにより適宜好ま
しい配置位置に調整してもよい。分離器本体1aは、内
部の清掃などができるよう、多孔板5を境にして上下に
分離できるようにしていてもよい。分離器本体1aの断
面積または容積に関しては、多孔板5より上部は後に分
離室2についての記載で述べることとし、以下、先に、
多孔板5より下の部分について述べることとする。
【0055】分離器本体1aにおいて、多孔板5より下
部の容積は、特に限定はされないが、例えば、100c
3以上であることが好ましく、より好ましくは100
〜300cm3、さらにより好ましくは200cm3であ
る。分離器本体1aにおいて、多孔板5より下部の形状
が一定の断面形状を有する筒状である場合、図1におけ
るB−B’断面の断面積は、特に限定はされないが、例
えば、50〜500cm2であることが好ましく、より
好ましくは100〜200cm2、さらにより好ましく
は170〜180cm2である。分離室2は、上記分離
器本体1aの一部であることが好ましく、その形状は、
上記分離器本体1aと同様に、筒型であって内部に空間
を有する形状であれば、一定筒断面積を有する円筒状や
角筒状、筒断面積が場所により変化する曲面壁を有する
筒状などどのような形状でもよく、特に限定されるわけ
ではないが、図1に示すように円筒型であれば、分離室
2内の気流によどみが無くスムーズに流れ、ひいては有
機物質粉等をいわゆる気流のデッドスペースで留めるこ
と無く回収・分離できるので、有機物質粉と金属性異物
との分離精度が上がり、特に好ましい。
【0056】分離室2は、上述したように、その下端部
となる底部が多孔板5であり、上端部は物質出口4(詳
しくは4a部分)である。また、分離室2の上部の物質
出口4に至る部分の形状が、図1に示す傾斜部2aのよ
うに、分離室2(分離器本体1a)のA−A’断面形状
の輪郭部から物質出口4(詳しくは4a部分)に向かっ
て傾斜を有して断面積が絞られたいわゆる先細の形状に
なっていることが、有機物質粉をロス無く回収しやすい
等の理由で好ましい。傾斜部2aの傾斜は、円錐状や角
錐状の傾斜のように平坦な傾斜面であってもよいし、傾
斜面にふくらみやへこみを有する曲線状・曲面状の傾斜
面でもよく、特に限定されるわけではない。
【0057】分離室2を形成している材質は、多孔板5
以外の部分については、分離器本体1aと同様であるこ
とが好ましい。分離室2については、底部となる多孔板
5から上端部である物質出口4(詳しくは4a部分)ま
での高さは、特に限定されるわけではなく、導入する有
機物質粉の種類や量などにより、上述した分離器本体1
aの高さの範囲内で、適宜好ましい高さを設定すればよ
いが、具体的には、例えば、300〜340mmである
ことが好ましく、上記高さが大きすぎると、分離に時間
がかかったり、分離・回収されずに残る有機物質粉の粗
粒子が多くなり、小さすぎると、金属性異物、特に、微
金属片の分離が困難となる。
【0058】分離室2については、分離室2が場所によ
らず一定の断面形状を有する筒状である場合、図1にお
けるA−A’断面の断面積は、特に限定されるわけでは
なく、導入する有機物質粉の種類や量などにより、上述
したB−B’断面と同様の断面積の範囲内で、適宜好ま
しい断面積を設定すればよいが、具体的には、例えば、
150〜155cm2であることが好ましく、上記断面
積が大きすぎると分離に時間がかかったり、分離・回収
されずに残る有機物質粉の粗粒子が多くなり、小さすぎ
ると、金属性異物、特に、微金属片の分離が困難とな
る。分離室2については、その容積は、特に限定される
わけではなく、導入する有機物質粉の種類や量などによ
り、上記高さや断面積などの寸法との兼ね合いも考慮し
つつ、適宜好ましい容積を設定すればよいが、具体的に
は、例えば、3600〜3700cm3であることが好
ましく、上記容積が大きすぎると、分離に時間がかかっ
たり、分離・回収されずに残る有機物質粉の粗粒子が多
くなり、小さすぎると金属性異物、特に、微金属片の分
離が困難となる。
【0059】物質入口3については、その形状は、特に
限定されるわけではなく、分離室2内に金属性異物の混
ざった有機物質粉を導入することができる入口部であれ
ばよいが、導入のし易さを考慮すると管状、筒状などで
あることが好ましい。物質入口3から分離室2への上記
導入は、一時に投入しても、連続的に供給しても、断続
的に供給してもよく、導入方法は特にこれらに限定され
ない。物質入口3を形成する材質は、特に限定されるわ
けではなく、有機物質粉の種類や導入量、導入しやすさ
などにより適宜好ましい材質を選択すればよい。物質入
口3の形状が上記管状や筒状などの場合、その断面形状
や長さは、特に限定されるわけではなく、有機物質粉の
種類や導入量、導入しやすさなどにより適宜好ましい形
状を採用すればよい。
【0060】物質入口3の形状が上記管状や筒状などの
場合、その断面の面積(粉末などを通過させる内部空間
の断面積)は、特に限定されるわけではなく、有機物質
粉の種類や導入量、導入しやすさなどにより適宜好まし
い断面積にすればよいが、詳しくは、例えば、空気流発
生装置6による分離室2内部の空気吸引にしたがって物
質入口3においても分離室2内への適度な吸引力(分離
室2内への投入力または供給力)が生じる程度となるこ
とが好ましく、具体的には、上記断面積は、100〜2
500mm2が好ましく、より好ましくは500〜10
00mm2、さらにより好ましくは700〜750mm2
である。上記断面積が大きすぎると、吸引力のための線
速が不足することとなる。
【0061】物質入口3は、分離器本体1aであって分
離室2でもある部分に、分離室2内部に有機物質粉等を
導入することができるように存在させれば、その設置位
置については特に限定はされないが、例えば、多孔板5
から物質出口4(4a部分)までの半分の高さとなるあ
たりに設置させればよい。物質入口3が上記管状や筒状
などの場合、物質入口3から分離室2への導入(投入や
供給など)がスムーズに行えるよう、物質入口3は、必
要に応じて、分離室2の壁面に対し適度に角度を有する
ようにして分離室2に接続していてもよいが、特に限定
はなく、水平(分離室2の壁面に対して直角)に接続し
ていてもよい。
【0062】物質入口3については、上述のように分離
室2へ目的の有機物質粉などを導入した後、一旦分離室
2内部へ導入したものが逆に出てきたりすることのない
よう、蓋や栓などができるようになっていてもよく、物
質入口3自体が前記蓋や栓などを有していることが好ま
しい。物質入口3から、金属性異物の混ざった有機物質
粉を導入する際の、導入量(下記連続的な供給の場合な
どは導入速度)については、例えば、一時に投入する場
合は100g以下とすればよいが、特にこれに限定はさ
れず、有機物質粉の種類、本発明の分離器の大きさ、空
気流の具合などの各種条件を考慮して、必要であれば1
00gを超える導入量を適宜決定してもよい。
【0063】また、例えば、連続的に供給する場合は1
00g/min以下とすればよく、断続的に供給する場
合は、各供給時あたり100g/min以下とすればよ
いが、両者とも特にこれに限定はされず、有機物質粉の
種類、本発明の分離器の大きさ、空気流の具合などの各
種条件を考慮して、必要であれば100g/minを超
える導入量となるよう調整してもよい。物質出口4につ
いては、その形状は、特に限定されるわけではなく、分
離室2から有機物質粉を空気流とともに取り出すことの
できる形状であればよいが、物質出口4に、後述する空
気流発生装置6などの他の何らかの装置等を接続するこ
とも考慮すれば、管状、筒状などが好ましい。
【0064】物質出口4を形成する材質は、有機物質粉
の種類や取扱う量、取り出しやすさ、他の装置の種類や
接続のしやすさ等により適宜好ましい材質を選択すれば
よく、さらに質感の滑らかな樹脂などであればより好ま
しいが、特に限定はされない。物質出口4の形状が上記
管状や筒状などの場合、その断面形状や長さは、特に限
定されるわけではなく、有機物質粉の種類や取扱う量、
取り出しやすさ、他の装置の種類や接続のしやすさ等に
より適宜設定すればよい。物質出口4の形状が上記管状
や筒状などの場合、その断面積(粉末などを通過させる
内部空間の断面積)は、特に限定されるわけではなく、
有機物質粉の種類や取扱う量、取り出しやすさ、他の装
置の種類や接続のしやすさ等により適宜好ましい材質を
選択すればよいが、具体的には、上記断面積は、100
〜2500mm2が好ましく、より好ましくは500〜
1000mm2、さらにより好ましくは700〜750
mm2である。
【0065】物質出口4には、上述したように、分離器
2内に上昇空気流を生じさせるための、空気を吸引する
空気流発生装置6を、直接的あるいは間接的に接続する
こととし、他にも、上昇空気流に乗せて物質出口4から
回収した有機物質粉を集めておく捕集部・捕集容器や、
空気流量を調節できる弁などを接続していてもよい。捕
集部・捕集容器や空気流量を調節できる弁は、例えば、
物質出口4と空気流発生装置6との間に設置しても、物
質出口4と空気流発生装置6とに引き続きその後に設置
してもよく、また、空気流発生装置6と一体化していて
もよい。上記空気流発生装置6としては、分離室2内に
上昇空気流を生じさせることができる程度に空気吸引で
きる装置であればよく、特に限定はされないが、その吸
引力を適宜任意に調整できるものが好ましい。具体的に
は、例えば、通常一般に使用されている掃除機などでも
よい。
【0066】空気流発生装置6の吸引力を調整する場合
は、物質入口3から分離室2内に導入した金属性異物の
混ざった有機物質粉を、上昇空気流によって攪拌すると
ともに、有機物質粉の多くは物質出口4へ吸い上げ、そ
の他金属性異物等の多くは分離室2底部の多孔板5の方
へ落下させる程度にすることができればよい。具体的に
は、例えば、分離室2内部に発生する上昇空気流の線速
度が1〜10m/sであることが好ましく、より好まし
くは3〜4m/sであり、最も好ましくは3.4m/s
であるが、特に限定はされない。上記線速度が大きすぎ
たり小さすぎたりすると、有機物質粉と金属性異物とを
効率良く分離することが困難となる。
【0067】多孔板5については、その形状は、特に限
定されず、分離室2の底部を構成し得る形状であればよ
く、その底部全体を構成し得る形状であっても、その底
部の一部を構成し得る形状であってもよい。従って、前
者であれば、分離器本体1aまたは分離室2の多孔板5
の配置位置の断面形状と同様の形状・大きさとなる。ま
た、多孔板5は、必要に応じて、複数枚設置してもよ
い。多孔板5は、物質入口3から導入された有機物質粉
や金属性異物などのうち分離室2内に生じている上昇気
流に乗らずに落下する形で分離された金属性異物やその
他粒子などを、さらにふるいに掛ける役割を担う。
【0068】多孔板5の材質は、特に限定されるわけで
はないが、有機物質粉の種類や取扱う量、考えられる金
属性異物の種類や量などにより適宜好ましい材質を選択
すればよいが、具体的には、例えば、金属製などで、な
かでもステンレス製(SUS製など)が好ましい。多孔
板5の厚みについては、特に限定されるわけではなく、
有機物質粉の種類や取扱う量、取り出しやすさ、他の装
置の種類や接続のしやすさ等により適宜好ましい材質を
選択すればよいが、具体的には、例えば、0.1〜15
mmが好ましく、より好ましくは0.5〜10mm、さ
らにより好ましくは1〜5mmであり、特に好ましくは
3mmである。
【0069】多孔板5に存在している孔5aの、多孔板
5の単位面積あたりの個数は、特に限定されるわけでは
なく、有機物質粉や考えられる金属性異物などの種類や
大きさや取扱う量などにより適宜設定されていればよい
が、具体的には、例えば、0.1〜100個/cm2
好ましく、より好ましくは0.2〜10個/cm2、さ
らにより好ましくは0.3〜5個/cm2、特に好まし
くは0.4〜1個/cm2である。孔5aの大きさ(細
孔径)について、孔5aのふるいでいう目開きに相当す
る値は、特に限定されるわけではなく、有機物質粉や考
えられる金属性異物などの種類や大きさや取扱う量など
により適宜設定されていればよいが、具体的には、例え
ば、0.1〜15mmが好ましく、より好ましくは0.
5〜10mm、さらにより好ましくは1〜5mmであ
り、特に好ましくは3mmである。
【0070】本発明においては、上述した空気流発生装
置6の吸引により分離室2内に上昇気流を生じさせる
が、その際上記吸引に相当する量の空気の導入は、主に
多孔板5を通じてなされる。本発明においては、物質入
口3から有機物質粉などを導入する際も同時に空気が導
入されているが、本発明の思想としては、分離室2内
に、上昇気流すなわち分離室2底部から上部への気流、
を生じさせることとしているため、常識的に、物質入口
3からの空気導入量よりも多孔板5を通じての導入量の
方が明らかに多く、上述のように「主に多孔板5を通じ
て」ということができる。
【0071】図1、図2において、分離室2内に示す矢
印(物質入口3からの矢印以外)は、分離室2内に発生
している上昇気流を示しており、物質入口3からの矢印
は、物質入口3から導入した有機物質粉のサンプルが上
昇気流によって混合され上下に分離される様子を示して
いる。本発明においては、多孔板5の上面に空気を導入
できるような空気導入口7を、図1に示すように、分離
室2(分離器本体1a)の側壁面に設けることが好まし
い。空気導入口7を設けた場合、この部分からも空気が
取り入れられ、多孔板5の上面に留まっている粒子など
に空気流が吹きかかることとなり、それら粒子を動かす
ことができる。ここで、多孔板5の上面に留まっている
粒子とは、物質入口3から導入したもので、多孔板5の
孔5aを通過せず多孔板5の上面表面上に存在すること
となったすべての物質をいうとする。本発明において
は、物質入口3からは金属性異物が混ざった有機物質粉
を導入しているため、多孔板5の上面に留まっている粒
子として考えられるものは、金属性異物や、金属性異物
を吸着した有機物質粉や、金属性異物を有機物質粉内に
取り込んだ粒子や、場合によっては、上昇気流にうまく
乗れなかった有機物質粉などが挙げられる。また、多孔
板5の上面に留まっている場合とは、例えば、上記各種
粒子であって多孔板5の孔5aの大きさより大きく通過
することができなかった場合や、上記各種粒子が多孔板
5上の孔5aでない部分に位置している場合などを考え
ることができる。上述のように、空気導入口7からの空
気によって多孔板5上の各種粒子が動かされた場合は、
例えば、孔5aの大きさより小さい金属性異物であれば
多孔板5の孔5aを通って下に落下し回収されることが
考えられるし、有機物質粉であれば多孔板5の孔5aか
ら導入される気流に当たることで分離室2内の上昇気流
に乗せられ最終的には物質出口4を通って回収されるこ
とが考えられる。また、上述した金属性異物を吸着した
有機物質粉および金属性異物を有機物質粉内に取り込ん
だ粒子であれば、同様に多孔板5上で動かされることに
よって、場合によっては、吸着していた金属性異物が剥
がれ、また、粒子が構造的に分解して金属性異物と有機
物質粉が別々になることなどがあり得るので、その際
は、有機物質粉のみが孔5aから導入される気流に当た
り分離室2内の上昇気流に乗って最終的に物質出口4を
通って回収されることが考えられ、有機物質粉の回収
率、回収量もあがることとなる。
【0072】空気導入口7については、その形状は、特
に限定されるわけではなく、分離室2内の多孔板5の上
面に外部から空気を導入することができる入口部であれ
ばよいため、分離室2の側壁面に単に穴などを適当な大
きさで設けるということでもよいが、分離室2内から金
属性異物や有機物質粉が出てきたりすることを防ぐとい
う観点より、管状、筒状などが好ましい。空気導入口7
から多孔板5の上面への空気導入は、連続的な導入であ
っても、断続的な導入であってもよく、導入方法は特に
これらに限定されない。断続的な導入の場合は、空気導
入口7に蓋や栓などを設けておくことがこのましい。
【0073】空気導入口7を形成する材質は、特に限定
されるわけではないが、例えば、取扱い性などを考慮し
て適宜選択すればよい。空気導入口7の形状が上記管状
や筒状などの場合、その断面形状や長さは、特に限定さ
れるわけではないが、例えば、多孔板5上に留まると考
えられる有機物質粉や金属性異物の種類や大きさなどに
より適宜設定すればよい。空気導入口7の形状が上記管
状や筒状などの場合、その断面積(空気を通過させる内
部空間の断面積)は、空気流発生装置6による分離室2
内部の空気吸引にしたがって空気導入口7においても多
孔板5上面に上述したような適度な気流が生じる程度に
なっていることが好ましく、具体的には、10〜500
mm2であることが好ましく、より好ましくは30〜1
00mm2であり、さらにより好ましくは50〜60m
2である。上記断面積が大きすぎると、多孔板5上に
吹き込むキャリアーエアーが多くなりすぎて分離室2内
の気流を乱すおそれがあり、小さすぎると多孔板5上に
吹き込むキャリアーエアーが少なく上述したような適度
な気流とならない場合がある。
【0074】空気導入口7の形状が上記管状や筒状など
の場合、空気導入口7を分離室2の側壁面に配置するに
あたっては、図1に示すように、空気吹出し口7bが多
孔板5の上面近くになるようにしておけばよい。また、
空気吸込み口7aの位置を空気吹出し口7bの位置より
高くしておいた場合は、分離室2内から粉末等が吹出し
にくいので好ましい。空気導入口7の設置数は、特に限
定されるわけではなく、上述した適度な気流を多孔板5
上に発生させる程度であればよいが、具体的には、分離
室2の側壁面に1〜10ヶ所設けることが好ましく、よ
り好ましくは2〜5ヶ所、特に好ましくは3ヶ所であ
る。空気導入口7の設置数が多すぎると、多孔板5上に
吹き込むキャリアーエアーも多くなりすぎて分離室2内
の気流を乱すおそれがあり、少なすぎると多孔板5上に
吹き込むキャリアーエアーも少なく上述したような適度
な気流とならない場合がある。
【0075】本発明の金属性異物分離器1を使用する際
は、分離器本体1aの下端部を、図1に示すように、金
属性異物回収容器8に入れたかたちで用いればよい。金
属性異物回収容器8は、分離室2に導入した有機物質粉
のうち下方に分離されたものを回収しておく容器であ
る。なお、金属性異物回収容器8に分離器本体1aの下
端部を入れたかたちにするものの、分離器本体1aの下
端部を金属性異物回収容器8の底に密着させてしまって
は、分離器本体1aの下端部から空気が導入されにくく
なるので適度に隙間を持たせておけばよい。金属性異物
回収容器8の形状は、特に何ら限定されるわけではない
が、分離器本体1aなどと同様に筒状であることが好ま
しく、多孔板5を通過した金属性異物などを回収するた
めに底部を有し、上部は開口していればよい。
【0076】金属性異物回収容器8が筒型の場合の形状
は、その断面形状においても分離器本体1aなどと同様
であることが好ましい。金属性異物回収容器8の大きさ
(上部開口径の大きさ)は、図1に示すように、分離器
本体1aとの間に隙間部9を設けることのできる程度で
あればよい。隙間部9は、多孔板5の下側から分離室2
内へ導入するための空気を外部から取り入れるための隙
間である。隙間部9は、分離器本体1aの外壁面から金
属性異物回収容器8の内壁面までの距離であり、その距
離は、分離器本体1a全周囲において一定であっても、
一定でなくてもよいが、隙間部9の距離は5〜30mm
であることが好ましく、より好ましくは10〜15mm
であり、特に好ましくは10mmである。
【0077】金属性異物分離器1においては、多孔板5
上に残留しつづけている金属性異物、金属片などを一掃
して金属性異物回収容器8に回収するという目的で、多
孔板5を、多孔板5の中心を通るような軸で表裏を反転
できるようにしていてもよい。この際、多孔板5を容易
に反転させることができるよう、分離器本体1a外側に
図1に示すような、ハンドル10を設けていてもよい。
多孔板5が回転できるためには、多孔板5は分離器本体
1a内壁に中心軸を通る2点で固定されていればよく、
ハンドル10は、その固定点の一方と連結して回転させ
やすいハンドル様構造となっていればよい。
【0078】ハンドル10を設けて多孔板5を回転でき
るようにすれば、分離器本体1aを解体しなくても、多
孔板5上に残留する金属片などを回収し排出することが
できる。サンプル用ハンドル10の形状、寸法は、特に
限定されることはなく、回転させやすい形状であればよ
い。サンプル用ハンドル10の材質は、特に限定される
わけではないが、耐腐食性に優れている材質であること
が好ましく、なかでもステンレス製(SUS製など)が
より好ましい。
【0079】本発明の金属性異物分離器1で処理するこ
とのできる有機物質粉は、特に限定されるわけではない
が、例えば、吸水性樹脂粉末、水溶性樹脂粉末、吸油性
樹脂粉末、非水溶性樹脂粉末などが挙げられ、水溶性の
樹脂粉末であればより分離処理の精度が上がる。有機物
質粉の製造工程などで混入する金属性異物には、例え
ば、鉄片、ステンレス片などがある。通常、有機物質粉
は金属性異物より比重が小さいので、有機物質粉は金属
性異物分離器1にて分離回収できる。金属性異物は混入
しておらず、他の異物が混入している場合であっても、
目的の有機物質粉が他の異物よりも比重が小さければ、
分離回収できる。上記他の異物としては、特に限定はさ
れないが、例えば、小石、ガラス片、プラスチック片、
なかでもテフロン(登録商標)系のプラスチック片など
が挙げられる。
【0080】本発明の金属性異物分離器1に、金属性異
物の混ざった有機物質粉を導入して分離処理する場合、
導入時の上記金属性異物の混ざった有機物質粉中の、有
機物質粉と金属性異物との存在割合は、使用上は特に限
定されない。本発明の金属性異物分離器1を用いて、金
属性異物が混ざった有機物質粉を処理した場合、上述し
た金属性異物回収容器8の中には、例えば、金属性異物
や、金属性異物が吸着した有機物質粉粒子や、金属性異
物を取り込んだ有機物質粉粒子や、場合によっては有機
物質粉が回収される。これらの回収物から、金属性異物
の種類を同定することで、例えば、有機物質粉の製造ラ
インにおいて、どの工程時の装置や機械等に由来する金
属片であるかなどを、検出することができる。検出する
金属種によって、どの装置や機械等であるか、どの部分
が損傷しているか、などが判別できる。そして、その金
属種の検出量(回収量)などを参考にすれば、装置や機
械等の各種性能の低下、損傷具合、交換時期、メンテナ
ンス時期などを推測することができる。
【0081】上記金属種の同定は、金属性異物回収容器
8に回収された回収物から、目視などで粒子状や針状の
金属片を別途取り分けて行う。取り分けた金属片に混在
している金属種ごとに、質量や、金属片全量に対する含
有割合や、分離前のサンプル全量に対する含有割合など
を測定する。これら金属種および各金属種のサンプル中
の含有割合により、従来の経験も含め、装置や機械等の
各種性能低下などを推測することができる。
【0082】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。なお、吸水性樹脂の諸物性は、以下の方法に
より測定した。 (1)無加圧下吸収倍率(0.90質量%生理食塩水に
対する無加圧下で30分の吸収倍率/CRC) 室温(20〜25℃)、湿度50RH%の条件下で、吸
水性樹脂0.200gを不織布製の袋(60mm×60
mm)に均一に入れてシールした後、室温の0.90質
量%生理食塩水中に浸漬した。30分後に袋を引き上
げ、遠心分離機(株式会社コクサン社製、遠心機:型式
H−122)を用いて250Gで3分間水切りを行った
後、袋の質量W1(g)を測定した。また、同様の操作
を吸水性樹脂あるいは吸水剤を用いずに行い、その時の
質量W0(g)を測定した。そして、これらW1、W0
から、次式に従って無加圧下吸収倍率(g/g)を算出
した。
【0083】無加圧下吸収倍率(g/g)=(W1
(g)−W0(g))/吸水性樹脂の質量(g) (2)可溶分(水可溶成分)量 吸水性樹脂粉末500mgを、蓋付きポリプロピレン製
カップ中(内径90mm×200mm)に投入した10
00gのイオン交換水中に、分散し、4cmのマグネチ
ックスターラーで約300〜600rpmで16時間攪
拌したあと、含水ゲルの分散液を濾紙1枚(ADVAN
TEC東洋株式会社、品名:(JISP 3801、N
o.2)、厚さ0.26mm、保留粒子径5μm)を用
いて濾過することにより濾液を得た。
【0084】つぎに、得られた濾液の50.0gを10
0mlのビーカーに測り取り、該濾液に0.1N−水酸
化ナトリウム水溶液(和光純薬工業(株)製)1ml、
0.005N−メチルグリコールキトサン水溶液(和光
純薬工業(株)製)10ml、および0.1%トルイジ
ンブルー(トルイジンブルー指示薬、和光純薬工業
(株)製)を約0.2g加えた。ついで、上記ビーカー
の溶液を0.0025N−ポリビニル硫酸カリウム水溶
液(和光純薬工業(株)製)を用いてコロイド滴定し、
溶液の色が青色から赤紫色に変化した時点を滴定の終点
とし、滴定量D(ml)を求めた。また、濾液50gに
代えて、イオン交換水50gを用いて、同様の操作を行
い、滴定量E(ml)を求めた。
【0085】これらの滴定量と吸水性樹脂を構成する単
量体の平均分子量Fから、次式にしたがって可溶分量
(質量%)を算出した。 可溶分(質量%)=(E(ml)−D(ml))×0.
005/C(g)×F (3)ゲル安定性測定 まず、下記の劣化促進試験により、吸水性樹脂の劣化可
溶分量を測定した。1Lのイオン交換水中に、KClを
2.0g、Na2SO4を2.0g、NH42PO4
0.85g、(NH42HPO4を0.15g、CaC
2を0.19g、MgCl2を0.23g、を溶解さ
せ、人工尿(Jayco人工尿)を作成した。つぎに、
100ml(内径55mm)の蓋付きポリプロピレン製
カップ容器(内径55mm)中に吸水性樹脂0.50
g、前記人工尿12.50gを順に投入し、得られた2
5倍膨張ゲルを蓋をした該容器中で密封し、容器を60
℃の雰囲気下で16時間放置した。
【0086】16時間後、膨張ゲルをすべて容器から取
り出し、1Lのイオン交換水に投入し、含水ゲルの分散
液を上記(2)と同様に16時間攪拌し、上記(2)と
同様に濾紙1枚(上記(2)の濾紙)を用いて濾過し
て、濾液を得た。ついで、濾液の可溶分量を上記(2)
の可溶分(水可溶成分)量の測定にしたがって求めて、
劣化後の可溶分量(劣化可溶分)とした。ゲル安定性
は、下記式にしたがって算出した。劣化促進試験で増加
した可溶分の数値が小さい方がゲル安定性が高いことを
示す。 ゲル安定性(質量%)=劣化後の可溶分量(質量%)−
可溶分量(質量%) (4)質量平均粒子径 吸水性樹脂粉末を目開き850μm、600μm、50
0μm、425μm、300μm、212μm、150
μm、106μm、75μmなどのJIS標準ふるいで
篩い分けし、残留百分率Rを対数確率紙にプロットし
た。これにより、質量平均粒子径(D50)を読み取っ
た。
【0087】なお、分級条件は、吸水性樹脂粉末10.
0gを、室温(20〜25℃)、湿度50RH%の条件
下で、JIS標準ふるい(THE IIDA TEST
ING SIEVE:径8cm)に仕込み、振動分級器
(IIDA SIEVE SHAKER、TYPE:E
S−65型、SER.No.0501)により、10分
間、分級を行った。 (5)加圧下吸収倍率の測定方法 欧州特許0885917号および欧州特許081163
6号の実施例に開示の方法にしたがって、吸水性樹脂粉
末の生理食塩水に対する50g/cm2(約4.9kP
a)での加圧下吸収倍率を測定した。
【0088】すなわち、吸水性樹脂粉末0.900gに
対して50g/cm2の荷重を均一に加えながら、60
分間にわたって吸水性樹脂粉末が吸収した生理食塩水の
質量W2(g)を、天秤を用いて測定した。そして、上
記の質量W2から、次式に従って、吸収開始から60分
後の加圧下の吸収倍率(g/g)を算出し、加圧下(5
0g/cm2)の吸収倍率とした。 加圧下吸収倍率(g/g)=質量W2(g)/吸水性樹
脂粉末の質量(g) (6)0.69質量%生理食塩水流れ誘導性(SFC) 特表平9−509591の生理食塩水流れ誘導性(SF
C)試験に準じて行った。
【0089】図5に示す装置を用い、容器40に均一に
入れた吸水性樹脂粉末(0.900g)を人工尿(上記
(3)のJayco人工尿)中で0.3psi(2.0
7kPa)の加圧下、60分間膨潤させ、ゲル44のゲ
ル層の高さを記録し、次に0.3psi(2.07kP
a)の加圧下、0.69質量%生理食塩水33を、一定
の静水圧でタンク31から膨潤したゲル層を通液させ
る。このSFC試験は室温(20〜25℃)で行った。
コンピューターと天秤を用い、時間の関数として20秒
間隔でゲル層を通過する液体量を10分間記録する。膨
潤したゲル44(の主に粒子間)を通過する流速F
s(t)は増加質量(g)を増加時間(s)で割ること
によりg/sの単位で決定する。一定の静水圧と安定し
た流速が得られた時間をtsとし、tsと10分間の間に
得たデータだけを流速計算に使用して、tsと10分間
の間に得た流速を使用してFs(t=0)の値、つまり
ゲル層を通る最初の流速を計算する。Fs(t=0)は
s(t)対時間の最小2乗法の結果をt=0に外挿す
ることにより計算される。
【0090】 生理食塩水流れ誘導性=(Fs(t=0)×L0)/(ρ×A×ΔP) =(Fs(t=0)×L0)/139506 ここで、 Fs(t=0):g/sで表した流速 L0:cmで表したゲル層の高さ ρ:NaCl溶液の密度(1.003g/cm3) A:セル41中のゲル層上側の面積(28.27c
2) ΔP:ゲル層にかかる静水圧(4920dyne/cm
2) およびSFC値の単位は(10-7×cm3×s×g-1
である。
【0091】図5に示す装置としては、タンク31に
は、ガラス管32が挿入されており、ガラス管32の下
端は、0.69質量%生理食塩水33をセル41中の膨
潤ゲル44の底部から、5cm上の高さに維持できるよ
うに配置した。タンク31中の0.69質量%生理食塩
水33は、コック付きL字管34を通じてセル41へ供
給された。セル41の下には、通過した液を補集する容
器48が配置されており、補集容器48は上皿天秤49
の上に設置されていた。セル41の内径は6cmであ
り、下部の底面にはNo.400ステンレス製金網(目
開き38μm)42が設置されていた。ピストン46の
下部には液が通過するのに十分な穴47があり、底部に
は吸水性樹脂あるいはその膨潤ゲルが、穴47へ入り込
まないように透過性の良いガラスフィルター45が取り
付けてあった。セル41は、セルを乗せるための台の上
に置かれ、セルと接する台の面は、液の透過を妨げない
ステンレス製の金網43の上に設置した。
【0092】(吸水性樹脂粉末の製造例1)架橋剤トリ
メチロールプロパントリアクリレート0.02モル%を
含む75モル%が中和されたアクリル酸部分ナトリウム
塩水溶液(濃度38質量%)を単量体水溶液(1)とし
て、得られた単量体水溶液(1)を定量ポンプで263
0kg/hrの連続フィードを行い、配管の途中で窒素
ガスを連続的に吹き込み、酸素濃度を0.5ppm以下
にした。単量体水溶液(1)にさらに過硫酸ナトリウム
/L−アスコルビン酸=0.12/0.005(g/単
量体mol)を混合して、サイドに堰を有する平面スチ
ールベルトに厚み約25mmで供給して、連続的に30
分間水溶液重合を行った。こうして得られた含水ゲル状
架橋重合体(1)を粉砕後さらに孔径7mmのミートチ
ョッパーで約1mmに細分化し、これをバンド乾燥機の
多孔板状に薄く広げて載せ、180℃で30分間連続熱
風乾燥した。乾燥重合体を解砕し、得られた粒子状乾燥
物を1000kg/hrで3段ロールグラニュレーター
(ロールギャップが上から1.0mm/0.55mm/
0.42mm)に連続供給することで粉砕したのち、編
目開き850μmおよび150μmの金属篩網を有する
篩い分け装置で分級して、850〜150μmが90質
量%以上の吸水性樹脂(1)を得た。
【0093】さらに、吸水性樹脂(1)を高速連続混合
機(タービュライザー/1000rpm)に1000k
g/hrで連続供給して、さらに、吸水性樹脂粉末
(1)に対してグリセリン/水/イソプロパノール=
0.5/2.0/0.5(質量%/対吸水性樹脂)から
なる表面架橋剤水溶液を約250μmの液滴になるスプ
レーで噴霧し混合した。次いで、得られた混合物を19
5℃で、パドルドライヤーにより連続的に40分間加熱
処理したのち、編目開き850μmの金属篩網を有する
篩い分け装置で分級して、その通過物である吸水性樹脂
粉末(1A)を得た。得られた吸水性樹脂粉末(1A)
の諸物性の結果を表1に示す。
【0094】(吸水性樹脂粉末の製造例2)製造例1に
おいて、架橋剤トリメチロールプロパントリアクリレー
ト0.03モル%を含む75モル%が中和されたアクリ
ル酸部分ナトリウム塩水溶液(濃度38質量%)とする
以外は同様に重合して、含水ゲル状架橋重合体(2)を
得たあと、同様に乾燥および粉砕して吸水性樹脂(2)
を得た。さらに、吸水性樹脂(2)を、製造例1と同様
に高速連続混合機中でグリセリン/水/イソプロパノー
ル=0.5/2.0/0.5(質量%/対吸水性樹脂)
からなる表面架橋剤水溶液と混合した。ついで、得られ
た混合物を195℃でパドルドライヤーにより連続的に
40分間加熱処理して、さらに編目開き850μmの金
属篩網を有する篩い分け装置で分級して、その通過物で
ある吸水性樹脂粉末(2A)を得た。
【0095】得られた吸水性樹脂粉末(2A)の諸物性
の結果を表1に示す。 (吸水性樹脂粉末の製造例3)製造例1において、架橋
剤ポリエチレングリコールジアクリレート0.02モル
%を含む75モル%が中和されたアクリル酸部分ナトリ
ウム塩水溶液(濃度38質量%)とする以外は同様に重
合、乾燥および粉砕して吸水性樹脂(3)を得た。さら
に、吸水性樹脂(3)に対して、製造例1と同様に高速
連続混合機中でエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル/プロピレングリコール/水/イソプロパノール=
0.05/1.0/3.0/0.5(質量%/対吸水性
樹脂)からなる表面架橋剤水溶液を混合した。ついで、
得られた混合物を195℃でパドルドライヤーにより連
続的に40分間加熱処理して、さらに編目開き850μ
mの金属篩網を有する篩い分け装置で分級して、その通
過物である吸水性樹脂粉末(3A)を得た。
【0096】得られた吸水性樹脂粉末(3A)の諸物性
の結果を表1に示す。
【0097】
【表1】
【0098】上記製造例で得られた吸水性樹脂粉末(1
A)〜(3A)を用いて、本発明を実施した。 (実施例1〜3)製造例1〜3で得られた吸水性樹脂粉
末(1A)〜(3A)を連続的に空気輸送(1000k
g/hr)し、図3に示す磁石(天然磁石の棒磁石、磁
束密度1.2Wb/m2、ピッチ30mm)を配管出口
に設置して、輸送される吸水性樹脂粉末を磁石(磁力線)
と接触させたあと、最終製品ホッパーに供給した。な
お、終了後、磁石にはごく微量の金属性異物(主成分:
粉状ないし針状、数mm〜0.0001mm、特に0.
01〜1mm、材質はステンレス鋼)が固定されてお
り、それらは吸水性樹脂とプラントの接触面の金属であ
った。
【0099】得られた吸水性樹脂粉末(1B)〜(3
B)を用いて、吸収性樹脂の安定性テストを行った。そ
の結果を表2に示す。 (比較例1〜3)実施例において、上記磁石で吸水性樹
脂粉末を処理しないで、直接、最終製品ホッパーに供給
した。得られた比較吸水性樹脂粉末(1B)〜(3B)
を用いて、吸水性樹脂の安定性テストを行った。その結
果を表2に示す。
【0100】
【表2】
【0101】表2に示されるように、吸水性樹脂粉末
(1A)〜(3A)を磁力線で処理した吸水性樹脂粉末
(1B)〜(3B)は、同じ吸水性樹脂粉末(1A)〜
(3A)を磁力線で処理しない比較吸水性樹脂粉末(1
B)〜(3B)に比べて、ゲル安定性が格段に優れてい
る。さらに、顕微鏡などで観察すると、比較吸水性樹脂
粉末(1B)〜(3B)には微小な金属性異物(主に
0.01〜1mm)が微量含まれていたのに対して、吸
水性樹脂粉末(1B)〜(3B)には金属性異物はな
く、衛生面でも優れている。 (実施例4)製造例1で得られた吸水性樹脂(1)10
0kgに、1〜100μmの金属粉1gを添加し、表3
に示す条件で、図4に示すフローを通した。なお、表面
処理条件は、製造例1と同様の条件で行った。得られた
吸水性樹脂粉末(4B)を用いて、吸水性樹脂の安定性
を評価した。得られた結果を表3に示す。また、以下の
式に従って、金属回収率を求めたところ、100%であ
った。
【0102】金属回収率(%)=(磁石によって回収さ
れた金属粉(g))×100 ÷(添加した金属粉(g)) (実施例5)実施例4において、金属性異物分離器(除
鉄機1)と金属性異物分離器(除鉄機2)を通さなかっ
た以外は実施例4と同様にした。金属回収率は99%で
あり、得られた吸水性樹脂粉末(5B)を用いて、吸水
性樹脂の安定性を評価した。結果を表3に示す。 (実施例6)実施例5において、フィード量を1.0t
/hrに変更し、金属性異物分離機の磁石(天然磁石の
棒磁石)の間隔を12.5mmに変更し、ピッチを3
6.0mmに変更した以外は実施例5と同様に行った。
得られた吸水性樹脂粉末(6B)を用いて、吸水性樹脂
の安定性を評価した。結果を表3に示す。
【0103】(実施例7)実施例6において、磁石の磁
束密度を0.9Wb/m2に変更し、間隙を25.0m
mに変更し、ピッチを50.0mmに変更した以外は実
施例6と同様に行った。得られた吸水性樹脂粉末(7
B)を用いて、吸水性樹脂の安定性を評価した。結果を
表3に示す。 (実施例8)実施例7において、金属性異物分離器(除
鉄機3)を通さなかった以外は実施例7と同様に行っ
た。得られた吸水性樹脂粉末(8B)を用いて、吸水性
樹脂の安定性を評価した。結果を表3に示す。
【0104】(実施例9)実施例8において、分散板を
外した以外は実施例8と同様に行った。得られた吸水性
樹脂粉末(9B)を用いて、吸水性樹脂の安定性を評価
した。結果を表3に示す。 (比較例4)実施例4において、金属性異物分離器を全
て通さなかった以外は実施例4と同様に行った。金属回
収率は0%であった。得られた比較吸水性樹脂粉末(比
較4B)を用いて、吸水性樹脂の安定性を評価した。結
果を表3に示す。
【0105】(比較例5)実施例6において、金属性異
物分離器を全て通さなかった以外は実施例6と同様に行
った。金属回収率は0%であった。得られた比較吸水性
樹脂粉末(比較5B)を用いて、吸水性樹脂の安定性を
評価した。結果を表3に示す。
【0106】
【表3】
【0107】(実施例10)本発明にかかる金属性異物
分離器を用いた吸水性樹脂の製造方法の例を挙げる。7
5%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5
500g(単量体濃度33%)に、内部架橋体として
N,N’−メチレンビスアクリルアミド1.58gを溶
解させ窒素ガスで30分脱気後、内容積10リットルで
シグマ型羽根を2本有するジャケット付きステンレス型
双腕型ニーダーに蓋を付けた反応器に供給し、供給した
単量体溶液を30℃の温度に保ちつつ、反応系をさらに
窒素置換した。
【0108】次いで、羽を回転させながら過硫酸アンモ
ニウム2.4gとL−アスコルビン酸0.12gを添加
したところ、1分後に重合が開始し、16分後には反応
系内のピーク温度は83℃に達し、含水ゲル重合体は約
5mmの系に細分化された。その後さらに攪拌を続け、
重合を開始して60分後に含水ゲル重合体を取り出し
た。得られた含水ゲル状重合体の細粒化物を50メッシ
ュの金網上に広げ、150℃で90分熱風乾燥した。乾
燥物を振動ミルを用いて粉砕し、さらに20メッシュで
分級した結果、平均粒子径360μmで、かつ、150
μm未満の粒子径を有する樹脂の割合が5質量%、含水
率6質量%の、不定形破砕状の吸水性樹脂粉末を得た。
【0109】得られた吸水性樹脂粉末100gに、ホッ
チキスの針(針の断面が0.3mm×0.5mm、針の
長さが20mm(そのうち両端5mmずつが90°曲が
っている)、針1つ分の重さが0.019g)を10個
混入した後、この吸水性樹脂粉末全量を、金属性異物分
離器(a)にかけて分離処理を行ったところ、ホッチキ
スの針を全く混入させることなしに(100%の除去率
で)、吸水性樹脂粉末を分離することができた。なお、
上記金属性異物分離器(a)としては、図1の概略図で
示される金属性異物分離器と同様のものであって、以下
に示すような各部分の寸法、材質および形状などを有す
る金属性異物分離器を用いた。 ・分離器本体1a(分離室2を含む)は、アクリル樹脂
製の円筒形状である。 ・分離器本体1aの下端から上端(4a部分)までの高
さは370mmである。 ・分離室2の下端(多孔板5)から上端(4a部分)ま
での高さは375mmである。 ・分離器本体1a(分離室2を含む)は、下端から分離
室2の上部の傾斜部2aまで一定の断面積となってお
り、A−A’断面およびB−B’断面の断面積は共に1
53.86cm2である。 ・傾斜部2aは平坦な円錐状の傾斜であり、傾斜角度は
60°である。 ・物質入口3は、塩化ビニル樹脂製、筒状、長さ125
mm、断面積(筒内部空間の断面積)706.5mm2
であり、分離室2の高さの半分あたりの壁面に垂直に設
置する。 ・物質出口4は、塩化ビニル樹脂製、筒状、長さ45m
m、断面積(筒内部空間の断面積)706.5mm2
ある。 ・多孔板5は、ステンレス製(SUS製)、厚み3m
m、面積143.06cm 2、孔5aの直径3mm、孔
5aの個数55である。 ・空気導入口7は、フッ素樹脂製、管状、長さ115m
m、断面積(筒内部空間の断面積)50.24mm2
あるものを、分離室2の下部に等間隔に3つ設置した。 ・金属性異物回収器8としては、ポリエチレン容器で、
隙間部9が10mmとなるような開口径を有するものを
用いた。 ・空気流発生装置6として、乾湿両用集塵器(マキタ社
製、商品名:テデル406という吸引装置を、物質出口
4の4b部分に接続して設置した。
【0110】また、金属性異物分離器(a)の稼動条件
としては、以下のとおりである。 ・空気流発生装置6により、分離室2内の上昇気流の線
速度が4.0m/s、となるように調整した。 ・物質入口3からの吸水性樹脂粉末の供給は、100g
/minの供給速度で行った。 ・物質入口3から吸水性樹脂粉末を全量の供給し終えて
から、引き続き10分間稼動させた後、分離操作を終了
した。(多孔板5上に落ちて留まっている吸水性樹脂粉
末の粗粒子などを再度上昇気流に乗せて回収するた
め。)
【0111】
【発明の効果】本発明によると、金属性異物の混入がな
く、かつゲル劣化の促進を抑えられた吸水性樹脂粉末を
得ることができる。また、本発明の製造方法によると、
吸水性樹脂粉末に混入した金属性異物を効率的かつ容易
に取り除くことができる。また、金属性異物の混入がな
く、かつ劣化が抑えられた吸水性樹脂粉末は、物性が優
れるため、衛生材料として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる金属性異物分離器の一実施例を
表す概略図である。
【図2】本発明にかかる金属性異物分離器の一実施例で
あって、多孔板5の周辺部分を拡大して表した概略端面
図である。
【図3】本発明における金属性異物分離器(除鉄機)の
概略図である。
【図4】本発明における金属性異物分離器(除鉄機)周
りのフロー図である。
【図5】生理食塩水流れ誘導性の測定に用いる測定装置
の概略の断面図である。
【符合の説明】
1 金属性異物分離器 2 分離室 2a 傾斜部 3 物質入口 4 物質出口 5 多孔板 5a 孔 6 空気流発生装置 7 空気導入口 7a 空気吸込み口 7b 空気吹出し口 8 金属性異物回収容器 9 隙間部 10 ハンドル 11 マグネット 12 分散板 13 間隙 14 ピッチ 21 吸水性樹脂粉末 22 分級機 23a 金属性異物分離器(除鉄機1) 23b 金属性異物分離器(除鉄機2) 23c 金属性異物分離器(除鉄機3) 23d 金属性異物分離器(除鉄機4) 24a ホッパ1 24b ホッパ2 25 熱処理工程 26 吸水性樹脂製品 31 タンク 32 ガラス管 33 0.69質量%塩化ナトリウム水溶液 34 コック付きL字管 35 コック 40 容器 41 セル 42 ステンレス製金網 43 ステンレス製金網 44 膨潤ゲル 45 ガラスフィルター 46 ピストン 47 ピストン中の穴 48 補集容器 49 上皿天秤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B03C 1/00 B07B 1/00 B 1/02 1/46 A B07B 1/00 1/56 1/46 4/02 1/56 4/08 Z 4/02 9/00 Z 4/08 C08F 20/00 510 9/00 A41B 13/02 D C08F 20/00 510 (72)発明者 藤丸 洋圭 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 石▲崎▼ 邦彦 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 Fターム(参考) 3B029 BA18 4D021 AA01 AC01 DB01 EA10 FA02 GA02 GA06 GA08 GA11 GB03 NA01 NA02 NA04 NA06 4G066 AC17B CA43 DA11 DA13 FA21 FA40 4J100 AJ02P AK08P CA01 GC35 GC37 GD19

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和単量体を重合する工程、得られた含
    水ゲル状架橋重合体を乾燥する工程、を含む、質量平均
    粒子径が300〜600μmで150μm以下の微粉が
    10質量%未満の架橋構造を有する吸水性樹脂粉末の製
    造方法であって、乾燥工程後の製造工程で吸水性樹脂粉
    末に磁束密度0.05Wb/m2以上の磁場を通過させ
    る磁力線照射工程をも含む、ことを特徴とする、吸水性
    樹脂粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】前記乾燥工程後にさらに粉砕工程、分級工
    程および各製造工程を連結する連続移送工程を含み、前
    記磁力線照射工程が前記分級工程以後に設けられてい
    る、請求項1に記載の吸水性樹脂粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】前記連続移送工程の少なくとも2箇所で前
    記磁力線の照射を行なうこととし、そのうちの1箇所が
    吸水性樹脂粉末の最終製品を収納するホッパーの直前で
    ある、請求項2に記載の吸水性樹脂粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】前記磁力線が磁束密度1.0Wb/m2
    上の磁力線である、請求項1から3までのいずれかに記
    載の吸水性樹脂粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】前記磁力線照射工程において、永久磁石お
    よび/または電磁石が設置されている、請求項1から4
    までのいずれかに記載の吸水性樹脂粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】前記磁石を格子状に配置して、その格子間
    隙を5mm以上、30mm以下とする、請求項5に記載
    の吸水性樹脂粉末の製造方法。
  7. 【請求項7】前記磁石からなる格子を、吸水性樹脂粉末
    の移送方向に2段以上配置する、請求項6に記載の吸水
    性樹脂粉末の製造方法。
  8. 【請求項8】前記磁石のピッチを10mm以上、60m
    m以下とする、請求項6または7に記載の吸水性樹脂粉
    末の製造方法。
  9. 【請求項9】製造ラインの負荷の大きさが、吸水性樹脂
    粉末を1ライン当たり500kg/hr以上の生産量で
    連続生産する大きさである、請求項1から8までのいず
    れかに記載の吸水性樹脂粉末の製造方法。
  10. 【請求項10】製造ラインにおいて用いられる装置は、
    吸水性樹脂粉末が接する面の50%以上がステンレスス
    チール面となっている、請求項1から9までのいずれか
    に記載の吸水性樹脂粉末の製造方法。
  11. 【請求項11】前記含水ゲル状架橋重合体が、剪断重合
    および/または静置重合により得られた含水ゲル状架橋
    重合体を細分化してなるものである、請求項1から10
    までのいずれかに記載の吸水性樹脂粉末の製造方法。
  12. 【請求項12】含水ゲル状架橋重合体の乾燥物に対し1
    50〜250℃で表面架橋する工程をも含む、請求項1
    から11までのいずれかに記載の吸水性樹脂粉末の製造
    方法。
  13. 【請求項13】アクリル酸および/またはその塩を主成
    分とする単量体を重合することにより得られる重合体を
    主成分とし、かつ、質量平均粒子径が300〜600μ
    mで150μm以下の微粉が10質量%未満であって、
    架橋構造を有し、かつ、磁力線を照射してなる吸水性樹
    脂粉末。
  14. 【請求項14】アクリル酸および/またはその塩を主成
    分とする単量体を重合することにより得られる重合体を
    主成分とし、かつ、質量平均粒子径が300〜600μ
    mで150μm以下の微粉が10質量%未満であって、
    架橋構造を有し、かつ、磁力線を照射してなる吸水性樹
    脂粉末を用いてなる、衛生材料。
  15. 【請求項15】請求項1から12までのいずれかに記載
    の吸水性樹脂粉末の製造方法を実施する際に、金属性異
    物が混ざった有機物質粉から前記金属性異物を分離する
    ために使用する装置であって、 金属性異物が混ざった前記有機物質粉を上昇空気流で攪
    拌するための空間を作る分離室と、金属性異物が混ざっ
    た前記有機物質粉を前記分離室に導入するための物質入
    口と、金属性異物が分離された前記有機物質粉を前記上
    昇空気流とともに前記分離室から排出するための物質出
    口と、前記分離室の底であって有機物質粉に金属性異物
    が吸着した粒子の少なくとも一部は通さず受けているこ
    とのできる多孔板と、前記物質出口から空気を吸引する
    空気流発生装置と、を備え、 前記空気流発生装置により前記物質出口から空気を吸引
    することで前記物質入口から金属性異物が混ざった前記
    有機物質粉を取り込むとともに前記多孔板を通じて前記
    分離室内に空気を導入し前記分離室内に上昇空気流を形
    成し、金属性異物が混ざった前記有機物質粉を前記上昇
    空気流で攪拌することによって前記有機物質粉と前記金
    属性異物とを分離する、ことを特徴とする、金属性異物
    分離器。
  16. 【請求項16】前記多孔板上面に留まっている粒子を動
    かすように前記上面に空気流を取り入れるための空気導
    入口を備えた、請求項15に記載の金属性異物分離器。
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