JP2003136101A - フランジを有する形鋼の圧延方法 - Google Patents
フランジを有する形鋼の圧延方法Info
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Abstract
良好な複数の製品シリーズのフランジを有する形鋼を効
率的に製造する。 【解決手段】 被圧延材のウェブ厚みに対するフランジ
厚みの比が製品のそれよりも小さい断面で粗圧延を終了
し、粗ユニバーサル圧延の前半パスにおいて、粗圧延終
了から製品までのウェブ厚みの総圧下量のうち1/5以
上のウェブ厚み圧下を行うまで、ウェブ厚み延伸に対す
るフランジ厚み延伸の比を平均あるいは各パスで0.9
3以上に設定してウェブ厚みとフランジ厚みを圧下す
る。また、粗ユニバーサル圧延機で圧延中に蹴出し端側
でのフランジ厚み延伸を大きくするか、ウェブ厚み延伸
を小さくする。
Description
溝形鋼等のフランジを有する形鋼の圧延において、先後
端の寸法形状の不良部を少なくし、寸法精度の良好な製
品を製造する圧延方法に関するものである。
おいて、H形鋼の製造工程は、例えば、図7に示すよう
に、圧延素材を粗圧延する二重式粗圧延機1(以下、
「粗圧延機」と称する)、一対の上下水平ロール2aと
一対の左右竪ロール2bとで構成された粗ユニバーサル
圧延機2と、この粗ユニバーサル圧延機2に近接して配
設されたエッジャー圧延機33および仕上げユニバーサ
ル圧延機4からなる圧延装置列により圧延成形されるの
が一般的である。
製造されるスラブやブルーム、ビームブランクなどが用
いられる。スラブを素材とした場合、粗圧延機1におい
て,図8のようにロールに複数配置された孔型のうち、
まず孔型の中央部に突起を有する孔型11〜13により
順次、スラブの短辺部を上下から複数パスで圧下してフ
ランジを生成させてドッグボーン状の中間鋼片51を成
形する。ウェブ面からフランジ先端まで中間位置でのフ
ランジ厚をtf’とすると、スラブをウェブ高さ方向に
圧下した後に生成されるフランジ厚tf’は、通常、ス
ラブ厚みの半分よりやや大きい程度であるので、この中
間鋼片51ではウェブ厚に対するフランジ厚みの比はt
f’/tw’<<1である。
270°転回し、成形孔型15により複数パスでウェブ
厚みを圧下するとともにフランジを整形し、ウェブ厚み
tw’に対するフランジ厚みtf’の比tf’/tw’およ
びウェブ面からフランジ先端までの長さ(以下、「フラ
ンジ脚長」と称する)L’が製品の厚み比tf/twおよ
びフランジ脚長Lとほぼ同等か近い粗形鋼片53にまで
圧延を行う。すなわち、製品のウェブ厚みに対するフラ
ンジ厚みの比の範囲は通常tf/tw>1であることか
ら、粗形鋼片53の厚み比はtf’/tw’>1である。
入側の厚みt1の比t1/t2を厚み延伸と定義すると、
こうして得られた粗形鋼片53は粗ユニバーサル圧延機
2でウェブ厚み延伸ηwとフランジ厚み延伸ηfをほぼ等
しくした状態で、製品の厚みにほぼ等しくなるまで複数
パスで圧延される。その際、粗ユニバーサル圧延機2に
近接して配置したエッジャー圧延機33には製品のフラ
ンジ脚長Lよりもわずかに孔型深さDの小さい孔型ロー
ル3cを使用し、これによりフランジ幅を圧下すること
で図9に示すようなフランジ62の幅中心dからのウェ
ブ61の中心cのずれ(以下、「ウェブ中心偏り」と称
する)が一定量以上に大きくならないようにしている。
ここで、ウェブ中心偏り量eは上下のフランジ脚長a,
bの関係からe=(a−b)/2と表される。こうして
ほぼ製品寸法にまで整形された被圧延材に対し、仕上げ
ユニバーサル圧延機4でフランジをウェブに対して直角
にし、厚みを最終寸法に仕上げる。
形孔型ではウェブ厚のみが圧下され、フランジはフラン
ジ幅が多少圧下されるだけで厚みは圧下されない。その
ため、粗圧延あるいは粗ユニバーサル圧延の途中パスで
は、図10(a)のようなフランジに対してウェブが先
行したタング状のクロップが大きく形成される。タング
が大きく成長するとユニバーサル圧延中にミスロールを
発生させる可能性があるため、粗圧延後あるいは粗ユニ
バーサル圧延の途中で中間クロップカットソーでクロッ
プを切断しており、歩留を低下させている。
は、従来よりも製品のウェブ厚みに対するフランジ厚み
の比が大きいサイズが多くなっており、タング状のクロ
ップ長さはますます増加する傾向にある。また、ウェブ
外法一定H形鋼では、図11のようにウェブ厚みtwに
よらずフランジ幅Bが一定、すなわちフランジ脚長Lが
ウェブ厚みによって異なっている。そのため、孔型深さ
一定のエッジャー圧延機33では、ウェブ厚みによって
はロールとウェブ面との間隔が大きくなり、ウェブ中心
偏りが悪化しやすいという問題もある。
被圧延材を粗ユニバーサル圧延機でウェブ厚み延伸ηw
とフランジ厚み延伸ηfをほぼバランスさせて圧延した
場合、圧延入側のウェブ厚twとフランジ厚tf、水平ロ
ール半径Rhと竪ロール半径Rvの関係から、竪ロールと
フランジとの接触弧長Ldfと水平ロールとウェブとの
接触弧長Ldwの比は、 ldf/ldw={2Rv・tf・(1−1/ηf)}1/2/{Rh・tw・(1−1/ηw)}1 /2 ={2Rv/Rh・tf/tw・(1−1/ηf)/(1−1/ηw)}1/2>1 となり、通常フランジの方が接触弧長が長くなる。その
結果、先後端ではウェブが水平ロールにより拘束されな
い状態で、竪ロールによってフランジが圧下され、ウェ
ブにはウェブ高さ方向に圧縮力が作用して座屈しやすく
なり、ウェブ位置が付け替えられる。また、噛み込み側
で被圧延材とユニバーサル圧延機のパスラインが上下に
ずれると、先にフランジの上下位置が竪ロールによって
拘束されるため、水平ロールによってウェブ位置が付け
替えられる。これらの結果、ウェブ中心偏りが悪化し、
製品の先後端部の寸法不良部が長くなり歩留が低下する
という問題もある。実際には、ウェブ波を防止するため
に、ユニバーサル圧延の後半パスではフランジ厚み延伸
をウェブ厚み延伸に対してやや大きくして圧延すること
が多く、その場合、図10(b)のようなフィッシュテ
ール状のクロップが形成され、さらに座屈が生じやすく
なっている。
は、特開平01-143701号公報および特開平07-337315号公
報に、プレス装置によりウェブ部を圧下することによ
り、続く圧延工程でウェブクロップの成長を抑制する方
法が開示されている。しかしながら、プレス装置が新た
なに必要となり設備コストが嵩む。本発明者らは、クロ
ップの生成特性に着目した実験により、ウェブ厚の大き
い段階からフランジ厚も圧下し、ウェブが大きく先行し
たクロップが生成するまでにできるだけウェブ厚を小さ
くすることによりクロップ長が低減すること、噛み込み
端におけるクロップ生成にはフランジ厚み延伸の影響が
小さいことを明らかにした。
に特別な設備を必要とすることなく、上記課題を解決
し、長手方向の寸法形状不良部の少ない寸法精度が良好
な製品を効率的に製造するための圧延方法を提供するこ
とを目的とする。
に、本発明は、粗圧延機と、粗ユニバーサル圧延機およ
びエッジャー圧延機からなる1組あるいは複数組の中間
圧延機群を用いてフランジを有する形鋼を圧延する方法
において、被圧延材のウェブ厚みに対するフランジ厚み
の比が製品のそれよりも小さい断面で粗圧延を終了し、
粗ユニバーサル圧延の前半パスにおいて、粗圧延終了か
ら製品までのウェブ厚みの総圧下量のうち1/5以上の
ウェブ厚み圧下を行うまで、ウェブ厚み延伸に対するフ
ランジ厚み延伸の比を平均で0.93以上に設定してウ
ェブ厚みとフランジ厚みを圧下するものである。
機と、粗ユニバーサル圧延機およびエッジャー圧延機か
らなる1組あるいは複数組の中間圧延機群を用いてフラ
ンジを有する形鋼を圧延する方法において、被圧延材の
ウェブ厚みに対するフランジ厚みの比が製品のそれより
も小さい断面で粗圧延を終了し、粗ユニバーサル圧延の
前半パスにおいて、粗圧延終了から製品までのウェブ厚
みの総圧下量のうち1/5以上のウェブ厚み圧下を行う
まで、各パスともウェブ厚み延伸に対するフランジ厚み
延伸の比を0.93以上に設定してウェブ厚みとフラン
ジ厚みを圧下するものである。
サル圧延機およびエッジャー圧延機からなる1組あるい
は複数組の中間圧延機群を用いてフランジを有する形鋼
を圧延する方法において、被圧延材のウェブ厚みに対す
るフランジ厚みの比が製品のそれよりも小さい断面で粗
圧延を終了し、粗ユニバーサル圧延機で圧延中に蹴出し
端側でのフランジ厚み延伸を大きくするか、ウェブ厚み
延伸を小さくするものである。
での少なくとも1パスにおいて、噛み込み端が噛み込ん
だ後蹴出すまでの間にロール隙を開放するか、あるいは
噛み込み端に比べ蹴出し端の圧下量を小さくするもので
ある。
ーサル圧延機およびエッジャー圧延機からなる1組ある
いは複数組の中間圧延機群を用いてフランジを有する形
鋼を圧延する方法において、 1)粗圧延機の成形孔型圧延での少なくとも1パスにお
いて、噛み込み端が噛み込んだ後蹴出すまでの間にロー
ル隙を開放するか、あるいは噛み込み端に比べ蹴出し端
の圧下量を小さくすること、 2)被圧延材のウェブ厚みに対するフランジ厚みの比が
製品のそれよりも小さい断面で粗圧延を終了し、粗ユニ
バーサル圧延の前半パスにおいて、粗圧延終了から製品
までのウェブ厚みの総圧下量のうち1/5以上のウェブ
厚み圧下を行うまで、ウェブ厚み延伸に対するフランジ
厚み延伸の比を平均あるいは各パスで0.93以上に設
定してウェブ厚みとフランジ厚みを圧下すること、 3)被圧延材のウェブ厚みに対するフランジ厚みの比が
製品のそれよりも小さい断面で粗圧延を終了し、粗ユニ
バーサル圧延機で圧延中に蹴出し端側でのフランジ厚み
延伸を大きくするか、ウェブ厚み延伸を小さくするこ
と、のいずれか2つ以上を組み合わせて圧延するもので
ある。
孔型により順次素材を製品に対するウェブ高さ方向にの
み圧下を行うものである。
調整できるものとし、被圧延材のフランジ脚長の変化に
応じてパスごとあるいはパス内で連続的に孔型深さを調
整してフランジ幅を圧下するものである。より好適に
は、前記孔型深さを自在に調整できるエッジャー圧延機
において、少なくとも被圧延材のウェブ端部からコーナ
ーR部、フランジ内面の下方部にウェブ拘束ロールを接
近させつつフランジ幅を圧下するものである。
ロール側面部のコーナーR寄りの領域をロール軸寄りの
領域よりも鉛直線に対する勾配が大きくなるように単数
または複数の円弧あるいは直線で構成される形状とする
か、または水平ロール円周部のロール軸方向の中央付近
からコーナーRにかけての領域をコーナーRに近いほど
ロール径が減少するような単数または複数の円弧あるい
は直線で構成される形状とするか、または前者と後者の
両方で構成される形状とするものである。
ユニバーサル圧延において、少なくとも1パス以上、ウ
ェブ厚み延伸をフランジ厚み延伸に比べて大きくして圧
延するものである。
たH形鋼の製造方法を圧延機の構成がシンプルな図1と
図2を例にして説明する。
でスラブの短辺を上下からウェブ高さ方向に圧下し誘導
用の溝を付与する。次に第2孔型12で第1孔型で付け
た溝を案内にしつつ複数パスでウェブ高さ方向にスラブ
幅を圧下してフランジを生成する。次に第3孔型13で
溝をなだらかしてドッグボーン状の中間鋼片51を生成
する。この中間鋼片51では、前述のようにウェブ厚に
対するフランジ厚みの比はtf’/tw’<<1である。
また、長手方向の端部はウェブよりもフランジの方が先
行した、いわゆるフィッシュテール形状となっている。
を行うが、従来よりもウェブ圧下量を少なくし、ウェブ
厚みtw’に対するフランジ厚みtf’の比tf’/tw’
が製品の厚み比tf/twに比べ小さい断面52で圧延を
終了する。本発明で言うところの粗圧延終了のウェブ厚
みに対するフランジ厚みの比の範囲はおおよそtf’/
tw’<1であり、製品の厚み比がtf/tw>1である
ことと比較して小さい。好ましくは、クロップがフィッ
シュテールからタング状になる以前に圧延を終了する。
における累積のウェブ厚み延伸がフランジ厚み延伸に比
べ大きくなる。粗ユニバーサル圧延機2でウェブ厚とフ
ランジ厚を圧延する際、その前半パスにおいてフランジ
厚み延伸を相対的に高めることによってウェブ厚が大き
い段階でのウェブクロップの成長が抑制でき、ウェブ厚
がある程度小さくなった中間パスでウェブ厚み延伸を相
対的に高めても、ウェブ厚みが比較的小さいためにクロ
ップが発生してもその重量が小さく抑えられる。
み延伸の比(フランジ延伸/ウェブ延伸)が噛み込み端
と蹴出し端のクロップ長さに及ぼす影響の一例を示す。
図4ではフランジ幅の立ち上がりからウェブ先端までの
距離をクロップ長さとし、プラスがタングである。この
図から分かるように、ウェブ厚み延伸に対するフランジ
厚み延伸の比を0.93以上に設定することにより、ウ
ェブクロップの成長が抑制される。特に、粗圧延終了か
ら製品までのウェブ厚みの総圧下量のうち1/5以上の
ウェブ厚み圧下を行うまでの間は、各パスともウェブ厚
み延伸に対するフランジ厚み延伸の比を0.93以上に
設定することにより、ウェブクロップの成長が抑制さ
れ、粗圧延途中で切断するクロップ重量を削減でき歩留
向上の効果があることが実験より明らかとなった。ま
た、それぞれの数値が大きいほどクロップ重量の削減効
果が大きく、好ましくはウェブ厚みの総圧下量のうち1
/3以上のウェブ厚み圧下を行うまでの間は、ウェブ厚
み延伸に対するフランジ厚み延伸の比を0.95以上に
する。粗圧延終了から製品までのウェブ厚みの総圧下量
が1/5以下、また、ウェブ厚み延伸に対するフランジ
厚み延伸の比が0.93以下ではフランジ圧下によるク
ロップ短縮の効果がほとんど得られない。各パスとも
0.93以上にできなくても、平均で0.93以上にで
きれば効果はある。ただし、製品のフランジ厚み/ウェ
ブ厚み比が大きいサイズでは、前半パスでフランジ厚み
延伸を高める過ぎるとフランジ肉量が不足するために、
製品のフランジ厚み/ウェブ厚み比に応じて粗圧延終了
のウェブ厚みに対するフランジ厚みの比や粗ユニバーサ
ル圧延のパススケジュールを設定すればよい。
ブ厚みに対するフランジ厚みの比が製品に比べ小さい断
面52で圧延を終了した後、粗ユニバーサル圧延機1で
ウェブ厚み延伸をフランジ厚み延伸よりも大きく設定し
て圧延する際、当該パスにおける噛み込みから蹴出す前
までの間は設定どおりウェブ厚み延伸をフランジ厚み延
伸よりも大きくして圧延し、蹴出し端を圧延する前に水
平ロールギャップを広げるか、あるいは竪ロールギャッ
プを小さくする変更をして、フランジ延伸/ウェブ延伸
を高めて蹴出し端の圧延を行う。図4から分かるよう
に、蹴出し端は、ウェブ厚み延伸が相対的に大きいほど
クロップが大きく増加するのに対し、噛み込み端ではウ
ェブ厚み延伸が相対的に増加してもタングは蹴出し端ほ
どは増加しない。圧延中にロールギャップを変更するこ
とは油圧圧下機構を導入すれば容易に行える。圧延中に
ロールギャップが変更できない場合には、噛み込み端を
圧延後か蹴出し端を圧延する前に圧延機のロール回転を
停止し、ロールを逆回転して材料を引き戻した後、フラ
ンジ延伸/ウェブ延伸が相対的に大きくなるようにロー
ルギャップを修正して同一方向に再圧延するか、或いは
ロールを解放して空通しすればよい。
よる圧延でも同じことであり、蹴出し端のウェブ厚み延
伸を小さくする同様の制御を行うことによりクロップ発
生量は大きく低減できる。また、粗圧延機および粗ユニ
バーサル圧延機で以上の圧延方法を2つ以上組み合わせ
ればさらに効果的である。
厚みの比がもっとも小さくなる形態としては、粗圧延機
1の成形孔型14を省略し、粗圧延機1でスラブをその
幅方向に圧延してドッグボーン状の中間鋼片51を成形
した後、すぐに粗ユニバーサル圧延機2でフランジ厚の
圧下を開始することである。その場合、粗圧延機1には
例えば図3のようにロール胴長内にウェブ高さ方向に圧
下する孔底幅の異なる孔型12aと12b、13aと1
3bを多数配置できるので、製品のフランジ幅や、ウェ
ブ高さ、厚みに依存する粗ユニバーサル圧延以降でのフ
ランジ成形特性に応じて使用する粗圧延機の孔型を選択
することにより、ウェブ高さの異なるシリーズにわたっ
て粗圧延機のロールを共用することも可能となる。
圧下ロール3aとウェブ拘束ロール3bを備え、孔型深
さ(フランジ圧下ロール3aとウェブ拘束ロール3bの
外周面の相対距離)を自在に変更できる機構を有するも
の(以下、「孔型深さ可変式エッジャー圧延機」と称す
る)を適用すれば、寸法精度はさらに高められる。例え
ば、図1でD1、D2のように各パスごとに被圧延材フ
ランジ脚長に応じて孔型深さを調整してウェブ中心偏り
を常に一定量以下に抑制するように圧延する。ウェブ中
心偏りが大きい場合にはウェブ拘束ロール3bによりウ
ェブを圧下することになる。このエッジャー圧延機3と
しては、例えば特許1828792号公報に開示されて
いるような、左右2分割式のフランジ幅圧下ロールと、
フランジ幅圧下ロールとは回転自在に勘合した偏心リン
グの外周面に回転自在に装着されたウェブ拘束リングロ
ールからなるエッジャー圧延機などを採用すればよい。
れば、フランジ幅の異なる製品やフランジ幅が一定でウ
ェブ厚みに応じてフランジ脚長が異なる製品をロールの
組み替えを行うことなく製造できるので、生産性が高ま
り、ロール費用も削減できる。
3で圧延する際、各パス毎に、ウェブの高さ方向両端部
はもちろんのこと、被圧延材のコーナーR部からフラン
ジ内面の下方部に該ウェブ拘束ロールを接近させて圧延
することにより、ウェブ中心偏りを効率的に修正できる
だけでなく、フランジ幅を大圧下した際にフランジ内側
へ大きくバルジングが生じるのを抑え、粗ユニバーサル
圧延でフランジ内面をスリ下げて折れ込み疵(スリ下げ
疵)を発生させるのを防止することができる。フランジ
内面のスリ下げ疵の防止には、フランジ内面のできるだ
けフランジ先端側までウェブ拘束ロールが接近するよう
にロール形状を設定することが好ましい。
でウェブ拘束ロールを接近させることが構造上困難な場
合にフランジ幅を大きく圧下する必要が生じる場合に
は、粗ユニバーサル圧延機2の水平ロール形状を、例え
ば、図5(a)に示すようにコーナーRr2とは別に、
フランジ内面の下方部に対応する水平ロール側面のコー
ナーRr2寄りの領域を円弧r1で形成し、この部分の
鉛直線に対する勾配が、フランジ内面のフランジ先端側
に対応するロール軸寄りの領域の勾配に比べ大きくなる
ようにする。円弧r1の代わりに勾配の大きな直線で構
成してもよい。
側へ大きなバルジングが生じた場合、通常の側面の勾配
が一定の水平ロールでは、フランジ先端側のバルジング
部に水平ロールのコーナーR部が接触し始め、ロールの
回転とともにバルジングをフランジ下方に徐々にスリ下
げていき、ウェブとフランジの境界部付近に折れ込みを
生じさせるが、水平ロール側面のコーナーR寄りの領域
の勾配が大きいとコーナーR部の胴幅が小さくなるため
にバルジング部をスリ下げない。また、粗ユニバーサル
圧延機の水平ロール側面が一定勾配の形状の場合、ウェ
ブ厚み延伸をフランジ厚み延伸よりも大きく設定して多
パス圧延を行うとフランジ内面が水平ロール側面から離
れ、圧下が進むにつれてフランジ内側が凹んだ状態にな
るが、図5(a)のような形状にすれば凹みの発生を抑
制できフランジ内面の形状をなめらかにできるととも
に、ウェブ圧下に伴うフランジ肉量の減少量を低減させ
る効果もある。
284801号公報と同様に、水平ロール円周部のロー
ル軸方向の中央付近からコーナーRにかけての領域に、
コーナーRに近いほどロール径が減少するような単数ま
たは複数の円弧あるいは直線で構成される傾斜部を付与
することにより、粗ユニバーサル圧延でフランジ厚み延
伸に対してウェブ厚み延伸を相対的に大きくして圧延し
た際に、ウェブからフランジへのメタルフローが増大し
フランジ断面積の減少率が低減する。そのため、フラン
ジ肉量が確保し易くなるだけでなく、本発明の特徴であ
る被圧延材のウェブ厚みに対するフランジ厚みの比が製
品のそれよりも小さい断面で粗圧延を終了し、粗ユニバ
ーサル圧延の初期パスからフランジ厚みを圧下すること
により従来の圧延法に比べてウェブクロップの成長が著
しく抑制できるという大きな効果も得られる。
ールの円周部のロール軸方向中央付近からコーナーR、
さらには側面部にかけての領域を複数の円弧または直線
で構成することにより、フランジ先端のバルジングのス
リ下げによる折れ込み疵発生を抑制しつつ、フランジ断
面積の十分な確保ができクロップ削減効果も増大する。
後の粗形鋼片から、前述のウェブ外法一定H形鋼のよう
にウェブ厚みとフランジ厚みの比tf/twが広範囲なサ
イズや広範囲なフランジ幅シリーズの製品を容易に製造
するためには、図6に示すようにサイズやシリーズに応
じて粗圧延機1でウェブ高さ方向の圧下終了時の粗形鋼
片5のウェブ高さを調整することも効果がある。つま
り、粗圧延終了時では、ウェブ厚みが大きいため製品の
フランジに相当する部位の大部分はウェブ部と連続した
領域5aに位置しており、粗ユニバーサル圧延でウェブ
を圧下することによりフランジとして形成される。
は、粗圧延終了のウェブ高さを標準より大きくし、それ
に対応して粗ユニバーサル圧延の初期パスの竪ロール2
bの開度を標準より大きく設定した状態で水平ロール2
aによりウェブ厚みの圧下を行い、tf/twが小さいサ
イズでは、粗圧延終了のウェブ高さを標準より小さく
し、それに対応して粗ユニバーサル圧延の初期パスの竪
ロール開度を標準より小さく設定して水平ロールにより
ウェブ厚みの圧下を行う。これにより、フランジ厚みの
ベースとなる粗ユニバーサル圧延の初期のフランジ厚み
tf0を調整できるとともに、ウェブ外法に対するウェブ
内法の比を小さくすれば、ユニバーサル圧延でのウェブ
圧下に伴うフランジ断面積の減少率が低下し、反対にウ
ェブ外法に対するウェブ内法の比を大きくすれば、ユニ
バーサル圧延でのウェブ圧下に伴うフランジ断面積の減
少率が増大して、フランジ肉量の制御量が拡大できサイ
ズの造り分けが容易になる。加えて、粗圧延終了のウェ
ブ高さに応じてスラブ幅を変更すればさらに効果的であ
る。
た圧延装置列に限定されるものではなく、二重式の粗圧
延機、第1粗ユニバーサル圧延機とこれに隣接した第1
エッジャー圧延機からなる第1中間圧延機群、第2粗ユ
ニバーサル圧延機と第2エッジャー圧延機からなる第2
中間圧延機群、および仕上げユニバーサル圧延機から構
成される圧延装置列も当然含まれる。この場合、第1エ
ッジャー圧延機あるいは第2エッジャー圧延機を孔型深
さ可変式としてもよい。また、中間圧延機群が第1粗ユ
ニバーサル圧延機、孔型深さ可変式エッジャー圧延機3
および第2粗ユニバーサル圧延機をタンデムに配置した
場合も考えられる。
において、前述のように竪ロールとフランジとの接触弧
長が水平ロールとウェブとの接触弧長よりも大きい場合
に、ウェブ高さ方向の圧縮応力よる座屈やパスラインず
れによってウェブが付け替わり、ウェブ中心偏りが悪化
するのを防止するために、中間クロップ切断後の最初の
少なくとも1パスにおいて、ウェブ厚み延伸をフランジ
厚み延伸よりも大きくして、両端にタング状のクロップ
を生成する。これにより、噛み込み時にパスラインがず
れてもウェブが先に誘導されるためにウェブ付け替えが
生じにくくなるとともに、蹴出し時に圧縮応力が生じて
も、後続部にウェブ部があるために座屈が生じにくくな
り、ウェブ中心偏りの悪化が防止でき、最終製品の寸法
不良部が短くできる。
たが、ブルームやビームブランクを素材とした場合でも
粗圧延機および粗ユニバーサル圧延機で同様に圧延すれ
ばよい。
が、I形鋼や溝形鋼などについても、図1に示す圧延装
置列などにおいて、同様の圧延方法を行えばクロップ長
さを短くできる。
ブ厚12mm、フランジ厚22mのH形鋼を、厚み250mmの連続
鋳造スラブを素材として、粗圧延機、粗ユニバーサル圧
延機とエッジャー圧延機からなる第1中間圧延機群と第
2中間圧延機群、仕上げ圧延機を使用して製造した。第
1中間圧延機群のエッジャー圧延機には孔型深さ可変式
エッジャー圧延機を使用した。
圧延を終了した。第1粗ユニバーサル圧延機の前半パス
を表1に示した延伸比で、表1に示したウェブ厚まで圧
延し、その後は、フランジ厚/ウェブ厚が製品のフラン
ジ厚/ウェブ厚にほぼ等しくなるまで、ウェブ厚み延伸
とフランジ厚み延伸を調整した後、ウェブ厚み延伸とフ
ランジ厚み延伸をほぼ等しくして製品まで圧延した。第
1粗ユニバーサル圧延は合計11パスで、先端側クロッ
プは11パス後、後端側クロップは10パス後に切断
し、その長さを測定した。
も表1に示す。この場合、粗圧延終了のウェブ厚は70mm
であり、粗ユニバーサル圧延ではフランジ延伸/ウェブ
延伸は全パスともほぼ1.0である。表1にそれぞれの切
断した中間クロップ長さを示すが、本発明の圧延方法に
より中間クロップ長さが低減し、歩留りが向上した。
において蹴出し端のウェブ厚圧下を行わなかった条件に
ついては、クロップ長さは従来法よりも先端、後端とも
約250mmが短縮した。
りウェブ厚み延伸をフランジ厚み延伸に対して大きくし
て圧延を行ったところ、ウェブ厚み延伸とフランジ厚み
延伸を等しくした場合に比べ、先端と後端のウェブ中心
偏り公差はずれ部の長さが約1m短縮した。
クロップの成長を抑制でき歩留が向上するだけでなく、
端部におけるウェブ中心偏りが小さく良好な寸法精度の
製品が製造できる。また、フランジ幅の異なる製品につ
いてもロール組み替えを行うことなく製造でき、ロール
保有数を削減し、歩留や作業率を向上させることが可能
となる。
ある。
う粗圧延方法の説明図である。
関する説明図である。
ル形状の説明図である。
る。
説明図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 粗圧延機と、粗ユニバーサル圧延機およ
びエッジャー圧延機からなる1組あるいは複数組の中間
圧延機群を用いてフランジを有する形鋼を圧延する方法
において、被圧延材のウェブ厚みに対するフランジ厚み
の比が製品のそれよりも小さい断面で粗圧延を終了し、
粗ユニバーサル圧延の前半パスにおいて、粗圧延終了か
ら製品までのウェブ厚みの総圧下量のうち1/5以上の
ウェブ厚み圧下を行うまで、ウェブ厚み延伸に対するフ
ランジ厚み延伸の比を平均で0.93以上に設定してウ
ェブ厚みとフランジ厚みを圧下することを特徴とするフ
ランジを有する形鋼の圧延方法。 - 【請求項2】 粗圧延機と、粗ユニバーサル圧延機およ
びエッジャー圧延機からなる1組あるいは複数組の中間
圧延機群を用いてフランジを有する形鋼を圧延する方法
において、被圧延材のウェブ厚みに対するフランジ厚み
の比が製品のそれよりも小さい断面で粗圧延を終了し、
粗ユニバーサル圧延の前半パスにおいて、粗圧延終了か
ら製品までのウェブ厚みの総圧下量のうち1/5以上の
ウェブ厚み圧下を行うまで、各パスともウェブ厚み延伸
に対するフランジ厚み延伸の比を0.93以上に設定し
てウェブ厚みとフランジ厚みを圧下することを特徴とす
るフランジを有する形鋼の圧延方法。 - 【請求項3】 粗圧延機と、粗ユニバーサル圧延機およ
びエッジャー圧延機からなる1組あるいは複数組の中間
圧延機群を用いてフランジを有する形鋼を圧延する方法
において、被圧延材のウェブ厚みに対するフランジ厚み
の比が製品のそれよりも小さい断面で粗圧延を終了し、
粗ユニバーサル圧延機で圧延中に蹴出し端側でのフラン
ジ厚み延伸を大きくするか、ウェブ厚み延伸を小さくす
ることを特徴とするフランジを有する形鋼の圧延方法。 - 【請求項4】 粗圧延機の成形孔型圧延での少なくとも
1パスにおいて、噛み込み端が噛み込んだ後蹴出すまで
の間にロール隙を開放するか、あるいは噛み込み端に比
べ蹴出し端の圧下量を小さくすることを特徴とするフラ
ンジを有する形鋼の圧延方法。 - 【請求項5】 粗圧延機と、粗ユニバーサル圧延機およ
びエッジャー圧延機からなる1組あるいは複数組の中間
圧延機群を用いてフランジを有する形鋼を圧延する方法
において、 1)粗圧延機の成形孔型圧延での少なくとも1パスにお
いて、噛み込み端が噛み込んだ後蹴出すまでの間にロー
ル隙を開放するか、あるいは噛み込み端に比べ蹴出し端
の圧下量を小さくすること、 2)被圧延材のウェブ厚みに対するフランジ厚みの比が
製品のそれよりも小さい断面で粗圧延を終了し、粗ユニ
バーサル圧延の前半パスにおいて、粗圧延終了から製品
までのウェブ厚みの総圧下量のうち1/5以上のウェブ
厚み圧下を行うまで、ウェブ厚み延伸に対するフランジ
厚み延伸の比を平均あるいは各パスで0.93以上に設
定してウェブ厚みとフランジ厚みを圧下すること、 3)被圧延材のウェブ厚みに対するフランジ厚みの比が
製品のそれよりも小さい断面で粗圧延を終了し、粗ユニ
バーサル圧延機で圧延中に蹴出し端側でのフランジ厚み
延伸を大きくするか、ウェブ厚み延伸を小さくするこ
と、のいずれか2つ以上を組み合わせて圧延することを
特徴とするフランジを有する形鋼の圧延方法。 - 【請求項6】 粗圧延機において、複数の孔型により順
次素材を製品に対するウェブ高さ方向にのみ圧下を行う
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の
フランジを有する形鋼の圧延方法。 - 【請求項7】 エッジャー圧延機を孔型深さを自在に調
整できるものとし、被圧延材のフランジ脚長の変化に応
じてパスごとあるいはパス内で連続的に孔型深さを調整
してフランジ幅を圧下することを特徴とする請求項1〜
6のいずれか1項に記載のフランジを有する形鋼の圧延
方法。 - 【請求項8】 エッジャー圧延機において、少なくとも
被圧延材のウェブ端部からコーナーR部、フランジ内面
の下方部にウェブ拘束ロールを接近させつつフランジ幅
を圧下することを特徴とする請求項7に記載のフランジ
を有する形鋼の圧延方法。 - 【請求項9】 粗ユニバーサル圧延機において、水平ロ
ール側面部のコーナーR寄りの領域をロール軸寄りの領
域よりも鉛直線に対する勾配が大きくなるように単数ま
たは複数の円弧あるいは直線で構成される形状とする
か、または水平ロール円周部のロール軸方向の中央付近
からコーナーRにかけての領域をコーナーRに近いほど
ロール径が減少するような単数または複数の円弧あるい
は直線で構成される形状とするか、または前者と後者の
両方で構成される形状とすることを特徴とする請求項1
〜8のいずれか1項に記載のフランジを有する形鋼の圧
延方法。 - 【請求項10】 中間クロップ切断後の粗ユニバーサル
圧延において、少なくとも1パス以上、ウェブ厚み延伸
をフランジ厚み延伸に比べて大きくして圧延することを
特徴とするフランジを有する形鋼の圧延方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001342318A JP4109443B2 (ja) | 2001-11-07 | 2001-11-07 | フランジを有する形鋼の圧延方法 |
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JP2001342318A JP4109443B2 (ja) | 2001-11-07 | 2001-11-07 | フランジを有する形鋼の圧延方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2003136101A true JP2003136101A (ja) | 2003-05-14 |
JP4109443B2 JP4109443B2 (ja) | 2008-07-02 |
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2001
- 2001-11-07 JP JP2001342318A patent/JP4109443B2/ja not_active Expired - Fee Related
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