JP2003134645A - グロメット - Google Patents
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Abstract
9)とからなり、筒壁(23)及び基部(29)はワイ
ヤ(7)に当接しかつパネル(11c、15a)の貫通
孔(16a、16b)に係止する可撓性係止部(24)
を筒壁(23)に設けた硬質グロメット(21)と、硬
質グロメット(21)を覆う被覆部(33)と被覆部
(33)より延在して前記パネル(11c、15a)表
面に密接する第1シール(34)部及び前記ワイヤ
(7)に嵌合するワイヤ嵌合部(36)を有する軟質グ
ロメット(31)とからなり、軟質グロメット(31)
は貫通孔(16a、16b)と硬質グロメット(21)
との間に嵌合される第2シール部(35)を有する構成
としたこと。
Description
メットに関し、特に車両等に搭載され、車両パネル等の
開口部を通過するワイヤを保持固定するグロメットに関
する。 【0002】 【従来の技術】近年、自動車において、多種多様な機
械、部品が車両に搭載されており、それに伴って電気的
駆動力や機械的駆動力を伝達するワイヤが多数配策され
ている。また、ワイヤが車両パネル内の貫通孔を通過す
る位置には、ワイヤ保護するため或いはその貫通孔を介
して雨水等の浸入を防ぐためにグロメットが用いられ
る。この種のグロメットの例としては、特開平11−1
27527号公報に記載されている。 【0003】このグロメット80は、図5に示す様に、
ワイヤ81と、筒壁82及び基部92とからなると共に
筒壁82及び基部92はワイヤ81に当接しかつパネル
83の貫通孔に係止する可撓性係止部84を筒壁82に
設けた硬質グロメット85と、硬質グロメット85を覆
う被覆部87と被覆部87より延在してパネル83表面
に密接する第1シール部88及びワイヤ81に嵌合する
ワイヤ嵌合部89を有する軟質グロメット90から構成
される。 【0004】このグロメット80は、ワイヤ81がモー
タ等の駆動源からの駆動力を伝達するものである場合、
ワイヤ81はパネル83に対して揺動する場合がある。
ここで、グロメット80は、硬質グロメット85とパネ
ル83の間に隙間91があるため、グロメット80がパ
ネル83に対してガタつく可能性がある。ガタつきが大
きい場合は、グロメット80のパネル83に対するシー
ル性が低下する問題があった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、グロメット
のシール性の向上を技術的課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために本発明において講じた技術的手段は、ワイヤ
と、筒壁及び基部とからなり前記筒壁及び前記基部は前
記ワイヤに当接しかつパネルの貫通孔に係止する可撓性
係止部を前記筒壁に設けた硬質グロメットと、前記硬質
グロメットを覆う被覆部と前記被覆部より延在して前記
パネル表面に密接する第1シール部及び前記ワイヤに嵌
合するワイヤ嵌合部を有する軟質グロメットとからな
り、前記軟質グロメットは前記貫通孔と前記硬質グロメ
ットとの間に嵌合される第2シール部を有する構成とし
たことである。 【0007】この構成により、第2シール部が貫通孔と
硬質グロメットとの間の隙間に嵌合されるため、グロメ
ットのパネルに対するガタつきは低減される。したがっ
てグロメットのパネルに対するシール性は向上する。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明を車両のパワースラ
イド機構に配設した一実施例を説明する。まずパワース
ライド機構について説明する。図1に示す様にスライド
ドア1は、車両の側部ボデー2に形成された矩形のドア
開口21を開閉するものである。そして車両の前後方向
(図1示左右方向)に延在するセンターガイドレール3
a及び上下一対のアッパ及びロアガイドレール3b、3
cを介して、側部ボデー2にスライド可能に支持されて
いる。スライドはガイドレール3a、3b、3cに沿っ
て行われる。 【0009】スライドドア1には、ガイドレール3a、
3b、3cに摺動自在に案内されるガイドローラユニッ
ト5が摺動自在に支持されている。スライドドア1は、
それぞれのガイドローラユニット5がガイドレール3
a、3b、3cに対して摺動することで、ガイドレール
3a、3b、3cに案内される。そしてドア開口21を
開閉すべくスライド動作する。 【0010】図1に示す様に、スライドドア1のスライ
ド動作は、駆動機構6の駆動力がワイヤ7を介してスラ
イドドア1に伝達されることで行われる。 【0011】図1及び図2に示す様に、駆動機構6は、
スライドドア1内に配置されており、ブラケット11を
介してスライドドア1の車両内側ドアパネル14に固定
される。この駆動機構6は、駆動源としてのモータ61
及び回転自在な出力ドラム62からなる。出力ドラム6
2は減速ギア構造(図示なし)を介してモータ61の出
力シャフトに連結されており、モータ61の正逆回転に
より、一方向及び他方向に回転する。尚、駆動機構6の
ブラケット11及びドアパネル14への取付け構造につ
いては後述する。 【0012】図1及び図2に示す様に、ワイヤ7は、二
本のワイヤ7a、7bからなる。ワイヤ7aは金属製の
インナケーブル71aとそれを被覆する樹脂製のケーシ
ング72aからなる。インナケーブル71aの一端は出
力ドラム62に係止されて巻回されている。インナケー
ブル71aは、スライドドア1内の中間プーリ機構9及
び可動プーリ機構8に案内されてセンターガイドレール
3a内に配索される。そしてインナケーブル71aの他
端(図示なし)はセンターガイドレール3aの車両前後
方向における前端近傍に係止される。ケーシング72a
は、出力ドラム62から中間プーリ機構9及び中間プー
リ機構から可動プーリ機構8までの間のインナケーブル
71aを被覆する。一方ワイヤ7bも同様に、金属製の
インナケーブル71bと樹脂製ケーシング72bからな
る。インナケーブル71bの一端が出力ドラム62に係
止されて巻回されている。インナケーブル71bは、ス
ライドドア1内の中間プーリ機構9及び可動プーリ機構
8に案内されてセンターガイドレール3a内に配索され
る。そしてインナケーブル71bの他端(図示なし)は
センターガイドレール3aの車両前後方向における後端
近傍に係止される。ケーシング72bは、出力ドラム6
2から中間プーリ機構9及び中間プーリ機構から可動プ
ーリ機構8までの間のインナケーブル71bを被覆す
る。 【0013】前述した様に、駆動機構6はブラケット1
1を介してスライドドア1内の車両内側ドアパネル14
に固定される。図2は駆動機構6とブラケット11を車
両室内側から見た図である。図2に示す様に、ブラケッ
ト11は駆動機構取付け部11aとドアパネル取付け部
11bを有している。駆動機構取付け部11aの上部に
は、車両内側方向(図2示紙面鉛直手前方向)に屈曲延
在する上段部11c(パネル)が形成されている。さら
に上段部11cが車両上方向に屈曲し、ドアパネル取付
け部11bが延在している。つまり、ブラケット11
は、その上部が車両外側方向(図2示紙面鉛直奥行方
向)に凹んだ駆動機構取付け部11aを有する構造とな
っている。駆動機構取付け部11aには、3個のボルト
12を介して駆動機構6が固定される。ドアパネル取付
け部11bには、その上下及び左右の四隅に4個の取付
け孔13があり、4個のボルト(図示無し)を取付け孔
13に嵌通することで、ブラケット11はドアパネル1
4に固定される。 【0014】図2及び図3に示す様に、上段部11cに
は2つの補強板15a、15bが溶接により固定されて
いる。そして上段部11cと補強板15a、15bを一
体的に貫通する孔部16a、16b(貫通孔)が形成さ
れている。そして孔部16a、16bには2本のワイヤ
7a、7bが挿通されている。 【0015】次に、本発明の主要部であるグロメットに
関して説明する。図2乃至図4に示す様に、孔部16
a、16bのワイヤ7a、7bの外側には、2個のグロ
メット20が配設される。ブラケット11に関して、上
段部11cの上側はスライドドア1に配設されるウィン
ド10の開口部10aと繋がっている。つまり、雨水等
はその開口部10aからスライドドア1内に進入してく
る恐れがあり、その雨水の駆動機構6周辺への侵入を防
ぐために、グロメット20は孔部16a、16bに配設
される。グロメット20は硬質グロメット21(硬質グ
ロメット)と軟質グロメット31(軟質グロメット)か
らなり、硬質グロメット21と軟質グロメット31は一
体的な構造となっている。硬質グロメット21と軟質グ
ロメット31の一体構造については後述する。また、グ
ロメット20は図3示上方向から孔部16a、16bに
挿入されることで、ブラケット11に配設される。ここ
で、2個のグロメット20は同一であるため、以下の構
造の説明においては、孔部16a及びワイヤ7aに配設
されるグロメット20に関して説明する。 【0016】硬質グロメット21は全体が略円筒形状で
あり、円筒形状を形成する筒壁23(筒壁)を有する。
筒壁23の内側はワイヤ7aに当接する。硬質グロメッ
ト21の長手方向のほぼ中央には、筒壁23の外側に4
つの爪部24が、周方向に均等な間隔をおいて形成され
ている。爪部24の下部(図4示下側部)は、筒壁23
に支持される片持ち構造となっている。また爪部24の
上部(図4示上側部)には、硬質グロメット21の径方
向に突出する係合部24aが形成されている。図3に示
す様に、係合部24aは補強板15aと係合する。よっ
てグロメット20がブラケット11の上段部11cに配
設された場合は、グロメット20は上段部11c対して
上方向(図3示上方向)に移動するのを抑えている。換
言すれば、爪部24は、硬質グロメット21を上段部1
1cに係止している。筒壁23の内側の爪部24に対応
する位置には、硬質グロメット21の長手方向に延びる
4本の溝部25が形成されている。溝部25は硬質グロ
メット21の図4示下端部から爪部24の位置付近まで
形成されている。溝部25はグロメット20を孔部16
aに挿入する場合に以下の様に作用する。つまり、係合
部24aは上段部11c及び補強版15aと一旦係合す
る。ここで、爪部24が硬質グロメット21の径内側方
向に撓み、爪部24と係合部24aが溝部25内へ移動
することで係合部24aは孔部16aを通過する。つま
り、グロメット20は、溝部25により孔部16aに挿
入され易くなっている。また、硬質グロメット21の長
手方向の中央よりやや上部(図4示上部)には、筒壁2
3の外側に、径外方向に延在する環状の鍔部28が形成
されている。さらに鍔部28よりも上部(図4示上部)
には、軟質グロメット31と係合する円筒形の基部29
(基部)が形成されている。 【0017】図3及び図4に示す様に、軟質グロメット
31は、全体が略円筒形状をしている。図3に示す様
に、軟質グロメット31の円筒内側には、環状の溝部3
2が形成されている。溝部32に鍔部28が係合するこ
とで、硬質グロメット21と軟質グロメット31は一体
構造となる。更に、軟質グロメット31は円筒形の胴部
33(被覆部)が硬質グロメット21の基部29に嵌合
する構造となっており、硬質グロメット21と軟質グロ
メット22の一体構造は安定なものとなっている。胴部
33の上端(図4示上端)には、胴部33の内径より小
径のシール部36(ワイヤ嵌合部)が形成されている。
シール部36の内径はワイヤ7aの外径より小さく、ワ
イヤ7aの挿入により内径が押し広げられる構造となっ
ている。つまりシール部36はワイヤ7aに嵌合する構
造となっている。よって、シール部36のワイヤ7aへ
のシール性は高いものとなっている。また、胴部33の
下部(図4示下部)側には、軟質グロメット22の径外
方向に延在する環状のシール部34(第1シール部)が
形成されている。図4に示す様に、グロメット20がブ
ラケット11の上段部11cに配設されていない場合
は、シール部34は図4示下方向に垂れ下がる形状とな
っている。そして図3に示す様に、グロメット20が上
段部11cに配設された場合は、シール部34はブラケ
ット11の上段部11cと係合することにより径外方向
に押し広げられる構造となる。この場合、シール部34
はその形状により、径外方向の先端が上段部11cと密
着する方向に付勢されている。よってシール部34の上
段部11cに対するシール性は高いものとなっている。
更に、シール部34を挟んで胴部33の反対側には、円
筒形状で胴部33と同径のシール部35(第2シール
部)が形成されている。シール部35は図4示下に向っ
て、厚さが薄くなる形状となっている。そして、グロメ
ット20を図3示上側から孔部16aに挿入する場合、
シール部35が、孔部16aと硬質グロメット21との
間の隙間を埋めるように圧入される。換言すれば、シー
ル部35は、孔部16aとワイヤ7aとの間の隙間を埋
めるように圧入される構造となっている。。 【0018】次にパワースライド機構全体の作動につい
て説明する。 【0019】ドア開口21の閉状態(スライドドア1が
図1示開口21と一致する状態)において、モータ61
を正転駆動して出力ドラム62を一方向に回転させる
と、インナケーブル71aが出力ドラム62に巻き取ら
れ且つインナケーブル71bが出力ドラム62から送り
出される。インナケーブル71a、71bは、その他端
にて車両ボデーに固定されているので、可動プーリ機構
8がセンターガイドレール3aに沿って車両後方(図1
示右方)へ移動する。このとき、可動プーリ機構8に結
合されたガイドローラユニット5はセンターガイドレー
ル3a内を摺動する。この結果、スライドドア1が開状
態(スライドドア1が図1示開口21と一致する以外の
状態)となる。またスライドドア1の、ドア開口21の
開状態から閉状態への移動は、モータ61を逆転駆動さ
せることにより、前述とは逆の作動により行われる。 【0020】ここで、上記作動においては、インナケー
ブル71a、71bはケーシング72a、72b内を摺
動する。一方図1に示す様に、駆動機構6と中間プーリ
機構9は、車両前後方向(図1示左右方向)にオフセッ
トした位置に配設されている。また詳細は図示していな
いが、駆動機構6と中間プーリ機構9は、ドアパネル1
4の形状上、ドア厚方向(図1示紙面鉛直方向)にもや
やオフセットした位置に配設されている。以上より、イ
ンナケーブル71a、71bがケーシング72a、72
b内を摺動する場合、図3に示す様に、ワイヤ7a、7
bがブラケット11の上段部11cに対して揺動する。
ここでグロメット20もワイヤ7a、7bと連動する。
しかし、シール部35が、ワイヤ7a、7bと孔部16
a、16bの隙間に挿入されているため、グロメット2
0の上段部11cに対する揺動及びガタ付きは軽減され
る。 【0021】従って、グロメット20の上段部11cに
対するシール性は高いものとなる。更に、揺動及びガタ
付きの軽減は、グロメット20と孔部16a、16bと
の衝突を抑え、グロメット20の耐久性も向上される。 【0022】 【発明の効果】上記したように、請求項1の発明によれ
ば、軟質グロメットはパネルの貫通孔とワイヤの間に圧
入される第2シール部を有する構成としたので、グロメ
ットのパネルに対するガタつきは低減される。したがっ
てグロメットによる軟質グロメットのパネルに対するシ
ール性は向上する。
装置に配設した場合の車両全体の側面図である。 【図2】本発明に係るグロメットを車両用スライドドア
装置に配設した場合の駆動機構の側面図(車両内側から
見た図)である。 【図3】図2におけるA−A断面図である。 【図4】本発明に係るグロメットの斜視図である。 【図5】従来例のグロメットを示した図である。 【符号の説明】 7 ワイヤ 11c 上段部(パネル) 15a 補強版(パネル) 16a、16b 孔部(貫通孔) 21 硬質グロメット 23 筒壁 24 爪部(可撓性係止部) 29 基部 31 軟質グロメット 33 胴部(被覆部) 34 シール部(第1シール部) 35 シール部(第2シール部) 36 シール部(ワイヤ嵌合部)
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】ワイヤと、 筒壁及び基部とからなり、前記筒壁及び前記基部は前記
ワイヤに当接しかつパネルの貫通孔に係止する可撓性係
止部を前記筒壁に設けた硬質グロメットと、 前記硬質グロメットを覆う被覆部と前記被覆部より延在
して前記パネル表面に密接する第1シール部及び前記ワ
イヤに嵌合するワイヤ嵌合部を有する軟質グロメットと
からなり、 前記軟質グロメットは前記貫通孔と前記硬質グロメット
との間に嵌合される第2シール部を有することを特徴と
する、グロメット。
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