JP2006288107A - エンジンのハーネス出口構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンのハーネス出口で確実なシールドを可能にするエンジンのハーネス出口構造を提供する。
【解決手段】ワイヤハーネス31は、グロメット金具32を介してシールドカバー3とエンジン本体2とに挟持される。グロメット金具32の各フランジ部32b,32c間には、シールドカバー3の板厚と同一の幅で溝32dが円周方向に形成されている。グロメット金具32の他端には、ワイヤハーネス31をシールドするハーネスオーバオール33が挿貫される。このハーネスオーバオール33は、金属繊維を編み込んで形成されるシールド外装体であり、ハーネスオーバオール33は、その一体が前記フランジ部32bに突き当たるまで前記グロメット金具32の他端外側に挿貫され、結合リング34によって締結されている。
【選択図】図4
【解決手段】ワイヤハーネス31は、グロメット金具32を介してシールドカバー3とエンジン本体2とに挟持される。グロメット金具32の各フランジ部32b,32c間には、シールドカバー3の板厚と同一の幅で溝32dが円周方向に形成されている。グロメット金具32の他端には、ワイヤハーネス31をシールドするハーネスオーバオール33が挿貫される。このハーネスオーバオール33は、金属繊維を編み込んで形成されるシールド外装体であり、ハーネスオーバオール33は、その一体が前記フランジ部32bに突き当たるまで前記グロメット金具32の他端外側に挿貫され、結合リング34によって締結されている。
【選択図】図4
Description
本発明は、エンジンのハーネス出口構造に係り、特に、ハーネスの出口近傍に高い電磁波シールド機能を付与する構造に関する。
航空エンジンに付設される電装品には、電磁波や大電流に対する対策を十分に施す必要がある。特許文献1には、エンジンの吸気チャンバ周囲に配置される電磁式燃料噴射弁や点火コイル等の電装品を、この吸気チャンバの一部を覆ってエンジン本体に取り付けられるシールドカバーで、その他の電装品と共にまとめて覆ってシールドする技術が開示されている。
特開2004−251271号公報
上記した従来技術では、電装品自体はシールドカバーでシールドされるものの、これらの電装品からエンジン外に引き回されるワイヤハーネスを十分にシールドすることができなかった。なお、ワイヤハーネス自体をシールドする外装構造は周知だが、ワイヤハーネスにシールド外装構造を適用しても、シールドカバー縁部のハーネス出口でワイヤハーネスとの間に電磁波を通す隙間があると、シールドカバー内に対するシールドが不十分になってしまう。
本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決し、エンジンとシールドカバー縁部との間に設けられるハーネス出口で確実な電磁波シールドを可能にするエンジンのハーネス出口構造を提供することにある。
上記した目的を達成するために、本発明は、エンジンの上部に配置されてシールドカバーで覆われた電装品のワイヤハーネスを前記シールドカバー縁部のハーネス出口で電磁波に対してシールドするハーネス出口構造において、以下のような手段を講じた点に特徴がある。
(1)ハーネス出口において、エンジンとシールドカバー縁部とによって挟持されるグロメット金具と、前記グロメット金具の内側に挿通されるワイヤハーネスと、前記ワイヤハーネスの前記シールドカバーから露出した部分をシールドするハーネス外装体と、前記ハーネス外装体の一体を前記グロメット金具に対して締結させる締結部材とを含むことを特徴とする。
(2)前記グロメット金具は、前記ワイヤハーネスが挿通される筒状の胴体部と、前記胴体部の表面に、一方の端部から離間した位置で円周方向に沿って立設された第1フランジ部と、前記第1フランジ部から他方の端部側に離間した位置で円周方向に沿って立設された第2フランジ部とを含み、前記ハーネス外装体が前記グロメット金具の胴体部の一方の端部に、その先端が前記第1フランジに突き当たるまで外装され、前記ハーネス外装体の先端が、前記締結部材により前記グロメット金具の胴体部の一方の端部に締結されることを特徴とする。
(3)前記エンジンおよびシールドカバー縁部が、前記グロメット金具の第1および第2フランジの間隙部を挟持することを特徴とする。
(4)前記シールドカバー縁部が、導電性のガスケットを介して前記グロメット金具を挟持することを特徴とする。
(1)ハーネス出口において、エンジンとシールドカバー縁部とによって挟持されるグロメット金具と、前記グロメット金具の内側に挿通されるワイヤハーネスと、前記ワイヤハーネスの前記シールドカバーから露出した部分をシールドするハーネス外装体と、前記ハーネス外装体の一体を前記グロメット金具に対して締結させる締結部材とを含むことを特徴とする。
(2)前記グロメット金具は、前記ワイヤハーネスが挿通される筒状の胴体部と、前記胴体部の表面に、一方の端部から離間した位置で円周方向に沿って立設された第1フランジ部と、前記第1フランジ部から他方の端部側に離間した位置で円周方向に沿って立設された第2フランジ部とを含み、前記ハーネス外装体が前記グロメット金具の胴体部の一方の端部に、その先端が前記第1フランジに突き当たるまで外装され、前記ハーネス外装体の先端が、前記締結部材により前記グロメット金具の胴体部の一方の端部に締結されることを特徴とする。
(3)前記エンジンおよびシールドカバー縁部が、前記グロメット金具の第1および第2フランジの間隙部を挟持することを特徴とする。
(4)前記シールドカバー縁部が、導電性のガスケットを介して前記グロメット金具を挟持することを特徴とする。
本発明によれば、以下のような効果が達成される。
(1)請求項1の発明によれば、シールドカバーとワイヤハーネスのシールド外装体とがグロメット金具を介して、電磁波からシールドされるように(電磁波に対して隙間無く)連結されるので、シールドカバー下に収容される電装品およびそのワイヤハーネスを効率良くシールドできるようになる。
(2)請求項2の発明によれば、ワイヤハーネスのシールド外装体をグロメット金具に対して、電磁波からシールドされるように確実かつ簡単に締結できるようになる。
(3)請求項3の発明によれば、エンジンおよびシールドカバー縁部をグロメット金具に対して、電磁波からシールドされるように確実かつ簡単に締結できるようになる。
(4)請求項4の発明によれば、シールドカバーが導電性金属ではなく、導電性金属粒子等を含有させて導電性を持たせた導電性プラスチック等であっても、シールドカバー縁部とグロメット金具とを、電磁波からシールドされるように確実かつ簡単に締結できるようになる。
(1)請求項1の発明によれば、シールドカバーとワイヤハーネスのシールド外装体とがグロメット金具を介して、電磁波からシールドされるように(電磁波に対して隙間無く)連結されるので、シールドカバー下に収容される電装品およびそのワイヤハーネスを効率良くシールドできるようになる。
(2)請求項2の発明によれば、ワイヤハーネスのシールド外装体をグロメット金具に対して、電磁波からシールドされるように確実かつ簡単に締結できるようになる。
(3)請求項3の発明によれば、エンジンおよびシールドカバー縁部をグロメット金具に対して、電磁波からシールドされるように確実かつ簡単に締結できるようになる。
(4)請求項4の発明によれば、シールドカバーが導電性金属ではなく、導電性金属粒子等を含有させて導電性を持たせた導電性プラスチック等であっても、シールドカバー縁部とグロメット金具とを、電磁波からシールドされるように確実かつ簡単に締結できるようになる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明に係るハーネス出口構造が適用される航空エンジンの飛行機への搭載状態での側面図であり、図2はその平面図である。図3は、この航空エンジンを機体の左後方上部から見込んだ斜視図である。
航空エンジン1は、4サイクルの水平対向型4気筒エンジン本体2の上部および左右側面の主要部をシールドカバー3で隙間無く覆って構成され、機体の前部に取付けられるカウル21内に、クランクシャフト22の軸線を前後方向に沿わせるようにして収容される。カウル21の前方には複数のプロペラ23を有するスピナ24が配置されており、このスピナ24はリングギヤ25と共に前記クランクシャフト22に対して同軸に結合されている。始動装置26は始動モータ28およびその回転軸に装着されたピニオン27を含み、始動モータ28の回転数が所定値に達するとピニオン27が突出し、リングギヤ25に噛合してエンジンを始動する。
左右のシリンダヘッド47L,47Rの下部には排気ポート(図示せず)が設けられており、各排気ポートには、エンジン本体2の下方に回り込んで後方に延出される左右の排気管46L(46R)が連結されている。
図2を併せて参照し、エンジン本体2の上方には吸気マニホールド40が配置されており、この吸気マニホールド40は各気筒の吸気管41L,42L,43R,44Rと、これらの吸気管41L,42L,43R,44Rの上流端を共通に接続する集合吸気管45とを備えている。各吸気管41L,42L,43R,44Rはエンジン本体2の上方で後方側に彎曲するように形成され、エンジン本体2の後部の上方に配置される集合吸気管45が、図示しない吸気チャンバに接続される。
エンジン本体2の上部には、気筒ごとに点火コイル51および電磁式燃料噴射弁52が設けられ、さらに吸気圧センサ53および吸気温センサ54等の電装品が配置され、これらの電装品は全て前記シールドカバー3で電磁波に対して隙間無く覆われている。前記シールドカバー3は鋼板または金属フィラーを含む合成樹脂等から構成され、当該シールドカバー3の開口縁部は、エンジン本体2に対して隙間無く当接できるように形成される。シールドカバー3の開口縁とエンジン本体2との当接部分には、図3に示したように、前記シールドカバー3下に収容されている電装部品と制御ユニットとを電気的に接続するワイヤハーネスの出口30が確保されている。
図4は、本発明の第1実施形態に係るハーネス出口構造の一部破断断面図、図5は、その第1実施形態の組み立て図であり、前記と同一の符号は同一又は同等部分を表している。
多数のワイヤを束ねて構成されたワイヤハーネス31は、グロメット金具32を介して、前記シールドカバー3の縁部とエンジン本体2とによって挟持される。前記グロメット金具32は、軸に沿った平面で2分割された一対のグロメット金具片を組み合わせて構成され、ワイヤハーネス31が内挿される筒状の胴体部32aと、この胴体部32aの軸方向に沿った2カ所において円周方向に沿って立設された2つのフランジ部32b,32cとから構成されている。
一方のフランジ部32cは胴体部32aの端部に形成され、他方のフランジ部32bは、前記一方のフランジ部32cから前記シールドカバー3の縁部の厚みに相当する幅だけ離間した位置に形成されている。換言すれば、前記グロメット金具32の各フランジ部32b,32c間には、前記シールドカバー縁部の厚みと同一の幅で溝32dが円周方向に形成されている。前記シールドカバー3の縁部には、前記溝32dの形状に合わせて切欠が形成されており、さらに当該切欠に沿って形成された溝36内に導電性のガスケット35が設けられているので、グロメット金具32はシールドカバー3とエンジン本体2により、電磁波に対して隙間無く挟持されることになる。
前記グロメット金具32の他端には、ワイヤハーネス31をシールドするハーネスオーバオール33が外貫される。このハーネスオーバオール33は、金属繊維を編み込んで形成されるシールド外装体であり、ハーネスオーバオール33は、その一体が前記フランジ部32bに突き当たるまで前記グロメット金具32の他端外側に挿貫され、結合リング34によって締結されている。
本実施形態によれば、シールドカバー3とワイヤハーネス31のシールド外装体33とがグロメット金具32を介して電磁波に対して隙間無く結合されるので、シールドカバー3下に収容される電装品およびそのワイヤハーネス31を完全にシールドできるようになる。さらに、本実施形態ではグロメット金具32が2分割構造なので、当該グロメット金具32をワイヤハーネス31へ簡単に装着できるようになる。
図6は、本発明の第2実施形態に係るハーネス出口構造の組み立て図であり、前記と同一の符号は同一又は同等部分を表している。
本実施形態は、グロメット金具32が2分割構造ではなく一体型である点で上記した第1実施形態と異なっている。本実施形態によれば、グロメット金具32をワイヤハーネスの端部からでなければ挿貫することができないが、部品点数の削減が可能になる。
1…エンジン,2…エンジン本体,3…シールドカバー,30…ハーネス出口,31…ワイヤハーネス,32…グロメット金具,32a…グロメット金具の胴体部,32b,32c…グロメット金具のフランジ部,32d…グロメット金具の溝,33…ハーネスオーバオール,34…結合リング
Claims (4)
- エンジンの上部に配置されてシールドカバーで覆われた電装品のワイヤハーネスを前記シールドカバー縁部のハーネス出口で電磁波に対してシールドするハーネス出口構造において、
前記ハーネス出口において、エンジンとシールドカバー縁部とによって挟持されるグロメット金具と、
前記グロメット金具の内側に挿通されるワイヤハーネスと、
前記ワイヤハーネスの前記シールドカバーから露出した部分をシールドするハーネス外装体と、
前記ハーネス外装体の一体を前記グロメット金具に対して締結させる締結部材とを含むことを特徴とするハーネス出口構造。 - 前記グロメット金具は、
前記ワイヤハーネスが挿通される筒状の胴体部と、
前記胴体部の表面に、一方の端部から離間した位置で円周方向に沿って立設された第1フランジ部と、
前記第1フランジ部から他方の端部側に離間した位置で円周方向に沿って立設された第2フランジ部とを含み、
前記ハーネス外装体が前記グロメット金具の胴体部の一方の端部に、その先端が前記第1フランジに突き当たるまで外装され、
前記ハーネス外装体の先端が、前記締結部材により前記グロメット金具の胴体部の一方の端部に締結されることを特徴とする請求項1に記載のハーネス出口構造。 - 前記エンジンおよびシールドカバー縁部が、前記グロメット金具の第1および第2フランジの間隙部を挟持することを特徴とする請求項2に記載のハーネス出口構造。
- 前記シールドカバー縁部が、導電性のガスケットを介して前記グロメット金具を挟持することを特徴とする請求項3に記載のハーネス出口構造。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005106029A JP2006288107A (ja) | 2005-04-01 | 2005-04-01 | エンジンのハーネス出口構造 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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