JP2003134074A - 伝送装置,sonet/sdh伝送装置および伝送システム - Google Patents

伝送装置,sonet/sdh伝送装置および伝送システム

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JP2003134074A JP2001326790A JP2001326790A JP2003134074A JP 2003134074 A JP2003134074 A JP 2003134074A JP 2001326790 A JP2001326790 A JP 2001326790A JP 2001326790 A JP2001326790 A JP 2001326790A JP 2003134074 A JP2003134074 A JP 2003134074A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速LAN光IFを有するSONET/SD
H網とIP網とが接続された伝送システムにおいて、伝
送路障害又は装置故障などの発生に対処でき障害発生時
には伝送を迅速に救済し且つ所望の伝送帯域を確保して
信頼性の高い伝送サービスをユーザに対して提供可能な
SONET/SDH伝送装置を提供する。 【解決手段】 SONET/SDH伝送装置1が、2本
の伝送路39b,39cからなる冗長伝送線路と、伝送
切替制御情報を表すKバイトデータを生成し生成した信
号をパケット化してパケットを出力するKパケット処理
部5と、Kパケット処理部5から出力されたパケットを
伝送路39b,39cを介して対向する対向伝送装置に
対して送信する送信部2,3,5,7と、対向伝送装置
からのパケット化されたKバイトデータの受信状況に応
じて情報データを含む伝送信号が伝送する伝送路を選択
的に切り替え可能な冗長切替部4aとをそなえて構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、IP(In
ternet Protocol)網とSONET/SDH(Synchrono
us Optical Network/Synchronous Digital Hierarchy:
同期光通信網/同期ディジタルハイアラーキ)網とのイ
ンターフェースに関し、特に、1ギガビットおよび10
ギガビットイーサーネットに対応するラインプロテクシ
ョンに用いて好適な、伝送装置,SONET/SDH伝
送装置および伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、LAN(Local Area Network)イ
ンターフェースの高速化の要求に伴い、1GbE(1ギ
ガビットイーサーネット[Ethernet:商品名])の規格
が普及し、10GbE(10ギガビットイーサーネッ
ト)と称される高速LAN光インターフェースが次世代
のLAN規格として検討されている。
【0003】IP網において、音声をIPパケット(I
Pデータグラム)で伝送するVoiceオーバーIP
(Voice over IP[Voice Over Internet Protocol]:
以下、VoIPと表記する。)も行なわれている。この
VoIPを用いたIPルータ(転送装置)は、電話など
の音声情報を中継するものであって、その利用は増加の
一途を辿っている。
【0004】また、光信号を用いて、WDM(Waveleng
th Division Multiplexing:波長分割多重)に基づいて
高速・大容量データを伝送可能なコア網(基幹網)が積
極的に導入されつつある。このコア網は、LAN(Loca
l Area Network)から見ると、大規模なWAN(Wide A
rea Network)に相当し、WANとしての技術が用いら
れている。そして、コア網に用いられる基本技術は、S
ONET/SDHである。
【0005】このSONET/SDHとは、光伝送方式
におけるアーキテクチャーの1種類である。ここで、S
ONET/SDHは多数のSONET/SDH装置が光
ファイバーケーブル(以下、光ファイバーと称する。)
で接続され、同期した網を意味する。これに伴い、LA
Nから直接、SONET/SDH網に接続し、網全体の
スループットを向上させる技術が開始されており、今
後、LANとSONET/SDH網との接続が増加して
いくと考えられる。
【0006】SONET/SDH網は、回線の信頼性を
要求されている。Bercore(GR−253)およ
びITU−T(International Telecommunication Unio
n-Telecommunication)は、回線保護方式として、AP
S(Automatic Protection Switching:自動保護スイッ
チ)およびMSP(Multiplex Section Protection:多
重化セクションプロテクション)を勧告している。
【0007】これらのAPSおよびMSPは、主に、網
に設けられた対向する伝送装置間において多重されたパ
スの回線保護について規定したものである。そして、回
線保護のために、現用回線と予備回線との2以上の回線
が設けられている。この現用回線はワーキングライン
(Working Line)と称され、予備回線はプロテクション
ライン(Protection Line)とも称される。以下の説明
において、WKは現用回線、現用回線側の意味で使用
し、また、PTは予備回線、予備回線側又は待機系の意
味で使用する。この切り替え構成は、主に、1+1構成
と、1:N構成とがある(Nは2以上の自然数を表
す。)。
【0008】図7(a)は1+1構成を説明するための
図であり、図7(b)は1:4構成を説明するための図
である。この図7(a)に示す伝送装置400,500
間は、WK,PTで接続され、障害が発生すると、PT
が現用として動作する。また、図7(b)に示す伝送装
置400,500間は、4本のWKと1本のPTが接続
されており、4本のうちの1本に異常が発生すると、1
本のPTが現用として機能するのである。
【0009】図31は冗長構成を有する伝送システムの
一例を示す図である。この図31に示す伝送システム2
00は、加入者網201と、SONET/SDH網(同
期光通信網)102と、IPルータ(VoIPルータ)
231と、IP網(例えばインターネット)204と、
LAN205とをそなえて構成されている。ここで、加
入者網201は、電話網,ISDN(Integrated Servi
ces Digital Network),ADSL(Asymmetric Digita
l Subscriber Line)網および高速ディジタル回線又は
これらの加入者端末を有する網である。
【0010】さらに、SONET/SDH網102は、
SONET/SDH方式を適用したコア網であり、IP
ルータ231と接続された光伝送装置300を有する。
また、SONET/SDH網102は、障害発生時の救
済機能として、多種類のラインプロテクション機能をそ
なえている。このラインプロテクション機能を有する方
式の例は、UPSR(Uni-directional Path-Switched R
ing),BLSR(Bi-directional Line-Switched Ring)
などである。これらの方式を用いることにより、障害が
発生しても、50ms(ミリ秒)以内でライン切り替え
が完了できるようになっている。
【0011】そして、IPルータ231は、IPパケッ
トをSONET/SDH網102に伝送するとともに、
IP網204側に伝送するものであって、1ギガビット
および10ギガビットイーサーネットカードが設けられ
た(搭載された)SONET/SDH装置300とIP
ルータ231とをインターフェースする接続用のイーサ
ーネットインターフェースカード(イーサーネットIF
[Interface]カード)を有する。なお、「1ギガビッ
トおよび10ギガビット」と「1ギガビット又は10ギ
ガビット」とを併せて、1ギガビット/10ギガビット
と表示することがある。
【0012】このイーサーネットの規格はIEEE(In
stitute of Electrical and Electronics Engineers)
802.3に規定されている。さらに、LAN205
は、私設網であって、例えば企業,学校などに設けられ
たものであり、IP網204は、IPプロトコルを適用
した網である。これにより、伝送システム200は、S
ONET/SDH網102を中心として構成される。こ
の伝送システム200において、IPルータ231と基
幹系のSONET/SDH網102を接続する部分につ
いては、音声データなどの重要なIPパケットが流れて
おり、パケットロス又は遅延が許されない。従って、冗
長構成が要求されている。
【0013】次に、従来のSONET/SDH網10
2,IP網204および冗長構成について、提案されて
いるものを説明する。 (X−1)SRP(Special Reuse Protocol)を用いた
構成について 図32はリング型の網の構成例を示す図であって、SR
Pがリング型の網210に適用されるようになってい
る。この図32に示すリング型の網210は、例えばS
RP装置211a,211b,211c,211dがリ
ング型に接続されている。これらのSRP装置211a
〜211dの間は、それぞれ、左周りのリング(インナ
ーリング)と右周りのリング(アウターリング)との2
本のリングを有する。
【0014】また、リング型の網210のインナーリン
グには、レイヤ2を用いて、制御用のパケット(SRP
制御パケット)が伝送しており、アウターリングにはデ
ータ用のパケット(データパケット)が伝送している。
なお、レイヤ2は、MACレイヤという意味で使用す
る。図33はSRPパケットのフォーマットを示す図で
ある。この図33に示すSRPパケットは、生存時間
(TTL[Time To Alive]),RI(SRP Ring Identi
fiers),モード(Mode),プライオリティ(Packet Pr
iority),パリティチェック(Parity Check)の各領域
を有し、先頭にMAC(Media Access Control:媒体ア
クセス制御)ヘッダが付されている。ここで、RIはS
RPリング識別子であり、モードは制御用パケット/デ
ータ用パケットなどの識別子であり、プライオリティは
パケットのプライオリティ0〜7を表し、パリティチェ
ックは奇数パリティを表す。
【0015】図34は障害発生時のSRPリングにおけ
る伝送を説明するための図である。この障害の例は、光
ファイバーの切断による伝送路障害又はインターフェー
スカードなどの故障による伝送装置,中継装置などの障
害あるいはビット誤り率の増大などを意味する。この図
34に示すSRP装置211a,211b間において障
害発生により回線断(リンク切断,回線断,通信断又は
疎通断)になると、SRP装置211a,211bは、
いずれも、この回線断を検出した光信号を折り返し、イ
ンナーリングおよびアウターリングを用いて伝送が可能
となる。
【0016】(X−2)IP網冗長構成(VRRP[Vi
rtual Router Redundancy Protocol])について VRRPとは、IETF(Internet Engineering Task F
orce:インターネット関連のプロトコル標準化団体)に
て標準化されているプロトコルであり、複数のルータか
ら構成される仮想ルータを有する伝送システムに適用さ
れる。このVRRPが規定するプロトコルは、実動ルー
タに障害が発生したときに、その障害を検出し、すばや
く冗長ルータに切り替えるためのものである。図31に
示すLAN205に属するルータに適用されるプロトコ
ルの一例を図35,図36を用いて説明する。
【0017】図35は通常時のVRRPを説明するため
の図であって、WAN205bと、ルータ221a,2
21bを有する仮想ルータ領域221と、LAN205
aとをそなえて構成されている。ここで、ルータ221
a,221bは、それぞれ、IPアドレスA,Bを有す
る2個のインターフェースカード(図示省略)を有し、
仮想ルータ221も自身のIPアドレスとしてルータ2
21aのIPアドレスAを用いている。そして、通常時
は、ルータ221aが実動ルータとして動作する。
【0018】図36は障害発生時のVRRPを説明する
ための図である。この図36に示すルータ221aに障
害が発生すると、VRRPパケットが伝送できなくな
る。このため、自動的にルータ221bに切り替えられ
て通信が継続される。このとき、ルータ221bはルー
タ221a自身IPアドレスAを引き継いで、自分自身
のIPアドレスとし、実動ルータとして動作する。
【0019】(X−3)SONET/SDH方式の冗長
構成について 次に、ラインプロテクション機能について説明する。こ
のラインプロテクション機能とは、伝送路障害,装置故
障又はビット誤り率の増大により発生した障害を救済し
回線を保護する機能を意味する。そして、SONET/
SDHにおいては、切り替えにより救済機能を発揮する
APSおよびMSPが用いられる。この救済機能の一例
として、リニアの1+1構成(図7(a),(b)参
照)のAPSとその機能とについて図37を用いて説明
する。
【0020】図37はSONET/SDH方式を用いた
1+1APS構成を説明するための図である。この図3
7に示すSONET/SDH装置(SONET/SDH
伝送装置)230a,230bは、それぞれ、SONE
T/SDH網102に適用した装置であって、相互に光
ファイバーにより対向接続されている。また、SONE
T/SDH装置230aは、SONET/SDHフレー
ムを処理する一対のインターフェースユニット250
a,250bを設けており、SONET/SDH装置2
30bも、インターフェースユニット250c,250
dを設けている。そして、インターフェースユニット2
50a,250cがWKとして、また、インターフェー
スユニット250b,250dがPTとしてそれぞれ機
能し、全2重の光信号の送受信が2系統で可能になって
いる。
【0021】このような構成により、正常時には、WK
としてインターフェースユニット250a,250cが
選択されるとともに、PTとしてインターフェースユニ
ット250b,250dが選択される。SONET/S
DH装置230aが送信する信号は、分配部250eに
て分岐され、インターフェースユニット250a,25
0bにパラレル接続(Continuous Bridge)された光フ
ァイバーを、同一の信号が伝送される。そして、SON
ET/SDH装置230bのインターフェースユニット
250c,250dにて受信された信号は、選択部25
0fにて、WK/PTの両方のインターフェースユニッ
ト250a,250bからの受信信号の一方が選択さ
れ、受信側の信号として出力される。
【0022】一方、WKに障害が発生した場合は、伝送
路は、WKからPTに高速に切り替えられ、通信回線が
維持される。なお、WKの障害が復旧した場合には、再
度、伝送路がWKに戻るように(Revertive Mode)設定
でき、また、伝送装置が伝送路を再度WKに戻らないよ
うに(Non Revertive Mode)設定することもできる。こ
の切り替えは、Kバイト(Kバイトデータ)を用いて行
なわれる。このKバイトは、切替制御情報を表すデータ
であって、SONET/SDHフレームのオーバーヘッ
ド(OHB:Over Head Byte)にて定義されている多重
セクション切り替えに用いられるものである。そして、
APS機能又はMSP機能は、このKバイトを用いるこ
とにより発揮される。
【0023】なお、OHBは、SONET/SDHフレ
ームの送信周期(125μs[マイクロ秒])で送受信さ
れ、障害発生時にはKバイトの切り替えコマンドから切
り替え完了まで50ms以内の短い時間で高速に復旧完
了する。Kバイトの規格は、LOH(Line Overhead)
に含まる2バイト(K1バイトおよびK2バイト)デー
タとして定義されており、SONETにおけるKバイト
はGR−253に規定され、また、SDHにおけるKバ
イトはITU−TのG.783に規定されている。
【0024】図38(a)はK1バイトのフォーマット
例を示す図である。このK1バイトとは、b1〜b8間
における8ビットを意味し、前半の4ビットb1〜b4
は要求メッセージの種類を表し、また、後半の4ビット
b5〜b8はその要求メッセージを送信したチャネル番
号を表す。図38(b)はK2バイトのフォーマット例
を示す図である。K2バイトのb1−b4はK1バイト
と同一のコードが用いられ、ブリッジ動作(ブリッジア
クション)をしたチャンネル番号を示す。K2バイトの
b5は1+1構成/1:N構成の冗長構成を識別するも
のであり、K2バイトのb6−b8は、AIS−L(1
11)などを表示する。
【0025】なお、K1バイトおよびK2バイトを用い
たライン切り替え手順はSONET/SDH方式に規定
され、異なるベンダー間における相互接続を可能にして
いる。また、様々な冗長構成(1+1構成/1:N構
成,両方向/単一方向,可逆/非可逆)によってKバイ
トのコード定義が異なる。従来のLANとSONET/
SDH網102とを相互接続する方法は、POS(Pack
et Over SONET)技術により実現されるようになってい
る。
【0026】(X−4)SONET上のIP転送(IP O
ver SONET)装置における冗長構成 図39はSONET/SDH装置(POS機能付き)を
説明するための図である。この図39に示すルータ23
1は、SONETインターフェースを内蔵するルータで
あって、インターフェースユニット231a〜231d
を有する。ここで、インターフェースユニット231a
〜231dは、それぞれ、IP網204とSONET/
SDH網102との間におけるインターフェースであ
る。例えば、インターフェースユニット231a,23
1bは、それぞれ、1ギガビットイーサーネットと10
ギガビットイーサーネットとの両方の速度に対応できる
ものである。また、インターフェースユニット231
c,231dは、それぞれ、SONET/SDH網10
2と接続され、OC−192c(Optical Carrier192)
とOC−768c(Optical Carrier768)との両方の規
格に対応できるものである。この技術にPOSを用い、
LAN側を伝送するIPパケットがSONET/SDH
フレームにマッピングするのである。なお、10ギガビ
ットイーサーネットは、IEEE802.3ae Ta
skForceにて標準化がすすめられている。
【0027】この10ギガビットイーサーネットが、1
00メガビットイーサーネット/1ギガビットイーサー
ネットと異なる点は、主に、次の(Y−1)〜(Y−
3)に示す点である。 (Y−1)10ギガビットイーサーネットは、CSMA
/CD方式(CarrierSense Multiple Access with Coll
ision Detection:搬送波感知多重アクセス/衝突検出
方式)を使用せず、全二重(フルデュープレックス)の
みをサポートする。
【0028】(Y−2)10ギガビットイーサーネット
インターフェースは伝送媒体は全て光ファイバーであ
る。 (Y−3)10ギガビットイーサーネットインターフェ
ースは伝送媒体はWAN−PHYが規定されている。こ
のWAN−PHYの規定は、SONET・OC−192
c/SDH VC−4−64と互換性があることを前提
にして標準化が図られている。
【0029】図40(a)〜図40(d)はそれぞれリ
ンクステータス信号のフォーマット例を説明するための
図である。ここで、図40(a)に示すものはリンクス
テータスの要素であり、図40(b)に示すものはプロ
トコルである。これらはいずれも、100メガビット/
1ギガビットイーサーネットに適用されるものである。
また、図40(c),図40(d)に示すものはいずれ
も10ギガビットイーサーネットに適用されるものとし
て相対している。すなわち、10ギガビットイーサーネ
ットのWAN−PHYについては、情報バイト(Inform
ation Byte)に、SONET/SDHフレームのオーバ
ーヘッドの一部を挿入されるものとして検討されてい
る。そして、これらのフォーマットを用いて、送信側が
所定の時間間隔を置いて送信するようになっている。例
えば送信側が、連続して到来する2個のIPパケットの
間に、パケットギャップ(Inter Packet Gap)を挿入す
るのである。
【0030】図39においてLANにより構築されるI
P網204における冗長構成は、VRRPによる複数台
のルータ間においての故障監視と、OSPFと、BGP
と、RIPなどとのルーティングプロトコルを用いて経
路変更情報による冗長化が可能である。このため、イン
ターフェースユニット231aは、ルーティングテーブ
ルを設ける必要がある。このルーティングテーブルは、
IPパケットをルーティングしIPアドレスを管理する
ためのものである。
【0031】そして、インターフェースユニット231
aが障害発生時に要する処理時間は、プロトコルが収束
して復旧するまでに、数秒から数分程度の時間を要す
る。すなわち、SONET/SDH網102から送信さ
れたフレームデータが、IPパケットとしてIP網20
4に送信されるためには、IPアドレスの管理テーブル
が必要となる。
【0032】さらに、光ファイバーなどが物理的に切断
されると、伝送路が復旧されるまでに、数秒から数分の
時間を要する。また、基幹系に近いIPルータとの間に
おいて、障害が発生すると、回線断の影響は大きい。次
に、IPルータを有する既存の網について、IPルータ
間の伝送路が1本のときと、2本以上のときとについ
て、図41〜図44を用いて説明する。
【0033】(Z−1)ルータ間の伝送路が1本の場合 図41は伝送路が1本のときのルータの正常動作を説明
するための図である。この図41に示すIP網204
は、IPルータA,B,Cと、これらのIPルータA〜
Cのそれぞれに接続されたLAN:A,LAN:B,L
AN:Cと、伝送路241a,241b,241cとを
そなえて構成されている。
【0034】ここで、LAN:A〜LAN:Cは、それ
ぞれ、例えば企業の私設網であって、図示を省略する
が、網端末(以下、端末と略称する。)をそれぞれ有す
る。また、IPルータA〜Cは、それぞれ、目的地(宛
先)IPアドレスとポート(物理ポート)名とが対応付
けて保持されたルーティングテーブルを有し、その保持
データに基づいて、ルートを決定し、IPパケット24
3を送信するようになっている。
【0035】また、伝送路241a〜241cは、いず
れも、100メガビット/1ギガビットの速度のIPパ
ケットを全二重により伝送可能なものである。従って、
このIP網204の帯域は、100M/1G×2であ
る。図42(a)〜図42(c)はそれぞれ伝送路が1
本のときの正常動作時におけるルーティングテーブルの
一例を示す図であって、左欄は目的地を示し、右欄はI
Pルータを示している。これらのルーティングテーブル
242a〜242cは、いずれも、ダイナミックルーテ
ィングプロトコル(Interia Protocol:RIP2,OSPF / Ex
teria Protocol:BGP, EGPなど)に基づいて生成されて
いる。そして、IPパケットは、この決定ルートを通っ
て目的地に到達するようになっている。
【0036】このような構成によって、図41に示すL
AN:C内の端末が、LAN:Bに宛ててIPパケット
243を送信する。このIPパケット243は、目的地
(DA:Destination Address)と送信元(SA:Sourc
e Address)とが書き込まれ、LAN:Cのネットワー
クドメイン内のIPルータCに対して、送信される。ま
た、IPルータBは、ルーティングテーブルに基づい
て、IPパケット243をLAN:Bに転送する。
【0037】図43は伝送路が1本のときのルータに障
害発生時の動作を説明するための図である。この図43
に示す伝送路241bにて、光ファイバーの切断などが
発生した場合、ルーティングテーブル242bおよび2
42cが更新され、IPパケットの転送ルートが変更さ
れる。図42(d)〜図42(f)はそれぞれ伝送路障
害発生時のルーティングテーブルの一例を示す図であ
る。この図42(d)に示すルーティングテーブルの内
容は変更されないが、図42(e),(f)に示すIP
ルータB,CのIPアドレスは変更されている(矢印を
付したところ参照)。
【0038】このような構成によって、LAN:C内の
端末がLAN:A宛てのIPパケット243を送信する
と、このIPパケット243は、LAN:Cのネットワ
ークドメイン内のIPルータCに対して送信され、IP
ルータCにて、ルーティングテーブル242cに基づい
て、IPルータAに転送される。そして、IPルータA
にて、IPパケット243は、ルーティングテーブル2
42aに基づいてIPルータBに転送され、IPルータ
Bにて、このIPパケット243はルーティングテーブ
ル242bに基づいて、LAN:Bに転送される。
【0039】次に、図44を用いてルータ間の伝送路が
2本以上(マルチリンク)の場合について説明する。図
44は伝送路が3本のときのルータの動作を説明するた
めの図である。この図44に示す伝送路244a,24
4b,244cは、いずれも、100メガビット/1ギ
ガビットの全二重通信を可能とするものであって、IP
ルータA〜Cの間を接続している。従って、伝送路24
4a〜244cが提供しうる最大の帯域は100メガビ
ット/1ギガビット×2(全二重)×3(伝送路数)で
ある。
【0040】このような構成によって、正常動作時は、
IPパケット245はIPルータA〜Cが有するルーテ
ィングテーブルに基づいて決定されたルートを通り、目
的地に到達する。また、障害発生時における基本的な動
作は、伝送路が1本で各IPルータA〜Cが接続された
場合のときと同一である。この場合、各伝送路244a
〜244cが例えば3本のときに、1本に障害が発生し
た場合は、その減少した1本の帯域に相当する帯域が減
少する。そして、ルータA〜C間の3本の伝送路244
a,244b,244cがのうちのいずれかが切断され
た場合にのみ、ルーティングテーブルが更新される。
【0041】
【発明が解決しようとする課題】網において障害(回線
障害および網内の伝送装置の故障)が発生した場合、I
P網204においてはルーティングテーブルを更新する
などルーティングのための時間を必要とする。一方、S
ONET/SDH網102は障害が発生したときに高速
で冗長系に経路を切り替え可能である。
【0042】SRPは、LANシステムに適用されるも
のであって、リング型の網のみをサポートしており、イ
ーサーネットで主に用いられるスター型の網には適用で
きず、このため汎用性に欠ける。また、VRRPは、L
ANとともに動作する装置のみをサポートしており、他
の伝送システムに応用できない。また、障害発生から実
動ルータが切り替わるまで、数秒の時間を要し、これは
SONET/SDH方式の切り替えに要する約50ms
に比較して大きい。
【0043】一方、既存の網構成を変更して、障害発生
時に救済する機能を付与することは、業務の中断,経費
の増大などにより、現実的には実行されない。従って、
網の構成形態によらないで、あるいは、網の構成形態を
変更しないで、障害を救済できる手法が要求されてい
る。加えて、IPルータによるルーティングプロトコル
は、ルータ間におけるプロトコルレベルによりルートを
変更しているため、回線復旧までに要する時間が大きく
(分単位又は秒単位)、また、網全体のルート情報(ル
ーティングテーブル)を書き替える処理が必要なので、
やはり、完全復旧するまでには時間を要するという課題
がある。
【0044】さらに、IPパケット伝送に当たり、伝送
路の数が増加する場合は、障害発生時に、伝送帯域が減
少する。このため、各ルータにおいて伝送できないと判
定されたIPパケットは、そのルータにて破棄される。
従って、トラフィックが混雑しているときは、高い信頼
性が必要な伝送サービスをユーザに対して提供できない
という課題がある。
【0045】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、高速LAN光インターフェース(1ギガビッ
ト/10ギガビットイーサーネットインターフェース)
を有するSONET/SDH網とIP網とが接続された
伝送システムにおいて、伝送路の冗長構成を1ギガビッ
ト/10ギガビットイーサーネットで実現することによ
り、伝送路障害又は装置故障などの発生に対処でき、障
害発生時には伝送を迅速に救済し、且つ所望の伝送帯域
を確保して信頼性の高い伝送サービスをユーザに対して
提供可能な伝送装置,SONET/SDH伝送装置およ
び伝送システムを提供することを第1の目的とする。
【0046】また、本発明は、IP網のように元来高速
切り替えできない網が、高速切り替えと高速障害復旧と
を可能にすることを第2の目的とする。
【0047】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の伝送
装置は、パケット化された伝送信号を送受信する伝送シ
ステムを構成する各伝送装置において、複数の伝送路か
らなる冗長伝送線路と、伝送路についての伝送切替制御
情報を表す特定バイトデータを生成し、生成した信号を
パケット化してパケットを出力する生成部と、生成部か
ら出力されたパケットを、伝送路を介して対向して設け
られた対向伝送装置に対して送信する送信部と、対向伝
送装置からのパケット化された特定バイトデータの受信
状況に応じて、情報データを含む伝送信号が伝送する伝
送路を選択的に切り替え可能な冗長切替部とをそなえて
構成されたことを特徴としている(請求項1)。
【0048】また、本発明のSONET/SDH伝送装
置は、SONET/SDH網における伝送切替制御情報
の送受信機能を有するとともにIP網に接続されパケッ
トデータを送受信する伝送システムを構成する各SON
ET/SDH伝送装置において、IP網に接続され複数
の伝送路からなる冗長伝送線路と、冗長伝送線路につい
ての伝送切替制御情報を表す特定バイトデータを生成
し、生成した信号をパケット化してパケットを出力する
生成部と、生成部から出力されたパケットを、伝送路を
介して対向して設けられた対向伝送装置に対して送信す
る送信部と、対向伝送装置からのパケット化された特定
バイトデータの受信状況に応じて、情報データを含む伝
送信号が伝送する伝送路を選択的に切り替え可能な冗長
切替部とをそなえて構成されたことを特徴としている
(請求項2)。
【0049】さらに、上記SONET/SDH網におけ
る障害情報に基づいて、伝送切替制御情報を生成し、生
成した信号をパケット化し、IP網側へ伝送する手段を
有することもできる(請求項3)。そして、本発明のS
ONET/SDH伝送装置は、IP網に設けられIPパ
ケットのルーティング機能とパケットデータの送受信機
能とを有し、且つ、SONET/SDH装置を介してS
ONET/SDH網に接続された、伝送装置において、
パケットデータが伝送する複数の伝送路からなる冗長伝
送線路と、SONET/SDH伝送装置とのそれぞれに
接続されたインターフェース部を有し、インターフェー
ス部が、伝送路についての伝送切替制御情報を表す特定
バイトデータを生成し、生成した伝送信号をパケット化
してパケットを出力する生成部と、生成部から出力され
たデータであって、伝送すべき情報データを含む第1パ
ケットデータと、生成された場合におけるパケット化さ
れた第1特定バイトデータとを、伝送路を介して対向し
て設けられたSONET/SDH伝送装置に対して送信
する送信部と、SONET/SDH伝送装置からのパケ
ット化された第2特定バイトデータの受信状況に応じ
て、情報データを含む第2パケットデータを伝送する伝
送路を選択的に切り替え可能な冗長切替部とをそなえて
構成されたことを特徴としている(請求項4)。
【0050】加えて、本発明の伝送システムは、パケッ
ト化された伝送信号を送受信可能な伝送装置を有する伝
送システムにおいて、伝送信号と、伝送信号に含まれる
情報データと同一データを含む冗長伝送信号とが伝送す
る複数の伝送路をそなえ、各伝送装置が、伝送路につい
ての伝送切替制御情報を表す特定バイトデータを生成
し、生成した信号をパケット化してパケットを出力する
生成部と、生成部から出力されたパケットを、伝送路を
介して対向して設けられた対向伝送装置に対して送信す
る送信部と、対向伝送装置からのパケット化された特定
バイトデータの受信状況に応じて、情報データを含む伝
送信号が伝送する伝送路を選択的に切り替え可能な冗長
切替部とをそなえて構成されたことを特徴としている
(請求項5)。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 (A)本発明の第1実施形態の説明 図1は本発明の第1実施形態に係る伝送システムの構成
図である。この図1に示す伝送システム100は、パケ
ット化された伝送信号を送受信する伝送システムであっ
て、IPルータ20と、SONET/SDH伝送装置
(1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットイ
ンターフェース搭載)1と、伝送路(パケット伝送路)
39a〜39cと、光伝送路39d,39eと、IP網
(インターネット網)204と、LAN205aと、加
入者網201と、SONET/SDH網102とをそな
えて構成されている。
【0052】本伝送システム100は、主にSONET
/SDH伝送装置1とIPルータ20との間の通信方式
およびそれを用いた伝送装置に関するものである。ここ
で、IPルータ20およびSONET/SDH伝送装置
1は、ともに、伝送装置として機能している。なお、S
ONET/SDH伝送装置1は、1ギガビットイーサー
ネットインターフェースと10ギガビットイーサーネッ
トインターフェースとのうちの片方を設けた態様でも実
施可能である。
【0053】そして、本SONET/SDH伝送装置1
は、SONET/SDH網102における伝送切替制御
情報の送受信機能を有するとともにIP網204に接続
されパケットデータを送受信する伝送システム100を
構成する伝送装置であって、SONET/SDHフレー
ムを送受信するSONET/SDHインターフェースカ
ード(ラインカードとも称する。以下、SONET/S
DHカードと称する。)と、IPパケット(IPデータ
グラム)を送受信する1ギガビットおよび10ギガビッ
トイーサーネットインターフェースカード(以下、1ギ
ガビットおよび10ギガビットイーサーネットカードと
も称する。)とを搭載している。このSONET/SD
Hカードには、SONET/SDH網102が接続さ
れ、1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネット
カードには、IPルータ20が接続されている。
【0054】このIPルータ20は、IP網204に設
けられIPパケットのルーティング機能とパケットデー
タの送受信機能とを有し、且つ、SONET/SDH伝
送装置1を介してSONET/SDH網102に接続さ
れた伝送装置である。また、IPルータ20は、IP網
204とLAN205aとSONET/SDH伝送装置
(1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットイ
ンターフェース搭載)1とのそれぞれと、1ギガビット
および10ギガビットイーサーネットにより接続されて
いる。
【0055】SONET/SDH伝送装置(1ギガビッ
トおよび10ギガビットイーサーネットインターフェー
ス搭載)1とIPルータ20との間の接続は、SONE
T方式が用いるAPS(自動保護スイッチング)機能又
はSDH方式が用いるMSP機能を応用し、予め、2本
又はそれ以上の伝送路を用いている。接続は、図7
(a),(b)にそれぞれ示すように、1+1構成又は
1:N(Nは2以上の自然数を表す。)構成で接続され
ている。そして、2本又はそれ以上の伝送路のラインプ
ロテクション(切り替え)は、IPパケットからなるK
パケットを用いて行なわれる。このKパケットの詳細に
ついては後述する。
【0056】以下、この伝送路のラインプロテクション
方式と伝送装置とについて順に説明する。 (1)IPルータ20とSONET/SDH伝送装置1
との間のラインプロテクション 図3は本発明の第1実施形態に係るSONET/SDH
伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビットイーサー
ネットインターフェース搭載)1とIPルータ20との
間のラインプロテクションの構成を説明するための図で
ある。この図3に示すIPルータ20とSONET/S
DH伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビットイー
サーネットインターフェース搭載:SONET/SDH
装置と表示されたもの。)1とが、1ギガビットおよび
10ギガビットイーサーネットで接続されており、伝送
路39bがポート(物理ポート)23,13を介して接
続され、伝送路39cがポート22,12を介して接続
されている。
【0057】また、図3に示す符号20b,20c,2
0a,1bおよび1cを付したものは、いずれも、1ギ
ガビットおよび10ギガビットイーサーネットカード
(インターフェース部)であり、符号1aを付したもの
はSONET/SDHカードである。さらに、IPルー
タ20の1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネ
ットカード20aは、IP網204に接続されており、
SONET/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10
ギガビットイーサーネットインターフェース搭載)1の
SONET/SDHカード1aは、SONET/SDH
網102に接続されている。
【0058】ここで、IPルータ20とSONET/S
DH伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビットイー
サーネットインターフェース搭載)1との間の1ギガビ
ットおよび10ギガビットイーサネットの接続は、伝送
路39b,39cにより冗長構成されている。伝送路3
9b(WK)と伝送路39c(PT[待機系])とは、
常に同一情報のIPパケットが両伝送装置(IPルータ
20およびSONET/SDH伝送装置1)から送信さ
れるようになっている。すなわち、2本の伝送路39
b,39cからなる冗長伝送線路として機能している。
【0059】受信側の伝送装置は、伝送路39b,39
cから受信したIPパケットから、品質の良い方のIP
パケットを選択する(本実施形態においては、伝送路3
9bのWKが選択される。)。つまり、受信側の伝送装
置は、WKとPTとの切り替えを行なう自動保護スイッ
チアダプタ機能を有する。このWKとPTとの切り替え
を行なう為に、新たに、Kパケット(特定パケット)と
称する自動保護スイッチ切り替えを制御するIPパケッ
トを設けて、SONET/SDH伝送装置(1ギガビッ
トおよび10ギガビットイーサーネットインターフェー
ス搭載)1とIPルータ20との間で通信が行なわれ
る。
【0060】Kパケットには、SONET/SDH方式
のK1,K2バイト(伝送切替制御情報)がそのまま挿
入される。具体的には、K1,K2バイトがIPパケッ
トにマッピングされて、そのIPパケットが宛先に送信
される。これにより、K1,K2バイトは、IP網20
4においても使用可能にされ、また、種々の制御情報を
設けることにより、付加機能が加えられるようになって
いる。
【0061】従って、1ギガビットおよび10ギガビッ
トイーサーネットにおいてIPパケットによりWKとP
Tとを切り替えるので、ネットワークの冗長性が向上す
ることができる。なお、詳細については、後述する。 (2)伝送システム100の構成 本伝送システム100は、パケット化された伝送信号を
送受信可能なIPルータ20,SONET/SDH伝送
装置1およびその他の伝送装置を有する伝送システムで
あり、伝送信号と、この伝送信号に含まれる情報データ
と同一データを含む冗長伝送信号とが伝送する例えば2
本の伝送路39b,39cをそなえている。そして、I
Pルータ20,SONET/SDH伝送装置1およびそ
の他の伝送装置のそれぞれが、生成部と、送信部と、冗
長切替部とを有する。以下、これらのものについて詳述
する。
【0062】(2−1)SONET/SDH伝送装置1 SONET/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10
ギガビットイーサーネットインターフェース搭載)1の
機能について、さらに、図3を用いて概略的に説明す
る。図3に示すSONET/SDH伝送装置(1ギガビ
ットおよび10ギガビットイーサーネットインターフェ
ース搭載)1は、SONET/SDHカード1aと、1
ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットカード
1b,1cとを有する。符号11a,11bを付したも
のはポートであり、これらのポート11a,11bは、
いずれも、SONET/SDH網102と光ファイバー
(伝送路39b,39c)で接続されるようになってい
る。符号12,13を付したものもポートであり、ポー
ト12,13は、伝送路39b,39cに接続されてい
る。SONET/SDH伝送装置1は、対向伝送装置と
してのIPルータ20と、WKの伝送路39b,PTの
伝送路39cとを介して接続されている。
【0063】SONET/SDHカード1aは、SON
ET/SDH方式をサポートする機能を有し、具体的な
例としてOC−3(STM[Synchronous Transfer Mod
e]−1)、OC−48(STM−16)などのインタ
ーフェースを有する。このSONET/SDHカード1
aがSONET/SDHフレームを送受信し、ペイロー
ド(データ領域)を多重・分離したり、他の対向伝送装
置および1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネ
ットカード1b,1cに伝送する役目を行なう。
【0064】1ギガビットおよび10ギガビットイーサ
ーネットカード1b,1cは、IEEE802.3で規
定している方式をサポートしており、主に1ギガビット
および10ギガビットイーサーネットのインターフェー
スをもつ。これらの1ギガビットおよび10ギガビット
イーサーネットカード1b,1cは、主にIPパケット
を送受信する。また、1ギガビットおよび10ギガビッ
トイーサーネットカード1b,1cは、受信したIPパ
ケットをIPルータ20などの伝送装置又はSONET
/SDHカード1aに転送する機能を有し、また、SO
NET/SDHインターフェースとのデータ信号の送受
信については、POS(PacketOver SON
ET)技術を用いて、インターフェースを行なう機能を
有する。
【0065】また、1ギガビットおよび10ギガビット
イーサーネットカード1b,1cは、カード1cをW
K,カード1bをPTとすることで、伝送線路を冗長構
成とすることができる。また、WKとPTとの伝送路を
切り替えるKパケットにより伝送路の選択を制御するこ
とができる。以上が、SONET/SDH伝送装置(1
ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットインタ
ーフェース搭載)1についての概略的な説明であり、そ
の詳細な構成については後述する。
【0066】次に、IPルータ20の概略について図3
を用いて概略的に説明する。 (2−2)IPルータ20 IPルータ20は、1ギガビットおよび10ギガビット
イーサーネットカード20a,20b,20cを有す
る。符号21,22,23を付したものは、いずれも、
ポートであり、伝送路39aが接続されるポートであ
る。この図3においては、ポート21は、伝送路39a
を介してIP網204に接続されており、ポート22,
23は、対向伝送装置のSONET/SDH(1ギガビ
ットおよび10ギガビットイーサーネットカード搭載)
伝送装置1の1ギガビットおよび10ギガビットイーサ
ーネットカード13,12に伝送路39b,39cを介
して接続され、伝送路39b(WK)と伝送路39c
(PT)とによって冗長構成されている。
【0067】1ギガビットおよび10ギガビットイーサ
ーネットカード20aの機能は、基本的なIPパケット
の送受信機能(受信したIPパケットを他伝送装置に転
送する機能)を有する。1ギガビットおよび10ギガビ
ットイーサーネットカード20b,20cは、上述した
1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットカー
ド20aの機能に加えて、インターフェースカード20
cをWK,インターフェースカード20bをPTとする
ことにより、伝送路を冗長構成とすることができる。
【0068】また、そのWKとPTの伝送路の切り替え
を行なうKパケットにより伝送路の選択を制御すること
ができる。1ギガビットおよび10ギガビットイーサー
ネットカード20aは、対向伝送装置からのパケット化
されたKバイトデータの受信状況に応じて、情報データ
を含む伝送信号が伝送する伝送路39b,39cを選択
的に切り替え可能になっており、冗長切替部として機能
している。従って、WKがダウンした時にPTに切り替
えることにより、伝送路故障および伝送装置故障による
パケットロスを最小にできる。これにより、網の安定運
用が可能となり、また、保守時に、通信断せずに点検可
能になる。
【0069】なお、このIPルータ20の詳細な構成に
ついては後述する。 (2−3)パケット伝送路39a〜39c 次に、パケット伝送路39a〜39c(図3参照)は、
IPルータ20と、IP網204およびLAN205a
とを接続し、1ギガビット以上の速度のIPパケットを
伝送可能な伝送路である。具体的には、図8(a)は1
本の線を表しており、2本の送信(TX)および2本の
受信(RX)の差動信号からなり、ツイストペアケーブ
ルの構成を記述したものである。
【0070】(2−4)光伝送路39d,39e 光伝送路39d,39eは、図8(b)に示すように、
2本の伝送路からなり、それぞれ、個別に送信側(T
X)および受信側(RX)に分離されている。これは、
光ファイバーの構成を記述したものである。パケット伝
送路においては、上記ツイストペアケーブルと光ファイ
バーとが主に用いられている。
【0071】イーサーネットの規格は電気インターフェ
ースと光インターフェースとを有する。ここで、電気イ
ンターフェースは、UTP(Unshield Twist Pare)ケ
ーブルと称されるケーブル(一般的にはLANケーブル
である。)により接続されている。よく知られているよ
うに、LAN機器のインターフェースは、「100BA
SE−TX」,「1000BASE−TX」などと表示
されている。この「100BASE−TX」の「10
0」,「BASE」,「TX」は、それぞれ、帯域,方
式,インターフェースを表す。例えば、帯域10,10
0,1000はそれぞれ、10M(10メガビット),
100M,1G(1ギガビット)を表す。また、方式B
ASE,BROADは、それぞれ、ベースバンド,ブロ
ードバンドを表す。さらに、インターフェースTX,F
Xは、それぞれ、電気(LANケーブルを使用),光
(光ファイバーを使用)を表す。従って、「100BA
SE−TX」は、100メガビットのベースバンド方式
のLANケーブル(差動ツイストペアケーブル)を意味
する。なお、伝送信号とは、電気信号および光信号の双
方を含む。
【0072】また、パケット伝送路39b,39cを介
して対向するIPルータ20とSONET/SDH伝送
装置1とは、ポイント・トゥ・ポイント接続されてい
る。 (2−5)IP網204および加入者網201 次に、IP網204(図1および図3参照)は、インタ
ーネットプロトコルを適用した網であって、多数の私設
網および公衆網が相互に接続されたものである。以下、
特に断らない限り、IP網204は、インターネットお
よびLAN205aを含むものとする。
【0073】また、LAN205aは私設網であって例
えば企業,学校などの建物に設けられたものである。こ
のLAN205aは、IP網204として機能し、パー
ソナルコンピュータ(以下、パソコンと称する。),携
帯情報機器(携帯情報端末)などのほかに、ブリッジ,
ハブおよびルータなどの中継伝送装置を有し、これらの
間において、IPパケットが中継されるようになってい
る。また、ブリッジとは、MACアドレスを識別してI
Pパケットを中継する伝送装置であり、ルータとは、一
つのポートが受信したIPパケットのうちの所望のIP
アドレスを有するものを目的地に応じたポートに出力す
る伝送装置である。
【0074】そして、LAN205aからのIPパケッ
トは、IPルータ20において、他のIP網204に通
じる多数のルートの中から、転送に適したルートが選択
され、その選択されたルートに出力される。また、加入
者網201は、電話網,ISDN,ADSL網および高
速ディジタル回線又はこれらのユーザ端末からなる網で
ある。この定義は種々変更可能である。
【0075】(2−6)SONET/SDH網102 SONET/SDH網102は、SONET/SDH方
式を適用され、この方式に規定された数のタイムスロッ
トが時間多重された多重化信号を伝送するコア網であ
る。SONET/SDH網102においては、例えば図
2に示すように、多数のSONET/SDH伝送装置1
が、光伝送路103を介して相互に接続されている。ま
た、SONET/SDH伝送装置1はイーサーネットイ
ンターフェースカードにより、それぞれ、IPルータ2
0と接続され、これにより、網が形成されている。この
SONET/SDH網102の構成は、後述する第2実
施形態においても同様である。加えて、図1に示す伝送
システム100は、後述する第2実施形態においても特
に断らない限り同一である。
【0076】以上が、伝送システム100の概略的な説
明である。次に、Kパケットについて詳述する。 (3)Kパケット Kパケットは、KバイトとKパケットデータとを含むI
Pパケットである。具体的には、Kパケットは、上述し
たように伝送路の冗長切り替えを行なう為の制御パケッ
トである。このKパケットはUDP/IPが用いられ、
UDPのデータ領域にSONET/SDH方式で用いる
K1,K2バイトを適用し、また、新たに制御情報など
を付加したものである。Kパケットの種類は、Kパケッ
ト(マネージメント)とKパケット(コントロール)と
である。Kパケット(マネージメント)は、Kパケット
の送信制御権を決定する為のマネージメントパケットで
あり、Kパケット(コントロール)は冗長切り替え要求
などを行なうコントロールパケットである。
【0077】また、後述するKパケット生成部5b又は
Kパケット処理部44cは、Kパケットを、UDPを用
いて生成するようになっている。 (3−1)送信制御権 Kパケットの送信制御権とは、SONET/SDH伝送
装置(ギガビットおよび10ギガビットイーサーネット
カード搭載)1とIPルータ20との冗長構成におい
て、これらの伝送装置がKパケット(マネージメント)
およびKパケット(コントロール)を自発的に送信する
ための権利である。
【0078】この送信制御権を有する伝送装置(IPル
ータ20又はSONET/SDH伝送装置1)が、対向
するSONET/SDH伝送装置1又はIPルータ20
に対してKパケット(マネージメント)およびKパケッ
ト(コントロール)を送信するようになっている。この
送信制御権は、両伝送装置の管理ユニットのメモリ(図
示省略)に予め書き込まれた設定値によって決定され
る。なお、設定値は所望の値に変更可能であり、また、
Kパケットのパケットヘッダ(後述するMgmt−Fl
ag領域)に反映され、設定された場合には1、設定さ
れなければ0となる。
【0079】この送信制御権を用いて制御することによ
って、IPルータ20又はSONET/SDH伝送装置
1からのKパケットの制御の競合が回避される。 (3−2)Kパケットのフォーマット Kパケットは、再送制御されないUDP/IP(User D
atagram Protocol:コネクションレス型データ伝送プロ
トコル/インターネットプロトコル)のフォーマットを
有する。UDP/IPが用いられる理由の1つは、UD
P/IPがネットワークレイヤにおいて再送制御をしな
いからである。すなわち、UDP/IPが、高速転送に
向いているのである。
【0080】図9は本発明の第1実施形態に係るKパケ
ットのフォーマット例を示す図である。この図9に示す
フォーマットは、UDPのそれであり、送信元ポート番
号,宛先ポート番号などの領域を有している。Kパケッ
トのポート番号として例えば「65535」を挿入す
る。ここで、UDP/IPのポート番号「49152〜
65535」は、ユーザが自由に使用できる領域であ
る。UDPについては、RFC(Request for Comment
s)768にて定義されている。この図9に示すKパケ
ットのデータ(データ領域)の使用例は、例えば図10
に示すようになる。
【0081】図10は本発明の第1実施形態に係るKパ
ケットヘッダの使用例を示す図である。この図10に示
すKパケットヘッダは、制御データが含まれており、バ
ージョン(VER),S/Rフラグ,マネージメントフ
ラグ(Mgmt−Flag),プライオリティ(Pri
ority),K1バイトおよびK2バイト,Xフラ
グ,MACアドレス(MAC),パディング(PAD)
の各領域を有する。なお、各領域の上部に表示された数
字は各領域のビット数である。
【0082】バージョンは、Kパケットのバージョンを
示し、例えば「01」が挿入されている。S/Rフラグ
は、受信したKパケットの種別が、管理用データである
Kパケット(マネージメント)又は切り替え制御データ
であるKパケット(コントロール)のいずれかを判定す
るためのものである。S/Rフラグは、Kパケット(マ
ネージメント)とKパケット(コントロール)の識別を
行なう機能と、ある伝送装置がKパケット(コントロー
ル)を受けた場合、その対向伝送装置がKパケットを処
理したか否かについて判定するものである。具体的に
は、S/Rフラグが2ビットの「00」,「01」のと
き、Kパケット(コントロール)を示し、「00」のと
き、対向伝送装置はKパケット(コントロール)を処理
していないことを示し、「01」のとき対向伝送装置が
Kパケット(コントロール)を処理したことを示す。
【0083】従って、Kバイトデータを含むKパケット
の送信制御権を決定するための管理用データが、伝送信
号に挿入されてパケット化されるのである。Kパケット
(コントロール)を受信した伝送装置は、このS/Rフ
ラグにより、対向伝送装置がKバイトの処理を行ったか
行なわないかの判定が可能となり、処理手順の短縮に貢
献する。また、S/Rフラグが「11」の場合、Kパケ
ット(マネージメント)であり、対向伝送装置は送信制
御権を決定するための管理用フラグであることを認識す
る。
【0084】マネージメントフラグは、IPルータ20
およびSONET/SDH伝送装置(1ギガビットイー
サーネット/10ギガビットイーサーネットカード搭
載)1の送信制御権を示すものである。マネージメント
フラグが「1」である伝送装置は送信制御権を与えら
れ、Kパケット(マネージメント)およびKパケット
(コントロール)の送信処理をし、また、マネージメン
トフラグが「0」のときはKパケット(マネージメン
ト)の送信処理およびKパケット(コントロール)の自
発的送信を行なわない。送信制御権の設定値は、マネー
ジメントフラグ領域(マネージメント)に反映されるの
である。
【0085】これにより、Kパケットの送信制御権が決
定され、競合が防止される。これらの値,ビット数など
は種々変更可能である。なお、マネージメントフラグが
「0」に設定された伝送装置は、Kパケットを受信した
とみにのみレスポンス処理をするだけであり、自発的送
信をしないだけである。また、IPルータ20とSON
ET/SDH伝送装置1との両方が、マネージメントフ
ラグを設定する場合の設定値は、例えば図11に示すよ
うになる。
【0086】図11は本発明の第1実施形態に係るマネ
ージメントフラグの設定値の一例を示す図である。この
図11に示すマトリックス43は、マネージメントフラ
グの値と伝送装置における処理との関係を示すものであ
る。ここで、マトリックス43の縦欄は、SONET/
SDH伝送装置1に付与されるマネージメントフラグの
値を示し、また、横欄は、IPルータ20に付与される
マネージメントフラグの値を示しており、両伝送装置が
異なる値を付与されている場合には、その付与されてい
る番号に従って、Kパケット(マネージメント)および
Kパケット(コントロール)の送信が制御される。な
お、図11に示す設定値は、後述する第2実施形態にお
いても同様である。
【0087】一方、両伝送装置が、「0」値のマネージ
メントフラグを設定したとき、両伝送装置はいずれもK
パケットを送受信しない。この場合、WK又はPTの選
択は、伝送路39b,39cのリンクステータスに基づ
いて判定される。例えば、WKとして運用されているパ
ケット伝送路39bが疎通し、PTとして運用されてい
るパケット伝送路39cが回線断の場合には、WKとし
て運用されているパケット伝送路39bが引き続きWK
と決定される。
【0088】また、両伝送装置が、いずれも、マネージ
メントフラグを「1」と設定したときには、両伝送装置
はともにKパケット(マネージメント)およびKパケッ
ト(コントロール)を送信するので、IPルータ20と
SONET/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10
ギガビットイーサーネット)1とにおいて、Kパケット
送信の競合制御を防止するために、Kパケット(マネー
ジメント)のプライオリティの値が若い伝送装置が送信
制御権を付与されるようになっている。従って、本伝送
システム100を構成する各伝送装置が、Kバイトデー
タを含むKパケットの送信制御権と、Kパケットを優先
的に送信しうる優先伝送装置の優先順位に関するデータ
とを付与されたことになる。
【0089】これにより、両伝送装置間における競合が
回避される。送信制御権が伝送装置によって判別されな
かった場合に、このプライオリティを用いて送信制御権
が決定されるのである。ここで、図10に示すプライオ
リティ(優先度)は送信制御権を有する伝送装置の順位
を示し、例えば0〜4の値が設定される。例えば0はプ
ライオリティが高いことを表し、また、4はプライオリ
ティが低いことを表す。なお、プライオリティがIPル
ータ20とSONET/SDH伝送装置(1ギガビット
および10ギガビットイーサネットカード搭載)1とに
おいていずれも同一な場合、送信元MACアドレスの若
い伝送装置がKパケットの送信制御権を付与される。
【0090】次に、K1バイトおよびK2バイトは、そ
れぞれ、フラグとして機能し、IPルータ20とSON
ET/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビ
ットイーサーネットカード搭載)1との間のパケット伝
送路39b,39cの選択を要求するとき又は選定する
ときに用いられるものである。ここで、K1バイトは、
要求メッセージの種類,そのプライオリティおよびその
要求メッセージを送信したチャネル番号を表すためのも
のであり、K2バイトはその一部にK1バイトと同一の
コードを使用し、ブリッジ動作をしたチャネル番号又は
1+1構成/1:N構成の冗長構成を識別するためのも
のである。
【0091】次に、Xフラグは、SONET/SDH網
102側の伝送状態を示すフラグであって、SONET
/SDH網102側の光伝送路,伝送装置などの異常発
生を示すものである。このXフラグが「0」のときはS
ONET/SDH網102が正常状態を示し、また、X
フラグが「1」のときはSONET/SDH網102の
伝送障害を示す。これは、IPルータ20がKパケット
(コントロール)を受信したときのみ有効であり、IP
ルータ20は、SONET/SDH網102側の故障を
いち早く検出することが可能となる。
【0092】パディングはIPパケット長が64バイト
よりも短いときに付加される調整用のビット又はバイト
である。このKパケットを用いることにより、イーサー
ネットにおいても、IPルータ20およびSONET/
SDH伝送装置1は、WKとPTとのそれぞれの伝送路
にて受信したKパケットに含まれる情報に基づいて、I
Pルータ20とSONET/SDH伝送装置1との間の
伝送路状態と自分自身の異常とを監視し続け、伝送路又
は伝送装置異常が発生した場合、WK又はPTを50m
s以内に切り替えることができる。
【0093】なお、Kパケット以外のIPパケットにつ
いては、伝送装置および伝送路の異常がない場合、WK
側のIPパケットが選択され、転送処理される。Kパケ
ットは、SONET/SDH伝送装置1から送信される
ほかに、IPルータ20から送信されるようにもでき
る。 (3−3)伝送路切替時間およびKパケット送信間隔 WKおよびPTの切替時間は、GR−253の規定にお
いて、APS切り替え時間が50ms以内にするよう規
定されている。データ通信においては、IPパケットの
データの長さ(パケット長)が可変なので、送信間隔に
マージンを加え、また、最悪50ms以内にAPS切り
替えをする必要がある。
【0094】ここで、Kパケットの送信間隔の一例は、
30ms以内である。最適な送信間隔は、パケット長の
最短(64バイト)と最長(1518バイト)との間に
おける値に決定され、1秒間あたりの最大パケット数の
計算によって得られる。従って、SONET/SDH伝
送装置1の1ギガビットおよび10ギガビットイーサー
ネットカード1b,1cからKパケットが送信されるの
で、Kパケットの数を調整し、適切なスループットを確
保できる。
【0095】なお、切り替えをより早くする場合、1ギ
ガビットイーサーネット伝送のときは、3〜10msご
とのKパケット送信が望ましく、また、10ギガビット
イーサーネット伝送のときは0.3〜1.0msが望ま
しい。このように、WKおよびPTは、伝送速度が1ギ
ガビットおよび10ギガビットのいずれの場合において
も、ライン切り替えでき、且つ予め規定された時間内に
切り替えられる。
【0096】なお、後述する第2実施形態においても、
Kパケットのフォーマットは同様である。以上がKパケ
ットについての説明である。以下、IPルータ20とS
ONET/SDH伝送装置1とのそれぞれについて、詳
述する。次に、図4を用いて、1ギガビットおよび10
ギガビットイーサーネットカードの機能を説明する。
【0097】(4)IPルータ20 図4は本発明の第1実施形態に係るIPルータ20の概
略的なブロック図であり、IPルータ20は、IP網2
04に接続され伝送路39aについての伝送切替制御情
報を含むKパケットを転送しうる転送装置として機能
し、1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネット
カード20b,20cとをそなえて構成されている。こ
れらの1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネッ
トカード20b,20cは、パケットデータが伝送する
複数の伝送路からなる冗長伝送線路と、SONET/S
DH伝送装置1とのそれぞれに接続されており、インタ
ーフェース部として機能している。ここでは、この1枚
のカード(例えばカード型の回路基板)により、インタ
ーフェース部としての機能(20bと20cの機能)が
発揮される。なお、その詳細は後述する。
【0098】(4−1)1ギガビットおよび10ギガビ
ットイーサーネットカード20b,20cの機能 図4に示す1ギガビットおよび10ギガビットイーサー
ネットカード20b,20cの機能について述べる。こ
のカードは、大きく分けて次の3種類の機能を有する。
第1は、「1ギガビットおよび10ギガビットイーサー
ネットの伝送路の冗長機能」、第2は「冗長化された伝
送路を制御する機能」、第3は「IPパケットのルーテ
ィング機能およびフォワーディング機能」である。
【0099】(4−1−1)1ギガビットおよび10ギ
ガビットイーサーネットの伝送路の冗長機能 図4に示す1ギガビットおよび10ギガビットイーサー
ネットカード20b,20cは、伝送路39b(W
K),39c(PT)が接続されたポート23,22が
協働することにより、インターフェース部として機能す
る。これらのポート23,22は、伝送路39b,39
cとからなる伝送線路と接続され、この伝送路39b,
39cとには常に同一情報のIPパケットが流れてい
る。また、この伝送路39b,39cとの切り替えを制
御するKパケットも含まれている。受信された信号につ
いては、基本的に同一内容の信号のうち品質の良い方の
伝送路の信号を選択する機能を有する。
【0100】(4−1−2)冗長化された伝送路を制御
する機能 上記(4−1−1)で述べた機能を実現する為に、伝送
路のリンク状態およびKパケットを用いて伝送路39
b,39cの切り替え制御が行なわれる。何も異常がな
ければ、常にWKの伝送路39bを選択される。 (4−1−3)IPパケットのルーティング機能および
フォワーディング機能 受信されたIPパケットは、品質の良い方のIPパケッ
トが選択され、IPパケットの宛先IPアドレスと自身
のルーティング情報とにより、宛先へフォワーディング
される機能を有する。
【0101】Kパケットを用いた伝送路の切り替えの一
例は、KパケットのK1,K2バイトにより判定する。
例えば、このK1バイトは、信号のビット誤り率が所定
値から劣化したことを示すSD(Signal Degrade:信号
劣化)と伝送障害の発生を表すSF(Signal Fail:信
号不良)とがある。これらの1ギガビットおよび10ギ
ガビットイーサーネットカードは、それぞれ、この情報
をIPパケットに挿入して送信する送信処理機能と、そ
のIPパケットの受信処理機能とを有する。そして、対
向伝送装置が、これらのSD又はSFを検出することに
よって、WK又はPTを切り替えるのである。
【0102】このSF検出条件は、1ギガビットおよび
10ギガビットイーサーネットカード20b,20c
が、LOS(Loss of Signal:信号入力断)又はLOF
(Lossof Frame:フレーム同期外れ)を検出したとき
と、BER(Bit Error Rate)が10の−3乗〜10の
−5乗になったことを検出したときと、リンク(リンク
ステータス)の断を検出したときとの双方である。
【0103】なお、BERは、イーサーネットにおい
て、IPパケットのFCS(Frame Check Sequence)に
より判定される。また、SD検出条件は、1ギガビット
および10ギガビットイーサーネットカード20b,2
0cが、BERが10の−5乗〜10の−12乗である
ことを検出したときである。さらに、SONET/SD
H方式における検出条件を詳述すると、SF検出条件
は、LOS,LOF又はAIS−L(Alarm Indication
SignaL)を検出したときと、BERが10の−3乗〜
10の−5乗であることを検出したときである。ここ
で、AISとは、回線における伝送エラーが存在するこ
とを示す1ビット信号である。SD検出条件は、BER
が10の−5乗〜10の−9乗であることを検出したと
きである。
【0104】このように、イーサーネットにおいて伝送
路を冗長構成とし同一データを送受信することにより、
WKの伝送路の回線障害および伝送装置の故障時でも、
PTに即時切替が可能となり、安定したネットワーク運
用が可能となる。 (4−2)1ギガビットおよび10ギガビットイーサー
ネットカード20b,20cの構成 次に、1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネッ
トカード20b,20cのユニットについて説明する。
【0105】1ギガビットおよび10ギガビットイーサ
ーネットカード20b,20cは、いずれも、物理レイ
ヤ処理部(LAN−PHY[Local Area Network−Physi
cal])33a,33bと、MACレイヤ処理部44と、
スイッチング/ルーティング部35と、プロセッサ36
とをそなえて構成されている。また、物理レイヤ処理部
33a,33bとパケット伝送路39b,39cとの間
には、E/O変換部38a,O/E変換部38bを設け
ることも可能である。これらのE/O変換部38a,O
/E変換部38bが設けられているときは、光伝送路
(光ファイバー)が接続され、設けられていないとき
は、電気の伝送路であるツイストペアケーブルが接続さ
れている。これら以外のもので、上述したものと同一の
符号を有するものは同一のもの又は同様の機能を有する
ものなので、更なる説明を省略する。
【0106】プロセッサ36は、CPU(Central Proc
essing Unit)であって、図示を省略するが、1ギガビ
ットおよび10ギガビットイーサーネット20b,20
cの各機能モジュールに接続される。そして、RAM
(Random Access Memory),ROM(Read Only Memor
y)などと協働して、演算,割り込み監視などをし、ユ
ニットを管理、制御するものである。
【0107】次に、物理レイヤ処理部33a,33b
は、それぞれ、物理レイヤの伝送信号および冗長伝送信
号を終端する終端機能と、所定の時間間隔で、回線の接
続/切断を示すリンクステータス信号を出力し、このチ
ップによるWKおよびPTの回線切り替えを監視する機
能とを有する。具体的に、物理レイヤ処理部33a,3
3bは、MACレイヤフォーマットのデータを有するI
Pパケットをパケット伝送路39b,39cに出力する
とともに、パケット伝送路39b,39cから入力され
たIPパケットを受信しMACレイヤ処理部44に出力
する。従って、物理レイヤ処理部33a,33bは、M
ACレイヤ処理部44およびE/O変換部38a,O/
E変換部38bと協働することにより送信部として機能
している。
【0108】換言すれば、物理レイヤ処理部33a,3
3bおよびMACレイヤ処理部44は、Kパケット処理
部44cから出力されたデータであって、伝送すべき情
報データ(本来伝送すべき情報)を含むパケットデータ
と、生成された場合における(Kパケットが生成された
場合には)そのパケット化されたKバイトデータとを、
伝送路39b,39cを介して対向して設けられたSO
NET/SDH伝送装置1に対して送信するのである。
【0109】これにより、インターフェース部が、パケ
ットデータおよび情報データと同一データを含む冗長パ
ケットデータを終端する終端部をそなえて構成されたこ
とになる。また、IPルータ20は、障害情報の発生を
通知するフラグデータをKパケット処理部44cに通知
するXフラグ通知機能(SONET/SDH伝送装置1
に設けられたXフラグ通知部9に相当するもの。図示省
略)をもそなえ、このXフラグ通知機能が、フラグデー
タと、Kバイトデータに含まれる障害情報とに基づい
て、パケット化をするように構成することもできる。
【0110】さらに、リンクステータス信号について
は、物理レイヤ処理部33a,33bは、ともに、MA
Cレイヤに対して、リンクステータス(図40(a),
(b)参照)を示す通知信号を、MACレイヤ処理部4
4に入力するようになっている。この通知信号は、例え
ばリンクパルス(パルス信号)であり、1ギガビットイ
ーサーネット又は10ギガビットイーサーネット以上の
高速データが送受信されるときには、仕様によって定め
られたリンクパルスで入力されるのである。この通知信
号により、以下に述べるMACレイヤ処理部44が、イ
ーサーネットである伝送路39b,39cの異常を検出
でき、WKとPTとの切り替えができる。従って、SO
NET/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10ギガ
ビットイーサーネットカード搭載)1とIPルータ20
との間の信頼性が向上する。
【0111】次に、スイッチング/ルーティング部35
は、MACレイヤ処理部44および他の1ギガビットお
よび10ギガビットイーサーネットカード(例えば図3
の符号20aを付したもの。)から出力されたIPパケ
ットのIPアドレスに基づいて転送(フォワード)する
ものであって、IPアドレスと出力すべきポートとを対
応付けて保持するルーティングテーブル35aを有す
る。
【0112】次に、MACレイヤ処理部44は、Kパケ
ット処理部(生成部)44cから出力されたIPパケッ
トを、伝送路39b,39cを介して対向して設けられ
たSONET/SDH伝送装置(対向伝送装置)に対し
て送信するものであって、上記物理レイヤ処理部33
a,33bと協働することによって、送信部として機能
している。
【0113】更に詳述すると、MACレイヤ処理部44
は、基本的な機能としてIEEE802.3にて規定さ
れるイーサーネットのフレーム生成機能およびフレーム
分解機能を有する。また、Kパケットとそれ以外のIP
パケットを判定し、Kパケットを受信したならば、その
処理を行なう。さらにユーザ要求および伝送路の接続状
態によりKパケットの生成および送信処理も行なう。
【0114】これらの機能を実現するために、MACレ
イヤ処理部44は、次に示す(i)〜(iv)の機能を
有し、これらの機能のそれぞれに対応して、分配部(D
IS[Distributor])44aと、検出部44dと、選
択部(SEL[Selector])44bと、Kパケット処理
部44cと、MACチップ44eとをそなえて構成され
ている。
【0115】(i)分配部(DIS) 分配部(DIS)44aは、スイッチング/ルーティン
グ部35から転送されたIPパケット又はKパケット処
理部44cにて生成および処理されたKパケットおよび
CPUで生成されたIPパケットの信号を受信して、L
AN−PHY33aと33bの2つに同一信号を送信す
る機能を有する。
【0116】(ii)選択部(SEL)および検出部 選択部(SEL)44bは、LAN−PHY33a,3
3bからの2つの同一のイーサーネットの信号を受信
し、そして、受信した信号からKパケットとKパケット
以外の信号を判別する。KパケットであるならばKパケ
ット処理部44cにKパケットを転送し処理を行なう。
また、Kパケット以外であるならば、Kパケットにより
選択された回線のパケットをスイッチ/ルーティング部
に転送する。回線の選択については、Kパケット処理部
44cにて行なう。
【0117】検出部44dにおいては、44bに含まれ
ており、LAN−PHY33a、33bからのリンク情
報(リンクステータス)を検出する機能と、Kパケット
であるかKパケット以外(通常のIPパケット)である
かの判別を行なう機能とを有する。 (iii)Kパケット処理部44c Kパケット処理部44cは、伝送路39b,39cにつ
いての伝送切替制御情報を表すKバイトデータを生成
し、生成した信号をパケット化してパケットを出力する
ものであって、生成部として機能している。Kパケット
処理部44cは、選択部(SEL)44bからKパケッ
トのみが通知され、その通知されたKパケットの処理を
行なう。処理の内容の詳細は、Kパケットの機能として
説明した内容と同様である。この処理に従って、Kパケ
ット処理部44cは、選択部(SEL)44bの回線の
選択を指令する機能も有し、通常、異常がないときは、
伝送路39b(WK)を選択する。
【0118】すなわち、Kパケット処理部44cは、パ
ケット化された伝送信号の宛先に基づいて自伝送装置宛
てのKパケットであるときは、Kパケットをフォーマッ
ト処理するのである。Kパケット処理部44cはまた、
Kバイトデータを含むKパケットの送信制御権を決定す
るための管理用(マネージメント)データと、対向伝送
装置に対し伝送路39b,39cを切り替える処理の開
始/停止を操作するための制御用(コントロール)デー
タとを生成し、また、管理用データを、伝送信号に挿入
してパケット化するようにもなっている。このKパケッ
ト生成機能は、図6を用いて後述するように、IPルー
タ20のほか、SONET/SDH伝送装置1をも有す
る。
【0119】(iv)MACチップ44e このMACチップ44eは、フレーム生成機能およびフ
レーム分解機能と、MACレイヤ機能とを実行するもの
であって、汎用のICなどにより実現される。なお、M
ACレイヤ処理部44の各機能の組み合わせは所望の組
み合わせが可能であり、MACレイヤ機能とKパケット
処理用の機能とが統合したASIC(Application Spec
ified Integrated Circuits:特定用途向けIC)によ
って実現することもできる。例えば、MACレイヤ機能
とKパケット処理機能とが同一のASICに実装された
り、一部の機能を有する汎用部品とASICを用いた部
分とを組み合わせて各ユニットを統合するようにもでき
る。
【0120】これにより、モデルの仕様を変更するとき
に、変更量が少なくなるので、設計者はモデル変更時を
迅速に対応できる。なお、各機能を分散して設計するか
あるいは一体化して設計するかについては、設計方針に
基づいて種々選択できる。このように、1ギガビットお
よび10ギガビットイーサーネット20b,20cは、
それぞれ、イーサーネット39b,39c間の1ギガビ
ットイーサーネット又は10ギガビットイーサーネット
のデータを冗長にインターフェースできる。
【0121】次に、SONET/SDH伝送装置(1ギ
ガビットおよび10ギガビットイーサーネット搭載)1
の詳細について説明する。 (5)SONET/SDH伝送装置(1ギガビットおよ
び10ギガビットイーサーネット搭載)1 図5は本発明の第1実施形態に係るSONET/SDH
伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビットイーサー
ネット搭載)1の概略的なブロック図である。この図5
に示すSONET/SDH伝送装置(1ギガビットおよ
び10ギガビットイーサーネット搭載)1は、1ギガビ
ットおよび10ギガビットイーサーネットカード1b,
1cと、SONET/SDHカード1aとをそなえて構
成されている。符号1cを付したものはWKであり、符
号1bはPTであり、それぞれ、IPルータ20と接続
されている。なお、SONET/SDHカード1aは、
ポート11a,11bからSONET/SDH網102
に接続される。詳しくは以下で述べる。
【0122】(5−1)SONET/SDH伝送装置
(1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネット搭
載)1の機能 図5のSONET/SDH(1ギガビットおよび10ギ
ガビットイーサーネットカード搭載)伝送装置1の機能
について述べる。この伝送装置は、大きく分けて次の4
種類の機能を有する。
【0123】第1は、「1ギガビットおよび10ギガビ
ットイーサーネットの伝送路の冗長機能」、第2は「冗
長化された伝送路を制御する機能」、第3は「IPパケ
ットをSONET/SDHフレームのペイロードにマッ
ピングする機能又はその逆の機能」、第4は「SONE
T/SDH伝送装置の機能を有していること」である。
【0124】(5−1−1)1ギガビットおよび10ギ
ガビットイーサーネットの伝送路の冗長機能 図5に示す1ギガビットおよび10ギガビットイーサー
ネットカード1b,1cは、ポート13,12を有し、
これらのポートは、それぞれ、伝送路39b(WK),
伝送路39c(PT)に接続される。これらの伝送路3
9b(WK)とPT(39c)とには常に同一情報のI
Pパケットが流れている。また、この伝送路39b(W
K)と39c(PT)との切り替えを制御するKパケッ
トも含まれている。受信された信号については、基本的
に同一内容の信号のうちの品質の良い方の伝送路の信号
を選択する機能を有する。
【0125】また、SONET/SDH網102の異常
は、SONET/SDHカード1aで検出され、1ギガ
ビットおよび10ギガビットイーサーネットカード1
c,1bからIPルータ20にKパケットで通知する機
能も設けられている。なお、これらの詳細は後述する。 (5−1−2)冗長化された伝送路を制御する機能 上記(5−1−1)で述べた機能を実現する為に、伝送
路のリンク状態およびKパケットを用いて伝送路の切り
替え制御が行なわれる。何も異常がなければ、常にWK
の伝送路39bが選択される。
【0126】(5−1−3)IPパケットをSONET
/SDHフレームのペイロードにマッピングする機能又
はその逆の機能 IPパケットをSONET/SDHフレームのペイロー
ドにマッピングする方法である。具体的には、IPパケ
ットを、PPP(Point to Point Pr
otocol)でカプセリングした後にSONET/S
DHフレームのペイロードにマッピングする。また、S
ONET/SDHフレームからIPパケットへのマッピ
ングはその逆である。なお、仕様は、RFC1619と
RFC2615とに規定されている。
【0127】(5−1−4)SONET/SDH伝送装
置1の機能 SONET/SDH伝送装置1の機能は、SONET/
SDH方式で規定された信号の終端機能と、その信号の
多重化および分離の機能とを主に行なう。他にもAPS
機能およびMPS機能などがある。次に具体的に搭載さ
れるカードについて述べる。
【0128】(5−2)SONET/SDHカード1a
の構成 図3に示すSONET/SDH伝送装置(1ギガビット
および10ギガビットイーサーネットカード搭載)1の
SONET/SDHカード1aは、図5に示す冗長切替
部4aとSONET多重・分離オーバヘッド処理部4と
からなる。冗長切替部4aは、IPルータ(対向伝送装
置)20からのパケット化されたKバイトデータの受信
状況に応じて、情報データを含む伝送信号が伝送する伝
送路39b,39cを選択的に切り替え可能なものであ
る。この冗長切替部4aにより、例えばIPルータ20
は、SONET/SDH網102の状態を通知されて、
障害時の早期検出が可能となる。
【0129】この冗長切替部4aは、さらに、1ギガビ
ットおよび10ギガビットイーサーネットカード1b,
1cにSONET/SDH網102から得たK1,K2
バイトを通知するスイッチ91の機能と、SONET/
SDH網102から得たデータすなわちSONET/S
DHフレームのペイロードをスイッチ92にて1ギガビ
ットおよび10ギガビットイーサーネットカード1b,
1cに同時に同一のデータを分配する機能とを有し、ま
た逆に1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネッ
トカード1b,1cからのデータをいずれかのスイッチ
90にて選択しSONET分離・多重オーバヘッド処理
部4に渡す役目を担う。
【0130】なお、スイッチ90での選択はSONET
/SDH伝送装置の監視制御を行なう機構により行な
う。これはKバイトデータ値により1ギガビットおよび
10ギガビットイーサーネットカード1bと1cでのデ
ータをスイッチ90で切り替えることである。これらの
スイッチ90〜92の機能は例えば電気スイッチによっ
て実現される。
【0131】SONET/SDH多重・分離オーバヘッ
ド処理部4は、SONET/SDH方式で規定された信
号の終端、そして、その信号の多重化および分離の機
能、APSおよびMPSプロトコルによりラインプロテ
クション機能および光信号の送受信機能を有する。従っ
て、SONET/SDH多重・分離オーバヘッド処理部
4が、インターフェース部として機能し、パケットデー
タおよび情報データと同一データを含む冗長パケットデ
ータを終端する終端部をそなえて構成されたことにな
る。
【0132】また、SONET多重/分離部4は、SO
NET・APSプロトコル(ファームウェア付き)に基
づいて、SONET/SDHフレームのオーバーヘッド
のK1バイトおよびK2バイトから、SONET/SD
H網102側のAPSを制御するようになっている。 (5−3)1ギガビットおよび10ギガビットイーサー
ネットカード1b,1cの構成 図3に示す1ギガビットおよび10ギガビットイーサー
ネットカード1b,1cは、以下に述べるKパケット生
成部(生成部)5bから出力されたIPパケットを、I
Pルータ(対向伝送装置)20に対して送信する。これ
らの2本のパケット伝送路に同一のIPパケットが流れ
ているのである。これら以外の具体的な機能は上述した
とおりであるので、重複した説明を省略する。
【0133】次に、図5を用いてSONET/SDH伝
送装置1の機能を説明する。図5に示す1ギガビットお
よび10ギガビットイーサーネットカード1b,1c
は、物理レイヤ処理部(LAN−PHY)2,MACレ
イヤ処理部(MACチップ)7,POS処理部(Packet
Over SONET処理部)3,Kパケット処理部(特定パケ
ット処理部)5,プロセッサ36などをそなえて構成さ
れている。Xフラグ通知部9はこのカードおよびSON
ET/SDHカード1aおよび監視制御用の機構で構成
されてもよい。
【0134】そして、これらの1ギガビットおよび10
ギガビットイーサーネットカード1b,1cがWKおよ
びPTで冗長して機能しており、これらのWKおよびP
Tが、SONET/SDHカード1aの冗長切替部4a
によって、切り替えられるようになっている。なお、図
5に示すもので上述したものと同一のものは同一又は同
様なものである。
【0135】(5−3−1)物理レイヤ処理部2 物理レイヤ処理部2は、IPパケットをパケット伝送路
39bと39cに送信する機能と受信する機能とを有し
ている。また、物理レイヤ処理部2は、物理レイヤを終
端する終端部としても機能している。なお、伝送路39
aに送信するIPパケットはMACレイヤ処理部7から
入力され、逆に、伝送路から受信したIPパケットはM
ACレイヤ処理部7に出力される。
【0136】(5−3−2)MACレイヤ処理部7 MACレイヤ処理部7は、物理レイヤ処理部2の信号を
データリンク層(規格:IEEE802.3/IEEE
802.2)において終端するものである。また、この
MACレイヤ処理部7は、Kパケットと通常パケットと
をUDPデータから識別する機能を設けてもよい。受信
したIPパケットがKパケットであるならば、以下に述
べるKパケット処理部5で処理され、その他のIPパケ
ットであるならば、POS処理部3で処理される。この
機能はKパケット処理部5に設けることも可能である。
【0137】また、MACレイヤ処理部7は、Kパケッ
ト処理部5と協働することにより、SONET/SDH
網102における障害情報に基づいて、伝送切替制御情
報を生成し、生成した信号をパケット化し、IP網20
4側へ伝送する手段として機能している。さらに、物理
レイヤ処理部2,MACレイヤ処理部7,プロセッサ3
6,POS処理部3,Kパケット処理部5が協働するこ
とにより、送信部としても機能している。
【0138】なお、これらの機能はLSI,ASICな
どにより実現される。また、次に述べるKパケット処理
部5と一体となった形でLSIおよびASICを構成で
きる。 (5−3−3)Kパケット処理部5 このKパケット処理部5は、MACレイヤ処理部7から
のKパケットを分析し回線の切り替え命令およびKパケ
ットの処理を行なう機能と、冗長切替部4aからのSO
NET/SDHフレームのK1,K2バイトを受信しS
ONET/SDH網102の異常を監視する機能と、新
たにKパケットを作成しMACレイヤ処理に送信する機
能とが設けられている。
【0139】図6に示すKパケット処理部5は、検出部
5aとKパケット生成部(生成部)5bとを有する。こ
こで、検出部5aは、Kパケット生成部5bから入力さ
れるKパケットのKバイトに基づいて伝送障害を検出し
て処理する。また、SONET/SDH網102からの
KバイトをXフラグ通知部9に送信する役目を担う。ま
た、Kパケット処理部5は、IPパケットのIPアドレ
スをチェックする機能をも有し、MACレイヤ処理部7
からのIPパケットの宛先が自伝送装置か否かを判定
し、そのIPパケットが自伝送装置宛てでない場合はそ
のIPパケットをPOS処理部3に入力する一方、自伝
送装置宛ての場合はそのIPパケットを分析し、Kパケ
ットであるならば処理を行なう。
【0140】Kパケット生成部5bは、冗長伝送線路に
ついての伝送切替制御情報を表すKバイトデータを生成
し、生成した信号をパケット化してパケットを出力する
ものであり、検出部5aからの伝送障害検出信号とXフ
ラグ通知部9からのXフラグとに基づいてKパケットを
生成する。また、Kパケット生成部5bは、パケット化
された伝送信号の宛先に基づいて自伝送装置宛てのKパ
ケットであるときは、Kパケットをフォーマット処理
し、そして、Kパケットを優先的に送信しうる優先伝送
装置の優先順位に関するデータを、伝送信号に挿入して
パケット化するようになっている。
【0141】これらの検出部5aなどの各ユニットの機
能は、ASIC又はFPGA(FieldProgrammable Gate
Array)などにより実現され、各ユニットが一体化形成さ
れるようになっている。また、各ユニットとMACレイ
ヤ処理部7とを統合したASICを設計することもでき
る。なお、図6においても上述した符合と同一のものは
同一又は同様なものである。
【0142】従って、図5に示すSONET/SDH伝
送装置(1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネ
ットカード)1は、Kバイトの切替制御情報に基づいて
切替制御情報を含むKパケットを生成するKパケット処
理部5と、伝送信号および冗長伝送信号を終端する終端
部(物理レイヤ処理部2,MACレイヤ処理部7)とを
そなえてなる一対の1ギガビットおよび10ギガビット
イーサーネットカード1b,1cをそなえ、冗長切替部
4aが、Kバイトの切替制御情報に基づいて、この一対
のイーサーネットカード1b,1cのうちの一方をWK
とし他方をPTとするように構成されたことになる。
【0143】また、基本的にK1,K2バイトの処理
は、SONET/SDH方式のインターフェースカード
と1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットカ
ードとともに、既存のSONET/SDHカードとAP
S機能を流用できる。さらに、SONET・APSプロ
トコルを処理するファームウェア資産をそのまま流用で
きるので、最小限の回路規模とコストとにより、1ギガ
ビットおよび10ギガビットイーサーネットカードによ
る高速ラインプロテクションを用いたインターフェース
が実現できる。
【0144】(5−3−4)SONET/SDH網10
2の障害情報検出 次に、SONET/SDH網102の障害情報検出と、
SONET/SDH伝送装置の1ギガビットおよび10
ギガビットイーサーネットカードの切替とについて図6
を用いて説明する。図6は本発明の第1実施形態に係る
Kパケット処理部を説明するための図である。この図6
に示す冗長切替部4aからの同一のK1バイトおよびK
2バイトが、1ギガビットおよび10ギガビットイーサ
ーネットカード1b側のKパケット処理部5と、1ギガ
ビットおよび10ギガビットイーサーネットカード1c
側のKパケット処理部5とのそれぞれに対して入力され
るようになっている。
【0145】このXフラグ通知部9は、Kパケット処理
部5からこれらのK1,K2バイトを受信した後、SO
NET/SDH網102側で伝送路障害および伝送装置
障害が発生したかの有無をK1,K2バイトよりチェッ
クすることができる。ここで、障害が発生していると判
断された場合、Xフラグを1に設定し、Kパケット生成
部5bに通知し、Kパケットとして対向するIPルータ
20に通知することが可能となる。
【0146】従って、SONET/SDH伝送装置1
は、パケットデータが伝送する2本以上の伝送路39
b,39cからなる冗長伝送線路と、SONET/SD
H伝送装置1とのそれぞれに接続されたインターフェー
ス部が、SONET/SDH網102における障害情報
の発生を通知するフラグデータをKパケット生成部5b
に通知するXフラグ通知部9をそなえ、Kパケット生成
部5bが、フラグデータと、Kバイトデータに含まれる
障害情報とに基づいて、パケット化をするように構成さ
れたことになる。
【0147】(5−3−5)Kパケットの生成および送
信 Kパケットの生成手順については、Kパケット生成部5
bが、Kバイトデータを含むKパケットの送信制御権を
決定するための管理用(マネージメント)データと、対
向伝送装置に対し伝送路39b,39cを切り替える処
理の開始/停止を操作するための制御用(コントロー
ル)データとを生成する。そして、Kパケット生成部5
bは、管理用データを、伝送信号に挿入してパケット化
し、IPパケットを送信し、対向伝送装置が、受信した
IPパケットに含まれる、Kパケット情報およびXフラ
グにより冗長切替部1aのWK又はPTを切り替えるよ
うになっている。
【0148】具体的には、管理用(マネージメント)デ
ータとは、SONET/SDH伝送装置1とIPルータ
20とにおいてKパケットの制御権を決定するためのK
パケットである。すなわち、Kパケット(マネージメン
ト)という。また、制御用(コントロール)データと
は、パケット伝送路39b,39cを介して対向して設
けられた対向伝送装置(IPルータ20又はSONET
/SDH伝送装置1)に対して、伝送路39b,39c
を個別に切り替える処理(GR−253に規定された処
理)の開始/停止を操作するためのデータであって、K
パケットデータからなる。すなわち、Kパケット(コン
トロール)という。
【0149】(5−3−6)POS処理部3 POS処理部3は、IPパケットをSONET/SDH
フレームのペイロードに挿入するものであり、また、そ
の逆を行なうものである。具体的には、POS処理部3
は、MACレイヤ処理部7から入力されたIPパケット
をPPP(ポイント・トゥ・ポイントプロトコル)にて
カプセル化して、そのカプセル化したIPパケットをS
ONET/SDHフレームのペイロードに挿入するもの
である。ここでは、PPPフレームがPOS処理部3に
より作成され、冗長切替部4aに出力される。
【0150】また、POS処理部3は、冗長切替部4a
から入力されたPPPフレームから情報データを取り出
してPPPカプセル化された情報データから予め付加さ
れたバイトを除去し、情報を有するIPパケットをMA
Cレイヤ処理部7に出力する。なお、POSについて
は、RFC1619とRFC2615とに規定されてい
る。
【0151】(6)作用の説明 上述の構成により、本発明の第1実施形態に係る伝送動
作について、図12,図13を用いて説明する。まず、
IPルータ20とSONET/SDH伝送装置(1ギガ
ビットおよび10ギガビットイーサーネットカード搭
載)1との間のWKが回線断した場合について説明す
る。
【0152】図12は本発明の第1実施形態に係るWK
の回線断時の処理を説明するための図であって、IPル
ータ20とSONET/SDH伝送装置(1ギガビット
および10ギガビットイーサーネットカード搭載)1と
の間のWKが回線断になったときのものである。この図
12に示すもので、上述したものと同一の符号を有する
ものは同一のもの又は同様の機能を有するものである。
【0153】ここで、IPルータ20のポート22,2
3は、ともに、同一のIPアドレス「B」を有する。ま
た、ポート22はMACアドレス「B1」を有し、ポー
ト23は別個のMACアドレス「B2」を有する。ま
た、SONET/SDH伝送装置1のポート12,13
はともに同一のIPアドレス「C」を有する。またポー
ト12はMACアドレス「C1」を有し、ポート13に
はMACアドレス「C2」を有する。なお、これらのア
ドレスおよび以下に示すアドレスはいずれも一例であ
る。
【0154】また、図13は本発明の第1実施形態に係
るIPルータ20とSONET/SDH伝送装置(1ギ
ガビットおよび10ギガビットイーサーネットカード搭
載)1との間におけるシーケンスの一例を示す図であっ
て、この図13には、メッセージ(S1,S2,S5,
S7,S8,S9)と、事象(S3)と、処理(S4
a,S4b,S6)とが表示されている。
【0155】以下、正常時と障害発生時とのそれぞれの
動作について説明する。 (6−1)SONET/SDH伝送装置(1ギガビット
および10ギガビットイーサーネットカード搭載)1と
IPルータ20との間は、全二重のWKとPTとの1ギ
ガビットおよび10ギガビットイーサーネットインター
フェースのデータが送受信されている。図13におい
て、SONET/SDH伝送装置(1ギガビットおよび
10ギガビットイーサーネットカード搭載)1は、IP
ルータ20に対して、Kパケット要求(K-PacketReques
t)を、WKおよびPTを用いて送信し(メッセージS
1)、IPルータ20は、SONET/SDH伝送装置
(1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットカ
ード搭載)1に対して、Kパケット応答(K-PacketResp
onse)をWKおよびPTを用いて送信する(メッセージ
S2)。これらのメッセージは、両伝送装置間におい
て、適当の間隔をおいて、送受信される。
【0156】なお、以下の説明において、この内容を便
宜的に、[WK MAC:C1→B1,IP:C→B]、
[PT MAC:C2→B2,IP:C→B]と表記す
る。 (6−2)IPルータ20は、Kパケットを受信する
と、WK/PT切り替えが発生しないので、Kパケット
のS/Rフラグが0のまま、SONET/SDH伝送装
置1に対して、[WK MAC:B1→C1,IP:B
→C],[PT MAC:B2→C2,IP:B→C]を
含むIPパケットをリプライする。
【0157】次に、イーサーネット39bにて、障害が
発生すると、WKのKパケットおよびIPデータが回線
断になる(図13に示す事象S3参照)。一方、IPル
ータ20は、WKの回線断とPTの疎通とを検出し(処
理S4a)、SONET/SDH伝送装置(1ギガビッ
トおよび10ギガビットイーサーネットカード搭載)1
に対して、PTに対して切り替え要求を送信する(メッ
セージS5)。
【0158】(6−3)SONET/SDH伝送装置
(1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットカ
ード搭載)1は、IPルータ20に対して、WKが不通
になりPTに対して切り替え要求を含むKパケット応答
を送信する(メッセージS7)。ここで、Kパケット
は、[WK MAC:C1→B1,IP:C→B],[P
TMAC:C2→B2,IP:C→B]宛てに送信さ
れ、S/Rフラグが0となる。これにより、SONET
/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビット
イーサーネットカード搭載)1およびIPルータ20
は、WKの回線断を検出する。
【0159】(6−4)IPルータ20は、Kパケット
を用いたPTに対して切り替えレスポンス(メッセージ
S7)を検出し、例えば50ms以内にWKをPTに切
り替えて(処理S4b)、SONET/SDH伝送装置
(1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットカ
ード搭載)1に対して、Kパケットを用いてPTに対し
てレスポンスを送信する(メッセージS8)。
【0160】このKパケットは、SONET/SDH伝
送装置(1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネ
ットカード搭載)1[WK MAC:B1→C1,I
P:B→C],[PT MAC:B2→C2,IP:B→
C]宛てに送信される。このとき、IPルータ20は、
S/Rフラグを1とすることにより、対向伝送装置(通
信相手となる側の伝送装置)に対して、IPルータ20
における処理であることを通知する。
【0161】(6−5)SONET/SDH伝送装置1
(1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットカ
ード搭載)は、(5−4)にて説明したKパケットを受
信し、Kパケット応答をIPルータ20に対して送信す
る(メッセージS9)。このように、IPルータ20と
SONET/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10
ギガビットイーサーネットカード搭載)1との間が冗長
化され、Kパケットが用いられるので、回線断が発生し
ても復旧が容易になり、回線の信頼性が向上する。
【0162】次に、図14を用いて、IPルータ20と
SONET/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10
ギガビットイーサーネットカード搭載)1との間の回線
が正常であってSONET/SDH網102が回線断の
場合について説明する。図14は本発明の第1実施形態
に係る障害発生時のSONET/SDH伝送装置(1ギ
ガビットおよび10ギガビットイーサーネットカード搭
載)1の処理の一例を説明するための図である。
【0163】この図14に示すSONET/SDH網1
02において、障害が発生し回線断になり(A21と付
されたもの)、SONET/SDH伝送装置(1ギガビ
ットおよび10ギガビットイーサーネットカード搭載)
1がこの障害発生を検出すると、SONET/SDH網
102が回線断になったことを示すXフラグを1に設定
し(A22と付されたもの)、また、このXフラグが付
されたKパケットを、WK,PTによりIPルータ20
に対して送信する(A23と付されたもの)。
【0164】このように、IPルータ20は、Kパケッ
トを通知されてSONET/SDH網102で発生した
障害発生を早期に検出し、自身のSONET/SDH網
102側のルーティングテーブルのデータを削除する。
これにより、IPルータ20は、SONET/SDH網
102宛てのIPパケットを、その網とは異なる他の網
に直接転送でき、ルーティングテーブルの更新時におけ
るパケットロスを低減できる。
【0165】次に、図15と図16(a),(b)とを
用いてIPルータ20の処理を説明する。図15はSO
NET/SDH網102における障害発生時のIPルー
タ20の処理を説明するための図である。符号21a〜
21dは、ポートを示し、それぞれ、イーサーネット3
9aを介して、IP網204および図示されていない他
のIP網のルータA〜Dと接続されている。なお、図1
5に示すもので、上述したものと同一の符号を有するも
のは同一のものを表す。
【0166】図16(a),(b)はいずれも本発明の
第1実施形態に係るルーティングテーブルの書き込み内
容の一例を示す図であり、図16(a),(b)にそれ
ぞれ示すルーティングテーブルの左欄には目的地のIP
アドレスが記録され、右欄にはIPパケットが出力すべ
きポート名(Port)がともに記録されている。このルー
ティングテーブルは、IPルータ20が保持している障
害発生前の記録されているIPアドレスを示している、
また、図15に示すSONET/SDH伝送装置(1ギ
ガビットおよび10ギガビットイーサーネットカード搭
載)1は、SONET/SDH網102において125
μsごとにSONET/SDHオーバーヘッドを送受信
している。そして、SONET/SDH網102側にて
障害が発生した場合、SONET/SDH伝送装置(1
ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットカード
搭載)1はK1バイトおよびK2バイトの情報により障
害の発生を検出しXフラグ=1にして、KパケットをI
Pルータ20に送信する。図15にてIPルータ20が
このKパケットを受信すると(A24と付されたも
の)、ルーティングテーブルからSONET/SDH網
102のIPアドレスが削除され(A25と付されたも
の)、ルーティングテーブルの内容は、図16(b)に
示すようになる。
【0167】このように、SONET/SDH網102
にて障害が発生すると、IPルータ20のルーティング
テーブルから対象となるIPアドレスを削除する。これ
により、SONET/SDH網102宛のIPパケット
は他のIP網に転送され、パケットロスの量が最小限に
なる。 (6−6)送信制御権の設定方法 次に、図17,図18を用いて、送信制御権について説
明する。
【0168】IPルータ20又はSONET/SDH伝
送装置(1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネ
ットカード搭載)1において、切り替え制御は、Kパケ
ットを用いて行なわれる。なお、送信制御権は、後述す
る第2実施形態においても、特に断らない限り、同様な
手法により制御され又は設定される。図17は本発明の
第1実施形態に係る送信制御権の設定方法を説明するた
めの図であって、この図17に示すIPルータ20が送
信制御権を有し、SONET/SDH伝送装置(1ギガ
ビットおよび10ギガビットイーサーネットカード搭
載)1は送信制御権を有しない。
【0169】ここで、IPルータ20およびSONET
/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビット
イーサーネットカード搭載)1は、自伝送装置が送信制
御権を有するか否かを設定できる。また、図17に示す
もので、上述したものと同一の符号を有するものは同一
のもの又は同様の機能を有するものなので、更なる説明
を省略する。
【0170】送信制御権の付与方法は、SONET/S
DH伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビットイー
サーネットカード搭載)1およびIPルータ20の管理
ユニット(図示省略)に設定される。送信制御権の設定
値(図11参照)は、Kパケットのマネージメントフラ
グ領域に反映される。また、この送信制御権を有する伝
送装置はKパケット(コントロール)の送信権を得るこ
とになる。
【0171】このように、SONET/SDH伝送装置
(1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットカ
ード搭載)1およびIPルータ20からKパケットを送
信できる。 (6−7)Kパケット送受信のシーケンス 図18は本発明の第1実施形態に係るKパケット送信権
決定を説明するためのシーケンスを示す図である。この
図18には、双方の伝送装置がMgmt−flagを1
に設定されており(つまり、両方の伝送装置にKパケッ
ト送信権がある)、プライオリティが1に設定されるI
Pルータ20とプライオリティが2に設定されるSON
ET/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビ
ットイーサーネットカード搭載)1との間における規約
が示されている。また、IPルータ20からSONET
/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビット
イーサーネットカード搭載)1に対して送信されるメッ
セージ(W1,W2)と、SONET/SDH伝送装置
(1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットカ
ード搭載)1からIPルータ20に対して送信されるメ
ッセージ(Y1,Y2)と、処理ステップ(W3,W
4,Y3,Y4)とが表示されている。
【0172】まず、電源が起動されると、両伝送装置が
オンライン状態になるか、また、両伝送装置間において
WKおよびPTの伝送路がともにリンクすると、IPル
ータ20とSONET/SDH伝送装置(1ギガビット
および10ギガビットイーサーネットカード搭載)1と
は、送信制御権が決定されるまで、相互にKパケット
(Management)を送信する。ここで、IPル
ータ20の送信制御権の初期値およびプライオリティ
は、それぞれ、「1」および「1」である。SONET
/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビット
イーサーネットカード搭載)1の送信制御権の初期値お
よびプライオリティは、それぞれ、「1」および「2」
である。
【0173】そして、IPルータ20は、SONET/
SDH伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビットイ
ーサーネットカード搭載)1に対して、Kパケット(マ
ネージメントフラグ)を送信する。ここで、プライオリ
ティは「1」でマネージメントフラグは「1」である
(メッセージW1)。一方、SONET/SDH伝送装
置1(1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネッ
トカード搭載)も、IPルータ20に対して、Kパケッ
トを送信する。ここで、プライオリティは「2」でマネ
ージメントフラグは「1」である(メッセージY1)。
【0174】また、IPルータ20からSONET/S
DH伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビットイー
サーネットカード搭載)1に対するKパケット(マネー
ジメントフラグ)のプライオリティは「1」であり、M
gmt−flagが「1」であり、これらの値が送信さ
れる。一方、SONET/SDH伝送装置(1ギガビッ
トおよび10ギガビットイーサーネットカード搭載)1
からIPルータ20に対するKパケットは、そのプライ
オリティが「2」であり、Mgmt−flagが「1」
である状態で送信される。
【0175】そして、SONET/SDH伝送装置(1
ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットカード
搭載)1が、メッセージW1に含まれるKパケットを受
信すると、そのKパケットのプライオリティ「1」と、
SONET/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10
ギガビットイーサーネットカード搭載)1自身のプライ
オリティ「2」とを比較する。ここで、IPルータ20
のプライオリティがSONET/SDH伝送装置(1ギ
ガビットおよび10ギガビットイーサーネットカード搭
載)1のプライオリティよりも高く設定されているの
で、SONET/SDH伝送装置(1ギガビットおよび
10ギガビットイーサーネットカード搭載)1はIPル
ータ20が送信制御権を得たことを知る(ステップY
3)。このため、SONET/SDH伝送装置(1ギガ
ビットおよび10ギガビットイーサーネットカード搭
載)1は、Kパケットの自発的送信を中止する(ステッ
プY4)。
【0176】一方、IPルータ20は、SONET/S
DH伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビットイー
サーネットカード搭載)1からのKパケット(メッセー
ジY1)を受信すると、この受信したKパケットのプラ
イオリティ「2」と、IPルータ20自身のプライオリ
ティ「1」とを比較する。ここで、IPルータ20は、
SONET/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10
ギガビットイーサーネットカード搭載)1に対してKパ
ケットを送信する(メッセージW2)。プライオリティ
「1」はプライオリティ「2」よりも高いので、IPル
ータ20は送信制御権を得る(ステップW3)。従っ
て、IPルータ20は、メッセージW2などのKパケッ
ト(コントロール)をSONET/SDH伝送装置(1
ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットカード
搭載)1に対して送信し続けるとともに、送信を制御す
る(ステップW4)。
【0177】このように、IPルータ20とSONET
/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビット
イーサーネットカード搭載)1とがともにKパケットを
送受信し制御する機能を有する。また、このプライオリ
ティの機能を設けることにより両伝送装置からの処理の
競合が避けられる。 (6−8)Kパケット処理手順 次に、IPルータ20又はSONET/SDH伝送装置
(1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットカ
ード搭載)1が、Kパケット処理をする手順について、
図19〜図21を用いて詳述する。
【0178】図19は本発明の第1実施形態に係るKパ
ケット処理を説明するためのフローチャートであって、
この図19を用いて全体の流れを説明する。まず、SO
NET/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10ギガ
ビットイーサーネットカード搭載)1およびIPルータ
20が起動されると(ステップA1)、SONET/S
DH伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビットイー
サーネットカード搭載)1およびIPルータ20は、予
め設定された値を読み込むことにより、WK又はPTの
種別を判定し、また、対向伝送装置とのリンクステータ
スをチェックする(ステップA2)。ここで、WKおよ
びPTのいずれのリンクも設定されていない場合は、N
G(No Good)と付されたルートを通り、オンライン処
理を開始する(ステップA3)。なお、このオンライン
処理は、選択/分配機能を用いない。
【0179】ステップA2において、いずれか一方のリ
ンクが設定されている場合は、OKと付されたルートを
通り、選択/分配機能によるオンライン処理が開始され
る(ステップA4)。また、ステップA3にて選択/分
配機能およびリンク(LINK)をいずれもオンにされ
ると、ステップA4の処理が行なわれる。一方、ステッ
プA4にて選択/分配機能をオフにし、且つWKおよび
PTのいずれのリンクもオフにされると、ステップA3
の処理が行なわれる。
【0180】ステップA4の後において、Kパケットの
制御について、設定変更されると(ステップA5)、ス
テップA6にて、Kパケットの送信制御権のフラグ(フ
ラグの値)がチェックされ、送信制御権のフラグが
「1」の場合は、「あり」ルートを通って、Kパケット
(マネージメント用)を送信する。一方、ステップA6
において、フラグが「0」の場合には、「なし」ルート
を通る。なお、P1と付されたものは、後述する図20
に示す処理が終了したときのものである。
【0181】そして、ステップA8にて、情報データを
有するIPパケットが送受信され、この間、Kパケット
が受信されたか否かが監視される(ステップA9)。こ
こで、Kパケットが受信されない間は、NOルートを通
り、パケット転送処理が続けられ(ステップA10)、
ステップA8〜ステップA10の処理が行なわれる。一
方、ステップA9において、Kパケットが受信される
と、YESルートを通り、その受信したKパケットが処
理される(ステップA11)。
【0182】このように、通常パケットの送受信ととも
に、Kパケットの処理も行なわれる。また、ステップA
11のルーチンの詳細について、図20を用いて説明す
る。図20は本発明の第1実施形態に係るKパケット処
理を説明するためのフローチャートである。この図20
に示すステップB1にてKパケットが受信されると、K
パケットの種別が判定され(ステップB2)、Kパケッ
トが制御用である場合は、制御用と付されたルートを通
り、K1バイト,K2バイトおよびXフラグがチェック
され(ステップB3)、WKおよびPTの切り替え処理
がGR−253の規定に基づいて行なわれる(ステップ
B4)。そして、ステップB5において、Kパケット
(制御)のレスポンスが送信され、この後、図19に示
すステップA8の処理が行なわれる(P1と付されたと
ころ参照)。
【0183】ステップB2において、Kパケットがマネ
ージメント用である場合は、マネージメント用と付され
たルートを通り、送信制御権,プライオリティおよびM
ACアドレスがチェックされる(ステップB6)。ここ
で、送信制御権を有する場合は、「送信制御権あり」と
付されたルートを通り、Kパケット(制御)が送信され
(ステップB7)、その後、Kパケット(マネージメン
ト)のレスポンスが送信される(ステップB9)。ま
た、ステップB6にて、送信制御権がない場合は、「送
信制御権なし」と付されたルートを通り、Kパケット
(制御)の送信が停止され(ステップB8)、ステップ
B9の処理が行なわれる。
【0184】そして、ステップB9の処理が終了する
と、再度、メインルーチン(図19のP1と付されたと
ころ参照)に戻る。さらに、図20に示すステップB
5,ステップB7およびステップB9におけるKパケッ
ト送信処理ルーチンについて、図21を用いて説明す
る。図21は本発明の第1実施形態に係るKパケット送
信処理を説明するためのフローチャートである。まず、
IPルータ20又はSONET/SDH伝送装置(1ギ
ガビットおよび10ギガビットイーサーネットカード搭
載)1がKパケットを送信する旨のコマンドを受信する
と(ステップC1)、Kパケットの種別を判定し(ステ
ップC2)、Kパケットがマネージメント用の場合は、
マネージメント用と付されたルートを通って、Kパケッ
トを生成し(ステップC7)、Kパケットを送信する
(ステップC8)。
【0185】また、ステップC2にて、Kパケットが制
御用の場合には、制御用と付されたルートを通って、I
Pルータ20又はSONET/SDH伝送装置(1ギガ
ビットおよび10ギガビットイーサーネットカード搭
載)1は、リンクステータスを監視し(ステップC
3)、また、WKとPTとの両方のリンクに障害が発生
すると、回線断を表すリンクダウン(WKおよびPT)
と付されたルートを通り、Kパケットの送信を中止し
(ステップC5)、オンライン処理(選択/分配機能な
し)を行なう(ステップC9)。ステップC3にて、リ
ンクが正常であれば、リンクOKと付されたルートを通
って、ステップC4にて、IPルータ20又はSONE
T/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビッ
トイーサーネットカード搭載)1は、ユーザ要求を受信
したか否かをチェックする。このユーザ要求とは、スイ
ッチ切り替え要求又は選択/分配機能の中止要求であ
る。
【0186】そして、IPルータ20又はSONET/
SDH伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビットイ
ーサーネットカード搭載)1がスイッチを切り替えた場
合は、スイッチ切り替えと付されたルートを通り、Kパ
ケットを生成し(ステップC7)、Kパケットを送信す
る(ステップC8)。また、ステップC4において、I
Pルータ20又はSONET/SDH伝送装置(1ギガ
ビットおよび10ギガビットイーサーネットカード搭
載)1が選択/分配機能の中止要求を受信した場合は、
中止と付されたルートを通って、Kパケットの送信を中
止し(ステップC5)、選択/分配機能を有しないオン
ライン処理を行なう(ステップC9)。さらに、ステッ
プC4において、IPルータ20又はSONET/SD
H伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビットイーサ
ーネットカード搭載)1が、それらのユーザ要求および
SEL/DIS中止を受信しない間は、受信しない間と
付されたルートを通って、受信パケット統計情報(劣化
に関する情報)を監視する。具体的には、IPルータ2
0又はSONET/SDH伝送装置(1ギガビットおよ
び10ギガビットイーサーネットカード搭載)1は、統
計変数としてのSF,SDをチェックし(ステップC
6)、そして、Kパケットを生成し(ステップC7)、
Kパケットを送信する(ステップC8)。
【0187】このように、Kパケットが送信され、WK
又はPTの切り替えが容易になり、また、この切り替え
によって、冗長化が可能となる。また、IPルータ20
とSONET/SDH伝送装置(1ギガビットおよび1
0ギガビットイーサーネットカード搭載)1とを保守す
るとき、WK又はPTの切り替えが可能なので、回線断
によるサービス低下を回避することができる。
【0188】また、図22を用いて、本発明と従来のシ
ステムとの相違点の一例を説明する。なお、以下の説明
は、1ギガビットイーサーネットに関するものである。
図22は本発明を適用したIP網204と従来のIP網
との相違点を説明するための図である。この図22に示
すIP網204は、IPルータA,B,Cと、伝送路
(パケット伝送路)47a,47b,47cと、LA
N:A,LAN:B,LAN:Cとをそなえて構成され
ている。
【0189】これらのIPルータA,B,Cは、それぞ
れ、目的地IPアドレスとポート名とが対応付けられて
保持されたルーティングテーブルを有し、その保持デー
タに基づいて、ルートを決定するものである。さらに、
LAN:A,LAN:B,LAN:Cは、それぞれ、企
業の私設網などであって、図示を省略するが、網端末
(端末)をそれぞれ有する。
【0190】また、パケット伝送路47a,47b,4
7cは、それぞれ、IPルータA,B,Cのそれぞれを
接続し、IPパケットを伝送するものであって、WKと
PTとからの対(ペア)から構成されている。さらに、
各ルータ間の帯域は、全二重のため、いずれも、200
M又は2G(100M×2又は1G×2)である。IP
パケットはIPルータ20のルーティングテーブル(図
示省略)により、決定し、その決定したルートを通り、
目的地に到達するのである。なお、それ以外の他の点に
ついては、従来のルータが有する機能と同様の機能を有
する。
【0191】従って、パケット伝送路47a,47b,
47cが、それぞれ、2以上の複数の光ファイバーの束
になったときにおいても、伝送帯域は増加しない。この
ように、ペアの伝送路には、常に、同一内容のIPパケ
ットが伝送する。そして、IPルータA,B,Cは、そ
れぞれ、WKとPTで伝送されてきたIPパケットを受
信し、それらのWKとPTのうちの、より信頼性の高い
IPパケットを選択し目的地まで転送するのである。
【0192】このように、従来の伝送システム(例えば
図41〜図44)と比較して、伝送に関する信頼性が著
しく向上するので、ユーザに対するサービスの質が向上
する。このようにして、パケットインターフェースを設
けられたSONET/SDH伝送装置(1ギガビットお
よび10ギガビットイーサーネットカード搭載)1とI
Pルータ20とを、1+1ラインプロテクションおよび
1:Nプロテクションの1ギガビットイーサーネット又
は10ギガビットイーサーネットインターフェースで接
続することにより、網の冗長化が可能である。
【0193】そして、このようにして、伝送路障害又は
伝送装置故障などの発生に早期に対処でき、迅速な救済
が可能で、且つ所望の伝送帯域を確保して信頼性の高い
伝送サービスをユーザに対して提供できる。また、IP
網204のように元来高速切り替えをできない網が、高
速切り替えと高速障害復旧とが可能になる。
【0194】ところで、本実施形態を変形した(A
1),(A2)のように実施することも可能である。 (A1)図3において、SONET/SDH伝送装置
(1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットカ
ード搭載)1とIPルータ20との間は、電気インター
フェース又は光インターフェースでもよい。
【0195】(A2)SONET/SDH伝送装置(1
ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットカード
搭載)1はWDM伝送装置としてもよい。このように、
伝送路の冗長構成が1ギガビットおよび10ギガビット
イーサーネットで実現され、伝送装置間は、伝送路障害
又は伝送装置故障などの発生に対処できる。
【0196】加えて、伝送装置は、障害発生時に伝送を
迅速に救済でき、且つ所望の伝送帯域を確保できる。こ
のため、信頼性の高い伝送サービスをユーザに対して提
供できる。また、このようにして、元来高速切り替えで
きないIP網204が、高速切り替えと高速障害復旧と
を行なえる。
【0197】(B)本発明の第2実施形態の説明 第2実施形態における伝送システムは、既に網に設けら
れたIPルータにWKとPTの切り替え機能をもつ伝送
装置(APSアダプタ)を外付けすることにより実現で
きる。 (7)システム構成 第2実施形態に係る伝送システムにおいては、伝送シス
テムを構成する各伝送装置が、それぞれ、Kパケットを
用いることにより、WKとPTとを切り替えする自動保
護スイッチアダプタ機能を有する。
【0198】(7−1)伝送システム100a 図23は本発明の第2実施形態に係る伝送システム10
0aの構成図である。この図23に示す伝送システム1
00aは、IP網204とSONET/SDH網102
との間に、IPルータ203とAPSアダプタ15とS
ONET/SDH伝送装置(ギガビットおよび10ギガ
ビットイーサーネット搭載)30がイーサーネットで接
続されている構成である。これら以外のもので、上述し
たものと同一の符号を有するものは同一のもの又は同様
の機能を有するものなので重複した説明を省略する。
【0199】(7−2)IPルータ203とAPSアダ
プタ15とSONET/SDH伝送装置(1ギガビット
および10ギガビットイーサーネットインターフェース
搭載)30との間の接続 図24は本発明の第2実施形態に係る冗長構成を有する
伝送システム100aの概略的な構成図であり、既に導
入されているIPルータ203と、パケット伝送路39
fと、APS(オート・プロテクション・スイッチ)ア
ダプタ15と、パケット伝送路39b,39cと、SO
NET/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10ギガ
ビットイーサーネットカード)30とをそなえて構成さ
れている。
【0200】IPルータ203とAPSアダプタ15と
は、1本の伝送路で接続され、既に設置されているルー
タ203と接続されるようになっている。また、APS
アダプタ15とSONET/SDH(1ギガビットおよ
び10ギガビットイーサーネット搭載)伝送装置30と
は、WKの伝送路39bとPTの伝送路39cとで接続
され、ラインプロテクションが実現される構成である。
【0201】この図24においても、既に説明した符号
と同一の符号を有するものは、同一又は同様のものであ
る。なお、以下の説明において、特に断らない限り構成
は同一である。 (8)IPルータ203 ここで、IPルータ203は、IP網204と接続さ
れ、IPパケットをルーティングするものであって、2
以上のIP網インターフェースカード(ラインカード)
を有し、2以上のポート203a,203bを有する。
このIPルータ203は、1ギガビットイーサーネット
と高速な10ギガビットイーサーネットとの規格のIP
パケットを伝送する伝送装置である。また、ポート20
3a,203bは接続用のイーサーネットポートであ
る。さらに、パケット伝送路39fは、1ギガビットお
よび10ギガビット以上の速度のIPパケットを伝送可
能なイーサーネットであって、図24に示す1本の線
が、図8(a)および図8(b)に示す一対の上り下り
の差動ツイストペアケーブル又は光ファイバーを表す。
【0202】(9)APSアダプタ15 APSアダプタ15は、IPルータ203からの通常パ
ケットをパケット伝送路39b,39c両方に同時に転
送する分配機能と、パケット選択機能とを有する。ここ
で、パケット選択機能とは、パケット伝送路39b,3
9cから入力されたIPパケットからKパケットと通常
パケットとを判別し、Kバイトに基づいて伝送回線とし
てのWK又はPTを選択し通常パケットを転送処理する
ことである。そして、これらの各機能を実現する機能ユ
ニットが一体形成されている。
【0203】このAPSアダプタ15の形状の一例とし
て、APSアダプタ15は、IPルータ203の筺体上
に載せられ、両者が約30センチメートルのイーサーネ
ットケーブルにより接続されるようになっている。すな
わち、APSアダプタ15が、既存のIPルータ203
に外付けされ、これにより、IPルータ203の交換又
は改修を伴わずにシステムを構築できる。そして、AP
Sアダプタ15とSONET/SDH伝送装置(1ギガ
ビットおよび10ギガビットイーサーネットカード搭
載)30との間において、第1実施形態にて説明したK
パケット機能から、障害が発生したときに、伝送回線を
WKからPTに切り替えてデータが救済されるようにな
っている。
【0204】(9−1)APSアダプタ15の構成 図25は本発明の第2実施形態に係るAPSアダプタ1
5のブロック図であり、この図25に示すAPSアダプ
タ15は、IPルータ203側の物理レイヤ処理部(L
AN−PHY)2およびMACレイヤ処理部(MACチ
ップ)7と、SONET/SDH伝送装置(1ギガビッ
トおよび10ギガビットイーサーネットカード搭載)3
0側の物理レイヤ終端部17およびMACレイヤ終端部
16と、スイッチング/ルーティング部6aとをそなえ
て構成されている。
【0205】ここで、物理レイヤ処理部2および物理レ
イヤ終端部17は、いずれも、物理レイヤの終端機能を
有する。また、1ギガビットおよび10ギガビットイー
サーネットカードが、所定の時間間隔で、回線の接続/
切断を示すリンクステータス信号に基づいて伝送路39
b,39cを切り替えるようになっている。また、MA
Cレイヤ処理部7は、物理レイヤ処理部2およびスイッ
チングルーティング部6aのIPパケットをデータリン
ク層(規格:IEEE802.3/IEEE802.
2)において終端する機能をもつ。スイッチング/ルー
ティング部6aはIPアドレスによりIPパケットを転
送する機能を有する。
【0206】また、MACレイヤ終端部16は、MAC
レイヤ処理部の機能と、Kパケットおよび通常パケット
をUDPデータから識別する機能と、IPパケットおよ
び回線の選択機能(WK又はPT)と、同一IPパケッ
トの分配機能とが存在する。従って、1ギガビットおよ
び10ギガビットイーサーネットカードが、パケットデ
ータおよび情報データと同一データを含む冗長パケット
データを終端する終端部をそなえて構成されたことにな
る。
【0207】Kパケットの識別処理において、受信した
IPパケットがKパケットならば、Kパケット処理・選
択部16cで処理され、その他のIPパケットであるな
らば、スイッチング/ルーティング部6aで処理され
る。以下、これらのユニットについて個別に説明する。 (9−1−1)MACレイヤ終端部16 MACレイヤ終端部16においては、IPパケットから
IPアドレスなどの情報が取り込まれ、取り込まれたI
Pアドレスが自伝送装置でない場合(Kパケットの可能
性ではない場合)は、そのIPパケットはスイッチング
/ルーティング部6aに転送される。
【0208】このMACレイヤ終端物16は、分配部
(DIS)16aと、選択部(SEL:Distribution)
16bと、Kパケット処理・選択部16cと、検出部1
6dとをそなえて構成されている。ここで、分配部16
aはスイッチング/ルーティング部6aから入力される
IPパケットを、物理レイヤ終端部17の以下に述べる
トランシーバー17a,17bに出力する。
【0209】また、選択部16bは、Kパケット処理機
能とIPパケットの選択機能とを有し、物理レイヤ終端
部17から入力されるIPパケットをWK又はPTのう
ちの一方を選択して、スイッチング/ルーティング部6
aに出力するものであり、検出部16dとKパケット処
理・選択部16cとを有する。この検出部16dは、物
理レイヤ終端部17からのリンクステータス信号(リン
クステータス)に基づいて、伝送障害を検出するもので
ある。
【0210】そして、Kパケット処理部16cは、IP
パケットの種別がKパケットか通常パケットかを判定
し、Kパケットであるならば、マネージメント用か制御
用かをチェックし、制御用であるならば、K1バイト,
K2バイトおよびXフラグをチェックし、WKとPTと
を切り替える。また、マネージメント用の場合は、送信
制御権,プライオリティおよびMACアドレスをチェッ
クして、Kパケットの送信制御権を決定する。そのKパ
ケットのレスポンスは、プロセッサ36で計算され分配
部(DIS)16aに出力される。
【0211】このKパケット処理・選択部16cにおけ
るIPパケットの選択機能とは、トランシーバー17
a,17bからそれぞれ入力されるIPパケットのうち
のWK又はPTの一方を選択してその選択したIPパケ
ットを、スイッチング/ルーティング部6aに入力する
ことである。その切り替え信号は、プロセッサ36から
入力されるようになっている。
【0212】これにより、WK又はPTの切り替え要求
が発生したときに、伝送路をすぐに切り替えられるの
で、データの欠落がなく高品質なデータを送受信でき
る。 (9−1−2)物理レイヤ終端部17 物理レイヤ終端部17は、MACレイヤフォーマットの
IPパケットをパケット伝送路39b,39cに出力す
るとともに、パケット伝送路39b,39cから入力さ
れたIPパケットを受信する機能をもつトランシーバー
17a,17bを有する。トランシーバー17a,17
bは、分配部16aからのIPパケットをパケット伝送
路39b,39cに出力するとともに、パケット伝送路
39b,39cからのIPパケットを受信しそのIPパ
ケットをMACレイヤ終端部16に入力するものであ
る。
【0213】このように、APSアダプタ15は、SO
NET/SDH伝送装置30との間の1ギガビットおよ
び10ギガビットイーサーネットのインターフェース機
能と、WK又はPTの切り替え機能とを有し、これによ
り、回線の冗長機能が実現できる。従って、APSアダ
プタ15は、パケット伝送路39b,39cを介して、
SONET/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10
ギガビットイーサーネット搭載)30と接続されるの
で、1ギガビットおよび10ギガビットイーサネットを
用いた1+1構成の切り替えが可能になる。
【0214】また、既存のIPルータとAPSアダプタ
15とを接続することにより、APSアダプタ15とS
ONET/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10ギ
ガビットイーサーネット搭載)30との間の冗長構成が
可能となり、IPルータ203とSONET/SDH伝
送装置(1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネ
ット搭載)30との間のネットワークにおいて信頼度が
向上する。
【0215】(10)SONET/SDH伝送装置(1
ギガビットおよび10ギガビットイーサーネット搭載)
30 図26は本発明の第2実施形態に係るSONET/SD
H伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビットイーサ
ーネット搭載)30の概略的なブロック図である。この
図26に示すSONET/SDH伝送装置(1ギガビッ
トおよび10ギガビットイーサーネット搭載)30は、
上述した高速ラインプロテクション機能に加えて、SO
NET/SDH方式により多重・分離するアド・ドロッ
プ機能を有する。そして、SONET/SDH伝送装置
(1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネット搭
載)30は、例えば40ギガビットのOC−768,
2.5ギガビットのOC−48,10ギガビットのOC
−192などをサポートしている。また、1ギガビット
および10ギガビットイーサーネットの機能もサポート
している。なお、図26に示す小さな四角形はポートを
意味し、実線は光ファイバーを意味する。1ギガビット
および10ギガビットイーサーネットカードの機能は第
1実施形態にて説明した内容と同等である。
【0216】このSONET/SDH伝送装置(1ギガ
ビットおよび10ギガビットイーサーネット搭載)30
は、例えば、管理ユニット(Mgmt)30gと、一対
の1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットカ
ード30a,30hと、SONET・OC−48IFユ
ニット(IF:中継光信号送受信部)30bと、SON
ET・OC−192IFユニット(IF:中継光信号送
受信部)30cと、SONET・アド・ドロップ多重モ
ジュール(ADM:パス多重/分離部)30dと、SO
NET・OC−768受信モジュール(OR:高速光信
号受信部。OC−768受信モジュール)30eと、S
ONET・OC−768送信モジュール(OS:高速光
信号送信部。OC−768送信モジュール)30fとを
そなえて構成されている。
【0217】(10−1)管理ユニット30g 管理ユニット30gは、SONET/SDH伝送装置
(1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネット搭
載)30の全モジュールを管理又は制御する機能と同様
である。 (10−2)1ギガビットおよび10ギガビットイーサ
ーネットカード30a,30h 1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットカー
ド30a,30hは、いずれも、第1実施形態で説明し
た機能を有する。
【0218】また、例えば、1ギガビットおよび10ギ
ガビットイーサーネットカード30aはPTであり、1
ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットカード
30hはWKであり、このPT又はWKは、管理ユニッ
ト30gによって、切り替えられるようになっている。
図27は本発明の第2実施形態に係るSONET/SD
H伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビットイーサ
ーネットカード搭載)30の1ギガビットおよび10ギ
ガビットイーサーネットカード30a,30hの概略的
なブロック図である。この図27に示すSONET/S
DH伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビットイー
サーネットカード搭載)30は、一対の1ギガビットお
よび10ギガビットイーサーネットカード30a,30
hと、Xフラグ通知部9と、管理ユニット30gと、パ
ス多重/分離部30dとをそなえて構成されている。そ
して、管理ユニット30gが、Kバイトに基づいて、こ
の一対の1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネ
ットカード30a,30hのうちの一方をWKとし他方
をPTとするようになっている。この図27に示すもの
で上述したものと同一の符号を有するものは同一のもの
を表す。具体的な動作は第1実施形態と同様である。
【0219】さらに、図23に示すIPルータ203と
SONET/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10
ギガビットイーサーネットカード搭載)30において、
SONET/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10
ギガビットイーサーネットカード搭載)30から出力さ
れたWKおよびPTの信号が、APSアダプタ15に入
力され、このAPSアダプタ15にて選択された一方の
IPパケットが、IPルータ203に転送されルーティ
ング処理されて、IP網204に送信される。
【0220】また、IP網204からのIPパケット
は、IPルータ203のポート203bからAPSアダ
プタ15に入力され、このAPSアダプタ15にて分配
されて、パケット伝送路39b,39cに入力される。
そして、SONET/SDH伝送装置(1ギガビットお
よび10ギガビットイーサーネットカード搭載)30に
て、POS処理され、SONET/SDH網102に出
力されるのである。
【0221】このように、APSおよびMPSを応用し
た1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットの
冗長回線を設けることにより、回線障害などの迅速な救
済ができ、且つ信頼性の高い伝送サービスを提供でき
る。従って、IP網204のように元来高速切り替えを
できない網が、高速切り替えと高速障害復旧とが可能に
なる。
【0222】また、このようにして、既存のIPルータ
203に、APSアダプタ15を外付けして組み合わせ
ることができるので、システムが容易に拡張され、且つ
利便性に優れたものを構築できる。ところで、第2実施
形態に示す構成は、種々、変形することもできる。以
下、図28〜図30を用いて、第1変形例(B1),第
2変形例(B2)および第3変形例(B3)について説
明する。なお、各変形例における伝送システムは、特に
断らない限り、図23に示す伝送システム100aおよ
び図1の伝送システム100と同様である。また、図2
8〜図30において、上述したものと同一の符号を有す
るものは同一のものを表す。
【0223】(B1)回線冗長機能を1枚のラインカー
ドにより実現する例 図28は本発明の第2実施形態の第1変形例に係る冗長
構成を有する伝送システム100aの概略的な構成図で
ある。この図28に示すIPルータ40は、このカード
の基本的な機能は第1実施形態にて説明した機能と同様
である。IPルータ40は、ルーティング機能と、1ギ
ガビットおよび10ギガビットイーサーネットの回線冗
長機能との両方を有し、1枚の1ギガビットおよび10
ギガビットイーサーネットカード40bを介して回線冗
長を可能にすることができる。
【0224】1ギガビットおよび10ギガビットイーサ
ーネットカード40bは、SEL機能とDIS機能とを
有し、伝送障害時における伝送路切り替えによって回線
を救済するようになっている。このような構成によっ
て、正常時には、1ギガビットおよび10ギガビットイ
ーサーネットカード40bは、ポート45a,45bを
介して、パケット伝送路39b,39cに、それぞれ、
WK,PTとしてIPパケットを送受信する。
【0225】(B2)回線冗長機能を2枚のギガビット
および10ギガビットイーサーネットカードにより実現
する例 第1変形例にて説明した1ギガビットインターフェース
(イーサーネットカード)および10ギガビットインタ
ーフェース(イーサーネットカード)は、パケット伝送
路39b,39cごと(WK,PTごと)に、それぞ
れ、1基づつ設けるようにもできる。
【0226】図29は本発明の第2実施形態の第2変形
例に係る冗長システムの概略的な構成図である。この図
29に示す構成は、ルーティング機能とAPSアダプタ
機能との両方の機能を有するIPルータ41と、SON
ET/SDH伝送装置(1ギガビットおよび10ギガビ
ットイーサーネットカード)30とをそなえて構成され
ている。
【0227】ここで、1ギガビットおよび10ギガビッ
トイーサーネットカード40c,40dは、いずれも、
IPルータ41の1ギガビットイーサーネットカードが
有する機能と、回線冗長機能とをともに設けている。ま
た、1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネット
カード40c,40dは、それぞれ、同一のIPアドレ
スを保持するポート45a,45bを有する。
【0228】このような構成によって、正常時には、1
ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットカード
40c,40dは、それぞれ、PT,WKとして動作す
る。また、例えばWKにおいて障害が発生すると、1ギ
ガビットおよび10ギガビットイーサーネットカード4
0c側の回線が選択される。このように、第2変形例に
おいては、1ギガビットおよび10ギガビットイーサー
ネットカードが個別に設けられ、第2実施形態における
効果に加えて、IPルータ41が回線冗長の機能とIP
ルータ20の機能とを発揮できる。
【0229】(B3)1:1構成の伝送を、1:N構成
にした伝送例 図30は本発明の第2実施形態の第3変形例に係る冗長
構成を有する伝送システムの概略的な構成図である。こ
の図30に示すパケット伝送路39bは例えば3対設け
られ、IPルータ41aとSONET/SDH伝送装置
(1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネットカ
ード)30との間において、高速・大容量のIPパケッ
トを伝送できるようになっている。ここで、IPルータ
41aは、第2変形例のIPルータ41と同様な機能を
有し、IP網204と接続される1ギガビットおよび1
0ギガビットイーサーネットカード40aをそなえるほ
かに、SONET/SDH伝送装置(1ギガビットおよ
び10ギガビットイーサーネットカード)30と冗長構
成する1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネッ
トカード40c,40eとをそなえて構成されている。
これらの1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネ
ットカード40c,40eをGbE−APSカードと称
すると、GbE−APSカード40e,40cは、AP
Sアダプタ15が有する機能を有し、WKとしてのポー
ト45c,45d,45eと、PTとしてのポート45
aとをそなえて構成されている。これらのポート45
c,45d,45eは、それぞれ、例えばWKとして運
用されており、1本の伝送でも障害が発生したときに、
その障害が発生した1本をPTに切り替えられるように
なっている。
【0230】また、SONET/SDH伝送装置(1ギ
ガビットおよび10ギガビットイーサーネットカード)
30内の1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネ
ットカード30hは、1ギガビットおよび10ギガビッ
トイーサーネットカード30h(図27など参照)とほ
ぼ同様の機能を有し、3個のポート13を有する。これ
らのポート13は、それぞれ、パケット伝送路39bと
接続されるようになっている。
【0231】このような構成により、例えばWKのパケ
ット伝送路39bに障害が発生すると、このWKのデー
タは、パケット伝送路39cのPTにより伝送される。
また、この切り替えは、上述したKパケットを用いて制
御される。このように、伝送路の構成を1:Nの場合に
おいても、伝送路切り替えが可能となり、伝送データの
量が増加したときにおいても、容易に信号伝送に対応で
きて、質の高いサービスを提供できる。
【0232】(C)その他 本発明は上述した実施態様およびその変形例に限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種
々変形して実施することができる。各実施形態および各
変形例における検出手法又は制御手法を組み合わせて実
施することが可能である。それらの組み合わせが異なる
ことにより、本発明の優位性が損なわれるものではな
い。
【0233】WK又はPTと、各ユニットとの対応は、
一例であって、その対応以外の切り替えも可能である。
なお、冗長切替部1aは、伝送信号が送信されないパケ
ットギャップ期間に、Kパケットを送信するように構成
されてもよく、このようにすれば、高速なライン切り替
えが可能となり、網における切り替えの安定性が向上す
る。
【0234】また、伝送システム100,100aが伝
送するパケットは、IPパケットのほかに、情報データ
が同一でヘッダ部分が異なるパケットを用いることもで
きる。このヘッダ部分が異なるパケットとは、例えば伝
送フォーマットを変更されたデータパケットを意味し、
この場合、上記の各ユニットにおけるフォーマット処理
は種々変更されて実施可能である。
【0235】(D)付記 (付記1) パケット化された伝送信号を送受信する伝
送システムを構成する各伝送装置において、複数の伝送
路からなる冗長伝送線路と、該伝送路についての伝送切
替制御情報を表す特定バイトデータを生成し、生成した
信号をパケット化してパケットを出力する生成部と、該
生成部から出力された該パケットを、該伝送路を介して
対向して設けられた対向伝送装置に対して送信する送信
部と、該対向伝送装置からのパケット化された特定バイ
トデータの受信状況に応じて、情報データを含む伝送信
号が伝送する伝送路を選択的に切り替え可能な冗長切替
部とをそなえて構成されたことを特徴とする、伝送装
置。
【0236】(付記2) 同期光通信網/同期ディジタ
ルハイアラーキ(Synchronous Optical Network/Synchr
onous Digital Hierarchy:以下、SONET/SDH
と称する。)網における伝送切替制御情報の送受信機能
を有するとともにインターネットプロトコル(Internet
Protocol:以下、IPと称する。)網に接続されパケ
ットデータを送受信する伝送システムを構成する各SO
NET/SDH伝送装置において、IP網に接続され複
数の伝送路からなる冗長伝送線路と、該冗長伝送線路に
ついての伝送切替制御情報を表す特定バイトデータを生
成し、生成した信号をパケット化してパケットを出力す
る生成部と、該生成部から出力された該パケットを、該
伝送路を介して対向して設けられた対向伝送装置に対し
て送信する送信部と、該対向伝送装置からのパケット化
された特定バイトデータの受信状況に応じて、情報デー
タを含む伝送信号が伝送する伝送路を選択的に切り替え
可能な冗長切替部とをそなえて構成されたことを特徴と
する、SONET/SDH伝送装置。
【0237】(付記3) SONET/SDH網におけ
る障害情報に基づいて、該伝送切替制御情報を生成し、
生成した信号をパケット化し、IP網側へ伝送する手段
を有することを特徴とする、付記2記載のSONET/
SDH伝送装置。 (付記4) IP網に設けられIPパケットのルーティ
ング機能とパケットデータの送受信機能とを有し、且
つ、SONET/SDH伝送装置を介してSONET/
SDH網に接続された、伝送装置において、パケットデ
ータが伝送する複数の伝送路からなる冗長伝送線路と、
SONET/SDH伝送装置とのそれぞれに接続された
インターフェース部を有し、該インターフェース部が、
該伝送路についての伝送切替制御情報を表す特定バイト
データを生成し、生成した伝送信号をパケット化してパ
ケットを出力する生成部と、該生成部から出力されたデ
ータであって、伝送すべき情報データを含む第1パケッ
トデータと、生成された場合における該パケット化され
た第1特定バイトデータとを、該伝送路を介して対向し
て設けられたSONET/SDH伝送装置に対して送信
する送信部と、該SONET/SDH伝送装置からのパ
ケット化された第2特定バイトデータの受信状況に応じ
て、情報データを含む第2パケットデータを伝送する伝
送路を選択的に切り替え可能な冗長切替部とをそなえて
構成されたことを特徴とする、伝送装置。
【0238】(付記5) 該生成部が、該特定バイトデ
ータを含む特定パケットの送信制御権を決定するための
管理用データと、該対向伝送装置に対し該伝送路を切り
替える処理の開始/停止を操作するための制御用データ
とのうちの少なくとも一方を生成するように構成された
ことを特徴とする、付記1又は付記4記載の伝送装置。
【0239】(付記6) 該生成部が、該特定バイトデ
ータを含む特定パケットの送信制御権を決定するための
管理用データを、該伝送信号に挿入してパケット化する
ように構成されたことを特徴とする、付記1又は付記5
記載の伝送装置。 (付記7) 該生成部が、特定パケットを優先的に送信
しうる優先伝送装置の優先順位に関するデータを、該伝
送信号に挿入してパケット化するように構成されたこと
を特徴とする、付記1又は付記5記載の伝送装置。
【0240】(付記8) 該生成部が、該対向伝送装置
に対して該特定パケットの処理の開始/停止に関するデ
ータを、該伝送信号に挿入してパケット化するように構
成されたことを特徴とする、付記1又は付記5記載の伝
送装置。 (付記9) 該生成部が、特定パケットを、再送制御さ
れないプロトコルを用いて生成するように構成されたこ
とを特徴とする、付記1又は付記4記載の伝送装置。
【0241】(付記10) 該生成部が、該パケット化
された伝送信号の宛先に基づいて自伝送装置宛ての特定
パケットであるときは、該特定パケットをフォーマット
処理することを特徴とする、付記1又は付記4記載の伝
送装置。 (付記11) 該インターフェース部が、該パケットデ
ータおよび該情報データと同一データを含む冗長パケッ
トデータを終端する終端部をそなえて構成されたことを
特徴とする、付記1又は付記4記載の伝送装置。
【0242】(付記12) 該終端部が、所定の時間間
隔で、回線の接続/切断を示すリンクステータス信号を
出力し、該伝送路を切り替えるように構成されたことを
特徴とする、付記1又は付記11記載の伝送装置。 (付記13) パケットデータが伝送する複数の伝送路
からなる冗長伝送線路と、SONET/SDH伝送装置
とのそれぞれに接続されたインターフェース部が、該S
ONET/SDH網における障害情報の発生を通知する
フラグデータを該生成部に通知するフラグデータ通知部
をそなえ、該生成部が、該フラグデータと、該特定バイ
トデータに含まれる障害情報とに基づいて、該パケット
化をするように構成されたことを特徴とする、付記1,
付記4〜付記12のいずれか一に記載の伝送装置。
【0243】(付記14) 該冗長切替部が、該伝送信
号が送信されないパケットギャップ期間に、該特定パケ
ットを送信するように構成されたことを特徴とする、付
記1,付記4〜付記12のいずれか一に記載の伝送装
置。 (付記15) パケット化された伝送信号を送受信可能
な伝送装置を有する伝送システムにおいて、該伝送信号
と、該伝送信号に含まれる情報データと同一データを含
む冗長伝送信号とが伝送する複数の伝送路をそなえ、各
伝送装置が、該伝送路についての伝送切替制御情報を表
す特定バイトデータを生成し、生成した信号をパケット
化してパケットを出力する生成部と、該生成部から出力
された該パケットを、該伝送路を介して対向して設けら
れた対向伝送装置に対して送信する送信部と、該対向伝
送装置からのパケット化された特定バイトデータの受信
状況に応じて、情報データを含む伝送信号が伝送する伝
送路を選択的に切り替え可能な冗長切替部とをそなえて
構成されたことを特徴とする、伝送システム。
【0244】(付記16) 各伝送装置が、該対向伝送
装置と、ポイント・トゥ・ポイント接続されたことを特
徴とする、付記15記載の伝送システム。 (付記17) 各伝送装置が、IP網に接続され該伝送
路についての伝送切替制御情報を含む特定パケットを転
送しうる転送装置として構成されたことを特徴とする、
付記15記載の伝送システム。
【0245】(付記18) 各伝送装置が、該特定パケ
ットを用いることにより、WKとPTとを切り替えする
自動保護スイッチアダプタ機能をそなえて構成されたこ
とを特徴とする、付記17記載の伝送システム。 (付記19) 各伝送装置が、該特定バイトデータを含
む特定パケットの送信制御権と、特定パケットを優先的
に送信しうる優先伝送装置の優先順位に関するデータと
を付与されたことを特徴とする、付記15記載の伝送シ
ステム。
【0246】(付記20) 各伝送装置が、パケットデ
ータが伝送する複数の伝送路からなる冗長伝送線路と、
該SONET/SDH伝送装置とのそれぞれに接続され
たインターフェース部を有し、該インターフェース部
が、該冗長切替部から出力された情報データを多重化し
て多重化光信号をSONET/SDH網に出力するとと
もに、SONET/SDH網からの多重化光信号を分離
して情報データを出力する多重/分離部をそなえて構成
されたことを特徴とする、付記15記載の伝送システ
ム。
【0247】(付記21) 各伝送装置の間が、1+1
構成又は1:N(Nは2以上の自然数を表す。)構成で
接続されるように構成されたことを特徴とする、付記1
5記載の伝送システム。
【0248】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の伝送装置
(請求項1,4),SONET/SDH伝送装置(請求
項2,3)および伝送システム(請求項5)によれば、
以下に述べるような効果ないしは利点がある。 (1)本発明の伝送装置によれば、パケット化された伝
送信号を送受信する伝送システムを構成する各伝送装置
において、複数の伝送路からなる冗長伝送線路と、伝送
路についての伝送切替制御情報を表す特定バイトデータ
を生成し、生成した信号をパケット化してパケットを出
力する生成部と、生成部から出力されたパケットを、伝
送路を介して対向して設けられた対向伝送装置に対して
送信する送信部と、対向伝送装置からのパケット化され
た特定バイトデータの受信状況に応じて、情報データを
含む伝送信号が伝送する伝送路を選択的に切り替え可能
な冗長切替部とをそなえて構成されているので、WKが
ダウンした時にPTに切り替えることにより、伝送路故
障および伝送装置故障によるパケットロスを最小にでき
る。これにより、網の安定運用が可能となり、また、保
守時に、通信断とせずに点検可能になる(請求項1)。
【0249】(2)本発明のSONET/SDH伝送装
置によれば、SONET/SDH網における伝送切替制
御情報の送受信機能を有するとともにIP網に接続され
パケットデータを送受信する伝送システムを構成する各
SONET/SDH伝送装置において、IP網に接続さ
れ複数の伝送路からなる冗長伝送線路と、冗長伝送線路
についての伝送切替制御情報を表す特定バイトデータを
生成し、生成した信号をパケット化してパケットを出力
する生成部と、生成部から出力されたパケットを、伝送
路を介して対向して設けられた対向伝送装置に対して送
信する送信部と、対向伝送装置からのパケット化された
特定バイトデータの受信状況に応じて、情報データを含
む伝送信号が伝送する伝送路を選択的に切り替え可能な
冗長切替部とをそなえて構成されているので、例えばI
Pルータ側がSONET/SDH網の状態を通知され、
障害時の早期検出が可能となる(請求項2)。
【0250】(3)上記SONET/SDH網における
障害情報に基づいて、伝送切替制御情報を生成し、生成
した信号をパケット化し、IP網側へ伝送する手段を有
することもでき、このようにすれば、やはり、網の安定
運用と保守時の通信断状態を不要とした点検可能とが可
能となる(請求項3)。 (4)本発明の伝送装置によれば、IP網に設けられI
Pパケットのルーティング機能とパケットデータの送受
信機能とを有し、且つ、SONET/SDH伝送装置を
介してSONET/SDH網に接続された、伝送装置に
おいて、パケットデータが伝送する複数の伝送路からな
る冗長伝送線路と、SONET/SDH伝送装置とのそ
れぞれに接続されたインターフェース部を有し、インタ
ーフェース部が、伝送路についての伝送切替制御情報を
表す特定バイトデータを生成し、生成した伝送信号をパ
ケット化してパケットを出力する生成部と、生成部から
出力されたデータであって、伝送すべき情報データを含
む第1パケットデータと、生成された場合におけるパケ
ット化された第1特定バイトデータとを、伝送路を介し
て対向して設けられたSONET/SDH伝送装置に対
して送信する送信部と、SONET/SDH伝送装置か
らのパケット化された第2特定バイトデータの受信状況
に応じて、情報データを含む第2パケットデータを伝送
する伝送路を選択的に切り替え可能な冗長切替部とをそ
なえて構成されているので、回線の異常を早期に検出す
ることができ、回線切り替えを早急に実施できる(請求
項4)。
【0251】(5)本発明の伝送システムによれば、パ
ケット化された伝送信号を送受信可能な伝送装置を有す
る伝送システムにおいて、伝送信号と、伝送信号に含ま
れる情報データと同一データを含む冗長伝送信号とが伝
送する複数の伝送路をそなえ、各伝送装置が、伝送路に
ついての伝送切替制御情報を表す特定バイトデータを生
成し、生成した信号をパケット化してパケットを出力す
る生成部と、生成部から出力されたパケットを、伝送路
を介して対向して設けられた対向伝送装置に対して送信
する送信部と、対向伝送装置からのパケット化された特
定バイトデータの受信状況に応じて、情報データを含む
伝送信号が伝送する伝送路を選択的に切り替え可能な冗
長切替部とをそなえて構成されているので、転送装置か
らの特定パケットを対向する伝送装置に転送し、複数の
伝送路から入力された複数の特定パケットから所望の特
定パケットを選択することにより、現用系および予備系
の回線を切り替えられる(請求項5)。
【0252】(6)生成部が、特定バイトデータを含む
特定パケットの送信制御権を決定するための管理用デー
タと、対向伝送装置に対し伝送路を切り替える処理の開
始/停止を操作するための制御用データとを生成するよ
うに構成されてもよく、このようにすれば、ラインプロ
テクションをサポートした伝送装置間において処理の競
合が避けられる。
【0253】(7)生成部が、特定バイトデータを含む
特定パケットの送信制御権を決定するための管理用デー
タを、伝送信号に挿入してパケット化するように構成さ
れてもよく、このようにすれば、競合が防止される。 (8)生成部が、管理用データを、伝送信号に挿入して
パケット化したり、特定パケットを優先的に送信しうる
優先伝送装置の順位に関するデータを、伝送信号に挿入
してパケット化するように構成されてもよく、このよう
にすれば、ラインプロテクションをサポートした伝送装
置間において処理の競合が避けられる。
【0254】(9)生成部が、複数の伝送路を介して対
向して設けられた対向伝送装置に対して特定パケットの
処理の開始/停止に関するデータを、伝送信号に挿入し
てパケット化するように構成されてもよく、このように
すれば、1基の転送装置によって対向する転送装置を集
中的に管理できる。 (10)生成部が、特定パケットを、再送制御されない
プロトコルを用いて生成するように構成されてもよく、
このようにすれば、処理の迅速化が図れる。
【0255】(11)冗長切替部が、伝送信号が送信さ
れないパケットギャップ期間に、特定パケットを送信す
るように構成されてもよく、このようにすれば、高速な
ライン切り替えが可能となり、網における切り替えの安
定性が向上する。 (12)インターフェース部が、パケットデータおよび
情報データと同一データを含む冗長パケットデータを終
端する終端部をそなえて構成されてもよく、このように
すれば、回路規模を小型化できる。
【0256】(13)パケットデータが伝送する複数の
伝送路からなる冗長伝送線路と、SONET/SDH伝
送装置とのそれぞれに接続されたインターフェース部
が、該SONET/SDH網における障害情報の発生を
通知するフラグデータを該生成部に通知するフラグデー
タ通知部をそなえ、生成部が、フラグデータと、該特定
バイトデータに含まれる障害情報とに基づいて、該パケ
ット化をするように構成されてもよく、このようにすれ
ば、例えばK1,K2バイトを用いたチェックにより、
障害が発生していると判断された場合、特定パケットと
して対向するIPルータに通知可能となる。
【0257】(14)冗長切替部が、伝送信号が送信さ
れないパケットギャップ期間に、該特定パケットを送信
するように構成されてもよく、このようにすれば、送信
側が所定の時間間隔を置いて送信できる。 (15)各伝送装置が、複数の伝送路を介して対向して
設けられた対向伝送装置と、ポイント・トゥ・ポイント
接続されたり、IP網に接続され伝送切替制御情報を含
む特定パケットを転送しうる転送装置として構成されて
もよく、このようにすれば、ラインプロテクションが増
加し、網においてより安定性が増加する。
【0258】(16)特定パケットを用いることによ
り、現用系と予備系とを切り替えする自動保護スイッチ
アダプタ機能をそなえて構成されてもよく、ユーザは、
例えば、予め構築したIPルータをそのまま用いること
ができ、そのIPルータとそのIPルータに対向する対
向伝送装置との間において、ラインプロテクション構成
で運用できる。
【0259】(17)インターフェース部が、該冗長切
替部から出力された情報データを多重化して多重化光信
号をSONET/SDH網に出力するとともに、SON
ET/SDH網からの多重化光信号を分離して情報デー
タを出力する多重/分離部をそなえて構成されてもよ
く、このようにすれば、例えばPacket Over
SONETをギガビットイーサーネット上において冗長
構成ができる。
【0260】(18)各伝送装置の間が、1+1構成又
は1:N(Nは2以上の自然数を表す。)構成で接続さ
れるように構成されてもよく、このようにすれば、アド
・ドロップが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る伝送システムの構
成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るSONET/SD
H網の概略的な構成図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るSONET/SD
H伝送装置とIPルータとの間のラインプロテクション
の構成を説明するための図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るIPルータの概略
的なブロック図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るSONET/SD
H伝送装置の概略的なブロック図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る特定パケット処理
部を説明するための図である。
【図7】(a)は1+1構成を説明するための図であ
り、(b)は1:N構成を説明するための図である。
【図8】(a)は差動ツイストペアケーブル伝送路の模
式図であり、(b)は光伝送路の模式図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係るKパケットのフォ
ーマット例を示す図である。
【図10】本発明の第1実施形態に係るKパケットヘッ
ダの使用例を示す図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係るマネージメント
フラグの設定値の一例を示す図である。
【図12】本発明の第1実施形態に係る現用系の回線断
時の処理を説明するための図である。
【図13】本発明の第1実施形態に係るIPルータとS
ONET/SDH伝送装置との間におけるシーケンスの
一例を示す図である。
【図14】本発明の第1実施形態に係るSONET/S
DH網の障害発生時のSONET/SDH伝送装置の処
理の一例を説明するための図である。
【図15】本発明の第1実施形態に係るSONET/S
DH網の障害発生時のIPルータ側の処理を説明するた
めの図である。
【図16】(a),(b)はいずれも本発明の第1実施
形態に係るIPルータのルーティングテーブルの書き込
み内容の一例を示す図である。
【図17】本発明の第1実施形態に係る送信制御権の設
定方法を説明するための図である。
【図18】本発明の第1実施形態に係るKパケットの送
信権決定を説明するためのシーケンスを示す図である。
【図19】本発明の第1実施形態に係るKパケット処理
を説明するためのフローチャートである。
【図20】本発明の第1実施形態に係るKパケット処理
を説明するためのフローチャートである。
【図21】本発明の第1実施形態に係るKパケットの送
信処理を説明するためのフローチャートである。
【図22】本発明を適用したIP網と従来のIP網との
相違点を説明するための図である。
【図23】本発明の第2実施形態に係る伝送システムの
構成図である。
【図24】本発明の第2実施形態に係る冗長構成を有す
る伝送システムの概略的な構成図である。
【図25】本発明の第2実施形態に係るAPSアダプタ
のブロック図である。
【図26】本発明の第2実施形態に係るSONET/S
DH伝送装置の概略的なブロック図である。
【図27】本発明の第2実施形態に係るSONET/S
DH伝送装置のラインカードの概略的なブロック図であ
る。
【図28】本発明の第2実施形態の第1変形例に係る冗
長構成を有する伝送システムの概略的な構成図である。
【図29】本発明の第2実施形態の第2変形例に係る冗
長構成を有する伝送システムの概略的な構成図である。
【図30】本発明の第2実施形態の第3変形例に係る冗
長構成を有する伝送システムの概略的な構成図である。
【図31】冗長構成を有する伝送システムの一例を示す
図である。
【図32】リング型の網の構成例を示す図である。
【図33】SRPパケットのフォーマットを示す図であ
る。
【図34】障害発生時のSRPリングにおける伝送を説
明するための図である。
【図35】通常時のVRRPを説明するための図であ
る。
【図36】障害発生時のVRRPを説明するための図で
ある。
【図37】SONET/SDH方式を用いた1+1AP
S構成を説明するための図である。
【図38】(a)はK1バイトのフォーマット例を示す
図であり、(b)はK2バイトのフォーマット例を示す
図である。
【図39】SONET/SDH伝送装置(POS機能付
き)を説明するための図である。
【図40】(a)〜(d)はそれぞれリンクステータス
信号のフォーマット例を説明するための図である。
【図41】伝送路が1本のときのルータの正常動作を説
明するための図である。
【図42】(a)〜(c)はそれぞれ伝送路が1本のと
きの正常動作時におけるルーティングテーブルの一例を
示す図であり、(d)〜(f)は伝送路障害発生時のル
ーティングテーブルの一例を示す図である。
【図43】伝送路が1本のときのルータに障害発生時の
動作を説明するための図である。
【図44】伝送路が3本のときのルータの動作を説明す
るための図である。
【符号の説明】
1,30,300,230a,230b,231,40
0,500 SONET/SDH伝送装置(1ギガビッ
トおよび10ギガビットイーサーネット搭載) 1a SONET/SDHカード 1b,1c,30a,30h SONET/SDH伝送
装置の1ギガビットおよび10ギガビットイーサーネッ
トカード(POS搭載) 2,33a,33b 物理レイヤ処理部 3 POS処理部 4 SONET多重/分離部 4a 冗長切替部 5,5b,16c,44c 特定パケット処理部 16a,44a 分配部 5b Kパケット生成部 16b,16d,44b 選択部 5a,44d検出部 6a,35 スイッチング/ルーティング部 7,44 MACレイヤ処理部 9 Xフラグ通知部 15 APSアダプタ 16 MACレイヤ終端部 17 物理レイヤ終端部 17a,17b トランシーバー 20,40,41,41a,203 IPルータ(転送
装置) 20a,40a IPルータの1ギガビットおよび10
ギガビットイーサーネットカード 20b,20c,40c,40b,40d,40e I
Pルータの1ギガビットおよび10ギガビットイーサー
ネットカード(冗長ユニット) 11a,11b,12,13,21,21a,22,2
3,45a,45b,203a,203b ポート
(物理ポート) 30b SONET・OC−48IFユニット(中継光
信号送受信部) 30c SONET・OC―192IFユニット(中継
光信号送受信部) 30d SONET・アド・ドロップ多重モジュール
(パス多重/分離部) 30e SONET・OC−768受信モジュール(高
速光信号受信部) 30f SONET・OC−768送信モジュール(高
速光信号送信部) 30g 管理ユニット 36 プロセッサ 38a O/E変換部 38b E/O変換部 39a,39b,39c,39f,47a〜47c,2
41a〜241c,244a〜244c パケット伝送
路(伝送路) 39d,39e,103 光伝送路(伝送路) 44e MACチップ 90,91,92 スイッチ 100,100a,200 伝送システム 102 SONET/SDH網 201 加入者網 204 IP網 205,205a LAN 205b WAN 210 リング型網(SRP網) 211a〜d SRP伝送装置 221 VRRPドメイン 221a,221b VRRPサポートルータ 231
VoIPルータ 231a,231b 1ギガビットおよび10ギガビッ
トイーサーネットカード 231c,231d,250a〜d SONET/SD
Hカード 243,245 IPパケット250e SONETに
おける分配部(DIS) 250f SONETにおける選択部(SEL)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮下 卓也 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 小松 知世子 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 5K028 AA14 BB08 KK32 MM12 QQ01 5K030 GA12 HA08 JL10 LB08 MA04 MB04 MD02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パケット化された伝送信号を送受信する
    伝送システムを構成する各伝送装置において、 複数の伝送路からなる冗長伝送線路と、 該伝送路についての伝送切替制御情報を表す特定バイト
    データを生成し、生成した信号をパケット化してパケッ
    トを出力する生成部と、 該生成部から出力された該パケットを、該伝送路を介し
    て対向して設けられた対向伝送装置に対して送信する送
    信部と、 該対向伝送装置からのパケット化された特定バイトデー
    タの受信状況に応じて、情報データを含む伝送信号が伝
    送する伝送路を選択的に切り替え可能な冗長切替部とを
    そなえて構成されたことを特徴とする、伝送装置。
  2. 【請求項2】 同期光通信網/同期ディジタルハイアラ
    ーキ(SynchronousOptical Network/Synchronous Digit
    al Hierarchy:以下、SONET/SDHと称する。)
    網における伝送切替制御情報の送受信機能を有するとと
    もにインターネットプロトコル(Internet Protocol:
    以下、IPと称する。)網に接続されパケットデータを
    送受信する伝送システムを構成する各SONET/SD
    H伝送装置において、 IP網に接続され複数の伝送路からなる冗長伝送線路
    と、 該冗長伝送線路についての伝送切替制御情報を表す特定
    バイトデータを生成し、生成した信号をパケット化して
    パケットを出力する生成部と、 該生成部から出力された該パケットを、該伝送路を介し
    て対向して設けられた対向伝送装置に対して送信する送
    信部と、 該対向伝送装置からのパケット化された特定バイトデー
    タの受信状況に応じて、情報データを含む伝送信号が伝
    送する伝送路を選択的に切り替え可能な冗長切替部とを
    そなえて構成されたことを特徴とする、SONET/S
    DH伝送装置。
  3. 【請求項3】 SONET/SDH網における障害情報
    に基づいて、該伝送切替制御情報を生成し、生成した信
    号をパケット化し、IP網側へ伝送する手段を有するこ
    とを特徴とする、請求項2記載のSONET/SDH伝
    送装置。
  4. 【請求項4】 IP網に設けられIPパケットのルーテ
    ィング機能とパケットデータの送受信機能とを有し、且
    つ、SONET/SDH装置を介してSONET/SD
    H網に接続された、伝送装置において、 パケットデータが伝送する複数の伝送路からなる冗長伝
    送線路と、SONET/SDH伝送装置とのそれぞれに
    接続されたインターフェース部を有し、 該インターフェース部が、 該伝送路についての伝送切替制御情報を表す特定バイト
    データを生成し、生成した伝送信号をパケット化してパ
    ケットを出力する生成部と、 該生成部から出力されたデータであって、伝送すべき情
    報データを含む第1パケットデータと、生成された場合
    における該パケット化された第1特定バイトデータと
    を、該伝送路を介して対向して設けられたSONET/
    SDH伝送装置に対して送信する送信部と、 該SONET/SDH伝送装置からのパケット化された
    第2特定バイトデータの受信状況に応じて、情報データ
    を含む第2パケットデータを伝送する伝送路を選択的に
    切り替え可能な冗長切替部とをそなえて構成されたこと
    を特徴とする、伝送装置。
  5. 【請求項5】 パケット化された伝送信号を送受信可能
    な伝送装置を有する伝送システムにおいて、 該伝送信号と、該伝送信号に含まれる情報データと同一
    データを含む冗長伝送信号とが伝送する複数の伝送路を
    そなえ、 各伝送装置が、 該伝送路についての伝送切替制御情報を表す特定バイト
    データを生成し、生成した信号をパケット化してパケッ
    トを出力する生成部と、 該生成部から出力された該パケットを、該伝送路を介し
    て対向して設けられた対向伝送装置に対して送信する送
    信部と、 該対向伝送装置からのパケット化された特定バイトデー
    タの受信状況に応じて、情報データを含む伝送信号が伝
    送する伝送路を選択的に切り替え可能な冗長切替部とを
    そなえて構成されたことを特徴とする、伝送システム。
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