JP2003133688A - プリント配線板のリサイクル方法及び処理方法 - Google Patents

プリント配線板のリサイクル方法及び処理方法

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JP2003133688A
JP2003133688A JP2001323339A JP2001323339A JP2003133688A JP 2003133688 A JP2003133688 A JP 2003133688A JP 2001323339 A JP2001323339 A JP 2001323339A JP 2001323339 A JP2001323339 A JP 2001323339A JP 2003133688 A JP2003133688 A JP 2003133688A
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JP
Japan
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substrate
printed wiring
wiring board
component
solder
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Application number
JP2001323339A
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English (en)
Inventor
Masao Kayaba
正男 榧場
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/82Recycling of waste of electrical or electronic equipment [WEEE]

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な方法にて、プリント配線板からの各構
成成分の確実な分離回収を実現するプリント配線板の処
理方法及びリサイクル方法を提供すること。 【解決手段】 基板2を処理液で化学的に溶解して、部
品3がはんだ付けされたままの状態で回路パターン4を
基板2から分離し、部品3がはんだ付けされたままの回
路パターン4を、回路パターン4の構成成分である導体
と、部品3と、はんだとに分離し、それぞれを回収して
再利用し、処理液に基板2が溶解した溶解液を、処理液
(上澄み液)と、基板2の溶解物(樹脂成分)とに分離
し、それぞれを回収して再利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用済みのプリン
ト配線板をそれぞれの構成成分に分離させるプリント配
線板の処理方法、更には、プリント配線板の各構成成分
を無駄なく回収して再利用するプリント配線板のリサイ
クル方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、プリント配線板としては、ガラス
繊維に絶縁樹脂を含浸させて熱硬化させてなる基板に、
導体(銅箔)の回路パターンを形成した構造が、両面プ
リント配線板、多層プリント配線板と広く採用されてい
る。基板材となる樹脂としては熱硬化性樹脂であるエポ
キシ樹脂の硬化物(FR−4材)が主に使われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】エポキシ樹脂は、熱硬
化後は溶融せず、また汎用溶媒には溶解しにくいため、
不要となった使用済みプリント配線板の処理方法として
は、燃やすか埋め立て処理するなどの方法がとられてい
た。
【0004】他方、プリント配線板を破砕して微粉末化
し比重の違い等を利用して各構成成分を分離する技術が
知られている。しかし、この方法では、強固に接着して
いる各構成成分を完全に分離することはできなかった。
従って、従来は、各構成成分のプリント配線板からの分
離回収が困難で、有効なリサイクル方法が確立されてい
なかった。
【0005】本発明は上述の問題に鑑みてなされ、簡単
な方法にて、プリント配線板からの各構成成分の確実な
分離を実現するプリント配線板の処理方法、及び各構成
成分の再利用効率の高い循環サイクルを実現するプリン
ト配線板のリサイクル方法を提供することを課題とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
プリント配線板のリサイクル方法では、基板を処理液で
化学的に溶解して、部品がはんだ付けされたままの状態
で回路パターンを基板から分離し、その部品がはんだ付
けされたままの回路パターンを、回路パターンの構成成
分である導体と、部品と、はんだとに分離し、それぞれ
を回収して再利用し、更に、処理液に基板が溶解した溶
解液を、処理液と、基板の溶解物とに分離し、それぞれ
を回収して再利用する。
【0007】すなわち、プリント配線板において基板を
構成する樹脂材を化学的に溶解させることで、回路パタ
ーン(スルーホールも含む)を構成する導体や、はん
だ、部品、樹脂などを容易に分離回収でき、更にはこれ
ら各構成成分を再利用させて、無駄のない有益なプリン
ト配線板のリサイクルを確立できる。
【0008】本発明の請求項2に係るプリント配線板の
リサイクル方法では、臭素化エポキシ樹脂硬化物でなる
基板を、臭素化エポキシ樹脂硬化物のエーテル結合を開
裂させる触媒と、有機溶媒とを含む処理液で化学的に溶
解して、部品がはんだ付けされたままの状態で回路パタ
ーンを基板から分離し、その部品がはんだ付けされたま
まの回路パターンを、回路パターンの構成成分である導
体と、部品と、はんだとに分離し、それぞれを回収して
再利用し、更に、処理液に基板が溶解した溶解液を、処
理液と、基板の溶解物とに分離し、それぞれを回収して
再利用する。
【0009】このような基板と処理液の組み合わせによ
り、臭素化エポキシ樹脂硬化物のエーテル結合を開裂さ
せる触媒の作用にて、有機溶媒により膨潤させられた臭
素化エポキシ樹脂硬化物の分解を効率よく進行させるこ
とができる。
【0010】本発明の請求項3に係るプリント配線板の
リサイクル方法では、鉛を主成分とする共晶はんだか
ら、更に、その鉛成分を分離し回収して再利用する。
【0011】これにより、土壌汚染などを引き起こす鉛
成分が環境下へ不所望に拡散することを防げる。
【0012】本発明の請求項4に係るプリント配線板の
リサイクル方法では、プリント配線板をはんだの溶融温
度以上、基板の溶融温度未満で加熱して、はんだを溶融
させて回路パターンからはんだと部品を分離させ、それ
ぞれを回収して再利用し、部品が分離した後のプリント
配線板を、基板の溶融温度以上で加熱して基板を溶融さ
せて、基板と回路パターンとを分離させ、それぞれを回
収して再利用する。
【0013】すなわち、プリント配線板において基板を
構成する樹脂材を加熱して溶融させることで、回路パタ
ーン(スルーホールも含む)を構成する導体や、はん
だ、部品、樹脂などを容易に分離回収でき、更にはこれ
ら各構成成分を再利用させて、無駄のない有益なプリン
ト配線板のリサイクルを確立できる。
【0014】本発明の請求項5に係るプリント配線板の
リサイクル方法では、溶融して回収された基板をペレッ
ト状に固化し、このペレット状の固化物を溶融→成形→
固化させることで、再び、プリント配線板の基板として
再利用する。
【0015】溶融した樹脂をペレット状にすることで取
り扱いが容易となり、また、再成形の際にはペレットの
量を制御することで、再成形させるべき基板の大きさや
厚さに柔軟に対応できる。
【0016】本発明の請求項6に係るプリント配線板の
リサイクル方法では、分離された回路パターンと部品の
それぞれに付着して残っているはんだを、更に、回路パ
ターンと部品のそれぞれから分離し回収して再利用す
る。
【0017】回路パターンと部品のそれぞれに付着(合
金化も含む)して残っているはんだを融点や比重の違い
などを利用して回路パターンや部品から分離すること
で、リサイクル効率のより一層の向上を図っている。
【0018】本発明の請求項7に係るプリント配線板の
リサイクル方法では、鉛を主成分とする共晶はんだか
ら、更に、その鉛成分を分離し回収して再利用する。
【0019】これにより、土壌汚染などを引き起こす鉛
成分が環境下へ不所望に拡散することを防げる。
【0020】本発明の請求項8に係るプリント配線板の
リサイクル方法では、ポリアリールケトン樹脂とポリエ
ーテルイミド樹脂との混合組成物でなる基板に対して、
加熱溶融させる処理を適用する。
【0021】このような構成の基板とすることで、加熱
溶融を容易に行えると共に、プリント配線板の基板材料
に要求される、回路パターン(導体箔)との接着性、耐
熱性、機械的強度、及び電気絶縁性も十分に満足する。
【0022】本発明の請求項9に係るプリント配線板の
処理方法では、プリント配線板を加熱して基板を溶融さ
せることで、基板から回路パターンを分離させる。
【0023】すなわち、プリント配線板において基板を
構成する樹脂材を加熱して溶融させることで、樹脂と、
回路パターン(スルーホールも含む)を構成する導体と
を容易に分離できる。
【0024】本発明の請求項10に係るプリント配線板
の処理方法では、プリント配線板をはんだの溶融温度以
上、基板の溶融温度未満で加熱して、はんだを溶融させ
て回路パターンからはんだと部品を分離させ、部品が分
離した後のプリント配線板を、基板の溶融温度以上で加
熱して基板を溶融させて、基板と回路パターンとを分離
させる。
【0025】すなわち、プリント配線板において基板を
構成する樹脂材を加熱して溶融させることで、回路パタ
ーン(スルーホールも含む)を構成する導体や、はん
だ、部品、樹脂などを容易に分離できる。
【0026】本発明の請求項11に係るプリント配線板
の処理方法では、ポリアリールケトン樹脂とポリエーテ
ルイミド樹脂との混合組成物でなる基板に対して、加熱
溶融させる処理を適用する。
【0027】このような構成の基板とすることで、加熱
溶融を容易に行えると共に、プリント配線板の基板材料
に要求される、回路パターン(導体箔)との接着性、耐
熱性、機械的強度、及び電気絶縁性も十分に満足する。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実
施の形態による、プリント配線板のリサイクルの流れを
示す。
【0029】プリント配線板1は、ガラス繊維に臭素化
エポキシ樹脂(FR−4材)を含浸させて熱硬化させて
なる基板2に、例えば銅箔で回路パターン(スルーホー
ルも含む)4を印刷して形成し、この回路パターン4に
部品3がはんだ付けされて構成される。はんだは、例え
ば共晶はんだを用いている。
【0030】不要となった使用済みのプリント配線板1
は、先ず、水で洗浄されゴミやほこりなどが除去され
る。
【0031】次いで、プリント配線板1は処理液に浸漬
され、例えば、百数十℃で約5時間置かれる。これによ
り、基板2を構成する臭素化エポキシ樹脂硬化物が溶解
し、処理液中にガラス繊維と、部品3がはんだ付けされ
たままの状態の銅箔4が分離する。
【0032】処理液は、臭素化エポキシ樹脂硬化物のエ
ーテル結合を開裂させる触媒と、有機溶媒を主成分とし
て含み、有機溶媒により膨潤させられた臭素化エポキシ
樹脂硬化物は、触媒の作用にてエーテル結合の開裂が起
こりやすくなり、その結果、分解・溶解効率が高まり、
容易且つ確実に銅箔4やガラス繊維を基板2から分離で
きる。
【0033】基板2の溶解処理後、銅箔4は、部品3が
はんだ付けされたままの状態で処理液から取り出され、
銅箔4、部品3、はんだのそれぞれに分離される。具体
的には、例えば、はんだを溶融させることで銅箔4から
部品3とはんだが容易に分離でき、更に、銅箔4と、部
品3のリードにそれぞれ付着して残ったはんだも、それ
ぞれ銅箔4と部品3のリードから分離される。銅箔4
と、部品3のリードに、はんだが合金化していても、融
点や比重の違いなどを利用した公知の分留法などにより
金属単体に容易に分離できる。
【0034】はんだは、更に錫成分と鉛成分とに分離さ
れる。このため、環境汚染をもたらす鉛の回収が可能と
なり、無鉛はんだを採用せずとも、信頼性の高い共晶は
んだを使い続けることができる。
【0035】処理液に基板2が溶解した溶解液は、例え
ば、沈殿法やろ過などの方法により、処理液(上澄み
液)と、基板2の溶解物(沈殿物)とに分離でき、それ
ぞれ回収され再利用される。すなわち、処理液は基板2
を溶解するために再び利用され、基板2の溶解物は、乾
燥処理やその他化学的な処理などを施して、基板2の材
料あるいは燃料として再利用される。
【0036】回収された銅箔4や、鉛、錫、更には部品
3そのもの、あるいは部品3に使われている各種金属な
ども回収して、それらを再利用する。また、ガラス繊維
もガラス材料として再利用する。このように、本実施の
形態によれば、プリント配線板1の各構成成分の容易且
つ無駄のないリサイクル方法が実現できる。
【0037】基板2は、エポキシ樹脂、硬化剤、架橋剤
などから構成されるものであり、更に必要に応じて硬化
促進剤、触媒、エラストマ、難燃剤などを含んでいても
よく、エポキシ樹脂以外の成分が不純物として含まれて
いてもよい。
【0038】エポキシ樹脂は、分子内にエポキシ基を有
するものであればどのようなものでもよく、例えば、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式
エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹
脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフ
タレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノー
ル類のジグリシジルエーテル化物、アルコール類のジグ
リシジルエーテル化物、及びこれらのアルキル置換体、
ハロゲン化物、水素添加物などが挙げられる。これら
は、複数種が併用されていてもよい。
【0039】上記のエポキシ樹脂のうち、ハロゲン化ビ
スフェノール化合物(テトラブロモビスフェノールA
等)とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるエポ
キシ樹脂(ハロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ハロゲン化ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ハロ
ゲン化ビスフェノールS型エポキシ樹脂等)のように、
エーテル基が結合しているベンゼン環の、エーテル基に
対してオルト位が塩素、臭素などのハロゲン原子で置換
されているエポキシ樹脂を使用することが好ましい。す
なわち、電子吸収性のハロゲン原子がベンゼン環に結合
することによりエーテル結合の開裂が起こりやすくな
り、その結果、処理液によるエポキシ樹脂硬化物の分解
・溶解の効率が高まる。
【0040】エポキシ樹脂用硬化剤は、エポキシ樹脂を
硬化させるものであれば特に限定されることはなく、例
えば、多官能フェノール類、アミン類、イミダゾール化
合物、酸無水物、有機リン化合物、及びこれらのハロゲ
ン化物などが挙げられる。これらは単独で使用されても
よいし、2種以上が任意の組み合わせで用いられてもよ
い。
【0041】上記多官能フェノール類としては、例え
ば、単環二官能フェノールであるヒドロキノン、レゾル
シノール、カテコール、多環二官能フェノールであるビ
スフェノールA、ビスフェノールF、ナフタレンジオー
ル類、ビフェノール類、及びこれらのハロゲン化物、ア
ルキル基置換体などが挙げられる。更に、これらのフェ
ノール類とアルデヒド類との重縮合物であるノボラッ
ク、レゾールを用いることもできる。
【0042】上記アミン類としては、例えば、脂肪族あ
るいは芳香族の第一級アミン、第二級アミン、第三級ア
ミン、第四級アンモニウム塩及び脂肪族環状アミン類、
グアニジン類、尿素誘導体などが挙げられる。これらの
化合物の一例としては、N,N−ベンジルジメチルアミ
ン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,
4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、
テトラメチルグアニジン、トリエタノールアミン、N,
N’−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ
[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシ
クロ[4.4.0]−5−ノネン、ヘキサメチレンテト
ラミン、ピリジン、ピコリン、ピペリジン、ピロリジ
ン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルヘキシル
アミン、シクロヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、
ジ−n−ブチルアミン、ジフェニルアミン、N−メチル
アニリン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−オク
チルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリフェニルア
ミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメ
チルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウ
ムアイオダイド、トリエチレンテトラミン、ジアミノジ
フェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジシア
ンアミド、トリルビグアニド、グアニル尿素、ジメチル
尿素などが挙げられる。
【0043】上記イミダゾール化合物としては、例え
ば、イミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチ
ル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾー
ル、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダ
ゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−
ヘプタデシルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダ
ゾール、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダ
ゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシ
ルイミダゾリン、2−イソプロピルイミダゾール、2,
4−ジメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル
イミダゾール、2−エチルイミダゾリン、2−フェニル
−4−メチルイミダゾリン、ベンズイミダゾール、1−
シアノエチルイミダゾールなどが挙げられる。
【0044】上記酸無水物としては、例えば、無水フタ
ル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ピロメリット酸二無
水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などが
挙げられる。
【0045】上記有機リン化合物としては、有機基を有
するリン化合物であれば特に限定されず、例えば、ヘキ
サメチルリン酸トリアミド、リン酸トリ(ジクロロプロ
ピル)、リン酸トリ(クロロプロピル)、亜リン酸トリ
フェニル、リン酸トリメチル、フェニルホスホン酸、ト
リフェニルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、
ジフェニルホスフィンなどが挙げられる。
【0046】また、エポキシ樹脂硬化物には、硬化促進
剤が含まれていてもよい。代表的な硬化促進剤として
は、第三級アミン、イミダゾール類、第四級アンモニウ
ム塩などが挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0047】上記処理液は、臭素化エポキシ樹脂硬化物
のエーテル結合を開裂させる触媒と、有機溶媒とを含む
ものである。これらの化合物以外に任意の化合物が併用
されていてもよいし、不純物が含まれていてもかまわな
い。
【0048】上記触媒は、アルカリ金属、アルカリ金属
化合物、リン酸類、リン酸類の塩、有機酸、有機酸の
塩、これらの中から適宜組み合わされる化合物などを含
むものである。
【0049】上記アルカリ金属としては、例えば、リチ
ウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムな
どが挙げられる。上記アルカリ金属化合物としては、前
記したアルカリ金属の水素化物、水酸化物、ホウ水素化
物、アミド化合物、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化
物、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、有
機酸塩、アルコラート、フェノラートなどが挙げられ
る。
【0050】上記リン酸類としては、例えば、リン酸、
メタリン酸、次リン酸、亜リン酸(ホスホン酸)、次亜
リン酸(ホスフィン酸)、ピロリン酸、トリメタリン
酸、テトラメタリン酸、ピロ亜リン酸などが挙げられ
る。また、リン酸類の塩は、前記のリン酸類の陰イオン
と、陽イオンとの塩であり、陽イオンとしては、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベ
リリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ク
ロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、パ
ラジウム、亜鉛、アルミニウム、ガリウム、スズ、アン
モニウムなどのイオンが挙げられる。
【0051】上記有機酸としては、例えば、アクリル
酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ア
ミノ安息香酸、アルギン酸、安息香酸、オレイン酸、ギ
酸、クエン酸、グリコール酸、グルコン酸、グルタミン
酸、ケイ皮酸、コハク酸、酢酸、サリチル酸、シュウ
酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、ニコチン酸、乳酸、
尿酸、ハロゲン置換酢酸、フタル酸、ベンゼンスルホン
酸、マロン酸、酪酸、リンゴ酸などが挙げられる。ま
た、有機酸の塩は、前記有機酸の陰イオンと、水素以外
の陽イオンとの塩であり、陽イオンとしては、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベ
リリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウ
ム、バリウム、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ク
ロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀、パ
ラジウム、亜鉛、アルミニウム、ガリウム、スズ、アン
モニウムなどのイオンが挙げられる。
【0052】上記有機溶媒としては、例えば、アミド
系、アルコール系、ケトン系、エーテル系の中から選ば
れた1種以上を用いることができるが、これらに限定さ
れることなく、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、フェノ
ール類、アセタール、脂肪酸、酸無水物、エステル、窒
素化合物、硫黄化合物(ジメチルスルホキシド等)等の
溶媒や、2以上の官能基を持つ溶媒(エステルとエーテ
ル、アルコールとエーテル等)も用いることができる。
これらの溶媒は、単独で使用しても、数種類を組み合わ
せて(例えば、アミド系溶媒どうし、またはアミド系溶
媒とアミド系溶媒以外の溶媒)使用してもよい。また、
これらの溶媒以外に任意の溶媒を併用してもよく、無機
溶媒である水、アンモニア等を混合することも可能であ
るし、不純物が含まれていてもかまわない。
【0053】上記アミド系溶媒としては、例えば、ホル
ムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセト
アミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルア
セトアミド、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、
2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、カプロ
ラクタム、カルバミド酸エステルなどが挙げられる。
【0054】上記アルコール系溶媒としては、例えば、
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロ
パノール、1−ブタノール、2−ブタノール、iso−
ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノー
ル、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル
−1−ブタノール、iso−ペンチルアルコール、te
rt−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノー
ル、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−
メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノ
ール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノー
ル、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、シクロヘキ
サノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチル
シクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、
4−メチルシクロヘキサノール、エチレングリコール、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプ
ロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレン
グリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テト
ラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,
2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、
1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、グリセリン、ジプロピレン
グリコールなどが挙げられる。
【0055】上記ケトン系溶媒としては、例えば、ジプ
ロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエ
ーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトー
ル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセタール、エ
チレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコー
ルジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどが
挙げられる。
【0056】また、処理液を調製する際の温度はどのよ
うな温度でもよいが、使用する溶媒の融点以上、沸点以
下で行うことが好ましい。また、処理液を調製する際の
雰囲気は、大気中でも不活性気体中でもよく、大気圧
下、減圧下、加圧下の何れでもよい。また、このように
して得られた処理液に、界面活性剤等を添加してもよ
い。
【0057】また、処理方法については、プリント配線
板1を処理液中に浸漬させる方法に限らず、スプレー等
によって処理液をプリント配線板1に吹き付けてもよ
い。更に、処理液は、撹拌機、ポンプ、気体の吹き込み
などによって撹拌していてもよいし、また浸漬処理を行
う場合には超音波振動を与えながら行ってもよい。処理
液の使用時や保存時の雰囲気は、大気中でも不活性気体
中でもよく、大気圧下、減圧下、加圧下の何れでもよ
い。
【0058】分解・溶解された樹脂成分の分離方法とし
ては、例えば、処理後の溶解液から沈殿法などにより不
溶物を分離除去した後、蒸留等により有機溶剤を分離
し、得られた樹脂成分を合成樹脂の原料等として再利用
する。
【0059】具体的には、処理後の樹脂硬化物の分解生
成物が、フェノール類、フェノール類のグリシジルエー
テル化物、フェノール類の金属塩、アミン類、カルボン
酸類及びこれらのハロゲン化物、水添加物等(例えば、
フェノール、クレゾール、ジメチルフェノール、プロピ
ルフェノール、エチルフェノール、ヒドロキノン、レゾ
ルシノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェ
ノールF、ビフェノール、ジヒドロキシジフェニルエー
テル、ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノ
ボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノ
ボラック、及びこれらのグリシジルエーテル化物、ハロ
ゲン化物、アルカリ金属塩、アンモニウム塩等)である
場合には、これらをそのまま、あるいは精製してから再
利用することができる。
【0060】次に、図2、3を参照して、本発明の第2
の実施の形態によるプリント配線板の処理方法について
説明する。
【0061】本実施の形態は、熱可塑性樹脂で成形され
た基板22に適用される処理方法である。具体的には、
基板22は、ポリアリールケトン樹脂とポリエーテルイ
ミド樹脂との混合組成物でなり、ガラス繊維を用いない
構造とした。そして、この基板22に回路パターン(例
えば銅箔)4を印刷して形成し、この回路パターン4に
部品3がはんだ付けされてプリント配線板21が構成さ
れる。はんだは、例えば共晶はんだを用いている。基板
22を構成する樹脂の溶融温度は、はんだ付け時の加熱
温度(約230℃)より十分高い360℃以上であるの
で、変質や変形することなく十分はんだ付けに耐えう
る。
【0062】部品3の実装後、プリント配線板21は各
種商品に組み込まれる。そして、不要となった場合に
は、図3に示す加熱分離器10にて、以下で述べるよう
にして各構成成分の分離が行われる。
【0063】プリント配線板21は、加熱室14内に配
設された網板12に載置される。加熱室14内には、ヒ
ータHが例えば側壁に備えられている。網板12には、
部品3、はんだ、溶融した樹脂の落下を許容する多数の
網目が形成されている。
【0064】プリント配線板21は、先ず、ヒータHに
より180℃〜220℃に加熱される。これにより、は
んだが溶融し、部品3と共に網目から落下し、加熱分離
器10の底部にたまる。なお、はんだの一部は分離され
ずに銅箔4や部品3のリードに付着したまま残る。はん
だや部品3の落下を助長するため、網板12はこれに連
結された回転軸11まわりに水平面内で回転されてい
る。このとき、後述する樹脂受け皿13は網板12の下
方には配置されておらず、部品3やはんだの加熱分離器
10底部への落下を妨げない。
【0065】次に、網板12の下方に樹脂受け皿13を
配置し、300℃〜400℃に加熱していくと、基板2
2を構成する樹脂が溶融し始め、網目から落下し樹脂受
け皿13にたまる。このときも、溶融樹脂の落下を助長
するため、網板12は回転軸11まわりに水平面内で回
転されている。銅箔4は、信号線の部分はある程度の長
さがあり、また電源パターンの部分は網目に対して十分
大きな面積を有するいわゆるベタ状パターンであるの
で、銅箔4は網目から落下することなく網板12上に残
る。よって、銅箔4と基板22とを容易且つ確実に分離
することができる。
【0066】混合金属あるいは合金は、融点や比重の違
いなどを利用して容易に金属単体に分離でき、銅箔4や
部品3のリードにそれぞれ付着しているはんだは、それ
ぞれ銅箔4、部品3のリードから分離され、はんだは
(加熱分離器10の底部にたまったはんだも含む)回収
され錫成分と鉛成分とに分離される。以上のようにし
て、銅箔4や錫、鉛、更には部品3そのものあるいは部
品3に使われている各種金属などの有価物の分離及び回
収を容易且つ確実に行え、資源の有効利用を可能とし、
鉛による環境汚染も防ぐことができる。
【0067】次に、図2、3、4を参照して、本発明の
第3の実施の形態によるプリント配線板のリサイクル方
法について説明する。
【0068】本実施の形態は、熱可塑性樹脂で成形され
た基板22を有するプリント配線板21に適用されるリ
サイクル方法である。基板22は、具体的には、ポリア
リールケトン樹脂とポリエーテルイミド樹脂との混合組
成物でなり、ガラス繊維を用いない構造とした。そし
て、この基板22に回路パターン(例えば銅箔)4を印
刷して形成し、この回路パターン4に部品3がはんだ付
けされてプリント配線板21が構成される。はんだは、
例えば共晶はんだを用いている。基板22を構成する樹
脂の溶融温度は、はんだ付け時の加熱温度(約230
℃)より十分高い360℃以上であるので、変質や変形
することなく十分はんだ付けに耐えうる。
【0069】部品3の実装後、プリント配線板21は各
種商品に組み込まれる。そして、不要となった場合に
は、上述した図3に示す加熱分離器10にて、以下で述
べるようにして各構成成分の分離が行われる。
【0070】プリント配線板21は、先ず、ヒータHに
より180℃〜220℃に加熱される。これにより、は
んだが溶融し、部品3と共に網目から落下し、加熱分離
器10の底部にたまる。なお、はんだの一部は分離され
ずに銅箔4や部品3のリードに付着したまま残る。はん
だや部品3の落下を助長するため、網板12はこれに連
結された回転軸11まわりに水平面内で回転されてい
る。このとき、後述する樹脂受け皿13は網板12の下
方には配置されておらず、部品3やはんだの加熱分離器
10底部への落下を妨げない。
【0071】次に、網板12の下方に樹脂受け皿13を
配置し、300℃〜400℃に加熱していくと、基板2
2を構成する樹脂が溶融し始め、網目から落下し樹脂受
け皿13にたまる。このときも、溶融樹脂の落下を助長
するため、網板12は回転軸11まわりに水平面内で回
転されている。銅箔4は、信号線の部分はある程度の長
さがあり、また電源パターンの部分は網目に対して十分
大きな面積を有するいわゆるベタ状パターンであるの
で、銅箔4は網目から落下することなく網板12上に残
る。よって、銅箔4と基板22とを容易且つ確実に分離
することができる。
【0072】混合金属あるいは合金は、融点や比重の違
いなどを利用して容易に金属単体に分離でき、銅箔4や
部品3のリードにそれぞれ付着しているはんだは、それ
ぞれ銅箔4、部品3のリードから分離され、はんだは
(加熱分離器10の底部にたまったはんだも含む)回収
され錫成分と鉛成分に分離される。以上のようにして、
分離された、銅箔4や錫、鉛、更には部品3そのものあ
るいは部品3に使われている各種金属などは回収され、
それぞれ再利用される。
【0073】従来、基板材として一般的に用いられてい
た熱硬化性樹脂は、一度熱を加えて硬化させると再び軟
化することがないため再利用が困難であった。しかし、
本実施の形態では、受け皿13に回収された、溶融した
基板22(熱可塑性樹脂)は、電気的劣化を確認した
後、問題がなければ再度基板材料として再利用される。
すなわち、溶融した樹脂は、図2に示すようにペレット
状に固化され、このペレット状の固化物23を溶融→成
形→固化することで再び基板22が得られる。
【0074】図4に、プリント配線板21の一例として
多層プリント配線板(部品の実装前)の製造方法を示
す。図4Aに示すように、上述した熱可塑性樹脂からな
る例えば3つの基板22に、ドリル加工あるいはレーザ
ー加工により両面に貫通するスルーホールhを形成し、
このスルーホールh内に導電性ペースト4aを充填す
る。外側の2つの基板22のそれぞれの両面には、銅箔
を熱プレス機で熱融着すると共に、サブトラクティブ法
またはアディティブ法によって銅箔の不要部分を除去し
て回路パターン4を形成し、3つの基板22を重ねて熱
融着により積層一体化してプリント配線板21が得られ
る(図4B)。
【0075】なお、図4には、回路パターン4が4層に
形成された多層プリント配線板の製造方法を示したが、
同様の方法にて、6層、8層、更にこれ以上に多層化さ
れた多層プリント配線板を製造できる。
【0076】サブトラクティブ法の具体例としては、銅
箔に紫外線硬化型樹脂でなるドライフィルムをラミネー
トし、次に回路パターン4の切り抜き型を形成したパタ
ーンフィルムをドライフィルムに密着させた状態で紫外
線の露光を行い、その後、パターンフィルム及び未硬化
のドライフィルムを取り除いて塩化第二鉄溶液でエッチ
ングを行い、不要部分の銅箔を除去し、次に、水酸化ナ
トリウム溶液に浸漬して、残った銅箔上のドライフィル
ムを除去して回路パターン4を形成する。
【0077】そして、製品に組み込まれて使用された
後、不要となったプリント配線板21には、図2に示
す、上述したような処理が行われ、プリント配線板21
の各構成成分の容易且つ無駄のないリサイクルが実現で
きる。
【0078】なお、上記第2、第3の実施の形態におけ
る基板22を構成する成分の1つであるポリアリールケ
トン樹脂は、その構造単位に芳香核結合、エーテル結
合、ケトン結合を含む熱可塑性樹脂であり、すなわち、
フェニルケトンとフェニルエーテルの組み合わせ構造か
らなる耐熱性の結晶性高分子である。ポリアリールケト
ン樹脂の一例としては、例えば、ポリエーテルケトン、
ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケト
ンなどがある。
【0079】同じく基板22を構成する成分の1つであ
るポリエーテルイミド樹脂は、その構造単位に芳香核結
合、エーテル結合、イミド結合を含む非晶性熱可塑性樹
脂である。
【0080】また、基板22を構成する樹脂組成物に
は、他の樹脂や、添加剤などを配合してもよく、その具
体例としては、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着
色剤、滑剤、難燃剤、無機フィラーなどが挙げられる。
【0081】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、勿論、本発明はこれらに限定されることなく、
本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能であ
る。
【0082】本発明は片面実装、両面実装、単層、多層
の何れのプリント配線板にも適用できる。また、部品の
接合に無鉛はんだ(例えば、錫、銀を主成分とする)を
用いた場合でも本発明は適用可能である。すなわち、無
鉛はんだの構成成分を、共晶はんだと同様、容易に回収
して再利用できる。また、回路パターン4を構成する導
体箔としては、銅以外にも、例えば、金、銀、アルミニ
ウム、ニッケル、錫などの金属箔が挙げられる。また、
導体箔の表面に黒色酸化処理などの化成処理を施しても
よい。
【0083】
【発明の効果】本発明の請求項1のプリント配線板のリ
サイクル方法によれば、破砕などの面倒な工程は一切行
わず、基板を化学的に溶解させるだけで、基板の樹脂成
分と、回路パターン(導体箔)と、はんだと、部品とを
互いに容易且つ確実に分離でき、これらを回収してそれ
ぞれ再利用することで、各構成成分の再利用効率の優れ
たプリント配線板のリサイクルを行うことができる。
【0084】本発明の請求項2のプリント配線板のリサ
イクル方法によれば、臭素化エポキシ樹脂硬化物でなる
基板に対して、臭素化エポキシ樹脂硬化物のエーテル結
合を開裂させる触媒と有機溶媒とを含む処理液を適用す
ることによって、基板の溶解効率を高めることができ
る。
【0085】本発明の請求項3のプリント配線板のリサ
イクル方法によれば、共晶はんだに含まれる鉛成分の分
離回収が確実に行え、環境汚染を引き起こすこともな
く、更に、接合特性の優れた共晶はんだを既存のはんだ
付け設備と共にそのまま用いることができ、新たなコス
ト発生も抑制できる。
【0086】本発明の請求項4のプリント配線板のリサ
イクル方法によれば、破砕などの面倒な工程は一切行わ
ず、基板を加熱溶融するだけで、基板の樹脂成分と、回
路パターン(導体箔)と、はんだと、部品とを互いに容
易且つ確実に分離でき、これらを回収してそれぞれ再利
用することで、各構成成分の再利用効率の優れたプリン
ト配線板のリサイクルを行うことができる。また、基板
を燃やすのではなく加熱溶融させるので、有害なガスを
発生させることもない。
【0087】本発明の請求項5のプリント配線板のリサ
イクル方法によれば、溶融した基板を、再生用の原料と
して取り扱い易くできる。
【0088】本発明の請求項6のプリント配線板のリサ
イクル方法によれば、はんだの回収及び再利用効率を、
より高めることができる。また、はんだの混在していな
い回路パターン(導体箔)や部品の利用価値も高まる。
【0089】本発明の請求項7のプリント配線板のリサ
イクル方法によれば、共晶はんだに含まれる鉛成分の分
離回収が確実に行え、環境汚染を引き起こすこともな
く、更に、接合特性の優れた共晶はんだを既存のはんだ
付け設備と共にそのまま用いることができ、新たなコス
ト発生も抑制できる。
【0090】本発明の請求項8のプリント配線板のリサ
イクル方法によれば、基板をポリアリールケトン樹脂と
ポリエーテルイミド樹脂との混合組成物とすることで、
加熱溶融を容易に行え、手間のかからないリサイクルを
実現できると共に、製品としての使用時には、プリント
配線板の基板として要求される熱的特性や電気絶縁性も
十分に満足させることができる。
【0091】本発明の請求項9のプリント配線板の処理
方法によれば、破砕などの面倒な工程は一切行わず、基
板を加熱溶融するだけで、回路パターン(導体箔)と基
板とが互いに混在することなく確実に且つ容易に分離で
きる。また、基板を燃やすのではなく加熱溶融させるの
で、有害なガスを発生させることもない。
【0092】本発明の請求項10のプリント配線板の処
理方法によれば、破砕などの面倒な工程は一切行わず、
基板を加熱溶融するだけで、基板の樹脂成分と、回路パ
ターン(導体箔)と、はんだと、部品とを互いに容易且
つ確実に分離できる。また、基板を燃やすのではなく加
熱溶融させるので、有害なガスを発生させることもな
い。
【0093】本発明の請求項11のプリント配線板の処
理方法によれば、基板をポリアリールケトン樹脂とポリ
エーテルイミド樹脂との混合組成物とすることで、加熱
溶融を容易に行え、手間のかからないリサイクルを実現
できると共に、製品としての使用時には、プリント配線
板の基板として要求される熱的特性や電気絶縁性も十分
に満足させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による、プリント配
線板のリサイクルの流れを示す図である。
【図2】本発明の第3の実施の形態による、プリント配
線板のリサイクルの流れを示す図である。
【図3】本発明の第2、3の実施の形態に係る加熱分離
器の概略図である。
【図4】多層プリント配線板の製造方法の一例を示す断
面図である。
【符号の説明】
1……プリント配線板、2……基板(臭素化エポキシ樹
脂硬化物)、3……部品、4……回路パターン(銅
箔)、4a……導電性ペースト、10……加熱分離器、
12……網板、13……溶融樹脂受け皿、21……プリ
ント配線板、22……基板(熱可塑性樹脂)、h……ス
ルーホール、H……ヒータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09B 3/00 303G 303A

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁樹脂でなる基板に導体の回路パター
    ンが形成され、該回路パターンに部品がはんだ付けされ
    たプリント配線板のリサイクル方法であって、 前記基板を処理液で化学的に溶解して、前記部品がはん
    だ付けされたままの状態で前記回路パターンを前記基板
    から分離し、 前記部品がはんだ付けされたままの前記回路パターン
    を、前記導体と前記部品と前記はんだとに分離し、それ
    ぞれを回収して再利用し、 前記処理液に前記基板が溶解した溶解液を、前記処理液
    と、前記基板の溶解物とに分離し、それぞれを回収して
    再利用することを特徴とするプリント配線板のリサイク
    ル方法。
  2. 【請求項2】 前記基板は臭素化エポキシ樹脂硬化物で
    なり、 前記処理液は、前記臭素化エポキシ樹脂硬化物のエーテ
    ル結合を開裂させる触媒と、有機溶媒とを含むことを特
    徴とする請求項1に記載のプリント配線板のリサイクル
    方法。
  3. 【請求項3】 前記はんだは鉛を主成分とする共晶はん
    だであり、前記分離されたはんだから更に鉛成分を分離
    し回収して再利用することを特徴とする請求項1に記載
    のプリント配線板のリサイクル方法。
  4. 【請求項4】 絶縁樹脂でなる基板に導体の回路パター
    ンが形成され、該回路パターンに部品がはんだ付けされ
    たプリント配線板のリサイクル方法であって、 前記プリント配線板を前記はんだの溶融温度以上、前記
    基板の溶融温度未満で加熱して、前記はんだを溶融させ
    て前記回路パターンから前記はんだと前記部品を分離さ
    せ、それぞれを回収して再利用し、 前記部品が分離した後の前記プリント配線板を、前記基
    板の溶融温度以上で加熱して前記基板を溶融させて、前
    記基板と前記回路パターンとを分離させ、それぞれを回
    収して再利用することを特徴とするプリント配線板のリ
    サイクル方法。
  5. 【請求項5】 前記溶融した基板をペレット状に固化
    し、該ペレット状の固化物を溶融して成形し固化するこ
    とで、再び前記基板として再利用することを特徴とする
    請求項4に記載のプリント配線板のリサイクル方法。
  6. 【請求項6】 前記分離された前記回路パターンと前記
    部品のそれぞれに付着して残っているはんだを、更に前
    記回路パターンと前記部品のそれぞれから分離し回収し
    て再利用することを特徴とする請求項4に記載のプリン
    ト配線板のリサイクル方法。
  7. 【請求項7】 前記はんだは鉛を主成分とする共晶はん
    だであり、前記分離されたはんだから更に鉛成分を分離
    し回収して再利用することを特徴とする請求項4に記載
    のプリント配線板のリサイクル方法。
  8. 【請求項8】 前記基板が、ポリアリールケトン樹脂と
    ポリエーテルイミド樹脂との混合組成物でなることを特
    徴とする請求項4に記載のプリント配線板のリサイクル
    方法。
  9. 【請求項9】 絶縁樹脂でなる基板に導体の回路パター
    ンが形成されたプリント配線板の処理方法であって、 前記プリント配線板を加熱して前記基板を溶融させるこ
    とにより、前記基板から前記回路パターンを分離させる
    ことを特徴とするプリント配線板の処理方法。
  10. 【請求項10】 前記回路パターンには部品がはんだ付
    けされており、 前記プリント配線板を前記はんだの溶融温度以上、前記
    基板の溶融温度未満で加熱して、前記はんだを溶融させ
    て前記回路パターンから前記はんだと前記部品を分離さ
    せる工程と、 前記部品が分離した後の前記プリント配線板を、前記基
    板の溶融温度以上で加熱して前記基板を溶融させて、前
    記基板と前記回路パターンとを分離させる工程とを有す
    ることを特徴とする請求項9に記載のプリント配線板の
    処理方法。
  11. 【請求項11】 前記基板が、ポリアリールケトン樹脂
    とポリエーテルイミド樹脂との混合組成物でなることを
    特徴とする請求項9に記載のプリント配線板の処理方
    法。
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