JP2000143847A - エポキシ樹脂硬化物のエッチング方法 - Google Patents

エポキシ樹脂硬化物のエッチング方法

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JP2000143847A
JP2000143847A JP32300698A JP32300698A JP2000143847A JP 2000143847 A JP2000143847 A JP 2000143847A JP 32300698 A JP32300698 A JP 32300698A JP 32300698 A JP32300698 A JP 32300698A JP 2000143847 A JP2000143847 A JP 2000143847A
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epoxy resin
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cured epoxy
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Takeshi Madarame
健 斑目
Hiroshi Shimizu
浩 清水
Katsuji Shibata
勝司 柴田
Ayako Matsuo
亜矢子 松尾
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エッチング精度に優れ、かつ、安全性に優れた
エポキシ樹脂硬化物のエッチング液の使用方法を提供す
る。 【解決手段】ハロゲン原子を含むエポキシ樹脂硬化物
を、アルカリ金属化合物、アミド系溶媒、アルコール系
溶媒からなるエッチング液を使用してエッチングする方
法であって、エッチング液を濾過しながら処理を行うエ
ポキシ樹脂硬化物のエッチング方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁材料、接着
剤、塗料などに用いられるエポキシ樹脂硬化物をエッチ
ングする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、ポリイミド樹脂と同様
にその電気特性、接着性に優れているため、種々の分野
で利用されている。エポキシ樹脂及びポリイミド樹脂
は、用途が広がるにつれ、樹脂の一部を粗化や除去して
使用するようになってきた。
【0003】ポリイミド樹脂をエッチング加工する方法
に関しては、従来からよく行われており、ヒドラジン等
の塩基性溶液でエッチングする方法が、特開昭50-4
577号公報、特開昭51-27464号公報、または
特開昭53-49068号公報などによって知られてい
る。
【0004】また、エポキシ樹脂を粗化する方法やエッ
チング加工する方法に関しては、プリント配線板に用い
られるエポキシ樹脂硬化物の表面粗化処理、デスミア処
理、エッチバック処理に用いられる濃硫酸、クロム酸、
アルカリ過マンガン酸塩などでエッチングする方法が、
特開昭54-144968号公報、特開昭62-1041
97号公報などによって知られている。またエポキシ樹
脂に、アルカリに可溶なアクリル樹脂を添加して、エッ
チングする方法が、特開平5-218651号公報によ
って検討されている。
【0005】しかし、無変性のエポキシ樹脂の硬化物を
粗化、エッチングするのに、濃硫酸、クロム酸、アルカ
リ過マンガン酸塩を使用すると、これらの液は労働安全
衛生法の特定化学物質に該当する薬品であり、安全上取
扱いに十分な注意が必要であり、さらに取扱い者には定
期的に健康診断が義務付けられるので、取り扱いが困難
であるという課題があった。さらに濃硫酸は吸水性が強
いために、十分な濃度管理が必要であり、アルカリ過マ
ンガン酸塩でエポキシ樹脂を完全に除去するには、80
℃前後の高温と30分以上の時間が必要であり、効率的
でないという課題があった。また、エポキシ樹脂をエッ
チング可能にするためにアクリル樹脂を添加した変性エ
ポキシ樹脂の場合、エポキシ樹脂の耐熱性、耐薬品性等
の優れた特性を低下させてしまうという課題があった。
【0006】そこで、本発明者らは、鋭意検討の結果、
特開平8−325438号公報に開示したように、熱硬
化性エポキシ樹脂組成物の硬化物をエッチングする溶液
として、アミド系溶媒、アルカリ金属化合物のアルコー
ル系溶媒溶液からなるエッチング液を開発した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このアルカ
リ金属化合物、アミド系溶媒、アルコール系溶媒からな
るエッチング液は、エッチング性にばらつきがあり、エ
ッチング精度が低いという課題があった。
【0008】本発明は、エッチング精度に優れ、かつ、
安全性に優れたエポキシ樹脂硬化物のエッチング液の使
用方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のエポキシ樹脂硬
化物のエッチング方法は、ハロゲン原子を含むエポキシ
樹脂硬化物を、アルカリ金属化合物、アミド系溶媒、ア
ルコール系溶媒からなるエッチング液を使用してエッチ
ングする方法であって、エッチング液を濾過しながら処
理を行うことを特徴とする。
【0010】アミド系溶媒には、N,N-ジメチルホルム
アミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-
ピロリドンからなる群から選択された1以上を用いるこ
とが好ましい。
【0011】アルコール系溶媒には、メタノール、エタ
ノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、トリエチレングリコール、テトラエチ
レングリコール、及びポリエチレングリコールからなる
群から選択された1以上を用いることが好ましい。
【0012】エッチング液の組成は、アルカリ金属化合
物0.5〜40重量%、アミド系溶媒50〜99重量
%、アルコール系溶媒0.5〜49.5重量%からなる
ことが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】濾過に使用するフィルタの平均孔
径は、0.5μm〜100μmの範囲が濾過の効率の上
から好ましく、0.5μm未満であると、エッチングさ
れたエポキシ樹脂硬化物の溶解物により、フィルタ通過
時の抵抗が大きくなり、濾過効率が著しく低下し、10
0μmを超えると、エポキシ樹脂硬化物の溶解物の補足
能力が低下する。フィルタの種類としては、ガラス、ス
テンレス鋼、ポリエステル、ポリエチレン、フルオロカ
ーボン、ポリプロピレン、アクリル、フッ素樹脂等の繊
維による織布及び不織布、ステンレス鋼からなる金網ま
たは焼結金属濾材、ポリエステル、ポリエチレン、フル
オロカーボン、ポリプロピレン、アセテート、アクリ
ル、フッ素樹脂等からなる多孔質プラスチックや多孔質
磁器がある。フィルタの形状としては、平板型、カート
リッジ型等を使用できる。
【0014】(エッチング液)本発明で使用するエポキ
シ樹脂硬化物のエッチング液は、アルカリ金属化合物、
アミド系溶媒、アルコール系溶媒を構成成分とするが、
これらの他にどのような化合物を加えてもよい。アミド
系溶媒としては、例えば、ホルムアミド、N-メチルホ
ルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトア
ミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセト
アミド、N,N,N’,N’-テトラメチル尿素、2-ピ
ロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、カルバミド酸エ
ステル等が使用できる。これらのうちN,N-ジメチル
ホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチ
ル-2-ピロリドンの使用が、エポキシ樹脂硬化物を膨潤
させる効果があり、分解物の溶解性が良好なために特に
好ましい。これらの溶媒は、併用することができ、ま
た、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒等に代表されるその
他の溶媒と併用することもできる。ここで併用できるケ
トン系溶媒には、例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン、2-ペンタノン、3-ペンタノン、2-ヘキサノン、
メチルイソブチルケトン、2-ヘプタノン、4-ヘプタノ
ン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等がある。
また、併用できるエーテル系溶媒には、例えば、ジプロ
ピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエー
テル、アニソール、フェネトール、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、
エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリ
コールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテル等がある。本発明で使用するアルカリ金属化
合物としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビ
ジウム、セシウム等のアルカリ金属化合物でアルコール
系溶媒に溶解するものであればどのようなものでもよ
く、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジ
ウム、セシウム等の金属、水素化物、水酸化物、ホウ水
素化物、アミド、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化
物、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、有
機酸塩、アルコラート、フェノラートなどがある。本発
明で使用するアルコール系溶媒としては、例えば、メタ
ノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノー
ル、 1-ブタノール、2- ブタノール、iso -ブタノー
ル、tert-ブタノール、1-ペンタノール、2-ペンタノ
ール、3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、is
o -ペンチルアルコール、tert -ペンチルアルコール、
3-メチル-2-ブタノール、ネオペンチルアルコール、
1-ヘキサノール、2-メチル-1-ペンタノール、4-メ
チル-2-ペンタノール、2-エチル-1-ブタノール、1-
ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタノール、シ
クロヘキサノール、1-メチルシクロヘキサノール、2-
メチルシクロヘキサノール、3-メチルシクロヘキサノ
ール、4-メチルシクロヘキサノール、エチレングリコ
ール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチル
エーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエ
チレングリコール、トリエチレングリコールモノメチル
エーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル(分子量200〜400)、1,2-プロパンジオー
ル、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオー
ル、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、
2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、グ
リセリン、ジプロピレングリコールなどがある。これら
のうちメタノール、エタノール、エチレングリコール、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレン
グリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレン
グリコールがアルカリ金属化合物の溶解性が高く、特に
好ましい。これらの溶媒は、何種類かを併用することも
できる。このエッチング液には、アミド系溶媒50〜9
9重量%に対し、アルコール系溶媒0.5〜49.5重
量%の範囲であることが好ましく、アミド系溶媒の濃度
が50重量%未満であると、エポキシ硬化物の膨潤性、
分解物の溶解性が低下し、99重量%を超えると、結果
的にアルカリ金属化合物の濃度が低下するため、エポキ
シ樹脂硬化物の分解速度が低下する。溶液中のアルカリ
金属化合物濃度は、0.5重量%〜40重量%の範囲が
好ましく、0.5重量%未満であると、エポキシ樹脂硬
化物の分解速度が低下し、40重量%を超えると、アル
コール系溶媒にアルカリ金属化合物が完全に溶解しな
い。このエッチング液に、界面活性剤等を添加すること
もできる。
【0015】また、エッチングの際に、エッチング速度
を調整するために、エッチング液を溶媒の凝固点〜沸点
までの範囲であれば任意の温度で使用することができ
る。エッチング方法は、エッチング液中に浸漬すること
によって行い、エッチング速度を高めるために超音波に
より振動を与えることができ、また、液中に浸さず、ス
プレー等による噴霧もでき、さらに高圧をかけて行うこ
ともできる。また、ドリル、レーザー等で予め穴をあけ
た上で、残りの樹脂をエッチングすることも可能であ
る。
【0016】(エポキシ樹脂)このようなエポキシ樹脂
硬化物に用いる樹脂には、分子内にエポキシ基を有す
る、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、
脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキ
シ樹脂、フェノール類のジグリシジリエーテル化物、ア
ルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びこれらの
アルキル置換体、ハロゲン化物、水素添加物などがあ
り、これらを併用してもよく、エポキシ樹脂以外の成分
が不純物として含まれていてもよい。
【0017】(硬化剤)エポキシ樹脂硬化物に用いる硬
化剤には、エポキシ樹脂を硬化させるものであれば、ど
のようなものでも使用でき、例えば、多官能フェノール
類、アミン類、イミダゾール化合物、酸無水物、有機リ
ン化合物およびこれらのハロゲン化物などがある。多官
能フェノール類の例として、単環二官能フェノールであ
るヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、多環二
官能フェノールであるビスフェノールA、ビスフェノー
ルF、ナフタレンジオール類、ビフェノール類、及びこ
れらのハロゲン化物、アルキル基置換体などがある。更
に、これらのフェノール類とアルデヒド類との重縮合物
であるノボラック、レゾールがある。アミン類の例とし
ては、脂肪族あるいは芳香族の第一級アミン、第二級ア
ミン、第三級アミン、第四級アンモニウム塩及び脂肪族
環状アミン類、グアニジン類、尿素誘導体等がある。こ
れらの化合物の一例としては、N,N−ベンジルジメチ
ルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、テトラメチルグアニジン、トリエタノールアミン、
N,N’−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシク
ロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ
[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシ
クロ[4,4,0]−5−ノネン、ヘキサメチレンテト
ラミン、ピリジン、ピコリン、ピペリジン、ピロリジ
ン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルヘキシル
アミン、シクロヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、
ジ−n−ブチルアミン、ジフェニルアミン、N−メチル
アニリン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−オク
チルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリフェニルア
ミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメ
チルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウ
ムアイオダイド、トリエチレンテトラミン、ジアミノジ
フェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジシア
ンジアミド、トリルビグアニド、グアニル尿素、ジメチ
ル尿素等がある。イミダゾール化合物の例としては、イ
ミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4
−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−
フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、
1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデ
シルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、
2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、
2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダ
ゾリン、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメ
チルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾ
ール、2−エチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メ
チルイミダゾリン、ベンズイミダゾール、1−シアノエ
チルイミダゾールなどがある。酸無水物の例としては、
無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ピロメリッ
ト酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物等がある。有機リン化合物としては、有機基を有する
リン化合物であれば特に限定せれずに使用でき、例え
ば、ヘキサメチルリン酸トリアミド、リン酸トリ(ジク
ロロプロピル)、リン酸トリ(クロロプロピル)、亜リ
ン酸トリフェニル、リン酸トリメチル、フェニルフォス
フォン酸、トリフェニルフォスフィン、トリ−n−ブチ
ルフォスフィン、ジフェニルフォスフィンなどがある。
これらの硬化剤は、単独、或いは、組み合わせて用いる
こともできる。これらハロゲン化エポキシ樹脂用硬化剤
の配合量は、エポキシ基の硬化反応を進行させることが
できれば、特に限定することなく使用できるが、好まし
くは、エポキシ基1モルに対して、0.01〜5.0当
量の範囲で使用する。
【0018】(硬化促進剤)また、エポキシ樹脂硬化物
に用いる樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤を配
合してもよく、代表的な硬化促進剤として、第三級アミ
ン、イミダゾール類、第四級アンモニウム塩等がある。
【0019】(高分子エポキシ重合体)エポキシ樹脂硬
化物にフィルムを用いる必要のある場合には、ハロゲン
原子を含むエポキシ樹脂硬化物に、重量平均分子量5
0、000以上の高分子量エポキシ重合体を用いること
が好ましい。重量平均分子量50、000以上の高分子
量エポキシ重合体は、二官能エポキシ樹脂と二官能フェ
ノール類を交互共重合させて得られる高分子であり、こ
れら二成分を原料とするものであればどのようなもので
もよい。高分子量エポキシ重合体の合成原料である二官
能エポキシ樹脂には、分子内に二個のエポキシ基をもつ
化合物であればどのようなものでも用いることができ、
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹
脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、そ
の他、二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化
物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、
およびそれらのハロゲン化物、水素添加物などがあり、
これらの化合物の分子量はどのようなものでも用いるこ
とができる。これらの化合物が互いに重合していても、
分子内に二個のエポキシ基を有すればよく、さらに、こ
れらの化合物は何種類かを併用することができ、二官能
エポキシ樹脂以外の成分が、不純物として含まれていて
も用いることができる。高分子量エポキシ重合体の合成
原料である二官能フェノール類には、二個のフェノール
性水酸基をもつ化合物であればどのようなものでも用い
ることができ、例えば、単環二官能フェノールであるヒ
ドロキノン、レゾルシノール、カテコール、多環二官能
フェノールであるビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビフェノール、ジヒドロキシジフェニルエーテル、
ジヒドロキシジフェニルスルホンおよびこれらのハロゲ
ン化物、アルキル基置換体、異性体などがあり、これら
の化合物の分子量はどのようなものでも用いることがで
きる。これらの化合物が互いに重合していても、他の化
合物と重合していても、分子内に二個のフェノール性水
酸基を有すればよく、これらの化合物を何種類か併用す
ることができ、また二官能フェノール類以外の成分が、
不純物として含まれていても用いることができる。
【0020】(架橋剤)高分子量エポキシ重合体あるい
は水酸基を有するエポキシ樹脂を用いる場合には、この
水酸基と架橋反応する架橋剤を使用することができ、架
橋剤にハロゲンを含んでいるものを用いることもでき
る。
【0021】
【実施例】実施例1 エポキシ当量470、臭素含有率22重量%の臭素化ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対して、
ジシアンジアミド4重量部、イミダゾール0.5重量部
からなるエポキシ樹脂組成物のメチルエチルケトン/エ
チレングリコールモノメチルエーテル(重量比9/1)
溶液を、銅箔粗化面に塗布し、乾燥機中150℃、5分
間の条件で溶媒を除去し、厚さ50μmの銅箔付きエポ
キシ接着フィルムを作製した。これを170℃、30分
間の条件で、銅張積層板の片面に積層した。この3層モ
デル配線板の接着フィルム側の外層銅箔に、レジストを
用いた銅箔エッチングによって、直径0.15mmの穴
を500穴あけ、接着フィルム硬化物を露出させ、エッ
チング性評価試験片とした。エッチング液として、水酸
化ナトリウム4重量%、N−メチル−2−ピロリドン8
0重量%、メタノール16重量%の混合溶液を調整し
た。エッチング液を循環させ、その循環経路に平均孔径
1.0μmのフッ素樹脂製カートリッジフィルターを配
置し、エッチング液を濾過しながら、エッチングを行っ
た。
【0022】実施例2 平均粒径5.0μmのポリプロピレン製カートリッジフ
ィルターを用いた以外は、実施例1と同様の条件でエッ
チング性を評価した。
【0023】実施例3 エポキシ当量400、臭素含有率48重量%の臭素化ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対して、
フェノールノボラック樹脂30重量部、イミダゾール
0.2重量部からなるエポキシ樹脂組成物を用い、平均
孔径3.0μmのステンレス鋼製カートリッジフィルタ
ーを用いた以外は、実施例1と同様の条件でエッチング
性を評価した。
【0024】実施例4 平均孔径25.0μmのポリエステル製カートリッジフ
ィルターを用いた以外は、実施例3と同様の条件でエッ
チング性を評価した。
【0025】実施例5 ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールAか
ら合成した、重量平均分子量100、000の高分子量
エポキシ重合体100重量部に対して、フェノールでマ
スクしたジイソシアネート20重量部、テトラブロモビ
スフェノールA型エポキシ樹脂30重量部からなる樹脂
組成物を用いた以外は、実施例1と同様の条件でエッチ
ング性を評価した。
【0026】実施例6 ビスフェノールA型エポキシ樹脂とテトラブロモビスフ
ェノールAから合成した、重量平均分子量130、00
0の高分子量エポキシ重合体100重量部に対して、メ
チルエチルケトンオキシムでマスクしたジイソシアネー
ト20重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂30重
量部、充填材であるタルク20重量部からなる樹脂組成
物を用い、平均孔径40.0μmのステンレス鋼製カー
トリッジフィルターを用いて濾過した以外は、実施例1
と同様の条件でエッチング性を評価した。
【0027】実施例7 エッチング液として、水酸化カリウム5重量%、N,N
−ジメチルホルムアミド75重量%、エチレングリコー
ル20重量%の混合溶液を用いた以外は、実施例1と同
様の条件でエッチング性を評価した。
【0028】実施例8 実施例7で作製したエッチング液を用いた以外は、実施
例3と同様の条件でエッチング性を評価した。
【0029】実施例9 実施例7で作製したエッチング液を用いた以外は、実施
例5と同様の条件でエッチング性を評価した。
【0030】実施例10 エッチング液として、水素化リチウム5重量%、N,N
−ジメチルアセトアミド70重量%、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル25重量%の混合溶液を用いた以
外は、実施例1と同様の条件でエッチング性を評価し
た。
【0031】実施例11 実施例10で作製したエッチング液を用いた以外は、実
施例3と同様の条件でエッチング性を評価した。
【0032】実施例12 実施例10で作製したエッチング液を用いた以外は、実
施例6と同様の条件でエッチング性を評価した。
【0033】比較例1 実施例1において、フィルターによる濾過をせずにエッ
チングした以外は、実施例1と同様とした。
【0034】比較例2 実施例3において、フィルターによる濾過をせずにエッ
チングした以外は、実施例3と同様とした。
【0035】比較例3 実施例5において、フィルターによる濾過をせずにエッ
チングした以外は、実施例5と同様とした。
【0036】比較例4 実施例6において、フィルターによる濾過をせずにエッ
チングした以外は、実施例6と同様とした。
【0037】比較例5 実施例7において、フィルターによる濾過をせずにエッ
チングした以外は、実施例7と同様とした。
【0038】比較例6 実施例8において、フィルターによる濾過をせずにエッ
チングした以外は、実施例8と同様とした。
【0039】比較例7 実施例9において、フィルターによる濾過をせずにエッ
チングした以外は、実施例9と同様とした。
【0040】比較例8 実施例10において、フィルターによる濾過をせずにエ
ッチングした以外は、実施例10と同様とした。
【0041】比較例9 実施例11において、フィルターによる濾過をせずにエ
ッチングした以外は、実施例11と同様とした。
【0042】比較例10 実施例12において、フィルターによる濾過をせずにエ
ッチングした以外は、実施例12と同様とした。
【0043】(試験方法)エッチング液を50℃に加温
し、作製したエッチング性評価試験片を1時間エッチン
グ液に浸し、エッチングを行った。この試験を50サイ
クル行い、1サイクル目、5サイクル目、10サイクル
目、25サイクル目、50サイクル目のそれぞれについ
て、エッチング後の試験片の、直径0.15mmの穴を
顕微鏡で観察し、接着フィルム硬化物がエッチングされ
ることによって露出した内層銅箔の直径を測定した。測
定した内層銅箔の径の最大値と最小値から、エッチング
精度を評価した。実用上問題のない内層銅箔の露出した
直径の範囲を0.10mm〜0.15mmとした。実施
例、比較例の結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】比較例1〜10は、10サイクル目で、エ
ッチングにより露出した内層銅箔の直径の最小値が0.
08mm〜0.10mmであり、エッチング精度が低下
しており、25サイクル目では、すべての比較例で、エ
ッチングにより露出した内層銅箔の直径の最小値が0.
05mm〜0.06mmであり、実用上問題となるエッ
チング精度となったのに対して、実施例1〜12は、5
0サイクル目でもエッチング精度が良好範囲である0.
10mm〜0.15mmにあり、エッチング精度が優れ
ていることが分かる。本発明によれば、ハロゲン原子を
含むエポキシ樹脂硬化物をエッチングするための、アル
カリ金属化合物、アミド系溶媒、アルコール系溶媒から
なるエッチング液を、循環させて使用し、その循環経路
にフィルターを配置して、エッチング液を濾過すること
で、エッチング精度を従来の10サイクルから、50サ
イクル以上へと大幅に向上させることができた。
【0046】
【発明の効果】以上に説明したとおり、本発明によっ
て、エッチング精度に優れ、かつ、安全性に優れたエポ
キシ樹脂硬化物のエッチング方法を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 勝司 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 (72)発明者 松尾 亜矢子 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 Fターム(参考) 4F073 AA06 BA22 EA01 EA21 EA24 EA42

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン原子を含むエポキシ樹脂硬化物
    を、アルカリ金属化合物、アミド系溶媒、アルコール系
    溶媒からなるエッチング液を使用してエッチングする方
    法であって、エッチング液を濾過しながら処理を行うこ
    とを特徴とするエポキシ樹脂硬化物のエッチング方法。
  2. 【請求項2】アミド系溶媒に、N,N-ジメチルホルムア
    ミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピ
    ロリドンからなる群から選択された1以上を用いること
    を特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂硬化物のエ
    ッチング方法。
  3. 【請求項3】アルコール系溶媒に、メタノール、エタノ
    ール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメ
    チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
    ル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノ
    メチルエーテル、トリエチレングリコール、テトラエチ
    レングリコール、及びポリエチレングリコールからなる
    群から選択された1以上を用いることを特徴とする請求
    項1または2に記載のエポキシ樹脂硬化物のエッチング
    方法。
  4. 【請求項4】エッチング液の組成が、アルカリ金属化合
    物0.5〜40重量%、アミド系溶媒50〜99重量
    %、アルコール系溶媒0.5〜49.5重量%からなる
    ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれかに記載の
    エポキシ樹脂硬化物のエッチング方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005025836A1 (en) * 2003-09-18 2005-03-24 Cooperative Research Centre For Advanced Composite Structures Limited Functional surface shaping techniques for polymer composite components
AU2004272124B2 (en) * 2003-09-18 2010-04-29 Cooperative Research Centre For Advanced Composite Structures Limited Functional surface shaping techniques for polymer composite components

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