JP2000129021A - エポキシ樹脂硬化物の加工方法 - Google Patents

エポキシ樹脂硬化物の加工方法

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JP2000129021A
JP2000129021A JP30024698A JP30024698A JP2000129021A JP 2000129021 A JP2000129021 A JP 2000129021A JP 30024698 A JP30024698 A JP 30024698A JP 30024698 A JP30024698 A JP 30024698A JP 2000129021 A JP2000129021 A JP 2000129021A
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Takeshi Madarame
健 斑目
Nobuyuki Ogawa
信之 小川
Katsuji Shibata
勝司 柴田
Ayako Matsuo
亜矢子 松尾
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液寿命に優れ、かつ、安全性と効率に優れたエ
ポキシ硬化物のエッチング液の管理方法とその管理方法
を用いてエポキシ硬化物をエッチングする方法を提供す
る。 【解決手段】ハロゲン原子を含有するエポキシ樹脂硬化
物を、アルカリ金属化合物、アミド系溶媒、ポリエチレ
ングリコールからなる液を用いて、40℃以上の温度で
エッチングするエポキシ樹脂硬化物の加工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂硬化
物、特に、絶縁材料、接着剤、塗料などに用いられるエ
ポキシ樹脂硬化物をエッチングする加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、ポリイミド樹脂と同様
にその電気特性、接着性に優れているため、種々の分野
で利用されている。エポキシ樹脂及びポリイミド樹脂
は、用途が広がるにつれ、樹脂の一部を粗化や除去して
使用するようになってきた。
【0003】ポリイミド樹脂をエッチング加工する方法
に関しては、従来からよく行われており、ヒドラジン等
の塩基性溶液でエッチングする方法が、特開昭50-4
577号公報、特開昭51-27464号公報、または
特開昭53-49068号公報などによって知られてい
る。
【0004】また、エポキシ樹脂を粗化する方法やエッ
チング加工する方法に関しては、プリント配線板に用い
られるエポキシ樹脂硬化物の表面粗化処理、デスミア処
理、エッチバック処理に用いられる濃硫酸、クロム酸、
アルカリ過マンガン酸塩などでエッチングする方法が、
特開昭54-144968号公報、特開昭62-1041
97号公報などによって知られている。またエポキシ樹
脂に、アルカリに可溶なアクリル樹脂を添加して、エッ
チングする方法が、特開平5-218651号公報によ
って検討されている。
【0005】しかし、無変性のエポキシ樹脂の硬化物を
粗化、エッチングするのは、濃硫酸、クロム酸、アルカ
リ過マンガン酸塩を使用していたが、これらの液は労働
安全衛生法の特定化学物質に該当する薬品であり、安全
上取扱いに十分な注意が必要であり、さらに取扱い者に
は定期的に健康診断が義務付けられるので、取り扱いが
困難であるという課題があった。さらに濃硫酸は吸水性
が強いために、十分な濃度管理が必要であり、アルカリ
過マンガン酸塩でエポキシ樹脂を完全に除去するには、
80℃前後の高温と30分以上の時間が必要であり、効
率的でないという課題があった。また、エポキシ樹脂を
エッチング可能にするためにアクリル樹脂を添加した変
性エポキシ樹脂の場合、エポキシ樹脂の耐熱性、耐薬品
性等の優れた特性を低下させてしまうという課題があっ
た。
【0006】そこで、本発明者らは、鋭意検討の結果、
特開平8−325438号公報に開示したように、熱硬
化性エポキシ樹脂組成物の硬化物をエッチングする溶液
として、アミド系溶媒、アルカリ金属化合物のアルコー
ル系溶媒溶液からなるエッチング液を開発した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このアミド
系溶媒、アルカリ金属化合物のアルコール系溶媒溶液か
らなるエッチング液は、重量平均分子量が100,00
0以上の高分子量エポキシ重合体を含むエポキシ樹脂の
硬化物であればエッチングできたが、重量平均分子量が
100,000以上の高分子量エポキシ重合体を含まな
い熱硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物は、エッチング
することが困難であり、また、液寿命が短いという課題
があった。
【0008】本発明は、液寿命に優れ、かつ、安全性と
効率に優れたエポキシ硬化物のエッチング液の管理方法
とその管理方法を用いてエポキシ硬化物をエッチングす
る方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のエポキシ樹脂硬
化物の加工方法は、ハロゲン原子を含有するエポキシ樹
脂硬化物を、アルカリ金属化合物、アミド系溶媒、ポリ
エチレングリコールからなる液を用いて、40℃以上の
温度でエッチングすることを特徴とする。
【0010】このエッチング液の組成のうち、アルカリ
金属化合物には、アルカリ金属水酸化物を用いることが
できる。
【0011】このエッチング液の組成のうち、アミド系
溶媒には、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチ
ルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドンのいずれか
またはこれらの混合溶媒を用いることができる。
【0012】このエッチング液の組成のうち、ポリエチ
レングリコールには、以下の式1で表されるものを用い
ることができる。
【化2】 HO−(CH2−CH2−O)n−H (式1) (繰り返し単位nの平均値が2から15の範囲)
【0013】このエッチング液の組成比は、アルカリ金
属化合物1〜10重量部、アミド系溶媒50〜99重量
部、ポリエチレングリコール1〜50重量部からなるこ
とが好ましい。
【0014】加工の対象となる、エポキシ樹脂硬化物中
のハロゲン原子含有率は、5wt%以上であることが好
ましい。
【0015】加工の対象となる、ハロゲン原子を含むエ
ポキシ樹脂硬化物には、ハロゲン化多官能エポキシ樹脂
の硬化物および/またはハロゲン化多官能フェノール類
の硬化物を用いることが好ましい。
【0016】また、ハロゲン原子を含むエポキシ樹脂硬
化物には、重量平均分子量50,000以上の高分子量
エポキシ重合体の硬化物を用いることもできる。
【0017】このハロゲン原子を含むエポキシ樹脂硬化
物は、厚さ100μm以下のフィルム、接着層、または
絶縁層のいずれかであることが好ましい。
【0018】エポキシ樹脂硬化物に含まれるハロゲン原
子は、臭素原子であることが好ましい。
【0019】本発明者らは、鋭意、検討の結果、アミド
系溶媒、アルカリ金属化合物のアルコール系溶媒溶液か
らなるエッチング液が、重量平均分子量が100,00
0以上のハロゲン原子を含む高分子量エポキシ重合体を
含むエポキシ樹脂の硬化物であればエッチングできるの
に、重量平均分子量が100,000以上のハロゲン原
子を含む高分子量エポキシ重合体を含まない熱硬化性エ
ポキシ樹脂組成物の硬化物を、エッチングすることが困
難となる理由が、重量平均分子量が100,000以上
の高分子量エポキシ重合体を含むエポキシ樹脂の硬化物
の架橋密度が低く、重量平均分子量が100,000以
下の原料だけを含むエポキシ樹脂硬化物では、架橋密度
が高くなる傾向にあり、このことによってエッチング性
が著しく低下するという知見が得られ、さらに、アルカ
リ金属化合物を溶解させるために使用するアルコール系
溶媒に、比較的分子量の高いポリエチレングリコールを
用いれば、架橋密度の高いハロゲン原子を含むエポキシ
樹脂硬化物でも、エッチングできることが分かり、ま
た、ポリエチレングリコールを用いると、エッチングさ
れた成分の溶解性が高まり、エッチング液の寿命を大き
くすることができることも分かった。さらには、エッチ
ング時の液温を40℃以上に保つことによって、架橋密
度がかなり高い硬化物でも2時間以下でエッチングでき
ることが分かった。本発明は、このような知見によって
なすことができたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】(エポキシ樹脂)したがって、本
発明の加工の対象となるエポキシ樹脂硬化物は、ハロゲ
ン原子を含んでいれば使用することができる。ハロゲン
原子を含むエポキシ樹脂硬化物の構成成分としては、エ
ポキシ樹脂あるいは高分子量エポキシ重合体、硬化剤あ
るいは架橋剤などがあり、これらのいずれかまたは両方
にハロゲン原子を含むものを使用することができ、必要
に応じて促進剤、触媒、エラストマ、充填材、難燃剤な
どを加えることができる。
【0021】エポキシ樹脂には、分子内にエポキシ基を
有するものであればどのようなものでも使用でき、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エ
ポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、
フェノール類のジグリシジルエーテル化物、アルコール
類のジグリシジルエーテル化物、及びこれらのアルキル
置換体、ハロゲン化物、水素添加物などがあり、これら
を併用してもよく、エポキシ樹脂以外の成分が不純物と
して含まれていても使用することができる。
【0022】(硬化剤)本発明に使用するエポキシ樹脂
用硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させるものであれば使
用でき、例えば、多官能フェノール類、アミン類、イミ
ダゾール化合物、酸無水物、有機リン化合物およびこれ
らのハロゲン化物などがある。多官能フェノール類の例
として、単環二官能フェノールであるヒドロキノン、レ
ゾルシノール、カテコール,多環二官能フェノールであ
るビスフェノールA、ビスフェノールF、ナフタレンジ
オール類、ビフェノール類、及びこれらのハロゲン化
物、アルキル基置換体などがある。更に、これらのフェ
ノール類とアルデヒド類との重縮合物であるノボラッ
ク、レゾールがある。アミン類の例としては、脂肪族あ
るいは芳香族の第一級アミン、第二級アミン、第三級ア
ミン、第四級アンモニウム塩及び脂肪族環状アミン類、
グアニジン類、尿素誘導体等がある。これらの化合物の
一例としては、N、N−ベンジルジメチルアミン、2−
(ジメチルアミノメチル)フェノール、2、4、6−ト
リス(ジメチルアミノメチル)フェノール、テトラメチ
ルグアニジン、トリエタノールアミン、N、N’−ジメ
チルピペラジン、1、4−ジアザビシクロ[2、2、
2]オクタン、1、8−ジアザビシクロ[5、4、0]
−7−ウンデセン、1、5−ジアザビシクロ[4、4、
0]−5−ノネン、ヘキサメチレンテトラミン、ピリジ
ン、ピコリン、ピペリジン、ピロリジン、ジメチルシク
ロヘキシルアミン、ジメチルヘキシルアミン、シクロヘ
キシルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−n−ブチルア
ミン、ジフェニルアミン、N−メチルアニリン、トリ−
n−プロピルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ
−n−ブチルアミン、トリフェニルアミン、テトラメチ
ルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウム
ブロマイド、テトラメチルアンモニウムアイオダイド、
トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルメタン、
ジアミノジフェニルエーテル、ジシアンジアミド、トリ
ルビグアニド、グアニル尿素、ジメチル尿素等がある。
イミダゾール化合物の例としては、イミダゾール、2−
エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾ
ール、2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2
−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾー
ル、4、5−ジフェニルイミダゾール、2−メチルイミ
ダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシル
イミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン、2−イ
ソプロピルイミダゾール、2、4−ジメチルイミダゾー
ル、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチ
ルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリ
ン、ベンズイミダゾール、1−シアノエチルイミダゾー
ルなどがある。酸無水物の例としては、無水フタル酸、
ヘキサヒドロ無水フタル酸、ピロメリット酸二無水物、
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等がある。有
機リン化合物としては、有機基を有するリン化合物であ
れば特に限定されずに使用でき、例えば、ヘキサメチル
リン酸トリアミド、リン酸トリ(ジクロロプロピル)、
リン酸トリ(クロロプロピル)、亜リン酸トリフェニ
ル、リン酸トリメチル、フェニルフォスフォン酸、トリ
フェニルフォスフィン、トリ−n−ブチルフォスフィ
ン、ジフェニルフォスフィンなどがある。
【0023】これらの硬化剤は、単独、或いは、組み合
わせて用いることもできる。これらハロゲン化エポキシ
樹脂用硬化剤の配合量は、エポキシ基の硬化反応を進行
させることができれば使用でき、エポキシ基1モルに対
して、0.01〜5.0当量の範囲で使用することが好
ましい。
【0024】(硬化促進剤)また、本発明の熱硬化性エ
ポキシ樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤を配合
することができ、代表的な硬化促進剤として、第三級ア
ミン、イミダゾール類、第四級アンモニウム塩等があ
る。
【0025】(高分子量エポキシ重合体)フィルムを形
成する必要のある場合には、ハロゲン原子を含むエポキ
シ樹脂硬化物に、重量平均分子量50,000以上の高
分子量エポキシ重合体を含むことが好ましい。重量平均
分子量50,000以上の高分子量エポキシ重合体は、
二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類を交互共重合
させて得られる高分子であり、これら二成分を原料とす
るものが使用できる。高分子量エポキシ重合体の合成原
料である二官能エポキシ樹脂の例としては、分子内に二
個のエポキシ基をもつ化合物であれば使用でき、例え
ば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、
脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、その
他、二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、
二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、およ
びそれらのハロゲン化物、水素添加物などがある。これ
らの化合物は、互いに重合していても、分子内に二個の
エポキシ基を有すればよく、これらの化合物は何種類か
を併用することができる。また二官能エポキシ樹脂以外
の成分が、不純物として含まれていても使用できる。高
分子量エポキシ重合体の合成原料である二官能フェノー
ル類は、二個のフェノール性水酸基をもつ化合物であれ
ば使用することができ、例えば、単環二官能フェノール
であるヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、多
環二官能フェノールであるビスフェノールA、ビスフェ
ノールF、ビフェノール、ジヒドロキシジフェニルエー
テル、ジヒドロキシジフェニルスルホンおよびこれらの
ハロゲン化物、アルキル基置換体、異性体などがある。
これらの化合物は、互いに重合していても、他の化合物
と重合していても、分子内に二個のフェノール性水酸基
を有すればよく、これらの化合物は何種類かを併用する
ことができる。また二官能フェノール類以外の成分が、
不純物として含まれていても使用できる。
【0026】(架橋剤)高分子量エポキシ重合体あるい
は水酸基を有するエポキシ樹脂を含む場合には、この水
酸基と架橋反応する架橋剤を使用することができ、ハロ
ゲンを含むものも使用できる。
【0027】(エッチング液)本発明で使用するエポキ
シ樹脂硬化物のエッチング液は、アルカリ金属化合物、
アミド系溶媒、ポリエチレングリコールを含むものとす
る。アミド系溶媒としては、例えば、ホルムアミド、N
-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、ア
セトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチル
アセトアミド、N,N,N’,N’-テトラメチル尿素、2
-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、カルバミド酸
エステル等が使用できる。これらのうちN,N-ジメチル
ホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチ
ル-2-ピロリドンの使用が、エポキシ樹脂硬化物を膨潤
させる効果があり、分解物の溶解性が良好なために特に
好ましい。これらの溶媒は、また、ケトン系溶媒、エー
テル系溶媒等に代表されるその他の溶媒と併用すること
もできる。ここで併用できるケトン系溶媒には、例え
ば、アセトン、メチルエチルケトン、2-ペンタノン、
3-ペンタノン、2-ヘキサノン、メチルイソブチルケト
ン、2-ヘプタノン、4-ヘプタノン、ジイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン等がある。また、併用できるエー
テル系溶媒には、例えば、ジプロピルエーテル、ジイソ
プロピルエーテル、ジブチルエーテル、アニソール、フ
ェネトール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジ
エチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等がある。
【0028】本発明で使用するアルカリ金属化合物とし
ては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、
セシウム等のアルカリ金属化合物でアルコール系溶媒に
溶解するものであればどのようなものでもよく、例え
ば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セ
シウム等の金属、水素化物、水酸化物、ホウ水素化物、
アミド、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ホウ酸
塩、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、有機酸塩、ア
ルコラート、フェノラートなどがある。
【0029】本発明で使用するポリエチレングリコール
は、以下の式1で表すことができる。
【化3】 HO−(CH2−CH2−O)n−H (式1) このときに、繰り返し単位nの平均値は、40℃以上で
液体となる20以下であればよいが、2から15の範囲
であることが好ましい。2未満であるとエッチングされ
た硬化物の溶解性が劣り、15を越えるとアルカリ金属
化合物の溶解性が小さいため、エッチング時間を短縮す
ることができない。さらに、3〜10の範囲であればこ
の傾向がさらに改善されるため、より好ましい。これら
の溶媒は、何種類かを併用することもできる。
【0030】本発明で使用するエッチング液は、アミド
系溶媒に対し、ポリエチレングリコールは、好ましくは
アミド系溶媒50〜99重量部に対し、ポリエチレング
リコール1〜50重量部の組成である。アミド系溶媒の
濃度が50重量部未満であるとエポキシ硬化物の膨潤
性、分解物の溶解性が低下し、99重量部を越えると結
果的にアルカリ金属化合物の濃度が低下するため、エポ
キシ樹脂硬化物の分解速度が低下する。溶液中のアルカ
リ金属化合物濃度は、エッチング液中の全溶媒量を10
0重量部とした場合、1〜10重量部の範囲が好まし
く、1重量部未満であると、エポキシ樹脂硬化物の分解
速度が低下し、10重量部を超えるとポリエチレングリ
コールにアルカリ金属化合物が完全に溶解しない。この
ようにして得られたエッチング液に界面活性剤等を添加
して使用することもできる。
【0031】また、エッチングの際に、エッチング速度
を早めるために、エッチング液を40℃から溶媒の沸点
以下の温度で使用することができる。40℃未満では、
エッチング速度が著しく遅く、溶媒の沸点を越えると、
溶媒が沸騰するため作業が著しく困難になる。エッチン
グ方法として、エッチング液中に浸漬することによって
行い、エッチング速度を高めたり、超音波により振動を
与えたりすることもできる。また、液中に浸さず、スプ
レー等による噴霧もでき、さらに高圧をかけることもで
きる。
【0032】
【実施例】実施例1 エポキシ当量470、臭素含有率22重量%の臭素化ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対して、
ジシアンジアミド4重量部、イミダゾール0.5重量部
からなるエポキシ樹脂組成物のメチルエチルケトン/エ
チレングリコールモノメチルエーテル(重量比9/1)
溶液を、銅箔粗化面に塗布し、乾燥機を用い、150℃
で、5分間の条件で溶媒を除去し、厚さ50μmの銅箔
付きエポキシ接着フィルムを作製し、170℃で、30
分間の条件で銅張積層板の片面に積層した。この3層の
積層板の接着フィルム側の外層銅箔の不要な箇所をエッ
チング除去して,直径0.15mmの穴をあけ、前記エ
ポキシ接着フィルムの硬化物を露出させ、エッチング性
評価試験片とした。エッチング液として、水酸化ナトリ
ウム4重量部、N−メチル−2−ピロリドン80重量
部、テトラエチレングリコール16重量部の混合溶液を
調整し、このエッチング液を50℃に保って、60分間
試験片を浸けた。
【0033】実施例2 エポキシ当量400、臭素含有率48重量%の臭素化ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対して、
フェノールノボラック樹脂30重量部、イミダゾール
0.2重量部からなるエポキシ樹脂組成物を用いた以外
は,実施例1と同様の条件でエッチング性を評価した。
【0034】実施例3 ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールAか
ら合成した、重量平均分子量100,000の高分子量
エポキシ重合体100重量部に対して、フェノールでマ
スクしたジイソシアネート20重量部、テトラブロモビ
スフェノールA型エポキシ樹脂30重量部からなる樹脂
組成物を用いた以外は、実施例1と同様の条件でエッチ
ング性を評価した。
【0035】実施例4 ビスフェノールA型エポキシ樹脂とテトラブロモビスフ
ェノールAから合成した、重量平均分子量130,00
0の高分子量エポキシ重合体100重量部に対して、メ
チルエチルケトンオキシムでマスクしたジイソシアネー
ト20重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂30重
量部、充填材であるタルク20重量部からなる樹脂組成
物を用いた以外は、実施例1と同様の条件でエッチング
性を評価した。
【0036】実施例5 エッチング液として、水酸化リチウム5重量部、N,N
−ジメチルアセトアミド75重量部、平均分子量400
(平均繰り返し単位数11)のポリエチレングリコール
20重量部の混合溶液を用いた以外は、実施例1と同様
の条件でエッチング性を評価した。
【0037】実施例6 エッチング液として、水酸化ナトリウム5重量部、N−
メチルピロリドン70重量部、平均分子量300(平均
繰り返し単位数9)のポリエチレングリコール25重量
部の混合溶液を用いた以外は、実施例1と同様の条件で
エッチング性を評価した。
【0038】実施例7 エッチング液として、水酸化カリウム5重量部、N,N
−ジメチルホルムアミド75重量部、平均分子量200
(平均繰り返し単位数6)のポリエチレングリコール2
0重量部の混合溶液を用いた以外は、実施例1と同様の
条件でエッチング性を評価した。
【0039】実施例8 エッチング液の温度を40℃に保ったこと以外は、実施
例1と同様の条件でエッチング性を評価した。
【0040】実施例9 エッチング液の温度を60℃に保ったこと以外は、実施
例1と同様の条件でエッチング性を評価した。
【0041】実施例10 エッチング液の温度を80℃に保ったこと以外は、実施
例1と同様の条件でエッチング性を評価した。
【0042】比較例1 実施例1におけるテトラエチレングリコールをメタノー
ルに変えた以外は実施例1と同様の条件でエッチング性
を評価した。
【0043】比較例2 実施例2におけるテトラエチレングリコールをメタノー
ルに変えた以外は実施例1と同様の条件でエッチング性
を評価した。
【0044】比較例3 実施例3におけるテトラエチレングリコールをメタノー
ルに変えた以外は実施例1と同様の条件でエッチング性
を評価した。
【0045】比較例4 実施例4におけるテトラエチレングリコールをメタノー
ルに変えた以外は実施例1と同様の条件でエッチング性
を評価した。
【0046】比較例5 実施例5における平均分子量400のポリエチレングリ
コールをエチレングリコールモノメチルエーテルに変え
た以外は実施例1と同様の条件でエッチング性を評価し
た。
【0047】比較例6 実施例6における平均分子量300のポリエチレングリ
コールをジエチレングリコールモノメチルエーテルに変
えた以外は実施例1と同様の条件でエッチング性を評価
した。
【0048】比較例7 実施例7における平均分子量200のポリエチレングリ
コールをグリセリンに変えた以外は実施例1と同様の条
件でエッチング性を評価した。
【0049】比較例8 実施例1におけるエッチング液温度50℃を室温である
25℃に変えた以外は実施例1と同様の条件でエッチン
グ性を評価した。
【0050】(試験方法)実施例、比較例で行ったエッチ
ング性の評価を、以下に示すように行った。エッチング
液を一定温度に保ち、作製したエッチング性評価試験片
を1時間エッチング液に浸し、試験片の、直径0.15
mmの穴を顕微鏡で観察し、接着フィルム硬化物がエッ
チングされることによて露出した内層銅箔の直径を測定
した。この試験をエッチング液を調整した直後、3日
後、5日後、10日後のそれぞれにおいて行い、エッチ
ング液の可使時間を評価した。また、エッチング液を調
整した直後から3日後と10後にエッチング液を観察
し、沈殿物の有無とその量を、無、少(量)、多(量)
としてチェックした。結果を表1に示す。ここで、実用
上問題のない内層銅箔の露出径を、0.05mm〜0.
15mmとした。
【0051】
【表1】
【0052】表1に示すように、実施例1〜4から、低
分子量化合物だけを原料とするエポキシ樹脂硬化物およ
び高分子量エポキシ重合体を含むエポキシ樹脂硬化物の
いずれもが5日後までは良好にエッチングできることが
わかる。これらの実施例1〜4におけるエッチング液の
成分であるテトラエチレングリコールをメタノールに変
えた比較例1〜4では、調整日のエッチング性には差が
ないが、5日後ではほとんどエッチングできなくなる。
また、エッチング液中の沈殿物もテトラエチレングリコ
ールを用いない場合には、時間とともに大きく増加し、
エッチングを妨げる。実施例5〜7と比較例5〜7の場
合も同様であり、ポリエチレングリコールを使用しない
比較例では、エッチング性の低下が著しい。エッチング
液中の沈殿も多くなる。実施例1、実施例8〜10およ
び比較例8を比較すると、エッチング液温度が25℃の
比較例8では、液が劣化していない調整日でも1時間以
内にエッチング性の目標値である直径0.10mmを達
成しない。
【0053】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によっ
て、液寿命に優れ、かつ、安全性と効率に優れたエポキ
シ硬化物のエッチング液の管理方法とその管理方法を用
いてエポキシ硬化物をエッチングする方法を提供するこ
とができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年11月13日(1998.11.
13)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】しかし、無変性のエポキシ樹脂の硬化物を
粗化、エッチングするの、濃硫酸、クロム酸、アルカ
リ過マンガン酸塩を使用すると、これらの液は労働安全
衛生法の特定化学物質に該当する薬品であり、安全上取
扱いに十分な注意が必要であり、さらに取扱い者には定
期的に健康診断が義務付けられるので、取り扱いが困難
であるという課題があった。さらに濃硫酸は吸水性が強
いために、十分な濃度管理が必要であり、アルカリ過マ
ンガン酸塩でエポキシ樹脂を完全に除去するには、80
℃前後の高温と30分以上の時間が必要であり、効率的
でないという課題があった。また、エポキシ樹脂をエッ
チング可能にするためにアクリル樹脂を添加した変性エ
ポキシ樹脂の場合、エポキシ樹脂の耐熱性、耐薬品性等
の優れた特性を低下させてしまうという課題があった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 勝司 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 (72)発明者 松尾 亜矢子 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 Fターム(参考) 4F073 AA21 BA22 EA01 GA11

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン原子を含有するエポキシ樹脂硬化
    物を、アルカリ金属化合物、アミド系溶媒、ポリエチレ
    ングリコールからなる液を用いて、40℃以上の温度で
    エッチングすることを特徴とするエポキシ樹脂硬化物の
    加工方法。
  2. 【請求項2】アルカリ金属化合物に、アルカリ金属水酸
    化物を用いることを特徴とする請求項1に記載のエポキ
    シ樹脂硬化物の加工方法。
  3. 【請求項3】アミド系溶媒に、N,N-ジメチルホルムア
    ミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピ
    ロリドンのいずれかまたはこれらの混合溶媒を用いるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のエポキシ樹脂
    硬化物の加工方法。
  4. 【請求項4】ポリエチレングリコールに、以下の式1で
    表されるものを用いることを特徴とする請求項1〜3の
    うちいずれかに記載のエポキシ樹脂硬化物の加工方法。 【化1】 HO−(CH2−CH2−O)n−H (式1) (繰り返し単位nの平均値が2から15の範囲)
  5. 【請求項5】エッチング液が、アルカリ金属化合物1〜
    10重量部、アミド系溶媒50〜99重量部、ポリエチ
    レングリコール1〜50重量部からなることを特徴とす
    る請求項1〜4のうちいずれかに記載のエポキシ樹脂硬
    化物の加工方法。
  6. 【請求項6】エポキシ樹脂硬化物中のハロゲン原子含有
    率が、5wt%以上であることを特徴とする請求項1〜
    5のうちいずれかに記載のエポキシ樹脂硬化物の加工方
    法。
  7. 【請求項7】ハロゲン原子を含むエポキシ樹脂硬化物
    に、ハロゲン化多官能エポキシ樹脂の硬化物および/ま
    たはハロゲン化多官能フェノール類の硬化物を用いるこ
    とを特徴とする請求項1〜6のうちいずれかに記載のエ
    ポキシ樹脂硬化物の加工方法。
  8. 【請求項8】ハロゲン原子を含むエポキシ樹脂硬化物
    に、重量平均分子量50,000以上の高分子量エポキ
    シ重合体の硬化物を用いることを特徴とする請求項1〜
    7のうちいずれかに記載のエポキシ樹脂硬化物の加工方
    法。
  9. 【請求項9】ハロゲン原子を含むエポキシ樹脂硬化物
    が、厚さ100μm以下のフィルム、接着層、または絶
    縁層のいずれかであることを特徴とする請求項1〜8の
    うちいずれかに記載のエポキシ樹脂硬化物の加工方法。
  10. 【請求項10】ハロゲン原子が、臭素原子であることを
    特徴とする請求項1〜9に記載のエポキシ樹脂硬化物の
    加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002265913A (ja) * 2001-03-06 2002-09-18 Hitachi Chem Co Ltd エポキシ接着フィルムによる接着方法

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JP2002265913A (ja) * 2001-03-06 2002-09-18 Hitachi Chem Co Ltd エポキシ接着フィルムによる接着方法

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