JP2000143844A - エポキシ樹脂硬化物のエッチング方法 - Google Patents

エポキシ樹脂硬化物のエッチング方法

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JP2000143844A
JP2000143844A JP10323005A JP32300598A JP2000143844A JP 2000143844 A JP2000143844 A JP 2000143844A JP 10323005 A JP10323005 A JP 10323005A JP 32300598 A JP32300598 A JP 32300598A JP 2000143844 A JP2000143844 A JP 2000143844A
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epoxy resin
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solution
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English (en)
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Takeshi Madarame
健 斑目
Nobuyuki Ogawa
信之 小川
Katsuji Shibata
勝司 柴田
Ayako Matsuo
亜矢子 松尾
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液寿命に優れ、かつ、エッチング精度と安全性
に優れたエポキシ樹脂硬化物のエッチング液の使用方法
を提供する。 【解決手段】ハロゲン原子を含むエポキシ樹脂硬化物
を、アルカリ金属化合物、アミド系溶媒、アルコール系
溶媒からなるエッチング液により除去する方法であっ
て、かつ、エッチング処理に伴い消費されるエッチング
液のエッチング能力を、エッチング液の一部を交換する
ことによって更新させるエポキシ樹脂硬化物のエッチン
グ方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁材料、接着
剤、塗料などに用いられるエポキシ樹脂硬化物をエッチ
ングする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、ポリイミド樹脂と同様
にその電気特性、接着性に優れているため、種々の分野
で利用されている。エポキシ樹脂及びポリイミド樹脂
は、用途が広がるにつれ、樹脂の一部を粗化や除去して
使用するようになってきた。
【0003】ポリイミド樹脂をエッチング加工する方法
に関しては、従来からよく行われており、ヒドラジン等
の塩基性溶液でエッチングする方法が、特開昭50-4
577号公報、特開昭51-27464号公報、または
特開昭53-49068号公報などによって知られてい
る。
【0004】また、エポキシ樹脂を粗化する方法やエッ
チング加工する方法に関しては、プリント配線板に用い
られるエポキシ樹脂硬化物の表面粗化処理、デスミア処
理、エッチバック処理に用いられる濃硫酸、クロム酸、
アルカリ過マンガン酸塩などでエッチングする方法が、
特開昭54-144968号公報、特開昭62-1041
97号公報などによって知られている。またエポキシ樹
脂に、アルカリに可溶なアクリル樹脂を添加して、エッ
チングする方法が、特開平5-218651号公報によ
って検討されている。
【0005】しかし、無変性のエポキシ樹脂の硬化物を
粗化、エッチングするのに、濃硫酸、クロム酸、アルカ
リ過マンガン酸塩を使用すると、これらの液は労働安全
衛生法の特定化学物質に該当する薬品であり、安全上取
扱いに十分な注意が必要であり、さらに取扱い者には定
期的に健康診断が義務付けられるので、取り扱いが困難
であるという課題があった。さらに濃硫酸は吸水性が強
いために、十分な濃度管理が必要であり、アルカリ過マ
ンガン酸塩でエポキシ樹脂を完全に除去するには、80
℃前後の高温と30分以上の時間が必要であり、効率的
でないという課題があった。また、エポキシ樹脂をエッ
チング可能にするためにアクリル樹脂を添加した変性エ
ポキシ樹脂の場合、エポキシ樹脂の耐熱性、耐薬品性等
の優れた特性を低下させてしまうという課題があった。
【0006】そこで、本発明者らは、鋭意検討の結果、
特開平8−325438号公報に開示したように、熱硬
化性エポキシ樹脂組成物の硬化物をエッチングする溶液
として、アミド系溶媒、アルカリ金属化合物のアルコー
ル系溶媒溶液からなるエッチング液を開発した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このアルカ
リ金属化合物、アミド系溶媒、アルコール系溶媒からな
るエッチング液は、液寿命が短く、エッチング性の低下
に伴い、エッチング精度も低くなるという課題があっ
た。
【0008】本発明は、液寿命に優れ、かつ、エッチン
グ精度と安全性に優れたエポキシ樹脂硬化物のエッチン
グ液の使用方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のエポキシ樹脂硬
化物のエッチング方法は、ハロゲン原子を含むエポキシ
樹脂硬化物を、アルカリ金属化合物、アミド系溶媒、ア
ルコール系溶媒からなるエッチング液により除去する方
法であって、かつ、エッチング処理に伴い消費されるエ
ッチング液のエッチング能力を、エッチング液の一部を
交換することによって更新させることを特徴とする。
【0010】エッチング液のアミド系溶媒には、N、N
-ジメチルホルムアミド、N、N-ジメチルアセトアミ
ド、N-メチル-2-ピロリドンからなる群から選択され
た1以上のものを用いることが好ましい。
【0011】エッチング液のアルコール系溶媒には、メ
タノール、エタノール、エチレングリコール、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレン
グリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、及びポリエチレングリ
コールからなる群から選択された1以上のものを用いる
ことが好ましい。
【0012】エッチング液の組成は、アミド系溶媒50
〜99重量%、アルコール系溶媒0.5〜49.5重量
%、アルカリ金属化合物0.5〜40重量%からなるも
のを用いることが好ましい。
【0013】エッチング液の一部を交換する目安とし
て、エッチング処理に伴い消費されるエッチング液のエ
ッチング能力を、エッチングに要する時間がエッチング
液を調整した直後のエッチング液を基準として、110
%を超えたときとすることが好ましく、エッチングに要
する時間が110%未満のときに液交換しても、液寿命
の向上が少なく、経済的効果が小さいおそれがある。エ
ッチング液の交換量は、エッチング液全体の5wt%〜
40wt%であることが好ましく、5wt%未満では、
低下したエッチング性能を復活させるには不十分であ
り、また、40wt%を超えると、液交換の前後でエッ
チング性能が大きく異なることもあり、エッチング量の
ばらつきが生じ易く、例えばエッチングにより絶縁層に
穴をあけ、めっきにより穴内壁を金属化して絶縁層の内
層と外層を電気的に接続するための穴の接続信頼性が低
下するおそれがある。
【0014】
【発明の実施の形態】(エッチング液)本発明で使用す
るエポキシ樹脂硬化物のエッチング液は、アルカリ金属
化合物、アミド系溶媒、アルコール系溶媒を構成成分と
するが、これらの他にどのような化合物を加えてもよ
い。アミド系溶媒としては、例えば、ホルムアミド、N
-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、
アセトアミド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチ
ルアセトアミド、N,N,N’,N’-テトラメチル尿
素、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、カルバ
ミド酸エステル等が使用できる。これらのうちN,N-
ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミ
ド、N-メチル-2-ピロリドンの使用が、エポキシ樹脂
硬化物を膨潤させる効果があり、分解物の溶解性が良好
なために特に好ましい。これらの溶媒は、併用すること
ができ、また、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒等に代表
されるその他の溶媒と併用することもできる。ここで併
用できるケトン系溶媒には、例えば、アセトン、メチル
エチルケトン、2-ペンタノン、3-ペンタノン、2-ヘ
キサノン、メチルイソブチルケトン、2-ヘプタノン、
4-ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン等がある。また、併用できるエーテル系溶媒には、例
えば、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、
ジブチルエーテル、アニソール、フェネトール、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチ
ルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリ
コールジエチルエーテル等がある。本発明で使用するア
ルカリ金属化合物としては、リチウム、ナトリウム、カ
リウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属化合物
でアルコール系溶媒に溶解するものであればどのような
ものでもよく、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、ルビジウム、セシウム等の金属、水素化物、水酸化
物、ホウ水素化物、アミド、フッ化物、塩化物、臭化
物、ヨウ化物、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、
硝酸塩、有機酸塩、アルコラート、フェノラートなどが
ある。本発明で使用するアルコール系溶媒としては、例
えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-
プロパノール、 1-ブタノール、2- ブタノール、iso
-ブタノール、tert-ブタノール、1-ペンタノール、2-
ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノ
ール、iso -ペンチルアルコール、tert -ペンチルアル
コール、3-メチル-2-ブタノール、ネオペンチルアル
コール、1-ヘキサノール、2-メチル-1-ペンタノー
ル、4-メチル-2-ペンタノール、2-エチル-1-ブタノ
ール、1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプタ
ノール、シクロヘキサノール、1-メチルシクロヘキサ
ノール、2-メチルシクロヘキサノール、3-メチルシク
ロヘキサノール、4-メチルシクロヘキサノール、エチ
レングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコール
モノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロ
ピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコール
モノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、テトラエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール(分子量200〜400)、1,2-プロパ
ンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタン
ジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオ
ール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオー
ル、グリセリン、ジプロピレングリコールなどがある。
これらのうちメタノール、エタノール、エチレングリコ
ール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコー
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエ
チレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエ
チレングリコールがアルカリ金属化合物の溶解性が高
く、特に好ましい。これらの溶媒は、何種類かを併用す
ることもできる。このエッチング液には、アミド系溶媒
50〜99重量%に対し、アルコール系溶媒0.5〜4
9.5重量%の範囲であることが好ましく、アミド系溶
媒の濃度が50重量%未満であると、エポキシ硬化物の
膨潤性、分解物の溶解性が低下し、99重量%を超える
と、結果的にアルカリ金属化合物の濃度が低下するた
め、エポキシ樹脂硬化物の分解速度が低下する。溶液中
のアルカリ金属化合物濃度は、0.5重量%〜40重量
%の範囲が好ましく、0.5重量%未満であると、エポ
キシ樹脂硬化物の分解速度が低下し、40重量%を超え
ると、アルコール系溶媒にアルカリ金属化合物が完全に
溶解しない。このエッチング液に、界面活性剤等を添加
することもできる。
【0015】また、エッチングの際に、エッチング速度
を調整するために、エッチング液を溶媒の凝固点〜沸点
までの範囲であれば任意の温度で使用することができ
る。エッチング方法は、エッチング液中に浸漬すること
によって行い、エッチング速度を高めるために超音波に
より振動を与えることができ、また、液中に浸さず、ス
プレー等による噴霧もでき、さらに高圧をかけて行うこ
ともできる。また、ドリル、レーザー等で予め穴をあけ
た上で、残りの樹脂をエッチングすることも可能であ
る。
【0016】(エポキシ樹脂)このようなエポキシ樹脂
硬化物に用いる樹脂には、分子内にエポキシ基を有す
る、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、
脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキ
シ樹脂、フェノール類のジグリシジリエーテル化物、ア
ルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びこれらの
アルキル置換体、ハロゲン化物、水素添加物などがあ
り、これらを併用してもよく、エポキシ樹脂以外の成分
が不純物として含まれていてもよい。
【0017】(硬化剤)エポキシ樹脂硬化物に用いる硬
化剤には、エポキシ樹脂を硬化させるものであれば、ど
のようなものでも使用でき、例えば、多官能フェノール
類、アミン類、イミダゾール化合物、酸無水物、有機リ
ン化合物およびこれらのハロゲン化物などがある。多官
能フェノール類の例として、単環二官能フェノールであ
るヒドロキノン、レゾルシノール、カテコール、多環二
官能フェノールであるビスフェノールA、ビスフェノー
ルF、ナフタレンジオール類、ビフェノール類、及びこ
れらのハロゲン化物、アルキル基置換体などがある。更
に、これらのフェノール類とアルデヒド類との重縮合物
であるノボラック、レゾールがある。アミン類の例とし
ては、脂肪族あるいは芳香族の第一級アミン、第二級ア
ミン、第三級アミン、第四級アンモニウム塩及び脂肪族
環状アミン類、グアニジン類、尿素誘導体等がある。こ
れらの化合物の一例としては、N,N−ベンジルジメチ
ルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、テトラメチルグアニジン、トリエタノールアミン、
N,N’−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシク
ロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ
[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシ
クロ[4,4,0]−5−ノネン、ヘキサメチレンテト
ラミン、ピリジン、ピコリン、ピペリジン、ピロリジ
ン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルヘキシル
アミン、シクロヘキシルアミン、ジイソブチルアミン、
ジ−n−ブチルアミン、ジフェニルアミン、N−メチル
アニリン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−オク
チルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリフェニルア
ミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメ
チルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウ
ムアイオダイド、トリエチレンテトラミン、ジアミノジ
フェニルメタン、ジアミノジフェニルエーテル、ジシア
ンジアミド、トリルビグアニド、グアニル尿素、ジメチ
ル尿素等がある。イミダゾール化合物の例としては、イ
ミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4
−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−
フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、
1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデ
シルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、
2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、
2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダ
ゾリン、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメ
チルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾ
ール、2−エチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メ
チルイミダゾリン、ベンズイミダゾール、1−シアノエ
チルイミダゾールなどがある。酸無水物の例としては、
無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ピロメリッ
ト酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物等がある。有機リン化合物としては、有機基を有する
リン化合物であれば特に限定せれずに使用でき、例え
ば、ヘキサメチルリン酸トリアミド、リン酸トリ(ジク
ロロプロピル)、リン酸トリ(クロロプロピル)、亜リ
ン酸トリフェニル、リン酸トリメチル、フェニルフォス
フォン酸、トリフェニルフォスフィン、トリ−n−ブチ
ルフォスフィン、ジフェニルフォスフィンなどがある。
これらの硬化剤は、単独、或いは、組み合わせて用いる
こともできる。これらハロゲン化エポキシ樹脂用硬化剤
の配合量は、エポキシ基の硬化反応を進行させることが
できれば、特に限定することなく使用できるが、好まし
くは、エポキシ基1モルに対して、0.01〜5.0当
量の範囲で使用する。
【0018】(硬化促進剤)また、エポキシ樹脂硬化物
に用いる樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤を配
合してもよく、代表的な硬化促進剤として、第三級アミ
ン、イミダゾール類、第四級アンモニウム塩等がある。
【0019】(高分子エポキシ重合体)エポキシ樹脂硬
化物にフィルムを用いる必要のある場合には、ハロゲン
原子を含むエポキシ樹脂硬化物に、重量平均分子量5
0、000以上の高分子量エポキシ重合体を用いること
が好ましい。重量平均分子量50、000以上の高分子
量エポキシ重合体は、二官能エポキシ樹脂と二官能フェ
ノール類を交互共重合させて得られる高分子であり、こ
れら二成分を原料とするものであればどのようなもので
もよい。高分子量エポキシ重合体の合成原料である二官
能エポキシ樹脂には、分子内に二個のエポキシ基をもつ
化合物であればどのようなものでも用いることができ、
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹
脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、そ
の他、二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化
物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、
およびそれらのハロゲン化物、水素添加物などがあり、
これらの化合物の分子量はどのようなものでも用いるこ
とができる。これらの化合物が互いに重合していても、
分子内に二個のエポキシ基を有すればよく、さらに、こ
れらの化合物は何種類かを併用することができ、二官能
エポキシ樹脂以外の成分が、不純物として含まれていて
も用いることができる。高分子量エポキシ重合体の合成
原料である二官能フェノール類には、二個のフェノール
性水酸基をもつ化合物であればどのようなものでも用い
ることができ、例えば、単環二官能フェノールであるヒ
ドロキノン、レゾルシノール、カテコール、多環二官能
フェノールであるビスフェノールA、ビスフェノール
F、ビフェノール、ジヒドロキシジフェニルエーテル、
ジヒドロキシジフェニルスルホンおよびこれらのハロゲ
ン化物、アルキル基置換体、異性体などがあり、これら
の化合物の分子量はどのようなものでも用いることがで
きる。これらの化合物が互いに重合していても、他の化
合物と重合していても、分子内に二個のフェノール性水
酸基を有すればよく、これらの化合物を何種類か併用す
ることができ、また二官能フェノール類以外の成分が、
不純物として含まれていても用いることができる。
【0020】(架橋剤)高分子量エポキシ重合体あるい
は水酸基を有するエポキシ樹脂を用いる場合には、この
水酸基と架橋反応する架橋剤を使用することができ、架
橋剤にハロゲンを含んでいるものを用いることもでき
る。
【0021】
【実施例】実施例1 エポキシ当量470、臭素含有率22重量%の臭素化ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対して、
ジシアンジアミド4重量部、イミダゾール0.5重量部
からなるエポキシ樹脂組成物のメチルエチルケトン/エ
チレングリコールモノメチルエーテル(重量比9/1)
溶液を、銅箔粗化面に塗布し、乾燥機中150℃、5分
間の条件で溶媒を除去し、厚さ50μmの銅箔付きエポ
キシ接着フィルムを作製した。これを170℃、30分
間の条件で、銅張積層板の片面に積層した。この3層モ
デル配線板の接着フィルム側の外層銅箔に、レジストを
用いた銅箔エッチングによって、直径0.15mmの穴
を500穴あけ、接着フィルム硬化物を露出させ、エッ
チング性評価試験片とした。エッチング液として、水酸
化ナトリウム4重量%、N−メチル−2−ピロリドン8
0重量%、メタノール16重量%の混合溶液を調整し
た。エッチング液全体の15wt%を、3日に1回の割
合で液交換しながら、エッチングを行った。エッチング
液を50℃に加温し、作製したエッチング性評価試験片
を1時間エッチング液に浸し、エッチングを行った。こ
の試験を、エッチング液調整直後、3日、6日、12
日、24日、36日のそれぞれにおいて行った。
【0022】実施例2 エポキシ当量400、臭素含有率48重量%の臭素化ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂100重量部に対して、
フェノールノボラック樹脂30重量部、イミダゾール
0.2重量部からなるエポキシ樹脂組成物を用いた以外
は、実施例1と同様の条件でエッチング性を評価した。
【0023】実施例3 ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールAか
ら合成した、重量平均分子量100、000の高分子量
エポキシ重合体100重量部に対して、フェノールでマ
スクしたジイソシアネート20重量部、テトラブロモビ
スフェノールA型エポキシ樹脂30重量部からなる樹脂
組成物を用いた以外は、実施例1と同様の条件でエッチ
ング性を評価した。
【0024】実施例4 ビスフェノールA型エポキシ樹脂とテトラブロモビスフ
ェノールAから合成した、重量平均分子量130、00
0の高分子量エポキシ重合体100重量部に対して、メ
チルエチルケトンオキシムでマスクしたジイソシアネー
ト20重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂30重
量部、充填材であるタルク20重量部からなる樹脂組成
物を用い、平均孔径40.0μmのステンレス鋼製カー
トリッジフィルターを用いて濾過した以外は、実施例1
と同様の条件でエッチング性を評価した。
【0025】実施例5 エッチング液として、水酸化カリウム5重量%、N,N
−ジメチルホルムアミド75重量%、エチレングリコー
ル20重量%の混合溶液を用いた以外は、実施例1と同
様の条件でエッチング性を評価した。
【0026】実施例6 実施例5で作製したエッチング液を用いた以外は、実施
例2と同様の条件でエッチング性を評価した。
【0027】実施例7 実施例5で作製したエッチング液を用いた以外は、実施
例3と同様の条件でエッチング性を評価した。
【0028】実施例8 エッチング液として、水素化リチウム5重量%、N,N
−ジメチルアセトアミド70重量%、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル25重量%の混合溶液を用いた以
外は、実施例1と同様の条件でエッチング性を評価し
た。
【0029】実施例9 実施例8で作製したエッチング液を用いた以外は、実施
例2と同様の条件でエッチング性を評価した。
【0030】実施例10 実施例8で作製したエッチング液を用いた以外は、実施
例3と同様の条件でエッチング性を評価した。
【0031】比較例1 実施例1において、液交換をせずにエッチングした以外
は、実施例1と同様とした。
【0032】比較例2 実施例2において、液交換をせずにエッチングした以外
は、実施例2と同様とした。
【0033】比較例3 実施例3において、液交換をせずにエッチングした以外
は、実施例3と同様とした。
【0034】比較例4 実施例4において、液交換をせずにエッチングした以外
は、実施例4と同様とした。
【0035】比較例5 実施例5において、液交換をせずにエッチングした以外
は、実施例5と同様とした。
【0036】比較例6 実施例6において、液交換をせずにエッチングした以外
は、実施例6と同様とした。
【0037】比較例7 実施例7において、液交換をせずにエッチングした以外
は、実施例7と同様とした。
【0038】比較例8 実施例8において、液交換をせずにエッチングした以外
は、実施例8と同様とした。
【0039】比較例9 実施例9において、液交換をせずにエッチングした以外
は、実施例9と同様とした。
【0040】比較例10 実施例10において、液交換をせずにエッチングした以
外は、実施例10と同様とした。
【0041】(評価方法)エッチング後の試験片の、直径
0.15mmの穴を顕微鏡で観察し、接着フィルム硬化
物がエッチングされることによって露出した内層銅箔の
直径を測定し、測定した内層銅箔の直径の最大値と最小
値から、エッチング精度と、エッチング液の可使時間を
評価した。実用上問題のない内層銅箔の露出した直径の
範囲を0.10mm〜0.15mmとした。実施例、比
較例の結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】比較例1〜10は、3日後のエッチングに
より露出した内層銅箔の直径の最大値が、0.04mm
〜0.08mmであり、エッチング性が低下しており、
6日後では、すべての比較例で、内層銅箔に到達するま
でエッチングできずなくなっているのに対し、実施例1
〜10は、36日後でも実用上問題のない内層銅箔の直
径の範囲である0.12mm〜0.15mmにあり、液
寿命、エッチング精度が優れていることが分かる。ま
た、比較例ではいずれも、内層銅箔の露出した直径を実
用上問題のない0.12mm以上とするには、エッチン
グ直後のエッチング液を基準として110%を超えるエ
ッチング時間をかけなければならなかった。本発明によ
れば、ハロゲン原子を含むエポキシ樹脂硬化物をエッチ
ングするための、アルカリ金属化合物、アミド系溶媒、
アルコール系溶媒からなるエッチング液を使用する際、
エッチング液の一部分を液交換することで、液寿命とエ
ッチング精度を従来の6日以下から、36日以上へと大
幅に向上させることができた。
【0044】
【発明の効果】以上に説明したとおり、本発明によっ
て、液寿命に優れ、かつ、エッチング精度と安全性に優
れたエポキシ樹脂硬化物のエッチング方法を提供するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 勝司 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 (72)発明者 松尾 亜矢子 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 Fターム(参考) 4F073 AA21 BA22 EA01 EA21 EA24 EA55 HA15

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン原子を含むエポキシ樹脂硬化物
    を、アルカリ金属化合物、アミド系溶媒、アルコール系
    溶媒からなるエッチング液により除去する方法であっ
    て、かつ、エッチング処理に伴い消費されるエッチング
    液のエッチング能力を、エッチング液の一部を交換する
    ことによって更新させることを特徴とするエポキシ樹脂
    硬化物のエッチング方法。
  2. 【請求項2】エッチング液のアミド系溶媒に、N,N-
    ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミ
    ド、N-メチル-2-ピロリドンからなる群から選択され
    た1以上のものを用いることを特徴とする請求項1に記
    載のエポキシ樹脂硬化物のエッチング方法。
  3. 【請求項3】エッチング液のアルコール系溶媒に、メタ
    ノール、エタノール、エチレングリコール、エチレング
    リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
    エチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレング
    リコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコー
    ル、テトラエチレングリコール、及びポリエチレングリ
    コールからなる群から選択された1以上のものを用いる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のエポキシ樹
    脂硬化物のエッチング方法。
  4. 【請求項4】エッチング液に、アミド系溶媒50〜99
    重量%、アルコール系溶媒0.5〜49.5重量%、ア
    ルカリ金属化合物0.5〜40重量%からなるものを用
    いることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれかに記
    載のエポキシ樹脂硬化物のエッチング方法。
  5. 【請求項5】エッチング液の一部を交換する目安に、エ
    ッチング処理に伴い消費されるエッチング液のエッチン
    グ能力として、エッチングに要する時間が110%を超
    えたときとすることを特徴とする請求項1〜4のうちい
    ずれかに記載のエポキシ樹脂硬化物のエッチング方法。
  6. 【請求項6】エッチング液の交換量が、エッチング液全
    体の5wt%〜40wt%であることを特徴とする請求
    項1〜5のうちいずれかに記載のエポキシ樹脂硬化物の
    エッチング方法。
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JP2002265913A (ja) * 2001-03-06 2002-09-18 Hitachi Chem Co Ltd エポキシ接着フィルムによる接着方法

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JP2002265913A (ja) * 2001-03-06 2002-09-18 Hitachi Chem Co Ltd エポキシ接着フィルムによる接着方法

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