JP2003131451A - 電子写真部材に対する塗工膜剥離方法、電子写真部材の再生方法、電子写真部材用金属製基体、再生電子写真部材、再生現像剤担持体及び現像装置 - Google Patents

電子写真部材に対する塗工膜剥離方法、電子写真部材の再生方法、電子写真部材用金属製基体、再生電子写真部材、再生現像剤担持体及び現像装置

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JP2003131451A
JP2003131451A JP2001322672A JP2001322672A JP2003131451A JP 2003131451 A JP2003131451 A JP 2003131451A JP 2001322672 A JP2001322672 A JP 2001322672A JP 2001322672 A JP2001322672 A JP 2001322672A JP 2003131451 A JP2003131451 A JP 2003131451A
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JP2001322672A
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Kazunori Saiki
一紀 齊木
Naoki Okamoto
直樹 岡本
Kenji Fujishima
健司 藤島
Satoshi Otake
智 大竹
Yasuhide Goseki
康秀 後関
Yasuhisa Akashi
恭尚 明石
Masayoshi Shimamura
正良 嶋村
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久使用後或いは製造上の不具合等によって
使用不能となった樹脂被覆層を有する現像剤担持体等の
電子写真部材を、再生品でありながら新品と同様に高精
細で高品位な画像の得られ、繰り返しの耐久性にも優れ
る電子写真部材へと簡易に且つ低コストで再生する方
法、これによって得られる経済性及び資源の有効活用の
点からも好ましい電子写真部材、現像装置等の提供。 【解決手段】 金属製基体表面に塗工膜である熱硬化性
樹脂層が設けられている電子写真部材に用いる塗工膜剥
離方法であって、電子写真部材を上記熱硬化性樹脂のガ
ラス転移温度(Tg)以上の温度に加熱した液体に浸漬
し、上記金属製基体表面から熱硬化性樹脂層を剥離する
電子写真部材に対する塗工膜剥離方法、これを用いて得
られる再生現像剤担持体、該担持体を用いた現像装置
等。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
等の電子写真法を利用した画像形成装置に用いられる、
例えば、現像ローラ、帯電ローラ、転写ローラ、定着ロ
ーラ等の電子写真部材に用いる塗工膜剥離方法、電子写
真部材の再生方法、電子写真用金属製基体、再生電子写
真部材、再生現像剤担持体及び現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては多数の方法が
知られているが、一般には、光導電性物質を利用し、種
々の手段により静電潜像担持体(感光体ドラム、単にド
ラムとも呼ぶ)上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像
をトナー(現像剤)で現像を行なって可視像とし、必要
に応じて紙等の転写材にトナー像を転写した後、熱・圧
力等により転写材上にトナー画像を定着して複写物を得
るものである。
【0003】近年、電子写真法を用いた機器は、従来の
複写機以外にも、プリンターやファクシミリ等多数にな
ってきている。特に、プリンターやファクシミリでは、
複写装置部分を小さくする必要があるため、一成分系ト
ナーを用いた現像装置が使用されることが多い。一成分
現像方式は、二成分現像方式のように、ガラスビーズや
鉄粉等のキャリア粒子が不要なため、現像装置自体を小
型化・軽量化できる。更には、二成分現像方式では、現
像剤中のトナー濃度を一定に保つ必要があるため、トナ
ー濃度を検知し、これに応じて必要量のトナーを補給す
る装置が必要であり、この点でも現像装置が大きく重く
なる。これに対し、一成分現像方式では、このような装
置は必要とならないため、やはり小さく軽くできるため
好ましい。
【0004】又、プリンター装置は、LEDやLBPプ
リンターが近年では市場の主流になっており、技術の方
向として、より高解像度、即ち、従来は、300或いは
400dpiであったものが、600、800、120
0dpiとなってきている。従って、現像方式もこれに
伴って、より高精細さが要求されてきている。又、複写
機においても高機能化が進んでおり、そのためデジタル
化の方向に進みつつある。この方向は、静電荷像をレー
ザーで形成する方法が主であるため、やはり高解像度の
方向に進んでおり、ここでもプリンターと同様に、高解
像・高精細の現像方式が要求されてきており、特開平1
−112253号公報、特開平2−284158号公報
等では粒径の小さいトナーが提案されている。
【0005】上記方式の現像に用いられる現像剤担持体
としては、例えば、金属、その合金又はその化合物を円
筒状に成型し、その表面を電解、ブラスト、ヤスリ等で
所定の表面粗度になるように処理したものが用いられ
る。しかしこの場合、規制部材によって現像剤担持体表
面に形成される現像剤層中の現像剤担持体表面近傍に存
在する現像剤は、非常に高い電荷を有することとなり、
担持体表面に鏡映力で強烈に引きつけられてしまい、こ
れによりトナーと、現像剤担持体(現像スリーブ単にス
リーブとも呼ぶ)との摩擦機会が持てなくなるため、現
像剤は好適な電荷を持てなくなる。このような状況下で
は、十分な現像及び転写を行うことが困難であり、形成
される画像は、画像濃度ムラや文字飛び散りの多い画像
になる傾向がある。
【0006】このような過剰な電荷を有する現像剤の発
生や、現像剤の強固な付着を防止するため、樹脂中にカ
ーボンやグラファイトの如き導電性物質や固体潤滑剤を
分散させた被膜を上記現像剤担持体上に形成する方法
が、特開平1−277265号公報等に提案されてい
る。更に、被膜の耐久による現像剤搬送性の安定、即
ち、現像剤担持体の表面粗度の安定化のために、前記被
膜中に更に球状粒子をも含ませた方法が、特開平3−2
00986号公報等で提案されている。又、特開平5−
6089号公報等では、表面粗度を大きくするために、
金属円筒管にブラスト等により凹凸を形成した後、表面
に被膜を設ける等の提案もなされている。
【0007】しかしながら、近年、複写機やLBP本体
の消費エネルギーの低減が要求されるようになり、それ
に伴って、定着に要するエネルギーを低下させるため、
用いられる現像剤の低温定着化がさかんに検討されてい
る。この影響を受け、現像剤はスリーブ等へのフィルミ
ング、融着が発生し易いものが増加しつつあり、これら
に対応可能な現像剤担持体が求められている。更には、
現像カートリッジやユニットの耐久性の更なる向上が要
求されている。又、更には、使い捨てカートリッジに関
しても、資源の再利用が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、パソコン等から
のデータを印字することによるプリント枚数の増加に伴
って、カートリッジのトナー容量が増えたり、トナー補
給方式の必要性が出たりで、感光体と同様、現像剤担持
体の寿命を長くする必要がある。一方で、高画質化に対
する要請から、現像剤の規制を強くし、現像剤を現像剤
担持体上に薄層に担持させる傾向があり、現像剤や現像
剤担持体に対する物理的な負荷が増加している。例え
ば、先の特開平1−277265号公報に記載されてい
る技術は、従来の低耐久枚数のカートリッジにおいては
有効な技術である。しかしながら、元来添加されるグラ
ファイトで表面凹凸を形成しており、その形状から添加
量も多量に必要とされ、グラファイトの構造上もろく、
更に不定形状の表面を有しているために削れて表面が平
滑化され易い。この点で特開平3−200986号公報
に開示されている技術では、少量の添加で好ましい表面
凹凸が形成され、且つグラファイトへの直接の負荷が軽
減されるため、凹凸の維持及びグラファイトが有する特
性の保持という点で進歩が示される。
【0009】特開平5−6089号公報には、金属基体
にブラスト処理を施して凹凸を形成した後に、樹脂コー
ト層を表面に設け、凹凸のある表面層を形成する技術が
開示されている。この方法には利点はあるものの、表面
層の均一性、機械加工に伴う基体の真直度等の精度悪化
等の観点からすると、前記特開平3−200986号公
報に開示される技術の方がより好ましい。特開平5−6
089号公報には、中間層に粒子を添加した層を形成
し、その表面に樹脂コート層を形成し、凹凸のある表面
層を形成する技術が記載されている。しかし、この方法
によれば、凹凸表面は形成されるが、その凹凸は表面層
を設けるために鈍化され、なだらかな凹凸となり易い。
又、凹凸を形成するために添加した粒子が表面層でなく
中間層に存在して表面には表われないため、その粒子に
現像に好ましい性質を付加させることが困難である。
【0010】又、特開平3−200986号公報、特開
平5−6089号公報等の方法で改善されているとはい
え、トナーとの接触や、規制ブレード圧による間接的な
押圧力による磨耗による表面粗さの低下は存在する。表
面粗さの低下が起きると、現像剤担持体表面のトナー搬
送量が低下し、画像濃度薄や過度の帯電によるトナーコ
ートムラやゴースト等の画像欠陥が発生し易い。本発明
者らは、これらの磨耗性の改良についてもいくつかの提
案を開示している。しかし、現像における他の特性上、
材料が限定される場合もあり、表面粗さの低下が避けら
れない可能性も存在する。
【0011】更に、前述したように、耐久使用後のトナ
ーのスリーブへのフィルミング、融着等の汚染も存在し
得ることから、一度使用したスリーブをそのまま再利用
した場合は、それらが原因となり、画質の低下を招くこ
とから、なんらかの再利用方法が必要となる。
【0012】又、前述の近年における、コピーやプリン
ト枚数の増加により、カートリッジの消費量が増加して
いる。かかるカートリッジは、実際の使用にあたって、
トナーに触れないで済むため、人の手を汚すことがない
という大きな利点がある。これに対し、トナーのみを追
加補給するという考え方もあるが、トナーは着色樹脂微
粒子からなるため、現場の雰囲気を少なからず汚染して
しまう可能性がある。しかしながら、環境保護の立場か
らは、廃棄物としてのカートリッジにも注目しなくては
ならず、各部品の再利用、或いはリサイクルの試みがな
されてきている。
【0013】従来から行われている、使用後の表面に樹
脂がコーティングされた現像剤担持体の再生方法とし
て、表面のコート層を切削等の手段により除去する方法
がある。例えば、バイト(金属切削に用いる刃物)を用
いて表面を削り、そこに、新品のワークの場合と同じよ
うな表面加工(ブラストや樹脂コート等)を行う方法で
ある。しかしながら、これらの表面を研磨・研削してコ
ート層を除去する方法には次のような欠点が存在する。
【0014】その一つは、表面が樹脂であるがために非
常に削りにくいことである。又、樹脂がバイトに付着し
たりすることにより、非常に頻度の高いバイト交換が必
要であると同時に、均一な削りが行われないことが生じ
る。研磨装置を利用した場合は、ヤスリが目詰りを起こ
して削れなくなってしまう。いま一つの欠点としては、
コート層を完全に除去してから再生しなければならない
ため、深く削り込まなければならないことである。特
に、上記の欠点があるため、粗く削っていかなければな
らない。又、基体の表面がブラスト処理がなされてる場
合には、その履歴を削除するためには、やはり深くまで
削らなければならない。
【0015】このような方法を用いた場合には、次のよ
うな問題点が発生する。即ち、削り量が多くなるため
に、スリーブのコート部分の外径が小さくなる、及びス
リーブの肉厚が低下してしまうことである。スリーブの
外径が小さくなることにより、所謂ジャンピング現像方
式においては、スリーブとドラムの間隙(SD間と称す
る)が大きくなってしまい、画像濃度が出にくくなり、
文字の飛び散りが多くなる等の画像欠陥が生じ易くな
る。これを改善するためには、フランジ部分の形状や、
SD間保持部材の形状の変更等を行わなければならず、
再生コストアップの要因となる。又、肉厚が低下する場
合には、現像装置に装着された場合、回転時の駆動力に
よりスリーブがたわみ、スリーブピッチムラの発生や濃
度一様性の悪化の原因となる。
【0016】又、ブラスト、高圧洗浄等の、スリーブの
表面層を除去する方法もあるが、圧力をかける方法は基
体が曲がる等の欠点があり、実用化し難い。他方、特開
平7−199643号公報には、スリーブの表面層の下
層に、有機溶剤に可溶なコート層を設けておき、かかる
コート層の存在によって使用後の剥離を容易とし、スリ
ーブの金属基体を再利用する技術が開示されている。勿
論、この方法によれば、スリーブの再利用が可能となる
が、工程が多くなり易く、コスト高になる傾向がある。
【0017】そこで、本発明の目的は、再生した電子写
真部材、例えば、再生現像剤担持体でありながら、繰り
返しの画出しにおいても現像剤担持体上のトナーコート
量が一定で、現像剤担持体上の現像剤が安定且つ適性な
電荷を有し、均一でムラがなく、画像濃度低下やゴース
トの発生のない、高品位の画像を得ることのできる経済
性及び資源の有効活用の点からも好ましい現像剤担持体
及びその製造方法を提供することにある。更に本発明の
目的は、再生した電子写真部材、例えば、再生現像剤担
持体でありながら、樹脂被覆層へのトナー付着を軽減さ
せることができ、より長く安定した画像の得られる経済
性及び資源の有効活用の点からも好ましい現像剤担持体
及びその製造方法を提供することにある。
【0018】更に本発明の目的は、再生した電子写真部
材、例えば、再生現像剤担持体でありながら、均一な表
面状態を実現した現像剤担持体を用いることで、安定し
た高品位の画像形成が可能な現像装置を提供することに
ある。更に本発明の目的は、様々な基体を用いても良質
な画像が提供できる、樹脂塗工層を有する現像剤担持体
及びその製造方法を提供することにある。更に本発明の
目的は、一度使用した、例えば、現像剤担持体を繰り返
し利用することを容易とする、簡便な、経済性及び資源
の有効活用の点からも好ましい電子写真部材の再生方法
を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、上記の課題は下記の構
成によって解決される。 (1)金属製基体表面に塗工膜である熱硬化性樹脂層が
設けられている電子写真部材に用いる塗工膜剥離方法で
あって、電子写真部材を上記熱硬化性樹脂のガラス転移
温度(Tg)以上の温度に加熱した液体に浸漬し、上記
金属製基体表面から熱硬化性樹脂層を剥離することを特
徴とする電子写真部材に対する塗工膜剥離方法により達
成される。 (2)上記熱硬化性樹脂層は、少なくともフィラーを含
有していることが好ましく、更に、 (3)上記フィラーの含有量は、熱硬化性樹脂100質
量部に対して10質量部以上であることが好ましく、 (4)又、上記において、電子写真部材を浸漬する加熱
した液体が、極性溶媒であることが好ましく、 (5)又、上記において、電子写真部材を浸漬する加熱
した液体の温度(T)と、上記熱硬化性樹脂層のガラス
転移温度(Tg)の関係が、T≧Tg+10であること
が好ましい。
【0020】(6)又、上記の目的は、上記した塗工膜
剥離方法によって表面に設けられていた熱硬化性樹脂層
を剥離して得られた金属製基体を用い、該金属製基体上
に、少なくとも結着樹脂を含有する導電性樹脂層を形成
して電子写真部材を得ることを特徴とする電子写真部材
の再生方法により達成される。 (7)更に、上記において、金属製基体を脱脂処理した
後に、導電性樹脂層を形成することが好ましい。 (8)又、上記の目的は、(1)〜(5)に記載のいず
れかの塗工膜剥離方法により熱硬化性樹脂層が剥離され
て得られたことを特徴とする再生可能な電子写真部材用
金属製基体により達成される。 (9)又、上記の目的は、(8)に記載の電子写真用金
属製基体の上に、少なくとも結着樹脂を含有する導電性
樹脂層が形成されてなることを特徴とする再生電子写真
部材により達成される。
【0021】(10)又、上記の目的は、現像容器内に
保持されていた現像剤を現像剤担持体上に担持し、該現
像剤担持体上に現像剤層厚規制部材により現像剤の薄層
を形成しながら潜像担持体と対向する現像領域へと搬送
し、該潜像担持体上の潜像を現像剤により現像して可視
像化する現像装置に用いられる現像剤担持体が、上記
(6)又は(7)に記載の電子写真部材の再生方法によ
って再生された金属製基体上に導電性樹脂被覆層が形成
されてなることを特徴とする再生現像剤担持体により達
成される。 (11)又、上記の目的は、現像容器内に保持されてい
た現像剤を現像剤担持体上に担持し、且つ該現像剤担持
体上に現像剤層厚規制部材によって現像剤の薄層を形成
しながら潜像担持体と対向する現像領域へと現像剤を搬
送し、該現像領域で、上記潜像担持体上に形成されてい
る静電潜像を現像剤によって現像して可視像化する現像
装置において、上記(10)に記載の再生現像剤担持体
を用いることを特徴とする現像装置により達成される。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好ましい実施の形
態を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、これ
に限定されるものではない。先ず、図2に、本発明に用
いられる電子写真部材の代表例として、金属製基体上に
樹脂層が形成された構成の現像剤担持体の断面図を示
す。該現像剤担持体は、基体206上に、塗工膜である
熱硬化性樹脂層201が設けられてなるが、図2に示し
た例では、Al円筒状基体206の上に、熱硬化性樹脂
であるフェノール樹脂204と、その中に分散含有され
ているフィラーとして、グラファイト205、カーボン
203、粗し材粒子202を含有する塗工膜201が被
覆されている。
【0023】以下に、本発明の塗工膜剥離方法によって
樹脂層を容易に剥離することができる現像剤担持体の形
成材料について説明する。樹脂被膜の形成材料である熱
硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエス
テル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン
樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂、ポ
リイミド樹脂等が挙げられる。これらの中でも、フェノ
ール樹脂によって形成された熱硬化性樹脂層を有する現
像剤担持体に対して、本発明の塗工膜剥離方法は適して
いる。
【0024】更に、上記のような樹脂からなる熱硬化性
樹脂層中に少なくともフィラーが含有された構成のもの
に対して、特に本発明の塗工膜剥離方法を適用すること
が好ましい。フィラーとしては、該樹脂層の抵抗調整の
ための導電性粒子や、耐摩耗性向上のための補強粒子、
トナーの離型性向上のための固体潤滑材等の機能性粒子
等が挙げられる。
【0025】上記のような材料からなる熱硬化性樹脂層
を表面に形成するための現像剤担持体の基体としては、
金属及び合金等の金属製のものである場合が好ましい。
即ち、このような構成からなる現像剤担持体に対して本
発明の塗工膜剥離方法を適用すると、上記したような構
成の熱硬化性樹脂層が基体との界面から、特に良好な状
態で剥離される。金属製基体材料の中でも、特に、使用
頻度による耐久性の観点からはステンレスが好ましく、
コスト面からはアルミニウムを用いることが好ましい。
【0026】本発明者らは、上記したような構成を有す
る現像剤担持体を再生利用する方法について鋭意研究を
重ねた結果、金属製の基体表面上に設けられている熱硬
化性樹脂層の形成に用いられている樹脂のTg以上に加
熱されている溶液を用い、該溶液中に現像剤担持体を浸
漬すれば、該熱硬化性樹脂が膨潤し、やがて金属製基体
上から樹脂層が容易に剥離されることを見いだした。更
に、熱硬化性樹脂層中に少なくともフィラーが含有され
た図2に示したような構成の現像剤担持体である場合に
は、基体206と、樹脂204中に分散含有されている
フィラー202、203及び205との界面に、上記溶
液が浸透するので、熱硬化性樹脂層201の膨潤、及び
金属製基体206上からの剥離がより容易に行われるこ
とがわかった。これらのフィラーが熱硬化性樹脂層中に
含有されていると、樹脂層を構成している樹脂204と
の熱膨張率の差で、加熱時に、フィラー/熱硬化性樹脂
の界面に加熱された溶剤が浸透し易くなるためである。
【0027】本発明者らの検討によれば、特に、熱硬化
性樹脂層中に、フィラーとして固体潤滑材であるグラフ
ァイトが含有されている現像剤担持体に対して、本発明
の塗工膜剥離方法を適用すると、好ましい結果が得られ
ることわかった。これは、グラファイトはその形状が鱗
片状であるため、グラファイトが熱硬化性樹脂層のフィ
ラーとして使用されていると、グラファイトと熱硬化性
樹脂との界面から加熱された溶剤が更に浸透し易くなる
ためであると考えられる。又、熱硬化性樹脂層中におけ
るグラファイト等のフィラーの総含有量が、熱硬化性樹
脂100質量部に対して10質量部、より好ましくは1
5質量部以上の割合で含有されている形態の現像剤担持
体に対して、本発明の塗工膜剥離方法を適用することが
好ましいことがわかった。フィラーの総含有量が10質
量部未満では、フィラーと熱硬化性樹脂との界面が少な
く、加熱された溶剤が樹脂層中に浸透しにくくなるため
である。
【0028】次に、本発明の塗工膜剥離方法で用いる、
金属製基体表面上に設けられている熱硬化性樹脂層を構
成する樹脂のTg以上に加熱されている液体について説
明する。本発明の塗工膜剥離方法に用いられる液体とし
ては、電子写真部材を構成する金属製基体表面に設けら
れている熱硬化性樹脂層を構成する熱硬化性樹脂のガラ
ス転移温度(Tg)以上の温度に加熱した状態で液体で
あるものであればいずれのものでもよいが、好ましくは
下記に挙げるような溶剤を用いる。先ず、溶剤の沸点T
bpが、電子写真部材を構成している先に挙げたような
熱硬化性樹脂のガラス転移温度Tg以上であるもの、よ
り好ましくは、Tbp≧Tg+10である溶剤を用いる
ことが好ましい。TbpがTg未満であるような溶剤を
用いた場合は、溶剤をTg以上に加熱すると蒸発してし
まい、熱硬化性樹脂層内に溶剤を効率よく浸透させるこ
とができないためである。
【0029】又、本発明の塗工膜剥離方法に用いる加熱
された液体は、極性溶媒であることが好ましく、更に
は、溶媒の双極子モーメントが3.3×10-30C・m
以上、より好ましくは5.0×10-30C・m以上のも
のを使用するとよい。このような極性溶剤を使用する
と、より良好な状態で熱硬化性樹脂層を基体表面から剥
離することができる。この理由は定かではないが、溶媒
の双極子モーメントが3.3×10-30C・m未満であ
るようなものでは、先に述べた熱硬化性樹脂/フィラー
界面への溶媒の浸透が効率よく行われないためではない
かと考えられる。
【0030】本発明で特に好適に用いられる5.0×1
-30C・m以上の双極子モーメントを持つ極性溶媒と
しては、例えば、塩化アミル、2−クロロナフタレン、
塩化ブチル、p−クロロトルエン、クロロベンゼン、
1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、c
is−1,2−ジクロロエチレン、3,4−ジクロロト
ルエン、3,5−ジクロロトルエン、o−ジクロロベン
ゼン、1,3−ジブロモプロパン、o−ジブロモベンゼ
ン、ジブロモペンタン、1,3−ジブロモベンゼン、o
−ジブロモベンゼン、ジブロモペンタン、臭化アリル、
臭化イソプロピル、臭化オクチル、n−臭化ブチル、s
−臭化ブチル、t−臭化ブチル、臭化プロピル、臭化ラ
ウリル、1,1,2,2−テトラクロロエタン、テトラ
ブロモエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1−ブ
ロモナフタレン、2−ブロモナフタレン、ブロモベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素;n−アミルアルコール、t
−アミルアルコール、アリルアルコール、イソアミルア
ルコール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、エタノール、n−オクタノール、シクロヘキサノ
ール、テトラヒドロフルフリルアルコール、n−ブタノ
ール、t−ブタノール、フルフリルアルコール、1−プ
ロパノール、ベンジルアルコール、メタノール等のアル
コール;エピクロロヒドリン、1,8−シネオール、テ
トラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、トリオキサ
ン、ビス(2−クロロエチル)エーテル、フルフラー
ル、モノクロロジエチルエーテル等のエーテル・アセタ
ール;アセトン等のケトン・アルデヒド;アジピン酸ジ
エチル、安息香酸イソアミル、安息香酸メチル、ギ酸イ
ソブチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、ギ酸プロピル、ギ
酸メチル、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラ
ン、ケイ皮酸エチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢
酸イソブチル、酢酸エチル、酢酸2−エチルヘキシル、
酢酸シクロヘキシル、酢酸n−ブチル、酢酸s−ブチ
ル、酢酸プロピル、酢酸メチル、サリチル酸イソアミ
ル、サリチル酸メチル、シュウ酸ジエチル、酒石酸ジエ
チル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸メチル、セバ
シン酸ジオクチル、乳酸エチル、フタル酸ジエチル、フ
タル酸ジメチル、γ−ブチロラクトン、プロピオン酸エ
チル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジメチル、酪酸イソ
アミル、酪酸メチル等のエステル;エチレングリコー
ル、エチレンクロロヒドリン等の多価アルコールとその
誘導体;2,4−キシレノール、2,5−キシレノー
ル、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、m
−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、フェ
ノール等のフェノール;アセトアミド、アセトニトリ
ル、アセトシアノヒドリン、アミルアミン、イソキノリ
ン、TIPA、イミダゾール、エチレンジアミン、カプ
ロラクタム、キノリン、N,N−ジブルチルアニリン、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジ
メチルホルムアミド、テトラメチル尿素、o−ニトロア
ニソール、ニトロエタン、1−ニトロプロパン、2−ニ
トロプロパン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、α−ピ
コリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、ヒドラジン、ピ
ロリジン、2−ピロリドン、ブチロニトリル、プロピオ
ニトリル、ヘキサメチルホスホルトリアミド、ペプチル
アミン、ベンゾニトリル、ホルムアミド、N−メチルピ
ロリドン、N−メチルホルムアミド、モルホリン等の含
窒素化合物;ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物;
1,2−ジフルオロベンゼン、1,3−ジフルオロベン
ゼン、トリフルオロアセトアミド、トリフルオロエタノ
ール、トリフルオロ酢酸メチルエステル、トリフルオロ
酢酸エチルエステル、o−トリフルオロメチルアニリン
酸、o−フルオロアニリン、m−フルオロアニリン、p
−フルオロアニリン、o−フルオロフェノール、p−フ
ルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール等のフッ
素化合物;水等の無機溶剤;が挙げられる。
【0031】本発明の方法においては、勿論、双極子モ
ーメントが3.3×10-30C・m以上、より好ましく
は5.0×10-30C・m以上であれば好適に使用で
き、上記に列挙した溶媒に限られるものではない。これ
らの溶剤は単独で用いてもよいし、混合して用いてもよ
い。本発明においては、上記に列挙した極性溶媒中で
も、特にN−メチルピロリドンを好適に用いることがで
きる。
【0032】又、本発明においては、上記した極性溶媒
から選択される液体は、剥離対象とする熱硬化性樹脂層
を形成している樹脂のTg以上に加熱されて用いられる
が、より好ましくは、Tg+10(℃)以上の温度で加
熱して用いることが好ましい。なぜなら、本発明で規定
している熱硬化性樹脂のTgは、通常、熱膨張をもとに
したTMA法によって測定された値が使用されることが
多いが、この値には測定のバラツキがあるためである。
本発明において使用する極性溶媒の温度を、樹脂のTg
よりも10℃以上高く設定しておけば、熱硬化性樹脂/
フィラー界面へ良好に極性溶媒を浸透させ、熱硬化性樹
脂層を基体表面から剥離することを、より確実に行うこ
とが可能となる。
【0033】樹脂のガラス転移温度Tgの測定方法とし
ては、例えば、熱重量測定(TG)、発生気体分析(E
GA)、示差熱分析(DTA)、示差走査熱量測定(D
SC)、熱機械分析(TMA)、動的熱機械測定(DM
A)、及び熱刺激電流測定(TSC)等がある。これら
のうち、熱硬化樹脂層への溶媒の浸透がフィラーとの界
面の熱収縮差によって発生すると考えられることから、
本発明においては、TMA法によって測定したTgの測
定値を用いることが好ましい。
【0034】本発明の電子写真部材の再生方法は、上記
で説明したような本発明の塗工膜剥離方法によって、表
面に設けられていた熱硬化性樹脂層を剥離して得られた
金属製基体を用い、該金属製基体上に、少なくとも結着
樹脂を含有する導電性樹脂層を形成して、現像剤担持体
等の電子写真部材を得ることを特徴とする。以下、かか
る電子写真部材の再生方法について、現像剤担持体を例
にとって説明する。
【0035】本発明において、現像剤担持体を再生する
際に、金属製基体上に設ける樹脂層に用いられる結着樹
脂としては、一般に公知の樹脂が使用可能である。例え
ば、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ポリオレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹
脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、セルロース系樹
脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリイミド系樹脂、及びアクリル樹脂等が挙げられ
る。機械的強度及び耐溶剤性を考慮すると熱硬化性の樹
脂がより好ましい。
【0036】現像剤担持体の再生時において、上記した
形成材料によって現像剤担持体上に形成される樹脂被覆
層は、チャージアップによる現像剤の現像剤担持体上へ
の固着や、現像剤のチャージアップに伴って生じる現像
剤担持体の表面から現像剤への帯電付与不良を防ぐため
には導電性であることが望ましい。又、被覆層の体積抵
抗値としては、好ましくは104Ω・cm以下、より好
ましくは103Ω・cm以下である。現像剤担持体表面
の導電性被覆層の体積抵抗値が、104Ω・cmを超え
ると現像剤への帯電付与不良が発生し易く、その結果、
ブロッチ(斑点画像や波模様画像)が発生し易い。
【0037】本発明の現像剤担持体の再生時において、
樹脂被膜層の抵抗値を、上記の値に調整するためには、
下記に挙げる導電性物質を被覆層中に含有させることが
好ましい。この際に使用される導電性物質としては、例
えば、アルミニウム、銅、ニッケル、銀等の金属粉体の
微粉末、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズ、
酸化チタン、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリ
ウム等の金属酸化物、各種カーボンファイバー、ファー
ネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、ア
セチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラ
ック、グラファイト等の炭素物、更には、金属繊維等が
挙げられる。
【0038】本発明の現像剤担持体の再生時において
は、これらのうち、カーボンブラック、とりわけ導電性
のアモルファスカーボンは、特に電気伝導性に優れ、高
分子材料に充填して導電性を付与したり、その添加量を
コントロールするだけで、ある程度任意の導電度を得る
ことができるため、好適に用いられる。又、塗工液にし
た場合の分散安定性も良好なものとなりうる。又、これ
らの導電性物質の添加量は、結着樹脂100質量部に対
して、1〜100質量部の範囲とすることが好ましい。
1質量部以下では被覆層の抵抗値を所望のレベルに下げ
ることは、通常困難であり、又、現像剤担持体被覆層に
用いられる結着樹脂に対してトナー付着を発生する可能
性が高くなる。一方、導電性物質の添加量が100質量
部以上であると、特にサブミクロンオーダーの粒度を有
する微粉体を用いた場合には、被覆樹脂層の強度(摩耗
性)が低下する傾向があるので、好ましくない。
【0039】上記の樹脂被覆層中には、被覆層表面に凹
凸を形成するための固体粒子を含有させることができ
る。このような固体粒子としては、例えば、ポリメチル
メタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブタジ
エン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等
のビニル系重合体や共重合体、ベンゾグアナミン樹脂、
フェノール樹脂、ポリアミド、フッ素系樹脂、シリコー
ン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の樹脂粒
子、アルミナ、酸化亜鉛、シリコーン、酸化チタン、酸
化錫等の酸化物粒子、炭素化粒子、導電処理を施した樹
脂粒子等の導電性粒子、その他、例えば、イミダゾール
化合物のような有機化合物を粒子状にして用いることも
可能である。この場合にイミダゾール化合物は、トナー
に摩擦帯電電荷を付与する役割も果たす。
【0040】球状の樹脂粒子としては、例えば、懸濁重
合法、分散重合法等による球状の樹脂粒子等が用いられ
る。球状の樹脂粒子を用いることで、より少ない添加量
で樹脂被覆層に好適な表面粗さを与えることができ、更
に、均一な表面形状の樹脂被覆層が得られ易くなる。こ
のような球状の樹脂粒子としては、例えば、ポリアクリ
レート、ポリメタクリレート等のアクリル系樹脂粒子、
ナイロン等のポリアミド系樹脂粒子、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィン系樹脂粒子、シリコー
ン系樹脂粒子、フェノール系樹脂粒子、ポリウレタン系
樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、ベンゾグアナミン粒子
等が挙げられる。粉砕法により得られた樹脂粒子を熱的
に或いは物理的な球形化処理を行ってから用いてもよ
い。
【0041】更に、例えば、球状の樹脂粒子の表面に無
機微粉末を付着させる、或いは固着させたものを用いて
もよい。このような無機微粉末としては、SiO2、S
rTiO3、CeO2、CrO、Al23、ZnO、Mg
O、及びTiO2の如き酸化物、Si34の如き窒化
物、SiCの如き炭化物、CaSO4、BaSO4、及び
CaCO3の如き硫酸塩・炭酸塩等が挙げられる。
【0042】又、上記した無機微粉末は、カップリング
剤により処理したものを用いてもよい。特に、被覆樹脂
である結着樹脂との密着性を向上させる目的、或いは粒
子に疎水性を与える等の目的では好ましく用いることが
可能である。このようなカップリング剤としては、例え
ば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、ジ
ルコアルミネートカップリング剤等がある。より具体的
には、例えばシランカップリング剤としては、ヘキサメ
チルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロル
シラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロル
シラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロ
ルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジ
メチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラ
ン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエ
チルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシ
ラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシ
リルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、
ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルジエトキシ
シラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエト
キシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビ
ニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテ
トラメチルジシロキサン及び1分子当たり2から12個
のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ
1個ずつの硅素原子に結合した水酸基を含有したジメチ
ルポリシロキサン等が挙げられる。
【0043】以上のように、球状樹脂粒子表面を無機微
粉末で処理したものを使用することによって、樹脂被膜
層を形成するための塗工液中への分散性、塗工表面の均
一性、被膜の耐汚染性、トナーへの帯電付与性、形成し
た樹脂層の耐磨耗性等を向上させることができる。
【0044】球状粒子に、耐汚染性、耐磨耗性等を持た
せるために、導電性の球状粒子を用いることも好ましい
形態である。導電性の球状粒子としては、例えば、導電
処理された球状粒子として、酸化チタン、酸化ニオブ、
酸化マンガン、酸化鉛等の金属酸化物や硫酸バリウム等
の顔料の表面に、酸化スズ等の良導電性物質をコートし
たもの;或いは、酸化亜鉛、酸化銅、酸化イリジウム等
の絶縁性金属酸化物中に、酸化数の異なる金属をドーピ
ングして導電性をもたせたものがある。使用する導電性
球状粒子の体積抵抗は106Ω・cm以下であることが
好ましい。106Ω・cmを超えるとトナーの汚染防止
が十分でなくなる場合がある。
【0045】樹脂被膜層に添加される上記に挙げたよう
な球状粒子の真密度は、3g/cm 3以下のものである
ことが好ましい。真密度が3g/cm3を超えると、導
電性被覆層中で球状粒子の分散性が不十分になることが
あるため、被覆層表面に均一な粗さを付与しにくくな
り、トナーへの均一な帯電付与や被覆層の強度が不十分
となり、更に、これらの粒子を含有させることの利点で
ある耐汚染性や耐磨耗性が発揮できなくなる可能性があ
る。このような条件を満たす導電性球状粒子の種類とし
ては、球状炭素粒子、導電性物質で表面処理された球状
樹脂粒子、導電性微粒子が分散された球状樹脂粒子等が
挙げられる。
【0046】これらの粒子の中でも、特に導電性の粒子
を用いることが好ましい。このような粒子としては、例
えば、本発明者らが既に提案した特開平8−24098
1号公報に記載された導電性球状粒子がある。即ち、こ
のような、粒子に導電性を持たせたものを使用すること
によって、その導電性のゆえに粒子表面にチャージが蓄
積しにくく、トナー付着の軽減やトナーの帯電付与性を
向上させる効果が得られる。本発明において使用する粒
子の導電性としては、体積抵抗値が106Ω・cm以
下、より好ましくは10-3〜106Ω・cmの粒子であ
ることが好ましい。粒子の体積抵抗が106Ω・cmを
超えると、摩耗によって被覆層表面に露出した球状粒子
を核としてトナーの汚染や融着を発生し易くなると共
に、迅速且つ均一な帯電が行われにくくなる。
【0047】更に、かかる粒子の真密度は、3g/cm
3程度以下であることがより好ましい。導電性であって
も、粒子の真密度が高過ぎる場合には、同じ粗さを形成
するための添加量が増加してくることと、樹脂又は樹脂
組成物と真密度差が大きくなるため、製造時の粒子の分
散状態が非均一となり易く、従って、形成された被覆層
においても分散状態が不均一となり易いので好ましくな
い。又、粒子が球状であると、圧接される現像剤規制部
材等との接触面積が低減されるので、摩擦力によるスリ
ーブ回転トルクの増加や、トナーの付着等を軽減するこ
とができるのでより好ましい。特に、下記に示すような
導電性の球状粒子を用いた場合には、よりよい効果が得
られる。
【0048】本発明で使用するための特に好ましい導電
性球状粒子を得る方法としては、例えば、樹脂系球状粒
子やメソカーボンマイクロビーズを焼成することで炭素
化及び/又は黒鉛化して得られる、低密度且つ良導電性
の球状炭素粒子を得る方法が挙げられる。上記の樹脂系
球状粒子に用いられる樹脂としては、例えば、フェノー
ル樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、
ジビニルベンゼン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン
共重合体、及びポリアクリロニトリル等が挙げられる。
又、メソカーボンマイクロビーズは、通常、中ピッチを
加熱焼成していく過程で生成する球状結晶を、多量のタ
ール、中油、キノリンの如き溶媒で洗浄することによっ
て製造することができる。
【0049】より好ましい導電性球状粒子を得る方法と
しては、例えば、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フ
ラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、ス
チレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニト
リル等の如き球状樹脂粒子表面に、メカノケミカル法に
よってバルクメソフェーズピッチを被覆し、被覆された
粒子を酸化性雰囲気化で熱処理した後に、不活性雰囲気
下又は真空下で焼成して炭素化及び/又は黒鉛化し、導
電性球状炭素粒子を得る方法が挙げられる。この方法で
得られる球状炭素粒子は、黒鉛化すると得られる球状炭
素粒子の被覆部の結晶化が進んだものとなるので導電性
が向上するため、より好ましい。
【0050】上記した方法で得られる導電性の球状炭素
粒子は、いずれの方法でも、焼成条件を変化させること
によって得られる球状炭素粒子の導電性を制御すること
が可能であり、本発明において好ましく使用される。
又、上記の方法で得られる球状炭素粒子は、場合によっ
ては、更に導電性を高めるために、導電性球状粒子の真
密度が大きくなり過ぎない範囲で、導電性の金属及び/
又は金属酸化物のメッキを施していてもよい。
【0051】球状樹脂粒子を導電性物質で表面処理する
方法としては、例えば、球状樹脂粒子からなる芯粒子表
面に、芯粒子の粒径より小さい導電性微粒子を適当な配
合比で機械的に混合し、ファンデルワールス力及び静電
気力の作用により、樹脂粒子の周囲に均一に導電性微粒
子を付着した後、例えば、機械的衝撃力等により生ずる
局部的温度上昇により樹脂粒子表面を軟化させ、これに
よって導電性微粒子を成膜した導電性処理球状樹脂粒子
等が挙げられる。前記の芯粒子の構成材料としては、真
密度の小さい球形の有機化合物である樹脂を使用するこ
とが好ましい。このようなものとしては、例えば、PM
MA、アクリル樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリスチレ
ン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエ
ン、又はこれらの共重合体、ベンゾグアナミン樹脂、フ
ェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン、フッ素系樹
脂、シリコーン樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル樹
脂等の樹脂粒子を挙げることができる。又、小粒子であ
る導電性微粒子としては、導電性微粒子の被膜を均一に
行なうため、小粒子の粒径が芯粒子の粒径より1/8以
下であることが好ましい。
【0052】球状樹脂粒子中に導電性微粒子が均一に分
散されたものの製造方法としては、例えば、結着樹脂中
に導電性微粒子を分散、混練した後、所定の粒径に粉砕
し、機械的処理及び熱的処理により球形化した導電性球
状粒子や、重合性単量体中に重合開始剤・導電性微粒子
及びその他の添加剤を加え、分散機等によって均一に分
散せしめた単量体組成物を分散安定剤を含有する水相中
に攪拌機等により所定の粒子径になるように懸濁し、重
合を行なって得た導電性微粒子分散の球状粒子等が挙げ
られる。これらの方法で得た導電性微粒子分散球状粒子
は、前記した芯粒子より小さい粒径の導電性微粒子と適
当な配合比で機械的に混合し、ファンデルワールス力及
び静電気力の作用により、導電性微粒子分散球状粒子の
周囲に均一に導電性微粒子を付着した後、例えば、機械
的衝撃力等により生ずる局部的温度上昇により導電性微
粒子分散樹脂粒子表面を軟化させ、導電性微粒子を成膜
し、更に導電性を高めて使用してもよい。
【0053】このようにして形成される球状粒子の粒径
は、個数平均粒径で0.3〜30μmであることが好ま
しい。0.3μm未満では均一な表面凹凸は難しく、表
面粗さを大きくしようとした場合に添加量が過大になる
ため、樹脂被膜層が脆くなり易く、耐摩耗性が極端に低
下する。逆に30μmより大きくなると、粒子が担持体
表面から突出し過ぎるため、現像剤層の厚みが大きくな
り過ぎて、現像剤の帯電が低下したり不均一になり易
く、バイアスをかけた際に感光ドラムへリークするポイ
ントになる恐れがある。
【0054】本発明における平均粒径の測定には、コー
ルター社製:マルチサイザーII型に100μmアパーチ
ャー(3.0μm以下の粒子は50μmアパーチャー)
を取付けて測定を行った。導電性の粒子の測定は、コー
ルター社製:LS−230型粒度分布計にリキッドモジ
ュールを取付けて測定した。
【0055】本発明において、現像剤担持体を再生する
際に基体上に形成する樹脂被覆層中には、必要に応じて
荷電制御剤を含有させることができる。荷電制御剤とし
ては、後述するトナー粒子の形成の際に用いるものと同
様なものを使用することが可能である。
【0056】現像剤担持体を再生する際に形成される現
像剤担持体表面の樹脂被覆層の表面粗さは、一般的に
は、JIS中心線平均粗さ(Ra)で0.3〜3.5μ
mの範囲にあることが好ましい。但し、現像剤担持体が
用いられる現像方式によって好ましい表面粗さは異な
る。例えば、図7に示したような、現像剤に磁性トナー
を用い、現像剤層厚規制部材として現像剤担持体と間隙
をもって配置された磁性ブレードを有するような現像装
置では、Raの値が0.3〜1.5μm程度にあること
が好ましい。Raの値が0.3μmよりも小さい場合に
は、現像剤の充分な搬送性が得られず、トナー不足によ
る画像濃度薄や、トナーの過剰な帯電による飛び散りや
ブロッチ等が発生する。又、Raの値が1.5μmより
大きい場合には、トナーの摩擦帯電が不均一となり、ス
ジムラや、反転カブリ、帯電不足による画像濃度薄等を
発生し易い。
【0057】又、例えば、図8に示されるような、弾性
部材が現像剤担持体に圧接して用いられる現像装置の場
合には、Raが、0.8〜3.5μm程度にあることが
好ましい。0.8μmより小さい場合には、現像剤の充
分な搬送性が得られず、トナー不足による画像濃度薄
や、トナーの過剰な帯電による飛び散りやブロッチ等が
発生する。更には、現像剤担持体へのトナー融着も発生
し易い。又、1.5μmより大きい場合には、トナーの
摩擦帯電が不均一となり、スジムラや、反転カブリ、帯
電不足による画像濃度薄等を発生し易い。
【0058】又、図9に示されるような2成分現像装置
においては、キャリア粒子やマグネット配置等、その磁
気力によって、又、キャリア粒径や現像剤担持体−規制
部材間隙の大きさ等により、搬送力が大きく変化するの
で、その時々に応じて上記範囲で任意の表面粗さとする
が、通常は、Raで1.0〜2.5μm程度のものが好
ましく用いられる。
【0059】本発明において、現像剤担持体の再生時に
おける樹脂層の表面粗さの測定は、表面粗度計SE−3
400(小坂研究所製)を用い、測定条件としては、カ
ットオフ0.8mm、測定距離8.0mm、送り速度
0.1mm/secにて12箇所の測定値の平均をとっ
た。
【0060】更に、本発明において、現像剤担持体を再
生する際においては、現像剤担持体表面への現像剤の付
着をより軽減化するため、被覆層中に固体潤滑材を混合
させることもできる。この際に使用し得る固体潤滑材と
しては、例えば、二硫化モリブデン、窒化硼素、グラフ
ァイト、フッ化グラファイト、銀−セレンニオブ、塩化
カルシウム−グラファイト、滑石等が挙げられる。
【0061】又、本発明で使用することのできるこれら
の固体潤滑材の添加量は、結着樹脂100質量部に対し
て1〜100質量部の範囲とすることが好ましい。1質
量部以下では被覆層の結着樹脂表面に対する現像剤の付
着制の改善効果は少なく、100質量部以上となると、
特にサブミクロンオーダーの粒度を有する微粉体が多く
含まれる材料を用いた場合、被覆層の強度(摩耗性)が
低下する傾向があり、好ましくない。これらの潤滑性粒
子は、個数平均粒径が好ましくは0.2〜20μm程
度、より好ましくは1〜15μmのものを使用するのが
よい。潤滑性粒子の個数平均粒径が0.2μm未満の場
合には、潤滑性が十分に得られ難く、好ましくない。一
方、個数平均粒径が20μmを超える場合には、導電性
被覆層表面の形状への影響が大きく表面性が不均一とな
って、トナーの均一な帯電化や被覆層の強度の点で好ま
しくない。
【0062】本発明の樹脂被覆層を得る方法としては、
例えば、各成分を溶剤中に分散混合して塗工液化して、
前記基体上に塗工することにより得ることが可能であ
る。各成分の分散混合には、例えば、サンドミル、ペイ
ントシェーカー、ダイノミル、パールミル等の、ビーズ
を利用した公知の分散装置が好適に利用可能である。
又、塗工方法としては、例えば、ディッピング法、スプ
レー法、ロールコート法等の公知の方法を適用すること
が可能である。
【0063】本発明の電子写真部材の再生方法において
は、上記のようにして表面に設けられていた熱硬化性樹
脂層を剥離して得られた金属製基体を用い、該金属製基
体上に、少なくとも結着樹脂を含有する導電性樹脂層を
形成して電子写真部材を再生するが、更に、上記におい
て、金属製基体を下記に挙げるような溶液で脱脂処理し
た後に、導電性樹脂層を形成することが好ましい。
【0064】この際の脱脂処理に用いることのできる溶
液としては、例えば、トリクロロエチレン、トリクロロ
エタン、ジクロロメタン又は四塩化炭素等のハロゲン化
炭化水素;酸やアルカリ;界面活性剤等を挙げることが
でき、いずれのものでもよい。これらの中でも地域環境
への影響、設備工程面及び基体への影響を考慮すると、
界面活性剤による脱脂処理が好ましい。界面活性剤は、
疎水基と親水基とを有する化合物であり、2物質間の界
面に集まり易い性質を利用することにより、洗浄剤とし
て用いられている。その2物質間の離脱に効果がある親
水基の種類により、イオン型、非イオン型の2種類に大
別される。又、具体的には、イオン型には、脂肪族高級
アルコール硫酸エステルナトリウム塩、アルキルトリメ
チルアンモニウムクロライド又はアルキルジメチルペン
タイン等があり、非イオン型には、脂肪族高級アルコー
ルエチレンオキサイド付加物(ポリエチレングリコール
アルキルエーテル)等があるが、本発明においては、い
ずれも有効に利用することができる。これら界面活性剤
の洗浄液中の濃度としては0.1〜10質量%程度とす
るのが好ましい。
【0065】図3は、金属製基体を上記に挙げたような
溶液で脱脂処理する際に用いる洗浄装置の一例である。
図中の77は洗浄槽であり、80はワーク立てであり、
該ワーク立て80にワーク(金属製基体)76を設置し
て、洗浄槽77内の洗浄液71で洗浄を行う。このよう
な装置で、洗浄液71に浸して洗浄する場合には、静置
した状態では洗浄液相と金属製基体上の汚染物質との間
に境膜ができるために、ワーク76を揺すったり、洗浄
槽77内を撹拌する等の手段を講じることが効率を高め
るためには必要である。特に、脱脂を促進させるために
は、例えば、洗浄槽77に高周波を印加する、或いは洗
浄液71の加熱を行う等の操作を併用することが好まし
い。特に、洗浄液として界面活性剤を用いた場合には、
その後に金属製基体表面に樹脂層を形成した場合に、金
属製基体表面と樹脂層との密着性を高めるために、界面
活性剤による洗浄後に水による洗浄を併用することが好
ましい。尚、上記のようにして洗浄されて脱脂処理した
後の金属製基体は、乾燥されて用いられる。
【0066】本発明は、例えば、金属製基体表面に熱硬
化性樹脂層が設けられている現像剤担持体の再生利用す
る技術に関するが、再生された現像剤担持体が良好な状
態のものであるか否かの判断は、下記に述べる方法で測
定可能な振れ値によって行うことができる。即ち、熱硬
化性樹脂層を被覆する前に測定した金属製基体の触れ値
に対して、樹脂層を被覆して製品とし、その後に該樹脂
層を剥離して金属基体として再生処理に供する場合に、
樹脂層を剥離した後の金属基体の触れ値が上記と同様の
値を示す場合に、再生後の現像剤担持体は品質に優れた
ものとなる。
【0067】本発明において、振れ値は、次のような手
順で測定した。図4は、例えば、現像剤担持体に使用さ
れる円筒状の金属製基体の、真直度及び振れ値を測定す
るための測定装置の構成を示す平面図である。又、図5
は、図4に示した測定装置の右側面図である。図4及び
図5に示した測定装置では、図5に示したように、直角
に折り曲げられた板状の透明部材56を有し、該透明部
材56の上には、透明部材56の直角に折り曲げられた
角部に当接するようにしてマスターゲージ51が配設さ
れている。そして、図5及び図6に示したように、透明
部材56上には、2つの同径の円筒状のスペーサー55
が、それぞれマスターゲージ51の各端部付近に配置さ
れている。測定対象である円筒状基体52は、これらの
スペーサー55をマスターゲージ51とで挟むようにし
て配置される。以上のように配置された円筒状基体52
は、ばね54が取り付けられた押え板53によってマス
ターゲージ51側へと付勢される。
【0068】次に、上記のようにして構成された測定装
置を用いて行う測定方法について説明する。測定は、所
定のレーザー測長機を用いてレーザー光を照射すること
で振れ値を測定した。具体的には、図4及び図5に示し
たように、基準となるマスターゲージ51と測定対象の
円筒状基体52との間の両端に、2つの同径のスペーサ
ー55を挟み、これらの2つのスペーサー55によって
形成されるマスターゲージ51と円筒状基体52との隙
間に、レーザー照射部57よりレーザー光58を通過さ
せ、円筒状基体52を逐次回転させながら、間隔をレー
ザー受光部59により測定する。図6は、図4及び5に
示した測定装置に基づいて振れ値を測定するときの、円
筒状基体52の測定位置を示す図である。本発明におい
て、振れ値は、図6に示すような軸方向5点×周方向1
6点の計80点から求めた。
【0069】本発明では、上記で説明した電子写真部材
の再生方法によって再生された金属製基体上に導電性樹
脂被覆層を形成してなる再生現像剤担持体を、現像容器
内に保持されていた現像剤を現像剤担持体上に担持し、
該現像剤担持体上に現像剤層厚規制部材により現像剤の
薄層を形成しながら潜像担持体と対向する現像領域へと
搬送し、該潜像担持体上の潜像を現像剤により現像して
可視像化する現像装置に用いるが、該現像装置について
詳細に説明する。
【0070】図7に、本発明によって再生された現像剤
担持体を有する本発明の一実施形態の現像装置の模式図
を示す。図7において、公知のプロセスにより形成され
た静電潜像を保持する静電潜像保持体、例えば、電子写
真感光ドラム501は、矢印B方向に回転される。現像
剤担持体としての現像スリーブ508は、現像容器50
3に供給された磁性トナーを有する一成分系現像剤を担
持して、矢印A方向に回転することによって、現像スリ
ーブ508と感光ドラム501とが対向している現像領
域Dに現像剤を担持・搬送する。図7に示すように、現
像ローラー510においては、現像スリーブ508内
に、現像剤を現像スリーブ508上に磁気的に吸引且つ
保持するために、磁石(マグネットローラー)509が
配置されている。
【0071】上記したような形態を有する本発明の現像
装置では、上記現像スリーブ508として、再生された
金属円筒管506からなる基体上に導電性被覆層507
を被覆してなる再生現像スリーブが使用されていること
を特徴とする。現像容器503中には、ここには図示さ
れていない現像剤補給容器から現像剤供給部材(スクリ
ュー等)512を経由して現像剤が送り込まれてくる。
現像容器は、第一室514、第二室515に分割されて
おり、第一室514に送り込まれた現像剤は、攪拌搬送
部材505によって現像容器503及び仕切り部材50
4により形成される隙間を通過して第二室515に送ら
れる。現像剤は、マグネットローラー509による磁力
の作用により現像スリーブ508上に担持される。第二
室515中には、現像剤が滞留するのを防止するための
攪拌部材511が設けられている。
【0072】現像剤は、磁性トナー粒子相互間、及び現
像スリーブ508上の導電性被覆層507との摩擦によ
って、感光ドラム501上の静電潜像を現像することが
可能な摩擦帯電電荷を得る。図7の例では、現像領域D
に搬送される現像剤の層厚を規制するために、現像剤層
厚規制部材としての強磁性金属製の磁性規制ブレード5
02が、現像スリーブ508の表面から約50〜500
μmのギャップ幅を持って現像スリーブ508に臨むよ
うにホッパー503から垂下されている。マグネットロ
ーラー509の磁極N1からの磁力線が磁性規制ブレー
ド502に集中することにより、現像スリーブ508上
に現像剤の薄層が形成される。本発明においては、この
磁性規制ブレード502にかえて非磁性ブレードを使用
することもできる。このようにして現像スリーブ508
上に形成される現像剤の薄層の厚みは、現像領域Dにお
ける現像スリーブ508と感光ドラム501との間の最
小間隙よりも、更に薄いものであることが好ましい。
【0073】再生した金属製基体を用いた本発明の現像
剤担持体は、以上のような現像剤の薄層により静電潜像
を現像する方式の現像装置、即ち、非接触型現像装置に
組み込むのが特に有効であるが、現像領域Dにおいて、
現像剤層の厚みが現像スリーブ508と感光ドラム50
1との間の最小間隙以上の厚みである現像装置、即ち接
触型現像装置にも本発明の現像剤担持体を適用すること
ができる。説明の煩雑を避けるため、以下の説明では、
上記したような非接触型現像装置を例に採って行う。
【0074】上記現像スリーブ508に担持された磁性
トナーを有する一成分系現像剤を飛翔させるため、上記
現像スリーブ508にはバイアス手段としての現像バイ
アス電源513により現像バイアス電圧が印加される。
この現像バイアス電圧として直流電圧を使用するとき
に、静電潜像の画像部(現像剤が付着して可視化される
領域)の電位と背景部の電位との間の値の電圧を現像ス
リーブ508に印加するのが好ましい。
【0075】現像された画像の濃度を高め、或いは階調
性を向上するためには、現像スリーブ508に交番バイ
アス電圧を印加し、現像領域Dに向きが交互に反転する
振動電界を形成してもよい。この場合には、上記した現
像画像部の電位と背景部の電位との中間の値を有する直
流電圧成分を重畳した交番バイアス電圧を現像スリーブ
508に印加するのが好ましい。
【0076】高電位部と低電位部を有する静電潜像の高
電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂、正規現
像の場合には、静電潜像の極性と逆極性に帯電するトナ
ーを使用する。高電位部と低電位部を有する静電潜像の
低電位部にトナーを付着させて可視化する、所謂、反転
現像の場合には、静電潜像の極性と同極性に帯電するト
ナーを使用する。高電位、低電位というのは、絶対値に
よる表現である。これらいずれの場合にも、現像剤は少
なくとも現像スリーブ508表面(導電性被覆層50
7)との摩擦により帯電する。
【0077】図7においては、現像スリーブ508上の
現像剤の層厚を規制する現像剤層厚規制部材として、現
像スリーブから離間されて配置された磁性規制ブレード
502の例を示したが、図8に示される如く、ウレタン
ゴム、シリコーンゴムの如きゴム弾性を有する材料、或
いはリン青銅、ステンレス鋼の如き金属弾性を有する材
料の弾性板からなる弾性規制ブレードを使用し、この弾
性規制ブレードを現像スリーブに対して、現像剤を介し
て接触或いは圧接させて用いてもよい。規制ブレードを
接触又は圧接させるタイプの現像装置では、現像剤層は
更に強い規制を受けながら現像スリーブ上に現像剤の薄
層を形成することから、現像スリーブ508上に、上記
した図7の引用例の場合よりも更に薄い現像剤層を形成
することができる。
【0078】しかし、図7はあくまでも本発明にかかる
現像装置を模式的に例示したものであり、前記した層厚
規制部材以外にも、現像容器503(ホッパー)の形
状、攪拌搬送部材505、511の有無、磁極の配置、
現像剤供給部材512の形状、補給容器の有無等に様々
な形態があることは言うまでもない。勿論、これらの装
置では、トナーとキャリアを含む二成分系現像剤を用い
る現像に使用することもできる。
【0079】次に、再生した金属製基体を用いた本発明
の現像剤担持体が組み込まれた二成分現像装置について
説明する。図9は、二成分現像剤を用いるのに好適な現
像装置の一例の模式図である。図9において、現像容器
553の現像室564内に、矢印E方向に回転される静
電潜像保持体551に対向して現像剤担持体としての非
磁性現像スリーブ559を備えており、図9に例示した
装置においては、再生して得られた基体としての円筒状
の非磁性金属557の表面に、樹脂被覆層558が設け
られている。図示した装置では、この非磁性現像スリー
ブ559内には、磁界発生手段としての磁性ローラー5
56が不動に放置されており、現像ローラー560を形
成している。磁性ローラー556は、S1〜3、N1及
びN2の5極構成に着磁されている。
【0080】現像室564内には、トナーと磁性キャリ
アとを混合した二成分現像剤が収容されている。この現
像剤は、現像室564上端開放の隔壁554の開口を通
って現像容器553の攪拌室565内に送られると、ト
ナー室555から攪拌室565内に供給されたトナーが
トナー送り規制部材563を介して補給され、攪拌室5
65内の第1現像剤攪拌・搬送手段562によって混合
される。攪拌室565で攪拌された現像剤は、隔壁55
4の図示しない他の開口を通って現像室564内に戻さ
れ、そこで現像室564内の第2現像剤攪拌・搬送手段
561により、攪拌・搬送されながら非磁性現像スリー
ブ559に搬送される。
【0081】非磁性現像スリーブ559に供給された現
像剤は、上記の磁石ローラ556の磁力の作用により磁
気的に拘束され、非磁性現像スリーブ559上に担持さ
れ、非磁性現像スリーブ559の下部に設けられた現像
剤規制部材ブレード552での規制によって非磁性現像
スリーブ559上で現像剤の薄層に形成されながら、非
磁性現像スリーブ559の矢印F方向への回転に伴い静
電潜像保持体551と対向した現像部Gへと搬送され、
そこで静電潜像保持体551上の静電潜像の現像に供さ
れる。
【0082】現像に消費されなかった残余の現像剤は、
非磁性現像スリーブ559の回転により現像室564内
に回収される。現像室564内では同極のS2、S3間
での反発磁界により非磁性現像スリーブ559上に磁気
的に拘束されている現像残りの残余の現像剤を剥ぎ取る
ようになっている。非磁性現像スリーブ559上方には
トナー飛散を防止するために飛散防止部材566が固
定、設置されている。図9は、あくまでも模式的な例で
あり、容器の形状、攪拌部材の有無、磁極の配置、回転
方向等に様々な形態があることは言うまでもない。
【0083】次に、上記したような構成を有する本発明
の現像装置で画像を形成する場合に用いられる現像剤を
構成するトナーについて説明する。トナーは、主成分と
して、結着樹脂、離型剤、荷電制御剤、及び着色剤等を
溶融混練し、固化した後に粉砕し、その後に分級等をし
て粒度分布を揃えた着色樹脂微粉体である。トナーに用
いられる結着樹脂としては、下記に挙げるような一般に
公知の樹脂を使用することができる。
【0084】例えば、スチレン、α−メチルスチレン、
p−クロルスチレン等のスチレン及びその置換体の単重
合体;スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニ
ルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重
合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン
−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−ジメチルア
ミノエチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共
重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチ
レン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタク
リル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン−ビニ
ルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケ
トン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合
体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレ
ン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチル
メタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリ
プロピレンポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹
脂、ロジン、変性ロジン、テンペル樹脂、フェノール樹
脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹
脂、パラフィンワックス、カルナバワックス等を、単独
で或いは混合して使用できる。
【0085】又、トナー中には、着色剤として顔料を含
有させることができる。この場合に使用する顔料として
は、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、ラン
プ黒、スーダンブラックSM、ファースト・イエロー
G、ベンジジン・イエロー、ピグメント・イエロー、イ
ンドファースト・オレンジ、イルガジン・レッド、パラ
ニトロアニリン・レッド、トルイジン・レッド、カーミ
ンFB、パーマネント・ボルドーFRR、ピグメント・
オレンジR、リソール・レッド2G、レーキ・レッド
C、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチル・バ
イオレッドBレーキ、フタロシアニン・ブルー、ピグメ
ント・ブルー、ブリリアント・グリーンB、フタロシア
ニングリーン、オイルイエローGG、ザボン・ファース
トイエローCGG、カヤセットY963、カヤセットY
G、ザボン・ファーストオレンジRR、オイル・スカー
レット、オラゾール・ブラウンB、ザボン・ファースト
スカーレットCG、オイルピンクOP等が挙げられる。
【0086】トナーを磁性トナーとして用いるために、
トナーの中に磁性粉を含有せしめてもよい。この場合に
使用できる磁性粉としては、磁場の中におかれて磁化さ
れる物質が用いられ、例えば、鉄、コバルト、ニッケル
等の強磁性金属の粉末、又はマグネタイト、ヘマタイ
ト、フェライト等の合金や化合物が挙げられる。これら
の磁性粉の含有量は、質量基準で、トナーに対して15
〜70質量%とすることが好ましい。
【0087】トナーに、定着時の離型性向上、定着性向
上の目的で、ワックス類を含有させることができる。そ
のようなワックス類としては、例えば、パラフィンワッ
クス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及
びその誘導体、フィッシャートロプッシュワックス及び
その誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、
カルナバワックス及びその誘導体等で、誘導体には酸化
物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフ
ト変性物を含む。その他、アルコール、脂肪酸、酸アミ
ド、エステル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、
植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、ペ
トロラクタム等も利用できる。
【0088】必要に応じて、トナーに荷電制御剤を含有
させてもよい。荷電制御剤には、負荷電制御剤、正荷電
制御剤がある。例えばトナーを負荷電性に制御するもの
として下記物質がある。例えば有機金属錯体、キレート
化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセ
トン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族
ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハ
イドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸
及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール
等のフェノール誘導体類等がある。
【0089】又、トナーを正帯電させるための物質とし
ては下記のようなものがある。ニグロシン及び脂肪酸金
属塩等による変性物、トリブチルベンジルアンモニウム
−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラ
ブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級ア
ンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム
塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤
としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、り
んタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン
酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物
等)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、
ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキ
サイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボ
レート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルス
ズボレート等のジオルガノスズボレート類;グアニジン
化合物、イミダゾール化合物等が挙げられる。
【0090】トナーは必要に応じて、流動性を改善する
等の目的で無機微粉末の如き粉末を外添して用いられ
る。このような微粉末としては、シリカ微粉末、アルミ
ナ、チタニア、酸化ゲルマニウム、酸化ジルコニウム等
の金属酸化物;炭化ケイ素、炭化チタン等の炭化物;及
び窒化ケイ素、窒化ゲルマニウム等の窒化物等の無機微
粉体が用いられる。これらの微粉体は、有機ケイ素化合
物や、チタンカップリング剤等で、有機処理して用いる
ことができる。
【0091】その際に使用するものとしては、例えば、
有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、
トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチ
ルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルト
リクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリル
フェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラ
ン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエ
チルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシ
ラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガ
ノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタ
ン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチル
アセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキ
サメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチル
ジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロ
キサン、及び1分子当り2〜12個のシロキサン単位を
有し、且つ末端に位置する単位にそれぞれ1個ずつのS
iに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロキサン
等が挙げられる。
【0092】又、未処理の微粉体を窒素含有のシランカ
ップリング剤で処理したものを用いてもよい。特に、ポ
ジトナーの場合に好ましい。そのような処理剤の例とし
ては、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリ
メトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシ
シラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラ
ン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノ
ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチル
アミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプ
ロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノ
メトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリメトキシ
シラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルア
ミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミ
ン、トリメトキシシリル−γ−プロピルピペリジン、ト
リメトキシシリル−γ−プロピルモルホリン、トリメト
キシシリル−γ−プロピルイミダゾール等が挙げられ
る。
【0093】上記シランカップリング剤により無機微粉
体を処理する方法としては、例えば、1)スプレー法、
2)有機溶媒法、3)水溶液法等がある。以下、これら
について、一般的な方法について説明する。 1)スプレー法による処理とは、ピグメントを撹拌し、
ここにカップリング剤の水溶液或いは溶媒液をスプレー
し、この後に、水或いは溶媒を120〜130℃程度で
除去乾燥する方法である。 2)有機溶媒法による処理とは、少量の水と共に、加水
分解用触媒を含む有機溶媒(アルコール、ベンゼン、ハ
ロゲン化炭化水素等)にカップリング剤を溶解し、これ
にピグメントを浸積した後、濾過或いは圧搾により固液
分離を行い120〜130℃程度で乾燥させる方法であ
る。 3)水溶液法とは、0.5%程度のカップリング剤を、
一定pHの水或いは水−溶媒中で加水分解させ、ここに
ピグメントを浸積し後、同様に固液分離を行って乾燥す
る方法である。
【0094】トナー粒子表面に外添させる無機微粉末の
如き微粉末への他の有機処理の方法としては、その他
に、例えば、シリコーンオイルで処理された微粉体を用
いることも可能である。好ましいシリコーンオイルとし
ては、25℃における粘度がおよそ0.5〜10,00
0mm2/s、好ましくは1〜1,000mm2/sのも
のが用いられる。このようなものとしては、例えば、メ
チルハイドロジエンシリコーンオイル、ジメチルシリコ
ーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、クロル
フェニルメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコ
ーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル、ポリオキシ
アルキレン変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコー
ンオイル等が挙げられる。又、側鎖に窒素原子を有する
シリコーンオイルを用いてもよい。特に、ポジトナーの
場合は好ましい。
【0095】シリコーンオイルによる微粉体の有機処理
は、例えば、次のようにして行ない得る。必要に応じて
加熱しながら微粉体を激しく撹乱し、これに上記に列挙
したようなシリコーンオイル或いはその溶液をスプレー
若しくは気化して吹き付けるか、又は、微粉体をスラリ
ー状にしておき、これを撹拌しつつシリコーンオイル、
或いはその溶液を滴下することによって容易に処理でき
る。これらのシリコーンオイルは、1種或いは2種以上
の混合物或いは併用や多重処理して用いることができ
る。又、シリコーンオイルによる処理を、先に説明した
シランカップリング剤による処理と併用してもよい。
【0096】上記のようにして形成されるトナーは、種
々の方法で、更に、球形化処理、表面平滑化処理を施し
て用いると、転写性が良好となるので好ましい。そのよ
うな方法としては、攪拌羽根又はブレード等、及びライ
ナー又はケーシング等を有する装置で、例えば、トナー
をブレードとライナーの間の微小間隙を通過させる際に
機械的な力によって、トナー粒子表面を平滑化したりト
ナー粒子の形状を球形化したりする方法、温水中にトナ
ーを懸濁させてトナー粒子の形状を球形化する方法、熱
気流中にトナー粒子を曝し、その形状を球形化する方法
等がある。又、球状のトナー粒子を直接得る方法として
は、トナーを構成する結着樹脂となる重合性単量体を主
成分とする組成物を水中に懸濁させ、重合してトナー化
する方法がある。一般的な方法としては、例えば、重合
性単量体、着色剤、重合開始剤、更に必要に応じて架橋
剤、荷電制御剤、離形剤、その他の添加剤を均一に溶解
又は分散せしめて重合性単量体組成物とした後、この単
量体組成物を分散安定剤を含有する連続層、例えば、水
相中に適当な攪拌機を用いて適度な粒径に分散し、更に
重合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得
る方法である。
【0097】上記のようにして得られるトナーは、キャ
リアと混合して二成分現像剤として用いることもでき
る。キャリア材料としては、例えば、鉄、ニッケル、コ
バルトといった磁性体金属、及びそれらの合金、或いは
希土類を含有する合金類、ヘマタイト、マグネタイト、
マンガン−亜鉛系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェラ
イト、マンガン−マグネシウム系フェライト及びリチウ
ム系フェライト等のソフトフェライト、銅−亜鉛系フェ
ライトといった鉄系酸化物、及びそれらの混合物、更に
は、ガラス、炭化ケイ素等のセラミックス粒子、樹脂粉
体、磁性体を含有する樹脂粉体等を挙げることができ、
通常は、平均粒径が20〜300μm程度の粒状物とし
て用いる。
【0098】このようなキャリアは、上記に挙げた粒状
物を直接キャリア粒子として用いてもよいが、トナーの
摩擦帯電電荷を調整したり、キャリアへのトナースペン
トを防止したりするために、シリコーン樹脂、フッ素樹
脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂等のコート剤を用
い、これらよって適宜粒子表面に樹脂コートを施して用
いることもできる。
【0099】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を
更に詳しく説明する。尚、文中「部」又は「%」とある
のは特に断りのない限り質量基準である。 <実施例P−1>実際に製品として使った現像剤担持体
サンプルについての再生試験を行うのに先立って、次の
ような実験をした。NP−6350(キヤノン社製)の
現像ローラ(現像剤担持体)に用いられる外径が24.
5mmφのアルミニウム製の金属製基体を複数個用意
し、基体の振れ値を測定した。その中から、振れ値の平
均値が5.0±0.5μm以内のものを選択した。そし
て、これらの金属基体上に樹脂被覆層を形成し、剥離実
験用の現像ローラとした。その際、金属製基体上への樹
脂被覆層の形成は、次のようにして行った。
【0100】下記の方法で樹脂層を形成するために使用
する熱硬化性フェノール樹脂のガラス転移温度(Tg)
を測定した。先ず、熱硬化性フェノール樹脂のプレポリ
マー溶液Iをバーコーターにて銅箔上に塗布した後、1
70℃で1時間の熱処理を施して樹脂を硬化させた。次
に、銅箔を塩化第2鉄水溶液でエッチングすることによ
り除去し、10×10・厚さ40μmのフェノール樹脂
試料を得た。この試料を熱機械分析(TMA)(島津製
作所製TMA−50)を用い、10℃/分で昇温し熱膨
張率を測定して、熱膨張率の急激な変化の発生する温度
をガラス転移温度とした。その結果、樹脂被覆層の形成
に用いたフェノール樹脂IのTgは170℃であった。
本実施例では、この熱硬化性フェノール樹脂を被膜形成
材料として用いた。
【0101】 上記した材料を、ガラスビーズを用いたサンドミルによ
り充分に混合、分散して塗工液Iを得た。この塗工液中
の分散体の平均粒径を測定したところ6.6μmであっ
た。又、この塗工液Iを絶縁シート上に薄層にコーティ
ングし、乾燥硬化させて得られた硬化膜について体積抵
抗値を測定したところ、3.5Ω・cmであった。更
に、この塗工液Iをイソプロピルアルコールにより固形
分が36%となるように希釈し、次の樹脂被覆層の形成
材料として用いた。
【0102】次に、上記で得た塗工液を用いてアルミニ
ウム製の金属製基体上に樹脂被覆層を形成した。その
際、金属製基体を垂直に立てて回転させながら、スプレ
ーガンを金属製基体に沿って上から下へ移動させ、その
際にスプレーガンから塗工液を吐出させて均一な塗工膜
を形成して現像剤担持体を作製した。その後、乾燥硬化
を行って樹脂被覆層を形成した。これらのサンプルにお
いては、樹脂層の膜厚が平均で約15μmとなるように
条件を設定した。以上のようにして金属製基体上に樹脂
被覆層を形成して得た現像剤担持体の振れ値について測
定したところ、塗工前の金属製基体の振れ値と大きな変
化はなかった。
【0103】次に、上記で得られた現像剤担持体サンプ
ルを用いて、本実施例の、金属基体表面に形成した塗工
膜である樹脂被覆層に対する剥離実験を行った。尚、実
施例及び比較例における現像剤担持体サンプルの樹脂被
覆層の主構成及び剥離実験の条件は、表P−1にまとめ
て示した。剥離実験は、図1に模式的に示した装置を用
い、上記で得られた現像剤担持体101を極性溶媒10
2中に浸漬して行った。極性溶媒102は、シリコーン
オイル103の入った油浴によってヒーター104で加
熱した。樹脂被覆層の形成に使用したフェノール樹脂I
のTgが170℃であったので、本実施例では、極性溶
媒としてN−メチルピロリドン(沸点202℃、双極子
モーメント13.6×10-30C・m)を用い、その液
温が180℃に保持されるように、温度計105を使用
して制御しながら加熱した。現像剤担持体101をこの
状態で20分間、N−メチルピロリドン中に浸漬し、2
0分間経過後に引き上げたところ、樹脂被覆層は、良好
な状態で剥離されていた。更に、剥離後に得られた金属
製基体の振れ値について測定を行って評価した。その結
果、表P−2に示したように、振れ値は当初における金
属製基体と同様であり、良好な状態で樹脂被覆層が剥離
されたことが確認できた。
【0104】<実施例P−2>実施例P−1で行ったと
同様にして、ガラス転移温度の異なる熱硬化性フェノー
ル樹脂のプレポリマー溶液IIを用いて得た硬化物につい
てガラス転移温度を測定したところ、Tg=140℃で
あった。実施例P−1において、フェノール樹脂Iを上
記のフェノール樹脂IIに代えたこと以外は実施例P−1
と同様にして、現像剤担持体を作製した。本実施例にお
いても、実施例P−1で使用した現像剤担持体の場合と
同様に、樹脂被覆層形成後の振れ値も金属製基体の振れ
値と大きな変化はなかった。
【0105】次に、上記で得られた現像剤担持体サンプ
ルを用いて、本実施例の剥離実験を行った。塗工膜の剥
離方法は、実施例P−1において極性溶媒として使用し
たN−メチルピロリドンの代わりに、テトラヒドロフル
フリルアルコール(沸点178℃、双極子モーメント
7.1×10-30C・m)を用い、該極性溶媒の液温を
160℃に加熱し、その状態で20分間浸漬した以外
は、実施例P−1と同様にして行った。この結果、実施
例P−1の場合と同様に、金属製基体上から樹脂被覆層
が良好な状態で剥離した。剥離後に得られた金属製基体
の振れ値についての測定した結果を表P−2に示した
が、実施例P−1の場合と同様に、良好な状態で樹脂被
覆層が剥離されたことが確認できた。
【0106】<実施例P−3>実施例P−1で行ったと
同様にして、ガラス転移温度の異なる熱硬化性フェノー
ル樹脂のプレポリマー溶液IIIを用いて得た硬化物のガ
ラス転移温度を測定したところ、Tg=200℃であっ
た。実施例P−1において、フェノール樹脂Iを上記の
フェノール樹脂IIIに代えたこと以外は実施例P−1と
同様にして、現像剤担持体を作製した。本実施例におい
ても、実施例P−1で使用した現像剤担持体の場合と同
様に、樹脂被覆層形成後の振れ値も塗工前の金属製基体
の振れ値と大きな変化はなかった。
【0107】次に、上記で得られた現像剤担持体サンプ
ルを用いて、本実施例の剥離実験を行った。塗工膜の剥
離方法は、実施例P−1において極性溶媒として使用し
たN−メチルピロリドンの代わりに、フタル酸ジエチル
(沸点296℃、双極子モーメント9.3×10-30
・m)を用い、該極性溶媒の液温を220℃に加熱し、
その状態で20分間浸漬した以外は実施例P−1と同様
にして行った。この結果、実施例P−1の場合と同様
に、金属製基体上から樹脂被覆層が良好な状態で剥離し
た。剥離後に得られた金属製基体の振れ値についての測
定した結果を表P−2に示したが、実施例P−1の場合
と同様に、良好な状態で樹脂被覆層が剥離されたことが
確認できた。
【0108】<実施例P−4>実施例P−1で行ったと
同様にして、ガラス転移温度の異なる熱硬化性フェノー
ル樹脂のプレポリマー溶液IVを用いて得た硬化物のガラ
ス転移温度を測定したところ、Tg=120℃であっ
た。実施例P−1において、フェノール樹脂Iを上記の
フェノール樹脂IVに代えたこと以外は実施例P−1と同
様にして、現像剤担持体を作製した。本実施例において
も、実施例P−1で使用した現像剤担持体の場合と同様
に、樹脂被覆層形成後の振れ値も金属製基体の振れ値と
大きな変化はなかった。
【0109】次に、上記で得られた現像剤担持体サンプ
ルを用いて、本実施例の剥離実験を行った。塗工膜の剥
離方法は、実施例P−1において極性溶媒として使用し
たN−メチルピロリドンの代わりに、フルフラール(沸
点162℃、双極子モーメント11.9×10-30C・
m)を用い、該極性溶媒の液温を140℃に加熱し、そ
の状態で20分間浸漬した以外は実施例P−1と同様に
して行った。この結果、実施例P−1の場合と同様に、
金属製基体上から樹脂被覆層が良好な状態で剥離した。
剥離後に得られた金属製基体の振れ値についての測定し
た結果を表P−2に示したが、実施例P−1の場合と同
様に、良好な状態で樹脂被覆層が剥離されたことが確認
できた。
【0110】<実施例P−5>先ず、エポキシ樹脂のプ
レポリマー溶液(硬化剤含有)Iを用いて、実施例P−
1で行ったと同様の操作で、エポキシ樹脂のTgを測定
した。その結果、エポキシ樹脂IのTgは180℃であ
った。そして、このエポキシ樹脂材料を用いて、実施例
P−1で用いたと同様のアルミニウム製の金属製基体表
面に、下記のようにして樹脂被覆層を形成した。
【0111】 上記の材料をガラスビーズを用いたサンドミルによって
混合、分散して塗工液E−Iを得た。この塗工液E−I
中の分散体の平均粒径を測定したところ6.9μmであ
った。塗工液E−Iを絶縁シート上に薄層にコーティン
グし、乾燥硬化させて得られた硬化膜について体積抵抗
値を測定したところ、4.2Ω・cmであった。
【0112】更に、この塗工液E−Iをトルエンにより
固形分が30%となるように希釈して、次の樹脂被覆層
の形成材料に用いた。即ち、この塗工液を用い、実施例
P−1で行ったと同様の操作でアルミニウム製の金属製
基体上に樹脂被覆層を形成し、本実施例で使用する現像
剤担持体を得た。上記のようにして樹脂被覆層を形成し
て得られた現像剤担持体の振れ値も、塗工前の金属製基
体の振れ値と大きな変化はなかった。
【0113】次に、上記で得られた現像剤担持体サンプ
ルを用いて、本実施例の剥離実験を行った。塗工膜の剥
離方法は、実施例P−1において極性溶媒として使用し
たN−メチルピロリドンの代わりに、2−ピロリドン
(沸点245℃、双極子モーメント7.7×10-30
・m)を用い、該極性溶媒の液温を200℃に加熱し、
その状態で20分間浸漬した以外は実施例P−1と同様
にして行った。この結果、実施例P−1の場合と同様
に、金属製基体上から樹脂被覆層が良好な状態で剥離し
た。剥離後に得られた金属製基体の振れ値についての測
定した結果を表P−2に示したが、実施例P−1の場合
と同様に、良好な状態で樹脂被覆層が剥離したことが確
認できた。
【0114】<実施例P−6>先ず、ウレタン樹脂のプ
レポリマー溶液Iを用いて、実施例P−1で行ったと同
様の操作でウレタン樹脂のTgを測定した。その結果、
ウレタン樹脂IのTgは130℃であった。そして、こ
のエポキシ樹脂材料を用いて、実施例P−1で用いたと
同様のアルミニウム製の金属製基体表面に、下記のよう
にして樹脂被覆層を形成した。
【0115】 ・ウレタン樹脂I(トルエン:メタノール=1:1 の混合溶媒による50%溶液) 1000部 ・平均粒径8μmの結晶性グラファイト 360部 ・導電性カーボンブラック 40部 ・トルエン 400部 上記の材料をガラスビーズを用いたサンドミルによって
充分に混合、分散して塗工液U−Iを得た。この塗工液
中の分散体の平均粒径を測定したところ7.2μmであ
った。又、塗工液U−Iを絶縁シート上に薄層にコーテ
ィングし、乾燥硬化させて得られた硬化膜について体積
抵抗値を測定したところ、4.9Ω・cmであった。
【0116】更に、この塗工液U−Iをトルエン:メタ
ノール=1:1の混合溶媒により固形分が33%となる
ように希釈して、次の樹脂被覆層の形成材料に用いた。
即ち、この塗工液を用い、実施例P−1で行ったと同様
の操作でアルミニウム製の金属製基体上に樹脂被覆層を
形成し、本実施例で使用する現像剤担持体を得た。上記
のようにして樹脂被覆層を形成して得られた現像剤担持
体の振れ値も、塗工前の金属製基体の振れ値と大きな変
化はなかった。
【0117】次に、上記で得られた現像剤担持体サンプ
ルを用いて、本実施例の剥離実験を行った。塗工膜の剥
離方法は、実施例P−1において極性溶媒として使用し
たN−メチルピロリドンの代わりに、シクロヘキサノー
ル(沸点161℃、双極子モーメント6.3×10-30
C・m)を用い、液温を150℃に加熱し、その状態で
20分間浸漬した以外は、実施例P−1と同様にして行
った。この結果、実施例P−1の場合と同様に、金属製
基体上から樹脂被覆層が良好な状態で剥離した。剥離後
に得られた金属製基体の振れ値についての測定した結果
を表P−2に示したが、実施例P−1の場合と同様に、
良好な状態で樹脂被覆層が剥離したことが確認できた。
【0118】<実施例P−7>実施例P−4において現
像剤担持体を浸漬させたフルフラール溶液を、o−キシ
レン(沸点144℃、双極子モーメント1.7×10
-30C・m)とし、その液温を130℃にしたこと以外
は、実施例P−4と同様の操作を行って、塗工膜の剥離
実験を行った。この結果、金属製基体上に形成されてい
る樹脂被覆層はほぼ剥離されたが、薄い剥離残りがあっ
た。しかし実用上問題ないレベルであった。これは、樹
脂被覆層を剥離するために用いた現像剤担持体を浸漬さ
せる液体が極性溶媒でなかったため、液体の温度をフェ
ノール樹脂IVのTg以上に加熱しても樹脂被覆層は完
全に剥離されなかったものと思われる。
【0119】<比較例P−1>実施例P−1において、
極性溶媒のN−メチルピロリドンの加熱温度を140℃
にしたこと以外は、実施例P−1と同様にして、塗工膜
の剥離実験を行った。この結果、実施例P−1で使用し
たと同様の現像剤担持体を用いて剥離試験をしたにもか
かわらず、表P−2に示したように、金属製基体上に形
成されている樹脂被覆層は完全には剥離されなかった。
これは、現像剤担持体を浸漬させたN−メチルピロリド
ン溶液の液温が、フェノール樹脂IのTg以下だったた
めと考えられる。
【0120】
【0121】
【0122】<実施例R−1>スリーブ外径が24.5
mmφのNP−6350(キヤノン社製)の使用後の現
像剤担持体(現像ローラ)を用意した。この現像ローラ
は、基体のスリーブがアルミニウム製で、その表面には
熱硬化タイプのフェノール樹脂I(Tg=170℃)及
び結晶性グラファイトを主成分とする樹脂被覆層が形成
されている。実耐久使用枚数は、約50万枚であった。
樹脂被覆層表面をレーザー顕微鏡で観察したところ、ス
リーブ両端部にはトナーの融着が見られた。融着したト
ナーを溶剤メチルエチルケトン(MEK)を用いて拭き
取り、全体の表面粗さを測定したところ、中心線平均粗
Raの値で0.40μmにまで低下していた。尚、新品
時における樹脂層の表面粗さは、約0.8μmであっ
た。又、レーザー測長装置による外径測定によって計測
した残りの膜厚は、新品時が約15μmであったのに対
して、平均で中央部が約7μm、両端部が約4μmであ
り、厚みが薄くなっていた。目視にて観察したところ、
現像ローラの端部においては、樹脂層の薄くなったとこ
ろから下地のアルミニウムが確認できる状態であった
(実際は樹脂層が残っている状態)。
【0123】参考のために、この現像ローラの表面に付
着しているトナーをメチルエチルケトン(MEK)によ
りきれいに拭き取り、再度NP−6350の現像器内に
組み直し、画出しテストを行った。その結果、常温常湿
(23℃、60%RH)環境及び高温高湿(30℃、8
0%RH)環境では、画像濃度は不十分ながら、実用上
許される限界である下限レベルの画像が得られたが、常
温低湿(23℃、10%RH)環境においては、スリー
ブ表面の、特に端部領域において、さざ波状のコーティ
ングムラ(ブロッチ)が発生し、ハーフトーン画像上に
波状の模様が現れてしまった。
【0124】次に、この現像ローラを再度現像器から取
り外し、表面のトナーを除去した後、片側のスリーブフ
ランジ及びマグネットローラを取り外し、実施例P−1
と同様の方法で、加熱する液体としてN−メチルピロリ
ドン(沸点202℃、双極子モーメント13.6×10
-30C・m)を用い、その液温を180℃に加熱した状
態に保持しながら現像ローラを20分間浸漬して、表面
に形成されている樹脂被覆層の剥離を行った。剥離後の
金属製基体の振れ値は5.8μm、表面粗さは中心線平
均粗さ(Ra)が、平均値で0.41μmであった。表
R−1に、実施例及び比較例における現像剤担持体サン
プルの樹脂被覆層の主構成及び剥離実験の条件をまとめ
て示した。
【0125】
【0126】次に、表面に設けられていた樹脂被覆層
を、上記のようにして剥離して得られた現像ローラの金
属製基体を、下記の手順で脱脂処理した。先ず、超音波
洗浄器中にガラスの円筒容器を立てて、その中に加圧濾
過を行って水中の微粒子を除去して得た水道水を入れ
た。更に、これに非イオン系界面活性剤であるポリオキ
シエチレンオクチルフェニルエーテルを加え、該界面活
性剤の1wt%水溶液を調製した。脱脂処理は、上記で
得られた水溶液を用い、下記の手順で行った。樹脂被覆
層が剥離された結果得られた金属製基体に対して、超音
波をかけながら上記で調製した液中に浸し、更に上下運
動をさせながら15分間の脱脂洗浄を行った。更に、脱
脂洗浄後、界面活性剤の入っていない加圧濾過水道水を
用いて1分間の洗浄を5回繰り返し、最後に、イオン交
換水で洗浄した後、60℃の乾燥機中で乾燥を行って、
再生試験に供する金属製基体を得た。
【0127】次に、得られた金属製基体表面に樹脂被覆
層の形成を行って、現像剤担持体の再生を行った。その
際、実施例P−1で使用した塗工液Iを用いて、実施例
P−1と同様の方法で樹脂被覆層を形成した。再生後に
形成した樹脂被覆層の膜厚は15.5μm、表面粗さ
は、Ra=0.82μmであった。又、樹脂被覆層を再
生した後に振れ値を測定したところ、6.3μmであっ
た。これらの結果を表R−2にまとめて示した。
【0128】
【0129】以上のようにして再生した現像剤担持体に
再度マグネットローラを組み込み、フランジを取り付け
た後、再度NP−6350の現像器として組み直し、1
万枚の画出しテストを行った。そして、得られた画像に
ついて、下記の方法及び基準で評価し、結果を表R−3
に示した。表R−3からも明らかな通り、常温常湿(2
3℃、60%RH)環境、高温高湿(30℃、80%R
H)環境、常温低湿(23℃、10%RH)環境ともに
良好な画像が得られた。尚、参考のために、NP−63
50(キヤノン社製)の使用後の現像ローラの表面に付
着しているトナーをメチルエチルケトン(MEK)によ
りきれいに拭き取って、再度NP−6350の現像器内
に組み直し、画出しテストを行った結果についても、表
R−3中に合わせて示した。常温常湿(23℃、60%
RH)環境においては、50万枚までの長期耐久テスト
を行い耐久性の確認を行った。その結果、50万枚の耐
久終了まで、特に異常な画像の発生は認められなかっ
た。
【0130】[評価方法] (1)画像濃度 画像比率5.5%のテストチャート上の5mmφ黒丸の
コピー画像濃度について、反射濃度計RD918(マク
ベス製)により反射濃度測定を行い、10点の平均値を
とって画像濃度とした。その結果を表R−3に示した。
【0131】(2)濃度一様性 現像ローラの長手方向の濃度一様性について、反射濃度
0.4のハーフトーンベタ画像を最高濃度が反射濃度で
0.6となるように画像を出し、この反射濃度の「最高
値−最低値」を反射濃度計RD918(マクベス製)に
より測定し、評価した。その結果を表R−3に示した。
尚、本評価においては、ピッチムラ部分は評価の対象か
ら外した。
【0132】(3)ピッチムラ ベタ黒画像及びハーフトーンベタ画像(上記と同様)を
観察し、現像ローラ回転方向の濃度ムラを目視により判
断し、下記の基準で評価した。表R−3に結果を示し
た。 ○:ベタ黒、ハーフトーンベタ画像のいずれにおいて
も、ピッチムラが観察されない。 ○△:ベタ黒では殆どわからないが、ハーフトーンベタ
画像では僅かにわかる程度。 △:ベタ黒及びハーフトーンベタ画像のいずれにおいて
もピッチムラが観察されるが、実用範囲内。 ×:実用レベル以下のピッチムラが発生。
【0133】(4)ブロッチ ベタ黒及びハーフトーンベタ画像を評価し、又、現像ロ
ーラ表面を目視により観察することで、次の基準で評価
した。表R−3に結果を示した。 ○:画像上も、現像ローラ上も発生が見られない。 △:画像上には発生していないが、現像ローラ上には、
さざ波状のムラが観察される。 ×:画像上に出現。
【0134】
【0135】
【0136】
【0137】<実施例R−2>実施例R−1で行った樹
脂被覆層の剥離方法において、樹脂被覆層の剥離に用い
る溶液をN−メチルピロリドンに代えてエチレングリコ
ール(沸点197℃、双極子モーメント7.3×10
-30C・m)としたこと以外は、実施例R−1と同様の
操作にて剥離を行った。更に、剥離後に得られた金属製
基体に対して実施例R−1と同様にして樹脂被覆層を形
成した。表R−1に樹脂被覆層の剥離方法をまとめて示
した。そして、再生した現像ローラをNP−6350の
現像器に再度組み込み、実施例R−1と同様の画出しテ
ストを行った。その結果は、表R−3にまとめて示し
た。尚、下記の実施例及び比較例における現像剤担持体
サンプルの樹脂被覆層の主構成及び剥離実験の条件は、
先述した表R−1にまとめて示した。又、樹脂層を剥離
した後、及び樹脂層を再生した後における振れ値と表面
粗さの測定結果は、先述した表R−2にまとめて示し
た。
【0138】<実施例R−3>実施例R−1で行った樹
脂被覆層の剥離方法において、樹脂被覆層の剥離に用い
る溶液をN−メチルピロリドンに代えてヘキサメチルホ
スホルトリアミド(沸点233℃、双極子モーメント1
7.9×10-30C・m)としたこと以外は、実施例R
−1と同様の操作にて剥離を行った。更に、剥離後に得
られた金属製基体に対して実施例R−1と同様にして樹
脂被覆層を形成した。そして、再生した現像ローラをN
P−6350の現像器に組み込み、実施例R−1と同様
の画出しテストを行った。その結果を表R−3に示し
た。
【0139】<実施例R−4>実施例R−1で行った樹
脂被覆層の剥離方法において、樹脂被覆層の剥離に用い
る溶液をN−メチルピロリドンに代えてステアリン酸ブ
チル(沸点343℃、双極子モーメント6.3×10
-30C・m)を使用し、その液温を200℃としたこと
以外は、実施例R−1と同様の操作にて剥離を行った。
更に、剥離後に得られた金属製基体に対して実施例R−
1と同様にして樹脂被覆層を形成した。そして、再生し
た現像ローラをNP−6350の現像器に組み込み、実
施例R−1と同様の画出しテストを行った。その結果を
表R−3に示した。
【0140】<比較例R−1>実施例R−1において、
加熱したN−メチルピロリドンで樹脂層を剥離すること
に代え、樹脂層を完全に除去するために切削加工を行っ
た。切削加工を行った表面位置は、表R−2に示したよ
うに、両端の未加工部分に比べて外径が100μm程小
さくなっていた。この金属製基体サンプルを用い、実施
例R−1と同様にして樹脂被覆層の形成を行い、再度N
P−6350の現像器として組み直し、1万枚の画出し
テストを行った。結果を表R−3に示したが、S−D間
隙が広くなってしまったため、全体的に濃度が低かっ
た。
【0141】<比較例R−2>実施例R−1において、
樹脂層の剥離方法として、ブラスト装置を用いて樹脂被
覆層に対しブラスト処理を行った。ブラスト用ガンのノ
ズル内径は、7φのものを用いた。ノズル内径/スリー
ブ外径の比は約0.29である。吐出条件としては、吐
出圧を4.0×105Pa、砥粒粒子としては平均粒径
500μm・真密度は3.9g/cm3の不定形のアル
ミナ粒子を用いた。又、スリーブの回転数は90rpm
とした。これらの条件で樹脂被覆層が剥離されるまでブ
ラスト処理を行った。剥離後の振れ値、表面粗さについ
て評価を行った。これらの結果を表R−3に示す。ブラ
ストによりスリーブの振れが悪化し、更にスリーブ基体
表面粗さも大きくなってしまった。
【0142】このスリーブサンプルを用い、実施例R−
1と同様にして樹脂被覆層の形成を行い、再度NP−6
350の現像器として組み直し、1万枚の画出しテスト
を行った。その結果を表R−3に示したが、高温高湿下
で耐久濃度低下を招いた。又、スリーブピッチムラも悪
かった。
【0143】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、使用後或いは不具合によって使用不能となった樹
脂被覆層を有する現像剤担持体を、新品と同様に高精細
で高品位な画像の得られる再生現像剤担持体へと、簡易
に且つ低コストで再生する電子写真部材に用いる塗工膜
剥離方法を提供することができる。又、本発明の方法で
は、使用後の現像剤担持体の表面樹脂層を、円筒状等の
金属製基体との界面から完全に剥離した後、表面に樹脂
薄層を形成し再生するため、金属製基体の寸法変化が極
めて小さく、現像ローラとドラムとの間隙が大きくなる
ことがなく、画像欠陥の発生を有効に防止できる再生現
像剤担持体等の電子写真部材が得られる。更に、本発明
によれば、肉厚が低下することもないので、現像ローラ
が撓み、スリーブピッチムラの発生や濃度一様性の悪化
も防げる再生現像剤担持体等の電子写真部材が得られ
る。更には、本発明によれば、上記の如く優れた再生現
像剤担持体等の電子写真部材を用いた現像装置によっ
て、高精細、高品位な画像を経済的に提供することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる樹脂層を剥離する装置の模
式図である。
【図2】本発明に用いられる現像剤担持体の模式的な断
面図である。
【図3】本発明で金属製基体を脱脂処理する際に用いる
装置の概略断面図である。
【図4】金属製基体等の振れ値の測定方法を説明するた
めの模式図である。
【図5】金属製基体等の振れ値の測定方法を説明するた
めの模式図である。
【図6】金属製基体等の振れ値の測定方法を説明するた
めの模式図である。
【図7】本発明にかかる現像装置の模式的な断面図であ
る。
【図8】本発明にかかる現像装置の模式的な断面図であ
る。
【図9】本発明にかかる現像装置の模式的な断面図であ
る。
【符号の説明】
1:静電潜像保持体(感光ドラム) 3:現像剤容器 4:現像剤(トナー) 5:磁石(マグネットローラー) 6:円筒部材 7:導電性樹脂被覆層 8:現像剤担持体(現像スリーブ) 9:バイアス電源 10:現像剤攪拌翼 11:現像剤層厚規制部材(磁性ブレード及び弾性ブレ
ード) 51:マスターゲージ 52:円筒状基体 53:押さえ板 54:ばね 55:スペーサー 56:透明部材 57:レーザー射光部 58:レーザー光 59:レーザー受光部 71:洗浄液 72:熱交換器 73:ポンプ 74:温調器 75:洗浄液入口 76:ワーク(スリーブ) 77:洗浄槽 78:ワーク立てピン 79:熱媒 80:ワーク立て 81:昇降装置 82:排気 83:排気フード 84:フード 85:洗浄液出口 86:洗浄液 87:濾過装置 88:蒸留装置 89:廃液管 90:洗浄液再利用 101:現像剤担持体(現像スリーブ) 102:極性溶媒 103:オイル 104:ヒーター 105:温度計 201:熱硬化性樹脂層 202:粗し材粒子 203:カーボン 204:フェノール樹脂 205:グラファイト 206:Al円筒状基体 501:静電潜像保持体(感光ドラム) 502:現像剤層厚規制部材(磁性ブレード及び弾性ブ
レード) 503:現像容器(ホッパー) 504:仕切り部材 505:攪拌搬送部材 506:金属円筒管 507:導電性樹脂被覆層 508:現像剤担持体(現像スリーブ) 509:磁性マグネットローラー 510:現像ローラー 511:攪拌部材 512:現像剤供給部材 513:バイアス電源 514:第一室 515:第二室 551:静電潜像保持体 552:現像剤規制部材ブレード 553:現像容器 554:隔壁 555:トナー室 556:磁性ローラー 557:円筒状非磁性金属 558:樹脂被覆層 559:非磁性現像スリーブ 560:現像ローラー 561:第2現像剤撹拌・搬送手段 562:第1現像剤撹拌・搬送手段 563:トナー送り規制部材 564:現像室 565:撹拌室 566:飛散防止部材 A:感光ドラム回転方向 B:現像スリーブ回転方向 C:攪拌翼回転方向 D:現像領域 E、F:回転方向 G:現像部 S1〜3:磁極 N1、N2:磁極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/16 103 G03G 15/20 103 15/20 103 15/08 507Z (72)発明者 藤島 健司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大竹 智 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 後関 康秀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 明石 恭尚 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 嶋村 正良 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA21 BB26 BB31 2H071 BA43 DA06 DA08 DA09 DA12 2H077 AD06 DB25 GA04 2H200 FA14 HB12 JB10 JC02 3J103 AA02 AA21 AA51 EA11 EA20 FA30 GA02 GA57 GA58 GA60 HA04 HA20 HA41

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製基体表面に塗工膜である熱硬化性
    樹脂層が設けられている電子写真部材に用いる塗工膜剥
    離方法であって、電子写真部材を上記熱硬化性樹脂のガ
    ラス転移温度(Tg)以上の温度に加熱した液体に浸漬
    し、上記金属製基体表面から熱硬化性樹脂層を剥離する
    ことを特徴とする電子写真部材に対する塗工膜剥離方
    法。
  2. 【請求項2】 前記熱硬化性樹脂層が、少なくともフィ
    ラーを含有している請求項1に記載の塗工膜剥離方法。
  3. 【請求項3】 前記フィラーの含有量が、熱硬化性樹脂
    100質量部に対して10質量部以上である請求項2に
    記載の塗工膜剥離方法。
  4. 【請求項4】 前記電子写真部材を浸漬する加熱した液
    体が、極性溶媒である請求項1〜3のいずれか1項に記
    載の塗工膜剥離方法。
  5. 【請求項5】 前記加熱した液体の温度(T)と、前記
    熱硬化性樹脂層のガラス転移温度(Tg)の関係が、T
    ≧Tg+10である請求項1〜4のいずれか1項に記載
    の塗工膜剥離方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗
    工膜剥離方法によって表面に設けられていた熱硬化性樹
    脂層を剥離して得られた金属製基体を用い、該金属製基
    体上に、少なくとも結着樹脂を含有する導電性樹脂層を
    形成して電子写真部材を得ることを特徴とする電子写真
    部材の再生方法。
  7. 【請求項7】 更に、導電性樹脂層を形成する前に金属
    製基体を脱脂処理する請求項6に記載の電子写真部材の
    再生方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗
    工膜剥離方法により表面に設けられていた熱硬化性樹脂
    層が剥離されて得られたことを特徴とする再生可能な電
    子写真部材用金属製基体。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の電子写真部材用金属製
    基体の上に、少なくとも結着樹脂を含有する導電性樹脂
    層が形成されてなることを特徴とする再生電子写真部
    材。
  10. 【請求項10】 現像容器内に保持されていた現像剤を
    現像剤担持体上に担持し、該現像剤担持体上に現像剤層
    厚規制部材により現像剤の薄層を形成しながら潜像担持
    体と対向する現像領域へと搬送し、該潜像担持体上の潜
    像を現像剤により現像して可視像化する現像装置に用い
    られる現像剤担持体が、請求項6又は7に記載の電子写
    真部材の再生方法によって再生された金属製基体上に導
    電性樹脂被覆層が形成されてなることを特徴とする再生
    現像剤担持体。
  11. 【請求項11】 現像容器内に保持されていた現像剤を
    現像剤担持体上に担持し、且つ該現像剤担持体上に現像
    剤層厚規制部材によって現像剤の薄層を形成しながら潜
    像担持体と対向する現像領域へと現像剤を搬送し、該現
    像領域で、上記潜像担持体上に形成されている静電潜像
    を現像剤によって現像して可視像化する現像装置におい
    て、上記現像剤担持体に、請求項10に記載の再生現像
    剤担持体を用いることを特徴とする現像装置。
JP2001322672A 2001-10-19 2001-10-19 電子写真部材に対する塗工膜剥離方法、電子写真部材の再生方法、電子写真部材用金属製基体、再生電子写真部材、再生現像剤担持体及び現像装置 Pending JP2003131451A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101916057A (zh) * 2010-07-16 2010-12-15 珠海赛纳科技有限公司 一种充电辊的再生方法
JP2012118525A (ja) * 2010-12-02 2012-06-21 Xerox Corp 中間転写部材の再生
JP2014106536A (ja) * 2012-11-29 2014-06-09 Xerox Corp 定着器部材

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