JP2003131164A - 映像表示素子、及びそれを用いた映像表示装置 - Google Patents

映像表示素子、及びそれを用いた映像表示装置

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JP2003131164A
JP2003131164A JP2001325764A JP2001325764A JP2003131164A JP 2003131164 A JP2003131164 A JP 2003131164A JP 2001325764 A JP2001325764 A JP 2001325764A JP 2001325764 A JP2001325764 A JP 2001325764A JP 2003131164 A JP2003131164 A JP 2003131164A
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Eiji Yamaguchi
英治 山口
Takuya Shiaki
卓也 仕明
Futoshi Yamazaki
太志 山崎
Tsutomu Nakajima
努 中島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 映像表示装置の明るさおよび高画質、高性能
化の両方を達成するため、映像表示素子を効率よく放熱
する。 【解決手段】 映像表示素子の入出射面透光性材料に、
非結晶性で熱伝導率の高い材料を用いることで、画質を
低下させること無く高輝度化に対応できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子等の
映像表示素子を使用して、映像表示する映像表示装置に
係わり、特に該映像表示素子の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子等の映像表示素子を用いた
投射型映像表示装置を例として以下に説明する。
【0003】映像表示素子にランプ等の光源からの光を
当て、映像表示素子上の画像を投射レンズでスクリーン
に拡大投射する液晶プロジェクタ等の投射型映像表示装
置が、例えば特開平10-171045号公報で開示されてい
る。この種の投射型映像表示装置は、光源からの光を映
像表示素子で映像信号に応じて画素ごとに濃淡を変えて
調節(この調節を光強度変調と称す)し、スクリーンな
どに投射するものである。
【0004】従来の投射型映像表示装置について、図2
を用いて説明する。図2において、光源1から出射した
光束は第1レンズアレイ6に入射する。第1レンズアレイ
6は、入射した光束をマトリックス状に配置された複数
のレンズセルで複数の光束に分割して、効率よく第2レ
ンズアレイ7と偏光変換素子8を通過するように導く。
第1レンズアレイと同様に、マトリックス状に配置され
た複数のレンズセルを持つ第2レンズアレイ7は、構成
するレンズセルそれぞれが対応する第1レンズアレイ6
のレンズセルの形状を映像表示素子20R,20G,2
0B側に投影する。この時、偏光変換素子8は第2レン
ズアレイ7からの光束を所定の偏光方向に揃える。そし
て、これら第1レンズアレイ6の各レンズセルの投影像
を集光レンズ9、及びコンデンサレンズ10R,10
G,10B、第1リレ−レンズ17、第2リレ−レンズ
18により各映像表示素子20R,20G,20B上に
重ね合わせる。
【0005】その過程で、ダイクロイックミラ−12,
13により、光源1より出射された白色光は赤(R)、
緑(G)、青(B)の3原色に分離され、それぞれ対応
する映像表示素子20R,20G,20Bに照射され
る。なお、ここではダイクロイックミラ−12は赤反射
緑青透過特性であり、ダイクロイックミラ−13は緑反
射青透過特性である。
【0006】各映像表示素子20R,20G,20Bは
入射側に入射側偏光板4R,4G,4Bを、出射側に出
射側偏光板5R,5G,5Bを備え、所定の偏光方向の
光を通すようになっている。そして、図示しない映像信
号駆動回路により映像表示素子を透過する光量を制御し
て画素ごとに濃淡を変える光強度変調を行う。
【0007】光強度変調で形成された映像表示素子20
R,20G,20B上の映像は、色合成プリズム11に
よって色合成され、さらに、投射レンズ3によってスク
リ−ン19上へと投射され、大画面映像を得ることがで
きる。
【0008】なお、第1リレ−レンズ17と第2リレ−
レンズ18は、映像表示素子20R,20Gに対して映
像表示素子20Bの、光源1から映像表示素子面までの
光路長が長くなっていることを補うものである。
【0009】また、コンデンサレンズ10R,10G,
10Bは映像表示素子20R,20G,20B通過後の
光線の広がりを押さえ、投射レンズ3によって効率のよ
い投射を実現する。
【0010】冷却用ファン26は、例えば入射側偏光板
4R,4G,4B、出射側偏光板5R,5G,5Bや映
像表示素子20R,20G,20B等で光源1からの照
射光の一部を吸収して生じる熱を、空気の流れ(風)を
図示しない冷却用ダクトを介して送風し、前記偏光板や
映像表示素子への流路27を形成して冷却する。
【0011】以上のように構成された投射型映像表示装
置は、特に小型であることと、明るい画像が得られるこ
とが要求される。従って、近年、投射型映像表示装置に
用いられる透過型あるいは反射型の映像表示素子では、
素子自体の小型化が進むとともに、明るさも急速に向上
し、投射型映像表示装置の小型化、高輝度化、画質性能
化が向上している。これに伴い、小型化した映像表示素
子に光が集中することになり、前記映像表示素子の発熱
に伴う問題、例えば映像表示素子の寿命劣化等が発生す
る為、これを冷却用ファン等により冷却する放熱方法に
ついて数多く提案されている。
【0012】次に、映像表示素子20の概略構成の一例
を図3に示す。映像表示素子20は、表示画素21を対
向基板22とTFT基板23との間に形成し、その入射
側に入射側透光性部材124を、出射側に出射側透光性
部材125を備えており、入射側透光性部材124と出
射側透光性部材125の表面即ち映像表示素子20の表
面は空気に面している。この入射側透光性部材124と
出射側透光性部材125は、0.5〜2.0ミリメート
ル程度の厚みを有しており、映像表示素子の表示画素2
1に焦点を合わせた投射レンズ3で映像表示素子20の
表面に付着した塵埃などの異物がスクリ−ン19で視認
されにくくなるように、付着した異物を焦点位置からシ
フトさせている。このように構成した映像表示素子20
表面に例えば前記冷却用ファン26で流路27を介して
送風し、映像表示素子20で光源からの照射光を吸収し
て生じる熱を入出射側透光性部材124、125の表面
から放熱させて冷却している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、映像表
示素子の表面に付着する塵埃等の異物の映像がスクリ−
ンで視認されにくくなるように、映像表示素子の入出射
面に透光性部材を配設するが、この透光性部材の材料と
しては、石英等の透明ガラスが一般的である。
【0014】液晶表示素子等の映像表示素子では、偏光
を利用しているため、例えば透過型の液晶表示素子の場
合、上記したように映像表示素子の入射側と出射側の両
側に偏光板を配置する。この偏光板も光源からの光を受
けて発熱する。このため、偏光板を取付ける透光性の基
板に放熱作用を持たせている。この放熱作用を持つ透光
性の基板としては、コストがかかるが、熱伝導率の大き
いサファイヤ(42W/(m・℃))が最近多用されてい
る。サファイヤは結晶であり、複屈折性(偏光方向によ
って光路が異なる性質)を示すが、偏光板と組合せて複
屈折が生じないようにすることができる。
【0015】しかし、映像表示素子は、光強度変調を行
うので、周知のように、映像表示素子の出射光には、偏
光方向の異なる成分が含まれており、前記透光性部材の
材料として熱伝導のよいサファイヤを使用すると、複屈
折により画質に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0016】一方、映像表示素子の透光性部材の材料と
して石英等の透明ガラスを用いればその心配はないが、
熱伝導率κが小さく(1W/(m・℃))、放熱に問題が
ある。
【0017】本発明の目的は、上記した課題を解決し、
結晶性に伴う複屈折のない熱伝導の良好な映像表示素子
を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、光源からの光を光変調素子で映像信号に応じて画素
ごとの濃淡に変える光強度変調をおこない、該変調光で
ある映像光を投射レンズで拡大して投射する映像表示装
置の前記光変調素子として用いられる映像表示素子にお
いて、該映像表示素子の表面に付着する塵埃による前記
映像光への影響を低減するための透光性部材を、該映像
表示素子の入射光側と出射光側の両面に配設し、該透光
性部材の少なくとも一方に、該透光性部材の材料として
熱伝導率が石英ガラスの5倍以上である結晶軸を持たな
い非結晶性の透光性セラミック材料を用いるように構成
する。
【0019】該透光性部材の材料に高い熱伝導性能を有
する結晶軸を持たない非結晶性の透光性セラミック材料
を用いることで、結晶の持つ複屈折による画質低下をな
くすとともに、該映像表示素子を効率的に放熱冷却する
ことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図を参照して説明する。
【0021】図1は映像表示素子の概略構成である。図
1において、2は本発明による映像表示素子、24は入
射側透光性部材、25は出射側透光性性部材である。図
1において、図3に同一な部分には同一符号を付して説
明を省略する。
【0022】本発明では、映像表示素子2の入出射側透
光性部材24、25の材料として、熱伝導率が1.1
(W/(m・℃))の石英の透明ガラスに代えて、透光
性セラミック材料である例えば熱伝導率が11.7(W
/(m・℃))のYAG(イットリウム・アルミニウム・
ガ−ネット:YAl12)の結晶軸をもたない非
結晶性材料を用いる。この透光性セラミック材料YAG
はサファイヤ等と異なり、複屈折性を持たないため画質
の劣化を生ぜず、しかも熱伝導率が高いので、放熱効果
も良好な特性を示す。
【0023】放熱を考えると、入出射側透光性部材2
4、25の材料としては、熱伝導率が大きい材料が好ま
しいが、例えばサファイヤのように熱伝導率κが40
(W/(m・℃))以上の場合、結晶軸を持った物が多
く、結晶性に伴う複屈折により画質に悪影響をもたら
し、また、非結晶材料と比較して材料製造が難しく、値
段も高い。
【0024】入出射側透光性部材24、25の材料とし
て熱伝導率が11.7(W/(m・℃))の透光性セラミ
ック材料YAGを、200Wのランプ、0.9インチの液晶映
像表示素子パネル(許容温度 70℃)を使用した光束
量2000lmの映像表示装置である液晶プロジェクタに用
いた場合の測定結果について述べる。このとき、冷却は
空冷ファンを用いて空冷方式で行っている。入出射側透
光性部材に石英の透明ガラス(熱伝導率=1.1W/
(m・℃))を使用した場合、周囲温度30℃で映像表
示素子の温度は70℃程度であったが、透光性セラミッ
ク材料YAGを使用した場合、映像表示素子の温度を6
5℃にすることができ、画質を低下させること無く5℃
の改善を認めることができた。
【0025】このことから、映像表示素子の入出射側透
光性部材の熱伝導率としては石英ガラスの5倍以上であ
る必要があり、できれば、11.7±3(W/(m・℃))
が望ましい。
【0026】なお、本実施の形態では、透光性セラミッ
ク材料YAGを映像表示素子の入出射側透光性部材の材
料として用いて説明したが、これに限定されるものでは
なく、どちらか一方に用いてもよい。また、映像表示素
子のTFT基板や対向基板の基材として用いることもで
きる。さらに、映像表示素子の入射側と出射側に配置さ
れる偏光板の透光性基板の材料として、少なくともどち
らか一方にこれを用いることもできる。
【0027】そして、サファイヤを用いるよりもコスト
の低減を図ることができる。
【0028】以上述べた本発明による映像表示素子を図
2で述べた映像表示装置に用いることにより、効率的な
放熱と高画質の両立した映像表示装置を提供ですること
ができる。
【0029】また、本発明による映像表示素子を適用す
る映像表示装置としては、スクリ−ンの前面から投射す
る投射型プロジェクタに限定されるものではなく、スク
リ−ンの背面から投射する背面投射型プロジェクタや液
晶テレビジョン等も含まれる。
【0030】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
透光性部材の熱伝導率を大きくして効率的な放熱を確保
しながら、複屈折性による画質劣化を低減できる映像表
示素子およびそれを用いた映像表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の映像表示素子の実施の形態を示す構成
図である。
【図2】従来からの投射型液晶表示装置の形態を示す構
成図である。
【図3】従来の映像表示素子を示す構成図である。
【符号の説明】
1…光源、 2、20…映像表示素子、3…投射レン
ズ、4…入射側偏光板、5…出射側偏光板、6…第1レ
ンズアレイ、7…第2レンズアレイ、8…偏光変換素
子、9…集光レンズ、10…コンデンサレンズ、11…
色合成プリズム、12…ダイクロイックミラ−、13…
ダイクロイックミラ−、14、15、16…反射ミラ
−、17、18…リレ−レンズ、19…スクリ−ン、2
1…表示画素、22…対向基板、23…TFT基板、2
4…入射側透光性部材、25…出射側透光性部材、26
…冷却用ファン、27…流路、124…入射側透光性部
材、125…出射側透光性部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G02F 1/13 505 G02F 1/13 505 H04N 5/74 H04N 5/74 Z (72)発明者 仕明 卓也 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所デジタルメディアシステ ム事業部内 (72)発明者 山崎 太志 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所デジタルメディアシステ ム事業部内 (72)発明者 中島 努 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所デジタルメディアシステ ム事業部内 Fターム(参考) 2H088 EA14 EA15 EA18 EA19 EA20 HA01 HA13 HA18 HA25 HA28 MA04 MA05 MA16 2H091 FA05Z FA26Z FA41Z FB06 FB07 LA03 LA07 LA09 LA12 LA13 LA15 LA16 5C058 AA06 AB06 BA01 BA05 BA35 EA26 5G435 AA11 BB12 BB17 CC12 DD06 DD09 GG42 LL15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源からの光を光変調素子で映像信号に応
    じて画素ごとの濃淡に変える光強度変調をおこない、該
    変調光である映像光を投射レンズで拡大して投射する映
    像表示装置の前記光変調素子として用いられる映像表示
    素子において、 該映像表示素子の表面に付着する塵埃による前記映像光
    への影響を低減するための透光性部材を、該映像表示素
    子の入射光側と出射光側の両面に配設し、該透光性部材
    の少なくとも一方を、熱伝導率が石英ガラスの5倍以上
    であって、結晶軸を持たない非結晶性の透光性セラミッ
    ク材料で構成することを特徴とする映像表示素子。
  2. 【請求項2】前記透光性セラミックの熱伝導率が下式の
    範囲であることを特徴とする請求項1に記載の映像表示
    素子。 5(W/(m・℃))≦熱伝導率≦40(W/(m・℃)) (ただし、0℃時での熱伝導率)
  3. 【請求項3】前記透光性セラミックの持つ熱伝導率が、
    11.7±3(W/(m・℃))であることを特徴とする請
    求項1乃至請求項2の何れかに記載の映像表示素子。
  4. 【請求項4】前記透光性部材の両面のうち、片面を前記
    映像表示素子に接触させて配設し、他方の面を空気に触
    れて配設するようにしたことを特徴とする請求項1に記
    載の映像表示素子。
  5. 【請求項5】請求項1乃至請求項4の何れかに記載の映
    像表示素子と、該映像表示素子を映像信号に基づき駆動
    する駆動回路とを備えて構成されることを特徴とする映
    像表示装置。
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